JP2010129335A - 物理気相成膜装置及び有機el装置の製造方法 - Google Patents

物理気相成膜装置及び有機el装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】スプラッシュの発生をリアルタイムで検出できるようにした物理気相成膜装置と、有機EL装置の製造方法を提供する。
【解決手段】物理気相成膜法によって被成膜体に成膜材料を成膜する物理気相成膜装置1である。真空チャンバー3と、真空チャンバー3内に設けられた成膜材料からなる成膜源4と、成膜源4から成膜材料を被成膜体2に向けて飛翔させる成膜手段5と、真空チャンバー3の外に配置されて、真空チャンバー3に設けられた透光性の窓8を透して成膜源4と被成膜体2との間に光を照射する光源10と、真空チャンバー3の外に配置されて、光源10から照射された光を直接的にまたは間接的に受光することで、成膜源4と被成膜体2との間での成膜材料の飛翔状況を観察する観察手段11と、を有してなる。
【選択図】図1

Description

本発明は、物理気相成膜装置及び有機EL装置の製造方法に関する。
物理気相成膜法の一つとして、真空蒸着法が知られている。この真空蒸着法は、例えば有機EL装置における発光層や陰極などの、薄膜の形成に好適に用いられている。
ところで、このように真空蒸着によって基板(被成膜体)に薄膜を形成する場合、るつぼ内で溶融した蒸着材料が突沸を起こし、気化することなく液状のままで飛散(飛翔)する、スプラッシュという現象を起こすことがある。このスプラッシュによって飛散するスプラッシュ粒子は、液状であることから例えば1μm前後から数μm程度の比較的大きい粒径となる。
したがって、スプラッシュを起こし、飛散したスプラッシュ粒子が基板に付着すると、形成された薄膜は、スプラッシュ粒子の付着箇所が他の部分に比べて膜厚が異常に厚くなることから、成膜欠陥となってしまう。すると、この成膜欠陥を有する薄膜は、膜本来の機能が損なわれてしまう。例えば、有機EL装置において発光層や陰極にこのような成膜欠陥が生じると、この成膜欠陥部分で発光不良が生じることがある。
従来では、このような成膜欠陥に起因する薄膜の機能低下を防止するため、例えば成膜レートを低くして成膜を行うことで、スプラッシュを防止するといったことがなされている。しかしながら、成膜レートを低くすることと生産性とは、トレードオフに関係にあり、成膜レートを低くすることで生産性が低下し、生産コストの上昇を引き起こすといった問題がある。
また、そもそもスプラッシュの原因である溶融蒸着材料の突沸は、その発生条件が十分に解明されていないことから、これを完全になくすのは困難である。したがって、たとえ成膜レートを低くして成膜を行っても、現状ではスプラッシュに起因する成膜欠陥を、確実に防止するまでには至っていないのである。
このような背景のもとに本発明者は、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出する手法について考察した。具体的には、成膜材料からなる蒸着源と基板(被成膜体)との間を観察することで、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出する手法を考察した。
しかしながら、従来の技術においては、このような視点でスプラッシュの発生を検出する手法はなく、単に、蒸着源と基板との間にレーザビームを照射し、成膜される有機材料の改質をなすといった技術が提案されているだけである(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−224417号公報
そこで、本発明者は、スプラッシュの発生を防止するのではなく、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出する手法を確立することで、成膜欠陥を防止することに想到した。すなわち、スプラッシュ等の異常の発生をリアルタイムで検出できれば、成膜条件へのフィードバックも迅速に行うことができ、結果として成膜欠陥を防止して成膜品質の向上を図ることができるからである。
