JP2010134699A - 入力装置、入力方法、および入力プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】仮想の入力キーを表示するとともに当該入力キーに対応する命令を受け付けるための入力装置であって、ユーザが誤入力をし難い入力装置を提供する。
【解決手段】入力装置100は、表示パネル102と、表示パネルに複数の入力キーを表示させる表示制御手段111と、複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部171と、表示パネルに対する入力領域を検出する検出手段112と、複数の入力キーの各々について、入力キーの表示領域と入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得する取得手段113と、取得された複数の重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する重畳領域に対応する入力キーを抽出する抽出手段114と、記憶部を参照して抽出された入力キーに関連付けられた入力命令を受け付けて実行する実行手段115とを備える。
【選択図】図13
【解決手段】入力装置100は、表示パネル102と、表示パネルに複数の入力キーを表示させる表示制御手段111と、複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部171と、表示パネルに対する入力領域を検出する検出手段112と、複数の入力キーの各々について、入力キーの表示領域と入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得する取得手段113と、取得された複数の重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する重畳領域に対応する入力キーを抽出する抽出手段114と、記憶部を参照して抽出された入力キーに関連付けられた入力命令を受け付けて実行する実行手段115とを備える。
【選択図】図13
Description
本発明は、タッチ操作に応じてユーザからの命令を受け付ける入力装置、入力方法、および入力プログラムに関し、特に、表示パネルに対するタッチ操作に応じて表示されている入力キーに対応する入力命令を受け付ける入力装置、入力方法、および入力プログラムに関する。
表示パネル上に仮想の入力キーを表示することができる電子機器(入力装置)が知られている。そのような電子機器の中には、タッチパネル機能を搭載した表示パネルあるいは光センサ内蔵の表示パネルを有し、当該表示パネルを介して入力命令に対応する入力キーを表示するとともに、当該表示パネルを介して入力キーに対応する入力命令を受け付けるものがある。
表示パネル上に仮想の入力キーを表示することができる電子機器は、画面情報を変更することによって、ユーザが入力する命令を容易に変更することができる。すなわち、電子機器は、ユーザから受け付ける入力命令の操作項目(属性)によって入力キーを変更することができる。
具体的には、たとえば、POS(Point Of Sale)、ハンディーターミナルは、多くの場合、タブレット機能を有する液晶パネル(いわゆるタッチパネル)が搭載されている。タッチパネルは、液晶パネルによる表示機能とタブレット機能による入力機能を備えている。すなわち、タッチパネルは、画像データやテキストデータに基づいて画像やテキストなどの情報を液晶パネルを介して表示する。そして、ユーザは、手やスタイラスペンを用いてタッチパネル上の入力キー(ボタンなど)が表示されている箇所に接触することによって、入力キーに対応する命令をPOSやハンディーターミナルに入力する。POSやハンディーターミナルは、タブレットを機能を利用して、ユーザとタッチパネルとの接触位置を検出することによって、当該接触位置に基づいてユーザが所望する入力命令を受け付ける。
ユーザは画面に表示されている入力キーや操作項目を見ながらタッチパネルに入力命令を入力することができるため、タッチパネルはユーザにとって直感的に扱い易いユーザインターフェイスを提供できる。その他にも、タッチパネルにおいては、機械的なボタンの配置スペースが不要になる。また、タッチパネルは、表示される画像をアプリケーションプログラムなどに基づいて随時切り替えることが可能であるため、1つの表示画面を多様な操作項目に対応させることができる。
なお、タッチパネルには、抵抗膜方式(アナログ抵抗膜方式)、超音波方式、光遮断方式など多くの方式が存在する。POSやハンディーターミナルなどの小中画面を有する電子機器の多くが、抵抗膜方式のタッチパネルを採用している。
従来のタッチパネルは、POS、ハンディーターミナル、キオスクの端末、銀行のATM(Automatic Teller Machine)、自動販売機、携帯情報端末、携帯ゲーム機などの多くの機器に採用されている。一例として、以下では、ハンディーターミナルを接客用の端末として利用する場合について説明する。
ハンディーターミナルは、接客用のアプリケーションを搭載しており、タッチパネルを介して接客用の画面を表示する。接客店員は、顧客と対面しながら、ハンディーターミナルのタッチパネルに表示されているボタンにタッチすることによって、ボタンに対応する入力命令を入力する。たとえば、接客店員は、ハンディーターミナルに、3個の商品Aを購入する命令や2個の商品Bを購入する命令を入力する。ハンディーターミナルは、購入金額の合計を計算する。接客店員は、ハンディーターミナルに、現金による支払いやクレジットカードの使用などの決済方法を選択する命令を入力する。このように、接客定員は、ハンディーターミナルのタッチパネルに表示される各種のボタンを押すことによって、各種の命令を入力することができるため、ハンディーターミナルに対して直感的に入力命令を入力することが可能である。
その他にも、タッチパネルを利用する電子機器に関して、下記のような技術が公知となっている。
たとえば、特開平6−230899号公報(特許文献1)には、液晶タッチパネル付き多項目入力装置が開示されている。特開平6−230899号公報(特許文献1)によると、入力装置は、複数頁に分類された入力すべき情報の項目名を頁単位に1つ又は複数個の領域に分割して表示し、分割領域ごとに表示されている頁番号を表示する液晶表示手段と、液晶表示手段の上面に配置され、液晶表示手段に表示された項目名の位置を上部から押すことによってその位置情報を出力するタッチパネル入力手段と、各分割領域に表示される頁ごとのイメージと情報項目名とその位置情報からなる表示データ等を記憶する記憶手段と、キー入力の位置を検出し入力された情報項目名を判定する入力項目判定手段及び表示頁切替手段等からなる制御手段とから構成される。
また、特開昭63−127324号公報(特許文献2)には、タッチパネル入力装置が開示されている。特開昭63−127324号公報(特許文献2)によると、タッチパネル入力装置は、文字を含む画像を表示する手段、および該表示手段上に重ねられ、透明材質から構成される入力キーを含む。タッチパネル入力装置は、該キーの配列に対応した位置に、該表示手段により、該文字を含む画像を表示する。タッチパネル入力装置は、上記キーの中、オペレータが押下すると有効となる押下対象キーに対応する位置の画像部分を、該押下対象キーを除いたキーに対応する位置の画像部分の表示方法とは異なる表示方法で表示する手段を備える。タッチパネル入力装置は、オペレータがキーを押下する以前に、上記表示手段に表示された該押下対象キーに対応する位置の画像部分を、該押下対象キーを除いたキーに対応する位置の画像部分の表示方法とは異なる方法で表示する。
また、特開平8−35834号公報(特許文献3)には、平面精度測定装置並びにその入力装置及び監視装置が開示されている。特開平8−35834号公報(特許文献3)によると、入力装置は、測定装置の測定状況を監視するモニタ装置またはパネル型コンピュータのタッチパネルからなる入力表示部に、モニタ画面ごとに異なる配置で入力キーを表示する。また、入力装置は、入力キーを操作したときその部分を着色し、その着色状態を所定時間保持させる。
特開平6−230899号公報
特開昭63−127324号公報
特開平8−35834号公報
上記のような、表示パネル上に仮想の入力キーを表示することができる電子機器に関しては、ユーザによる誤入力を防止するための技術が求められている。たとえば、ユーザは、手袋などをはめて電子機器を使用する場合がある。手袋をはくことによって指が膨れた状態においては、ユーザは、複数の入力キーを同時に押してしまう虞がある。また、入力キーが小さい場合には、ユーザは素手であっても、複数の入力キーを押してしまう虞がある。
本発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、仮想の入力キーを表示するとともに当該入力キーに対応する命令を受け付けるための入力装置、入力方法、および入力プログラムであって、ユーザが誤入力をし難い入力装置、入力方法、および入力プログラムを提供することである。
この発明のある局面に従うと、入力装置が提供される。入力装置は、表示パネルと、表示パネルに複数の入力キーを表示させる表示制御手段と、複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部と、表示パネルに対する入力領域を検出する検出手段と、複数の入力キーの各々について、入力キーの表示領域と入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得する取得手段と、取得手段によって取得された複数の重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する重畳領域に対応する入力キーを抽出する抽出手段と、記憶部を参照して、抽出手段によって抽出された入力キーに関連付けられた入力命令を受け付けて実行する実行手段とを備える。
好ましくは、表示パネルは、画像データを取得する。検出手段は、表示パネルからの画像データに基づいて入力領域を検出する。
好ましくは、表示パネルは、入射光に応じて出力信号を生成する複数の光センサ回路と、入力信号に応じて色を発するための複数の画素回路とを含む。表示パネルは、複数の画素回路のそれぞれに入力信号を入力することによって、複数の入力キーを表示し、複数の光センサ回路からの出力信号に基づいて画像データを取得する。
好ましくは、表示パネルは、複数の入力位置を示す入力データを生成する。検出手段は、入力データを取得することによって、複数の入力位置を入力領域として検出する。取得手段は、複数の入力キーの各々について、入力キーの表示領域内の入力位置の個数を重畳領域の面積として取得する。
この発明の別の局面に従うと、複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部と表示パネルと演算処理部とを備える入力装置における入力方法が提供される。入力方法は、演算処理部が、表示パネルに複数の入力キーを表示させるステップと、演算処理部が、表示パネルに対する入力領域を検出するステップと、演算処理部が、複数の入力キーの各々について、入力キーの表示領域と入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得するステップと、演算処理部が、複数の重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する重畳領域に対応する入力キーを抽出するステップと、演算処理部が、記憶部を参照して、入力キーに関連付けられた入力命令を受け付けるステップとを備える。
この発明の別の局面に従うと、複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部と表示パネルと演算処理部とを備える入力装置に命令を入力させるための入力プログラムが提供される。入力プログラムは、演算処理部に、表示パネルに複数の入力キーを表示させるステップと、表示パネルに対する入力領域を検出するステップと、複数の入力キーの各々について、入力キーの表示領域と入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得するステップと、複数の重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する重畳領域に対応する入力キーを抽出するステップと、記憶部を参照して、入力キーに関連付けられた入力命令を受け付けるステップとを実行させる。
