JP2010133717A - ガラス封止部の検査装置及び検査方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガラス封止部を備える被検査体20を検査位置に支持する支持部22と、前記被検査体20の上方に配置され、前記被検査体を照明する、リング状に光源が配置されたリング照明部24と、該リング照明部24の開口24bを通して、前記ガラス封止部に写り込む前記リング照明部24の光源24aの画像とともに前記ガラス封止部を撮影する撮像光学系30と、該撮像光学系30により撮影された画像データを解析し、前記ガラス封止部におけるガラスの表面状態を解析する画像解析部32とを備える。
【選択図】図1
Description
このため、検査工程において、ガラス封止部に所要量のガラス14が充填されているか否かを検査することがなされている。ガラス封止部に所要量のガラス14が充填されているか否かの判断基準は、挿通孔12a内におけるガラス14の凹み分D(図11(b))が一定以下(たとえば、0.5mm以下)であれば良とするといった考え方である。
ガラス封止部のガラスの充填状態を目視によらずに検査する方法としては、たとえば、レーザフォーカス式変位センサといった、基準位置からの高さ方向の変位を測定する装置を方法がある。しかしながら、レーザフォーカス式変位センサのような、特定点における高さを検知する方法の場合は、ガラス封止部内で複数ポイントを測定する必要があり、正確に高さ測定をすることができるものの、測定が煩雑になるという問題がある。また、マイクロレンズを使用して測定することも可能であるが、装置が高価であるという難点がある。
すなわち、ガラス封止部の検査装置において、ガラス封止部を備える被検査体を検査位置に支持する支持部と、前記被検査体の上方に配置され、前記被検査体を照明する、リング状に光源が配置されたリング照明部と、該リング照明部の開口を通して、前記ガラス封止部に写り込む前記リング照明部の光源の画像とともに前記ガラス封止部を撮影する撮像光学系と、該撮像光学系により撮影された画像データを解析し、前記ガラス封止部におけるガラスの表面状態を解析する画像解析部とを備えることを特徴とする。なお、リング状に光源が配置されたリング照明部とは、光源が周方向に連続して配置されている場合、光源が周方向に所定間隔をあけて配置されている場合の双方を含む意である。また、ガラスの表面状態とは、基準高さ位置に対するガラス表面の高さ位置、ガラス表面の凹凸、傾斜状態等を意味する。
また、前記画像解析部は、前記画像データの明るさの度数分布を計測する手段を備えていることにより、正確にガラスの表面状態を把握することができる。
また、前記画像解析部は、前記画像データを微分処理し、画像データの明るさに変換する手段を備えていることによって、さらに正確にガラスの表面状態を把握することができる。
また、前記画像解析部によりガラスの表面状態を解析する工程においては、画像データを微分処理する工程を備え、前記画像データの明るさの度数分布を計測する工程においては、前記微分処理を施した画像データについて度数分布を計測することにより、ガラス封止部におけるガラスの表面状態を高精度に検査することができる。
また、前記画像解析部によりガラスの表面状態を解析する工程においては、画像データの不要部分を除去する工程を備えることにより、さらに高精度にガラスの表面状態を検知することができる。
(検査装置の構成)
図1に、ガラス端子のガラス封止部の検査に用いた検査装置の概略構成を示す。被検査体であるガラス端子20を検査する検査部は、ガラス端子20を位置決めしてセットするセット台22と、セット台22の上方に配置したリング照明部24と、リング照明部24の上部に、リング照明部24と同軸に配置した撮像光学系30とを備える。
リング照明部24は、平面形状がリング状に形成された支持体の下面に、多数個のLED24aを周方向に一周する配置に互いに隣接させて取り付けたものである。実施形態においては、照明用の光源として赤色LEDを使用した。光源の光源色はとくには限定されない。リング照明部24の支持体の外周径は50mm、支持体の内周径は28mmである。リング照明部24は照明電源25に接続され、照明電源25によって点灯が制御される。
被検査体であるガラス端子20の上方にリング照明部24を配置し、リング照明部24の中心線位置と同芯に撮像光学系30を配置する構成としているのは、リング照明部24の中央の開口24bを通して、ガラス端子20のガラス封止部をCCDカメラ28によって視認できるようにするためである。
本実施形態においては、ガラス端子20のガラス封止部にリング照明部24にリング状に配置されている光源の像が写りこ込むように、いいかえればガラス封止部によって反射した光源の像がCCDカメラ28によって視認される配置に撮像光学系30を配置する。
図2(a)は、ガラス封止部に充填されたガラス14の表面が凹面状(図で下に凸)になった場合である。この場合は、写真に示すように、ガラス封止部のガラスに写り込む光源の像は二重のリング状になる。リング状に像が見えるのは、光源がリング状に配置されているからである。画像には、挿通孔の中央に挿通されたリード(中央の白い部分)と、その周囲のガラス(黒い部分)と、挿通孔の円形の縁部が写っている。
