JP2010126530A - 縮合複素環誘導体およびその用途 - Google Patents

縮合複素環誘導体およびその用途 Download PDF

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Naoki Miyamoto
直樹 宮本
Koji Hirayama
孝治 平山
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Abstract

【課題】強力なキナーゼ阻害活性を示す縮合複素環誘導体およびその用途を提供すること。
【解決手段】式
Figure 2010126530

[式中、各記号は本明細書中で定義した通りである。]で表される化合物またはその塩。
【選択図】なし

Description

本発明は、強力なキナーゼ阻害活性を有し、癌の予防・治療等に有用な縮合複素環誘導体およびその用途に関する。
(発明の背景)
固形癌がある一定の大きさ以上に増殖するためには、癌細胞に十分な栄養と酸素を供給するための血管が新しくできてくることが必要である(例えば、非特許文献1参照)。腫瘍への血管新生を引き起こす重要な因子の一つとして、血管内皮増殖因子(VEGF)が知られており、VEGFは血管内皮細胞上に発現する血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)に結合して、細胞増殖のシグナルを伝達する(例えば、非特許文献2参照)。従って、VEGF−VEGFRシグナル伝達系を阻害することで血管新生を抑制し、腫瘍の増殖を抑えることができると考えられている(例えば、非特許文献3参照)。また腫瘍血管は癌の血行性転移にも関与していることから、血管新生阻害は癌の転移抑制にも有効であると考えられている。
肝細胞増殖因子(HGF)はその受容体(c−Met)を介し、血管内皮細胞の増殖を促進し、血管新生を引き起こすことが知られている(例えば、非特許文献4参照)。またc−Metは様々な癌(大腸癌、胃癌、肺癌、腎臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌など)において高発現しており、癌細胞の増殖、生存に深く関与していることが明らかにされている(例えば、非特許文献5参照)。従って、c−Metを阻害することで、癌細胞の増殖を抑制することが期待される。さらにc−Metの活性化は癌細胞の浸潤および/または転移にも関与しており(例えば、非特許文献6参照)、c−Metの阻害は癌の浸潤および/または転移阻止にも効果があると考えられる。
VEGFRやc−Metをはじめとするキナーゼを阻害する化合物としては、フタラジン誘導体(例えば、特許文献1参照)、ピロール置換2−インドリノン誘導体(例えば、特許文献2参照)、キナゾリン誘導体(例えば、特許文献3参照)、ω−カルボキシアリール置換ジフェニル尿素誘導体(例えば、特許文献4参照)、キノリン誘導体およびキナゾリン誘導体(例えば、特許文献5参照)、含窒素芳香環誘導体(例えば、特許文献6参照)、キノリン誘導体、キナゾリン誘導体(例えば、特許文献7参照)、2環式含窒素複素環誘導体(例えば、特許文献8および特許文献9参照)等が知られている。
国際公開第98/35958号パンフレット 国際公開第01/60814号パンフレット 国際公開第01/32651号パンフレット 国際公開第00/42012号パンフレット 国際公開第00/43366号パンフレット 国際公開第02/32872号パンフレット 国際公開第03/000660号パンフレット 国際公開第02/2044156号パンフレット 国際公開第2008/016192号パンフレット New England Journal of Medicine,1971年,第285巻,第21号,1182−1186頁 Endocrine Reviews,1997年,第18巻,第1号,4−25頁 Drug Discovery Today,2001年,第6巻,第19号,1005−1024頁 EXS,1997年,79巻,193−208頁 Cytokine & Growth Factor Reviews,2002年,第13巻,第1号,41−59頁 Nature Reviews Molecular Cell Biology,2003年,第4巻,第12号,915−925頁
キナーゼに対する親和性に優れ、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点で優れたキナーゼ阻害薬は、治療上優れた効果を期待することができる。しかしながら、現状では、キナーゼに対する親和性に優れ、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点で十分満足できるものが見いだされていない。そこで、優れたキナーゼ阻害活性を有し、医薬品として十分満足できる化合物の開発が切望されている。従って、本発明の目的は、優れたキナーゼ阻害活性を有し、低毒性であり、かつ医薬品として十分満足できる化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記の式で示される化合物またはその塩が優れたキナーゼ阻害活性を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕式:
Figure 2010126530
[式中、
は、
(1) 置換基を有していてもよいC1−6アルキル、
(2) 置換基を有していてもよいC2−6アルケニル、
(3) 置換基を有するシクロプロピル、
(4) 置換基を有していてもよいC4−10シクロアルキル、
(5) 置換基を有していてもよいC3−6シクロアルケニル、
(6) 置換基を有していてもよいC6−10アリール、
(7) 置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または
(8) 置換基を有していてもよい非芳香族複素環基
を;
は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを;
は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを;
Xは、CR(Rは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す)またはNを;
Yは、CR(Rは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す)またはNを;
は、
(a) ハロゲン原子およびC1−6アルキルから選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール、
(b) ハロゲン原子を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル、
(c) オキソ、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる置換基を1〜4個有していてもよい、含窒素複素環基またはそのN−オキシドを示す。]
で表される化合物(本明細書中、「化合物(I)」と略記することがある)またはその塩;
〔2〕上記〔1〕記載の化合物のプロドラッグ;
〔3〕上記〔1〕記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬;
〔4〕キナーゼ阻害剤である上記〔3〕記載の医薬;
〔5〕癌の予防または治療剤である、上記〔3〕記載の医薬;
〔6〕哺乳動物に対して上記〔1〕記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする癌の予防または治療方法;
〔7〕癌の予防または治療剤を製造するための請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用;
等に関する。
化合物(I)またはその塩あるいはそのプロドラッグは、血管内皮増殖因子受容体、肝細胞増殖因子受容体、血小板由来増殖因子受容体等のキナーゼに対する阻害作用が強く、また、血管新生阻害作用が強いため、癌の臨床上有用な予防または治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の浸潤および/または転移抑制剤を提供することができる。さらに、化合物(I)またはその塩あるいはそのプロドラッグは、慢性関節リューマチ、糖尿病性網膜症等の癌以外の適用においても臨床上有用な予防・治療剤を提供することができ、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点でも優れている。
(発明の詳細な説明)
以下に、本発明を詳細に説明する。
本明細書中、「ハロゲン原子」とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を示す。
本明細書中、「C1−6アルキル」とは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等を示す。
本明細書中、「C2−6アルケニル」とは、例えば、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−ブテニル、2−ブテニル、3−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−ペンテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−ヘキセニル、3−ヘキセニル、5−ヘキセニル等を示す。
本明細書中、「C2−6アルキニル」とは、例えば、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニル等を示す。
本明細書中、「C3−10シクロアルキル」とは、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等を示す。
本明細書中、「C4−10シクロアルキル」とは、例えば、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル等を示す。
本明細書中、「C3−6シクロアルケニル」とは、例えば、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を示す。
本明細書中、「C6−10アリール」とは、例えば、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル等を示す。
本明細書中、「C1−6アルコキシ」とは、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペントキシ、イソペントキシ、ヘキソキシ等を示す。
本明細書中、「芳香族複素環基」とは、単環式芳香族複素環基および縮合芳香族複素環基を示す。