以上のように、本発明によって、仮想の入力キーを表示するとともに当該入力キーに対応する命令を受け付けるための入力装置、入力方法、および入力プログラムであって、ユーザが誤入力をし難い入力装置、入力方法、および入力プログラムが提供される。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
[実施の形態1]
<電子機器100の全体構成>
まず、入力装置の一例である電子機器100の全体構成について説明する。本実施の形態に係る電子機器100は、表示パネルにユーザが押下するための仮想ボタンを表示させる。ユーザは、表示パネルに表示された仮想ボタンにタッチすることによって、当該仮想ボタンに対応する命令を電子機器100に入力する。
<電子機器100の全体構成>
まず、入力装置の一例である電子機器100の全体構成について説明する。本実施の形態に係る電子機器100は、表示パネルにユーザが押下するための仮想ボタンを表示させる。ユーザは、表示パネルに表示された仮想ボタンにタッチすることによって、当該仮想ボタンに対応する命令を電子機器100に入力する。
以下では、本実施の形態に係る電子機器100の一例としてハンディーターミナルについて説明する。ただし、電子機器100は、POS(Point of sale)ターミナルや、PDA(Personal Digital Assistant)、ノート型のパーソナルコンピュータ、携帯型電話機、電子辞書などのような、仮想の入力キーを表示するとともに、当該入力キーに対応する選択命令を受け付けることができる入力装置であればよい。
また、以下では、入力キーとは、名称とともに表示パネル上に表示されるボタンだけでなく、名称が付されないボタンをも含む概念である。すなわち、表示パネルがボタンの存在(ボタンの枠)を示す画像のみを表示して、当該ボタンの名称が記載されたシールなどが表示パネルの周囲に貼られてもよい。
図1は、本実施の形態に係る電子機器100の外観を示す概略図である。より詳細には、図1(A)は電子機器100が表示パネル102を介して2つの入力ボタン102A,102Bを表示する状態を示すイメージ図であり、図1(B)は手袋をはめたユーザが入力ボタン102A,102Bを押した状態を示すイメージ図であり、図1(C)は手袋をはめたユーザの指900と表示パネル102との接触領域および重畳領域を示すイメージ図であり、図1(D)は表示パネル102を介して入力ボタン102Bに対応する入力命令を受け付けたときの電子機器100を示すイメージ図である。
図1(A)から図1(D)を参照して、電子機器100は、表示パネル102や操作キー177を含む。本実施の形態に係る表示パネル102は、光センサ内蔵液晶パネル140(以下、液晶パネル140ともいう。)を含む。電子機器100は、表示パネル102を介して、ユーザの指900やスタイラスペンなどの外部の物体と表示パネル102との入力領域を検知することができる。
ここで、「入力領域」とは、外部の物体と表示パネル102との接触領域だけでなく、たとえば表示パネル102に後述の光センサ内蔵液晶パネル140を使用する場合のように、外部の物体が表示パネル102上にかざされた際の、外部の物体の位置に対応する表示パネル102上の領域などをも含む概念である。電子機器100は、各種のセンサ機能を利用して、このような入力領域を検出できればよい。換言すれば、本実施の形態に係る電子機器100は、外部の物体と表示パネル102との間に隙間が存在しても、入力領域を検出できるものである。以下では、入力領域の一例として「接触領域」という用語を用いて説明する。
また、電子機器100は、外部の物体と表示パネルとの複数の接触位置(入力位置)を、接触領域として検出できるものであればよい。すなわち、表示パネルは、外部の物体と表示パネルとの複数の接触位置を検出できるタブレット機能を有していてもよい。換言すれば、表示パネルは、いわゆる多点検出型のタッチパネルであってもよい。
そして、本実施の形態に係る電子機器100は、表示パネル102に入力命令を受け付けるための入力ボタン102A,102Bなどのような各種の入力キーを表示させる。電子機器100は、表示パネル102を介して、ユーザから入力キーに対応する入力命令を受け付ける。たとえば、電子機器100は、表示パネル102に表示されている入力ボタン102Aがタッチされたことを検知して、ユーザから入力ボタン102Aに対応する入力命令を受け付ける。また、電子機器100は、表示パネル102に表示されている入力ボタン102Bがタッチされたことを検知して、ユーザから入力ボタン102Bに対応する入力命令を受け付ける。
<電子機器100の動作概要>
次に、図1(A)から図1(D)を参照して、本実施の形態に係る電子機器100の動作概要について説明する。
次に、図1(A)から図1(D)を参照して、本実施の形態に係る電子機器100の動作概要について説明する。
図1(A)を参照して、まず、電子機器100は、表示パネル102を介して複数の入力キーを表示する。ここでは、電子機器100は、表示パネル102に入力命令の各々に対応する入力ボタン102A,102Bを選択可能に表示させる。前述したように、ユーザは、自身の指900などを用いて表示パネル102に表示されている入力ボタン102Aにタッチすることによって、電子機器100に入力命令を入力する。また、ユーザは、自身の指900などを用いて表示パネル102に表示されている入力ボタン102Bにタッチすることによって、電子機器100に入力命令を入力する。これによって、電子機器100は、入力ボタン102Aに対応する入力命令や、入力ボタン102Bに対応する入力命令を受け付ける。
図1(B)を参照して、ユーザは、手袋をはめた状態で電子機器100を操作する場合がある。ユーザは、電子機器100に動作Bを実行するための入力命令を入力するために、表示パネル102の入力ボタン102Bにタッチする。このとき、ユーザの指は手袋によって膨らんでいるため、ユーザは入力ボタン102Aと入力ボタン102Bとを押してしまうことがある。すなわち、ユーザは、動作Bを実行するための入力命令に対応する入力ボタン102Bだけでなく、動作Aを実行するための入力命令に対応する入力ボタン102Aをも押してしまうことがある。
図1(C)を参照して、本実施の形態に係る電子機器100は、表示パネル102を介して、外部の物体と表示パネル102との接触領域(外部の物体と表示パネル102に対する接触領域)を検知する。電子機器100は、入力ボタン102Aの表示領域と接触領域との重畳領域103Aを認識することによって、当該重畳領域103Aの面積を計算する。電子機器100は、入力ボタン102Bの表示領域と接触領域との重畳領域103Bを認識することによって、当該重畳領域103Bの面積を計算する。
図1(C)および図1(D)を参照して、電子機器100は、重畳領域103Aの面積と重畳領域103Bの面積とを比較して、最も大きい面積を有する重畳領域103Bを抽出する。電子機器100は、最も大きい面積を有する重畳領域103Bに対応する入力ボタン102Bを抽出することによって、抽出された入力ボタン102Bに対応する入力命令を受け付ける。電子機器100は、表示パネル102を介して入力命令を受け付けた旨を表示する。そして、電子機器100は、入力ボタン102Bに対応する動作Bを実行する。
このように、本実施の形態に係る電子機器100においては、ユーザが、入力しようとする入力命令に対応する第1の入力キーだけでなく、その他の第2の入力キーに触れてしまっても、第1の入力キーに対応する入力命令を受け付けることができる。より詳細には、電子機器100は、ユーザの指900と各入力キーの表示領域との重畳領域の面積に基づいて、最も重畳領域の面積が大きい入力キーを認識して、当該入力キーに対応する入力命令を受け付ける。電子機器100は、当該入力キーに対応する入力命令を実行する。その結果、本実施の形態に係る電子機器100においては、ユーザが誤入力をし難い。
<電子機器100のハードウェア構成>
電子機器100の具体的構成の一態様について説明する。図2は、電子機器100のハードウェア構成を表わすブロック図である。図2を参照して、電子機器100は、主たる構成要素として、本体装置101と、表示パネル102とを含む。
電子機器100の具体的構成の一態様について説明する。図2は、電子機器100のハードウェア構成を表わすブロック図である。図2を参照して、電子機器100は、主たる構成要素として、本体装置101と、表示パネル102とを含む。
本体装置101は、CPU(Central Processing Unit)110と、SRAM(Static Random Access Memory)171と、フラッシュメモリ172と、メモリカードインターフェイス173と、通信部174と、USB(Universal Serial Bus)インターフェイス175と、クロック176と、操作キー177と、電源回路191と、バッテリ192を含む。各構成要素は、相互にデータバスDB1によって接続されている。
CPU110は、各種のプログラムを実行することによって、電子機器100の各部を制御する。
SRAM171は、CPU110が実行するプログラムや、CPU110のプログラムの実行により生成されたデータ、または操作キー177を介して入力されたデータなどを揮発的に格納する。
フラッシュメモリ172は、データを不揮発的に格納する。また、フラッシュメモリ172は、EPROM(Erasable Programmable Read-Only Memory)などのように、データの書き込みおよび消去が可能な記録媒体である。ただし、フラッシュメモリ172は、ROM(Read-Only Memory)であってもよい。
また、フラッシュメモリ172は、その一部の領域に、電子機器100を制御するためのオペレーティングシステム(Operating System、OS)を搭載している。また、フラッシュメモリ172は、その一部の領域に、たとえば接客用のアプリケーションやデータを格納している。そして、ユーザは、SRAM171の接客用のアプリケーションやデータを書き換えることによって、電子機器100の処理内容を変更することができる。なお、本実施の形態においては、接客店員などのユーザに表示するための操作画面の推移、表示する入力キーの態様、表示する入力キーに対応する入力命令の処理内容などの構成はアプリケーションによって定義される。
メモリカードインターフェイス173には、メモリカード1731が装着される。メモリカード1731は、アプリケーションプログラムやその他のデータを格納する。電子機器100のCPU110は、メモリカードインターフェイス173を介して、メモリカード1731からアプリケーションプログラムやその他のデータを読み出してSRAM171やフラッシュメモリ172に格納することによって、アプリケーションプログラムやその他のデータを利用する。
通信部174は、図示しない他の電子機器との間で無線通信を行う。これによって、ユーザは、電子機器100に入力した商品の選択命令や決済方法の選択命令などを示すデータをサーバなどの他の装置へ送信することができる。
USBインターフェイス175は、同じくUSBインターフェイスを有する外部のUSB機器1751と電子機器100とを接続する。
クロック176は、時計機能を有し、CPU110にアプリケーションが利用可能なタイミングを提供する。
操作キー177は、電子機器100のユーザから命令やデータの入力を受け付ける。操作キー177は、テンキーやキーボードなどを含む。操作キー177は、入力された命令やデータをCPU110に受け渡す。たとえば、操作キー177は、後述する認識回数を受け付ける。
電源回路191およびバッテリ192は、電子機器100の各部に電力を供給する。バッテリ192は、電子機器100から着脱可能であってもよい。また、電源回路191は、コネクタを介して外部電源193から電力を取得して、電子機器100の各部に電力を供給する。
表示パネル102は、ドライバ130と、光センサ内蔵液晶パネル140と、内部IF178と、バックライト179と、画像処理エンジン180とを含む。
ドライバ130は、液晶パネル140およびバックライト179を駆動するための駆動回路である。ドライバ130に含まれる各種の駆動回路については、後述する。
液晶パネル140は、液晶ディスプレイの機能と光センサの機能とを備えたデバイスである。つまり、液晶パネル140は、液晶を用いた画像の表示と、光センサを用いたセンシングとを行うことができる。液晶パネル140の詳細については、後述する。
