本発明の概要は以下のとおりである。
本発明の一実施形態では、複数のユーザアクセス装置が多重される中継網を構成する中継装置は、試験機能を備え、中継装置を試験開始点としたEnd−Endの導通特性試験を実現する。
中継装置は、一方のユーザアクセス装置に試験フレームを転送する。試験フレームを受信したユーザアクセス装置は、試験フレームを試験フレームが転送されたポートと同じポートに折返す。中継装置は、折返された試験フレームを透過し、試験フレームは対向のユーザアクセス装置に転送される。対向のユーザアクセス装置は、試験フレームが転送された中継装置のポートへ試験フレームを折返す。試験開始点である中継装置は、対向のユーザアクセス装置から再度折返された試験フレームを終端する。
また、本発明の一実施形態では、装置ベンダの独自のメッセージ形式であるVSP(Vendor Specific OAM)を試験フレームとして利用する。試験開始点となる中継装置は、試験フレームにシーケンス番号及びタイムスタンプを付与した後、試験フレームを送出する。前述した中継装置は、経路に従って転送された試験フレームを終端させ、試験フレームに含まれるタイムスタンプ等の情報に基づいて、スループットと遅延時間とを計算する。
<実施形態1>
以下、本発明の第1の実施形態について図1から図13を用いて説明する。なお、以下に述べる第1の実施形態は本発明の実施形態の一つであって、本発明を制限するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態の導通特性試験の例を示す説明図である。
コアネットワークは、中継装置31−1、中継装置31−2、及び、中継網33を備え、キャリア管理網32によって管理される。
中継装置31−1は、中継網33及びアクセス網34−1に接続され、アクセス網34−1を介してサイト35−1に設置されたユーザアクセス装置30−1に接続し、ユーザアクセス装置30−1を管理する。ユーザアクセス装置30−1は、サイト35−1に設置されたユーザ端末(図示省略)を接続し、アクセス網34−1を介してユーザ端末をコアネットワークに接続する。
中継装置31−2は、中継網33及びアクセス網34−2に接続され、アクセス網34−2を介してサイト35−2に設置されたユーザアクセス装置30−2に接続し、ユーザアクセス装置30−2を管理する。ユーザアクセス装置30−2は、サイト35−2に設置されたユーザ端末(図示省略)を接続し、アクセス網34−2を介してユーザ端末をコアネットワークに接続する。
なお、中継装置31−1と中継装置31−2とは同じ構成であり、以下いずれの中継装置にも該当する説明をする場合には、各中継装置を総称して中継装置31と記載する。また、ユーザアクセス装置30−1とユーザアクセス装置30−2とは同じ構成であり、以下いずれのユーザアクセス装置にも該当する説明をする場合には、各ユーザアクセス装置を総称してユーザアクセス装置30と記載する。
本発明の一実施形態において、導通特性試験に用いる試験フレーム38は、例えば、中継装置31−1から送出され、転送経路39に従って、各ノード(中継装置及びユーザアクセス装置)に転送され、試験開始点(及び終点)である中継装置31−1で終端される。なお、本明細書では、中継装置31−1を試験開始点(及び終点)としているが、中継装置31−2を試験開始点(及び終点)としてもよい。また、転送経路39の方向は逆であってもよい。
例えば、図1に示す転送経路39に従って導通特性試験を実行する場合には、ユーザアクセス装置30は、受信した試験フレーム38を折返す必要がある。さらに、中継装置31は、試験フレーム38を透過し、特に、試験開始点である中継装置31−1は、試験フレーム38を終端させる必要がある。
イーサネット網の運用、保守に用いられる管理機能であるEther OAM(Ethernet Operation Administration and Maintenance)において、例えば、ユーザアクセス装置30は、Ether OAMフレームを受信し、受信したEther OAMフレームに対するレスポンスを送信元のポートに折返すことができる。
受信したEther OAMフレームの宛先MAC(Media Access Control)アドレスがユニキャストアドレスである場合には、ユーザアクセス装置30は、宛先MACアドレスと送信元MACアドレスとを入れ替えることによって、Ether OAMフレームを折返す。また、受信したEther OAMフレームの宛先MACアドレスがマルチキャストアドレスである場合には、ユーザアクセス装置30は、宛先MACアドレスを送信元MACアドレスで上書きし、送信元MACアドレスを自装置に設定されたアドレスで上書きすることによって、Ether OAMフレームを折返す。
さらに、Ether OAMでは、イーサネット網の各ノード(中継装置及びユーザアクセス装置)を管理点として、管理点と管理点との間に管理区間(MEG:Maintenance Entity Group)が設定される。管理区間(MEG)は、MEGレベルによって階層化される。MEGレベルは、各管理区間(MEG)の管理端点(MEP:MEG End Point)に設定される。
例えば、イーサネット網のEnd−Endとなる管理端点には、EtE MEGレベルが設定される。また、中継点となる管理点には、前述したEtE MEGレベルよりも低いMEGレベル(セクションMEGレベル)が設定される。
第1の実施形態では、End−Endである各ユーザアクセス装置30には、「EtE MEGレベル36−1」が設定される。これによって、各ユーザアクセス装置30の間の管理区間37−1は、「EtE MEGレベル36−1」が設定された区間となる。なお、ユーザアクセス装置30には、「セクションMEGレベル36−2」を設定することもできる。
また、対向する各ユーザアクセス装置30の間に位置する中継装置31には、「セクションMEGレベル36−2」が設定される。これによって、ユーザアクセス装置30−1と中継装置31−1との間の管理区間37−2、中継装置31−1と中継装置31−2との間の管理区間37−3、及び、中継装置31−2とユーザアクセス装置30−2との間の管理区間37−4は、「セクションMEGレベル36−2」が設定された区間となる。
試験を実行する場合には、一般に、ノードは、自装置に設定されたMEGレベルと同じMEGレベルを付与したEther OAMフレームを送出する。ここで、各ノードは、自装置に設定されたMEGレベルよりも高いレベルのEther OAMフレームを透過し、設定されたMEGレベルと同じレベルのEther OAMフレームを終端又は折返し、設定されたMEGレベルよりも低いレベルのEther OAMフレームをレベルエラーとして廃棄する。
したがって、例えば、中継装置31−1から、中継装置31−1に設定されたMEGレベル(例えば、「セクションMEGレベル36−2」)と同じMEGレベルを付与されたEther OAMフレームがユーザアクセス装置30−1に送出された場合には、中継装置31−1は、ユーザアクセス装置30−1から折り返されたEther OAMフレーム(レスポンスフレーム)を終端する。
このように、Ether OAMにおいて、EtE MEGレベルが設定されたEnd−Endの管理区間の間にある管理点(例えば、中継装置31−1)を試験開始点として、Ether OAMフレームを送出する場合には、通常は試験開始点に設定されたMEGレベルとEther OAMフレームに付与されたMEGレベルとが同じであるため、中継装置31−1は、図1に示す転送経路39に従って導通特性を試験することができない。
そこで、第1の実施形態においては、試験開始点である中継装置31−1は、中継装置31−1に設定されたMEGレベルよりも高いMEGレベルを付与したEther OAMフレーム(試験フレーム)を送出する。これによって、キャリア管理網32は、図1に示した転送経路39に従って、End−Endの導通特性を試験することができる。以下に、本発明の導通特性試験の概要、及び、各ノードにおける試験フレームの処理について説明する。
図2は、本発明の第1の実施形態の導通特性試験の処理を示すシーケンス図である。
はじめに、試験開始点である中継装置31−1は、キャリア管理網32からの試験フレーム挿入命令に従い、試験フレーム挿入処理41を実行し、ユーザアクセス装置30−1に試験フレーム38−1を送出する。
この場合には、中継装置31−1は、試験フレーム38−1にマルチキャストアドレス、及び、試験フレーム38を識別するための識別子(イーサタイプ)等を付与し、試験フレームのペイロードに「EtE MEGレベル36−1」、及び、管理区間(MEG)における導通特性を取得するための試験情報等を付与する。なお、試験フレーム38及びペイロードの構成については、それぞれ図4及び図5を用いて後述する。また、試験フレーム挿入処理41の詳細については、図7を用いて後述する。
次に、試験フレーム38−1を受信したユーザアクセス装置30−1は、試験フレーム折返し処理42−1を実行し、試験フレーム38−2を中継装置31−1に転送する。この場合、ユーザアクセス装置30−1は、試験フレーム38−1に付与された識別子(イーサタイプ)によって、試験フレーム38−1が導通特性試験に用いられるOAMフレームであるか否かを判定する。ユーザアクセス装置30−1は、受信した試験フレーム38−1の送信元MACアドレスを自装置に設定されたアドレスで上書きした後、試験フレーム38−1を試験フレーム38−2として中継装置31−1に折返す。
