JP2010133436A - 流体制御器 - Google Patents

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Abstract

【課題】 モータを使用しなおかつモータがボディに対して突出することを防止した流体制御器を提供する。
【解決手段】 モータ9の回転を直線運動に変換してステム8に伝達する伝達手段10は、ステム8に固定されたボールベアリング21と、モータ9の出力軸9aに固定されかつボールベアリング21に上方から接触するようになされた偏心軸22とを備えている。出力軸9aの軸心から偏心軸22の下面22a外周縁と大球25との接触位置までの半径方向距離Rが小さい場合、ボールベアリング21全体は相対的に上方に位置し、出力軸9aの軸心から偏心軸22の下面22a外周縁までの半径方向距離Rが大きくなると、ボールベアリング21全体が矢印で示す下方に距離Dだけ移動する。
【選択図】 図4

Description

この発明は、ボディ内に設けられた流体通路を開放または遮断して、同通路を流れる流体を制御する流体制御器に関し、特に、モータの駆動によって制御を行う流体制御器に関する。
従来、流体制御器として、流体通路が設けられたボディと、ボディ上部に設けられたケーシングと、ケーシング内に配置されかつ往復上下動することによって弁体を介して流体通路を開閉するステムと、ケーシング上方に設けられたモータと、ケーシング内に設けられてモータの回転を直線運動に変換してステムに伝達する伝達手段とを備えており、モータの駆動によって流体通路の開度を制御するものが知られている(特許文献1)。
特許文献1のものでは、モータがいわゆる横置きで使用されており、モータの出力軸の軸心とステムの軸心とが直交し、モータの駆動部分がボディに対して横方向(出力軸の軸心方向)に突出するものとなっている。
特開2008−57594号公報(図2および図4)
上記特許文献1のものでは、モータ(ステッピングモータ)を使用することで、流量の微調整が容易となり、精度のよい制御ができるという利点を有しているが、モータがボディに対して横方向に突出していることは、流体制御器の設置のために広い面積を必要とし、コンパクト化という点では不利なものとなっている。
この発明の目的は、モータを使用しなおかつモータがボディに対して突出することを防止した流体制御器を提供することにある。
この発明による流体制御器は、流体通路が設けられたボディと、ボディ上部に設けられたケーシングと、ケーシング内に配置されかつ往復上下動することによって弁体を介して流体通路を開閉するステムと、ケーシング上方に設けられたモータと、ケーシング内に設けられてモータの回転を直線運動に変換してステムに伝達する伝達手段とを備えている流体制御器において、モータの出力軸の軸心がステムの軸心と平行とされ、伝達手段は、モータの出力軸の軸心およびステムの軸心のいずれにも平行な軸心とこれに直交する下面とを有しモータの出力軸に取り付けられた偏心軸と、ステムに固定されてこれと一体で上下移動し上面が偏心軸の下面に接触するボールベアリングとを備えており、ボールベアリングは、上面に略半球状の凹所が設けられた受け部と、受け部の凹所底面に沿って配置された多数の小球と、多数の小球を介して受け部に支持されその上部が受け部上面よりも突出している1つの大球とを有し、その大球の突出部表面で偏心軸の下面の外周縁部を受けており、モータの出力軸の軸心から偏心軸と大球との接触位置までの半径方向距離が変化することによって、ボールベアリングおよびこれと一体のステムの上下方向位置が変化するようになされていることを特徴とするものである。
この明細書において、ステムの軸線方向を上下方向というものとする。この方向は、便宜的なものであり、実際の取付けでは、上下方向が鉛直方向とされるだけでなく、水平方向とされることもある。
モータの出力軸の軸心とステムの軸心とが平行である(いずれも上下方向の軸線を有している)ということは、モータがいわゆる縦置きで使用されることを意味しており、これにより、平面から見てモータがボディから突出する横置き使用に比べて、流体制御器の占有面積を小さくすることができる。