内部IF(Interface)178は、本体装置101と表示パネル102との間で、データのやり取りを仲介する。
バックライト179は、液晶パネル140の裏面に配置された光源である。バックライト179は、当該裏面に対して均一な光を照射する。
画像処理エンジン180は、ドライバ130を介して液晶パネル140の動作を制御する。ここで、当該制御は、内部IF178を介して本体装置101から送られてくる各種データに基づいて行われる。なお、当該各種データは、後述するコマンドを含む。また、画像処理エンジン180は、液晶パネル140から出力されるデータを処理し、処理したデータを内部IF178を介して本体装置101に送る。さらに、画像処理エンジン180は、ドライバ制御部181と、タイマ182と、信号処理部183とを含む。
ドライバ制御部181は、ドライバ130に対して制御信号を送ることによりドライバ130の動作を制御する。また、ドライバ制御部181は、本体装置101から送られてくるコマンドを解析する。そして、ドライバ制御部181は、当該解析の結果に基づいた制御信号をドライバ130に送る。ドライバ130の動作の詳細については、後述する。
タイマ182は、時刻情報を生成し、信号処理部183に対して時刻情報を送る。
信号処理部183は、上記光センサから出力されるデータを受け取る。ここで、上記光センサから出力されるデータはアナログデータであるため、信号処理部183は、まず当該アナログデータをデジタルデータに変換する。さらに、信号処理部183は、当該デジタルデータに対して、本体装置101から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。そして、信号処理部183は、上記データ処理を行った後のデータと、タイマ182から取得した時刻情報とを含んだデータ(以下、応答データと称する)を本体装置101に送る。また、信号処理部183は、後述するスキャンデータを連続して複数格納できるRAM(図示せず)を備えている。
信号処理部183は、上記光センサから出力されるデータを受け取る。ここで、上記光センサから出力されるデータはアナログデータであるため、信号処理部183は、まず当該アナログデータをデジタルデータに変換する。さらに、信号処理部183は、当該デジタルデータに対して、本体装置101から送られてくるコマンドの内容に応じたデータ処理を行う。そして、信号処理部183は、上記データ処理を行った後のデータと、タイマ182から取得した時刻情報とを含んだデータ(以下、応答データと称する)を本体装置101に送る。また、信号処理部183は、後述するスキャンデータを連続して複数格納できるRAM(図示せず)を備えている。
上記コマンドは、上記光センサによりセンシングを指示するセンシングコマンドを含む。当該センシングコマンドの詳細および上記応答データの詳細については、後述する(図7〜図9)。
なお、タイマ182は、必ずしも画像処理エンジン180に備えられている必要はない。たとえば、タイマ182は、表示パネル102内における、画像処理エンジン180の外部に備えられていてもよい。あるいは、タイマ182は、本体装置101に備えられていてもよい。
ここで、表示パネル102は、システム液晶を含んでいる。なお、システム液晶とは、液晶パネル140の周辺機器を当該液晶パネル140のガラス基板上に一体形成することにより得られるデバイスである。本実施の形態では、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、液晶パネル140のガラス基板上に一体形成されている。なお、表示パネル102が、必ずしもシステム液晶を用いて構成されている必要はなく、ドライバ130(バックライト179を駆動する回路を除く)と、内部IF178と、画像処理エンジン180とが、上記ガラス基板以外の基板に構成されていてもよい。
ところで、電子機器100における処理は、各ハードウェアおよびCPU110により実行されるソフトウェアによって実現される。このようなソフトウェアは、フラッシュメモリ172に予め記憶されている場合がある。また、ソフトウェアは、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されて、プログラム製品として流通している場合もある。あるいは、ソフトウェアは、いわゆるインターネットに接続されている情報提供事業者によってダウンロード可能なプログラム製品として提供される場合もある。このようなソフトウェアは、メモリカードインターフェイス173その他の読取装置によりその記憶媒体から読み取られて、あるいは、通信部174または通信IF(図示せず)を介してダウンロードされた後、フラッシュメモリ172に一旦格納される。そのソフトウェアは、CPU110によってフラッシュメモリ172から読み出され、SRAM171に実行可能なプログラムの形式で格納される。CPU110は、そのプログラムを実行する。
図2に示される電子機器100の本体装置101を構成する各構成要素は、一般的なものである。したがって、本発明の本質的な部分は、SRAM171、フラッシュメモリ172、メモリカード1731その他の記憶媒体に格納されたソフトウェア、あるいはネットワークを介してダウンロード可能なソフトウェアであるともいえる。なお、電子機器100の本体装置101のハードウェアの動作は周知であるので、詳細な説明は繰り返さない。
なお、記憶媒体としては、メモリカードに限られず、CD−ROM、FD(Flexible Disk)、ハードディスク、磁気テープ、カセットテープ、光ディスク(MO(Magnetic Optical Disc)/MD(Mini Disc)/DVD(Digital Versatile Disc))、IC(Integrated Circuit)カード(メモリカードを除く)、光カード、マスクROM、EPROM、EEPROM(Electronically Erasable Programmable Read-Only Memory)、フラッシュROMなどの半導体メモリ等の固定的にプログラムを格納する媒体でもよい。
ここでいうプログラムとは、CPUにより直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム形式のプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
<光センサ内蔵液晶パネル140の構成および駆動について>
次に、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路の構成とについて説明する。図3は、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路とを示した図である。
次に、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路の構成とについて説明する。図3は、液晶パネル140の構成と、当該液晶パネル140の周辺回路とを示した図である。
図3を参照して、液晶パネル140は、画素回路141と、光センサ回路144と、走査信号線Giと、データ信号線SRjと、データ信号線SGjと、データ信号線SBjと、センサ信号線SSjと、センサ信号線SDjと、読出信号線RWiと、リセット信号線RSiとを含む。なお、iは、1≦i≦mを満たす自然数であり、jは1≦j≦nを満たす自然数である。
また、図2に示した表示パネル102のドライバ130は、液晶パネル140の周辺回路として、走査信号線駆動回路131と、データ信号線駆動回路132と、光センサ駆動回路133と、スイッチ134と、アンプ135とを含む。
走査信号線駆動回路131は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC1を受ける。そして、走査信号線駆動回路131は、制御信号TC1に基づき、各走査信号線(G1〜Gm)に対して、走査信号線G1から順に予め定められた電圧を印加する。より詳しくは、走査信号線駆動回路131は、単位時間毎に走査信号線(G1〜Gm)の中から1つの走査信号線を順次選択し、当該選択した走査信号線に対して後述するTFT(Thin Film Transistor)142のゲートをターンオンできるだけの電圧(以下、ハイレベル電圧)を印加する。なお、選択されていない走査信号線に対しては、ハイレベル電圧を印加することなく、ローレベル電圧を印加したままとする。
データ信号線駆動回路132は、図2に示すドライバ制御部181から画像データ(DR,DG,DB)を受ける。そして、データ信号線駆動回路132は、3n個のデータ信号線(SR1〜SRn,SG1〜SGn,SB1〜SBn)に対して、上記単位時間毎に、1行分の画像データに対応する電圧を順次印加する。
なお、ここでは、いわゆる線順次方式と呼ばれる駆動方式を用いて説明したが、駆動方式はこれに限定されるものではない。
画素回路141は、1つの画素の輝度(透過率)を設定するための回路である。また、画素回路141は、マトリクス状にm×n個配されている。より詳しくは、画素回路141は、図3の縦方向にm個、横方向にn個配されている。
画素回路141は、Rサブピクセル回路141rと、Gサブピクセル回路141gと、Bサブピクセル回路141bとからなる。これら3つの回路(141r,141g,141b)は、それぞれ、TFT142と、画素電極と対向電極とからなる1組の電極対143と、図示しないコンデンサとを含む。
なお、n型のトランジスタとp型のトランジスタとを作れるCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を実現できること、キャリア(電子または正孔)の移動速度がアモルファスシリコン薄膜トランジスタ(a-Si TFT)に比べて数百倍早いことなどから、表示パネル102では、TFT142として多結晶シリコン薄膜トランジスタ(p-Si TFT)が用いられる。なお、TFT142は、n型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT142がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
Rサブピクセル回路141r内のTFT142のソースはデータ信号線SRjに接続されている。また、当該TFT142のゲートは走査信号線Giに接続されている。さらに、当該TFT142のドレインは、電極対143の画素電極に接続される。そして、画素電極と対向電極との間には、液晶が配される。なお、Gサブピクセル回路141gおよびBサブピクセル回路141bについても、各TFT142のソースが接続されるデータ信号線が異なる以外は、Rサブピクセル回路141rと同じ構成である。このため、これら2つの回路(141g,141b)についての説明は、繰り返さない。
ここで、画素回路141における輝度の設定について説明する。まず、走査信号線Giに上記ハイレベル電圧を印加する。当該ハイレベル電圧の印加により、TFT142のゲートがターンオンする。このようにTFT142のゲートがターンオンした状態で、各データ信号線(SRj,SGj,SBj)に対して、それぞれ指定された電圧(1画素分の画像データに対応する電圧)を印加する。これにより、当該指定された電圧に基づいた電圧が画素電極に印加される。その結果、画素電極と対向電極との間に電位差が生じる。この電位差に基づいて、液晶が応答し、画素の輝度は予め定められた輝度に設定される。なお、当該電位差は、上記図示しないコンデンサ(補助容量)によって、次のフレーム期間において走査信号線Giが選択されるまで保持される。
光センサ駆動回路133は、図2に示すドライバ制御部181から制御信号TC2を受ける。
そして、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎にリセット信号線(RS1〜RSm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、選択されていないリセット信号線に対しては、選択されたリセット信号線に印加した電圧よりも低い電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、電圧VDDRを0Vに、電圧VSSRを−5Vに設定すればよい。