次に、中継装置31−1は、試験フレーム38−2に付与されたMEGレベルと中継装置31−1に設定されたMEGレベルとを比較する。試験フレーム38−2に付与されたMEGレベル(「EtE MEGレベル36−1」)は、中継装置31−1に設定されたMEGレベル(「セクションMEGレベル36−2」)よりも高いため、中継装置31−1は試験フレーム透過処理43−1を実施し、試験フレーム38−3を中継装置31−2へ転送する。
次に、中継装置31−2は、試験フレーム透過処理43−2を実行する。試験フレーム透過処理43−2は、試験フレーム透過処理43−1と同じである。中継装置31−2は、試験フレーム38−4をユーザアクセス装置30−2へ転送する。
次に、試験フレーム38−4を受信したユーザアクセス装置30−2は、試験フレーム折返し処理42−2を実行する。試験フレーム折返し処理42−2は、試験フレーム折返し処理42−1と同じである。ユーザアクセス装置30−2は、試験フレーム38−4に付与された送信元MACアドレスを自装置に設定されたアドレスで上書きした後、試験フレーム38−4を試験フレーム38−5として中継装置31−2に折返す。
次に、中継装置31−2は、試験フレーム透過処理43−3を実行する。試験フレーム透過処理43−3は、前述した試験フレーム透過処理43−1、43−2と同じである。中継装置31−2は、試験フレーム38−6を中継装置31−1へ転送する。
そして、試験終点である中継装置31−1は、試験フレーム終端処理44を実行する。ここで、試験フレーム38−6に付与されたMEGレベル(「EtE MEGレベル36−1」)は中継装置31−1に設定されたMEGレベル(「セクションMEGレベル36−2」)よりも高いため、中継装置31−1は、MEGレベルの比較の処理によって、試験フレームを終端させることができない。そこで、中継装置31−1は、一致フィルタを用いて、試験フレーム38−6が、試験フレーム挿入処理41において送出した試験フレーム38−1であるか否かを判定し、試験フレーム38−6を終端させる。
なお、試験フレーム折返し処理42−1、42−2の詳細については、図12を用いて後述する。試験フレーム終端処理44の詳細については、図13を用いて後述する。
図4は、本発明の第1の実施形態の試験フレームのフォーマットを示す説明図である。
試験フレーム38は、宛先MACアドレス61、送信元MACアドレス62、VLAN ID63、イーサタイプ値64、ペイロード65、及び、フレームチェックシーケンス(FCS)66を含む。
宛先MACアドレス61及び送信元MACアドレス62には、ユーザアクセス装置30、又は、中継装置31のMACアドレスが設定される。また、宛先MACアドレス61には、マルチキャストMACアドレスが設定されてもよい。VLAN ID63には、フローの識別子となるVLANの識別子が設定される。イーサタイプ値64には、フレームがEther OAMフレームであることを示す識別子が設定される。FCS66は、フレームの誤りを検出する。ペイロード65については、以下に説明する。
図5は、本発明の第1の実施形態の試験フレームのペイロードのフォーマットを示す説明図である。
イーサネット網のノードであるユーザアクセス装置30及び中継装置31は、イーサネット網の運用、保守、管理のためのEther OAMを実行することができる装置である。Ether OAMフレームである試験フレーム38のペイロードの領域には、正常性を確認するCCM(Conectivity Check Message)、障害発生を他装置に通知するAIS(Alarm Indication Signal)等のほか、装置ベンダ独自のメッセージを交換するためのVSP(Vendor Specific OAM)が定義されている。VSPは、ベンダ独自の目的に使用することができる。第1の実施形態では、VSPのメッセージ形式に準拠したEther OAMフレームを試験フレーム38として用いる。
試験フレーム38のペイロード(VSPペイロード)は、MEG(Maintenace Entity Group)レベル701、Version702、OpCode703、フラグ704、TLV(Type Length Value)オフセット705、OUI(Organizationally Unique Identifier)706と、SubOpCode707、シーケンス番号708、タイムスタンプ709、TLV710、及び、End TLV711を含む。
MEGレベル701には、キャリア管理網によって、管理レベル(MEGレベル)が設定される。Version702には、OAMのバージョンが設定される。OpCode703には、Ether OAMフレームの種類を示す値が設定される。例えば、OpCode703には、VSM(VSP Message:リクエスト制御フレーム)であることを示す「51」、又は、VSR(VSP Reply:レスポンス制御フレーム)であることを示す「50」が設定される。
フラグ704は、ベンダが独自に使用することができる領域である。非特許文献1に示した勧告では、フラグ704の内容は定義されていない。TLVオフセット705には、MEGレベル701からTLV710までの領域のうちのいくつかを足した長さを示す値が設定される。TLVオフセット705は、ベンダが独自に使用することができる領域である。ここでは、OUI706とSubOpCode707とシーケンス番号708とタイムスタンプ709とを足した長さが設定される。OUI706には、装置ベンダを示す識別子が設定される。非特許文献1に示した勧告では、OUI706の内容は定義されていない。SubOpCode707には、VSPの種類を示す値が設定される。非特許文献1に示した勧告では、SubOpCode707の内容は定義されていない。シーケンス番号708には、導通特性のフレームロス数を測定するためのシーケンス番号が設定される。タイムスタンプ709には、導通特性の転送遅延を測定するための時刻情報が設定される。TLV710は、ペイロードのデータ領域であり、ベンダが自由に使用することができる。End TLV711には、ペイロードの最後であることを示す「0」が設定される。
以下に、中継装置31の構成について説明する。
図6は、本発明の第1の実施形態の中継装置の構成を示すブロック図である。
なお、ユーザアクセス装置30は、図6に示す中継装置31と同じ構成であってもよい。
中継装置31は、複数のネットワークインタフェースボード(NIF)(800−1〜800−N)、それぞれのNIF800に接続されたスイッチ部810、及び、中継装置全体を管理するノード管理部815を備える。
各NIF800は、通信ポートとなる複数の入出力回線インタフェース(801−1〜801−M)を備える。中継装置31は、これらの入出力回線インタフェース(通信ポート)を介して、他の装置と接続されている。第1の実施形態では、入出力回線インタフェース801は、イーサネット用の回線インタフェースである。
各NIF800は、これらの入出力回線インタフェース801に接続された入力ヘッダ処理部802、入力ヘッダ処理部802に接続された入力フレームバッファ803、及び、入力フレームバッファ803に接続された入力スケジューラ804を備える。また、各NIF800は、スイッチ部810に接続された複数のSWインタフェース(805−1〜805−M)、これらのSWインタフェース805に接続された出力ヘッダ処理部806、出力ヘッダ処理部806に接続された出力フレームバッファ807、及び、出力フレームバッファ807に接続された出力スケジューラ808を備える。
ここで、あるSWインタフェース805−Iは、入出力回線インタフェース801−Iに対応しており、入出力回線インタフェース(入力ポート)801−Iが受信した入力フレームは、SWインタフェース805−Iを介してスイッチ部810に転送される。また、スイッチ部810からSWインタフェース805−Iに転送された出力フレームは、対応する入出力回線インタフェース801−I(出力ポート)を介して、他装置へ転送される。
入力ヘッダ処理部802、入力フレームバッファ803、入力スケジューラ804、出力ヘッダ処理部806、出力フレームバッファ807、及び、出力ヘッダ処理部806は、回線毎に入出力フレームを処理するため、各回線のフレームが混ざり合うことはない。
また、入出力回線インタフェース(入力ポート)801−Iは、受信した入力フレームに装置内ヘッダを付加する。
図3は、本発明の第1の実施形態の中継装置の入出力フレームに付加される装置内ヘッダのフォーマットを示す説明図である。
装置内ヘッダ5は、フローID51、受信ポートID52、受信NIF ID53、及び、フレーム長54を含む。
入出力回線インタフェース801−Iが入力フレームに装置内ヘッダ5を付加した時点では、フローID51は空欄である。フローID51には、入力ヘッダ処理部802によって値が設定される。
入力ヘッダ処理部802は、各入力フレームのフローを識別し、識別されたフローに応じてVLANタグの処理を実行し、装置内ヘッダ5にフローID51を追加する。VLANタグの処理とは、VLANタグの透過、変換、付与及び削除である。
