JP2010130739A - 風力発電システム - Google Patents
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Abstract
【課題】風力発電システムにおいて、発電機の実際の回転角度と制御回路で検出している回転角度に偏差(軸ずれ状態)が生じた場合に、正常な電力制御ができなくなり電力制御の振動状態が発生する。
【解決手段】発電機の有効電力と無効電力の指令値と検出値の偏差がともに一定レベルを超えた場合に、回転角度に偏差が生じたと判断して風力発電システムを制御する。
【選択図】図1
【解決手段】発電機の有効電力と無効電力の指令値と検出値の偏差がともに一定レベルを超えた場合に、回転角度に偏差が生じたと判断して風力発電システムを制御する。
【選択図】図1
Description
本発明は、風車により駆動される交流励磁型発電機や同期型発電機の回転子の回転角度を検出する検出手段に異常が生じ、検出手段により検出した回転子の検出角度と実際の回転子の回転角度にずれが生じた状態での運転継続を防止することを実現する風力発電システムに関する。
発電装置に用いられる交流励磁型発電機は、コンバータで回転子巻線をすべり周波数(系統周波数と回転周波数の差)で交流励磁することで、回転子の励磁により固定子側に発生する電圧を系統周波数と同じ周波数にすることができる。このすべり周波数を求めるには回転子の回転角度から演算でもとめる回転周波数が必要であり、回転子の回転角度の検出は発電機の回転軸に取り付けたエンコーダを使用する他、固定子の発電電圧から演算により求めることができる。
回転子のすべり周波数の演算は、回転子の実際の回転角度と回転角度検出手段による回転角度が一致し偏差が生じないことを前提としているため、検出手段の異常などにより前述の二つの回転角度に偏差(以下軸ずれ状態と記す)が生じ正しい回転角度が検出できない場合には、正常な電力制御ができなくなる。
同期発電機を用いた発電装置では、エンコーダを使用せず発電電圧から発電機の回転角度を演算で求めるセンサレス方式が主流であるが、この場合も検出手段の異常などにより、発電機の実際の回転角度と発電電圧から検出した回転角度に偏差が生じた場合、同様に正常な電力制御ができなくなる。
交流励磁発電機または同期発電機を使用した風力発電システムは、通常は有効電力と無効電力を独立して制御することができるが、軸ずれ状態が生じた場合には独立した制御ができず、有効電力の制御を行うと同時に無効電力まで変動し逆に無効電力の制御を行うと有効電力まで変動する相互干渉状態となり、有効電力制御と無効電力制御がお互いの偏差を拡大する振動制御状態に陥いる。
この有効電力制御と無効電力制御の振動により風車タワー等の設備にも振動が発生するが、この振動周波数が風車タワーの共振周波数と一致すると、風車タワーが共振により大きなダメージを受ける場合がある。
従来の保護装置では過電流検出センサや加速度センサにより軸ずれ状態による電力制御の振動状態を検出することができるが、いずれの場合も電力振動が拡大して定格以上の状態になるまでは検出することはできない。
上記の軸ずれ状態の確実な検出は、回転角度検出手段にバックアップ用の回転角度検出手段を設けて二重化することにより信頼性を高めることが可能であるが、この場合には回転角度検出手段の二重化のためのコストが増加し現実的でない。
回転子の回転角度検出手段により検出した回転子の回転角度と実際の回転角度に軸ずれ状態が生じると、電力制御が正常に行えずに電力制御の振動現象が発生する。本発明が解決しようとする課題は、電力の振動現象が小さな状態において早期に軸ずれ状態を検出可能な信頼性の高い風力発電システムを提供することにある。
本発明は、交流励磁型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を電力系統に接続し、前記回転子を交流励磁コンバータに接続するとともに前記固定子と電力系統に系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータとを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段で検出した前記回転子の回転角度をもとに、前記交流励磁コンバータにより前記交流励磁型発電機の固定子電圧が電力系統に同期するように前記回転子の励磁制御を行って交流励磁型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定された有効電力指令値および無効電力指令値を決定する電力指令値決定手段を持ち、前記コンバータ制御装置は、電圧および電流から前記交流励磁型発電機の有効電力検出値および無効電力検出値を演算する電力演算手段と、前記有効電力指令値と有効電力検出値から有効電力偏差を検出し前記無効電力指令値と無効電力検出値から無効電力偏差を検出する電力偏差検出手段と、前記有効電力指令値に有効電力検出値が一致し前記無効電力指令値に前記無効電力検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記有効電力偏差と無効電力偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とし、設備の損傷等が発生する前に電力振動を検出し抑制することができる。