本発明は前記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、成膜欠陥を防止して成膜品質の向上を可能にするべく、スプラッシュ等の異常の発生をリアルタイムで検出できるようにした物理気相成膜装置と、有機EL装置の製造方法を提供することにある。
本発明の物理気相成膜装置は、物理気相成膜法によって被成膜体に成膜材料を成膜する物理気相成膜装置であって、
真空チャンバーと、
前記真空チャンバー内に設けられた成膜材料からなる成膜源と、
前記成膜源から成膜材料を被成膜体に向けて飛翔させる成膜手段と、
前記真空チャンバーの外に配置されて、前記真空チャンバーに設けられた透光性の窓を透して前記成膜源と前記被成膜体との間に光を照射する光源と、
前記真空チャンバーの外に配置されて、前記光源から照射された光を直接的にまたは間接的に受光することで、前記成膜源と前記被成膜体との間での前記成膜材料の飛翔状況を観察する観察手段と、を有してなることを特徴としている。
この物理気相成膜装置によれば、成膜源と被成膜体との間に光を照射する光源と、成膜源と被成膜体との間での成膜材料の飛翔状況を観察する観察手段と、を有しているので、観察手段によって成膜材料の飛翔状況を観察することにより、例えばスプラッシュ粒子や、これに相当する本来の成膜材料粒子以外の粒子を確認することで、スプラッシュ等の異常の発生をリアルタイムで検出することが可能になる。
また、前記物理気相成膜装置においては、前記物理気相成膜法が、真空蒸着法であってもよい。
真空蒸着法では、溶融蒸着材料の突沸によるスプラッシュが起こるが、前述したようにスプラッシュ粒子を確認することで、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出することが可能になる。
また、前記物理気相成膜装置において、前記観察手段は、前記成膜源と前記被成膜体との間での前記成膜材料の飛翔状況を監視するカメラであってもよい。
観察手段としてカメラを用いることで、例えばスプラッシュ粒子やこれに相当する本来の成膜材料粒子以外の粒子を、その散乱光で確認することができ、これによってスプラッシュ等の異常の発生をリアルタイムで検出することが可能になる。
また、前記物理気相成膜装置において、前記光源はレーザ光であり、前記観察手段は前記レーザ光を受光するフォトディテクタであってもよい。
このようにすれば、スプラッシュ粒子やこれに相当する本来の成膜材料粒子以外の粒子が、レーザ光の光路を通過することでレーザ光を遮ることにより、フォトディテクタでレーザ光が受光されなくなる。これにより、スプラッシュ等の異常の発生をリアルタイムで検出することが可能になる。
本発明の有機EL装置の製造方法は、陽極と、該陽極上に設けられた機能層と、該機能層上に設けられた陰極と、を有する有機EL素子を備えた有機EL装置の製造方法であって、前記機能層を構成する機能膜の少なくとも一種、または前記陰極を、前記の物理気相成膜装置を用いた物理気相成膜法で成膜することを特徴としている。
この有機EL装置の製造方法によれば、前記の物理気相成膜装置を用いた物理気相成膜法で機能膜や陰極を成膜するので、成膜時にスプラッシュ等の異常が発生し際にこれをリアルタイムで検出することができ、したがってこれを成膜条件にフィードバックさせることなどで、得られる有機EL装置の成膜欠陥を防止し、成膜品質の向上を図ることができる。
以下、本発明を詳しく説明する。
図1は、本発明の物理気相成膜装置の第1実施形態を示す図であり、図1中符号1は物理気相成膜装置である。この物理気相成膜装置1は、物理気相成膜法の一つである真空蒸着法により、被成膜体となる基板2に成膜材料を成膜するもので、真空チャンバー3と、この真空チャンバー3内に設けられた成膜材料からなる蒸着源(成膜源)4と、この蒸着源4から成膜材料を前記基板2に向けて蒸発させ、飛翔させる加熱手段(成膜手段)5と、を備えたものである。