多数の小球を介して受け部に支持された1つの大球を備えたボールベアリングは、公知のものであり、このようなボールベアリングは、通常、例えば、水平台上に多数並べられて、ボールベアリング自体は上下移動せずに、大球が回転することで、それらの上面に載置された被搬送物を水平方向の360°範囲の任意方向に移動させるという用途で使用されている。本発明においては、このボールベアリングは、全体が上下移動する形態で使用される。
そして、大球の突出部表面で偏心軸の下面の外周縁部を受けるようになされているので、モータの出力軸の軸心から偏心軸と大球との接触位置までの半径方向距離が変化することによって、ボールベアリングの上下方向位置が変化する。これにより、縦置きのモータを使用して、偏心軸によって横方向の変位を得るとともに、この横方向の変位をボールベアリングが受けて、上下方向の変位に変換する伝達手段を得ることができる。
ここで、大球は多数の小球に支持されて回転可能であることから、偏心軸の半径方向距離の変化をガタを生じることなく確実に伝えることができる。そして、伝達手段として、カム板を製作する必要はなく、また、偏心軸自体は円柱体でよく、その下面に傾斜を設ける必要もなく、各部品を容易に製造することができる。
偏心軸とボールベアリングとは、常時接触している必要があり、この力は、通常、弁体として使用されるダイヤフラムの反力(弾性力)とボディ内の流体通路を流れる流体の圧力とによって得られるものとされる。
ケーシングは、ボディに固定されている底壁と、モータを支持している頂壁と、頂壁に一体の周壁とからなり、底壁と周壁とは、弾性部材を介して突き合わされるとともに、ねじ手段によって結合されており、ねじ手段の締付け量の調整によって、底壁と周壁との間の隙間の大きさが調整可能とされていることが好ましい。このようにすると、周壁下面と底壁との間の隙間の大きさを変化させることで、全開状態におけるダイヤフラムに対するステムの相対位置の調整が可能となり、零点調整を容易に行うことができる。
また、ステムは、上方が開口した有底円筒状に形成され、ボールベアリングは、受け部下面から下方にのびてステム内において上下移動可能な下方突出部を有しており、ステム上面とボールベアリングの受け部下面との間に、弾性部材が介在されていることが好ましい。このようにすると、弾性力がステムに負荷されることによって、繰り返し開閉された場合であっても、ダイヤフラムと弁座との間に過重過負荷が生じることが防止される。
この発明の流体制御器によると、モータの出力軸に取り付けられた偏心軸と、多数の小球を介して受け部に支持された1つの大球を備えたボールベアリングボールベアリングとを組み合わせることで、モータを縦置きで使用して、モータの回転をボールベアリングおよびこれと一体のステムの上下方向運動に変換することができるので、モータがボディに対して突出することを防止することができる。したがって、流体制御器の設置のための占有面積を小さくするというコンパクト化が可能となる。
この発明の実施の形態を、以下図面を参照して説明する。
図1および図2は、この発明による流体制御器(1)の第1実施形態を示しており、流体制御器(1)は、流体通路(2a)(2b)が設けられたボディ(2)と、一方の流体通路(2a)の周縁に設けられた環状弁座(3)と、環状弁座(3)に押圧または離間されて流体通路(2a)を開閉するダイヤフラム(弁体)(4)と、下端にダイヤフラム押さえ(5a)が取り付けられた上下移動可能なディスク(弁体押さえ)(5)と、ディスク(5)に嵌め被せられた円筒状のボンネット(6)と、ボディ(2)上部に設けられたケーシング(7)と、ケーシング(7)内下方に上下移動可能に配されて下端がディスク(5)に当接しているステム(8)と、ケーシング(7)上方に配された駆動源としてのモータ(9)と、モータ(9)の回転を直線運動に変換してステム(8)に伝達する伝達手段(10)とを備えている。
ボディ(2)は、上方にのびる筒状突出部(11)を有しており、一方の流体通路(2a)は、一端が左方に向かって開口しかつ他端が筒状突出部(11)の底面開口中央部に通じ、他方の流体通路(2b)は、一端が右方に向かって開口し他端が筒状突出部(11)の底面開口右部に通じている。筒状突出部(11)の外周面には、おねじが形成されている。