また、光センサ駆動回路133は、制御信号TC2に基づき、単位時間毎に読出信号線(RW1〜RWm)の中から1つの信号線を順次選択し、当該選択した信号線に対して、予め定められたタイミングで通常よりもハイレベルな電圧VDDを印加する。なお、選択されていない読出信号線に対しては、上記電圧VSSRを印加したままとする。たとえば、VDDの値を8Vに設定すればよい。
なお、電圧VDDRを印加するタイミング、および電圧VDDを印加するタイミングについては、後述する。
光センサ回路144は、フォトダイオード145と、コンデンサ146と、TFT147とを含む。なお、以下では、TFT147がn型チャネルの電界効果トランジスタであるとして説明する。ただし、TFT147がp型チャネルの電界効果トランジスタであってもよい。
フォトダイオード145のアノードは、リセット信号線RSiに接続されている。一方、フォトダイオード145のカソードは、コンデンサ146の一方の電極に接続されている。また、コンデンサ146の他方の電極は、読出信号線RWiに接続されている。なお、以下では、フォトダイオード145とコンデンサ146との接続点をノードNと称する。
TFT147のゲートは、ノードNに接続されている。また、TFT147のドレインは、センサ信号線SDjに接続されている。さらに、TFT147のソースは、センサ信号線SSjに接続されている。光センサ回路144を用いたセンシングの詳細については、後述する。
スイッチ134は、センサ信号線(SD1〜SDn)に対して、予め定められた電圧を印加するか否かを切り換えるために設けられたスイッチである。スイッチ134の切り換え動作は、光センサ駆動回路133により行われる。なお、スイッチ134が導通状態となった場合にセンサ信号線(SD1〜SDn)に印加される電圧については、後述する。
アンプ135は、各センサ信号線(SS1〜SSn)から出力された電圧を増幅する。なお、増幅された電圧は、図2に示した信号処理部183に送られる。
なお、画素回路141を用いて画像を液晶パネル140に表示させるタイミングと、光センサ回路144を用いてセンシングするタイミングとについては、画像処理エンジン180が制御する。
図4は、液晶パネル140とバックライト179との断面図である。図4を参照して、液晶パネル140は、アクティブマトリクス基板151Aと、対向基板151Bと、液晶層152とを含む。対向基板151Bは、アクティブマトリクス基板151Aに対向して配されている。液晶層152は、アクティブマトリクス基板151Aと対向基板151Bとに挟まれている。バックライト179は、アクティブマトリクス基板151Aに関し液晶層152と反対側に配されている。
アクティブマトリクス基板151Aは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、電極対143を構成する画素電極143aと、フォトダイオード145と、データ信号線157と、配向膜164とを含む。さらに、図4には示していないが、アクティブマトリクス基板151Aは、図3に示した、コンデンサ146と、TFT147と、TFT142と、走査信号線Giとを含む。
また、アクティブマトリクス基板151Aにおいては、バックライト179側から、偏光フィルタ161、ガラス基板162、画素電極143a、および配向膜164が、この順に配されている。フォトダイオード145とデータ信号線157とは、ガラス基板162の液晶層152側に形成されている。
対向基板151Bは、偏光フィルタ161と、ガラス基板162と、遮光膜163と、カラーフィルタ(153r,153g,153b)と、電極対143を構成する対向電極143bと、配向膜164とを含む。
また、対向基板151Bにおいては、液晶層152側から、配向膜164、対向電極143b、カラーフィルタ(153r,153g,153b)、ガラス基板162、および偏光フィルタ161が、この順に配されている。遮光膜163は、カラーフィルタ(153r,153g,153b)と同一の層に形成されている。
カラーフィルタ153rは、赤色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153gは、緑色の波長の光を透過させるフィルタである。カラーフィルタ153bは、青色の波長の光を透過させるフィルタである。ここで、フォトダイオード145は、カラーフィルタ153bに対向する位置に配されている。
液晶パネル140は、外光やバックライト179などの光源により発せられた光を遮ったり又は当該光を透過させたりすることによって、画像の表示をする。具体的には、液晶パネル140は、画素電極143aと対向電極143bとの間に電圧を印加することにより液晶層152の液晶分子の向きを変化させ、上記光を遮ったり、あるいは透過させる。ただし、液晶だけでは光を完全に遮ることができないため、特定の偏光方向の光のみを透過させる偏光フィルタ161を配置している。
なお、フォトダイオード145の位置は、上記の位置に限定されるものではなく、カラーフィルタ153rに対向する位置やカラーフィルタ153gに対向する位置に設けることも可能である。
ここで、光センサ回路144の動作について説明する。図5は、光センサ回路144を動作させる際のタイミングチャートを示した図である。図5において、電圧VINTは、光センサ回路144内のノードNにおける電位を示している。また、電圧VPIXは、図3に示したセンサ信号線SSjからの出力電圧であって、アンプ135によって増幅される前の電圧を示している。
以下では、光センサ回路144をリセットするためのリセット期間と、光センサ回路144を用いて光をセンシングするためのセンシング期間と、センシングした結果を読み出す読出期間とに分けて説明する。
まず、リセット期間について説明する。リセット期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧を、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDDR)へと瞬間的に切り換える。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。このように、リセット信号線RSiに上記ハイレベルの電圧を印加することにより、フォトダイオード145の順方向(アノード側からカソード側)に電流が流れ始める。その結果、ノードNの電位である電圧VINTは、以下の式(1)で示す値となる。なお、式(1)では、フォトダイオード145における順方向の電圧降下量をVfとしている。
VINT=VSSR+|VDDR−VSSR|−Vf … (1)
それゆえ、ノードNの電位は、図5に示すとおり、電圧VDDRよりもVfだけ小さな値となる。
それゆえ、ノードNの電位は、図5に示すとおり、電圧VDDRよりもVfだけ小さな値となる。
ここで、電圧VINTは、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以下であるため、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。また、コンデンサ146の電極間には、上記電圧VINT分の差が生じる。このため、コンデンサ146には、当該差に応じた電荷が蓄積される。
次に、センシング期間について説明する。リセット期間に続くセンシング期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧は、ハイレベル(電圧VDDR)からローレベル(電圧VSSR)へと瞬間的に切り換わる。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)のままとする。
このように、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベルに変化させることにより、ノードNの電位は、リセット信号線RSiの電圧および読出信号線RWiの電圧よりも高くなる。このため、フォトダイオード145においては、カソード側の電圧がアノード側の電圧よりも高くなる。つまり、フォトダイオード145は、逆バイアスの状態となる。このような逆バイアスの状態において、光源からの光をフォトダイオード145が受光すると、フォトダイオード145のカソード側からアノード側へと電流が流れ始める。その結果、図5に示すとおり、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)は時間の経過とともに低くなる。
なお、このように電圧VINTが低下し続けるため、TFT147のゲートはターンオンした状態にはならない。それゆえ、センサ信号線SSjからの出力はない。このため、電圧VPIXは変化しない。
次に、読出期間について説明する。センシング期間に続く読出期間においては、リセット信号線RSiに印加する電圧をローレベル(電圧VSSR)のままとする。一方、読出信号線RWiに印加する電圧は、ローレベル(電圧VSSR)からハイレベル(電圧VDD)へと瞬間的に切り換わる。ここで、電圧VDDは、電圧VDDRよりも高い値である。
このように、読出信号線RWiにハイレベルの電圧を瞬間的に印加することにより、図5に示すとおり、コンデンサ146を介してノードNの電位が引き上げられる。なお、ノードNの電位の上昇幅は、読出信号線RWiに印加する電圧に応じた値となる。ここで、ノードNの電位(つまり、電圧VINT)が、TFT147のゲートをターンオンさせる閾値以上まで引き上げられるため、TFT147のゲートがターンオンする。
この際、TFT147のドレイン側に接続されたセンサ信号線SDj(図3参照)に予め一定電圧を印加しておけば、TFT147のソース側に接続されたセンサ信号線SSjからは、図5のVPIXのグラフに示すとおり、ノードNの電位に応じた電圧が出力される。
ここで、フォトダイオード145が受光する光の量(以下、受光量と称する)が少ないと、図5のVINTのグラフに示す直線の傾きが緩やかになる。その結果、電圧VPIXは、受光量が多い場合に比べて高くなる。このように、光センサ回路144は、フォトダイオード145の受光量に応じて、センサ信号線SSjに出力する電圧の値を変化させる。
ところで、上記においては、m×n個存在する光センサ回路のうち、1つの光センサ回路144に着目して、その動作を説明した。以下では、液晶パネル140における各光センサ回路の動作について説明する。
まず、光センサ駆動回路133は、n個のセンサ信号線(SD1〜SDn)の全てに対して、予め定められた電圧を印加する。次に、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS1に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。なお、他のリセット信号線(RS2〜RSm)および読出信号線(RW1〜RWm)については、ローレベルの電圧を印加したままの状態とする。これにより、図3における1行目のn個の光センサ回路が、上述したリセット期間に入る。その後、1行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入る。さらに、その後、1行目のn個の光センサ回路は、読出期間に入る。
なお、n個のセンサ信号線(SD1〜SDn)の全てに対して予め定められた電圧を印加するタイミングは、上記のタイミングに限定されず、少なくとも読出期間前に印加されるタイミングであればよい。
1行目のn個の光センサ回路の読出期間が終了すると、光センサ駆動回路133は、リセット信号線RS2に対して、通常よりもハイレベルな電圧VDDRを印加する。つまり、2行目のn個の光センサ回路のリセット期間に入る。リセット期間が終了すると、2行目のn個の光センサ回路は、センシング期間に入り、その後は、読出期間に入る。
以降は、上述した処理が、順に、3行目のn個の光センサ回路、4行目のn個の光センサ回路、…m行目のn個の光センサ回路に対して行われる。その結果、センサ信号線(SS1〜SSn)からは、1行目のセンシング結果、2行目のセンシング結果、…、m行目のセンシング結果が、この順に出力される。
なお、表示パネル102においては、上記のように行毎にセンシングが行われるとともに、行毎にセンシング結果が液晶パネル140から出力される。このため、以下では、液晶パネル140から出力される1行目からm行目までのm行分の電圧に関するデータに対して、信号処理部183が上述したデータ処理を行った後のデータを、「スキャンデータ」と称する。つまり、スキャンデータとは、スキャン対象物(たとえば、ユーザの指)をスキャンすることにより得られる画像データを指す。また、当該スキャンデータに基づいて表示された画像を、「スキャン画像」と称する。さらに、以下では、センシングを「スキャン」と称する。