真空チャンバー3は、排気口(図示せず)に接続された配管6を介して真空ポンプ7に接続され、これによって内部が所望の真空度に減圧されるよう構成されたものである。また、この真空チャンバー3には、前記基板2や蒸着源4を出し入れするための開閉扉(図示せず)が気密に設けられており、さらに、その側壁には透光(透明)性の窓8が気密に取り付けられている。
蒸着源4は、目的とする薄膜の形成材料、すなわち成膜材料がるつぼ9内に入れられたもので、抵抗加熱式のヒータからなる加熱手段5によって加熱されるよう構成されたものである。このような構成によって蒸着源4は、加熱手段5により加熱されて溶融し、さらに真空チャンバー3内が所定の真空度に減圧されることにより、気化(蒸発)してこの蒸着源4の上方に配置された基板2に向かって飛翔し、その被成膜面に蒸着するようになっている。
なお、このように蒸着源4を加熱・減圧して気化(蒸発)させると、前述したようにその成膜レートを低く抑えても、突沸によるスプラッシュの発生が起こる。
そこで、本実施形態では、真空チャンバー3の外に、光源10と観察手段としてのカメラ11とを配置している。
光源10は、例えば可視光を照射するハロゲンランプ等からなるもので、真空チャンバー3の透光性の窓8を透して真空チャンバー3内に可視光を照射し、特に前記蒸着源4と前記基板2との間に可視光を照射するよう構成されたものである。
カメラ11は、真空チャンバー3の透光性の窓8を透して真空チャンバー3内を観察するためのもので、特に前記蒸着源4と前記基板2との間での前記成膜材料の飛翔状況を監視(観察)するためのものである。すなわち、カメラ3は、例えばCCD等の撮像素子を有して構成された公知のもので、スプラッシュが発生し、蒸着源4と基板2との間にスプラッシュ粒子Sが飛散した際に、このスプラッシュ粒子Sの散乱光を撮影し、さらに画像処理によって粒子数をカウントするようにしたものである。
そして、このカメラ11にはモニター12が接続されており、カメラ11で撮影された映像がリアルタイムに表示されるようになっている。
このような構成の物理気相蒸着装置1によって基板2の被成膜面に所望の成膜を行うには、まず、真空チャンバー3内に蒸着源4をセットするとともに、この蒸着源4の直上に、被成膜面が蒸着源4側を向くようにして基板2をセットする。
続いて、真空ポンプ7を作動させて真空チャンバー3内を所望の真空度に減圧するとともに、加熱手段5に通電してるつぼ9を加熱し、成膜材料を溶融しさらに気化(蒸発)させる。すると、成膜材料は蒸気となって上昇(飛翔)し、基板2の被成膜面に蒸着する。これにより、基板2にはその被成膜面に、成膜材料からなる薄膜が形成される。
また、この蒸着処理とは別に、真空チャンバー3の外では、蒸着処理に先立って光源9を点灯し、蒸着源4と基板2との間に可視光を照射しておく。
そして、この状態のもとで、カメラ11を作動させ、蒸着源4と基板2との間での成膜材料の飛翔状況を監視(観察)する。また、この監視結果、すなわち撮影した映像を、モニター12にリアルタイムに映し、これを作業者が確認することにより、スプラッシュ等の異常の発生をリアルタイムで検出する。
このとき、蒸着源4の成膜材料が正常に蒸発している場合には、この成膜材料の蒸気はその粒子径が非常に小さく、ほとんどカメラ11の撮影限界以下になるため、蒸気の散乱光がカメラ11に撮影されず、したがってモニター12に異常を示す映像が映し出されない。
これに対してスプラッシュが発生すると、前述したようにスプラッシュ粒子は液状であって比較的大きい粒径であるため、その散乱光がカメラ11に撮影され、その映像がモニター12にリアルタイムに表示されるようになる。したがって、これを作業者が確認することにより、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出することができる。