環状弁座(3)は、比較的軟質で耐食性能を兼ね備えた樹脂シート材をかしめ手段等により装着したものとされている。
ダイヤフラム(4)は、上向きの反力(弾性力)を有しており、この反力によりステム(8)が上向きに付勢されることで、流体通路(2a)(2b)が開となり、伝達手段(10)によってステム(8)が上下移動させられることで、流体通路(2a)(2b)の開度が調整される。
ディスク(5)は、中間にフランジ部を有している円柱状に形成され、ボンネット(6)内にゆるくすなわち上下移動可能に嵌め入れられている。
ボンネット(6)は、中間部にフランジ部(6a)を有し、フランジ部(6a)よりも上方の外周面には、おねじ(6b)が形成されている。ボンネット(6)は、ボディ(2)の筒状突出部(11)に嵌め入れられ、筒状突出部(11)のおねじにボンネットナット(12)がねじ合わされている。ボンネットナット(12)は、ボンネット(6)のフランジ部(6a)に上方から当接する頂壁部を有しており、これが締め付けられることによって、ボンネット(6)は、下方に押し付けられて、押さえアダプタ(13)を介してダイヤフラム(4)の外周部をボディ(2)に固定している。
ケーシング(7)は、ボンネットナット(12)上面に載置された底壁(14)と、モータ(9)を支持する頂壁(15)と、頂壁(15)に一体に設けられた周壁(16)とからなる。底壁(14)は、4本のケーシング結合用ボルト(17)によって周壁(16)下面に結合されている。周壁(16)下面と底壁(14)上面との間には、隙間(G)が設けられている。
周壁(16)の下面には、上方にのびるばね挿入用の凹所(19)が形成されており、凹所(19)内にコイルばね(弾性部材)(18)が配置されている。凹所(19)の上面(底面)には、めねじが形成されている。コイルばね(弾性部材)(18)は、周壁(16)の側面の中央の2カ所に配置されており、その上端が凹所(19)の上面で受け止められ、その下端が底壁(14)の上面で受け止められている。そして、底壁(14)の4隅に配置されたケーシング結合用ボルト(17)の締付け量によって、周壁(16)下面と底壁(14)との間の隙間(G)の大きさが調整可能とされている。
ケーシング(7)の底壁(14)には、貫通孔が設けられており、この貫通孔内に、ボンネット(6)の上部が挿通されている。そして、ボンネット(6)のおねじ(6b)に上方からねじ合わされたフランジ(20a)付きのナット(20)によってケーシング(7)の底壁(14)とボンネット(6)とが結合されている。
ステム(8)は、上方に開口した有底円筒状とされており、ディスク(5)に当接している下面の形状は球面状とされている。ステム(8)周壁の内周面には、めねじ(8a)が形成されている。
モータ(9)は、ステッピングモータで、いわゆる縦置きで使用されており、その出力軸(9a)の軸心は、ステム(8)の軸心と平行な(同軸上ではない)上下方向に向けられている。
伝達手段(10)は、ステム(8)に固定されたボールベアリング(21)と、モータ(9)の出力軸(9a)に固定されかつボールベアリング(21)に上方から接触するようになされた偏心軸(22)とを備えている。
ボールベアリング(21)は、上面に略半球状の凹所(23a)が設けられた受け部(23)と、受け部(23)の凹所(23a)底面に沿って配置された多数の小球(24)と、多数の小球(24)を介して受け部(23)に支持されその上部が受け部(23)上面よりも上方に突出している1つの大球(25)と、受け部(23)下面に設けられた下方突出状のおねじ部(26)とを有している。ボールベアリング(21)は、そのおねじ部(26)がステム(8)のめねじ(8a)にねじ合わされることで、ステム(8)に固定されている。ボールベアリング(21)の中心線(大球(25)の突出部の頂点を通り受け部(23)の上下面に垂直な線)は、ステム(8)の軸心と同軸上に位置させられている。