また、同期型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を同期制御コンバータに接続し、前記同期制御コンバータに電力系統に接続された系統側コンバータを接続し、前記同期制御コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段により検出した回転子の回転角度をもとに前記同期制御コンバータにより前記同期型発電機の同期制御を行い同期型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定された有効電力指令値および無効電力指令値を決定する電力指令値決定手段をもち、前記コンバータ制御装置は電圧および電流から前記交流励磁型発電機の有効電力検出値および無効電力検出値を演算する電力演算手段と、前記有効電力指令値と有効電力検出値から有効電力偏差を検出し前記無効電力指令値と無効電力検出値から無効電力偏差を検出する電力偏差検出手段と、前記有効電力指令値に前記有効電力検出値が一致し前記無効電力指令値に前記無効電力検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記有効電力偏差と無効電力偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする。
また、交流励磁型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を電力系統に接続し、前記回転子を交流励磁コンバータに接続するとともに前記固定子と電力系統に系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段で検出した前記回転子の回転角度をもとに、前記交流励磁コンバータにより前記交流励磁型発電機の固定子電圧が電力系統に同期するように前記回転子の励磁制御を行って、交流励磁型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定されたトルク指令値および力率指令値を決定するトルク力率決定手段を持ち、前記コンバータ制御装置は電圧および電流から前記交流励磁型発電機のトルク検出値および力率検出値を演算するトルク力率演算手段と、前記トルク指令値とトルク検出値からトルク偏差を検出し前記力率指令値と力率検出値から力率偏差を検出する力率偏差検出手段と、前記トルク指令値に前記トルク検出値が一致し前記力率指令値に前記力率検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記トルク偏差と前記力率偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする。
さらに、交流励磁型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を電力系統に接続し、前記回転子を交流励磁コンバータに接続するとともに前記固定子と電力系統に系統側コンバータを接続し、前記同期制御コンバータと前記系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段で検出した前記回転子の回転角度をもとに、前記交流励磁コンバータにより前記交流励磁型発電機の固定子電圧が電力系統に同期するように前記回転子の励磁制御を行って、交流励磁型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定されたトルク指令値および力率指令値を決定するトルク力率決定手段を持ち、前記コンバータ制御装置は電圧および電流から前記交流励磁型発電機のトルク検出値および力率検出値を演算するトルク力率演算手段と、前記トルク指令値とトルク検出値からトルク偏差を検出し前記力率指令値と力率検出値から力率偏差を検出する力率偏差検出手段と、前記トルク指令値に前記トルク検出値が一致し前記力率指令値に前記力率検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記トルク偏差と前記力率偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする。
