(第1の実施の形態)
以下、本発明の第1の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の第1の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ1の全体構成を示す斜視図である。図1では、この外部パイロット式オペレートバルブ1が動作することによって制御される流体Fを外部パイロット式オペレートバルブ1に導入する管及び制御された流体Fが外部パイロット式オペレートバルブ1から導出される管は省略している。また、図1に示す外部パイロット式オペレートバルブ1は、流体Fの開放或いは閉止を行うことによって流体Fの流れを制御するものである。
外部パイロット式オペレートバルブ1は、バルブボディ1aに形成され、その内部に流体Fを導入する導入口1bと、制御された流体Fを外部パイロット式オペレートバルブ1から導出させる、図1では図示しない導出口1cとを備えている。第1の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ1は、いわゆる、2ポート外部パイロット式オペレートバルブと呼ばれるバルブである。
導入口1bと同一平面上には、空気孔が設けられている。この空気孔は、後述するように、弁体を移動させるピストンロッドをスムーズに動かすために設けられている。また、外部パイロット式オペレートバルブ1の上面には、同じく後述する閉止側オペレートエア供給孔が設けられている。この閉止側オペレートエア供給孔は、弁体をボディシートに密着させて流体Fの流れを閉止するようピストンロッドを動かすための空気(オペレートエア)を外部流体供給源から外部パイロット式オペレートバルブ1へと供給するために管を接続するための孔である。
図2は、図1に示すII−II線において切断して外部パイロット式オペレートバルブ1の内部構成を示す断面図である。図2に示す断面図において、バルブボディ1aの+X側に開口している口が流体Fの導入口1bであり、−X側に開口している口が導出口1cである。後述する弁体が開放されることで導入口1bから導出口1cまで流路1dが形成され、この流路1dを流体Fが流通する。本発明の第1の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ1では、+X方向から導入口1bを通って流体Fが導入され、一旦+Y方向に向きを変えて後述する弁体とバルブボディ1aのボディシートとの間を通過し、−Y方向を経て−X方向へと向きを変えて導出口1cから外部パイロット式オペレートバルブ1の外へと導出される。
流路1dの途中には、流体Fの流通を閉止、或いは開放するための弁体1eが設けられている。弁体1eは、バルブボディ1aに形成されたボディシート1a1に押圧、密着されることによって、流体Fの流通を閉止する。
弁体1eは、ボディシート1a1に直接押圧されて流体Fの流通を閉止、開放するシールリング1e1と、シールリング1e1と接着されるシールリング用弾性体1e2と、シールリング1e1及びシールリング用弾性体1e2とを収納するシールリングケース1e3とから構成される。図2では、シールリング1e1がボディシート1a1と接触することができるようにシールリングケース1e3は、ボディシート1a1側が開口する略U字形状とされている。
シールリング1e1は、流体Fの漏れがないようにボディシート1a1に押圧された際に確実に流体Fの流通を閉止する必要がある。そのため、シールリング1e1の材料としては、例えば、超高分子量ポリエチレン(Ultra High Molecular Weight Polyethylene:UHPE)が好適に使用される。
また、シールリング用弾性体1e2には、例えば断面が四角形の合成ゴム系のゴムが好適に使用できる。シールリング1e1の後ろ、すなわちシールリング1e1を挟んでボディシート1a1と対向する位置にシールリング用弾性体1e2を配置したのは、シールリング1e1をボディシート1a1に押圧した際に、シールリング用弾性体1e2の弾性力を利用してシールリング1e1とボディシート1a1との密着性を高めるためである。このような構成を採用することによって、流体Fの流通を確実に閉止することが可能となる。さらに、シールリング用弾性体1e2の断面を四角形としているのは以下の理由からである。例えば、シールリング用弾性体1e2としてOリングを使用すると、Oリングを収容するシールリングケース1e3との間に空間が生じ、この空間に例えば、流体Fとしての高圧エアが入り込む可能性がある。空間に入り込んだ高圧エアは大気開放されると同時にシールリングケース1e3内に閉じこめられた圧縮空気が大気へと戻るために、シールリングケース1e3からOリングを外側に押し出す、すなわち、シールリング1e1をシールリングケース1e3外へと押し出す作用をなす。これでは閉止時の流体Fの密閉性を低下させることになってしまうからである。
