JP2010133639A - 熱交換器用アルミニウムフィン材 - Google Patents

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Abstract

【課題】エアコン等の使用開始初期から長期にわたり、カビまたは細菌による不快臭の発生を防止することができる熱交換器用アルミニウムフィン材を提供する。
【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板2と、この基板2の表面に形成された親水性塗膜層5とを備える熱交換器用アルミニウムフィン材1であって、親水性塗膜層5は、抗菌金属元素を含有する抗菌剤6、および、0.01〜0.1質量%の界面活性剤を含有し、親水性塗膜層5は、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された抗菌金属元素の存在比率が、親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%であり、かつ、親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、親水性塗膜層5の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、その表面に塗膜が形成されたアルミニウムまたはアルミニウム合金よりなるアルミニウムフィン材に関し、特に、エアコン等の熱交換器に好適に使用される熱交換器用アルミニウムフィン材に関する。
熱交換器は、ルームエアコン、パッケージエアコン、冷凍ショーケース、冷蔵庫、オイルクーラーおよびラジエータ等を代表として様々な分野に利用されている。そして、ルームエアコンおよびパッケージエアコン等の熱交換器において、そのフィン材には、熱伝導性および加工性が優れることからアルミニウム材が使用されている。
また、熱交換器においては、冷房運転時の結露水がフィン(フィン材)の間に留まり、送風時の抵抗となって熱交換器特性を低下させることを防止するため、結露水のフィン材表面での流動性を高める目的で、フィン材の表面には、親水性処理が施されている。さらに、フィン材の腐食発生防止を目的として、フィン材表面には、耐食性処理も施されている。
しかし、エアコン等が使用される環境(室内雰囲気)には、様々な汚染物質、例えば、フタル酸ジイソオクチル等の可塑剤、パルミチン酸・ステアリン酸・パラフィン類等のプラスチック用滑剤等の撥水化物質、および、アセトアルデヒド等の臭気物質が存在し(参考文献:第18回におい・かおり環境学会概要集/2005.6P3 エアコンからのにおい原因に関する研究)、この汚染物質により、不快臭を発生するという問題を有していた。
そこで、前記汚染物質の付着を防止する手段として、例えば、特許文献1には、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、その上に形成された無機酸化物又は有機−無機複合化合物のいずれか1種からなる耐食皮膜と、その上に形成されたポリアクリル酸又はポリアクリル酸塩の中のいずれか1種の100質量部に対して、分子内にヒドロキシル基を有する水溶性樹脂を1〜100質量部含有する200℃以上で焼き付けられた所定厚さの親水性皮膜と、その上に形成された分子内にヒドロキシル基を有する所定厚さの水溶性樹脂皮膜とを備えたアルミニウムフィン材が提案されている。
ここで、エアコンは、できるだけドレン水が生成しないように、露点付近よりやや高めでの冷房運転とする場合もある。このような場合には、結露水の生成が殆どないため、フィン材表面に付着した有機物は、フィン材表面に滞留して洗い流されることがない。また、結露水の生成が少ないと、熱交換器のフィン材表面に付着した塵芥または埃がフィン材表面に残ってしまい、また、高温多湿の雰囲気で、特に塵芥または埃が多い環境で使用されると、フィン材表面に塵芥または埃が付着しやすくなり、塵芥または埃を栄養源として、カビまたは細菌が繁殖し、不快臭が発生するという問題があった。
そこで、前記した問題点に対して、優れた親水性を有すると共に、カビまたは細菌の繁殖を抑える目的で、例えば、特許文献2には、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板上に、少なくとも一つの表面処理層として、20℃の水に対する溶解度が10mg/100ml以下の防菌防黴剤および、有機高分子物質と無機化合物の親水性を有する複合化合物または親水性樹脂の混合物質を原材料として用いる、防菌防黴性を有する親水性皮膜を形成したアルミニウムフィン材が提案されている。
特許第3383914号公報(段落0016〜0023) 特開2006−78134号公報(段落0025〜0038)
しかし、従来のアルミニウムフィン材では、以下に示すような問題点を有している。
特許文献2に記載のアルミニウムフィン材においては、カビまたは細菌の発生および繁殖を抑制するために、親水性皮膜中に抗菌剤を含有させているが、抗菌剤は、単に親水性皮膜の中に埋没させただけなので、親水性皮膜の表面における抗菌剤の存在数が多くはなく、元々、エアコン等の使用開始初期における抗菌効果は小さかった。また、親水性皮膜の深さ方向(膜厚方向)に対する抗菌剤の分布にはバラツキがあり、エアコン等の使用開始後の長期に亘る抗菌効果の持続安定性に問題がある。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたもので、エアコン等の使用開始初期から長期にわたり、カビまたは細菌による不快臭の発生を防止することができる熱交換器用アルミニウムフィン材を提供することを目的とする。
請求項1に係る熱交換器用アルミニウムフィン材は、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、この基板の表面に形成された親水性塗膜層とを備える熱交換器用アルミニウムフィン材であって、前記親水性塗膜層は、抗菌金属元素を含有する抗菌剤、および、0.01〜0.1質量%の界面活性剤を含有し、前記親水性塗膜層は、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された前記抗菌金属元素の存在比率が、前記親水性塗膜層の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%であり、かつ、前記親水性塗膜層の最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、前記親水性塗膜層の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることを特徴とする。なお、親水性塗膜層の最表面から膜厚深度10%の範囲を、以下、適宜、親水性塗膜層の表面部といい、親水性塗膜層の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲を、以下、適宜、親水性塗膜層の表面側深部という。
