JP2010131061A - 眠気検出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 個人差によらない眠気検出を行うことができる眠気検出装置を提供する。
【解決手段】 眠気検出装置は、まず計測器の計測データを取得し、その計測データの前処理を行って心拍数値を得ると共に、その心拍数値から心拍ゆらぎを抽出する。続いて、眠気検出装置は、心拍特徴量(心拍数値及び心拍ゆらぎ)を参照するための心拍特徴量の参照時間幅を設定する。具体的には、心拍特徴量をFFT処理して周波数スペクトル分布を生成し、この周波数スペクトル分布において最初の極小値となる下限周波数を探索し、下限周波数を起点とした周波数範囲内で振幅スペクトルパワーの最大値に対応するピーク周波数を抽出し、このピーク周波数の逆数を参照時間幅とする。その後、そのような参照時間幅における心拍特徴量の標準偏差値を計算し、眠気検出装置は、心拍特徴量の標準偏差値を用いて運転者に浅い眠気があるかどうかを判定する。
【選択図】 図2
【解決手段】 眠気検出装置は、まず計測器の計測データを取得し、その計測データの前処理を行って心拍数値を得ると共に、その心拍数値から心拍ゆらぎを抽出する。続いて、眠気検出装置は、心拍特徴量(心拍数値及び心拍ゆらぎ)を参照するための心拍特徴量の参照時間幅を設定する。具体的には、心拍特徴量をFFT処理して周波数スペクトル分布を生成し、この周波数スペクトル分布において最初の極小値となる下限周波数を探索し、下限周波数を起点とした周波数範囲内で振幅スペクトルパワーの最大値に対応するピーク周波数を抽出し、このピーク周波数の逆数を参照時間幅とする。その後、そのような参照時間幅における心拍特徴量の標準偏差値を計算し、眠気検出装置は、心拍特徴量の標準偏差値を用いて運転者に浅い眠気があるかどうかを判定する。
【選択図】 図2
Description
本発明は、例えば車両の運転者等の眠気を検出する眠気検出装置に関するものである。
従来の眠気検出装置としては、例えば特許文献1に記載されているものが知られている。特許文献1に記載の眠気検出装置は、運転者の眠気を判断するための体調を表す指標(心拍等)を計測し、この指標から運転者の眠気に応じて変化する特徴量を抽出し、この特徴量を閾値と比較することで、運転者が居眠り状態にあるかどうかを判定するというものである。心拍から特徴量を抽出する場合には、心拍周期の時系列データに対してフーリエ変換を施して振幅パワースペクトルを生成し、この振幅パワースペクトルに対して積分処理を施して心拍ゆらぎの時系列データを取得し、この心拍ゆらぎの時系列データに対して微分処理を施し、心拍ゆらぎの微分値の平均値及び標準偏差から閾値を算出し、心拍ゆらぎの微分値が当該閾値を越えたものを特徴量として抽出する。
特開2008−35964号公報
上記従来技術においては、眠気に応じて変化する特徴量に基づいて運転者の眠気度を推定することができる。しかし、眠気の現れ方は運転者毎に異なるため、眠気検出結果に個人差が生じる場合がある。
本発明の目的は、個人差によらない眠気検出を行うことができる眠気検出装置を提供することである。
本発明は、被験者の心拍または脈拍を計測し、被験者の眠気度を検出する眠気検出装置であって、被験者の心拍または脈拍から心拍特徴量を抽出する心拍特徴量抽出手段と、心拍特徴量を参照するための特徴量参照時間幅を設定する参照時間幅設定手段と、特徴量参照時間幅内における心拍特徴量の統計分布を求め、被験者の眠気度を判定する眠気度判定手段とを備え、参照時間幅設定手段は、心拍特徴量を周波数解析して心拍特徴量の周波数スペクトル分布を生成し、周波数スペクトルの立ち上がりピークの周波数を抽出して特徴量参照時間幅を求めることを特徴とするものである。
このような本発明の眠気検出装置においては、被験者の心拍または脈拍から心拍数や心拍ゆらぎ等の心拍特徴量を抽出し、その心拍特徴量を参照するための特徴量参照時間幅を設定する。このとき、心拍特徴量を周波数解析して心拍特徴量の周波数スペクトル分布を生成し、その周波数スペクトルの立ち上がりピークの周波数を抽出する。周波数スペクトルの立ち上がりピークの周波数は、被験者の特徴が現れやすい周波数である。このため、立ち上がりピークの周波数から特徴量参照時間幅を求めることで、被験者に合った特徴量参照時間幅が得られるようになる。従って、そのような被験者毎の適切な特徴量参照時間幅内における心拍特徴量の統計分布を求め、その心拍特徴量の統計分布を用いて被験者の眠気度を判定することにより、個人差によらない眠気検出を行うことができる。