弁体1eは、ピストンロッド1fの一方端部付近に固定具1gを用いて固定されている。固定具1gは、図2に示す外部パイロット式オペレートバルブ1ではワッシャをかませてナットを用いて弁体1eをピストンロッド1fに固定させている。ピストンロッド1fは、シリンダーボディ1hに収容され、バルブボディ1a及びシリンダーボディ1hの中央部を上下方向(+Y或いは−Y方向)に移動する。
ピストンロッド1fをぶれずに移動させるために、シリンダーボディ1h内には、ピストンロッド1fを中心として同軸上にブッシュ1i、ブッシュシールケース1j、バルブボディ1aに載置されブッシュシールケース1jを保持するフィットワッシャ1kが設けられている。また、ピストンロッド1fに接して流体Fが漏れることを防止するためのバリシール1lが弁体1e側及びピストン側に設けられている。ブッシュ1i及びブッシュシールケース1jの上端付近におけるシリンダーボディ1hには、孔1mが形成されている。ピストンロッド1fは、後述する低圧のオペレートエアが導入されることによって動作する。そのためこの低圧のオペレートエアが導入される領域に流路1dを流れる高圧の流体Fが侵入してしまうとピストンロッド1fは動作速度が変化する。そこで、孔1mを形成し、万が一高圧の流体Fが侵入してきても孔1mからその圧力を逃がすことが可能な状態にしておくことで低圧のオペレートエアが導入される領域への高圧の流体Fの侵入を防いでいる。
シリンダーボディ1hの上部は、ピストン1nを収容するために垂直方向(+Y、−Y方向)に凹状となるように形成されている。ピストン1nは、ピストンロッド1fの他方端部領域を挟み込むように固定し、ピストン1nの動きに合わせてピストンロッド1f一体にも動くようにされている。
ピストン1nもまた凹状に形成され、その窪みの外部には、収納されるシリンダーボディ1hに接触し、シリンダーボディ1hの内壁に沿って垂直方向(+Y、−Y方向)に移動するためにピストンガイドリング1oが嵌め込まれている。また窪みの内部には、ピストン1n上に載置された受け1pを介して付勢部材1qが載置される。
なお、本発明の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ1では付勢部材1qとして、例えば、コイルスプリングを用いているが、このコイルスプリングに限られずピストン1nを下向き(−Y方向)に付勢することのできる部材であればどのような部材であっても構わない。
さらにシリンダーボディ1h上においてシリンダーボディ1hの開口部を塞ぎ、ピストン1nとの間に載置される付勢部材1qに負荷を掛け、ピストン1nを下向き(−Y方向)に付勢するシリンダーキャップ1rが嵌め込まれている。
シリンダーキャップ1rには、ピストンロッド1fと同軸上に閉止側オペレートエア供給孔1sが形成されている。また、シリンダーボディ1hに形成される孔1mとピストンロッド1fを介して対向する位置には開放側オペレートエア供給孔1tが形成されている。閉止側オペレートエア供給孔1s及び開放側オペレートエア供給孔1tにはいずれも外部パイロット式オペレートバルブ1の外部からピストン1n、ピストンロッド1f、弁体1eを一体に移動させるためのオペレートエアが供給される。なお、本発明の実施の形態における外部パイロット方式オペレートバルブにおいて、オペレートエアとして導入されるエアの圧力は、例えば、0.4ないし0.5Mpa程度の低圧のエアである。