入力ヘッダ処理部802は、VLANタグの処理において、宛先MACアドレス61及び送信元MACアドレス62を、ポート毎に設定される値で上書きしてもよいし、フロー毎に登録しておいた値で上書きしてもよい。ただし、ポート毎に設定される値で上書きする場合には、宛先MACアドレス61はマルチキャストアドレスとする。この場合でも、中継網33はVLANのみによるVPNであり、ユーザアクセス装置30が1対1の接続であるため、中継装置31は、対向するユーザアクセス装置30の間で試験フレーム38を転送することができる。
入力ヘッダ処理部802は、さらに、入力フレームのヘッダを解析し、図4に示したイーサタイプ値64がEther OAMの値かであるか否かを判定する。イーサタイプ値64がEther OAMの値でない場合、すなわち、入力フレームがEther OAMフレームでない場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをそのまま入力フレームバッファ803へ回線毎に格納する。
一方、イーサタイプ値64がEther OAMの値である場合、すなわち、入力フレームがEther OAMフレームである場合には、入力ヘッダ処理部802は、図10を用いて後述するペイロード解析処理(S1201)を実行する。
ペイロード解析処理(S1201)の後、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをOAM制御部811若しくは試験制御部812に転送するか、入力フレームを入力フレームバッファ803に回線毎に格納するか、又は、入力フレームを廃棄する。
入力ヘッダ処理部802及び出力ヘッダ処理部806は、図10を用いて後述するペイロード解析処理(S1201)において、VSPフィルタ809を使用する。ここで、VSPフィルタ809とは、完全一致フィルタであり、入力フレームが終端すべき試験フレーム38であるか否かを判定するために用いられるフィルタである。
入力スケジューラ804は、入力フレームバッファ803にフレームが格納されると、格納されたフレームを回線毎に独立に読出し、その回線に対応するSWインタフェース805に転送する。さらに、入力スケジューラ804は、OAM制御部811又は試験制御部812から挿入されたフレームと、入力フレームバッファ803から読み出したフレームとをスケジューリングする。ここで、挿入フレームとは、中継装置31から挿入する試験フレーム38であるEther OAMフレーム、又は、試験フレーム以外のEther OAMフレームである。
スイッチ部810は、各NIF800のSWインタフェース805から入力フレームを受信した後、受信した入力フレームの転送先である出力NIFの識別子(ID)及び出力ポートの識別子(ID)を特定する。次に、スイッチ部810は、受信した入力フレームを、出力フレームとして、特定された出力ポートに対応するSWインタフェース805に転送する。
ここで、スイッチ部810は、出力NIF及び出力ポートの識別子(ID)を特定するために、フレーム転送テーブルを用いてもよい。スイッチ部810は、フレーム転送テーブルを参照し、VLANの識別子(ID)と入力NIFの識別子(ID)と入力ポートの識別子(ID)とを組合せた検索キーによって、出力NIFの識別子(ID)及び出力ポートの識別子(ID)を示すテーブルエントリを検索することができる。ここで、入力NIFの識別子(ID)及び入力ポートの識別子(ID)は、各NIF800の各SWインタフェース805に物理的に固定で割当てられる識別子であり、入力フレームがどのSWインタフェース(入力ポート)805で受信されたかによって一意に決定される。
スイッチ部810は、受信した入力フレームを出力フレームとして、転送先のNIF800のSWインタフェース805に転送する。SWインタフェース805は、出力フレームを出力ヘッダ処理部806に転送する。第1の実施形態では、入力ヘッダ処理部802が入力フレームから出力フレームへのフォーマット変換を実行したが、代わりに、出力ヘッダ処理部806がフォーマット変換を実行してもよい。なお、入力ヘッダ処理部802においてフォーマット変換(ヘッダ変換)がなされている場合には、出力ヘッダ処理部806は、SWインタフェース805から受信した出力フレームをそのまま出力フレームバッファ807に格納する。
出力スケジューラ808は、出力フレームバッファ807に出力フレームが格納されると、格納された出力フレームを回線毎に独立に読出し、その回線に対応する入出力回線インタフェース801に出力する。さらに、出力スケジューラ808は、OAM制御部811又は試験制御部812から挿入されたフレームと、出力フレームバッファ807から読み出したフレームをスケジューリングする。ここで、挿入フレームとは、試験制御部812が作成し、試験制御部812が出力スケジューラ808に挿入する試験フレーム38であるEther OAMフレーム、及び、OAM制御部811が作成し、OAM制御部811が出力スケジューラ808に挿入する試験フレーム38以外のEther OAMフレームである。
入出力回線インタフェース801(出力ポート)は、出力フレームから装置内ヘッダ5を除去した後、出力フレームを他の装置へ転送する。
OAM制御部811は、入力ヘッダ処理部802から受信した試験フレーム38以外のEther OAMフレームを終端する、又は、各スケジューラに対して挿入する。試験制御部812は、入力ヘッダ処理部802から受信した試験フレーム38の終端処理を実行する、受信した試験フレームを各スケジューラに折返す、又は、試験フレームを各スケジューラに対して挿入する。ただし、第1の実施形態では、ユーザアクセス装置30に備わる試験制御部812は、受信した試験フレームを終端させることなく、各スケジューラに対して折返すのみである。
ノード管理部815は、キャリア管理網32と接続され、各NIF800に備わるNIF管理部813を制御する。NIF管理部813は、設定レジスタ814を制御する。設定レジスタ814は、後述する各レジスタ値を設定する。
以下に、試験制御部812が実行する試験フレーム挿入処理(S900)について説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの挿入処理を示すフローチャートである。
はじめに、あるNIF800(例えば、NIF800−1)の試験制御部812は、設定レジスタ814に設定された挿入試験開始フラグを検出した後、試験フレーム挿入処理41を開始する(S901)。なお、試験フレームの挿入試験開始は、キャリア管理網32からノード管理部815を介して指示される。
次に、試験制御部812は、試験フレーム38を送出する場合には、帯域処理のために設定レジスタ814のレジスタ値によって設定された試験フレーム38のフレーム長に相当するトークンバケツを初期化する(S902)。トークンバケツを初期化した後、試験制御部812は、フレーム作成処理を実行する(S1000)。フレーム作成処理(S1000)については、図8を用いて後述する。また、試験制御部812は、作成された試験フレーム38に装置内ヘッダ5を付加する。
次に、試験制御部812は、レジスタ値に設定されたスケジューラへの挿入方向に基づいて、試験フレーム38のスケジューラへの挿入方向がEgress方向、又は、Ingress方向のどちらであるのかを判定する(S903)。
ここで、Egress方向とは、例えば、NIF800−1において、試験制御部812によって作成された試験フレーム38が出力スケジューラ808に挿入され、入出力回線インタフェース(出力ポート)801へ転送される方向である。また、Ingress方向とは、例えば、NIF800−1において、試験制御部812によって作成された試験フレーム38が入力スケジューラ804に挿入され、SWインタフェース805に転送される方向である。なお、SWインタフェース805に転送された試験フレーム38は、スイッチ部810によって、NIF800−1とは別のネットワークインタフェースボード(例えば、NIF800−N)に転送され、NIF800−Nの出力スケジューラ808を介して、入出力回線インタフェース(出力ポート)801から接続先の装置へ転送される。
S903において、スケジューラへの挿入方向がEgress方向(試験制御部812から出力ポート801への方向)であると判定された場合には、試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づき、装置内ヘッダ5の受信ポートID52及び受信NIF ID53に設定値を記載する(S904−1)。
次に、試験制御部812は、帯域制御処理を実行する(S1100−1)。帯域制御処理(S1100−1及びS1100−2)については、図9を用いて後述する。
次に、試験制御部812は、出力スケジューラ808に試験フレーム38を挿入する(S906−1)。次に、試験制御部812は、挿入したフレーム数をカウントする(S907)。
一方、S903において、スケジューラへの挿入方向がIngress方向(試験制御部812からSWインタフェース805への方向)であると判定された場合には、試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づき、装置内ヘッダ5の受信ポートID52及び受信NIF ID53に設定値を記載する(S904−2)。
次に、試験制御部812は、帯域制御処理を実行し(S1101−2)、入力スケジューラ804に試験フレーム38を挿入し(S906−2)、挿入したフレーム数をカウントする(S907)。