風力発電システムでは風速や風車の回転数、あるいは発電機の発電電力に応じて電力指令値を決め、その指令値にしたがい電力変換装置は電力制御を行う。また、電力指令値をあらかじめ設定しておく。風車制御装置は、電力制御を行うために発電電圧と電流から有効電力と無効電力を演算している。本発明における風力発電システムは有効電力と無効電力の検出値と指令値の差から電力偏差を求め、有効電力と無効電力それぞれの電力偏差がともに一定レベルを超えた場合に軸ずれ状態が発生したと判断する。
図1は、交流励磁発電機を用いた本発明の実施例1の風力発電システムを示す機能ブロック図である。
風力発電装置20は送電線を介して電力系統10に接続される。風力発電装置20は、主に交流励磁発電機201、風車202、風車制御装置203、コンバータ(励磁装置)204、コンバータ制御装置205から構成される。
風車202は、交流励磁発電機201の回転子にギア218を介して機械的に接続される。
交流励磁発電機201の回転子巻線はコンバータ204と電気的に接続され、また、交流励磁発電機201の固定子は遮断器206やトランス207等を介して電力系統10に電気的に接続される。
風車制御装置203は風力発電システムの基本的制御を行い、電力指令値決定手段として作動する。また、風速検出や風車202の翼角度制御、有効電力指令値Prefの作成、運転/停止などの指令値Runの出力、無効電力指令値Qrefの作成などの運転指令信号OPS0を生成し、さらに翼角度指令値PCHを生成する。
前記風車制御装置203で生成された無効電力指令値Qrefや、有効電力指令値Pref、前記運転/停止指令値Runなどの各種運転信号OPS0および翼角度指令値PCHは、コンバータ制御装置205や翼角度変更装置に伝送される。
コンバータ制御装置205は、上記指令値に従うようにコンバータ204の出力する電圧を調整し、交流励磁発電機201と電力系統10との間の電力(発電電力、無効電力)を制御する。コンバータ制御装置205は、通常、マイクロコンピュータ上で作動するソフトウェアによって実現されるが、その他専用のIC回路等によって構成することができる。
次に、コンバータ204、コンバータ制御装置205について説明する。交流励磁発電機201の固定子側の3相出力は、外部信号SG1によって開閉可能な遮断器208と遮断器206と系統連系用トランス207を介して電力系統10に接続される。また遮断器206の遮断器208側の回路は、外部信号SG2によって開閉可能な別の遮断器209を介して、フィルタ回路214と系統側コンバータ2041に接続される。
前記系統側コンバータ2041の交流出力端子に接続されるフィルタ回路214は、リアクトルやコンデンサで構成され、高調波電流、高調波電圧を減衰させる機能を持つ。
系統側コンバータ2041の直流回路210は交流励磁コンバータ2042の直流回路に接続される。前記交流励磁コンバータ2042の交流出力は、dV/dt抑制用のリアクトル215を介して交流励磁発電機201の回転子巻線に接続される。
交流励磁コンバータ2042および系統側コンバータ2041は、例えば半導体のスイッチング素子(サイリスタ、GTO、IGBT、MOS、SiCなど)を用いて構成されており、交流を直流に変換し、または直流を交流に変換する機能を備える。
交流励磁発電機201の回転子には、ギア218を介して風力発電用の風車202が接続されており風の力を受けて回転する。また、交流励磁発電機201の回転軸には回転位置を検出するエンコーダ等の位置検出器211が接続され、回転数信号ωが出力される。検出した回転数信号ωは、風車制御装置203とコンバータ制御装置205に入力される。
次に、発電電力を制御するための構成について説明する。遮断器206の二次側の三相電圧および三相電流は、それぞれ電圧センサ220a、電流センサ219aによりその値を低電圧の電圧検出信号VSY、低電圧の電流検出信号ISYに変換され、コンバータ制御装置205に入力される。
また、遮断器208の二次側(遮断器208と交流励磁発電機201の固定子との間)の電圧は、電圧センサ220bによりその値を低電圧の信号VSTに変換されコンバータ制御装置205に入力される。ISTは電流センサ219bで検出された固定子電流である。
また、交流励磁コンバータ2042の出力電流IRは電流センサ219cにより検出され、系統側コンバータ2041の出力電流IGは電流センサ219dにより検出され、電流検出値IRおよびIGはコンバータ制御装置205に伝送される。P1は系統側コンバータ制御指令値、P2は交流励磁コンバータ制御指令値である。210はコンバータ直流回路、VDCはコンバータ直流回路電圧である。
風車制御装置203は、さらに風車やシステムの状態量を検出して外部と通信する通信機能などを備える。
図2のブロック図を用いて、コンバータ制御装置205のうち、発電電力の制御を行う交流励磁コンバータ2042の有効電力及び無効電力制御を行う制御手段について説明する。