以上の構成を採用する外部パイロット式オペレートバルブ1は、以下に示す動作を行う。外部パイロット式オペレートバルブ1は、通常は、図2に示すように弁体1eがボディシート1a1に押圧され流路1dを閉止している。そのため、流体Fは流路1d内を流通することができない。弁体1eがボディシート1a1に押圧されるのは、弁体1eをその一端側先端部に固定するピストンロッド1fが付勢部材1qによって下向き(−Y方向)に付勢されるピストン1nと接続され、同じように下向きに付勢されるからである。
この状態において、開放側オペレートエア供給孔1tからピストン1nとシリンダーボディ1hとの間に形成されている空間1uにオペレートエアが供給されると、ピストン1nが上方(+Y方向)に持ち上がる。上述したようにピストン1nとピストンロッド1fとは接続されているためピストン1nの上方への移動に伴ってピストンロッド1fも一体に上方へと移動する。
ピストンロッド1fが移動することによって弁体1eがボディシート1a1から離れ、流体Fの流通が閉止された状態から開放状態へと変化する。弁体1eが上方へ移動することで導入口1bから導入される流体Fは開通した流路1dを通って導出口1cから外部パイロット式オペレートバルブ1の外部へと導出される。
図3は、弁体1eがボディシート1a1から離れ流路1dが開通した状態を示す外部パイロット式オペレートバルブ1の断面図である。流体Fは、図3に示す実線の矢印のような向きに流路1d内を流れる。このとき、空間1uには開放側オペレートエア供給孔1tから導入されたオペレートエアが供給されており、このオペレートエアによってピストン1n、ピストンロッド1fが上方(+Y方向)に持ち上げられている。
一方、開放側オペレートエア供給孔1tからのオペレートエアの供給が止まるとピストン1n、ピストンロッド1f及び弁体1eは下方(−Y方向)へと移動する。これは、ピストン1nに付勢部材1qによる力が付勢が掛けられているからである。
但し、付勢部材1qのピストン1nを付勢する力のみに頼ると、流路1dの開放状態から閉止状態への移行についての応答速度が遅く、流体Fの適切な閉止が行われないことも生じ得る。そこで、シリンダーキャップ1rに形成された閉止側オペレートエア供給孔1sからオペレートエアを供給することによって、強制的にピストン1nとシリンダーキャップ1rとの間に形成される空間1vに空気を供給し、ピストン1n、ピストンロッド1f及び弁体1eを下方(−Y方向)へと移動させて閉止する。
以上弁体としてこれまでのようなダイヤフラムを採用せずピストン及びピストンロッドを用いて弁体の移動を行うこととすることで、耐久性を非常に向上させ、高寿命化を図ることができる外部パイロット式オペレートバルブを提供することができる。
弁体による開放、或いは閉止を外部パイロット式オペレートバルブの外部から供給されるオペレートエアを用いることによって、応答速度が速く、タイミング良く正確に流体の流れを制御することが可能な外部パイロット式オペレートバルブの提供が可能になる。特に弁体の移動を閉止側オペレートエア供給孔、或いは開放側オペレートエア供給孔からオペレートエアを供給することによって行うため、外部パイロット式オペレートバルブに導入される流体の圧力を変更しても弁体の閉止、開放のタイミングを的確に制御することができる。
さらには、上述した効果を一層顕著に発揮させるべく、ボディシートと直接接する部分に樹脂製のシールリングと、この樹脂製シールリングにシールリングケース内において隙間が生ずることを防止した断面を持つシールリング用弾性とを重ねた構成を持つ弁体を採用する。このことによって、併せてシールリングの密閉性の向上、脱落防止及び部品交換の容易性の向上を図ることも可能となる。
(第2の実施の形態)
次に本発明における第2の実施の形態について説明する。なお、第2の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第2の実施の形態において第1の実施の形態と相違する点は、第1の実施の形態において示した外部パイロット式オペレートバルブのように流体Fの導入口、或いは導出口が2カ所ではなく、3カ所設けられている点である。すなわち、第2の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ10は、いわゆる3ポート外部パイロット式オペレートバルブである。
但し、外部パイロット式オペレートバルブ1と外部パイロット式オペレートバルブ10とでは2ポートであるか、3ポートであるかの相違点であり、3ポートを採用することによる内部機構の変更がある以外は両者は同一の機構を採用する。