なお、カメラ11の感度が広範囲に調節可能である場合には、予め1μm前後から数μm程度の比較的大きい粒径のスプラッシュ粒子は撮影可能となり、例えばこれより1けた以上小さい径の粒子は撮影不能となるように、カメラ11の感度を調節しておく。これにより、粒子がカメラ11で検出され、モニター12に確認されることにより、スプラッシュの発生を検出し確認することが可能になる。
前述のように本実施形態の物理気相蒸着装置1にあっては、カメラ10によって蒸着源4の成膜材料の飛翔状況を観察することにより、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出することができる。したがって、スプラッシュの発生を検出した際、成膜条件にフィードバックして例えば加熱手段5による加熱温度や、真空ポンプ7による真空チャンバー3内の真空度を調整することにより、スプラッシュの発生を抑えることができる。
また、カメラ11の撮影結果をモニター12にリアルタイムで映すことなく、成膜終了まで記憶装置(図示せず)に記憶させておき、成膜終了後、この記憶をモニター11に再生させ、成膜中にスプラッシュが発生したか否かを確認することもできる。その場合に、スプラッシュが発生したものについてはその工程が無駄になり、形成された薄膜も不良となるものの、この不良の薄膜を形成した基板が次工程に流れるのを止めることができるため、結果的に生産ロスを最小限に抑えることができる。
なお、前記の物理気相成膜装置1では、光源10として可視光を照射するものを用いたが、例えばカメラ11として赤外線カメラを用いた場合には、光源10として赤外光を照射するものを用いることができる。このように赤外光を用いれば、例えば成膜材料が紫外光やその近傍の波長の光によって劣化(変質)し易いような成膜材料を用いる場合に、この成膜材料の劣化を防止するうえで、有利になる。
図2は、本発明の物理気相成膜装置の第2実施形態を示す図であり、図2中符号20は物理気相成膜装置である。この物理気相成膜装置20が図1に示した物理気相成膜装置1と異なるところは、光源としてレーザ光からなる光源21を用いた点と、観察手段として、カメラ11に代えてフォトディテクタ22を用いた点にある。
すなわち、この物理気相成膜装置20において前記光源21は、真空チャンバー3の外側に、前記窓8に向かって半導体レーザ21aを水平方向に多数整列配置したものである。また、フォトディテクタ22は、前記窓8と反対の側に設けられた透光性の窓23の外側に、前記半導体レーザ21aに対向して多数整列配置させられたものである。すなわち、これら半導体レーザ21aとフォトディテクタ22とは、互いに1:1に対応すべく、相対向して配置されたものである。そして、半導体レーザ21aの光路上にフォトディテクタ22が配置され、これによって半導体レーザ21aから出射した光が、対応するフォトディテクタ22に受光されるようになっている。
ここで、半導体レーザ21aは、その光路が蒸着源4と基板2との間を通るように配置されている。また、多数の半導体レーザ21aは、これらの光路が、平面視した状態で基板2の被成膜面に重なる領域のほぼ全域を、所定の間隔をあけて覆うように配置されている。なお、半導体レーザ21aは、出射するレーザ光線の径が例えば0.1〜1μm程度となるように構成されている。
また、多数のフォトディテクタ22のそれぞれには、モニター24が接続されている。ただし、このモニター24は、図1に示したモニター12と異なり、フォトディテクタ22による受光状態をリアルタイムで表示するようになっている。すなわち、個々の半導体レーザ21aから出射されたレーザ光が、対応するフォトディテクタ22によって受光されている状況を出力するようになっている。
このような構成の物理気相蒸着装置20によって基板2の被成膜面に所望の成膜を行うには、図1に示した物理気相蒸着装置1の場合と同様にして、真空チャンバー3内に蒸着源4と基板2とをセットし、さらに真空チャンバー3内を所望の真空度に減圧するとともに、加熱手段5によってるつぼ9内の成膜材料を気化(蒸発)させる。すると、成膜材料は蒸気となって上昇(飛翔)し、基板2の被成膜面に蒸着する。これにより、基板2にはその被成膜面に、成膜材料からなる薄膜が形成される。