該「単環式芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する、5ないし7員(好ましくは、5または6員)の単環式芳香族複素環基、例えば、フリル(例、2−フリル、3−フリル)、チエニル(例、2−チエニル、3−チエニル)、ピリジル(例、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル)、ピリミジニル(例、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、5−ピリミジニル)、ピリダジニル(例、3−ピリダジニル、4−ピリダジニル)、ピラジニル(例、2−ピラジニル)、ピロリル(例、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル)、イミダゾリル(例、1−イミダゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、5−イミダゾリル)、ピラゾリル(例、1−ピラゾリル、3−ピラゾリル、4−ピラゾリル)、チアゾリル(例、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル)、イソチアゾリル(例、3−イソチアゾリル、4−イソチアゾリル、5−イソチアゾリル)、オキサゾリル(例、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、5−オキサゾリル)、イソオキサゾリル(例、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル)、オキサジアゾリル(例、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル)、チアジアゾリル(例、1,3,4−チアジアゾール−2−イル)、トリアゾリル(例、1,2,4−トリアゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−2−イル、1,2,3−トリアゾール−4−イル)、テトラゾリル(例、テトラゾール−1−イル、テトラゾール−5−イル)、トリアジニル(例、1,2,4−トリアジン−1−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル)等が挙げられる。
該「縮合芳香族複素環基」としては、例えば、8ないし12員の縮合芳香族複素環基、具体的には、上記5ないし7員の単環式芳香族複素環基とC6−10アリールとが縮合した基;上記5ないし7員の単環式芳香族複素環基同士が縮合した基、例えば、キノリル(例、2−キノリル、3−キノリル、4−キノリル、6−キノリル)、イソキノリル(例、3−イソキノリル)、キナゾリル(例、2−キナゾリル、4−キナゾリル)、キノキサリル(例、2−キノキサリル、6−キノキサリル)、ベンゾフラニル(例、2−ベンゾフラニル、3−ベンゾフラニル)、ベンゾチエニル(例、2−ベンゾチエニル、3−ベンゾチエニル)、ベンズオキサゾリル(例、2−ベンズオキサゾリル)、ベンズイソオキサゾリル(例、7−ベンズイソオキサゾリル)、ベンゾチアゾリル(例、2−ベンゾチアゾリル)、ベンズイミダゾリル(例、ベンズイミダゾール−1−イル、ベンズイミダゾール−2−イル、ベンズイミダゾール−5−イル)、ベンゾトリアゾリル(例、1H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−5−イル)、インドリル(例、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−5−イル)、インダゾリル(例、1H−インダゾール−3−イル)、ピロロピラジニル(例、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−2−イル、1H−ピロロ[2,3−b]ピラジン−6−イル)、イミダゾピリジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−イル、1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−2−イル、2H−イミダゾ[1,2−a]ピリジン−3−イル)、チエノピリジニル(例、チエノ[2,3−b]ピリジン−3−イル)、イミダゾピラジニル(例、1H−イミダゾ[4,5−b]ピラジン−2−イル)、ピラゾロピリジニル(例、1H−ピラゾロ[4,3−c]ピリジン−3−イル)、ピラゾロチエニル(例、2H−ピラゾロ[3,4−b]チオフェン−2−イル)、ピラゾロトリアジニル(例、ピラゾロ[5,1−c][1,2,4]トリアジン−3−イル)等が挙げられる。
本明細書中、「非芳香族複素環基」とは、単環式非芳香族複素環基および縮合非芳香族複素環基を示す。
該「単環式非芳香族複素環基」としては、例えば、環構成原子として炭素原子以外に酸素原子、硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)および窒素原子から選ばれるヘテロ原子を1ないし4個含有する、3ないし8員(好ましくは、5または6員)の飽和または不飽和の単環式非芳香族複素環基、例えば、アゼチジニル(例、1−アゼチジニル、2−アゼチジニル)、ピロリジニル(例、1−ピロリジニル、2−ピロリジニル)、ピペリジニル(例、ピペリジノ、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−ピペリジニル)、モルホリニル(例、モルホリノ)、チオモルホリニル(例、チオモルホリノ)、ピペラジニル(例、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル、3−ピペラジニル)、ヘキサメチレンイミニル(例、ヘキサメチレンイミン−1−イル)、オキサゾリジニル(例、オキサゾリジン−2−イル)、チアゾリジニル(例、チアゾリジン−2−イル)、ジヒドロチオピラニル(例、ジヒドロチオピラン−3−イル、ジヒドロチオピラン−4−イル)、イミダゾリジニル(例、イミダゾリジン−2−イル、イミダゾリジン−3−イル)、オキサゾリニル(例、オキサゾリン−2−イル)、チアゾリニル(例、チアゾリン−2−イル)、イミダゾリニル(例、イミダゾリン−2−イル、イミダゾリン−3−イル)、ジオキソリル(例、1,3−ジオキソール−4−イル)、ジオキソラニル(例、1,3−ジオキソラン−4−イル)、ジヒドロオキサジアゾリル(例、4,5−ジヒドロ−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)、ピラニル(例、2−ピラニル、4−ピラニル)、テトラヒドロピラニル(例、2−テトラヒドロピラニル、3−テトラヒドロピラニル、4−テトラヒドロピラニル)、チオピラニル(例、4−チオピラニル)、テトラヒドロチオピラニル(例、2−テトラヒドロチオピラニル、3−テトラヒドロチオピラニル、4−テトラヒドロチオピラニル)、1−オキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1−オキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラニル(例、1,1−ジオキシドテトラヒドロチオピラン−4−イル)、テトラヒドロフリル(例、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロフラン−2−イル)、ピラゾリジニル(例、ピラゾリジン−1−イル、ピラゾリジン−3−イル)、ピラゾリニル(例、ピラゾリン−1−イル)、テトラヒドロピリミジニル(例、テトラヒドロピリミジン−1−イル)、ジヒドロトリアゾリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、テトラヒドロトリアゾリル(例、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−1,2,3−トリアゾール−1−イル)、アゼパニル(例、1−アゼパニル、2−アゼパニル、3−アゼパニル、4−アゼパニル)、ジヒドロピリジル(例、ジヒドロピリジン−1−イル、ジヒドロピリジン−2−イル、ジヒドロピリジン−3−イル、ジヒドロピリジン−4−イル)、テトラヒドロピリジル(例、テトラヒドロピリジン−1−イル、テトラヒドロピリジン−2−イル、テトラヒドロピリジン−3−イル、テトラヒドロピリジン−4−イル)等が挙げられる。
該「縮合非芳香族複素環基」としては、例えば、8ないし12員の縮合非芳香族複素環基、具体的には、上記3ないし8員の単環式非芳香族複素環基とC6−10アリールとが縮合した基;上記3ないし8員の単環式非芳香族複素環基同士が縮合した基;上記3ないし8員の単環式非芳香族複素環基と上記5ないし7員の単環式芳香族複素環基とが縮合した基;これらの基の部分飽和により得られる基、例えば、ジヒドロインドリル(例、2,3−ジヒドロ−1H−インドール−1−イル)、ジヒドロイソインドリル(例、1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−イル)、ジヒドロベンゾフラニル(例、2,3−ジヒドロ−1−ベンゾフラン−5−イル)、テトラヒドロベンゾフラニル(例、4,5,6,7−テトラヒドロ−1−ベンゾフラン−3−イル)、ジヒドロベンゾジオキシニル(例、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシニル)、ジヒドロベンゾジオキセピニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピニル)、クロメニル(例、4H−クロメン−2−イル、2H−クロメン−3−イル)、ジヒドロクロメニル(例、3,4−ジヒドロ−2H−クロメン−2−イル)、ジヒドロキノリニル(例、1,2−ジヒドロキノリン−4−イル)、テトラヒドロキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロキノリン−4−イル)、ジヒドロイソキノリニル(例、1,2−ジヒドロイソキノリン−4−イル)、テトラヒドロイソキノリニル(例、1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン−4−イル)、ジヒドロフタラジニル(例、1,4−ジヒドロフタラジン−4−イル)等が挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基」とは、例えば、環構成原子として炭素原子以外に1ないし4個の窒素原子を含有し、さらに、酸素原子および硫黄原子(該硫黄原子は酸化されていてもよい)から選ばれるヘテロ原子を1または2個含有してもよい、3ないし8員の飽和あるいは不飽和の含窒素複素環基、例えば、5ないし7員の単環式含窒素芳香族複素環基(例、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリルピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル)および3ないし8員の単環式含窒素非芳香族複素環基(例、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、アゼパニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル)が挙げられる。