このような構成によれば、界面活性剤が親水性塗膜層中に所定量含まれることで、親水性塗膜層中の抗菌剤の存在量(すなわち、抗菌金属元素の存在比率)が膜厚方向で制御される。これにより、親水性塗膜層の最表面から膜厚深度30%以下の範囲、すなわち、親水性塗膜層の表面部、および、親水性塗膜層の表面側深部に、いずれも抗菌剤(抗菌金属元素)が所定量存在し、かつ、表面部の抗菌剤(抗菌金属元素)の存在量が、表面側深部の抗菌剤(抗菌金属元素)の存在量以上になる。そして、このような構成により、エアコン等の使用開始初期には、親水性塗膜層の表面部の抗菌剤により、カビおよび細菌の発生が十分抑制されると共に、エアコン等の使用によって、親水性塗膜層の表面部が溶出してしまっても、表面側深部に埋没していた抗菌剤が露出することで、カビおよび細菌の発生が抑制される。
請求項2に係る熱交換器用アルミニウムフィン材は、前記親水性塗膜層は、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された前記抗菌金属元素の存在比率が、前記親水性塗膜層の膜厚深度30%を超え50%以下の範囲において5〜30原子%であり、前記最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、前記膜厚深度30%を超え50%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることを特徴とする。なお、親水性塗膜層の膜厚深度30%を超え50%以下の範囲を、以下、適宜、親水性塗膜層の膜厚方向中央部という。
このような構成によれば、親水性塗膜層の膜厚方向中央部にも抗菌剤(抗菌金属元素)が所定量存在するため、エアコン等の使用によって、親水性塗膜層の表面側深部が溶出してしまっても、膜厚方向中央部に埋没していた抗菌剤が露出することで、カビおよび細菌の発生が抑制される。
請求項3に係る熱交換器用アルミニウムフィン材は、前記抗菌剤が、Zn、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種の抗菌金属元素からなる金属単体であることを特徴とする。請求項4に係る熱交換器用アルミニウムフィン材は、前記抗菌剤が、Zn、Na、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種の抗菌金属元素を含有する有機金属化合物、無機金属化合物、有機無機複合化合物のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする。
これらのような構成によれば、前記抗菌剤がZn、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種の抗菌金属元素からなる金属単体であるか、あるいは、Zn、Na、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種の抗菌金属元素を含む有機金属化合物、無機金属化合物、有機無機複合化合物であることで、抗菌金属元素が有する陽電荷により、カビまたは細菌の酸化・分解反応が起こり、高い防カビ抗菌性が得られる。
請求項5に係る熱交換器用アルミニウムフィン材は、前記基板と前記親水性塗膜層との間に、下地処理層が形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、基板と親水性塗膜層との間に下地処理層が存在することで、親水性塗膜層が基板の上に存在する場合よりも、親水性塗膜層の密着性が高くなり、エアコン等の運転により生じる結露水による親水性塗膜層の溶出が生じにくくなる。
請求項6に係る熱交換器用アルミニウムフィン材は、前記下地処理層と前記親水性塗膜層との間に、疎水性塗膜層が形成されていることを特徴とする。
このような構成によれば、下地処理層と親水性塗膜層との間に疎水性塗膜層が存在することで、親水性塗膜層が下地処理層の上に存在する場合よりも、親水性塗膜層の密着性が高くなり、エアコン等の運転により生じる結露水による親水性塗膜層の溶出が、さらに生じにくくなる。
本発明によれば、熱交換器用アルミニウムフィン材が備える親水性塗膜層の膜厚方向における所定の深さの範囲に、抗菌剤(抗菌金属元素)が所定量存在することで、エアコン等の使用開始初期から長期にわたり、カビまたは細菌の発生を防止することができる。このため、エアコン等の使用開始初期から長期にわたり、カビまたは細菌による不快臭の発生を防止することができる。また、過剰の抗菌剤を添加することなく、高い性能を発現させることができるため、経済性にも優れる。
次に、本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。図1(a)〜(c)は、本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材の断面を模式的に示す断面図、図2は、本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材について、粒径の大きい抗菌剤と、粒径の小さい抗菌剤の親水性塗膜層中での状態を説明するための模式図である。なお、本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材の実施形態は、以下に示す第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態で示すいずれの形態であっても実施できる。
≪第1実施形態≫
<フィン材>
図1(a)に示すように、本発明の第1実施形態に係る熱交換器用アルミニウムフィン材(以下、適宜、フィン材という)1(1a)は、基板2と、この基板2の表面に形成された親水性塗膜層5とを備える。さらに親水性塗膜層5には、抗菌剤6が分布している。なお、抗菌剤6は、ここでは、便宜上、同じ粒径として図示している。また、基板2の表面とは、基板2の片面または両面(図示せず)を意味する。
以下、各構成について説明する。
(基板)
基板2は、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる板材であり、熱伝導性および加工性が優れることから、JIS H4000規定の1000系のアルミニウム、好ましくは合金番号1200のアルミニウムが使用される。なお、熱交換器用アルミニウムフィン材においては、強度、熱伝導性および加工性等を考慮して、板厚0.08〜0.3mm程度のものが使用される。
(親水性塗膜層)