図4は、第2の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ10の全体構成を示す斜視図である。図4では、この外部パイロット式オペレートバルブ10が動作することによって制御される流体Fを外部パイロット式オペレートバルブ10に導入する管及び制御された流体Fが外部パイロット式オペレートバルブ10から導出される管は省略している。また、図4に示す外部パイロット式オペレートバルブ10は、流体Fの開放或いは閉止を行うことによって流体Fの流れの向きを制御するものである。外部パイロット式オペレートバルブ10は、バルブボディ10aに形成され、その内部に流体Fを導入或いは導出させる第1のポート10bと、その流れる方向を制御された流体Fを外部パイロット式オペレートバルブ10から導出させる、或いは外部パイロット式オペレートバルブ10へと流体Fを導入する第2のポート10cと第3のポート10dとを備えている。外部パイロット式オペレートバルブ10では、第1のポート10b及び第3のポート10dは、第2のポート10cが設けられている面と対向する面に設けられており、図4では図示されていない。
また、外部パイロット式オペレートバルブ10の上面には、後述するオペレートエア給排気孔が設けられている。このオペレートエア給排気孔は、弁体をバルブシートに密着させて流体Fの流れを閉止、或いは開放するようコネクティングロッドを動かすための空気(オペレートエア)を外部流体供給源から外部パイロット式オペレートバルブ10へと供給するために管を接続するための孔である。
図5は、図4に示すV−V線において切断して外部パイロット式オペレートバルブ10の内部構成を示す断面図である。図5に示す断面図において、バルブボディ10aの+X側に開口している口が流体Fが導入、或いは導出される第2のポート10cであり、−X側に2カ所開口している口が第1のポート10b及び第3のポート10dである。外部パイロット式オペレートバルブ10では、バルブボディ10aの下部に第1のポート10bが、その上部に第3のポート10dが設けられている。
これら3つのポートにおいて、後述する弁体が開放されてそれらのいずれか2つのポートが連通することによって流路10eが形成され、この流路10e内を流体Fが流通する。例えば、図5の断面図に示された状態では、後述する一対の弁体のうち第3のポート10d側の弁体が開放され、第1のポート10b側の弁体がバルブシート10fと密着して閉止されているので、第2のポート10cから導入された流体Fは、実線の矢印で示される第1の流路10e1内を流通し、第3のポート10dから外部パイロット式オペレートバルブ10の外へと導出される。また、例えば、一対の弁体のうち第1のポート10b側の弁体が開放され、第3のポート10d側の弁体が閉止されると(図6参照)、第1のポート10bから導入された流体Fは、破線の矢印で示される第2の流路10e2内を流通して第2のポート10cから外部パイロット式オペレートバルブ10の外へと導出される。
流路10eの途中には、バルブボディ10aに嵌め込まれたバルブシート10fに押圧、密着されることによって流体Fの流通を閉止、或いは開放するための一対の弁体10g,10hが設けられている。なお、外部パイロット式オペレートバルブ10においては、便宜上、第1のポート10b側の弁体を弁体10gとし、第3のポート10d側の弁体を弁体10hとする。また、弁体10g,10hの構成、作用、効果は同一であるので、以下では適宜弁体10gを代表させて説明を加える。
弁体10gは、バルブシート10fに直接押圧されて流体Fの流通を閉止、開放するシールリング10g1と、シールリング10g1と接着されるシールリング用弾性体10g2と、シールリング10g1及びシールリング用弾性体10g2とを収納するシールリングケース10g3とから構成される。図5では、シールリング10g1がバルブシート10fと接触することができるように、シールリングケース10g3はバルブシート10f側が開口する略U字形状とされている。
シールリング10g1は、流体Fの漏れがないようにバルブシート10fに押圧された際に確実に流体Fの流通を閉止する必要がある。そのため、シールリング10g1の材料としては、例えば、超高分子量ポリエチレン(Ultra High Molecular Weight Polyethylene:UHPE)が好適に使用される。