電圧センサ220aにより検出された交流電圧検出値VSYは、位相検出器THDETと三相二相変換器32TRS2に入力される。前記位相検出器THDETは、電力系統の電圧に追従する位相信号THS(系統U相電圧を正弦波としたときの角度信号)を計算し、三相二相変換器32TRS2は行列変換により前記電圧検出信号VSYから制御座標軸上のp軸電圧検出値Vpsとq軸電圧検出値Vqsを計算する。
位置検出器211で検出された交流励磁発電機201の回転子の回転数および位置を示す回転数信号ωは、回転位相検出器ROTDETに入力される。回転数信号にABZ式のエンコーダを用いた例で説明する。回転位相検出器ROTDETは、回転数信号ωのパルスAおよびBを計数して位相信号に換算するとともに、位相信号を一回転に一回のパルス(例えばABZ方式のエンコーダではZ相パルス)で0にリセットし、0から360度の位相信号RTHを作成する。
励磁位相演算器SLDETは前記回転位相検出器ROTDETからの位相信号RTH、同期制御器SYNCの出力位相信号LTH、前記位相信号THSに基づき、回転子のすべり位相信号THRを出力する。
電力演算器PQCALは、三相二相変換器32TRS1によりシステム電流ISYを行列変換して得られたp軸電流Ips、q軸電流Iqsと、前記p軸電圧検出値Vpsと、q軸電圧検出値Vqsとを入力し、システムの有効電力Psと無効電力Qsを演算する。
有効電力調整器APRは、有効電力検出値Psと風車制御装置203の有効電力指令値Prefを入力し、有効電力指令値Prefと有効電力検出値Psの偏差を零にするように出力の有効分電流指令値Ip0を出力する。有効電力制御はトルク制御と異なり回転数が変化しても出力電力を一定に制御できる。
また、無効電力調整器AQRは、無効電力検出値Qsと風車制御装置203の無効電力指令値Qrefを入力し、無効電力指令値Qrefと無効電力検出値Qsの偏差を零にするように出力の無効分電流指令値Iq0を出力する。
また、固定子電流ISTは、三相回転座標変換器3DQ03に入力される。固定子電流ISTは三相回転座標変換器3DQ03により有効分電流Ipstと無効分電流Iqstに分解され、それぞれ発電機電流調整器ACRP、ACRQに入力される。発電機電流調整器ACRPは、固定子有効電流指令値としてゼロを入力し、発電機固定子電流の有効分電流Ipstがゼロになるように回転子電流指令値Ip2を演算し切換スイッチに出力する。また、発電機電流調整器ACRQは、固定子有効電流指令値としてIqstrを入力し、発電機固定子電流の無効分電流Iqstが指令値に一致するように、回転子電流指令値Iq2を演算し切換スイッチに出力する。
三相回転座標変換器3DQ04は、入力された電流検出値IRおよびすべり位相信号THRから、q軸電流検出値Iqrとp軸電流検出値Iprを電流調整器に出力する。
交流励磁発電機を用いた風力発電システムでは、一般に交流励磁発電機の回転子に取り付けたエンコーダ等により回転子の回転角度を検出しているが、エンコーダに異常が発生しエンコーダにより検出した回転子の回転角度と実際の回転子の回転角度に差が生じた場合について軸ずれ状態を説明する。
制御演算では回転子電流IRを制御上のp−q座標軸を用いて、有効電力を表すp軸成分と無効電力を表すq軸成分に分離する。軸ずれ状態が発生した状態では、エンコーダにより検出した回転子の回転角度信号ωと実際の回転子の回転角度に差が生じるため、回転角度信号ωから計算で求めたすべり位相信号THR(制御上のすべり位相)が実際のすべり位相に対し偏差が生じる。つまり、制御上のp−q座標軸と実際のp−q座標軸にずれが生じている状態である。
制御演算では回転子電流IRを制御上のp−q座標軸を用いてp軸成分とq軸成分に分離するため、ずれが生じた座標軸を用いて分離した場合には正常な分離ができない。その結果、p軸成分である有効電力とq軸成分である無効電力の独立制御ができなくなる。
この状態で有効電力を制御すると無効電力も変動し、逆に無効電力を制御すると有効電力も変動してしまい、有効電力制御と無効電力制御がお互いの偏差を拡大するような振動制御となり、振動が拡大すると過電流の発生や風車の振動という状態へ至る。
図3に、本発明の実施例1における軸ずれ状態を検出する検出手段205aのブロック図を示す。検出手段205aはコンバータ制御回路205の一部を構成する。減算器301、302により、有効電力指令値Prefと有効電力検出値Psの偏差ΔP、無効電力指令値Qrefと無効電力検出値Qsの偏差ΔQを求める。
このΔP、ΔQの絶対値に平均化処理を行った値ΔP1、ΔQ1をそれぞれレベル判定し、ΔP1、ΔQ1がともに設定レベル以上になった場合に軸ずれ状態が発生した状態と判断する。ここでの平均化処理とは移動平均や一次遅れなどの処理を意味する。