好ましくは、参照時間幅設定手段は、周波数スペクトル分布において最初の極小値を起点とする周波数範囲内でスペクトルが最大となるピーク周波数を抽出する。スペクトルが最大となるピーク周波数は、被験者の特徴が最も現れる周波数である。このため、そのようなピーク周波数から特徴量参照時間幅を求めることで、最も被験者に合った特徴量参照時間幅を得ることができる。
また、好ましくは、参照時間幅設定手段は、ピーク周波数の逆数を特徴量参照時間幅とする。この場合には、被験者に合った特徴量参照時間幅を確実に取得することができる。
さらに、好ましくは、眠気度判定手段は、心拍特徴量の統計分布として心拍特徴量の標準偏差を求める。心拍数や心拍ゆらぎ等の標準偏差は、浅い眠気との相関があると考えられている。従って、特徴量参照時間幅内における心拍特徴量の標準偏差を求め、その心拍特徴量の標準偏差を用いて被験者の眠気度を判定することにより、被験者の浅い眠気を高精度に検出することができる。
また、本発明の眠気検出装置は、心拍特徴量の周波数スペクトル分布から個体の特徴を表すピークを抽出し、このピーク周波数に基づく時間幅から心拍特徴量を参照することを特徴とするものである。
本発明によれば、個人毎に適した特徴量参照時間幅を設定するので、個人差によらない眠気検出を行うことができる。
以下、本発明に係わる眠気検出装置の好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明に係わる眠気検出装置の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。同図において、本実施形態の眠気検出装置1は、車両に搭載され、車両の運転者の眠気を検出する装置である。眠気検出装置1は、計測器2と、眠気検出ECU(Electronic Control Unit)3と、警報器4とを備えている。
計測器2は、運転者の生理指標を計測する機器である。具体的には、計測器2としては、例えば心拍を計測する心電図計、指先や前腕等から脈拍を計測する脈波計等が挙げられる。
眠気検出ECU3は、CPU、ROMやRAM等のメモリ、入出力回路等により構成されている。眠気検出ECU3は、計測器2の計測データを入力し、所定の処理を行い、運転者が弱い眠気状態にあるかどうかを判定する。
警報器4は、音(ブザー音)、画像(画面表示)及び振動(バイブレータ)等により警報を行い、眠気の発生を運転者に知らせる機器である。
図2は、眠気検出ECU3により実行される眠気検出処理手順の詳細を示すフローチャートである。ここでは、計測器2として心電図計により運転者の心拍を計測する場合を例にとって説明する。
同図において、まず計測器2の計測データ(心拍生データ)を取得し(手順S11)、その計測データの前処理を行う(手順S12)。具体的には、まず心拍生データのノイズを除去すべく、心拍生データに対してバンドパスフィルタ(BPF)処理を施し、所定の通過帯域(例えば0.1Hz〜30Hz)の成分を取り出す。
続いて、図3に示すように、BPF処理が施された心拍データの波形を予め設定された閾値と比較することで2値化する。このとき、心拍データの波形のうち各R波部分が最大値となるタイミングで「1」となるように2値化を行う(図3中の拡大図参照)。
続いて、図4(A)に示すように、2値化データにおいて「1」となる各タイミングの区間幅(時間間隔)tを求め、各区間幅tを縦軸としたグラフを生成する。このとき、区間幅tが運転者の心拍周期に相当する。
続いて、図4(B)に示すように、上記心拍周期のグラフを補間して心拍周期の曲線(破線参照)を求め、心拍周期の時系列データを得る。そして、図5に示すように、心拍周期の時系列データの縦軸単位を例えば1分当たりの心拍数に変換する。これにより、運転者の心拍数値が心拍特徴量の1つとして得られることとなる。
次いで、運転者の他の心拍特徴量として心拍ゆらぎの抽出を行う(手順S13)。具体的には、心拍周期の時系列データ(図5参照)について、図6に示すように、基準時間T(任意のタイムスタンプ)前の解析単位区間幅Ttermに対して高速フーリエ変換(FFT)を施し、周波数成分に対するパワー(振幅)スペクトルを得る。