なお、入力スケジューラ804から転送された試験フレーム38を受信したSWインタフェース805は、受信した試験フレーム38をスイッチ部810に転送する。ここで、スイッチ部810は、例えば、フレーム転送テーブル(図示省略)によって、試験フレーム38を転送する出力NIF及び出力ポートを特定し、特定された出力ポートに対応するNIF(例えば、NIF800−N)のSWインタフェース805に試験フレーム38を転送してもよい。
S907の後、試験制御部812は、設定レジスタ814によって設定される挿入試験開始フラグが「1」であるか否かを判定する(S908)。
S908において、挿入試験開始フラグが「0」であると判定された場合、すなわち、キャリア管理網32から挿入試験の終了が指示された場合には、試験フレーム挿入の処理を終了する(S910)。
一方、S908において、挿入試験開始フラグが「1」であると判定された場合、すなわち、挿入試験が継続されている場合には、試験制御部812は、次に、挿入したフレーム数があらかじめレジスタ値によって設定されたフレーム数と等しいか否かを判定する(S909)。
S909において、挿入したフレーム数と設定フレーム数とが等しくないと判定された場合には、試験制御部812は、S1000の処理に戻り、設定されたフレーム数を挿入し終わるまで、S1000からS907までの処理を繰り返す。
一方、S909において、挿入したフレーム数と設定フレーム数とが等しいと判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム挿入の処理を終了する(S910)。
次に、図7に示した試験フレーム作成処理(S1000)について、図8を用いて説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの作成処理を示すフローチャートである。
試験制御部812は、挿入試験開始フラグを検出した後、試験フレームの作成処理を開始する(S1001)。試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づいて、装置内ヘッダ5のフレーム長54に設定値を記載する。また、試験フレーム38の宛先MACアドレス61、送信元MACアドレス62、VLAN ID63及びイーサタイプ値64に設定値を記載する。
さらに、試験制御部812は、設定されたレジスタ値に基づいて、ペイロード65のMEGレベル701に設定値を記載し、OpCode703に試験フレーム38がVSM(VSP Message)を含むことを示す「51」を記載する。なお、宛先MACアドレス61を作成するレジスタ値には、マルチキャストアドレスが設定される。また、MEGレベル701を作成するレジスタ値には、「EtE MEGレベル36−1」が設定される。
また、試験制御部812は、シーケンス番号708及びタイムスタンプ709にハードウェアのカウンタ値によって作成した値を記載する。その他の領域には、レジスタ値又はハード固定値から作成された値が記載される(S1002)。試験制御部812は、処理を終了する(S1003)。
次に、図7に示した帯域制御処理(S1100−1及びS1100−2)について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第1の実施形態の試験制御部が実行する帯域制御処理を示すフローチャートである。
試験制御部812は、帯域制御処理を開始する(S1101)と、トークンを用いて入力スケジューラ804又は出力スケジューラ808に対し、フレーム挿入を要求するタイミングを決定する。
まず、試験制御部812は、トークンバケツに蓄積されたトークンが試験フレーム38のフレーム長分以上であるか否かを判定する(S1103)。S1103において、トークンが設定されたフレーム長以上でないと判定された場合には、試験制御部812は、トークンを加算し(S1102)、S1103の処理に戻る。S1102において、トークンは1クロック毎に加算される。
S1103において、トークンが設定されたフレーム長以上であると判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム38の挿入処理を入力スケジューラ804又は出力スケジューラ808に要求し、トークンバケツに蓄積されたトークンから、試験フレーム38のフレーム長に相当するトークンを減算し(S1104)、処理を終了する(S1105)。
以下に、各ノード(中継装置又はユーザアクセス装置)の入力ヘッダ処理部802におけるペイロード解析処理(S1200)について説明する。
図10は、本発明の第1の実施形態の入力ヘッダ処理部が実行するペイロード解析処理を示すフローチャートである。
入力ヘッダ処理部802は、入力フレームのイーサタイプ値64の値に基づいて、入力フレームがEther OAMフレームであると判定すると、入力フレームのペイロード解析処理を開始する(S1201)。次に、入力ヘッダ処理部802は、設定レジスタ814によって設定されたレジスタ値に基づいて、MEP動作設定が有効であるのか又は無効であるのかを判定する(S1202)。なお、MEP動作設定は、転送経路39に含まれる各ノードにおいて、試験フレームの折返し処理及び終端処理を実行する試験制御部
812を備えるNIFの設定レジスタ814に設定される。例えば、試験終点である中継装置31に備わるNIF800であっても、試験フレーム38を終端する処理に関係しないNIF800にはMEP動作設定は設定されない。
S1202において、MEP動作設定が有効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、Ether OAMフレームである入力フレームのペイロード65からMEGレベル701及びOpCode703を取得する(S1203)。
次に、入力ヘッダ処理部802は、取得した入力フレームのMEGレベル701と自装置に設定されているMEGレベルとを比較し、入力フレームのMEGレベル701が自装置のMEGレベル以下であるかを判定する(S1204)。
なお、各ノードは、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルと同じ場合には、入力フレームを自装置で終端させるか、又は、折返す。また、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルよりも高い場合には、入力OAMフレームを透過する。また、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルよりも低い場合には、入力フレームは異常OAMフレームであるため、入力フレームを廃棄する。
S1204において、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベル以下であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも低いか否かを判定する(S1205)。
S1205において、MEGレベル701が自装置のMEGレベルよりも低いと判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力されたEther OAMフレームを廃棄し(S1206)、ペイロード解析の処理を終了する(S1213)。
一方、S1205において、MEGレベル701が自装置のMEGレベルよりも小さくないと判定された場合、すなわち、MEGレベル701が自装置のMEGレベルと同じ場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームから取得したOpCode703の値を参照し、OpCode703の値が「51」であるか否かを判定する(S1207)。
S1207において、OpCode703が「51」でないと判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38ではない他のEther OAMフレームである場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをOAM制御部811へ転送し(S1208)、処理を終了する(S1213)。
一方、S1207において、OpCode703が「51」であると判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38である場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームを試験制御部812へ転送し(S1211)、処理を終了する(S1213)。
S1204において、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも高いと判定された場合には、次に、入力ヘッダ処理部802は、設定レジスタ814によって設定されたレジスタ値に基づいて、VSPフィルタ設定が有効であるか又は無効であるかを判定する(S1209)。ここで、VSPフィルタとは、入力フレームがVSPのメッセージ形式に準拠したフォーマットに一致するか否かを判定する一致フィルタである。第1の実施形態においては、このVSPフィルタを用いることによって、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも高い場合であっても入力フレームが透過することなく、ノード(例えば、中継装置31−1)はVSPフィルタによって抽出された入力フレーム(試験フレーム38−6)を終端させることができる。