また、上記においては、m×n個の光センサ回路全てを用いてスキャンを行う構成を例に挙げたが、これに限定されるものではない。予め選択された光センサ回路を用いて、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行うことも構成としてもよい。
以下では、電子機器100が、両構成のいずれの構成をも採れるものとする。さらに、当該構成間の切り換えは、操作キー177を介した入力などに基づく本体装置101から送られてくるコマンドにより行われるものとする。なお、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合、画像処理エンジン180が、スキャン対象領域の設定を行う。なお、当該領域の設定を、操作キー177を介してユーザが指定できる構成としてもよい。
このように、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う場合には、画像の表示に関し、以下のような利用の態様がある。1つ目は、上記一部の領域(以下、スキャン領域と称する)以外の表面の領域において、画像を表示させる態様である。2つ目は、上記スキャン領域以外の表面の領域において、画像を表示させない態様である。いずれの態様とするかは、本体装置101から画像処理エンジン180に送られてくるコマンドに基づく。
図6は、液晶パネル140とバックライト179との断面図であって、スキャンの際にフォトダイオード145がバックライト179からの光を受光する構成を示した図である。
図6を参照して、ユーザの指900が液晶パネル140の表面に接触している場合、バックライト179から発せられた光の一部は、当該接触している領域ではユーザの指900(略平面)にて反射される。そして、フォトダイオード145は、当該反射された光を受光する。
また、指900が接触していない領域においても、バックライト179から発せられた光の一部は、ユーザの指900にて反射される。この場合においても、フォトダイオード145は、当該反射された光を受光する。ただし、当該領域においては液晶パネル140の表面に指900が接触していないため、指900が接触している領域よりも、フォトダイオード145の受光量は少なくなる。なお、バックライト179から発せられた光のうち、ユーザの指900に到達しない光のほとんどについては、フォトダイオード145は受光できない。
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては点灯させておくことにより、光センサ回路144は、ユーザの指900により反射した光の光量に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト179の点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SS1からSSn)から出力される電圧が変化することになる。
以上により、表示パネル102は、指900によって光が反射されることにより得られる像(以下、反射像とも称する)をスキャンすることができる。
なお、指900以外のスキャン対象物としては、スタイラスペンなどが挙げられる。
ところで、本実施の形態においては、電子機器100の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。
ところで、本実施の形態においては、電子機器100の表示装置として液晶パネルを例に挙げて説明しているが、液晶パネルの代わりに有機EL(Electro-Luminescence)パネルなどの他のパネルを用いてもよい。
<データについて>
次に、センシングコマンドについて説明する。なお、表示パネル102においては、画像処理エンジン180は、センシングコマンドの内容を解析し、当該解析の結果に従ったデータ(つまり、応答データ)を本体装置101に送り返す。
次に、センシングコマンドについて説明する。なお、表示パネル102においては、画像処理エンジン180は、センシングコマンドの内容を解析し、当該解析の結果に従ったデータ(つまり、応答データ)を本体装置101に送り返す。
図7は、センシングコマンドの概略構成を示した図である。図7を参照して、センシングコマンドは、ヘッダのデータ領域DA01と、タイミングを示すデータ領域DA02と、データ種別を示すデータ領域DA03と、読取方式を示すデータ領域DA04と、画像階調を示すデータ領域DA05と、解像度を示すデータ領域DA06と、予備のデータ領域DA07とを含む。
図8は、センシングコマンドの各領域におけるデータの値と、当該値が示す意味内容とを示した図である。
図8を参照して、タイミングを示すデータ領域に「00」が設定されたセンシングコマンドは、画像処理エンジン180に対して、そのときのスキャンデータの送信を要求する。つまり、センシングコマンドは、当該センシングコマンドを画像処理エンジン180が受信した後に、光センサ回路144を用いてスキャンすることにより得られるスキャンデータの送信を要求する。また、タイミングを示すデータ領域に「01」が設定されたセンシングコマンドは、スキャン結果に変化があったときのスキャンデータの送信を要求する。さらに、タイミングを示すデータ領域に「10」が設定されたセンシングコマンドは、一定周期毎にスキャンデータの送信を要求する。
データ種別を示すデータ領域に「001」が設定されたセンシングコマンドは、部分画像における中心座標の座標値の送信を要求する。また、データ種別を示すデータ領域に「010」が設定されたセンシングコマンドは、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する。なお、スキャン結果が変化したとは、前回のスキャン結果と今回のスキャン結果が異なっていることを指す。さらに、データ種別を示すデータ領域に「100」が設定されたセンシングコマンドは、全体画像の送信を要求する。
ここで、「全体画像」とは、m×n個の光センサ回路を用いてスキャンした際に、各光センサ回路から出力される電圧に基づいて、画像処理エンジン180により生成された画像である。また、「部分画像」とは、全体画像の一部である。部分画像に関して、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由については後述する。
なお、上記座標値と上記部分画像または上記全体画像とを同時に要求する構成としてもよい。また、液晶パネル140の表面の一部の領域に関してスキャンを行う構成の場合には、上記全体画像はスキャンが行われる領域に対応した画像となる。
読取方式を示すデータ領域に「00」が設定されたセンシングコマンドは、バックライト179を点灯してスキャンすることを要求する。また、読取方式を示すデータ領域に「01」が設定されたセンシングコマンドは、バックライト179を消灯してスキャンすることを要求する。なお、バックライト179を消灯してスキャンする構成については後述する(図11)。さらに、読取方式を示すデータ領域に「10」が設定されたセンシングコマンドは、反射と透過とを併用してスキャンすることを要求する。なお、反射と透過とを併用するとは、バックライト179を点灯してスキャンする方式と、バックライトを消灯してスキャンする方式とを切り換えて、スキャン対象物のスキャンを行うことを指す。
画像階調を示すデータ領域に「00」が設定されたセンシングコマンドは、白黒の2値の画像データを要求する。また、画像階調を示すデータ領域に「01」が設定されたセンシングコマンドは、多階調の画像データを要求する。さらに、画像階調を示すデータ領域に「10」が設定されたセンシングコマンドは、RGBのカラーの画像データを要求する。
解像度を示すデータ領域に「0」が設定されたセンシングコマンドは、解像度の高い画像データを要求する。また、解像度を示すデータ領域に「1」が設定されたセンシングコマンドは、解像度の低い画像データを要求する。
また、センシングコマンドには、図7および図8に示したデータ以外に、スキャンを行う領域(光センサ回路144を駆動する画素の領域)の指定、スキャンを行うタイミング、バックライト179の点灯のタイミングなどが記述されている。
図9は、応答データの概略構成を示した図である。応答データは、センシングコマンドの内容に応じたデータであって、表示パネル102の画像処理エンジン180が本体装置101に対して送信するデータである。
図9を参照して、応答データは、ヘッダのデータ領域DA11と、座標を示すデータ領域DA12と、時刻を示すデータ領域DA13と、画像を示すデータ領域DA14とを含む。ここで、座標を示すデータ領域DA12には、部分画像の中心座標の値が書き込まれる。また、時刻を示すデータ領域には、画像処理エンジン180のタイマ182から取得した時刻情報が書き込まれる。さらに、画像を示すデータ領域には、画像処理エンジン180により処理がされた後の画像データ(つまり、スキャンデータ)が書き込まれる。
図10は、指900をスキャンすることにより得られた画像(つまり、スキャン画像)を示した図である。図10を参照して、太実線で囲まれた領域W1の画像が全体画像であり、破線で囲まれた領域P1の画像が部分画像である。また、太線で示した十字の中心点C1が、中心座標となる。
本実施の形態では、矩形の領域であって、かつセンサ信号線SSjからの出力電圧が予め定められた値以上となった光センサ回路が備えられた画素(つまり、予め定められた階調または予め定められた輝度以上の画素)全てを含む領域を、部分画像の領域としている。
また、中心座標は、部分画像の領域における各画素の階調を考慮して決定される座標である。具体的には、中心座標は、部分画像内の各画素に関し、画素の階調と、当該画素と上記矩形の中心点(つまり図心)との距離とに基づき、重み付け処理を行うことにより決定される。つまり、中心座標は、部分画像の図心とは必ずしも一致しない。
ただし、必ずしも中心座標の位置は上記に限定されるものではなく、中心座標を上記図心の座標あるいは図心の近傍の座標としてもよい。
センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、座標を示すデータ領域DA12に上記中心座標の値を書き込む。この場合、画像処理エンジン180は、画像を示すデータ領域DA14には画像データを書き込まない。画像処理エンジン180は、上記中心座標の値の書き込みを行った後、当該中心座標の値を含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「001」が設定されている場合には、センシングコマンドは、画像データの出力を要求せずに、中心座標の値の出力を要求する。
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、画像を示すデータ領域DA14に、スキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン180は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン180は、上記スキャン結果が変化した部分画像の画像データの書き込みを行った後、当該部分画像の画像データを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「010」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力を要求する。
なお、上記のように、スキャン結果が変化した部分画像のみの送信を要求する構成とした理由は、スキャンデータのうち部分画像の領域のスキャンデータが、当該領域以外のスキャンデータよりも重要度の高いデータであること、および、指900などのスキャン対象物との接触状態により、スキャンデータのうち部分画像の領域に相当する領域のスキャンデータが変化しやすいことによる。
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14にスキャン結果が変化した部分画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン180は、当該中心座標の値と当該部分画像の画像データとを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「011」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力と、スキャン結果が変化した部分画像の画像データの出力とを要求する。