続いて、図7に示すように、高速フーリエ変換によって解析単位区間幅Tterm毎に得られたパワースペクトルに対して、2つの周波数帯帯域(低周波成分及び高周波成分)を設定する。これらの周波数帯帯域は、心拍のゆらぎ(変化)が現れやすい帯域とする。そして、各周波数帯帯域毎に振幅スペクトルを積分する。
上記の高速フーリエ変換処理、周波数帯帯域の設定処理及び積分処理を繰り返し行うことにより、図8に示すように、各周波数帯帯域毎の振幅スペクトルパワーの時系列データが得られる。この振幅スペクトルパワーの時系列データが心拍ゆらぎの時系列データである。これにより、交感神経の動きを表す心拍ゆらぎ低周波成分値と、副交感神経の動きを表す心拍ゆらぎ高周波成分値とが得られる。また、心拍ゆらぎ低周波成分値を心拍ゆらぎ高周波成分値で除することで、心拍ゆらぎ低周波成分値と心拍ゆらぎ高周波成分値との比(心拍ゆらぎ比値)が得られる。
次いで、心拍特徴量の標準偏差を得るために参照する心拍特徴量の参照区間幅(参照時間幅)を設定する(手順S14)。心拍特徴量の参照時間幅の設定は、心拍数値、心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値について各々行う。
図9は、心拍特徴量の参照時間幅の設定処理手順の詳細を示すフローチャートである。ここでは、心拍特徴量として心拍数値を例にとって以下に説明する。
同図において、まず心拍特徴量の時系列データを参照時間幅決め用データ格納バッファに格納する(手順S21)。このとき、例えば心拍数値(図8参照)を図10(A)に示すように任意の長さ(数分程度)m毎に分けて、参照時間幅決め用データ格納バッファに格納する。
続いて、参照時間幅決め用データ格納バッファに格納された心拍特徴量の周波数解析を行う(手順S22)。具体的には、図10(B)に示すように、データ格納バッファに格納された心拍数値に対して高速フーリエ変換(FFT)演算を行うことで、心拍数値の周波数スペクトル分布を得る。
続いて、図11(A)に示すように、心拍数値の周波数スペクトル分布において周波数f=0から見て最初の極小値(周波数スペクトル分布の下側に凸となる点)を下限周波数fminとして探索する(手順S23)。
続いて、図11(B)に示すように、下限周波数fminを起点とした周波数範囲F内において心拍数値の振幅スペクトルパワーの最初の立ち上がりが最大となる値Aに対応するピーク周波数fpeakを抽出する(手順S24)。ここで、周波数範囲Fは、医学的見地において大部分の人間がとり得る心拍数値の範囲を広めに設定したものである。周波数fpeakは、個人の特徴が最も現れる周波数であり、より具体的には心拍数値の中で特に眠気の変化が出やすい周波数である。
続いて、そのような周波数fpeakを用いた下記計算式から、心拍特徴量の参照区間幅を求める(手順S25)。
心拍特徴量の参照区間幅=1/fpeak
心拍特徴量の参照区間幅=1/fpeak
このように周波数範囲F内のピーク値周波数fpeakを眠気が顕著に表れる箇所として抽出することにより、データノイズの影響を除去して眠気状態を判定する(後述)ことが可能となる。
図2に戻り、上記の手順S14を実行して心拍特徴量の参照時間幅を設定した後、心拍数値、心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値をそれぞれ参照区間幅(データ総数:N個)で切り出し、この区間での平均値を計算する(手順S15)。
切り出された心拍数値={X1,X2,X3,…XN}
切り出された心拍ゆらぎ低周波成分値={Y1,Y2,Y3,…YN}
切り出された心拍ゆらぎ高周波成分値={Z1,Z2,Z3,…ZN}
切り出された心拍ゆらぎ比値={W1,W2,W3,…WN}
切り出された心拍数値={X1,X2,X3,…XN}
切り出された心拍ゆらぎ低周波成分値={Y1,Y2,Y3,…YN}
切り出された心拍ゆらぎ高周波成分値={Z1,Z2,Z3,…ZN}
切り出された心拍ゆらぎ比値={W1,W2,W3,…WN}
次いで、上記と同様に心拍数値、心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値をそれぞれ参照区間幅で切り出し、この区間での標準偏差値を計算する(手順S16)。