また、シールリング用弾性体10g2には、例えば断面が四角形の合成ゴム系のゴムが好適に使用できる。シールリング10g1の後ろ、すなわちシールリング10g1を挟んでバルブシート10fと対向する位置にシールリング用弾性体10g2を配置したのは、シールリング10g1をバルブシート10fに押圧した際に、シールリング用弾性体10g2の弾性力を利用してシールリング10g1とバルブシート10fとの密着性を高めるためである。このような構成を採用することによって、流体Fの流通を確実に閉止することが可能となる。
さらに、シールリング用弾性体10g2の断面を四角形としているのは以下の理由からである。例えば、シールリング用弾性体10g2としてOリングを使用すると、Oリングを収容するシールリングケース10g3との間に空間が生じ、この空間に例えば、流体Fとしての高圧エアが入り込む可能性がある。空間に入り込んだ高圧エアは大気開放されると同時にシールリングケース10g3内に閉じこめられた圧縮空気が大気へと戻るために、シールリングケース10g3からOリングを外側に押し出す、すなわち、シールリング10g1をシールリングケース10g3外へと押し出す作用をなす。これでは閉止時の流体Fの密閉性を低下させることになってしまうからである。
弁体10g,10hは、コネクティングロッド10iの中間部に設けられた弁体保持部材10jと接触し、一方を固定具によってコネクティングロッド10iに固定される。具体的には、弁体10gは、コネクティングロッド10iの一方端部付近において一方を弁体保持部材10jに接触させ、他方をワッシャ及びナットからなる固定具10kによって固定される。弁体10hは、一方を弁体保持部材10jに接触させ、他方をコネクティングロッドスリープ10lの一方端部に挟まれることによって固定される。
なお、このコネクティングロッドスリープ10lは、コネクティングロッド10iを上下方向(+Y或いは−Y方向)に円滑に移動させる。またコネクティングロッドスリープ10lの他方端部は、後述するピストンに連結されるワッシャに接続固定されている。
コネクティングロッド10iは、シリンダーボディ10mに収容され、バルブボディ10a及びシリンダーボディ10mの中央部を上下方向(+Y或いは−Y方向)に移動する。
弁体保持部材10jは、コネクティングロッド10iの同軸上に設けられている。またその位置は、第2のポート10cの開口部に面し、かつバルブシート10fに形成されている貫通孔をコネクティングロッド10iとともに上下方向に移動することが可能とされている。弁体保持部材10jの軸方向両端部には、上述したように弁体10g,10hが接触保持されており、それぞれ固定具10k、コネクティングロッドスリープ10lに挟み込まれることによって弁体保持部材10jに固定される。
コネクティングロッド10iをぶれずに移動させるために、シリンダーボディ10m内には、コネクティングロッド10iを中心として同軸上に上述したコネクティングロッドスリープ10l、ブッシュ10nが設けられている。また、コネクティングロッド10iに接して流体Fが漏れることを防止するためのバリシール10oが弁体10h側に設けられている。
なお、シリンダーボディ10mは、バリシール10o押さえを兼用するワッシャを介してバルブボディ10aと接合されている。また、バルブボディ10aを挟んでシリンダーボディ10mの反対側には、バルブキャップ10pが嵌め込まれている。このバルブキャップ10pには、図5に示すように、コネクティングロッド10iが上下方向に移動した際に弁体10gが固定されているコネクティングロッド10iの一方端部が接触しないように凹部が形成されている。
シリンダーボディ10mの上部は、コネクティングロッド10i及びコネクティングロッド10iと接続されるピストン10qを収容するために垂直方向(+Y、−Y方向)に凹状となるように形成されている。ピストン10qは、コネクティングロッドスリープ10lの他方端部と接続されるワッシャ10r上に接続固定され、その上部に設けられる凹部においてピストン10qを貫通して突出したコネクティングロッド10iの他方端部を固定する。このようにピストン10qとコネクティングロッド10iが固定されることによって、ピストン10qの動きに合わせてコネクティングロッド10iも同時に一体的に動くようにされている。