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、図9に示した応答データの画像を示すデータ領域DA14に、全体画像の画像データを書き込む。この場合、画像処理エンジン180は、中心座標の値を座標を示すデータ領域DA12に書き込まない。画像処理エンジン180は、上記全体画像の画像データの書き込みを行った後、当該全体画像の画像データを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「100」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力を要求せずに、全体画像の画像データの出力を要求する。
また、センシングコマンドのデータ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、画像処理エンジン180は、座標を示すデータ領域DA12に中心座標の値を書き込むとともに、画像を示すデータ領域DA14に全体画像の画像データを書き込む。その後、画像処理エンジン180は、当該中心座標の値と当該全体画像の画像データとを含む応答データを本体装置101に送る。このように、データ種別を示すデータ領域に「101」が設定されている場合には、センシングコマンドは、中心座標の値の出力と、全体画像の画像データの出力とを要求する。
<スキャンの方法の変形例>
次に、図6を参照して説明したスキャンの方法(つまり、反射像をスキャンする方法)とは異なるスキャンの方法について、図11を参照して説明する。
次に、図6を参照して説明したスキャンの方法(つまり、反射像をスキャンする方法)とは異なるスキャンの方法について、図11を参照して説明する。
図11は、スキャンの際にフォトダイオードが外光を受光する構成を示した断面図である。図11を参照して、外光の一部は、指900によって遮られる。それゆえ、指900と接触している液晶パネル140の表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ほとんど外光を受光できない。また、指900の影が形成された表面領域の下部に配されたフォトダイオードは、ある程度の外光を受光できるものの、影が形成されていない表面領域に比べると外光の受光量が少ない。
ここで、バックライト179を、少なくともセンシング期間においては消灯させておくことにより、光センサ回路144は、液晶パネル140の表面に対する指900の位置に応じた電圧をセンサ信号線SSjから出力することができる。このように、バックライト179を点灯と消灯とを制御することにより、液晶パネル140では、指900の接触位置、指900の接触している範囲(指900の押圧力によって定まる)、液晶パネル140の表面に対する指900の方向などに応じて、センサ信号線(SS1からSSn)から出力される電圧が変化することになる。
以上により、表示パネル102は、指900によって外光が遮られることにより得られる像(以下、影像とも称する)をスキャンすることができる。
さらに、表示パネル102を、バックライト179を点灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を消灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。あるいは、表示パネル102を、バックライト179を消灯させてスキャンを行った後に、バックライト179を点灯させて再度スキャンを行う構成としてもよい。
この場合には、2つのスキャン方式を併用することになるため、2つのスキャンデータを得ることができる。それゆえ、一方のスキャン方式のみを用いてスキャンする場合に比べて、精度の高い結果を得ることができる。
<本実施の形態に係る記憶媒体に格納されるデータ>
次に、本実施の形態に係る電子機器100のSRAM171が格納するデータについて説明する。図12は、本実施の形態に係るSRAM171が格納する各種データを示すイメージ図である。
次に、本実施の形態に係る電子機器100のSRAM171が格納するデータについて説明する。図12は、本実施の形態に係るSRAM171が格納する各種データを示すイメージ図である。
図12を参照して、SRAM171は、「ボタンの数」、「ボタンの表示領域」、「重畳領域の面積」、「入力命令」、「入力画像」、「認識用画像」、「計算用カウンタ」、「入力用カウンタ」、「認識用カウンタ」などの各種データ(図12におけるデータ171A)を一時的に格納する。
ここで、「ボタンの数」は、CPU110がアプリケーションを実行することによって表示パネル102に表示させる入力ボタンの数を示す情報である。たとえば、SRAM171は、ボタンの数として、操作項目毎に表示するべき入力ボタンの個数を格納する。「ボタンの表示領域」は、入力ボタン毎の、画面上に表示されるべき場所(領域)を示す情報である。たとえば、ボタンの表示領域は、入力ボタン毎の、入力ボタンの4隅の座標、入力ボタンの左上の座標と入力ボタンの縦サイズと入力ボタンの横サイズ、入力ボタンの中心の座標と入力ボタンの縦サイズと入力ボタンの横サイズなどを含む。
「重畳領域の面積」は、入力ボタン毎の、入力ボタンの表示領域内における外部の物体と表示パネル102との接触面積を示す情報である。「入力命令」は、入力ボタン毎の、入力命令を示す情報である。たとえば、入力命令は、商品を選択する選択命令であったり、決済方法を選択する命令であったり、一連の入力済みの命令を確定する決定命令であったりする。
「入力画像」は、表示パネル102を介して入力された画像を示す情報である。すなわち、入力画像は、CPU110が、表示パネル102の画像処理エンジン180から取得した画像データである。画像データは、カラーであってもよいし、モノクロであってもよい。また、画像データは、2値画像であってもよいし、2より大きい多値画像であってもよい。
「認識用画像」は、CPU110が、表示パネル102を介して入力された画像データに基づいて、入力ボタン毎の領域において2値化した画像を示すための情報である。すなわち、認識用画像は、入力ボタン毎にSRAM171に格納される2値画像データである。ただし、認識用画像は、CPU110が、表示パネル102を介して入力された画像データに基づいて、表示パネル102の全領域において2値化した画像を示すための情報であってもよい。
「計算用カウンタ」は、入力ボタン毎の画像認識を行うために演算上使用する情報である。「入力用カウンタ」は、表示パネル102を介して同じ画像データが入力された回数を示す情報である。「認識用カウンタ」は、回数の閾値(後述する認識用回数)を示す情報である。すなわち、CPU110は、当該回数の閾値以上、表示パネル102を介して同じ画像データが入力された場合に、入力ボタンに対応する入力命令の入力を受け付ける。
<本実施の形態に係る電子機器100の機能構成>
以下では、図1、図2、図13を参照して、本実施の形態に係る電子機器100の機能構成について説明する。なお、図13は、本実施の形態に係る電子機器100の機能構成を示すブロック図である。
以下では、図1、図2、図13を参照して、本実施の形態に係る電子機器100の機能構成について説明する。なお、図13は、本実施の形態に係る電子機器100の機能構成を示すブロック図である。
本実施の形態に係る電子機器100は、表示制御部111と、検出部112と、取得部113と、抽出部114と、実行部115とを含む。また、電子機器100は、図2にも示したように、SRAM171と、複数の光センサ回路144および複数の画素回路141を含む光センサ内蔵液晶パネル140を含む表示パネル102とを含む。
まず、表示パネル102の複数の光センサ回路144のそれぞれは、入射光を受光して、入射光に応じた電気信号を生成する。複数の光センサ回路144は全体として、画像処理エンジン180(図2)などを介して、入射光に対応する電気信号を画像データとして検出部112に入力する。なお、複数の光センサ回路144は、図11に示すようにバックライト179を消灯させた状態で、指900やスタイラスペンの存在位置や存在領域を読み取ってもよい。
このように、本実施の形態に係る複数の光センサ回路144と画像処理エンジン180とCPU110とは全体として操作部を実現する。そして、操作部は、表示パネル102を介して、画像データあるいはユーザの指900と表示パネル102との接触領域を示す2値画像データを取得して、当該データに基づいてユーザから表示パネル102に表示されている入力ボタンに対応する入力命令(選択命令や決定命令など)を受け付ける。
表示パネル102の複数の画素回路141のそれぞれは、表示制御部111からの画像データやテキストデータに基づいて、すなわちCPU110からの出力信号に基づいて外部に可視光を発する。より詳細には、複数の画素回路141は全体として、画像処理エンジン180(図2)などを介して、表示制御部111からの画像データやテキストデータに基づいて、バックライト179からの光を利用しながら入力キーやテキストなどを表示する。
このように、本実施の形態に係る複数の画素回路141と画像処理エンジン180とCPU110とは全体として表示部を実現する。すなわち、表示部は、表示パネル102に入力ボタン102Aや入力ボタン102Bなどの入力キーを表示させる。
本実施の形態に係る操作部および表示部は光センサ内蔵液晶パネル140によって実現されているが、操作部および表示部は、外部の物体と表示パネルとの複数の接触位置を検出できるタッチパネルによって実現されてもよい。そして、表示パネルが、画像データではなく、複数の接触位置(接触座標)を示すデータを検出部112に受け渡してもよい。
表示制御部111と、検出部112と、取得部113と、抽出部114と、実行部115とは、CPU110などによって実現される機能である。より詳細には、CPU110が有する各機能は、CPU110がSRAM171などに記憶される制御プログラムを実行して、図2に示される各ハードウェアを制御することによって実現される機能である。
まず、表示制御部111は、SRAM171の「ボタンの表示領域」を参照して、複数の画素回路141を介して表示パネル102に複数の入力ボタン102A,102Bを表示する。前述したように、SRAM171は、入力命令に対応付けて入力ボタンを記憶する。
検出部112は、複数の光センサ回路144から画像処理エンジン180を介して入力される電気信号に基づいて、表示パネル102が取得した画像データを受け付ける。より詳細には、検出部112は、センシング時間毎に表示パネル102の画像処理エンジン180から出力される画像データを取得して、当該画像データに基づいて外部の物体と表示パネル102との接触領域を検出する。
なお、検出部112は、CPU110と表示パネル102の複数の光センサ回路144とによって実現される機能であってもよい。すなわち、検出部112は、CPU110の一部の機能と表示パネル102の受光機能とを含む機能ブロックを示す概念であってもよい。
以下では、本実施の形態に係る電子機器100の検出部112における接触領域検出処理について説明する。
図2、図12、図13を参照して、検出部112として機能するCPU110は、外部の対象物(たとえば、ユーザの指900など)を示す画像とそれ以外の画像とを区別するために、表示パネル102から取得した画像データに対して2値化処理を施す。これによって外部の物体と表示パネル102と接触領域を検出する。そして、検出部112は、同一の値を有する連続した画素の塊(画素群)を一つの接触領域(ラベル)として認識する。
本実施の形態に係る検出部112は、表示パネル102が表示している入力ボタン毎の表示領域内の接触領域を、重畳領域として抽出する。たとえば、検出部112は、表示パネル102が表示している入力ボタン毎の表示領域内の黒画素(あるいは白画素)の塊を重畳領域として認識する。
ただし、画像処理エンジン180が、直接2値画像データを生成することによって接触領域を検出したり、自身が生成した画像データを2値画像データに変更することによって接触領域を検出したりしてもよい。この場合は、検出部112は、画像処理エンジンから取得した2値画像データ(接触領域)と入力ボタン毎の表示領域とに基づいて、入力ボタン毎の重畳領域を取得する。