ここで、VSPフィルタ設定は、試験開始点である中継装置31−1のNIF800に設定される。例えば、試験開始点である中継装置31−1のNIF800において、試験フレーム38がEgress方向でアクセス装置30−1に送出された場合には、アクセス装置30−1から折り返された試験フレーム38をIngress方向から受信する入力ヘッダ処理部802のVSPフィルタ設定は、無効とする。入力ヘッダ処理部802は、VSPフィルタ設定に基づき、受信した試験フレーム38(入力フレーム)を透過させ、入力フレームバッファ803に格納する。
一方、アクセス装置30−2から折り返された試験フレーム38を、スイッチ部810を介して、Egress方向から受信する出力ヘッダ処理部806のVSPフィルタ設定は、有効とする。出力ヘッダ処理部806は、VSPフィルタ設定に基づいて、受信した試験フレーム38(出力フレーム)を試験制御部812へ転送する。試験制御部812は、受信した試験フレーム38(出力フレーム)を終端する。これによって、試験開始点となるNIF800は、VSPフィルタ設定に基づき、周回した試験フレームを、試験開始点であるNIF800において終端させることができる。
S1209において、VSPフィルタ設定が有効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、入力フレームのフォーマットがVSPフィルタ809−1に設定されたフォーマットと一致するか否かを判定する(S1210)。
S1210において、入力フレームがVSPフィルタ809−1に設定されたフォーマットと一致すると判定された場合、すなわち、入力フレームがこのノードにおいて終端すべき試験フレーム38−6である場合には、入力ヘッダ処理部802は、試験制御部812へ入力フレームを転送し(S1211)、処理を終了する(S1213)。
なお、S1211の後、試験制御部812は、受信した入力フレームを終端させるか、又は、折り返す。試験制御部812の試験フレーム受信処理(S1300)については、図11を用いて後述する。
一方、S1210において、入力フレームがVSPフィルタ809−1に設定されたフォーマットと一致しないと判定された場合、すなわち、入力フレームが透過すべきEther OAMフレームである場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームを入力フレームバッファ803へ格納し(S1212)、処理を終了する(S1213)。
また、S1209において、VSPフィルタ設定が無効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームを入力フレームバッファ803へ格納し(S1212)、処理を終了する(S1213)。
また、S1202において、MEP動作設定が無効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームを入力フレームバッファ803へ格納し(S1212)、処理を終了する(S1213)。
なお、S1212の後、入力フレームは、入力スケジューラ804によって読み出され、SWインタフェース805を介して、スイッチ部810に転送される。スイッチ部810は、受信した入力フレームを出力フレームとして、転送先のNIF800のSWインタフェース805に転送する。ここで、出力フレームを受信した出力ヘッダ処理部806は、MEP動作設定が有効となっている場合には、入力ヘッダ処理部802の代わりに、ペイロード解析処理(S1200)を実行してもよい。ここで、S1209においてVSPフィルタ設定が有効である場合、すなわち、出力フレームが終端させるべき試験フレーム38であった場合には、出力ヘッダ処理部806は、出力フレームを試験制御部812に転送する(S1211)。
以下に、中継装置31又はユーザアクセス装置30の試験制御部812の試験フレーム受信処理(S1300)について説明する。
図11は、本発明の第1の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの受信処理を示すフローチャートである。
中継装置31の試験制御部812は、試験フレーム38を受信した(S1301)後、設定レジスタによって折返し設定がされているか否かを判定する(S1302)。
S1302において、折返し設定がされていると判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム折返し処理を実行し(S1400)、処理を終了する(S1305)。
一方、S1302において、折返し設定がされていないと判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム終端処理を実行し(S1500)、処理を終了する(S1305)。
なお、第1の実施形態では、ある中継装置31を試験開始点として、End−Endの管理区間の導通特性試験が実行されるので、中継装置31の試験制御部812は、試験フレーム折返し処理(S1400)を実行しない。ただし、中継装置31の試験制御部812は試験フレームを折返すこともできるため、キャリア管理網32からの指示に応じて、中継装置31は、各中継装置31の間を転送経路として、又は、中継装置31と一方のユーザアクセス装置30との間を転送経路として、導通特性試験を実行してもよい。
また、ユーザアクセス装置30は、中継装置31と同じ構成であってもよいが、第1の実施形態ではユーザアクセス装置30が試験開始点となることはないので、ユーザアクセス装置30の試験制御部812は、受信した試験フレーム38を終端させる必要はなく、受信した試験フレーム38を折返すのみでよい。以下に、ユーザアクセス装置30の試験制御部812が実行する試験フレーム受信処理(S2300)について説明する。
図21は、本発明の第1の実施形態のユーザアクセス装置の試験制御部が実行する試験フレームの受信処理を示すフローチャートである。
ユーザアクセス装置30の試験制御部812は、試験フレーム38を受信した(S2301)後、試験フレーム折返し処理を実行し(S1400)、処理を終了する(S2302)。なお、ユーザアクセス装置30の試験制御部812が実行する試験フレーム折返し処理(S1400)の詳細は、後述する図12に示す試験フレーム折返し処理と同じである。
以下に、図21(又は図11)に示したユーザアクセス装置30(又は中継装置31)の試験制御部812が実行する試験フレーム折返し処理(S1400)について説明する。
図12は、本発明の第1の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの折返し処理を示すフローチャートである。
ユーザアクセス装置30(又は中継装置31)の試験制御部812は、受信した試験フレーム38の折返し処理を開始する(S1401)。
まず、試験制御部812は、試験フレーム38の受信方向(Ingress方向又はEgress方向)がレジスタ値によって設定された取込み設定方向(Ingress方向又はEgress方向)と一致し、かつ、装置内ヘッダ5の受信ポートID52がレジスタ値によって設定された取込みのポートの識別子(ID)と一致するか否かを判定する(S1402)。
S1402において、試験フレーム38の受信方向が取込み設定方向と一致し、かつ、装置内ヘッダ5の受信ポートID52が取込みのポートの識別子(ID)と一致していると判定された場合には、試験制御部812は、次に、宛先MACアドレス61がマルチキャストアドレスであるか否かを判定する(S1403)。
S1403において、宛先MACアドレス61がマルチキャストアドレスでないと判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム38から送信元MACアドレス62を取得し(S1404)、取得した送信元MACアドレスによって宛先MACアドレス61を上書きし(S1405)、レジスタ値に設定されたMACアドレスによって送信元MACアドレス62を上書きする(S1406)。
一方、S1403において、宛先MACアドレス61がマルチキャストアドレスであると判定された場合には、試験制御部812は、宛先MACアドレス61を上書きすることなく、レジスタ値に設定されたMACアドレスによって送信元MACアドレス62のみを上書きする(S1406)。
S1406の後、試験制御部812は、設定されたレジスタ値に基づいて、試験フレーム38のスケジューラへの挿入方向がEgress方向又はIngress方向であるのかを判定する(S1407)。
S1407において、挿入方向がEgress方向であると判定された場合には、試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づき、装置内ヘッダ5の受信ポートID52及び受信NIF ID53に設定値を記載する(S1408−1)。次に、試験制御部812は、出力スケジューラ808に試験フレーム38を挿入し(S1409−1)、処理を終了する(S1411)。
一方、S1407において、挿入方向がIngress方向であると判定された場合には、試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づき、装置内ヘッダ5の受信ポートID52及び受信NIF ID53に設定値を記載する(S1408−2)。次に、試験制御部812は、入力スケジューラ804に試験フレーム38を挿入し(S1409−2)、処理を終了する(S1411)。