図3に、ガラス封止部に充填されたガラス14の表面が凸面状となる場合と凹面状となる場合とで、光源の像が一重と二重になる原理を示す。
図3(a)は、ガラス14の表面が凸状になった場合で、この場合は、ガラス14の湾曲面(あるいは湾曲面と平面との境界部分)であるA点の位置での反射光によって一重のリング状の像が視認される。これに対して、ガラス14の表面が凹面状になった場合には、図3(b)に示すように、湾曲面(湾曲面と平面との境界部分)がB点とC点の2個所に生じることによって、二重のリング状の像となる。
図1に示す検査装置を用いてガラス封止部におけるガラスの充填状態を検査する方法を図4にフロー図として示す。
まず、被検査体であるガラス端子20を被検査体の支持部としてのセット台22にセットし、CCDカメラ28の視野内にガラス端子20のガラス封止部を位置合わせし、CCDカメラ28によってガラス封止部を撮影して画像データを取得する(ステップ40)。次いで、取得した画像データを画像解析部32により画像解析するステップに進む。
次いで、リード部分とガラス封止部の周囲のアイレットの部分をマスクして除去し、画像処理の際に不要となる部分を除去する(ステップ42)。
次に、処理後の画像について明るさを検知し輝度変化の傾きの度数を計測する(ステップ43)。処理後の画像の明るさは、前のステップにおける微分処理によって輝度変化の傾きに相当する。したがって、画像内の各点の明るさを検知し、画像内における明るさの度数分布を得ることによって輝度変化の傾きについての度数分布表が得られる。
図5(a)は、ガラス封止部のガラス14の表面がアイレットの表面に近い位置、すなわち光源の像のピントが合った状態である。図5(b)は、光源の像のピントが合っていない場合である。2つのグラフを対比して見ると、光源の像の明るさに強弱があることがわかる。
図5(a)、(b)に示すように、CCDカメラ28によって取得された画像データの光源の像の明るさを比較することにより、画像のピントがあっているか否か、すなわち、ガラス封止部のガラス14の表面位置がアイレットの表面から大きく変位しているか否かを知ることができる。
輝度変化の傾き(画像の明るさ)は、本実施形態の装置においては、0〜255の範囲に分布する。したがって、良不良を判定する閾値は、適宜設定することになる。
図6〜9に、実際のガラス端子についてガラス封止部を撮影し、画像処理した状態を示す。
この処理後の画像について輝度変化の傾き(明るさ)を測定して得られた度数分布表では、輝度変化の傾きの値が255以上の度数が3275、輝度変化の傾きの値が234〜254までの度数は、合計300度数程度であった。
ガラス封止部の画像データを処理して測定したところ、光源の像のピントが合っていない場合には、画像内の明るさは200以下になった。画像データから良不良を判定する場合の判定基準(閾値)は、適宜設定することになるが、ここでは、光源の像のピントが合っている領域と考えられる明るさが234〜255の範囲について、度数がどのようになるかを調べている。
また、リング照明部24の光源の像が二重リング状にきれいに分離し、周方向に連続してあらわれることから、ガラス14の表面が全体としてバランスのよい均一な表面になっていることがわかる。
この画像について明るさの程度を測定して得られた度数分布表によると、明るさが255以上の度数が247、明るさが234〜254までの度数が合わせて90度数程度である。図6に示すガラス封止部にくらべると、234以上の度数は少ないことから、このサンプルのガラス表面のアイレット表面からの変位量は、図6のサンプルよりも大きいと考えられるが、このサンプルも良品と判定される。
また、このサンプルでは、リング照明部24の光源の像が半周程度しか表れないことから、ガラス14の表面が傾斜した状態になっていることがわかる。
図8に示す画像について、明るさを測定して得られた度数分布表では、明るさが255以上の度数が349、明るさが234〜254までの度数は、合わせて200度数程度であった。このサンプルも、234〜255の度数を有することから、良品と判定される。
また、このサンプルでは、リング照明部24の光源の像が周方向に連続していないことから、ガラス14の表面が傾斜していることがわかる。
図9に示す画像について、明るさを測定して得られた度数分布表では、明るさが255となる度数は0、明るさが234〜254までの度もすべて0であった。このサンプルの測定結果は、図6、7、8に示した測定結果とは対照的であり、明るさが234以上となる点がどこにも見出されない結果となっている。したがって、このサンプルは不良品と判定される。アイレットの表面位置からガラス14の表面位置が大きく外れている(低位となっている)ために、画像内において明るい点が得られなかったものである。
図10に示したサンプルは、ガラス14のアイレット表面からの凹み量が、0.5323mm、0.5797mm、0.6634mm、0.7434mm、0.7842mm、0.8793mmとなっている6種類のサンプルである。これらのサンプルについての画像データを比較すると、ガラスの凹み量が大きくなるにしたがって、光源の像がぼやけていくことがわかる。ガラスの凹み量が大きくなるにしたがって光源の画像のピントのずれが大きくなっている。