偏心軸(22)は、円柱状であり、その軸心がモータ(9)の出力軸(9a)の軸心と平行(ステム(8)の軸心およびモータ(9)の出力軸(9a)の軸心の両方を含む面において上下方向にのびかついずれの軸心とも同軸上にはない)となるように、すなわち、モータ(9)の出力軸(9a)に対して偏心するように、モータ(9)の出力軸(9a)に固定されている。
偏心軸(22)は、軸心と直交する下面(22a)を有しており、ボールベアリング(21)は、大球(25)の突出部(頂点よりも下側の部分の表面)で偏心軸(22)の下面(22a)の外周縁部を受けている。
偏心軸(22)の原点位置を検出するために、偏心軸(22)に半円板状のセンサプレート(27)が固定され、原点位置を検出するフォトセンサー(28)がケーシング(7)の周壁(16)に取り付けられている。
上記伝達手段(10)によると、図3に示すように、モータ(9)の出力軸(9a)が回転することで、偏心軸(22)が回転し、モータ(9)の出力軸(9a)の軸心から偏心軸(22)の下面(22a)外周縁と大球(25)との接触位置までの半径方向距離(ステム(8)の軸心およびモータ(9)の出力軸(9a)の軸心の両方を含む面におけるモータ(9)の出力軸(9a)の軸心から偏心軸(22)の外周面までの半径方向距離)が変化し、これに伴って、大球(25)に上下方向の力が作用し、この力によってボールベアリング(21)全体が上下方向に移動する。こうして、縦置きのモータ(9)を使用して、偏心軸(22)によって横方向の変位Rを得るとともに、この横方向の変位をボールベアリング(21)が受けて上下方向の変位Vに変換し、ステム(21)を上下移動することができる。
すなわち、図4(a)に示すように、モータ(9)の出力軸(9a)の軸心から偏心軸(22)の下面(22a)外周縁と大球(25)との接触位置までの半径方向距離Rが小さい場合、大球(25)における偏心軸(22)の下面(22a)外周縁との接触位置は、大球(25)の突出部分のうちの相対的に下方にあり、ボールベアリング(21)全体は相対的に上方(流体通路(2a)(2b)を開放する位置)に位置することになる。一方、図4(b)に示すように、モータ(9)の出力軸(9a)の軸心から偏心軸(22)の下面(22a)外周縁と大球(25)との接触位置までの半径方向距離Rが大きい場合、大球(25)における偏心軸(22)の下面(22a)外周縁との接触位置は、大球(25)の突出部分のうちの相対的に上方にあり、ボールベアリング(21)全体は矢印で示す下方(流体通路(2a)(2b)を遮断する位置)に距離Dだけ移動することになる。
図5は、モータ(9)の出力軸(9a)の回転に伴う偏心軸(22)の下面(22a)の変化の様子を示すもので、同図において、出力軸(9a)の軸心Mを基準として、偏心軸(22)の中心は、O1(0°)、O2(90°)およびO3(180°)と移動し、これに伴って、半径方向距離(横方向変位量)がR1からR2へと増加している。
図6は、モータ(9)の出力軸(9a)の回転角度と偏心軸(22)の下面(22a)の外周縁の横方向変位量(半径方向距離の増加量)との関係をグラフにしたものである。この例では、偏心軸(22)の径を10mmとして、これを1mm偏心させて0〜180°回転させている。このグラフから、縦置きのモータ(9)の回転により横方向(出力軸(9a)に直交する方向)の変位が作り出せることが分かる。
この発明による流体制御器(1)によると、モータ(9)の出力軸(9a)の軸心から偏心軸(22)の下面(22a)外周縁と大球(25)との接触位置までの半径方向距離Rが最小の場合に、ダイヤフラム(4)の弾性力およびボディ(2)内の流体圧によりステム(8)およびボールベアリング(21)が最も上昇した状態となり、ダイヤフラム(4)の中央部と弁座(3)とが最も離間した全開位置となっている。そして、この状態でモータ(9)へ所定数のパルス入力信号が加えられると、モータ(9)が入力パルス数に応じたステッピング回転を行い、これによりモータ(9)の出力軸(9a)および偏心軸(22)が所定の角度だけ回転する。偏心軸(22)が回転すると、ボールベアリング(21)全体が下方へ押圧され、これによりボールベアリング(21)およびステム(8)がダイヤフラム(4)の弾性力およびボディ(2)内の流体圧に抗して下降し、ダイヤフラム(4)の中央部がディスク(5)を介して下方へ押し下げられる。その結果、ダイヤフラム(4)と弁座(3)との間隔が狭くなり、流体通路(2a)(2b)を流れる流体の流量が制御される。