軸ずれ状態は過電流や加速度センサーでも検出可能であるが、これらの検出手段では現象が定格以上になった場合にしか検出できない。本実施例の場合はレベル判定の設定レベルを定格Puより低く(たとえば0.3Pu)設定することが可能なため、風車に不要な振動などのダメージを与えずに、未然に異常を検出することができる。
図3では交流励磁発電機の有効電力と無効電力の場合で説明したが、交流励磁発電機のトルク指令値とトルク検出値の偏差、及び力率指令値と力率検出値の偏差を検出する構成の場合でも同様な効果を得ることができる。
トルク指令値を用いる場合は、トルク指令値に交流励磁発電機の回転数を乗じて有効電力指令値に変換し、次いで得られた有効電力指令値に力率指令値を乗じて無効電力指令値に変換する。得られた有効電力指令値Prefと無効電力指令値Qrefとから、実施例1と同様の制御ロジックで無効電力の制御が可能となる。
実施例1、実施例2では交流励磁発電機で回転子に取り付けたエンコーダを使用した場合を例に説明を行ったが、図4に示す同期発電機を用い、エンコーダを用いないセンサレス方式でも発電機の回転角度を検出するための電圧、電流の検出回路に異常が生じた場合には、軸ずれ状態による問題が発生する。従って本発明の軸ずれ状態検出方式は、センサレス制御においても同様に有効である。
図4における図1との相違点については、同期発電機200の固定子電圧VSTが電圧センサ220bで測定され、直接コンバータ制御回路205に入力される。また、同期発電機200の固定子が交流励磁コンバータ2042で励磁される。その他の構成は基本的に図1と共通である。
図5を用いて図4のコンバータ制御装置205のうち、発電電力の制御を行うコンバータ2042の発電機の有効電力、無効電力を制御する制御手段205bについて説明する。
固定子電圧検出値VSTは、三相二相変換器32TRS2に入力される。三相二相変換器32TRS2は回転子位相推定値THRによる行列変換により前記電圧検出値VSTからp軸電圧検出値Vpsとq軸電圧検出値Vqsを計算する。
固定子電流検出値ISTは三相二相変換器32TRS1に入力され、回転子位相推定値THRをもとに、p軸電流検出値Ipsとq軸電流検出値Iqsを計算する
誘起電圧推定器VEDETは三相二相変換器32TRS1、32TRS2から出力されるpq軸の電流、電圧信号と角速度推定器ROMGDETから出力される角速度信号OMGTHRに基づいて同期発電機200の誘起電圧を演算し、そのp軸成分Vpeを出力する。
誘起電圧推定器VEDETは三相二相変換器32TRS1、32TRS2から出力されるpq軸の電流、電圧信号と角速度推定器ROMGDETから出力される角速度信号OMGTHRに基づいて同期発電機200の誘起電圧を演算し、そのp軸成分Vpeを出力する。
角速度推定器ROMGDETは誘起電圧推定器VEDETから出力される誘起電圧のp軸成分Vpeと零の偏差から角速度信号OMGTHRを演算する。回転子位相推定器ROTDETは積分器でにより構成され、入力信号の角速度信号OMGTHRから、回転子位相推定値THRを演算する。
電力演算器PQCALは、前記固定子p軸電流Ips、q軸電流Iqsと、前記p軸電圧検出値Vpsと、q軸電圧検出値Vqsとを入力し、発電機の有効電力Pgと無効電力Qgを演算する。
有効電力制御器APRは前記有効電力演算値Pgと有効電力指令値Prefとの偏差が零になるように制御を行い、無効電力制御器AQRは前記無効電力演算値Qgと無効電力指令値Qrefとの偏差が零になるように制御を行う。
同期型発電機、交流励磁型発電機の励磁用コンバータや、発電装置に適用できる。
10:電力系統
20:風力発電装置
200:同期型発電機
201:交流励磁型発電機
202:風車
203:風車制御装置
204:コンバータ
2041:系統側コンバータ
2042:交流励磁コンバータ
205:コンバータ制御装置
219a、219b、219c、219d:電流センサ
220a、220b:電圧センサ
PQCAL:電力演算器
APR:有効電力調整器
AQR:無効電力調整器
ACRP:発電機電流調整器
ACRQ:発電機電流調整器
Qref:無効電力指令値
Pref:有効電力指令値
Run:運転/停止指令値
ω:回転子回転数
20:風力発電装置
200:同期型発電機
201:交流励磁型発電機
202:風車
203:風車制御装置
204:コンバータ
2041:系統側コンバータ
2042:交流励磁コンバータ
205:コンバータ制御装置
219a、219b、219c、219d:電流センサ
220a、220b:電圧センサ
PQCAL:電力演算器
APR:有効電力調整器
AQR:無効電力調整器
ACRP:発電機電流調整器
ACRQ:発電機電流調整器
Qref:無効電力指令値
Pref:有効電力指令値
Run:運転/停止指令値
ω:回転子回転数
Claims (8)