親水性塗膜層5は、主に親水性樹脂からなり、抗菌剤6、および、界面活性剤(図示せず)を含有しており、親水性樹脂としては、親水性官能基を有する有機化合物または親水性官能基誘導体であることが好ましい。なお親水性官能基としては、スルホン酸基、スルホン酸基誘導体、カルボキシル基、カルボキシル基誘導体、水酸基、水酸基誘導体等の親水性官能基を有するモノマーの共重合体や、前記親水性官能基を有するポリマーをブレンドしたものが挙げられる。例えば、カルボキシル基を有するポリマーとしては、ポリアクリル酸等、水酸基を有するポリマーとしては、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
親水性塗膜層5の膜厚は特に限定されないが、好ましくは0.1〜10μmである。膜厚が0.1μm未満では、フィン材1の親水性が低下すると同時に、親水性塗膜層5に含有させる抗菌剤6の粒子径が限定され、使用できる抗菌剤が限定されてしまう。一方、膜厚が10μmを超えると、親水性のさらなる向上は認められず、また、10μmを超えて付与することは、経済的にも好ましくない。なお、特に好ましくは、膜厚が0.5〜2μmである。このような膜厚により、経済性を損なわずに、親水性塗膜層5に抗菌剤6を十分に含有させることができ、同時にフィン材1の親水性がより一層高くなる。
[抗菌剤]
抗菌剤6は、抗菌金属元素を含有するものであり、後記するように、親水性塗膜層5における膜厚方向の所定の深さの範囲に、所定量存在させることで、エアコン等の使用開始初期から長期にわたり、防カビ抗菌性が発揮される。
親水性塗膜層5に含まれる抗菌剤6としては、Zn、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種からなる金属単体、あるいは、Zn、Na、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種からなる抗菌金属元素を含む有機金属化合物、これらの抗菌金属元素を含む無機金属化合物、これらの抗菌金属元素を含む有機無機複合化合物のうちの少なくとも1種からなる抗菌剤であることが好ましい。Zn、Na、Cu、Zr、Ag、Ti、Ni等の元素は、陽電荷を有するため、この陽電荷によりカビまたは細菌の酸化・分解反応が起こり、高い防カビ抗菌性を得ることができる。なお、抗菌剤6の例として、有機金属化合物の例としては、ナトリウムピリチオン、ジンクピリチオン、銅ピリチオン等が挙げられ、無機金属化合物の例としては、リン酸ジルコニウム、酸化チタン、ニッケル系の錯体等が挙げられる。また、これらの抗菌金属元素を含む有機金属化合物や無機金属化合物が、無機化合物や有機化合物と結合し、有機無機複合化合物として存在する場合もある。なお、金属元素単体としては、例えば、金属銀の抗菌作用や、金属銅のぬめり除去作用等が挙げられる。
抗菌剤6は、水に溶解するタイプ、水に不溶であるタイプのいずれでもよいが、親水性塗膜層5の親水性の低下を防止するため、水に僅かでも溶解するタイプの抗菌剤を添加することが好ましい。そして、抗菌剤6は、不純物(アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトおよびこれらの水和物の少なくとも1種)、または窒素化合物を含有しないことが好ましい。なお、これらを含有する場合には、不純物(アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトおよびこれらの水和物の少なくとも1種)の合計量が1質量%以下、窒素化合物は高周波グロー放電発光分光分析(GD−OES)による窒素存在比率測定において1原子%以下が好ましい。不純物が1質量%を超えて含まれていると、汚染物質を吸着、吸蔵してしまうため、異臭またはフィン材表面の撥水化(親水性低下)の原因となりやすい。また、窒素化合物が1原子%を超えて含まれていると、厳しい環境下では窒素化合物が酸化されて、異臭の原因となりやすい。
抗菌剤6の含有量は、親水性塗膜層5の全質量に対して1〜50質量%が好ましい。含有量が1質量%未満では、防カビ抗菌性が低下しやすく、一方、50質量%を超えると、親水性が低下しやすい。また、抗菌剤6の好ましい粒径は、最小で0.01μm、最大で親水性塗膜層5の膜厚に相当する粒径である。粒径が、0.01μm未満では、抗菌剤6の製造が困難であり、一方、親水性塗膜層5の膜厚相当よりも大きいと、塗膜表面から抗菌剤6が露出し、塗膜形成時の焼付の熱により、抗菌剤6が分解しやすくなる。
ここで、本発明は、親水性塗膜層5に含有される抗菌剤6において、高周波グロー放電発光分光分析で親水性塗膜層5の膜厚方向に測定された抗菌金属元素の存在比率が、親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%(すなわち、親水性塗膜層5の表面部、および、表面側深部において、それぞれ、5〜30原子%)であり、かつ、親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、親水性塗膜層5の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることを特徴とするものである。
親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度30%以下の範囲における抗菌金属元素の存在比率が5原子%未満では、親水性塗膜層5の表面部における抗菌金属元素の存在比率が5原子%未満の場合には、親水性塗膜層5の表面部(塗膜表層)への抗菌剤6の濃化が少なく、エアコン等の使用開始初期における防カビ抗菌性が低下する。すなわち、エアコン等の使用開始初期におけるフィン材1表面の抗菌効果が不足して、使用以前に付着したカビや細菌の繁殖による不快臭が発生する。また、親水性塗膜層5の表面側深部における抗菌金属元素の存在比率が5原子%未満の場合には、親水性塗膜層5の表面部が溶出した後は、防カビ抗菌性が低下し、長期にわたる防カビ抗菌性を得られない。
一方、親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度30%以下の範囲における抗菌金属元素の存在比率が30原子%を超えると、塗料段階における抗菌剤6の沈殿が増大して、均一な塗膜形成が難しくなること、親水性樹脂の相対的比率が低下して親水性が低下すること等から、抗菌剤6を含んだ親水性塗膜層5の形成が難しくなる。さらに、コストが増大するため、経済的にも好ましくない。
また、表面部における抗菌金属元素の存在比率が30原子%を超えた場合には、親水性塗膜層5の表面側深部、および、後記する膜厚方向中央部の抗菌剤6の存在数が不足するために、エアコン等の使用開始後に発生するドレン水により、親水性塗膜層5の成分が徐々に溶出した後の表面側深部および膜厚方向中央部の表面における抗菌剤6の存在数が不足することとなる。そして、表面側深部における抗菌金属元素の存在比率が30原子%を超えた場合には、親水性塗膜層5の表面部、および、膜厚方向中央部の抗菌剤6の存在数が不足するために、親水性塗膜層5の表面部における抗菌剤の存在数、および、親水性塗膜層5の成分が徐々に溶出した後の膜厚方向中央部の表面における抗菌剤6の存在数が不足することとなる。これらの結果、エアコン等の使用開始初期から長期に亘るフィン材1表面での防カビ抗菌性が得られず、カビや細菌が繁殖して不快臭が発生する。さらに、塗膜形成のための焼き付け時に多量の抗菌剤6が熱分解してしまう。