ピストン10qの凹部外部には、シリンダーボディ10mの内壁に設けられオペレートシリンダーチューブ10sに接触し、シリンダーボディ10m(オペレートシリンダーチューブ10s)の内壁に沿って垂直方向(+Y、−Y方向)に移動するためにピストンガイドリング10tが嵌め込まれている。
ワッシャ10rとシリンダーボディ10mとの間にはコネクティングロッド10iの軸から等距離の位置にシリンダーボディ10m上に載置された受け10uを介して付勢部材10vが載置される。付勢部材10vとしては、例えば、コイルスプリングを用いることができる。この付勢部材10vによって、ピストン10q及びコネクティングロッド10iは上方(+Y方向)へと付勢される。
なお、第2の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ10では付勢部材10vとしてコイルスプリングを使用するが、このコイルスプリングに限られずピストン10qを上向き(+Y方向)に付勢することのできる部材であればどのような部材であっても構わない。
さらにシリンダーボディ10m上にはシリンダーボディ10mの開口部を塞ぐシリンダーキャップ10wが嵌め込まれている。
シリンダーキャップ10wには、コネクティングロッド10iと同軸上にオペレートエア給排気孔10xが形成されている。また、第1のポート10b及び第3のポート10dと同一面には、大気給排気孔10yが形成されている。オペレートエア給排気孔10xには外部パイロット式オペレートバルブ10の外部からピストン10q、コネクティングロッド10i、弁体10g,10hを移動させるためのオペレートエアが供給される。
以上の構成を採用する外部パイロット式オペレートバルブ10は、以下に示す動作を行う。外部パイロット式オペレートバルブ10は、通常は、図5に示すように弁体10gがバルブシート10fに押圧され第2の流路10e2を閉止している。このように弁体10gがバルブシート10fに押圧される状態にあるのは、コネクティングロッド10iを固定するピストン10q及びワッシャ10rが付勢部材10vによって上向き(+Y方向)に付勢されているからである。また、オペレートエア給排気孔10xからオペレートエアが導入されない状態では、空間Aに大気給排気孔10yから導入される大気が充填されることになるため、これによってもピストン10qが上向きに付勢され弁体10gがバルブシート10fに押圧される。
一方、弁体10hはバルブシート10fから離間して開放状態にある。これは、弁体保持部材10jの軸方向(+Y、−Y方向)の長さは、バルブシート10fが弁体10g、或いは10hと密着する部分の軸方向(+Y、−Y方向)の長さよりも長く形成されている。そのため、弁体10gがバルブシート10fと密着すると、他方の弁体10hはバルブシート10fから離間することになる。弁体10hがバルブシート10fから離間すると、第2のポート10cと第3のポート10dとの間の第1の流路10e1は開通することになる。そして第2のポート10cから導入された流体Fは第1の流路10e1内を流通し、第3のポート10dから外部パイロット式オペレートバルブ10の外へと導出される。
この状態において、オペレートエア給排気孔10xからシリンダーキャップ10wとピストン10qとの間に形成されている空間Bにオペレートエアが供給されると、ピストン10qが下方(−Y方向)に押し下げられる。上述したようにピストン10qとコネクティングロッド10iとは接続されており、このコネクティングロッド10iに弁体10g,10hが固定されている。そのためピストン10qの下方への移動に伴ってコネクティングロッド10i、弁体10g,10hも下方へと一体に移動する。
図6は、弁体10gがバルブシート10fから離れ第2の流路10e2が開放となった状態を示す外部パイロット式オペレートバルブ10の断面図である。オペレートエア給排気孔10xから空間Bにオペレートエアが供給されることによって、空間Bにオペレートエアが充填される。このオペレートエアによって、ピストン10q、コネクティングロッド10i、弁体10g,10hが下方へ一体的に移動する。その結果、図6の破線の矢印に示されるように、第2の流路10e2、すなわち第1のポート10bから導入された流体Fは、開放された弁体10gと弁体保持部材10jを通り、第2のポート10cから外部パイロット式オペレートバルブ1の外部へと導出される。この際、コネクティングロッド10iに固定されているもう一方の弁体10hは、バルブシート10fと密着した状態になるので、第1の流路10e1は閉止された状態となる。