心拍ゆらぎ低周波成分値の標準偏差の計算式は、以下の通りである。
N:切り出された心拍ゆらぎ低周波成分値データの総数
i:心拍ゆらぎ低周波成分値の番号
Yi:i番目の心拍ゆらぎ低周波成分値
Yave:心拍ゆらぎ低周波成分値N個の平均値
N:切り出された心拍ゆらぎ低周波成分値データの総数
i:心拍ゆらぎ低周波成分値の番号
Yi:i番目の心拍ゆらぎ低周波成分値
Yave:心拍ゆらぎ低周波成分値N個の平均値
心拍ゆらぎ高周波成分値の標準偏差の計算式は、以下の通りである。
N:切り出された心拍ゆらぎ高周波成分値データの総数
i:心拍ゆらぎ高周波成分値の番号
Zi:i番目の心拍ゆらぎ高周波成分値
Zave:心拍ゆらぎ高周波成分値N個の平均値
N:切り出された心拍ゆらぎ高周波成分値データの総数
i:心拍ゆらぎ高周波成分値の番号
Zi:i番目の心拍ゆらぎ高周波成分値
Zave:心拍ゆらぎ高周波成分値N個の平均値
次いで、心拍数値、心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値の標準偏差値を補正する(手順S17)。これらの標準偏差値の補正は、以下のようにして行う。
即ち、まず手順S16で得られた心拍数標準偏差値、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差値、心拍ゆらぎ高周波成分標準偏差値及び心拍ゆらぎ比標準偏差値と、補正に使う心拍数値、心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値とを、補正対象標準偏差値格納バッファに格納する。
続いて、下記計算式を用いて、心拍数標準偏差値、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差値、心拍ゆらぎ高周波成分標準偏差値及び心拍ゆらぎ比標準偏差値を補正して、心拍数標準偏差補正値、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差補正値、心拍ゆらぎ高周波成分標準偏差補正値及び心拍ゆらぎ比標準偏差補正値を得る。
心拍数値や心拍数標準偏差値には個人差があるため、心拍数標準偏差値をそのまま眠気判定(後述)に使用すると、その判定結果が被験者により異なる場合があるが、心拍数標準偏差値を被験者毎に補正することにより、被験者毎の心拍数値の変動が眠気判定結果に与える影響が排除されるようになる。心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値についても、同様のことが言える。
次いで、心拍数標準偏差補正値、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差補正値、心拍ゆらぎ高周波成分標準偏差補正値及び心拍ゆらぎ比標準偏差補正値を用いて、運転者に浅い眠気があるかどうかを判定する(手順S18)。
心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差補正値により眠気を判定する方法の一例を図12に示す。同図に示す方法では、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差補正値を予め設定された浅い眠気用検出閾値と比較し、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差補正値が浅い眠気用検出閾値よりも高いときは、浅い眠気がある状態であると判定され、心拍ゆらぎ低周波成分標準偏差補正値が浅い眠気用検出閾値よりも低いときは、眠気がない状態であると判定される。
なお、心拍数標準偏差補正値、心拍ゆらぎ高周波成分標準偏差補正値及び心拍ゆらぎ比標準偏差補正値を用いる場合についても、同様にして浅い眠気の有無を判定することができる。
手順S18において上記の手法により眠気がないと判定されたときは、手順S11に戻り、手順S11〜S18の処理を繰り返し実行する。一方、手順S18において浅い眠気があると判定されたときは、警報器4を制御して眠気の発生を運転者に知らせ(手順S19)、その後で手順S11に戻る。