S1402において、試験フレーム38の受信方向が取込み設定方向と一致しない、又は、装置内ヘッダ5の受信ポートID52が取込みのポートの識別子(ID)と一致しないと判定された場合には、試験制御部812は、受信したフレームを廃棄し(S1410)、試験フレームの折返し処理を終了する(S1411)。
以下に、図11に示した中継装置31の試験制御部812が実行する試験フレーム終端処理(S1500)について説明する。
図13は、本発明の第1の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの終端処理を示すフローチャートである。
中継装置31の試験制御部812は、受信した試験フレーム38の終端処理を開始する(S1501)。
まず、試験制御部812は、試験フレーム38の受信方向(Ingress方向又はEgress方向)がレジスタ値によって設定された取込み設定方向(Ingress方向又はEgress方向)と一致し、かつ、装置内ヘッダ5の受信ポートID52がレジスタ値によって設定された取込みのポートの識別子(ID)と一致するか否かを判定する(S1502)。
S1502において、試験フレーム38の受信方向が取込み設定方向と一致し、かつ、装置内ヘッダ5の受信ポートID52が取込みのポートの識別子(ID)と一致していると判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム38のペイロードから、シーケンス番号708及びタイムスタンプ709を取得する(S1503)。
次に、試験制御部812は、取得したシーケンス番号708と、試験制御部812が期待するシーケンス番号とを比較することによって、フレームロス数を計測する(S1504)。S1504の後、試験制御部812は、期待するシーケンス番号を更新する(S1505)。
次に、試験制御部812は、取得したタイムスタンプ709と試験制御部812の現在時刻とを比較することによって、遅延時間を計測する(S1506)。
試験制御部812は、導通特性試験の情報であるフレームロス数及び遅延時間を計測した後、処理を終了する(S1508)。
S1502において、試験フレーム38の受信方向が取込み設定方向と一致しない、又は、装置内ヘッダ5の受信ポートID52が取込みのポートの識別子(ID)と一致しないと判定された場合には、試験制御部812は、受信した試験フレーム38を廃棄し(S1507)、試験フレームの終端処理を終了する(S1508)。
以上説明したように、第1の実施形態によれば、ユーザアクセス装置が高度な試験機能を備えることなく、中継装置は、対向するユーザアクセス装置の間の導通特性試験を実行することができる。また、Ether OAMの試験フレームを利用して、スループットと遅延時間とを同時に測定することができるため、試験を簡略化することができる。これによって、測定に要する人的及び時間的コスト並びにシステム全体の装置に要するコストを抑えることができ、安価で信頼性の高い専用線サービスを提供することができる。
<実施形態2>
以下、本発明の第2の実施形態について図14から図16を用いて説明する。
第1の実施形態では、中継装置31は、試験フレーム38に自装置に設定されたMEGレベルよりも高いMEGレベルを付与した。第2の実施形態では、中継装置31は、試験フレーム38に、自装置に設定されたMEGレベルと同じMEGレベルを付与する。この場合、中継装置31は、透過フラグ設定に基づいて、転送された試験フレーム38を透過する。
図14は、本発明の第2の実施形態の試験フレームのペイロードのフォーマットを示す説明図である。
第2の実施形態のペイロードは、図5に示す第1の実施形態のペイロードと、透過フラグ1601を含む点で異なる。これによって、受信した試験フレーム38のMEGレベル701が自装置で終端すべき値を示していた場合であっても、中継装置31は透過フラグ設定及び透過フラグ1601の値に従って、試験フレーム38を透過させる。なお、中継装置31の構成は、図6に示した第1の実施形態における中継装置31の構成と同じである。
以下に、第2の実施形態における試験フレーム作成処理(S1700)及びペイロード解析処理(S1800)について、それぞれ図15、図16を用いて説明する。
図15は、本発明の第2の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの作成処理を示すフローチャートである。
試験制御部812は、挿入試験開始フラグを検出した後、試験フレームの作成処理を開始する(S1701)。試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づいて、装置内ヘッダ5のフレーム長54に設定値を記載する。また、試験フレーム38の宛先MACアドレス61、送信元MACアドレス62、VLAN ID63及びイーサタイプ値64に設定値を記載する。さらに、試験制御部812は、設定されたレジスタ値に基づいて、ペイロード65のMEGレベル701に設定値を記載し、OpCode703に試験フレーム38がVSM(VSP Message)を含むことを示す「51」を記載する。さらに、試験制御部812は、レジスタ値に基づいて、透過フラグ1601に設定値を記載する。また、試験制御部812は、シーケンス番号708及びタイムスタンプ709にハードカウンタ値によって作成された値を記載し(S1702)、処理を終了する(S1703)。この場合、宛先MACアドレス61を作成するレジスタ値には、マルチキャストアドレスが設定され、MEGレベル701を作成するレジスタ値には、「セクションMEGレベル36−2」が設定され、透過フラグを作成するレジスタ値には、「1」が設定される。その他の領域には、レジスタ値又はハード固定値から作成された値が記載される。
図16は、本発明の第2の実施形態の入力ヘッダ処理部が実行するペイロード解析処理を示すフローチャートである。
入力ヘッダ処理部802は、入力フレームのイーサタイプ値64の値に基づいて、入力フレームがEther OAMフレームであると判定すると、入力フレームのペイロード解析処理を開始する(S1801)。次に、入力ヘッダ処理部802は、設定レジスタ814によって設定されたレジスタ値に基づいて、MEP動作設定が有効であるのか又は無効であるのかを判定する(S1802)。
S1802において、MEP動作設定が有効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームのペイロード65からMEGレベル701及びOpCode703を取得する(S1803)。
次に、入力ヘッダ処理部802は、取得した入力フレームのMEGレベル701と自装置に設定されているMEGレベルとを比較し、入力フレームのMEGレベル701が自装置のMEGレベル以下であるかを判定する(S1804)。
なお、各ノードは、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルと同じ場合には、入力フレームを自装置で終端させるか、又は、折返す。また、入力レームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルよりも高い場合には、入力フレームを透過する。また、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルよりも低い場合には、入力フレームは異常OAMフレームであるため、入力フレームを廃棄する。
S1804において、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベル以下であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも低いか否かを判定する(S1805)。
S1805において、MEGレベル701が自装置のMEGレベルよりも低いと判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームを廃棄し(S1806)、ペイロード解析の処理を終了する(S1813)。
一方、S1805において、MEGレベル701が自装置のMEGレベルよりも小さくないと判定された場合、すなわち、MEGレベル701が自装置のMEGレベルと同じ場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力されたEther OAMフレームから取得したOpCode703の値を参照し、OpCode703の値が「51」であるか否かを判定する(S1807)。
S1807において、OpCode703が「51」でないと判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38ではない他のEther OAMフレームである場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをOAM制御部811へ転送し(S1808)、処理を終了する(S1813)。