このような所定の範囲に、所定量の抗菌剤6が存在する親水性塗膜層5を分布させることは、後記するように、抗菌金属元素の存在比率が所定範囲となるように界面活性剤を所定量添加し、さらに、抗菌剤を所定量添加した親水性樹脂塗料を、塗装(塗布、焼付)等によりフィン材1の最表層に形成することによって、達成される(後記する膜厚方向中央部に所定量の抗菌剤が存在する親水性塗膜層5を分布させる場合についても同様である)。
また、親水性塗膜層5の表面部における存在比率の最大値が、親水性塗膜層5の表面側深部における存在比率の最大値未満では、塗膜表層への抗菌剤6の濃化が少なく、親水性塗膜層5の表面部の抗菌金属元素の存在比率が前記範囲を満たしても、相対的に表面部の抗菌剤6の存在量が少なくなる。このとき、エアコン等の使用開始初期における防カビ抗菌性を十分に発現させ、使用以前に付着したカビや細菌の繁殖による不快臭の発生を抑制するためには、多量の抗菌剤を要することとなり、経済的に好ましくない。
さらに、親水性塗膜層5は、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された前記抗菌金属元素の存在比率が、親水性塗膜層5の膜厚深度30%を超え50%以下の範囲(親水性塗膜層5の膜厚方向中央部)において5〜30原子%であり、前記最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、前記膜厚深度30%を超え50%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることが好ましい。
親水性塗膜層5の膜厚方向中央部における抗菌金属元素の存在比率が5原子%未満では、親水性塗膜層5の表面側深部が溶出した後は、防カビ抗菌性が小さくなり、さらに長期にわたる防カビ抗菌性を得にくくなる。
一方、存在比率が30原子%を超えると、塗料段階における抗菌剤6の沈殿が増大して、均一な塗膜形成が難しくなること、親水性樹脂の相対的比率が低下して親水性が低下すること等から、抗菌剤6を含んだ親水性塗膜層5の形成が難しくなる。さらに、コストが増大するため、経済的にも好ましくない。
また、存在比率が30原子%を超えると、親水性塗膜層5の表面部における抗菌剤6の存在数、および、エアコン等の使用開始後に発生するドレン水により、親水性塗膜層5の成分が徐々に溶出した後の表面側深部の表面における抗菌剤6の存在数が不足しやすくなる。その結果、エアコン等の使用開始初期から長期に亘るフィン材1表面での防カビ抗菌性低下し、カビや細菌が繁殖して不快臭が発生しやすくなる。さらに、塗膜形成のための焼き付け時に多量の抗菌剤6が熱分解してしまう。
また、親水性塗膜層5の表面部における存在比率の最大値が、親水性塗膜層5の膜厚方向中央部における存在比率の最大値未満では、親水性塗膜層5の表面部における存在比率の最大値が親水性塗膜層5の表面側深部における存在比率の最大値以上であっても、塗膜表層への抗菌剤6の濃化が比較的少なくなり、親水性塗膜層5の表面部の抗菌金属元素の存在比率が前記範囲を満たしても、相対的に表面部の抗菌剤6の存在量が比較的少なくなる。このとき、エアコン等の使用開始初期における防カビ抗菌性を十分に発現させ、使用以前に付着したカビや細菌の繁殖による不快臭の発生を抑制するためには、多量の抗菌剤を要することとなり、経済的に好ましくない。
なお、親水性塗膜層5の表面部における存在比率の最大値は、親水性塗膜層5の表面側深部における存在比率の最大値と同じでもよいが、表面側深部における最大値よりも大きいことが好ましい。また、親水性塗膜層5の表面部における存在比率の最大値は、親水性塗膜層5の膜厚方向中央部における存在比率の最大値と同じでもよいが、膜厚方向中央部における最大値よりも大きいことが好ましい。これにより、エアコン等の使用開始初期における防カビ抗菌性は、過剰の抗菌剤を添加することなく高い性能を発現させることができる。また、この場合、親水性塗膜層5の表面部における抗菌金属元素の存在比率を、6〜30原子%、親水性塗膜層5の表面側深部、および、膜厚方向中央部における抗菌金属元素の存在比率を、5〜29原子%とすることが好ましい。
抗菌金属元素の存在比率の測定方法は、具体的には以下のように行う。高周波グロー放電発光分光分析装置(GD−OES)を用いて、パルスモードでアルゴンスパッタリングし、スパッタリングされた領域の抗菌金属元素のアルゴンプラズマ内における発光線を分光分析することによって、抗菌金属元素の存在比率を測定する。アルゴンスパッタリングは、親水性塗膜層5よりもさらに基板2側の層に到達するまで継続して、親水性塗膜層5の抗菌金属元素の存在比率を測定する。
このように、フィン材1に、カビまたは細菌や、これらによる不快臭が発生あるいは付着しやすい環境にあった場合でも、エアコン等の使用開始初期には、親水性塗膜層5の表面部の抗菌剤6によって、カビおよび細菌の発生等を十分抑制できるとともに、エアコン等の長期使用によって親水性塗膜層5が溶出してしまっても、親水性塗膜層5中に埋没していた抗菌剤6が露出することで、カビまたは細菌の発生等を抑制することができる。
[界面活性剤]
親水性塗膜層5を形成するにあたり、界面活性剤を添加することにより、塗装・焼付時に抗菌剤6を親水性塗膜層5の表層に浮き上がらせて濃化させ、親水性塗膜層5の膜厚方向(深さ方向)で抗菌剤6の分布を制御することができる。界面活性剤としては、エアコン等の使用開始後に発生するドレン水によって親水性塗膜層5の成分が溶出する際、同時に界面活性剤成分が溶出した場合に、樹脂からなる他の部品のクレージングが起こりにくいアニオン型界面活性剤が好ましい。このアニオン型界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸が挙げられる。
界面活性剤の含有量は、親水性塗膜層5の全質量に対して0.01〜0.1質量%とする。この範囲の量の界面活性剤を含有させることにより、親水性塗膜層5の表面部に抗菌剤6を存在させ、かつ、親水性塗膜層5の所定の深さの範囲にも所定量の抗菌剤6を存在させることができる。より具体的には、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された抗菌金属元素の存在比率で、親水性塗膜層5の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%、すなわち、親水性塗膜層5の表面部、および、親水性塗膜層5の表面側深部に、それぞれ5〜30原子%存在させ、かつ、親水性塗膜層5の表面部に、親水性塗膜層5の表面側深部の存在比率の最大値以上の抗菌剤6(抗菌金属元素)を存在させることができる。さらに、親水性塗膜層5の膜厚方向中央部に、5〜30原子%存在させやすく、かつ、親水性塗膜層5の表面部に、親水性塗膜層5の膜厚方向中央部の存在比率の最大値以上の抗菌剤6(抗菌金属元素)を存在させやすくなる。