本明細書中、「含窒素複素環基のN−オキシド」とは、上記含窒素複素環基のうち、環を構成する窒素原子が酸化されたものを示す。該「含窒素複素環基のN−オキシド」の具体例としては、N−オキシドピリジル、N−オキシドピラジニル、N−オキシドピリミジニル、N−オキシドピリダジニル等が挙げられる。
本明細書中、「環状アミノ」とは、上記含窒素複素環基のうち、環を構成する窒素原子に結合手を有するものを示す。該環状アミノの具体例としては、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ等が挙げられる。
以下、式(I)について説明する。
は、
(1) 置換基を有していてもよいC1−6アルキル、
(2) 置換基を有していてもよいC2−6アルケニル、
(3) 置換基を有するシクロプロピル、
(4) 置換基を有していてもよいC4−10シクロアルキル、
(5) 置換基を有していてもよいC3−6シクロアルケニル、
(6) 置換基を有していてもよいC6−10アリール、
(7) 置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または
(8) 置換基を有していてもよい非芳香族複素環基
を示す。
で示される「置換基を有していてもよいC1−6アルキル」および「置換基を有していてもよいC2−6アルケニル」における「C1−6アルキル」および「C2−6アルケニル」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、下記置換基群Aから選ばれる置換基が挙げられる。
置換基群A:
(A1) ハロゲン原子;
(A2) シアノ;
(A3) ニトロ;
(A4) ヒドロキシ;
(A5) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert-ブトキシ);
(A6) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C2−6アルケニルオキシ(例、エテニルオキシ、プロペニルオキシ、ブテニルオキシ、ペンテニルオキシ、へキセニルオキシ);
(A7) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C2−6アルキニルオキシ(例、エチニルオキシ、プロピニルオキシ、ブチニルオキシ、ペンチニルオキシ、ヘキシニルオキシ);
(A8) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルキルオキシ(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ);
(A9) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルケニルオキシ(例、シクロプロペニルオキシ、シクロブテニルオキシ、シクロペンテニルオキシ、シクロヘキセニルオキシ);
(A10) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリールオキシ(例、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ);
(A11) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ(例、シクロプロピルメチルオキシ、シクロプロピルエチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、シクロヘキシルエチルオキシ);
(A12) ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルケニル−C1−6アルコキシ(例、シクロペンテニルメチルオキシ、シクロヘキセニルメチルオキシ、シクロヘキセニルエチルオキシ、シクロヘキセニルプロピルオキシ);
(A13) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール−C1−6アルコキシ(例、フェニルメチルオキシ、フェニルエチルオキシ);
(A14) モノC1−6アルキルスルファモイル(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、プロピルスルファモイル);
(A15) ジC1−6アルキルスルファモイル(例、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジプロピルスルファモイル);
(A16) モノC1−6アルキルアミノ−カルボニル(例、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル);
(A17) ジC1−6アルキルアミノ−カルボニル(例、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル);
(A18) ホルミル;
(A19) C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル);
(A20) C2−6アルケニル−カルボニル(例、エテニルカルボニル、プロペニルカルボニル、ブテニルカルボニル、ペンテニルカルボニル、へキセニルカルボニル);
(A21) C2−6アルキニル−カルボニル(例、エチニルカルボニル、プロピニルカルボニル、ブチニルカルボニル、ペンチニルカルボニル、ヘキシニルカルボニル);
(A22) C3−6シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル);
(A23) C3−6シクロアルケニル−カルボニル(例、シクロプロペニルカルボニル、シクロブテニルカルボニル、シクロペンテニルカルボニル、シクロヘキセニルカルボニル);
(A24) C6−10アリール−カルボニル(例、ベンゾイル、1−ナフチルカルボニル、2−ナフチルカルボニル);
(A25) C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル−カルボニル(例、シクロプロピルメチルカルボニル、シクロプロピルエチルカルボニル、シクロブチルメチルカルボニル、シクロペンチルメチルカルボニル、シクロヘキシルメチルカルボニル、シクロヘキシルエチルカルボニル);
(A26) C3−6シクロアルケニル−C1−6アルキル−カルボニル(例、シクロペンテニルメチルカルボニル、シクロヘキセニルメチルカルボニル、シクロヘキセニルエチルカルボニル、シクロヘキセニルプロピルカルボニル);
(A27) C6−10アリール−C1−6アルキル−カルボニル(例、ベンジルカルボニル、フェニルエチルカルボニル);
(A28) 5または6員の単環式芳香族複素環−カルボニル(例、フリルカルボニル、チエニルカルボニル、ピロリルカルボニル、オキサゾリルカルボニル、イソオキサゾリルカルボニル、チアゾリルカルボニル、イソチアゾリルカルボニル、イミダゾリルカルボニル、ピリジルカルボニル、ピラゾリルカルボニル);
(A29) 8ないし12員の縮合芳香族複素環−カルボニル(例、ベンゾフラニルカルボニル、イソベンゾフラニルカルボニル、ベンゾチエニルカルボニル、イソベンゾチエニルカルボニル、インドリルカルボニル、イソインドリルカルボニル、1H−インダゾリルカルボニル、ベンズイミダゾリルカルボニル、ベンズオキサゾリルカルボニル);
(A30) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−カルボニル(例、オキシラニルカルボニル、アゼチジニルカルボニル、オキセタニルカルボニル、チエタニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル、チオラニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル);
(A31) C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル);
(A32) C2−6アルケニルスルホニル(例、エテニルスルホニル、プロペニルスルホニル);
(A33) C2−6アルキニルスルホニル(例、エチニルスルホニル、プロピニルスルホニル、ブチニルスルホニル、ペンチニルスルホニル、ヘキシニルスルホニル);
(A34) C3−6シクロアルキルスルホニル(例、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル);
(A35) C3−6シクロアルケニルスルホニル(例、シクロプロペニルスルホニル、シクロブテニルスルホニル);
(A36) C6−10アリールスルホニル(例、フェニルスルホニル);
(A37) C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルスルホニル(例、シクロプロピルメチルスルホニル);
(A38) C3−6シクロアルケニル−C1−6アルキルスルホニル(例、シクロペンテニルメチルスルホニル);
(A39) C6−10アリール−C1−6アルキルスルホニル(例、ベンジルスルホニル);
(A40) 5または6員の単環式芳香族複素環−スルホニル(例、フリルスルホニル、チエニルスルホニル、ピリジルスルホニル);
(A41) 8ないし12員の縮合芳香族複素環−スルホニル(例、ベンゾフラニルスルホニル、イソベンゾフラニルスルホニル);
(A42) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−スルホニル(例、オキシラニルスルホニル、アゼチジニルスルホニル);
(A43) アミノ;
(A44) (a)C6−10アリール(例、フェニル、ナフチル)、および
(b)C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル等)を1ないし3個有していてもよい5または6員の単環式芳香族複素環基
から選ばれる置換基を1個有していてもよい、モノC1−6アルキルアミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ);
(A45) ジC1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノ);
(A46) (a)ハロゲン原子、および
(b)5または6員の単環式芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラゾリル等)