一方、オペレートエアがオペレートエア給排気孔10xから排気されると、ピストン10q、コネクティングロッド10i、弁体10g,10hが上方へ一体的に移動し、図5に示す外部パイロット式オペレートバルブ10の状態に戻る。付勢部材10vによってピストン10qは上向きに付勢されているので、オペレートエア給排気孔10xからオペレートエアを供給しなくともピストン10qは自然と上方に持ち上がる。
但し、付勢部材10vのピストン10qを付勢する力のみに頼ると、流路1dの開放状態、閉止状態相互間の移行の応答速度が遅く、流体Fの適切な閉止が行われないことも生じ得る。そこで、シリンダーキャップ1rに形成されたオペレートエア給排気孔10xからオペレートエアを排気することによって、強制的にピストン10q、コネクティングロッド10i、弁体10g,10hを上方へと移動させる。また、このように給気、或いは排気を行うことによって、コネクティングロッド10iの移動を適切に制御することができるだけではなく、弁体10g,10hとバルブシート10fとの密着度も高めることができる。
以上弁体としてこれまでのようなダイヤフラムを採用せずピストン及びピストンロッドを用いて弁体の移動を行うこととすることで、耐久性を非常に向上させ、高寿命化を図ることができる外部パイロット式オペレートバルブを提供することができる。
弁体による開放、或いは閉止を外部パイロット式オペレートバルブの外部から供給されるオペレートエアを用いることによって、応答速度が速く、タイミング良く正確に流体の流れを制御することが可能な外部パイロット式オペレートバルブの提供が可能になる。特に弁体の移動をオペレートエア給排気孔からのオペレートエアの供給或いは排気を行うことによって行うため、外部パイロット式オペレートバルブに導入される流体の圧力を変更しても弁体の閉止、開放のタイミングを的確に制御することができる。
さらには、上述した効果を一層顕著に発揮させるべく、バルブシートと直接接する部分に樹脂製のシールリングと、この樹脂製シールリングにシールリングケース内において隙間が生ずることを防止した断面を持つシールリング用弾性とを重ねた構成を持つ弁体を採用する。このことによって、併せてシールリングの密閉性の向上、脱落防止及び部品交換の容易性の向上を図ることも可能となる。
(第3の実施の形態)
次に本発明における第3の実施の形態について説明する。なお、第3の実施の形態において、上述の第1の実施の形態において説明した構成要素と同一の構成要素には同一の符号を付し、同一の構成要素の説明は重複するので省略する。
第3の実施の形態においては、上述した第1或いは、第2の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブと弁体、特にシールリングケースの形状が相違する。なお、第3の実施の形態において以下説明する内容は、第1の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ1或いは第2の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブ10のいずれにも応用が可能である。そこで、以下では、第1の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブを例に挙げて説明を行う。
すなわち、図7に示す外部パイロット式オペレートバルブ21の弁体21eは、ボディシート1a1に直接押圧されて流体Fの流通を閉止、開放するシールリング21e1と、シールリング21e1と接着されるシールリング用弾性体21e2と、シールリング21e1及びシールリング用弾性体21e2とを収納するシールリングケース21e3とから構成される。また、シールリング21e1がボディシート1a1と接触することができるようにシールリングケース21e3は、ボディシート1a1側が開口する略U字形状とされている。