ダイヤフラム(4)の弾性力およびボディ(2)内の流体圧によりステム(8)およびボールベアリング(21)は、常時上向きに付勢されており、これにより、ボールベアリング(21)の大球(25)と偏心軸(22)の下面(22a)の外周縁部とは、常時押圧し合い、偏心軸(22)の回転角度に応じてステム(8)の上下位置が位置決めされる。
そして、モータ(9)の出力軸(9a)の軸心から偏心軸(22)の下面(22a)外周縁と大球(25)との接触位置までの半径方向距離Rが最大となると、ダイヤフラム(4)の中央部が弁座(3)に当接し、流体通路(2a)(2b)が全閉状態になる。
また、この発明による流体制御器(1)によると、ケーシング結合用ボルト(17)の締付け量によって、周壁(16)下面と底壁(14)との間の隙間(G)の大きさが調整可能とされていることから、ケーシング結合用ボルト(17)の締付け量を調整して、周壁(16)下面と底壁(14)との間の隙間(G)の大きさを変化させると、全開状態におけるダイヤフラム(4)に対するステム(8)の相対位置の調整が可能となり、この上下の位置を調整することで、零点調整を容易に行うことができる。
なお、流体制御器(1)を組み立てる際の順序としては、まず、ボンネット(6)をボンネットナット(12)でボディ(2)に取り付け、次いで、ボンネットナット(12)に底壁(14)を載せて、フランジ(20a)付きのナット(20)をボンネット(6)のおねじ(6b)に締め付け、次いで、ステム(8)およびボールベアリング(21)をボンネット(6)に嵌め、さらに、偏心軸(22)が取り付けられたモータ(9)をモータ取付けボルト(29)によって頂壁(15)に取り付け、モータ(9)付きの頂壁(15)および周壁(16)をケーシング結合用ボルト(17)によって底壁(14)に結合すればよい。
図7は、この発明による制御器(1)の第2実施形態を示している。この第2実施形態のものは、過重過負荷防止機能が付加されたものであり、過重過負荷防止機能以外の構成については、第1実施形態と同様であり、第1実施形態と同様の構成については同じ符号を付してその説明を省略する。
この実施形態では、円筒状ボンネット(6)は、ボールベアリング(21)の受け部(23)の外周面を案内可能な円筒面(41a)が形成された上方延長部(41)を有している。円筒面(41a)の下端には、ボールベアリング(21)の受け部(23)がそれ以上下方に移動しないようにする段差(ストッパ)(41b)が形成されている。
ステム(42)は、上方に開口した有底円筒状に形成されている点では第1実施形態と同じであるが、ボールベアリング(21)のおねじ部(26)にねじ合わされているのではなく、ボールベアリング(21)に対して移動可能とされて、その下面がディスク(5)で受け止められている。そして、ボールベアリング(21)のおねじ部(26)には、内周にめねじが形成された有底円筒部材(43)がねじ合わされている。おねじ部(26)と有底円筒部材(43)とを合わせたものがボールベアリング(21)の下方突出部となっている。有底円筒部材(43)には、フランジ部(43a)が設けられている。このフランジ部(43a)の上面とステム(42)の上面とは面一とされて、これらの両方にまたがるように、ばね受けとなる環状の円板(44)が載置されている。そして、ボールベアリング(21)の受け部(23)下面と環状円板(44)との間に、過重過負荷防止用ばね(弾性部材)(45)が設けられている。