から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、tert-ブチルカルボニルアミノ);
(A47) C3−6シクロアルキル−カルボニルアミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ);
(A48) C3−6シクロアルケニル−カルボニルアミノ(例、シクロプロペニルカルボニルアミノ、シクロブテニルカルボニルアミノ、シクロペンテニルカルボニルアミノ、シクロヘキセニルカルボニルアミノ);
(A49) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール−カルボニルアミノ(例、ベンゾイルアミノ);
(A50) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、モノ(5または6員の単環式芳香族複素環−カルボニル)アミノ(例、フリルカルボニルアミノ、チエニルカルボニルアミノ、ピロリルカルボニルアミノ、オキサゾリルカルボニルアミノ、イソオキサゾリルカルボニルアミノ、チアゾリルカルボニルアミノ、イソチアゾリルカルボニルアミノ、イミダゾリルカルボニルアミノ、テトラゾリルカルボニルアミノ、ピリジルカルボニルアミノ、ピラゾリルカルボニルアミノ);
(A51) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、モノ(8ないし12員の縮合芳香族複素環−カルボニル)アミノ(例、ベンゾフラニルカルボニルアミノ、イソベンゾフラニルカルボニルアミノ、ベンゾチエニルカルボニルアミノ、イソベンゾチエニルカルボニルアミノ、ベンゾピラゾリルカルボニルアミノ);
(A52) 置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、モノ(3ないし8員の単環式非芳香族複素環−カルボニル)アミノ(例、オキシラニルカルボニルアミノ、アゼチジニルカルボニルアミノ、オキセタニルカルボニルアミノ、チエタニルカルボニルアミノ、ピロリジニルカルボニルアミノ、テトラヒドロフリルカルボニルアミノ、チオラニルカルボニルアミノ、ピペリジニルカルボニルアミノ);
(A53) モノC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(例、メトキシカルボニルアミノ、エトキシカルボニルアミノ、tert-ブトキシカルボニルアミノ);
(A54) メルカプト;
(A55) C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル、エチルスルファニル);
(A56) C2−6アルケニルスルファニル(例、エテニルスルファニル、プロペニルスルファニル);
(A57) C2−6アルキニルスルファニル(例、エチニルスルファニル、プロピニルスルファニル、ブチニルスルファニル、ペンチニルスルファニル、ヘキシニルスルファニル);
(A58) C3−6シクロアルキルスルファニル(例、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニル);
(A59) C3−6シクロアルケニルスルファニル(例、シクロプロペニルスルファニル、シクロブテニルスルファニル);
(A60) C6−10アリールスルファニル(例、フェニルスルファニル);
(A61) C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルスルファニル(例、シクロプロピルメチルスルファニル);
(A62) C3−6シクロアルケニル−C1−6アルキルスルファニル(例、シクロペンテニルメチルスルファニル);
(A63) 5または6員の単環式芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラゾリル);
(A64) 8ないし12員の縮合芳香族複素環基(例、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、イソベンゾチエニル、インドリル、イソインドリル、1H−インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズオキサゾリル);
(A65) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル);
(A66) 8ないし12員の縮合非芳香族複素環基(例、ジヒドロインドリル、ジヒドロイソインドリル、ジヒドロベンゾフラニル、テトラヒドロベンゾフラニル);
(A67) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、5または6員の単環式芳香族複素環−オキシ(例、フリルオキシ、チエニルオキシ、ピロリルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピラゾリルオキシ);
(A68) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、8ないし12員の縮合芳香族複素環−オキシ(例、ベンゾフラニルオキシ、イソベンゾフラニルオキシ、ベンゾチエニルオキシ、イソベンゾチエニルオキシ、インドリルオキシ、イソインドリルオキシ、1H−インダゾリルオキシ、ベンズイミダゾリルオキシ、ベンズオキサゾリルオキシ);
(A69) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、3ないし8員の単環式非芳香族複素環−オキシ(例、オキシラニルオキシ、アゼチジニルオキシ、オキセタニルオキシ、チエタニルオキシ、ピロリジニルオキシ、テトラヒドロフリルオキシ、チオラニルオキシ、ピペリジニルオキシ);
(A70) C1−6アルキルスルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル);
(A71) C2−6アルケニルスルフィニル(例、エテニルスルフィニル、プロペニルスルフィニル);
(A72) C2−6アルキニルスルフィニル(例、エチニルスルフィニル、プロピニルスルフィニル、ブチニルスルフィニル、ペンチニルスルフィニル、ヘキシニルスルフィニル);
(A73) C3−6シクロアルキルスルフィニル(例、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル);
(A74) C3−6シクロアルケニルスルフィニル(例、シクロプロペニルスルフィニル、シクロブテニルスルフィニル);
(A75) C6−10アリールスルフィニル(例、フェニルスルフィニル);
(A76) C3−6シクロアルキル−C1−6アルキルスルフィニル(例、シクロプロピルメチルスルフィニル);
(A77) C3−6シクロアルケニル−C1−6アルキルスルフィニル(例、シクロペンテニルメチルスルフィニル);
(A78) モノC1−6アルキルアミノ−チオカルボニル(例、メチルアミノチオカルボニル、エチルアミノチオカルボニル、プロピルアミノチオカルボニル);
(A79) ジC1−6アルキルアミノ−チオカルボニル(例、ジメチルアミノチオカルボニル、ジエチルアミノチオカルボニル、ジプロピルアミノチオカルボニル);
(A80) カルボキシ;
(A81) C1−6アルコキシ−カルボニル(例、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert-ブトキシカルボニル);
(A82) C2−6アルケニルオキシ−カルボニル(例、エテニルオキシカルボニル、プロペニルオキシカルボニル、ブテニルオキシカルボニル、ペンテニルオキシカルボニル、へキセニルオキシカルボニル);
(A83) C2−6アルキニルオキシ−カルボニル(例、エチニルオキシカルボニル、プロピニルオキシカルボニル、ブチニルオキシカルボニル、ペンチニルオキシカルボニル、ヘキシニルオキシカルボニル);
(A84) C3−6シクロアルキルオキシ−カルボニル(例、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル);
(A85) C3−6シクロアルケニルオキシ−カルボニル(例、シクロプロペニルオキシカルボニル、シクロブテニルオキシカルボニル、シクロペンテニルオキシカルボニル、シクロヘキセニルオキシカルボニル);
(A86) C6−10アリールオキシ−カルボニル(例、フェニルオキシカルボニル、1−ナフチルオキシカルボニル、2−ナフチルオキシカルボニル);
(A87) C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ−カルボニル(例、シクロプロピルメチルオキシカルボニル、シクロプロピルエチルオキシカルボニル、シクロブチルメチルオキシカルボニル、シクロペンチルメチルオキシカルボニル、シクロヘキシルメチルオキシカルボニル、シクロヘキシルエチルオキシカルボニル);
(A88) C3−6シクロアルケニル−C1−6アルコキシ−カルボニル(例、シクロペンテニルメチルオキシカルボニル、シクロヘキセニルメチルオキシカルボニル、シクロヘキセニルエチルオキシカルボニル、シクロヘキセニルプロピルオキシカルボニル);
(A89) C6−10アリール−C1−6アルコキシ−カルボニル(例、フェニルメチルオキシカルボニル、フェニルエチルオキシカルボニル);
(A90) スルファモイル;
(A91) カルバモイル;
(A92) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(C6−10アリール−C1−6アルキル−カルボニル)アミノ(例、フェニルメチルカルボニルアミノ);
(A93) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(5または6員の単環式芳香族複素環−C1−6アルキル−カルボニル)アミノ(例、フリルメチルカルボニルアミノ、チエニルメチルカルボニルアミノ、ピロリルメチルカルボニルアミノ、オキサゾリルメチルカルボニルアミノ、イソオキサゾリルメチルカルボニルアミノ、チアゾリルメチルカルボニルアミノ、イソチアゾリルメチルカルボニルアミノ、イミダゾリルメチルカルボニルアミノ、テトラゾリルメチルカルボニルアミノ、ピリジルメチルカルボニルアミノ、ピラゾリルメチルカルボニルアミノ);
(A94) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(8ないし12員の縮合芳香族複素環−C1−6アルキル−カルボニル)アミノ(例、ベンゾフラニルメチルカルボニルアミノ、イソベンゾフラニルメチルカルボニルアミノ、ベンゾチエニルメチルカルボニルアミノ、イソベンゾチエニルメチルカルボニルアミノ、ベンゾピラゾリルメチルカルボニルアミノ);