一方、S1207において、OpCode703が「51」であると判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38である場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、レジスタ値に基づいて、透過フラグ設定が有効であるか又は無効であるかを判定する(S1809)。
なお、Ether OAMでは、Ether OAMフレームのMEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルと同じである場合には、中継装置31は、受信したEther OAMフレームを終端させるか、又は、折返す必要がある。そこで、第2の実施形態では、中継装置31は、透過フラグ設定によって、試験フレーム38を透過させる。
ここで、透過フラグ設定は、転送経路39のノードとなる中継装置31のNIF800に設定される。例えば、試験開始点である中継装置31−1のNIF800において、試験フレーム38がEgress方向でアクセス装置30−1に送出された場合には、アクセス装置30−1から折り返された試験フレーム38をIngress方向から受信する入力ヘッダ処理部802の透過フラグ設定は、有効とする。入力ヘッダ処理部802は、透過フラグ設定に基づき、受信した試験フレーム38(入力フレーム)を透過させ、入力フレームバッファ803に格納する。
一方、アクセス装置30−2から折り返された試験フレーム38を、スイッチ部810を介して、Egress方向から受信する出力ヘッダ処理部806の透過フラグ設定は、無効とする。出力ヘッダ処理部806は、透過フラグ設定に基づいて、受信した試験フレーム38(出力フレーム)を試験制御部812へ転送する。試験制御部812は、受信した試験フレーム38(出力フレーム)を終端する。これによって、試験開始点となるNIF800は、透過フラグ設定に基づき、周回した試験フレームを、試験開始点であるNIF800において終端させることができる。
S1809において、透過フラグ設定が無効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、試験フレーム38を試験制御部812へ転送し(S1810)、処理を終了する(S1813)。なお、試験制御部812は、受信した試験フレーム38について、折返し処理(S1400)又は終端処理(S1500)を実行する。
一方、S1809において、透過フラグ設定が有効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、透過フラグ1601が「1」であるか否かを判定する(S1811)。
S1811において、透過フラグ1601が「0」であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、試験制御部812へ試験フレーム38を転送し(S1810)、処理を終了する(S1813)。
一方、S1811において、透過フラグ1601が「1」であると判定された場合、すなわち、試験フレーム38が透過すべき試験フレーム(38−2、38−3、38−5)である場合には、入力ヘッダ処理部802は、試験フレーム38をそのまま入力フレームバッファ803へ格納し(S1812)、処理を終了する(S1813)。
また、S1802において、MEP動作設定が無効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、以降のペイロード解析処理を実行せず、試験フレーム38をそのまま入力フレームバッファ803へ格納し(S1812)、処理を終了する(S1813)。この場合、例えば、試験フレーム38(入力フレーム)をIngress方向から受信した入力ヘッダ処理部802の代わりに、試験フレーム38(出力フレーム)をEgress方向から受信した出力ヘッダ処理部806がペイロード解析処理(S1800)を実行してもよい。
具体的には、S1812の後、入力フレームは、入力スケジューラ804によって読み出され、SWインタフェース805を介して、スイッチ部810に転送される。スイッチ部810は、受信した入力フレームを出力フレームとして、転送先のNIF800のSWインタフェース805に転送する。ここで、出力フレームをEgress方向から受信した出力ヘッダ処理部806は、MEP動作設定が有効となっている場合には、入力ヘッダ処理部802の代わりに、ペイロード解析処理(S1800)を実行してもよい。ここで、S1809において透過フラグ設定が無効である場合、すなわち、出力フレームが終端させるべき試験フレーム38であった場合には、出力ヘッダ処理部806は、出力フレームを試験制御部812に転送する(S1810)。
なお、試験制御部812が試験フレーム38を終端させる処理又は折り返す処理については、第1の実施形態の図11から図13に示した処理と同じである。
以上説明したように、第2の実施形態によれば、中継装置31は、試験フレーム38に付与されたMEGレベルが自装置に設定されたMEGレベルと同じ場合であっても、透過フラグ設定によって、試験フレーム38を終端させることができる。これによって、第1の実施形態の効果と同様に、ユーザアクセス装置が高度な試験機能を備えることなく、中継装置は、対向するユーザアクセス装置の間の導通特性試験を実行することができる。また、Ether OAMの試験フレームを利用して、スループットと遅延時間とを同時に測定することができるため、試験を簡略化することができる。これによって、測定に要する人的及び時間的コスト並びにシステム全体の装置に要するコストを抑えることができ、安価で信頼性の高い専用線サービスを提供することができる。
<実施形態3>
以下、本発明の第3の実施形態について、図17から図20を用いて説明する。
第1の実施形態では、中継装置31はVSPフィルタ809を備え、これによって、自装置に設定されたMEGレベルよりも高いMEGレベルが付与された試験フレーム38を終端した。第3の実施形態では、中継装置31は、試験フレーム38に含まれるTTL(Time To Live)に基づいて、試験フレーム38を終端させる。
図17は、本発明の第3の実施形態の試験フレームのペイロードのフォーマットを示す説明図である。
第3の実施形態の試験フレーム38のペイロードは、図5に示す第1の実施形態の試験フレーム38のペイロードのフォーマットとは、TTL1901を含む点で異なる。受信した試験フレーム38のMEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも高い場合であっても、中継装置31は、TTL(Time To Live)によって、VSPフィルタを用いることなく、試験フレーム38を終端させることができる。以下に、第3の実施形態における試験フレーム作成処理(S2000)、ペイロード解析処理(S2100)及び試験フレーム折返し処理(S2200)について説明する。
図18は、本発明の第3の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの作成処理を示すフローチャートである。
試験制御部812は、挿入試験開始フラグを検出した後、試験フレームの作成処理を開始する(S2101)。試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づいて、装置内ヘッダ5のフレーム長54に設定値を記載する。また、試験フレーム38の宛先MACアドレス61、送信元MACアドレス62、VLAN ID63及びイーサタイプ値64に設定値を記載する。さらに、試験制御部812は、設定されたレジスタ値に基づいて、ペイロード65のMEGレベル701に設定値を記載し、OpCode703に試験フレーム38がVSM(VSP Message)を含むことを示す「51」を記載し、TTL1901に設定値を記載する。また、試験制御部812は、シーケンス番号708及びタイムスタンプ709にハードカウンタ値によって作成された値を記載し、その他のペイロードにはレジスタ値やハード固定値から作成した値を記載し(S2002)、処理を終了する(S2003)。
なお、試験制御部812は、宛先MACアドレス61を作成するレジスタ値にマルチキャストアドレスを設定してもよい。また、試験制御部812は、MEGレベル701を作成するレジスタ値に「EtE MEGレベル36−1」を設定する。また、試験制御部812は、試験フレーム38が試験終点である中継装置31に転送される時に、TTLの値が「0」になるように値を計算し、計算した値を、TTLを作成するレジスタ値に設定する。
例えば、図1に示した転送経路39の場合には、試験開始点であるノード(中継装置31−1)から送出された試験フレーム38は、試験開始点に戻るまでに、ノードを「5回」経由する。したがって、試験フレーム38の作成処理において、TTL1901の値を「5」を設定する。これによって、試験終点(試験開始点)である中継装置31は、TTL1901の値が「0」となった試験フレーム38を受信し、この試験フレーム38が終端すべきフレームであることと判定することができる。
図19は、本発明の第3の実施形態の入力ヘッダ処理部が実行するペイロード解析処理を示すフローチャートである。
なお、入力ヘッダ処理部802の代わりに、出力ヘッダ処理部806がペイロード解析処理(S2100)を実行してもよい。