そして、取得部113は、重畳領域毎に画素の個数(たとえば、黒画素の個数など)をカウントすることによって、対象となる入力ボタン毎の重畳領域の面積を計算する。取得部113は、重畳領域の面積を入力ボタン毎にSRAM171に格納する。
抽出部114は、SRAM171の「重畳領域の面積」を参照して、最も大きな面積を抽出することによって、最も大きな重畳領域を有する入力ボタンを抽出する。
実行部115は、SRAM171の「入力命令」を参照して、当該抽出結果に基づいて、最も大きな面積を有する重畳領域に対応する入力ボタンに対応する入力命令を受け付ける。そして、実行部115は、当該入力命令を実行する。
前述した接触領域検出処理および後述する入力処理を含め、本実施の形態に係る電子機器100においては、検出部112として機能するCPU110が、表示パネル102が表示しているボタン毎に接触領域を検出する。
しかしながら、たとえば、検出部112として機能するCPU110が、表示パネル102の全領域における接触領域を取得してもよい。より詳細には、検出部112は、表示パネル102からの画像データに基づいて表示パネル102の全領域の2値画像データを生成する。検出部112は、当該2値画像データに基づいて表示パネル102の全領域における接触領域を取得して、当該接触領域を取得部113に受け渡す。
取得部113として機能するCPU110は、SRAM171の「ボタンの表示領域」を参照して、入力ボタン毎に、当該接触領域と各ボタンの表示領域との重畳領域とを取得する。取得部113は、入力ボタン毎の重畳領域の画素数をカウントすることによって重畳領域の面積を計算する。取得部113は、重畳領域の面積をSRAM171に格納する。
抽出部114として機能するCPU110は、SRAM171の「重畳領域の面積」を参照して、最も大きな重畳領域の面積を抽出することによって、最も大きな重畳領域に対応する入力ボタンを決定する。
実行部115として機能するCPU110は、SRAM171の「入力命令」を参照して、最も大きな重畳領域に対応する入力ボタンに対応する入力命令を受け付ける。そして、実行部115は、当該入力命令を実行する。
あるいは、前述したように、表示パネル102が、光センサ内蔵液晶パネル140や多点検知用のタブレット機能を有してもよい。すなわち、表示パネル102が、複数の接触位置を検出できるものであってもよい。そして、表示パネル102は、複数の接触位置(接触座標)を示す入力データを検出部112として機能するCPU110に受け渡してもよい。この場合、検出部112は、表示パネル102から入力データを取得して、複数の接触位置を接触領域として取得する。
取得部113は、SRAM171の「ボタンの表示領域」を参照して、入力ボタン毎の表示領域内の接触位置の個数をカウントする。すなわち、取得部113は、入力ボタン毎の表示領域内の接触位置の個数を重畳領域の面積としてSRAM171に格納する。抽出部114は、最も多くの接触位置を含む表示領域に対応する入力ボタンを決定する。実行部115は、SRAM171の「入力命令」を参照して、当該入力ボタンに対応する入力命令を受け付ける。
<電子機器100の動作概要の変形例>
電子機器100のユーザが手袋をはめていない場合であっても、ユーザが複数の入力ボタンを押してしまう虞がある。たとえば、電子機器100が、複数の小さな入力ボタンを表示している場合には、ユーザが誤入力しやすい。以下では、上記の機能構成を有する電子機器100が複数の小さな入力ボタンを表示している場合における電子機器100の動作概要について説明する。
電子機器100のユーザが手袋をはめていない場合であっても、ユーザが複数の入力ボタンを押してしまう虞がある。たとえば、電子機器100が、複数の小さな入力ボタンを表示している場合には、ユーザが誤入力しやすい。以下では、上記の機能構成を有する電子機器100が複数の小さな入力ボタンを表示している場合における電子機器100の動作概要について説明する。
図14は、電子機器100の動作概要の変形例を示すイメージ図である。より詳細には、図14(A)は電子機器100が表示パネル102を介して複数の入力ボタン102C〜102Jを表示する状態を示すイメージ図であり、図14(B)はユーザが指900で入力ボタン102C〜102Fを押した状態を示すイメージ図であり、図14(C)はユーザの指900と表示パネル102との接触領域を示すイメージ図であり、図14(D)は表示パネル102を介して入力ボタン102Fに対応する入力命令を受け付けたときの電子機器100を示すイメージ図である。
図14(A)を参照して、まず、電子機器100は、表示パネル102を介して複数の入力キーを表示する。ここでは、電子機器100は、表示パネル102に入力命令の各々に対応する入力ボタン102C〜102Jを選択可能に表示させる。たとえば、ユーザは、自身の指900などを用いて表示パネル102に表示されている入力ボタン102Cにタッチすることによって、電子機器100に入力命令を入力する。これによって、電子機器100は、入力ボタン102Aに対応する動作Cを実行するための入力命令を受け付ける。
図14(B)を参照して、ユーザは、電子機器100に入力命令を入力するために、表示パネル102の入力ボタン102Fにタッチする。このとき、電子機器100の表示パネル102は、複数の小さな入力ボタン102C〜102Jを表示しているため、ユーザは入力ボタン102C〜102Fを押してしまうことがある。すなわち、ユーザは、動作Fを実行させるための入力命令に対応する入力ボタン102Fだけでなく、動作C〜Eを実行させるための入力命令に対応する入力ボタン102C〜102Eをも押してしまうことがある。
図14(C)を参照して、本実施の形態に係る電子機器100は、表示パネル102を介して、外部の物体と表示パネル102との接触領域を検知する。電子機器100は、入力ボタン102C〜102Fのそれぞれの表示領域と接触領域との重畳領域103C〜103Fを認識することによって、当該重畳領域103C〜103Fの面積を計算する。なお、電子機器100は、入力ボタン102G〜102Jの表示領域と接触領域との重畳領域103C〜103Fを認識することによって、各重畳領域103C〜103Fの面積を計算する。ここでは、入力ボタン102G〜102Jの表示領域と接触領域との重畳領域が存在しないため、電子機器100は当該重畳領域の面積を全て「0」と認識する。
図14(C)および図14(D)を参照して、電子機器100は、重畳領域103C〜103Fの面積を比較して、最も大きい面積を有する重畳領域103Fを抽出する。電子機器100は、最も大きい面積を有する重畳領域103Fに対応する入力ボタン102Fを抽出することによって、抽出された入力ボタン102Fに対応する入力命令を受け付ける。電子機器100は、入力命令を受け付けて動作Fを実行する。電子機器100は、表示パネル102を介して動作Fを実行するための入力命令を受け付けた旨を表示する。
このように、本実施の形態に係る電子機器100は、上記のような機能構成を有するが故に、ユーザが、入力しようとする入力命令に対応する第1の入力キーだけでなく、その他の第2〜第4の入力キーに触れてしまっても、第1の入力キーに対応する入力命令を受け付けることができる。より詳細には、電子機器100は、ユーザの指900と入力キーの表示領域との重畳領域の面積が最も大きい入力キーを認識して、当該入力キーに対応する入力命令を受け付ける。その結果、本実施の形態に係る電子機器100においては、ユーザが誤入力をし難い。
<入力処理>
次に、本実施の形態に係る電子機器100における入力処理の処理手順について説明する。図15は、本実施の形態に係る電子機器100における入力処理の処理手順を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態に係る電子機器100における入力処理の処理手順について説明する。図15は、本実施の形態に係る電子機器100における入力処理の処理手順を示すフローチャートである。
図2、図12、図15を参照して、まず、CPU110は、操作キー177などを介してユーザから認識回数を受け付ける。すなわち、CPU110は、認識回数設定処理(ステップS300)を実行する。表示制御部111として機能するCPU110は、表示パネル102に操作用の画面を表示させる(ステップS102)。すなわち、CPU110は、表示パネル102に次に入力すべき入力命令の属性などを表示する。CPU110は、SRAM171の「入力用カウンタ」を初期化する(ステップS104)。CPU110は、SRAM171の「認識用画像」に格納されている画像データを削除する(ステップS106)。
検出部112として機能するCPU110は、表示パネル102の光センサ回路144を介して画像データを取得する(ステップS108)。そして、CPU110は、表示パネル102からの正常に画像データを取得したか否かを判断する(ステップS110)。CPU110は、表示パネル102からの正常に画像データを取得できない場合(ステップS110にてNOである場合)、SRAM171の「入力用カウンタ」を初期化する(ステップS112)。そして、CPU110は、SRAM171の「認識用画像」に格納されている画像データを削除する(ステップS114)。CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
一方、CPU110は、表示パネル102から正常に画像データを取得した場合(ステップS110にてYESである場合)、表示パネル102からの画像データとSRAM171の「認識用画像」の画像データとが一致するか否かを判断する(ステップS116)。表示パネル102からの画像データとSRAM171の「認識用画像」の画像データとが一致しない場合(ステップS116にてNOである場合)、CPU110は、SRAM171の「入力用カウンタ」に1を代入する(ステップS118)。そして、CPU110は、SRAM171の「認識用画像」に表示パネル102からの画像データを格納する(ステップS120)。CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
一方、表示パネル102からの画像データとSRAM171の「認識用画像」の画像データとが一致する場合(ステップS116にてYESである場合)、CPU110は、SRAM171の「入力用カウンタ」をインクリメントする(ステップS122)。CPU110は、SRAM171の「入力用カウンタ」が「認識用カウンタ」と一致するか否かを判断する(ステップS124)。SRAM171の「入力用カウンタ」が「認識用カウンタ」と一致しない場合(ステップS124にてNOである場合)、CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
一方、SRAM171の「入力用カウンタ」が「認識用カウンタ」と一致する場合(ステップS124にてYESである場合)、CPU110は、ボタン読み込み処理を実行する(ステップS300)。ボタン読み込み処理(ステップS300)については後述する。「入力用カウンタ」の値を調べることによって、指900が表示パネル102上を移動している間に電子機器100が入力ボタンに対する命令を受け付けることを防止することができる。すなわち、電子機器100への誤入力を防止することができる。
実行部115として機能するCPU110は、ボタン読み込み処理(ステップS300)からの返り値として入力ボタンを示す情報(後述するqの値)を受け付けたか否かを判断する(ステップS126)。すなわち、CPU110は、入力ボタンを示す情報がSRAM171の「入力命令」に存在するか否かを判断する。入力ボタンを示す情報がSRAM171の「入力命令」に存在しない場合(ステップS126にてNOである場合)、CPU110は、ステップS108からの処理を繰り返す。
CPU110は、入力ボタンを示す情報がSRAM171の「入力命令」に存在する場合(ステップS126にてYESである場合)、入力ボタンに対応する入力命令を受け付ける(ステップS128)。CPU110は、入力命令を受け付けて、入力命令を実行する。CPU110は、画面の遷移が終了したか否かを判断する(ステップS130)。すなわち、CPU110は、一連の動作命令の入力処理に関するすべての操作画面を表示し終わったか否かを判断する。すべての操作画面の遷移が終了した場合(ステップS130にてYESである場合)、CPU110は、入力処理を終了する。一方、すべての操作画面の遷移が終了してない場合(ステップS130にてNOである場合)、CPU110は、S102からの処理を繰り返す。