(A95) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(3ないし8員の単環式非芳香族複素環−C1−6アルキル−カルボニル)アミノ(例、オキシラニルメチルカルボニルアミノ、アゼチジニルメチルカルボニルアミノ、オキセタニルメチルカルボニルアミノ、チエタニルメチルカルボニルアミノ、ピロリジニルメチルカルボニルアミノ、テトラヒドロフリルメチルカルボニルアミノ、チオラニルメチルカルボニルアミノ、ピペリジニルメチルカルボニルアミノ);
(A96) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノC6−10アリール−ウレイド(例、フェニルウレイド);
(A97) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ5または6員の単環式芳香族複素環−ウレイド(例、フリルウレイド、チエニルウレイド、ピロリルウレイド、オキサゾリルウレイド、イソオキサゾリルウレイド、チアゾリルウレイド、イソチアゾリルウレイド、イミダゾリルウレイド、テトラゾリルウレイド、ピリジルウレイド、ピラゾリルウレイド);
(A98) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ8ないし12員の縮合芳香族複素環−ウレイド(例、ベンゾフラニルウレイド、イソベンゾフラニルウレイド、ベンゾチエニルウレイド、イソベンゾチエニルウレイド、ベンゾピラゾリルウレイド);
(A99) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ3ないし8員の単環式非芳香族複素環−ウレイド(例、オキシラニルウレイド、アゼチジニルウレイド、オキセタニルウレイド、チエタニルウレイド、ピロリジニルウレイド、テトラヒドロフリルウレイド、チオラニルウレイド、ピペリジニルウレイド);
(A100) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(C6−10アリール−C1−6アルキル)ウレイド(例、フェニルメチルウレイド);
(A101) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(5または6員の単環式芳香族複素環−C1−6アルキル)ウレイド(例、フリルメチルウレイド、チエニルメチルウレイド、ピロリルメチルウレイド、オキサゾリルメチルウレイド、イソオキサゾリルメチルウレイド、チアゾリルメチルウレイド、イソチアゾリルメチルウレイド、イミダゾリルメチルウレイド、テトラゾリルメチルウレイド、ピリジルメチルウレイド、ピラゾリルメチルウレイド);
(A102) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(8ないし12員の縮合芳香族複素環−C1−6アルキル)ウレイド(例、ベンゾフラニルメチルウレイド、イソベンゾフラニルメチルウレイド、ベンゾチエニルメチルウレイド、イソベンゾチエニルメチルウレイド、ベンゾピラゾリルメチルウレイド);
(A103) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(3ないし8員の単環式非芳香族複素環−C1−6アルキル)ウレイド(例、オキシラニルメチルウレイド、アゼチジニルメチルウレイド、オキセタニルメチルウレイド、チエタニルメチルウレイド、ピロリジニルメチルウレイド、テトラヒドロフリルメチルウレイド、チオラニルメチルウレイド、ピペリジニルメチルウレイド);
(A104) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノC6−10アリール−アミノカルボニル(例、フェニルアミノカルボニル);
(A105) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ5または6員の単環式芳香族複素環−アミノカルボニル(例、フリルアミノカルボニル、チエニルアミノカルボニル、ピロリルアミノカルボニル、オキサゾリルアミノカルボニル、イソオキサゾリルアミノカルボニル、チアゾリルアミノカルボニル、イソチアゾリルアミノカルボニル、イミダゾリルアミノカルボニル、テトラゾリルアミノカルボニル、ピリジルアミノカルボニル、ピラゾリルアミノカルボニル);
(A106) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ8ないし12員の縮合芳香族複素環−アミノカルボニル(例、ベンゾフラニルアミノカルボニル、イソベンゾフラニルアミノカルボニル、ベンゾチエニルアミノカルボニル、イソベンゾチエニルアミノカルボニル、ベンゾピラゾリルアミノカルボニル);
(A107) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ3ないし8員の単環式非芳香族複素環−アミノカルボニル(例、オキシラニルアミノカルボニル、アゼチジニルアミノカルボニル、オキセタニルアミノカルボニル、チエタニルアミノカルボニル、ピロリジニルアミノカルボニル、テトラヒドロフリルアミノカルボニル、チオラニルアミノカルボニル、ピペリジニルアミノカルボニル);
(A108) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(C6−10アリール−C1−6アルキル)アミノカルボニル(例、フェニルメチルアミノカルボニル);
(A109) 置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(5または6員の単環式芳香族複素環−C1−6アルキル)アミノカルボニル(例、フリルメチルアミノカルボニル、チエニルメチルアミノカルボニル、ピロリルメチルアミノカルボニル、オキサゾリルメチルアミノカルボニル、イソオキサゾリルメチルアミノカルボニル、チアゾリルメチルアミノカルボニル、イソチアゾリルメチルアミノカルボニル、イミダゾリルメチルアミノカルボニル、テトラゾリルメチルアミノカルボニル、ピリジルメチルアミノカルボニル、ピラゾリルメチルアミノカルボニル);
(A110) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(8ないし12員の縮合芳香族複素環−C1−6アルキル)アミノカルボニル(例、ベンゾフラニルメチルアミノカルボニル、イソベンゾフラニルメチルアミノカルボニル、ベンゾチエニルメチルアミノカルボニル、イソベンゾチエニルメチルアミノカルボニル、ベンゾピラゾリルメチルアミノカルボニル);
(A111) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ(3ないし8員の単環式非芳香族複素環−C1−6アルキル)アミノカルボニル(例、オキシラニルメチルアミノカルボニル、アゼチジニルメチルアミノカルボニル、オキセタニルメチルアミノカルボニル、チエタニルメチルアミノカルボニル、ピロリジニルメチルアミノカルボニル、テトラヒドロフリルメチルアミノカルボニル、チオラニルメチルアミノカルボニル、ピペリジニルメチルアミノカルボニル);
(A112) 後述の置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、モノ5または6員の単環式芳香族複素環−アミノ(例、フリルアミノ、チエニルアミノ、ピロリルアミノ、オキサゾリルアミノ、イソオキサゾリルアミノ、チアゾリルアミノ、イソチアゾリルアミノ、イミダゾリルアミノ、テトラゾリルアミノ、ピリジルアミノ、ピラゾリルアミノ);
(A113) オキソを1個有していてもよい、ベンゼン環と縮合していてもよい環状アミノ(例、ピロリジノ、ピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ);
(A114) C6−10アリール(例、フェニル)を1個有していてもよい、C2−6アルキニル−カルボニルアミノ(例、エチニルカルボニルアミノ、プロピニルカルボニルアミノ、ブチニルカルボニルアミノ、ペンチニルカルボニルアミノ、ヘキシニルカルボニルアミノ);
(A115) (a)ハロゲン原子、
(b)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル)、および
(c)C1−6アルキルスルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル)
から選ばれる置換基を1個有していてもよい、C6−10アリール−スルホニルアミノ(例、フェニルスルホニルアミノ、ナフチルスルホニルアミノ);
(A116) C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル)を1個有していてもよい、5または6員の単環式芳香族複素環−スルホニルアミノ(例、フリルスルホニルアミノ、チエニルスルホニルアミノ、ピロリルスルホニルアミノ、オキサゾリルスルホニルアミノ、イソオキサゾリルスルホニルアミノ、チアゾリルスルホニルアミノ、イソチアゾリルスルホニルアミノ、イミダゾリルスルホニルアミノ、テトラゾリルスルホニルアミノ、ピリジルスルホニルアミノ、ピラゾリルスルホニルアミノ);
(A117) ウレイド;
(A118) C1−6アルキル−ウレイド(例、メチルウレイド、エチルウレイド、プロピルウレイド);
(A119) C3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル);
(A120) ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC6−10アリール(例、フェニル);および
(A121) 5または6員の単環式芳香族複素環−スルファニル(例、ピリジルスルファニル)。
置換基群B:
(B1) ハロゲン原子;
(B2) シアノ;
(B3) ヒドロキシ;
(B4) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−オキシ(例、オキシラニルオキシ、アゼチジニルオキシ、オキセタニルオキシ、チエタニルオキシ、ピロリジニルオキシ、テトラヒドロフリルオキシ、チオラニルオキシ、ピペリジニルオキシ);
(B5) アミノ;
(B6) モノC1−6アルキル−アミノ(例、メチルアミノ、エチルアミノ、プロピルアミノ、イソプロピルアミノ、ブチルアミノ、イソブチルアミノ、tert-ブチルアミノ);
(B7) ジC1−6アルキル−アミノ(例、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジイソプロピルアミノ、ジブチルアミノ、ジイソブチルアミノ、ジtert-ブチルアミノ、N−エチル−N−メチルアミノ、N−メチル−N−プロピルアミノ、N−エチル−N−プロピルアミノ);
(B8) モノC3−6シクロアルキル−アミノ(例、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ);