入力ヘッダ処理部802は、入力フレームのイーサタイプ値64の値に基づいて、入力フレームがEther OAMフレームであることを確認すると、入力フレームのペイロード解析処理を開始する(S2101)。次に、入力ヘッダ処理部802は、設定レジスタ814によって設定されたレジスタ値に基づいて、MEP動作設定が有効であるのか又は無効であるのかを判定する(S2102)。S2102において、MEP動作設定が有効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレーム(Ether OAMフレーム)のペイロード65からMEGレベル701及びOpCode703を取得する(S2103)。
次に、入力ヘッダ処理部802は、取得した入力フレームのMEGレベル701と自装置に設定されているMEGレベルとを比較し、入力フレームのMEGレベル701が自装置のMEGレベル以下であるかを判定する(S2104)。
なお、各中継装置31は、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルと同じ場合には、入力フレームを自装置で終端させるか、又は、折返す。また、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルよりも高い場合には、入力フレームを透過する。また、入力フレームのMEGレベルが自装置に設定されているMEGレベルよりも低い場合には、入力フレームは異常OAMフレームであるため、入力フレームを廃棄する。
S2104において、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベル以下であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも低いか否かを判定する(S2105)。
S2105において、MEGレベル701が自装置のMEGレベルよりも低いと判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力されたEther OAMフレームを廃棄し(S2106)、処理を終了する(S2115)。
一方、S2105において、MEGレベル701が自装置のMEGレベルよりも低くないと判定された場合、すなわち、MEGレベル701が自装置のMEGレベルと同じ場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力されたEther OAMフレームから取得したOpCode703の値を参照し、OpCode703の値が「51」であるか否かを判定する(S2107)。
S2107において、OpCode703が「51」でないと判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38ではない他のEther OAMフレームである場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをOAM制御部811へ転送し(S2108)、処理を終了する(S2115)。
一方、2107において、OpCode703が「51」であると判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38である場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームを試験制御部812へ転送し(S2109)、処理を終了する(S2115)。
S2104において、MEGレベル701が自装置に設定されているMEGレベルよりも高いと判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、次に、入力フレームから取得したOpCode703の値が「51」であるか否かを判定する(S2110)。
S2110において、OpCode703が「51」であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、VSPペイロードのTTL1901に記載されたTTLの値を取得し(S2111)、取得したTTLの値が「0」であるか否かを判定する(S2112)。
S2112において、TTLの値が「0」であると判定された場合、すなわち、試験フレーム38が終端すべき試験フレーム38−6である場合には、入力ヘッダ処理部802は、試験フレーム38を試験制御部812へ転送し(S2109)、処理を終了する(S2115)。
一方、S2112において、TTLが「0」でないと判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、TTL1901に記載されたTTLの値から1を減算して、TTL1901を上書きし(S2113)、入力フレームを入力フレームバッファ803へ格納し(S2114)、処理を終了する(S2115)。
また、S2110において、OpCode703が「51」でないと判定された場合、すなわち、入力フレームが試験フレーム38でない他のEther OAMフレームである場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをそのまま入力フレームバッファ803へ格納し(S2114)、処理を終了する(S2115)。
また、S2102において、MEP動作設定が無効であると判定された場合には、入力ヘッダ処理部802は、入力フレームをそのまま入力フレームバッファ803へ格納し(S2114)、処理を終了する(S2115)。
以下に、試験制御部812が試験フレーム38を折り返す処理(S2200)について説明する。
図20は、本発明の第3の実施形態の試験制御部が実行する試験フレームの折返し処理を示すフローチャートである。
第3の実施形態における試験フレーム折返し処理(S2200)は、図12に示した第1の実施形態の試験フレーム折返し処理(S1400)と、TTLの処理を含む点で異なる。
試験制御部812は、試験フレーム38の受信方向(Ingress方向又はEgress方向)がレジスタ値によって設定された取込み設定方向(Ingress方向又はEgress方向)と一致し、かつ、装置内ヘッダ5の受信ポートID52がレジスタ値によって設定された取込みのポートの識別子(ID)と一致するか否かを判定する(S2202)。
S2202において、試験フレーム38の受信方向が取込み設定方向と一致し、かつ、装置内ヘッダ5の受信ポートID52が取込みのポートの識別子(ID)と一致していると判定された場合には、試験制御部812は、次に、宛先MACアドレス61がマルチキャストアドレスであるか否かを判定する(S2203)。
S2203において、宛先MACアドレス61がマルチキャストアドレスでないと判定された場合には、試験制御部812は、試験フレーム38から送信元MACアドレス62を取得し(S2204)、取得した送信元MACアドレスによって宛先MACアドレス61を上書きし(S2205)、レジスタ値に設定されたMACアドレスによって送信元MACアドレス62を上書きする(S2206)。
一方、S2203において、宛先MACアドレス61がマルチキャストアドレスであると判定された場合には、試験制御部812は、宛先MACアドレス61を上書きすることなく、レジスタ値に設定されたMACアドレスによって送信元MACアドレス62のみを上書きする(S2206)。
S2206の後、試験制御部812は、ペイロードのTTL1901からTTLの値を取得し、取得したTTLの値から1を減算して、TTL1901を上書きする(S2207)。
次に、試験制御部812は、設定されたレジスタ値に基づいて、試験フレーム38のスケジューラへの挿入方向がEgress方向又はIngress方向であるのかを判定する(S2208)。
S2208において、挿入方向がEgress方向であると判定された場合には、試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づき、装置内ヘッダ5の受信ポートID52及び受信NIF ID53に設定値を記載する(S2209−1)。次に、試験制御部812は、出力スケジューラ808に試験フレーム38を挿入し(S2210−1)、処理を終了する(S2212)。
一方、S2208において、挿入方向がIngress方向であると判定された場合には、試験制御部812は、設定レジスタ814に設定されたレジスタ値に基づき、装置内ヘッダ5の受信ポートID52及び受信NIF ID53に設定値を記載する(S2209−2)。次に、試験制御部812は、入力スケジューラ804に試験フレーム38を挿入し(S2210−2)、処理を終了する(S2212)。
S2202において、試験フレーム38の受信方向が取込み設定方向と一致しない、又は、装置内ヘッダ5の受信ポートID52が取込みのポートの識別子(ID)と一致しないと判定された場合には、試験制御部812は、受信したフレームを廃棄し(S2211)、処理を終了する(S2212)。
以上説明したように、第3の実施形態によれば、中継装置31は、VSPフィルタを用いることなく、試験フレーム38を終端させることができる。これによって、第1の実施形態の効果と同様に、ユーザアクセス装置が高度な試験機能を備えることなく、中継装置は、対向するユーザアクセス装置の間の導通特性試験を実行することができる。また、Ether OAMの試験フレームを利用して、スループットと遅延時間とを同時に測定することができるため、試験を簡略化することができる。これによって、測定に要する人的及び時間的コスト並びにシステム全体の装置に要するコストを抑えることができ、安価で信頼性の高い専用線サービスを提供することができる。