- 交流励磁型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を電力系統に接続し、前記回転子を交流励磁コンバータに接続するとともに前記固定子と電力系統に系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータとを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段で検出した前記回転子の回転角度をもとに、前記交流励磁コンバータにより前記交流励磁型発電機の固定子電圧が電力系統に同期するように前記回転子の励磁制御を行って交流励磁型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、
前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定された有効電力指令値および無効電力指令値を決定する電力指令値決定手段を持ち、前記コンバータ制御装置は、電圧および電流から前記交流励磁型発電機の有効電力検出値および無効電力検出値を演算する電力演算手段と、前記有効電力指令値と有効電力検出値から有効電力偏差を検出し前記無効電力指令値と無効電力検出値から無効電力偏差を検出する電力偏差検出手段と、前記有効電力指令値に有効電力検出値が一致し前記無効電力指令値に前記無効電力検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記有効電力偏差と無効電力偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする風力発電システム。 - 同期型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を同期制御コンバータに接続し、前記同期制御コンバータに電力系統に接続された系統側コンバータを接続し、前記同期制御コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段により検出した回転子の回転角度をもとに前記同期制御コンバータにより前記同期型発電機の同期制御を行い同期型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、
前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定された有効電力指令値および無効電力指令値を決定する電力指令値決定手段をもち、前記コンバータ制御装置は電圧および電流から前記交流励磁型発電機の有効電力検出値および無効電力検出値を演算する電力演算手段と、前記有効電力指令値と有効電力検出値から有効電力偏差を検出し前記無効電力指令値と無効電力検出値から無効電力偏差を検出する電力偏差検出手段と、前記有効電力指令値に前記有効電力検出値が一致し前記無効電力指令値に前記無効電力検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記有効電力偏差と無効電力偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする風力発電システム。 - 交流励磁型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を電力系統に接続し、前記回転子を交流励磁コンバータに接続するとともに前記固定子と電力系統に系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段で検出した前記回転子の回転角度をもとに、前記交流励磁コンバータにより前記交流励磁型発電機の固定子電圧が電力系統に同期するように前記回転子の励磁制御を行って、交流励磁型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、
前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定されたトルク指令値および力率指令値を決定するトルク力率決定手段を持ち、前記コンバータ制御装置は電圧および電流から前記交流励磁型発電機のトルク検出値および力率検出値を演算するトルク力率演算手段と、前記トルク指令値とトルク検出値からトルク偏差を検出し前記力率指令値と力率検出値から力率偏差を検出する力率偏差検出手段と、前記トルク指令値に前記トルク検出値が一致し前記力率指令値に前記力率検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記トルク偏差と前記力率偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする風力発電システム。 - 交流励磁型発電機の回転子を風車に接続して回転子を回転させ固定子を電力系統に接続し、前記回転子を交流励磁コンバータに接続するとともに前記固定子と電力系統に系統側コンバータを接続し、前記同期制御コンバータと前記系統側コンバータを接続し、前記交流励磁コンバータと前記系統側コンバータを制御するコンバータ制御装置を設け、回転角度検出手段で検出した前記回転子の回転角度をもとに、前記交流励磁コンバータにより前記交流励磁型発電機の固定子電圧が電力系統に同期するように前記回転子の励磁制御を行って、交流励磁型発電機の発電電力を電力系統に供給する風力発電システムにおいて、