(B9) モノ(C1−6アルキル−カルボニル)アミノ(例、アセチルアミノ、エチルカルボニルアミノ、プロピルカルボニルアミノ、イソブチルカルボニルアミノ、tert-ブチルカルボニルアミノ);
(B10) モノ(C3−6シクロアルキル−カルボニル)アミノ(例、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ、シクロペンチルカルボニルアミノ、シクロヘキシルカルボニルアミノ);
(B11) メルカプト;
(B12) C1−6アルキル−スルファニル(例、メチルスルファニル、エチルスルファニル);
(B13) C3−6シクロアルキル−スルファニル(例、シクロプロピルスルファニル、シクロブチルスルファニル);
(B14) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−スルファニル(例、オキシラニルスルファニル、アゼチジニルスルファニル);
(B15) C1−6アルキル−スルフィニル(例、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル);
(B16) C3−6シクロアルキル−スルフィニル(例、シクロプロピルスルフィニル、シクロブチルスルフィニル);
(B17) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−スルフィニル(例、オキシラニルスルフィニル、アゼチジニルスルフィニル);
(B18) C1−6アルキル−スルホニル(例、メチルスルホニル、エチルスルホニル);
(B19) C3−6シクロアルキル−スルホニル(例、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル);
(B20) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−スルホニル(例、オキシラニルスルホニル、アゼチジニルスルホニル);
(B21) オキソ;
(B22) ホルミル;
(B23) C1−6アルキル−カルボニル(例、アセチル、エチルカルボニル、プロピルカルボニル、イソプロピルカルボニル);
(B24) C3−6シクロアルキル−カルボニル(例、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル);
(B25) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環−カルボニル(例、オキシラニルカルボニル、アゼチジニルカルボニル、オキセタニルカルボニル、チエタニルカルボニル、ピロリジニルカルボニル、テトラヒドロフリルカルボニル、チオラニルカルボニル、ピペリジニルカルボニル);
(B26) カルボキシ;
(B27) カルバモイル;
(B28) モノ(C1−6アルキル−アミノ)カルボニル(例、メチルアミノカルボニル、エチルアミノカルボニル、プロピルアミノカルボニル);
(B29) ジ(C1−6アルキル−アミノ)カルボニル(例、ジメチルアミノカルボニル、ジエチルアミノカルボニル、ジプロピルアミノカルボニル);
(B30) スルホ;
(B31) スルファモイル;
(B32) モノC1−6アルキルスルファモイル(例、メチルスルファモイル、エチルスルファモイル、プロピルスルファモイル);
(B33) ジC1−6アルキルスルファモイル(例、ジメチルスルファモイル、ジエチルスルファモイル、ジプロピルスルファモイル);
(B34) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、テトラヒドロフリル、チオラニル、ピペリジニル、モルホリニル);
(B35) C1−4アルキレンジオキシ(例、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、トリメチレンジオキシ);および
(B36) C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル、エチルスルファニル、プロピルスルファニル)。
置換基群C:
(C1) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C1−6アルキル(例、メチル、エチル、プロピル);
(C2) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ、プロポキシ);
(C3) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル);
(C4) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルキルオキシ(例、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ);
(C5) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルキル−C1−6アルキル(例、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルエチル);
(C6) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C3−6シクロアルキル−C1−6アルコキシ(例、シクロプロピルメチルオキシ、シクロプロピルエチルオキシ、シクロブチルメチルオキシ、シクロペンチルメチルオキシ、シクロヘキシルメチルオキシ、シクロヘキシルエチルオキシ);
(C7) 上記置換基群Bから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール(例、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル);
(C8) 上記置換基群Bから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリールオキシ(例、フェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシ);
(C9) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール−C1−6アルキル(例、ベンジル、フェニルエチル);
(C10) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、C6−10アリール−C1−6アルコキシ(例、フェニルメチルオキシ、フェニルエチルオキシ);
(C11) 上記置換基群Bから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、5または6員の単環式芳香族複素環基(例、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピリジル、ピラゾリル);
(C12) 上記置換基群Bから選ばれる置換基(オキソを除く)を1ないし3個有していてもよい、5または6員の単環式芳香族複素環オキシ(例、フリルオキシ、チエニルオキシ、ピロリルオキシ、オキサゾリルオキシ、イソオキサゾリルオキシ、チアゾリルオキシ、イソチアゾリルオキシ、イミダゾリルオキシ、ピリジルオキシ、ピラゾリルオキシ);
(C13) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、5または6員の単環式芳香族複素環−C1−6アルキル(例、フリルメチル、チエニルメチル、ピロリルメチル、オキサゾリルメチル、イソオキサゾリルメチル、チアゾリルメチル、イソチアゾリルメチル、イミダゾリルメチル、ピリジルメチル、ピラゾリルメチル);および
(C14) 上記置換基群Bから選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、5または6員の単環式芳香族複素環−C1−6アルコキシ(例、フリルメチルオキシ、チエニルメチルオキシ、ピロリルメチルオキシ、オキサゾリルメチルオキシ、イソオキサゾリルメチルオキシ、チアゾリルメチルオキシ、イソチアゾリルメチルオキシ、イミダゾリルメチルオキシ、ピリジルメチルオキシ、ピラゾリルメチルオキシ)。
で示される「置換基を有するシクロプロピル」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有する。このような置換基としては、例えば、上記置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基が挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよいC4−10シクロアルキル」、「置換基を有していてもよいC3−6シクロアルケニル」、および「置換基を有していてもよい非芳香族複素環基」における「C4−10シクロアルキル」、「C3−6シクロアルケニル」および「非芳香族複素環基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、上記置換基群Bおよび置換基群Cから選ばれる置換基が挙げられる。
で示される「置換基を有していてもよいC6−10アリール」および「置換基を有していてもよい芳香族複素環基」における「C6−10アリール」および「芳香族複素環基」は、置換可能な位置に1ないし3個の置換基を有していてもよい。このような置換基としては、例えば、上記置換基群B(オキソを除く)および置換基群Cから選ばれる置換基が挙げられる。
としては、好ましくは、
(1)(a) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b) シアノ、
(c) ヒドロキシ、
(d) C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ)、
(e) C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル)、
(f) C1−6アルキル−カルボニル(例、メチルカルボニル)、
(g) ジC1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ)、
(h) 5または6員の単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、チエニル、ピリジル)、
(i) C1−6アルキル(例、イソプロピル)、オキソおよびC1−6アルキル−カルボニル(例、メチルカルボニル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル)、
(j) C3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、
(k) ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC6−10アリール(例、フェニル)、
(l) 5または6員の単環式芳香族複素環−スルファニル(例、ピリジルスルファニル)、