上述したように、第1或いは、第2の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブと相違する点はシールリングケース21e3の形状である。シールリングケース21e3にはシールリング用弾性体1e2が収納される領域に至るまでシールリングケース21e3の外周全域に亘って空気孔21e4が形成されている。さらに、空気孔21e4のシールリングケース21e3内の最奥部においてはシールリングケース21e3内に入り込んだ高圧エアを抜き易くするための窪み21e5が形成されている。なお、この窪み21e5の形状はどのような形状であっても良い。
この空気孔21e4が形成されることによって、たとえシールリングケース21e3内に流体Fとしての高圧エアが入り込んだとしても窪み21e5を介してこの空気孔21e4からシールリングケース21e3外へと排気される。
このようにシールリングケース21e3内への高圧エアの侵入があってもこの高圧エア侵入による弊害、すなわちシールリング用弾性体1e2及びシールリング1e1がシールリングケース21e3の外へと押し出されることを防止することができる。
従って、このような形状を備えるシールリングケース21e3を採用することによって、これまでは断面が四角形であるシールリング用弾性体しか採用することができなかったところ、例えば、Oリング等、どのようなシールリング用弾性体21e2を採用しても上述したような弊害が生ずることを防止することができる。そのため、シールリング用弾性体21e2の選択肢の幅の拡大を図ることができる。
その他言うまでもないことであるが、第3の実施の形態における外部パイロット式オペレートバルブも上述した第1の実施の形態、及び第2の実施の形態において述べたいずれの効果も備える。すなわち、弁体としてこれまでのようなダイヤフラムを採用せずピストン及びピストンロッドを用いて弁体の移動を行うこととすることで、耐久性を非常に向上させ、高寿命化を図ることができる外部パイロット式オペレートバルブを提供することができる。
また、弁体による開放、或いは閉止を外部パイロット式オペレートバルブの外部から供給されるオペレートエアを用いることによって、応答速度が速く、タイミング良く正確に流体の流れを制御することが可能な外部パイロット式オペレートバルブの提供が可能になる。特に弁体の移動をオペレートエア給排気孔からのオペレートエアの供給或いは排気を行うことによって行うため、外部パイロット式オペレートバルブに導入される流体の圧力を変更しても弁体の閉止、開放のタイミングを的確に制御することができる。 なお、この発明は、上記実施の形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。例えば、本発明の実施の形態を説明するにあたっては、2ポート式、或いは、3ポート式の外部パイロット式オペレートバルブを用いて説明したが、そのポート数に拘わりなく利用することができる。
また、本発明の実施の形態を説明するに当たって用いた外部パイロット方式オペレートバルブでは、ピストンロッド1fを動かすためのオペレートエアとして低圧のエアを利用していたが、高圧のエア(例えば、最大5.0Mpa程度のエア)をオペレートエアとして利用することも可能である。この際にはパイロットエア圧力が高くなった分ピストン形を小さくし、すなわち、エア圧受け面積を低下させる必要がある。。なお、例えば、高圧のエアを用いたブロー成型機に外部パイロット方式オペレートバルブを利用する場合、このオペレートエアとして利用される高圧エアは、外部パイロット方式オペレートバルブ内を流れる高圧の流体を利用することができる。従って、オペレートエアとしての低圧エアやこれまでのように低圧のエアを導入するタイミングを図るために用いていた電磁弁等を使用する必要はなくなるため、外部パイロット方式オペレートバルブを使用するシステムの構成を簡略化することができる。
また、上記実施の形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることにより種々の発明を形成できる。例えば、実施の形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施の形態に亘る構成要素を適宜組み合わせてもよい。