しかし、この界面活性剤の含有量が0.01質量%未満では、塗膜表層への抗菌剤6の濃化が少なくなり、また、添加量が少量過ぎるために、添加量の正確な計量が難しくなる。さらに、界面活性剤により期待される摩擦係数の低減を効果的に得られなくなる。一方、含有量が0.1質量%を超えると、抗菌剤6の塗膜表層への濃化が大きくなりすぎ、親水性塗膜層5の表面側深部、および、膜厚方向中央部の抗菌剤6が少なくなる。また、親水性樹脂の濃度が低下してフィン材の親水性が低下してしまう。さらに、生産時において、塗料成分を均一とするために実施される攪拌時に塗料の泡立ちが増大し、生産性が悪くなる。その他、界面活性剤の添加により、熱交換器への加工時の障害となる摩擦係数を低減する効果が期待されるが、前記範囲よりも多い場合は、塗装面が過剰に滑り、塗装後の板状フィン材をコイル状に巻いた時にコイル内部がずれて、梱包作業に支障を与えたり、熱交換器を作製する際のフィンプレス工程において、プレス装置内での制御に悪影響を及ぼしたりする恐れを生じる。
界面活性剤の含有量は、好ましくは、親水性塗膜層5の全質量に対して0.025〜0.05質量%である。含有量が0.025質量%以上とすることで、界面活性剤に起因する塗膜表面の潤滑性をより効果的に得ることができ、0.05質量%以下とすることで、界面活性剤のコストを抑制することができる。
なお、界面活性剤の含有量をこの範囲とすることで、「[(1)親水性塗膜層5の表面部における抗菌金属元素の存在比率の最大値]≧[(2)親水性塗膜層5の表面側深部における抗菌金属元素の存在比率の最大値]≧[(3)親水性塗膜層5の膜厚方向中央部における抗菌金属元素の存在比率の最大値]」の関係となりやすい。
なお、抗菌剤6の分布は、前記したGD−OESによる抗菌金属元素の分析により確認することができる。また、図2に示すように、界面活性剤によって、抗菌剤6のうち、粒径が小さいものを塗膜表層へ濃化させることができる。一方、粒径が大きいものは親水性塗膜層5中に広く分布する。
界面活性剤の含有量の測定は、「JIS K0102 30.1.1」に記載のメチレンブルー吸光光度法によって実施することができる。すなわち、まず、親水性塗膜層5について所定の塗膜量を有するプレコートアルミニウムフィン材を、界面活性剤を含有しないイオン交換水に浸漬し、これを80℃で6時間保持し、塗膜成分を抽出する。次に、この抽出水と適量の無色のクロロホルムとを一個の容器中で混合し、水層と溶媒層に分離した状態として、この混合液に適量のメチレンブルーを添加して界面活性剤とのイオン対を形成させる。そして、色を呈したイオン対が層間移動する現象を利用して界面活性剤を抽出し、このときの液の色の濃さを吸光光度計で測定する。
ここで得られた測定値(吸光度とする)を、予め作成された、吸光度と、界面活性剤の液中濃度との検量線に代入することで、抽出水中の界面活性剤濃度が計算され、この濃度に、抽出前の水の量を乗じることで、水中の界面活性剤の量(=塗膜中の量)が計算される。そして、これを水への抽出対象としたプレコートアルミニウムフィン材の塗膜量で除することで、塗膜中の界面活性剤量が質量%で計算される。このとき、測定の誤差が生じることを防ぐために、測定された抽出水の界面活性剤の濃度が0.01mg/l以上となるよう測定されることが好ましく、そのために界面活性剤を抽出しようとするプレコートアルミニウムフィン材の使用塗装面積を適宜大きくする必要がある。その塗装面積とは、例えば、抽出水1リットルに対して100dm、200dm、300dmといった面積である。なお予め作成する検量線の作成方法は以下のとおりである。
イオン交換水に既知の濃度となるように界面活性剤を含有させて調製した抽出水を数種の濃度で作製し、それぞれについて既述の一連の方法を実施し、それぞれの吸光度を測定する。このときの吸光度とその吸光度を測定した検体である抽出水の界面活性剤濃度との関係式を適当な方法によって作成し、検量線とする。未知の界面活性剤濃度を有する抽出水の界面活性剤濃度の算出は、得られた吸光度を前記検量線に代入することで行なわれる。
なお、親水性塗膜層5の塗膜量の測定は、所定の塗装面積を有するプレコートアルミニウムフィン材を水洗して親水性塗膜層5を除去し、この前後での重量差を親水性塗膜層5の塗膜量とすることで実施される。
[その他]
親水性塗膜層5の耐久性を向上させるために、あるいは、後記するように、疎水性塗膜層4(図1(c)参照、説明は後記する)を形成する場合、例えば、塗装等により、親水性塗膜層5を疎水性塗膜層4の上に容易に形成させるために、親水性塗膜層5は、必要に応じて、親水性樹脂に有機系架橋剤を添加したもので構成してもよい。
さらに、親水性塗膜層5は、アクリルアミド系樹脂等の窒素化合物を含有しないことが好ましい。なお、窒素化合物を含有する場合には、含有量は、GD−OESによる窒素存在比率測定において1原子%以下が好ましい。窒素化合物が1原子%を超えて含まれていると、厳しい環境下では窒素化合物が酸化されて、異臭の原因となりやすい。
(塗膜中の不純物)
本発明に係るフィン材1は、親水性塗膜層5(後記する疎水性塗膜層4を備える場合は、疎水性塗膜層4および親水性塗膜層5)に含まれる不純物としてのアルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトおよびこれらの水和物の少なくとも一種を含有しないことが好ましい。なお、これら不純物を含有する場合には、不純物(アルミナ、シリカ、チタニア、ゼオライトおよびこれらの水和物の少なくとも1種)の合計量が1質量%以下であることが好ましい。不純物が1質量%を超えて含まれていると、汚染物質を吸着、吸蔵してしまうため、異臭またはフィン材表面の撥水化(親水性低下)の原因となりやすい。
不純物の合計質量は、例えば、以下のようにして測定する。まず、親水性塗膜層5(および疎水性塗膜層4)を、発煙硝酸等を用いて、基板2または下地処理層3(図1(b)参照、説明は後記する)から剥離する。剥離された塗膜層を完全燃焼させ、その残渣を純水中に注ぐ。そして、純水に溶解しない不溶物の質量を測定し、不純物の合計質量とする。
≪第2実施形態≫
図1(b)に示すように、本発明の第2実施形態に係る熱交換器用アルミニウムフィン材1(1b)は、基板2と、この基板2の表面に形成された下地処理層3と、この下地処理層3の表面に形成された親水性塗膜層5とを備える。さらに親水性塗膜層5には、抗菌剤6が分布している。