(m) モノC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(例、エトキシカルボニルアミノ)、
(n) C6−10アリールオキシ(例、フェニルオキシ)、および
(o) C1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、メチルカルボニルアミノ)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ヘキシル)、
(2)(a) C6−10アリール(例、フェニル)、および
(b) 5または6員の単環式芳香族複素環基(例、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル(例、エテニル、2−プロペニル)、
(3)(a) C1−6アルキル(例、メチル)、
(b) ヒドロキシ、
(c) シアノ、および
(d) ハロゲン原子(例、フッ素原子)
から選ばれる置換基を1〜3個有するシクロプロピル、
(4)(a) C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(b) ヒドロキシ
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC4−10シクロアルキル(例、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)、
(5) C3−6シクロアルケニル(例、シクロペンテニル)、
(6) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、モルホリニル)を1〜3個有していてもよいC6−10アリール(例、フェニル)、
(7)(a) アミノ、および
(b) C1−6アルキル(例、メチル)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい5または6員の単環式芳香族複素環基(例、チエニル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル)、
(8)8ないし12員の縮合芳香族複素環基(例、インドリル)、または
(9)(a) オキソ、
(b) C6−10アリール−C1−6アルキル(例、ベンジル)、および
(c) ヒドロキシを1〜3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル)
である。
は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す。
は、好ましくは、水素原子である。
は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す。
は、好ましくは、水素原子である。
Xは、CRはNを示し、Rは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す。
Xは、好ましくは、CRであり、ここで、Rは、好ましくは、ハロゲン原子(例、フッ素原子)である。
Yは、CR(Rは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す)またはNを示す。
Yは、好ましくは、CHである。
は、
(a) ハロゲン原子およびC1−6アルキルから選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール、
(b) ハロゲン原子を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル、
(c) オキソ、および
(d) ハロゲン原子
から選ばれる置換基を1〜4個有していてもよい、含窒素複素環基またはそのN−オキシドを示す。
は、好ましくは、
(a) ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1〜3個有していてもよいフェニル、
(b) C1−6アルキル(例、メチル)、および
(c) オキソ
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい、3ないし8員の単環式含窒素非芳香族複素環基(例、ジヒドロピリジル)である。
化合物(I)またはその塩の好適な具体例としては、以下が挙げられる:
(化合物A)
式(I)において、
が、
(1)(a) ハロゲン原子(例、フッ素原子)、
(b) シアノ、
(c) ヒドロキシ、
(d) C1−6アルコキシ(例、メトキシ、エトキシ)、
(e) C1−6アルキルスルファニル(例、メチルスルファニル)、
(f) C1−6アルキル−カルボニル(例、メチルカルボニル)、
(g) ジC1−6アルキルアミノ(例、ジメチルアミノ)、
(h) 5または6員の単環式芳香族複素環基(例、イミダゾリル、チエニル、ピリジル)、
(i) C1−6アルキル(例、イソプロピル)、オキソおよびC1−6アルキル−カルボニル(例、メチルカルボニル)から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよい、3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル)、
(j) C3−6シクロアルキル(例、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル)、
(k) ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1ないし3個有していてもよいC6−10アリール(例、フェニル)、
(l) 5または6員の単環式芳香族複素環−スルファニル(例、ピリジルスルファニル)、
(m) モノC1−6アルコキシ−カルボニルアミノ(例、エトキシカルボニルアミノ)、
(n) C6−10アリールオキシ(例、フェニルオキシ)、および
(o) C1−6アルキル−カルボニルアミノ(例、メチルカルボニルアミノ)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、イソブチル、tert−ブチル、イソペンチル、ヘキシル)、
(2)(a) C6−10アリール(例、フェニル)、および
(b) 5または6員の単環式芳香族複素環基(例、チエニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC2−6アルケニル(例、エテニル、2−プロペニル)、
(3)(a) C1−6アルキル(例、メチル)、
(b) ヒドロキシ、
(c) シアノ、および
(d) ハロゲン原子(例、フッ素原子)
から選ばれる置換基を1〜3個有するシクロプロピル、
(4)(a) C1−6アルコキシ(例、メトキシ)、および
(b) ヒドロキシ
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC4−10シクロアルキル(例、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル)、
(5) C3−6シクロアルケニル(例、シクロペンテニル)、
(6) 3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、モルホリニル)を1〜3個有していてもよいC6−10アリール(例、フェニル)、
(7)(a) アミノ、および
(b) C1−6アルキル(例、メチル)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい5または6員の単環式芳香族複素環基(例、チエニル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル)、
(8)8ないし12員の縮合芳香族複素環基(例、インドリル)、または
(9)(a) オキソ、
(b) C6−10アリール−C1−6アルキル(例、ベンジル)、および
(c) ヒドロキシを1〜3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル)
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい3ないし8員の単環式非芳香族複素環基(例、テトラヒドロフリル、ピロリジニル、ピラニル、テトラヒドロピラニル、モルホリニル)を;
が、水素原子を;
が、水素原子を;
Xが、CR(Rは、ハロゲン原子(例、フッ素原子)を示す)を;
Yが、CHを;
が、
(a) ハロゲン原子(例、フッ素原子)を1〜3個有していてもよいフェニル、
(b) C1−6アルキル(例、メチル)、および
(c) オキソ
から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよい、3ないし8員の単環式含窒素非芳香族複素環基(例、ジヒドロピリジル)
である、化合物またはその塩。
化合物Aとしては、実施例1ないし71記載の化合物が好ましい。
化合物(I)の塩としては、例えば、金属塩、アンモニウム塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性または酸性アミノ酸との塩等が挙げられる。金属塩の好適な例としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アルミニウム塩等が挙げられる。有機塩基との塩の好適な例としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、2,6−ルチジン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'−ジベンジルエチレンジアミン等との塩が挙げられる。無機酸との塩の好適な例としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等との塩が挙げられる。有機酸との塩の好適な例としては、例えば、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩が挙げられる。塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アルギニン、リジン、オルニチン等との塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えば、アスパラギン酸、グルタミン酸等との塩が挙げられる。
このうち、薬学的に許容し得る塩が好ましい。例えば、化合物内に酸性官能基を有する場合には、アルカリ金属塩(例、ナトリウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩(例、カルシウム塩、マグネシウム塩等)等の無機塩、アンモニウム塩等、また、化合物内に塩基性官能基を有する場合には、例えば、塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、または酢酸、フタル酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げられる。