なお、上述した説明において、明るさが234〜255の範囲等した場合の「明るさ」は、画像データとして取得された明るさそのものを指しているのではなく、微分処理を行った後の画像における明るさである。もちろん、微分処理を行わない状態での画像内における明るさを比較して明るさについての度数分布を計測し、その結果に基づいて良否判定ができる場合には、画像の微分処理を行わなくてもよい。
照明体は、周方向に連続して光源を配置するかわりに、周方向に所定間隔をおいて複数個所に光源を配置する方法であっても、ガラスの周方向における表面状態を検知することができる。
本実施形態においては、ガラス封止部のガラスの表面の位置が1個所でも、基準位置(ガラスの凹み量が0.5mm以下)を超えれば良品とするから、このような場合には、リング状の光源を使用することは有効である。
12 アイレット
12a 挿通孔
14 ガラス
20 ガラス端子
21 リード
22 セット台
24 リング照明部
24a LED
24b 開口
25 照明電源
26 光学レンズ
28 CCDカメラ
30 撮像光学系
32 画像解析部
34 入力部
36 モニター
Claims (10)
- ガラス封止部を備える被検査体を検査位置に支持する支持部と、
前記被検査体の上方に配置され、前記被検査体を照明する、リング状に光源が配置されたリング照明部と、
該リング照明部の開口を通して、前記ガラス封止部に写り込む前記リング照明部の光源の画像とともに前記ガラス封止部を撮影する撮像光学系と、
該撮像光学系により撮影された画像データを解析し、前記ガラス封止部におけるガラスの表面状態を解析する画像解析部と
を備えることを特徴とするガラス封止部の検査装置。 - 前記撮像光学系は、前記ガラス封止部におけるガラスの表面位置の変位が、前記ガラス封止部に写り込む前記リング照明部の光源の画像のピント状態の変化としてとらえられるように被写界深度が設定されていることを特徴とする請求項1記載のガラス封止部の検査装置。
- 前記画像解析部は、前記画像データの明るさの度数分布を計測する手段を備えていることを特徴とする請求項1または2記載のガラス封止部の検査装置。
- 前記画像解析部は、前記画像データを微分処理し、画像データの明るさに変換する手段を備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載のガラス封止部の検査装置。
- 前記リング照明部は、複数個のLEDを円環状に配置した光源を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載のガラス封止部の検査装置。
- ガラス封止部を備える被検査体の前記ガラス封止部に設けられたガラスの表面状態を検査する検査方法であって、
リング照明部によりガラス封止部を備える被検査体を照明し、撮像光学系を用いて、前記ガラス封止部に写り込む前記リング照明部の光源の画像とともに前記ガラス封止部を撮影する工程と、
画像解析部により、前記撮像光学系により撮影された画像データを解析し、前記ガラス封止部におけるガラスの表面状態を解析する工程とを備え、
前記撮像光学系は、前記ガラス封止部におけるガラスの表面位置の変位が、前記ガラス封止部に写り込む前記リング照明部の光源の画像のピント状態の変化としてとらえられるように設定され、
前記ガラスの表面状態を解析する工程においては、前記画像データの明るさの度数分布を計測する工程を備え、前記画像データの明るさの度数分布に基づいて前記ガラスの表面の状態を検知することを特徴とするガラス封止部の検査方法。 - 前記リング照明部により前記被検査体を照明する工程においては、
円環状に光源を配置したリング照明部を使用することを特徴とする請求項6記載のガラス封止部の検査方法。 - 前記画像解析部によりガラスの表面状態を解析する工程においては、画像データを微分処理する工程を備え、
前記画像データの明るさの度数分布を計測する工程においては、前記微分処理を施した画像データについて度数分布を計測することを特徴とする請求項6または7記載のガラス封止部の検査方法。 - 前記画像解析部によりガラスの表面状態を解析する工程においては、
画像データの不要部分を除去する工程を備えることを特徴とする請求項8記載のガラス封止部の検査方法。 - アイレットにリードをガラス封止したガラス封止部を備えるガラス端子を被検査体とする場合であって、
前記リング照明部により前記被検査体を照明する工程においては、円環状に光源を配置したリング照明部を使用し、
前記画像解析部によりガラスの表面状態を解析する工程においては、前記画像データを微分処理する工程と、前記画像データから前記リード及び前記アイレットの不要部分を除去する工程と、前記微分処理を施した画像データについて度数分布を計測する工程を備えることを特徴とする請求項6記載のガラス封止部の検査方法。
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