以下、各構成について説明する。なお、第2実施形態で示すフィン材1bを構成している基板2、親水性塗膜層5、抗菌剤6は、第1実施形態で示すフィン材1aを構成している基板2、親水性塗膜層5、抗菌剤6と、それぞれ同様なため、ここでは説明を省略する。
(下地処理層)
下地処理層3は、基板2と親水性塗膜層5との間に形成されており、無機酸化物または有機−無機複合化合物よりなる。無機酸化物としては、主成分としてクロム(Cr)またはジルコニウム(Zr)を含むものが好ましく、例えば、リン酸クロメート処理、リン酸ジルコニウム処理、クロム酸クロメート処理を行うことにより形成されたものである。しかし、本発明においては、耐食性を奏するものであれば、これに限定されず、例えば、リン酸亜鉛処理、リン酸チタン酸処理を行うことによっても下地処理層3を形成することができる。また、有機−無機複合化合物としては、塗布型クロメート処理または塗布型ジルコニウム処理を行なうことにより形成されたもので、アクリル−ジルコニウム複合体等が挙げられる。
下地処理層3は、CrまたはZrを1〜100mg/mの範囲で含有するものが好ましく、また、下地処理層3の膜厚としては、10〜1000Åとするのが好ましいが、使用目的等に合わせて適宜変更が可能であることはいうまでもない。この下地処理層3の形成により、フィン材1に耐食性が付与される。また、第1実施形態のような基板2の上に親水性塗膜層5が存在する場合よりも、下地処理層3の上に親水性塗膜層5を存在させる方が、親水性塗膜層5の密着性が向上し、エアコン等の運転により生じる結露水による親水性塗膜層5の溶出を生じにくくすることができる。その結果、親水性塗膜層5に含まれる抗菌剤6が、エアコン等の使用後に、長期に亘りフィン材1の表面上に存在することができ、防カビ抗菌性の持続性を向上させることができる。
≪第3実施形態≫
図1(c)に示すように、本発明の第3実施形態に係る熱交換器用アルミニウムフィン材1(1c)は、基板2と、この基板2の表面に形成された下地処理層3と、この下地処理層3の表面に形成された疎水性塗膜層4と、この疎水性塗膜層4の表面に形成された親水性塗膜層5とを備える。さらに親水性塗膜層5には、抗菌剤6が分布している。
以下、各構成について説明する。なお、第3実施形態で示すフィン材1cを構成している基板2、下地処理層3、親水性塗膜層5、抗菌剤6は、第1実施形態で示すフィン材1aおよび第2実施形態で示すフィン材1bを構成している基板2、下地処理層3、親水性塗膜層5、抗菌剤6と、それぞれ同様なため、ここでは説明を省略する。
(疎水性塗膜層)
疎水性塗膜層4は、下地処理層3と親水性塗膜層5との間に形成されており、ウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、ポリアクリル酸系樹脂のうちの少なくとも1種よりなる疎水性樹脂からなることが好ましい。
第2実施形態のような下地処理層3の上に親水性塗膜層5が存在する場合よりも、疎水性塗膜層4の上に親水性塗膜層5を存在させる方が、親水性塗膜層5の密着性が向上し、エアコン等の運転により生じる結露水による親水性塗膜層5の溶出を、より一層生じにくくすることができる。その結果、親水性塗膜層5に含まれる抗菌剤6が、エアコン等の使用後に、長期に亘りフィン材1の表面上に存在することができ、防カビ抗菌性の持続性を向上させることができる。
疎水性塗膜層4の膜厚は、0.1〜10μmであることが好ましい。膜厚が0.1μm未満では、親水性塗膜層5の密着性が向上しにくい。また、一般的な熱交換器においては、フィン材1を貫いて構成される伝熱管には銅管が使用されることが多く、疎水性塗膜層4の膜厚が10μmを超えると、疎水性塗膜による銅管との接触熱抵抗が大きくなり、伝熱性能が低下してしまう恐れがある。また、10μmを超えて付与することは、経済的にも好ましくない。なお、疎水性塗膜層4のより好ましい膜厚は0.5〜2μmである。このような膜厚により、伝熱性能および経済性を損なわずに、親水性塗膜層5の密着性をさらに向上させることができる。
疎水性塗膜層4の耐久性を向上させるために、疎水性塗膜層4は、疎水性樹脂に有機系架橋剤を添加したもので構成することが好ましい。また、例えば、塗装により、疎水性塗膜層4を下地処理層3の上に容易に形成させるため、疎水性塗膜層4は、疎水性樹脂に界面活性剤および有機系架橋剤を添加したもので構成することが好ましい。
次に、本発明に係るフィン材の製造方法について、図1を参照して説明する。
<フィン材の製造方法>
前記のとおり、フィン材1は、アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板2の片面または両面(図示せず)に、親水性塗膜層5を形成するものである。また、基板2と親水性塗膜層5との間に下地処理層3を形成しても良い。さらに、下地処理層3と親水性塗膜層5との間に疎水性塗膜層4を形成しても良い。
(1)基板2の表面に下地処理層3を形成する際には、リン酸クロメート処理、リン酸ジルコニウム処理等を施すことにより、無機酸化物または有機−無機複合化合物よりなる下地処理層3を形成し、このとき、リン酸クロメート処理、リン酸ジルコニウム処理等は、基板2に化成処理液をスプレー等により塗布することで行われる。その塗布量としては、CrまたはZr換算で1〜100mg/mの範囲で塗布するのが好ましく、形成される膜厚としては、10〜1000Åとするのが好ましい。また、下地処理層3を形成する前に、基板2の表面にアルカリ水溶液をスプレー等して、基板2の表面を予め脱脂することが好ましい。脱脂により基板2と下地処理層3との密着性が向上する。
(2)下地処理層3の表面に疎水性塗膜層4を形成する際には、好ましくはウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリエステル系樹脂、および、ポリアクリル酸系樹脂のうちの少なくとも1種以上からなる樹脂溶液を塗布した後、焼付を行い、下地処理層3の上に疎水性塗膜層4を形成する。ここで、塗布はバーコータ、ロールコータ等の従来公知の塗布方法で行う。焼付温度は、塗布する樹脂溶液によって、適宜設定する。また、基板2の上に下地処理層3を形成し、さらにその上に疎水性塗膜層4を形成する前には、下地処理層3の表面にアルカリ水溶液をスプレー等して、下地処理層3の表面を予め脱脂することが好ましい。脱脂により下地処理層3と疎水性塗膜層4との密着性が向上する。
(3)基板2、下地処理層3、または、疎水性塗膜層4の表面に親水性塗膜層5を形成する際には、抗菌剤6および界面活性剤を添加した親水性樹脂の樹脂溶液を塗布した後、焼付を行う。これにより、親水性塗膜層5を形成してフィン材1とする。ここで、塗布はバーコータ、ロールコータ等の従来公知の塗布方法で行い、塗布量は、親水性塗膜層5の膜厚が0.1〜10μmとなるように適宜設定する。焼付温度は、塗布する樹脂溶液によって、適宜設定する。なお、親水性塗膜層5の形成においては、塗膜の焼き付けを所定の温度で実施することで、親水性樹脂や抗菌剤6等が分解されず、特に親水性塗膜層5の表層に存在する抗菌剤6を分解・蒸発させずに焼き付けることができる。すなわち、焼き付けの温度条件としては、親水性樹脂成分、抗菌剤6、および、界面活性剤が分解または蒸発しない温度が好ましい。