以上において、図2に示す手順S11〜S13は、被験者の心拍または脈拍から心拍特徴量を抽出する心拍特徴量抽出手段を構成する。同手順S14は、心拍特徴量を参照するための特徴量参照時間幅を設定する参照時間幅設定手段を構成する。同手順S15,S16は、特徴量参照時間幅内における心拍特徴量の統計分布を求める統計分布演算手段を構成する。同手順S17,S18は、心拍特徴量の統計分布を用いて被験者の眠気度を判定する眠気度判定手段を構成する。
以上のように本実施形態にあっては、眠気発生と関連する自律神経活動の影響を受ける心拍に着目し、運転者の心拍または脈拍を計測して心拍数及び心拍ゆらぎを抽出し、これらの心拍数及び心拍ゆらぎの標準偏差を求め、この標準偏差から運転者の眠気判定を行う。このとき、運転者の眠気度を、眠気に耐えて覚醒状態へ戻そうとする浅い眠気を催しながら運転する時の生理状態の指標として判定することができる。
ここで、心拍数及び心拍ゆらぎの標準偏差を求める際に、以下のようにして心拍特徴量の参照時間幅を設定する。即ち、心拍特徴量をFFT処理して周波数スペクトル分布を生成し、この周波数スペクトル分布において最初の極小値となる下限周波数fminを探索し、下限周波数fminを起点とした所定の周波数範囲F内で振幅スペクトルパワーの最大値Aに対応するピーク周波数fpeakを抽出する。周波数fpeakは、上述したように運転者の特徴が最も現れる周波数である。従って、そのようなピーク周波数fpeakの逆数をとって参照時間幅とすることにより、運転者に適した参照時間幅が得られ、これに伴って運転者に合った適切な標準偏差が得られることとなる。
これにより、運転者の浅い眠気を高精度に且つ運転者に因らずに検出することができる。従って、浅い眠気がある時点で、運転者に対して正常な意識回復または休息を促すことで、居眠り運転を効果的に防止することが可能となる。
なお、本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。例えば上記実施形態では、心拍数値、心拍ゆらぎ低周波成分値、心拍ゆらぎ高周波成分値及び心拍ゆらぎ比値という4つの心拍特徴量を用いて運転者の眠気判定を行うものとしたが、これら4つの心拍特徴量のうち少なくとも1つを用いれば良い。
また、上記実施形態では、心拍特徴量の標準偏差を求めて、運転者の浅い眠気判定を行うものとしたが、本発明は、心拍特徴量の統計分布として標準偏差以外のもの(例えば平均値のみ)を用いて運転者の眠気判定を行うものにも適用可能である。
また、上記実施形態の眠気検出装置1は、車両に搭載されるものであるが、本発明は、車両の運転者以外の被験者の眠気度を検出するものにも適用可能である。
1…眠気検出装置、2…計測器、3…眠気検出ECU(心拍特徴量抽出手段、参照時間幅設定手段、統計分布演算手段、眠気度判定手段)。
Claims (5)
- 被験者の心拍または脈拍を計測し、前記被験者の眠気度を検出する眠気検出装置であって、
前記被験者の心拍または脈拍から心拍特徴量を抽出する心拍特徴量抽出手段と、
前記心拍特徴量を参照するための特徴量参照時間幅を設定する参照時間幅設定手段と、
前記特徴量参照時間幅内における前記心拍特徴量の統計分布を求め、前記被験者の眠気度を判定する眠気度判定手段とを備え、
前記参照時間幅設定手段は、前記心拍特徴量を周波数解析して前記心拍特徴量の周波数スペクトル分布を生成し、前記周波数スペクトルの立ち上がりピークの周波数を抽出して前記特徴量参照時間幅を求めることを特徴とする眠気検出装置。 - 前記参照時間幅設定手段は、前記周波数スペクトル分布において最初の極小値を起点とする周波数範囲内でスペクトルが最大となるピーク周波数を抽出することを特徴とする請求項1記載の眠気検出装置。
- 前記参照時間幅設定手段は、前記ピーク周波数の逆数を前記特徴量参照時間幅とすることを特徴とする請求項1または2記載の眠気検出装置。
- 前記眠気度判定手段は、前記心拍特徴量の統計分布として前記心拍特徴量の標準偏差を求めることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の眠気検出装置。
- 心拍特徴量の周波数スペクトル分布から個体の特徴を表すピークを抽出し、このピーク周波数に基づく時間幅から前記心拍特徴量を参照することを特徴とする眠気検出装置。
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