また、この蒸着処理とは別に、真空チャンバー3の外では、蒸着処理に先立って光源21の各レーザ光源21aを点灯し、蒸着源4と基板2との間に可視光を照射しておく。
そして、この状態のもとで、フォトディテクタ22を作動させ、対応するレーザ光源21aからのレーザ光を受光させる。このようにして全てのフォトディテクタ22が対応するレーザ光源21aから正常にレーザ光を受光すると、図3中のAに示すように、フォトディタクタ22からモニター24に送られる出力が、所定の値になる。
そして、前述した蒸着が開始され、成膜材料が蒸気になって上昇(飛翔)し、基板2の被成膜面に向かっても、成膜材料の蒸気はその粒子径が、前記レーザ光源21aの光路の径に比べて格段に小さいことから、この蒸気がレーザ光源21aの光路を通過しても、レーザ光は実質的に遮られることなく、フォトディタクタ22に受光される。したがって、蒸着源4の成膜材料が正常に蒸発している場合には、全てのフォトディタクタ22でレーザ光が正常に受光され、したがってモニター24には、図3中のAに示した所定の値が出力される。よって、これを作業者が確認することにより、スプラッシュの発生がないことが、リアルタイムで検出される。
これに対してスプラッシュが発生すると、前述したようにスプラッシュ粒子Sは比較的大きい粒径であり、レーザ光源21aの光路の径とほぼ同じかまたはこれより大きい径になるので、このスプラッシュ粒子Sがレーザ光源21aの光路を通過すると、レーザ光は一時的に遮られる。すると、このレーザ光源21aに対応するフォトディタクタ22は一時的に受光しなくなり、モニター24には、時間軸であるX軸上のある位置(時間)において、前記の所定の値Aより低い値Bがリアルタイムで出力される。すなわち、スプラッシュ粒子Sで遮られて受光されないフォトディタクタ22の数に対応して、出力値が小さくなるのである。
したがって、これを作業者が確認することにより、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出することができる。
このように本実施形態の物理気相蒸着装置20にあっても、フォトディタクタ22によって蒸着源4の成膜材料の飛翔状況を観察することにより、スプラッシュの発生をリアルタイムで検出することができる。したがって、スプラッシュの発生を検出した際、成膜条件にフィードバックして例えば加熱手段5による加熱温度や、真空ポンプ7による真空チャンバー3内の真空度を調整することにより、スプラッシュの発生を抑えることができる。
また、前記物理気相蒸着装置1の場合と同様に、フォトディタクタ22の受光結果をモニター24にリアルタイムで映すことなく、成膜終了まで記憶装置(図示せず)に記憶させておき、成膜終了後、この記憶をモニター24に再生させ、成膜中にスプラッシュが発生したか否かを確認することもできる。その場合にも、前記物理気相蒸着装置1と同様に、生産ロスを最小限に抑えることができる。
また、例えば図3に示した所定の値Aを下回る出力値として、例えば出力値Bを予め設定しておき、この値B以下の出力値が検出された場合に、アラームを発声させるアラーム発声手段をモニター24またはモニター24に接続しておいてもよい。このようにすれば、モニター24をリアルタイムで見ていなくても、アラームによってスプラッシュの発生をすぐに確認することができる。したがって、スプラッシュが発生した際、直ちに成膜条件にフィードバックし、スプラッシュの発生を抑えることができる。
なお、前記の物理気相成膜装置20では、本発明における物理気相成膜法として真空蒸着法を採用し、成膜手段として加熱手段5を用いたが、本発明はこれに限定されることなく、例えば物理気相成膜法として、イオンプレーティング法を採用することもできる。その場合に、成膜源(蒸着源4)と基板2(被成膜体)との間にプラズマを発生させる必要があるが、前記物理気相成膜装置20では、光源として半導体レーザ21aを用いているので、成膜源(蒸着源4)と基板2(被成膜体)との間のプラズマに影響されることなく、出射したレーザ光を対応するフォトディタクタ22に受光させることができる。