以上、本発明を実施するための最良の形態について述べてきたが、以下に、本発明の効果を確認した実施例について説明する。
まず、以下の方法により、フィン材を作製した。基板としては、いずれもJIS H4000に規定する合金番号1200のアルミニウムよりなる板厚0.1mmのアルミニウム板を用いた。
このアルミニウム板の表面に、実施例4〜30、比較例6〜11においては、下地処理層3を形成するための処理を行った。実施例4〜10、15〜22、27〜30、比較例6〜11においては、リン酸クロメート処理を行った。化成処理液としては、日本ペイント株式会社製アルサーフ(登録商標)401/45、リン酸、クロム酸を使用した。このとき、下地処理層の膜厚は400Åとした(蛍光X線法で測定したCr換算値は20mg/m2であった)。また、実施例11と23においては、リン酸ジルコニウム処理を、実施例12と24においては、クロム酸クロメート処理を、実施例13と25においては、塗布型クロメート処理を、それぞれ公知の方法によって施した。また、実施例14と26においては、塗布型ジルコニウム処理を行った。処理液としては、日本ペイント株式会社製サーフコート147/148を使用した。このとき、下地処理層の膜厚はZr換算値で40mg/m2とした。
そして、下地処理層の上に、実施例4〜6、比較例6〜8においては親水性塗膜層を、実施例7〜30、比較例9〜11においては疎水性塗膜層を形成した。実施例7〜30、比較例9〜11における疎水性塗膜層用塗料としては、実施例7〜27、比較例9〜11ではエポキシ系樹脂塗料を、実施例28ではウレタン系樹脂塗料を、実施例29ではポリエステル系樹脂塗料を、実施例30ではポリアクリル酸系樹脂塗料を塗布し、焼き付けを実施して、表1、2に示す膜厚の疎水性塗膜層を形成した。なお、焼付温度はアルミニウム板の到達温度で230℃となるように実施した。
そして、実施例1〜3、比較例1〜5においては、基板の上に、実施例4〜6、比較例6〜8においては、下地処理層3の上に、実施例7〜30、比較例9〜11においては、疎水性塗膜層の上に、親水性樹脂、抗菌剤、および、界面活性剤を含む親水性塗膜層用塗料を塗布し、その後焼付を行って、表1、2に示す膜厚の親水性塗膜層を形成し、フィン材とした。このとき、親水性塗膜層中の抗菌剤および界面活性剤の親水性塗膜層全質量に対する含有量は、表1、2に示すとおりとした。また、焼付温度はアルミ板の到達温度で200℃となるように実施した。なお、親水性樹脂としては、ポリアクリル酸(日本純薬株式会社製ジュリマー(登録商標)AC10S)を、抗菌剤としては、亜鉛成分を含む有機系抗菌剤であるジンクピリチオン(平均粒径0.37μm)を、界面活性剤としては、アニオン型界面活性剤の一種であるポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸を使用した。なお、抗菌剤の平均粒径は、レーザー回折・散乱式粒度分散測定装置(セイシン企業SK LAASER MICRON SIZER LMS−24)を使用し、分散液として水、分散方法としてスクリュー分散を用いて測定した。
次に、作製したフィン材を用いて、高周波グロー放電発光分光分析装置((株)堀場製作所製、JY−5000RF)により、パルスモード(周波数300HZ,デューティサイクル0.3125)でアルゴンスパッタリングして、親水性塗膜層の膜厚方向におけるZnの存在比率を測定した。
この結果を表1に示す。また、抗菌金属元素(Zn)の存在比率については、代表例として、実施例7、9、16、19、27、比較例9、10、11の測定結果を図3に示す。なお、抗菌金属元素の存在比率は、焼き付け前の数値である。
Figure 2010133639
Figure 2010133639
表1、2に示すように、このようにして作製した実施例1〜30に記載のフィン材では、抗菌剤に含有される抗菌金属元素は、高周波グロー放電発光分光分析により測定したときに、(1)親水性塗膜層の最表面から膜厚深度10%の範囲、(2)親水性塗膜層の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲で、いずれも、その存在比率が5〜30原子%、すなわち、親水性塗膜層の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%であり、かつ(1)の範囲での最大値が(2)の範囲での最大値以上の状態となった。さらに、(3)親水性塗膜層の膜厚深度30%を超え50%以下の範囲でも、実施例27を除き、その存在比率が5〜30原子%であり、かつ(1)の範囲での最大値が(3)の範囲での最大値以上の状態となった。
一方、比較例1〜11に記載のフィン材では、以下の状態となった。
比較例1、2、3、6、9では、抗菌剤に含有される抗菌金属元素は、高周波グロー放電発光分光分析により測定したときに、(1)親水性塗膜層の最表面から膜厚深度10%の範囲、(2)親水性塗膜層の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲で、いずれも、その存在比率が5〜30原子%、すなわち、親水性塗膜層の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%であるが、(1)の範囲での最大値が(2)の範囲での最大値以上の状態とはならなかった。さらに、比較例1、2、6、9では、(3)親水性塗膜層の膜厚深度30%を超え50%以下の範囲でも、その存在比率が5〜30原子%であるが、(1)の範囲での最大値が(3)の範囲での最大値以上の状態とはならかった。なお、比較例3は、界面活性剤の含有量が、比較例1、2、6、9に比べて多かったため、(1)の範囲での最大値が(3)の範囲での最大値以上の状態となったと考えられる。
また、比較例4、5、7、8、10、11では、抗菌剤に含有される抗菌金属元素は、高周波グロー放電発光分光分析により測定したときに、前記(1)の範囲においてその存在比率が5〜30原子%であるが、前記(2)の範囲においては、その存在比率が5〜30原子%の状態とはならなかった。すなわち、親水性塗膜層の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%の状態とはならなかった。また、(3)の範囲においても、その存在比率が5〜30原子%の状態とはならなかった。
次に、これらのフィン材について、防カビ抗菌性を評価するとともに、摩擦係数を測定した。
<防カビ抗菌性>