図7(a)は、ステム(42)が上方位置にあって、ダイヤフラム(4)が弁座(3)に当接していない流体通路(2a)(2b)の開放状態を示している。この状態からボールベアリング(21)が下方に移動させられると、過重過負荷防止用ばね(45)が弾性変形し、この弾性力によってステム(42)が下方に付勢される。この際、ダイヤフラム(4)が弁座(3)に当接するまでは、ばね(45)は、所定のばね荷重でボールベアリング(21)と環状円板(44)との間で突っ張った状態でステム(42)を押さえ、ダイヤフラム(4)が弁座(3)に当接すると、ばね(45)が撓み始め、ボールベアリング(21)がさらに下方に移動させられると、ばね(45)の撓み量が増加し、これに伴って緩やかに増加する弾性力を受けて、ステム(42)が下方に移動し、最終的に、ダイヤフラム(4)が弁座(3)にきつく当接して流体通路(2a)(2b)を全閉とする図7(b)に示す状態が得られる。
過重過負荷防止用ばね(45)の弾性力は、例えば300N程度とされ、この弾性力がステム(42)に負荷されることによって、ダイヤフラム(4)と弁座(3)との間に過重過負荷が生じることが防止され、繰り返し開閉された場合であっても、ダイヤフラム(4)および弁座(3)の耐久性が確保される。
この発明による流体制御器の第1実施形態を示す正面断面図である。 同側面断面図である。 伝達手段の原理を模式的に示す図である。 伝達手段の原理をより詳細に示す図である。 伝達手段の偏心軸の横方向の変位を示す図である。 偏心軸の回転角度と横方向変位量との関係を示すグラフである。 この発明による流体制御器の第2実施形態を示す側面断面図であり、(a)は、流体通路が開放された状態を、(b)は、流体通路が遮断された状態をそれぞれ示している。
符号の説明
(1) 流体制御器
(2) ボディ
(2a)(2b) 流体通路
(4) ダイヤフラム(弁体)
(7) ケーシング
(8) ステム
(9) モータ
(9a) 出力軸
(10) 伝達手段
(14) 底壁
(15) 頂壁
(16) 周壁
(17) ケーシング結合用ボルト(ねじ手段)
(18) コイルばね(弾性部材)
(21) ボールベアリング
(22) 偏心軸
(22a) 下面
(23) 受け部
(23a) 凹所
(24) 小球
(25) 大球
(42) ステム
(43) 有底円筒部材(下方突出部)
(45) 過重過負荷防止用ばね(弾性部材)
(G) 隙間

Claims (3)

  1. 流体通路が設けられたボディと、ボディ上部に設けられたケーシングと、ケーシング内に配置されかつ往復上下動することによって弁体を介して流体通路を開閉するステムと、ケーシング上方に設けられたモータと、ケーシング内に設けられてモータの回転を直線運動に変換してステムに伝達する伝達手段とを備えている流体制御器において、
    モータの出力軸の軸心がステムの軸心と平行とされ、伝達手段は、モータの出力軸の軸心およびステムの軸心のいずれにも平行な軸心とこれに直交する下面とを有しモータの出力軸に取り付けられた偏心軸と、ステムに固定されてこれと一体で上下移動し上面が偏心軸の下面に接触するボールベアリングとを備えており、
    ボールベアリングは、上面に略半球状の凹所が設けられた受け部と、受け部の凹所底面に沿って配置された多数の小球と、多数の小球を介して受け部に支持されその上部が受け部上面よりも突出している1つの大球とを有し、その大球の突出部表面で偏心軸の下面の外周縁部を受けており、モータの出力軸の軸心から偏心軸と大球との接触位置までの半径方向距離が変化することによって、ボールベアリングおよびこれと一体のステムの上下方向位置が変化するようになされていることを特徴とする流体制御器。
  2. ケーシングは、ボディに固定されている底壁と、モータを支持している頂壁と、頂壁に一体の周壁とからなり、底壁と周壁とは、弾性部材を介して突き合わされるとともに、ねじ手段によって結合されており、ねじ手段の締付け量の調整によって、底壁と周壁との間の隙間の大きさが調整可能とされていることを特徴とする請求項1の流体制御器。
  3. ステムは、上方が開口した有底円筒状に形成され、ボールベアリングは、受け部下面から下方にのびてステム内において上下移動可能な下方突出部を有しており、ステム上面とボールベアリングの受け部下面との間に、弾性部材が介在されていることを特徴とする請求項1または2の流体制御器。
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