<認識回数設定処理>
次に、本実施の形態に係る電子機器100における認識回数設定処理(ステップS200)について説明する。図16は、本実施の形態に係る電子機器100における認識回数設定処理(ステップS200)の処理手順を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態に係る電子機器100における認識回数設定処理(ステップS200)について説明する。図16は、本実施の形態に係る電子機器100における認識回数設定処理(ステップS200)の処理手順を示すフローチャートである。
図2、図12、図16を参照して、CPU110は、操作キー177あるいは表示パネル102を介して、ユーザから認識回数を選択する命令を受け付ける(ステップS202)。CPU110は、認識回数を受け付けて、SRAM171の「認識用カウンタ」に認識回数を代入する(ステップS204)。CPU110は、認識回数設定処理(ステップS200)を終了する。認識回数が増すにつれて、電子機器100への誤入力を防止することができる。
<ボタン読込処理>
次に、本実施の形態に係る電子機器100におけるボタン読み込み込処理(ステップS300)について説明する。図17は、本実施の形態に係る電子機器100におけるボタン読み込み処理(ステップS300)の処理手順を示すフローチャートである。
次に、本実施の形態に係る電子機器100におけるボタン読み込み込処理(ステップS300)について説明する。図17は、本実施の形態に係る電子機器100におけるボタン読み込み処理(ステップS300)の処理手順を示すフローチャートである。
図2、図12、図17を参照して、検出部112として機能するCPU110は、SRAM171の「計算用カウンタ」qの値を初期化する(ステップS302)。qは、表示パネル102が表示しているボタン毎に割り振られる引数である。CPU110は、SRAM171のqにrが格納されているか否か、すなわちp=rであるか否かを判断する(ステップS304)。rは、SRAM171に格納されている表示パネル102が表示している「ボタンの数」である。
q=rでない場合(ステップS304にてNOである場合)、CPU110はqの値をインクリメントする(ステップS306)。CPU110は、SRAM171に格納されている画像データを参照して、q番目のボタンが表示されている表示領域内の画像を2値化する(ステップS308)。これによって、CPU110は、q番目のボタンの表示領域内の黒画素(あるいは白画素)を接触領域(重畳領域)として検出する。
取得部113として機能するCPU110は、q番目のボタンが表示されている表示領域の2値画像に対して、黒画素の個数をカウントする(ステップS310)。CPU110は、q番目のボタンに対応する黒画素の個数をSRAM171の「重畳領域の面積」に格納する(ステップS312)。すなわち、CPU110は、q番目のボタンに対応する黒画素の個数を、「重畳領域の面積」としてSRAM171のb[q]に代入する。そして、CPU110は、ステップS304からの処理を繰り返す。
一方、q=rである場合(ステップS304にてYESである場合)、抽出部114として機能するCPU110は、SRAM171を参照して、b[1]〜b[r]の中に最大の値が1つだけ存在するか否かを判断する(ステップS316)。より詳細には、CPU110は、b[1]〜b[r]の中に、最大の値が1つだけ存在し、かつ当該最大の値が0以外であるか否かを判断する。CPU110は、b[1]〜b[r]の中に最大の値が1つだけ存在する場合(ステップS316にてYESである場合)、当該最大の値に対応する入力ボタンを示す情報、すなわちqの値、をボタン読み込み処理からの返り値としてSRAM171に記憶する(ステップS318)。CPU110は、ボタン読込処理(ステップS200)を終了する。
一方、b[1]〜b[r]の中に最大の値が2つ以上存在する場合、あるいは当該最大の値が0である場合(ステップS316にてNOである場合)、CPU110は、いずれの入力ボタンも押下されなかったと認識する(ステップS320)。CPU110は、ボタン読込処理(ステップS200)を終了する。
これにより、図15に示す入力処理のステップS122において、実行部115として機能するCPU110は、SRAM171の「入力命令」を参照して、返り値qの値に対応する入力命令を受け付ける。
<その他の実施の形態>
本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
本発明は、システム或いは装置にプログラムを供給することによって達成される場合にも適用できることはいうまでもない。そして、本発明を達成するためのソフトウェアによって表されるプログラムを格納した記憶媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやMPU)が記憶媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行することによっても、本発明の効果を享受することが可能となる。
この場合、記憶媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施の形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記憶媒体は本発明を構成することになる。
プログラムコードを供給するための記憶媒体としては、例えば、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード(ICメモリカード)、ROM(マスクROM、フラッシュEEPROMなど)などを用いることができる。
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施の形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼動しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
さらに、記憶媒体から読み出されたプログラムコードが、コンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書き込まれた後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって前述した実施の形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
100 電子機器、101 本体装置、102 表示パネル、110 CPU、111 表示制御部、112 検出部、113 判断部、114 抽出部、115 実行部、130 ドライバ、131 走査信号線駆動回路、132 データ信号線駆動回路、133 光センサ駆動回路、134 スイッチ、135 アンプ、140 光センサ内蔵液晶パネル、141 画素回路、141b,141g,141r サブピクセル回路、143 電極対、143a 画素電極、143b 対向電極、144 光センサ回路、145,145b,145g,145r フォトダイオード、146 コンデンサ、151A アクティブマトリクス基板、151B 対向基板、152 液晶層、153b,153g,153r カラーフィルタ、157 データ信号線、161 偏光フィルタ、162 ガラス基板、163 遮光膜、164 配向膜、171 RAM、173 メモリカードインターフェイス、174 通信装置、175 USBインターフェイス、176 クロック、177 操作キー、179 バックライト、180 画像処理エンジン、181 ドライバ制御部、182 タイマ、183 信号処理部、191 電源回路、192 バッテリ、193 外部電源、900 指、1731 メモリカード、1751 USB機器、DB1,DB2 データバス。
Claims (6)
- 表示パネルと、
前記表示パネルに複数の入力キーを表示させる表示制御手段と、
前記複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部と、
前記表示パネルに対する入力領域を検出する検出手段と、
前記複数の入力キーの各々について、前記入力キーの表示領域と前記入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された複数の前記重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する前記重畳領域に対応する前記入力キーを抽出する抽出手段と、
前記記憶部を参照して、前記抽出手段によって抽出された前記入力キーに関連付けられた前記入力命令を受け付けて実行する実行手段とを備える、入力装置。 - 前記表示パネルは、画像データを取得し、
前記検出手段は、前記表示パネルからの前記画像データに基づいて前記入力領域を検出する、請求項1に記載の入力装置。 - 前記表示パネルは、
入射光に応じて出力信号を生成する複数の光センサ回路と、
入力信号に応じて色を発するための複数の画素回路とを含み、
前記表示パネルは、
前記複数の画素回路のそれぞれに前記入力信号を入力することによって、前記複数の入力キーを表示し、
前記複数の光センサ回路からの前記出力信号に基づいて前記画像データを取得する、請求項2に記載の入力装置。 - 前記表示パネルは、複数の入力位置を示す入力データを生成し、
前記検出手段は、前記入力データを取得することによって、前記複数の入力位置を前記入力領域として検出し、
前記取得手段は、前記複数の入力キーの各々について、前記入力キーの表示領域内の前記入力位置の個数を前記重畳領域の面積として取得する、請求項1に記載の入力装置。 - 複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部と表示パネルと演算処理部とを備える入力装置における入力方法であって、
前記演算処理部が、前記表示パネルに前記複数の入力キーを表示させるステップと、
前記演算処理部が、前記表示パネルに対する入力領域を検出するステップと、
前記演算処理部が、前記複数の入力キーの各々について、前記入力キーの表示領域と前記入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得するステップと、
前記演算処理部が、複数の前記重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する前記重畳領域に対応する前記入力キーを抽出するステップと、
前記演算処理部が、前記記憶部を参照して、前記入力キーに関連付けられた前記入力命令を受け付けるステップとを備える、入力方法。 - 複数の入力キーの各々に関連付けて入力命令を記憶する記憶部と表示パネルと演算処理部とを備える入力装置に命令を入力させるための入力プログラムであって、
前記演算処理部に、
前記表示パネルに前記複数の入力キーを表示させるステップと、
前記表示パネルに対する入力領域を検出するステップと、
前記複数の入力キーの各々について、前記入力キーの表示領域と前記入力領域とが重なる重畳領域の面積を取得するステップと、
複数の前記重畳領域の面積に基づいて、最大の面積を有する前記重畳領域に対応する前記入力キーを抽出するステップと、
前記記憶部を参照して、前記入力キーに関連付けられた前記入力命令を受け付けるステップとを実行させる入力プログラム。
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JP2008309983A JP2010134699A (ja) | 2008-12-04 | 2008-12-04 | 入力装置、入力方法、および入力プログラム |
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JP2012073908A (ja) * | 2010-09-29 | 2012-04-12 | Nec Corp | 携帯端末装置及びプログラム |
JP2012226481A (ja) * | 2011-04-18 | 2012-11-15 | Kyocera Corp | 通信端末 |
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-
2008
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