前記方法で作製したフィン材について以下の方法によって防カビ抗菌性を評価した。
すなわち「山田貞子ら:固体材料表面の迅速な抗カビ活性試験方法,防菌防黴,Vol.31,No.11,711〜717頁(2003年)」に記載されているガラスリング法による試験によって評価した。なお、使用するカビとしては、黒カビ(Aspegillus niger)、青カビ(Penicillium chrysogenum)、クロカワカビ(Cladosporium cladosporioides)の3種類のカビを混合したものとした。評価結果は、表3に示した6段階によって評価した。なお、4以上で効果ありとして、防カビ抗菌性が良好、3以下を効果なしとして、防カビ抗菌性が不良とした。この結果を表4に示す。
Figure 2010133639
Figure 2010133639
表4に示すとおり、実施例1〜26、28〜30においては、前記抗菌金属元素の存在比率について説明したとおり、抗菌金属元素の存在比率が本発明の範囲を満たすため、エアコン等の使用開始初期と、使用後の結露環境にさらされた後を想定した、水浸漬24時間および96時間後において、いずれも防カビ抗菌性が良好であった。なお、実施例27では、前記(3)の範囲での抗菌金属元素の存在比率が5未満のため、水浸漬96時間後における防カビ抗菌性が確保されるものの、他の実施例に比較して、その効果はやや小さかった。なお、実施例27は、(3)の範囲の大半で、存在比率が5原子%以上であり、比較例4、5、7、8、10、11は、(2)の範囲の大半で、5原子%未満であるという違いがある。
一方、比較例1〜11においては、抗菌金属元素の存在比率が本発明の範囲を満たさないため、以下の結果となった。すなわち、比較例1、2、3、6、9では、使用開始初期における防カビ抗菌性が不良であった。また、比較例4、5、7、8、10、11では、水浸漬24時間および96時間後における防カビ抗菌性が不良であった。なお、使用開始初期においては、表面に付着した菌やカビが流れないため、表面の抗菌性を高めるには、内部よりも表面により多くの抗菌剤を分布させることが好ましく、前記(1)の範囲では、(2)、(3)の範囲よりも、より多くの抗菌元素が存在しないと、使用開始初期の向上効果を得にくい。
<摩擦係数>
前記方法で作製したフィン材について以下の方法によって摩擦係数を測定した。
測定においては、バウデン式付着滑り試験機を用い、荷重を0.2kgとし、移動速度を4mm/秒として、無塗油の条件下で親水性塗膜層の表面の摩擦係数を測定した。なお摩擦係数の評価は、0.20未満を、摩擦係数が優良(◎)、0.20以上0.25未満を良好(○)、0.25以上を不良(×)とした。この結果を表4に示す。
表4に示すとおり、実施例1〜30においては、界面活性剤の含有量が本発明の範囲を満たすため、摩擦係数が優良または良好であった。一方、比較例1、2、3、6、9においては、界面活性剤の含有量が本発明の範囲の下限値未満のため、摩擦係数が不良であった。
以上、本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材について最良の実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されるものではない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて広く改変・変更等することができることはいうまでもない。
(a)〜(c)は、本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材の断面を模式的に示す断面図である。 本発明に係る熱交換器用アルミニウムフィン材について、粒径の大きい抗菌剤と、粒径の小さい抗菌剤の親水性塗膜層中での状態を説明するための模式図である。 実施例および比較例の一部について、高周波グロー放電発光分光分析で親水性塗膜層の膜厚方向におけるZnの存在比率を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1 熱交換器用アルミニウムフィン材(フィン材)
2 基板
3 下地処理層
4 疎水性塗膜層
5 親水性塗膜層
6 抗菌剤

Claims (6)

  1. アルミニウムまたはアルミニウム合金よりなる基板と、この基板の表面に形成された親水性塗膜層とを備える熱交換器用アルミニウムフィン材であって、
    前記親水性塗膜層は、抗菌金属元素を含有する抗菌剤、および、0.01〜0.1質量%の界面活性剤を含有し、
    前記親水性塗膜層は、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された前記抗菌金属元素の存在比率が、前記親水性塗膜層の最表面から膜厚深度30%以下の範囲において5〜30原子%であり、かつ、前記親水性塗膜層の最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、前記親水性塗膜層の膜厚深度10%を超え30%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることを特徴とする熱交換器用アルミニウムフィン材。
  2. 前記親水性塗膜層は、高周波グロー放電発光分光分析で膜厚方向に測定された前記抗菌金属元素の存在比率が、前記親水性塗膜層の膜厚深度30%を超え50%以下の範囲において5〜30原子%であり、
    前記最表面から膜厚深度10%の範囲における存在比率の最大値が、前記膜厚深度30%を超え50%以下の範囲における存在比率の最大値以上であることを特徴とする請求項1に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
  3. 前記抗菌剤が、Zn、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種の抗菌金属元素からなる金属単体であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
  4. 前記抗菌剤が、Zn、Na、Cu、Zr、Ag、Ti、Niのうちの少なくとも1種の抗菌金属元素を含有する有機金属化合物、無機金属化合物、有機無機複合化合物のうちの少なくとも1種からなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
  5. 前記基板と前記親水性塗膜層との間に、下地処理層が形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
  6. 前記下地処理層と前記親水性塗膜層との間に、疎水性塗膜層が形成されていることを特徴とする請求項5に記載の熱交換器用アルミニウムフィン材。
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