また、本発明における物理気相成膜法としては、スパッタ法を採用することもできる。その場合には、成膜源としてターゲットを用い、成膜手段として公知のスパッタ装置を用いることができる。このようなスパッタ法においても、極端に大きなスパッタ粒子の発生や、スパッタ粒子に比べて格段に大きな異物の混入による、成膜不良のおそれがある。
これに対し、本発明の物理気相成膜装置にあっては、
観察手段によって成膜材料の飛翔状況を観察することにより、極端に大きなスパッタ粒子の発生や、スパッタ粒子に比べて格段に大きな異物が被成膜体に向かうのを検出することができ、したがって、成膜不良の発生をリアルタイムで検出することが可能になる。
次に、前記物理気相成膜装置1、20を用いた成膜の一実施形態として、有機EL装置(有機エレクトロルミネッセンス装置)の製造方法について説明する。
まず、本実施形態によって得られた有機EL装置について説明する。
図4は、本実施形態の有機EL装置の製造方法によって得れらた有機EL装置50を模式的に示す側断面図である。
この有機EL装置50は、素子基板30上に、図示しないTFTなどの回路等からなる回路素子部、画素電極(陽極)31を形成したものである。そして、前記画素電極31の周辺部の一部を覆うようにして、隔壁32が設けられている。
隔壁32は、素子基板30側に位置する無機隔壁32aと、この無機隔壁32a上に積層され、該無機隔壁32aより幅の狭い有機隔壁32bとにより構成されている。
前記無機隔壁32aは、その周縁部が画素電極31の周縁部上に乗り上げるように形成されている。
また、有機隔壁32bも同様に、その一部が画素電極31の周縁部と平面的に重なるように配置されている。そして、前記隔壁32に囲まれた領域は、有機EL装置50の画素領域33となっている。なお、素子基板30上には多数の前記画素領域33が形成されている。
前記画素領域33には、本発明の機能層を構成する正孔注入/輸送層34、発光層35、及び電子注入/輸送層36がこの順に積層されている。
そして、前記電子注入/輸送層36上にはMgAg合金層(図示せず)とAl層(図示せず)とが積層され、これらMgAg合金層とAl層とにより、陰極37が形成されている。さらに、陰極37上には、図示しない封止層が形成されている。なお、Al層は、補助陰極として機能するものである。
このような構成からなる有機EL装置50を製造するに際し、特に機能層を構成する各機能膜を形成する際に、前記した物理気相成膜装置1、20が好適に用いられる。
具体的には、各画素領域33に対応して機能材料(例えば発光材料)が配置された蒸着ボート(図示せず)を蒸着源(成膜源)として用い、前記真空チャンバー3内にて蒸着法で成膜を行う。
また、正孔注入/輸送層34、発光層35、電子注入/輸送層36からなる各機能膜の形成を終了した後、MgAg及びAlをこの順に積層して陰極37を形成するが、その場合にも、前記した物理気相成膜装置1、20が好適に用いられる。なお、この陰極37の形成にあたっては、画素領域33毎に選択的に成膜することなく、図4に示したように素子基板30上の全面に成膜を行うので、前記の蒸着ボートを用いることなく、図1、図2に示したるつぼ9を用いて蒸着を行うことができる。
このような機能層や陰極37の成膜の際、図1または図2に示した光源と観察手段とにより、例えばスプラッシュの発生をリアルタイムで検出することができる。したがって、スプラッシュの発生を検出した際、成膜条件にフィードバックすることでスプラッシュの発生を抑えることができる。また、成膜後にスプラッシュの発生を確認した場合でも、生産ロスを最小限に抑えることができる。