前記風力発電システムは運転状態に応じ又はあらかじめ設定されたトルク指令値および力率指令値を決定するトルク力率決定手段を持ち、前記コンバータ制御装置は電圧および電流から前記交流励磁型発電機のトルク検出値および力率検出値を演算するトルク力率演算手段と、前記トルク指令値とトルク検出値からトルク偏差を検出し前記力率指令値と力率検出値から力率偏差を検出する力率偏差検出手段と、前記トルク指令値に前記トルク検出値が一致し前記力率指令値に前記力率検出値が一致するように前記コンバータを制御するコンバータ制御手段と、前記トルク偏差と前記力率偏差がともに設定値以上となったことを検出する軸ずれ状態検出手段を持つことを特徴とする風力発電システム。 - 請求項1に記載された風力発電システムにおいて、前記回転角度検出手段により検出した交流励磁型発電機の回転子の回転角度検出値と、前記交流励磁型発電機の回転子の実際の回転角度に偏差が生じたことを検出する偏差検出手段を持つことを特徴とする風力発電システム。
- 請求項2に記載された風力発電システムにおいて、前記回転角度検出手段により検出した同期型発電機の回転子の回転角度検出値と、前記同期型発電機の回転子の実際の回転角度に偏差が生じたことを検出する偏差検出手段を持つことを特徴とする風力発電システム。
- 請求項1に記載された風力発電システムにおいて、前記交流励磁型発電機の回転子の回転軸に回転角度検出手段を取り付け、該回転角度検出手段により検出した回転角度検出値と、前記交流励磁型発電機の回転子の実際の回転角度に偏差が生じたことを検出する偏差検出手段を持つことを特徴とした風力発電システム。
- 請求項2に示す風力発電システムにおいて、該同期型発電機の回転子の回転軸に回転角度検出手段を取り付け、該回転角度検出手段により検出した回転角度検出値と、前記同期型発電機の回転子の実際の回転角度に偏差が生じたことを検出する偏差検出手段を持つことを特徴とした風力発電システム。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008300411A JP2010130739A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 風力発電システム |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2008300411A JP2010130739A (ja) | 2008-11-26 | 2008-11-26 | 風力発電システム |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP (1) | JP2010130739A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN103048619A (zh) * | 2012-12-16 | 2013-04-17 | 华南理工大学 | 一种风力发电机组故障特征在线提取装置及提取方法 |
EP4180657A1 (en) * | 2021-11-16 | 2023-05-17 | Vestas Wind Systems A/S | Determination of wind turbine generator position |
-
2008
- 2008-11-26 JP JP2008300411A patent/JP2010130739A/ja active Pending
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EP4180657A1 (en) * | 2021-11-16 | 2023-05-17 | Vestas Wind Systems A/S | Determination of wind turbine generator position |
US11815370B2 (en) | 2021-11-16 | 2023-11-14 | Vestas Wind Systems A/S | Determination of wind turbine generator position |
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