すなわち、前記の発光層35や陰極37は、水分や酸素によって劣化し易いことから、これらを大気中におくのは好ましくない。したがって、一般に正孔注入/輸送層34、発光層35、電子注入/輸送層36よりなる機能層の形成から陰極37の形成までの間、さらにはこの陰極37を封止層で覆うまでの間は、真空雰囲気または窒素等の不活性雰囲気下におかれる。すると、正孔注入/輸送層34、発光層35、電子注入/輸送層36や陰極37の各層を形成した直後には、形成した膜(層)の状態を直接調べることが極めて難しく、現状では、封止層の形成までを行った後、発光特性等を調べることで初めて形成した膜(層)の良否を判定している。
したがって、仮に発光層35の形成の際に、スプラッシュの発生に起因して成膜不良が起こったとしても、従来ではその時点で工程を止めることができず、電子注入/輸送層36、陰極37、封止層を順次形成した後、初めて成膜不良を確認することになる。よって、従来の前記の例では、電子注入/輸送層36、陰極37、封止層の各形成工程(成膜工程)が全て無駄になり、これが生産性を大きく低下させ、コストの低減化を妨げる一因になっていた。
これに対して本実施形態では、前述したようにスプラッシュの発生をリアルタイムで検出し、あるいは成膜直後にスプラッシュの発生を検出して成膜不良を確認することができるため、その後の成膜工程を中止することができ、したがって生産ロスを最小限に抑えることができる。
なお、本発明は前記実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、本発明の物理気相成膜装置は、有機EL装置の機能層や陰極の形成以外にも、物理気相成膜で形成する種々の薄膜の形成に、適用可能である。
本発明の物理気相成膜装置の第1実施形態の、概略構成図である。 本発明の物理気相成膜装置の第2実施形態の、概略構成図である。 測定時間毎の、フォトディタクタの出力を示すグラフである。 本発明に係る有機EL装置の概略構成を示す側断面図である。
符号の説明
1、20…物理気相成膜装置、2…基板(被成膜体)、3…真空チャンバー、4…蒸着源(成膜源)、5…加熱手段(成膜手段)、8、23…窓、9…るつぼ、10…光源、11…カメラ(観察手段)、12…モニター、21…光源、21a…半導体レーザ、22…フォトディテクタ(観察手段)、24…モニター、34…正孔注入/輸送層(機能膜)、35…発光層(機能膜)、36…電子注入/輸送層(機能膜)、37…陰極、50…有機EL装置

Claims (5)

  1. 物理気相成膜法によって被成膜体に成膜材料を成膜する物理気相成膜装置であって、
    真空チャンバーと、
    前記真空チャンバー内に設けられた成膜材料からなる成膜源と、
    前記成膜源から成膜材料を被成膜体に向けて飛翔させる成膜手段と、
    前記真空チャンバーの外に配置されて、前記真空チャンバーに設けられた透光性の窓を透して前記成膜源と前記被成膜体との間に光を照射する光源と、
    前記真空チャンバーの外に配置されて、前記光源から照射された光を直接的にまたは間接的に受光することで、前記成膜源と前記被成膜体との間での前記成膜材料の飛翔状況を観察する観察手段と、を有してなることを特徴とする物理気相成膜装置。
  2. 前記物理気相成膜法が、真空蒸着法であることを特徴とする請求項1記載の物理気相成膜装置。
  3. 前記観察手段は、前記成膜源と前記被成膜体との間での前記成膜材料の飛翔状況を監視するカメラであることを特徴とする請求項1又は2に記載の物理気相成膜装置。
  4. 前記光源はレーザ光であり、前記観察手段は前記レーザ光を受光するフォトディテクタであることを特徴とする請求項1又は2に記載の物理気相成膜装置。
  5. 陽極と、該陽極上に設けられた機能層と、該機能層上に設けられた陰極と、を有する有機EL素子を備えた有機EL装置の製造方法であって、
    前記機能層を構成する機能膜の少なくとも一種、または前記陰極を、請求項1〜4のいずれか一項に記載の物理気相成膜装置を用いた、物理気相成膜法で成膜することを特徴とする有機EL装置の製造方法。
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