化合物(I)は、例えば、以下の反応式で示される方法またはこれに準じた方法等により得られる。
なお、式中の化合物は、塩を形成している場合も含み、このような塩としては、例えば、上記に例示した化合物(I)の塩と同様のもの等が用いられる。
また、各工程で得られた化合物は反応液のままか粗製物として次の反応に用いることもできるが、常法に従って反応混合物から単離することもでき、再結晶、蒸留、クロマトグラフィー等の分離手段により容易に精製することができる。
[製造法1]
化合物(I)は、例えば、反応式1で示される方法によって製造することができる。
Figure 2010126530
(式中、LおよびLは、脱離基を示し;
は、
(1)(a)ハロゲン原子、および
(b)ニトロ
から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル)、または
(2)(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ、および
(c)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル)
から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリール(例、フェニル)を示し;
他の記号は前記と同意義を示す。)
で示される脱離基としては、例えば、
(1)ハロゲン原子、
(2)(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ、および
(c)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル)
から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ(例、メチルスルホニルオキシ、エチルスルホニルオキシ)、
(3)(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ、および
(c)ハロゲン原子を1ないし3個有していてもよいC1−6アルキル(例、メチル、エチル)
から選ばれる置換基を1ないし3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ(例、フェニルスルホニルオキシ)等が用いられる。
で示される脱離基としては、例えば、ハロゲン原子等が用いられる。
(工程1−1):
化合物(IV)は、化合物(II)と化合物(III)を反応させることで製造することができる。
化合物(III)は、化合物(II)1モルに対して、約0.1モルないし約10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
本反応は、必要に応じて塩基を加えてもよい。このような塩基としては、無機塩基または有機塩基等が用いられるが、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、トリエチルアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン、N,N−ジメチルアニリン、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム tert−ブトキシド、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。これら塩基は、化合物(II)1モルに対して、約1モルないし約30モル、好ましくは約1モルないし約10モル用いる。
また本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、2−プロパノール、2−メチル−2−プロパノール等のアルコール類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、シクロヘキサン、ヘキサン等の炭化水素類;酢酸エチル等のエステル類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリドン等のアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、1,2−ジクロロエタン、クロロベンゼン、トリフルオロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類;アセトニトリル等のニトリル類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類;ピリジン;酢酸;水;等を単独またはそれらを混合して用いることができる。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常約10分ないし約100時間、好ましくは約30分ないし約50時間である。
反応温度は、通常約−78℃ないし約200℃、好ましくは約−20℃ないし約150℃である。
また本反応は、マイクロウェーブ反応装置を用いて行ってもよい。
化合物(II)および(III)は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)などに記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
(工程1−2):
化合物(V)は、化合物(IV)と式:RCOHで表されるカルボン酸を、縮合剤存在下で反応させることにより製造できる。
COHは、化合物(IV)1モルに対して、約1モルないし約10モル、好ましくは約1モルないし約3モル用いる。
縮合剤としては、例えば、1−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、シアノリン酸ジエチル、アジ化ジフェニルホスホリル、1,1’−カルボニルジイミダゾール、ベンゾトリアゾール−1−イルオキシトリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロリン酸塩、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロリン酸塩、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N,N−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート等を用いることができる。これら縮合剤は、化合物(IV)1モルに対して、約1モルないし約10モル、好ましくは約1モルないし約5モル用いる。さらに、必要に応じて、適当な縮合促進剤(例えば、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド等)を用いてもよい。これら縮合促進剤は、化合物(IV)1モルに対して、約0.1モルないし約10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
また本反応において、塩基を添加することで反応がより円滑に進行する場合がある。このような塩基としては、工程1−1の塩基と同様のものが用いられる。塩基は、化合物(IV)1モルに対して、約0.01モルないし約10モル、好ましくは約0.03モルないし約5モル用いる。
また本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、工程1−1の溶媒と同様のものが用いられる。
反応時間は、通常約1分間ないし約200時間、好ましくは約10分間ないし約100時間である。
反応温度は、通常約−100℃ないし約250℃、好ましくは約−78℃ないし約200℃である。
COHは、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(V)は、化合物(IV)と式:RCOLで表されるカルボン酸の反応性誘導体を反応させることによっても製造できる。
COLは、化合物(IV)1モルに対して、約1モルないし約10モル、好ましくは約1モルないし約3モル用いる。
本反応は、必要に応じて塩基を加えてもよい。このような塩基としては、工程1−1の塩基と同様のものが用いられる。塩基は、化合物(IV)1モルに対して、約0.01モルないし約10モル、好ましくは約0.03モルないし約5モル使用してもよい。
また本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、工程1−1の溶媒と同様のものが用いられる。
反応時間は、通常約1分ないし約200時間、好ましくは約10分ないし約100時間である。
反応温度は、通常約−100℃ないし約250℃、好ましくは約−78℃ないし約200℃である。
COLは、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
(工程1−3):
化合物(V)は、化合物(II)と化合物(VI)を反応させることによっても製造することができる。
化合物(VI)は、化合物(II)1モルに対して、約0.1モルないし約10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
本反応は、必要に応じて塩基を加えてもよい。このような塩基としては、工程1−1の塩基と同様のものが用いられる。
また本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、工程1−1の溶媒と同様のものが用いられる。
反応時間は、通常約1分ないし約200時間、好ましくは約10分ないし約100時間である。
反応温度は、通常約−100℃ないし約250℃、好ましくは約−78℃ないし約200℃である。
また本反応は、マイクロウェーブ反応装置を用いて行ってもよい。
化合物(VI)は、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
(工程1−4):
化合物(VII)は、化合物(V)のニトロを還元することで製造することができる。
ニトロの還元は自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)、第4版実験化学講座,第20巻,279−280頁等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って行うことができる。
(工程1−5):
化合物(VIII)は、化合物(VII)と式:RSOで表される化合物を、塩基の存在下で反応させることにより製造することができる。
SOは、化合物(VII)1モルに対して、約0.1モルないし約10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
塩基としては、工程1−1の塩基と同様のものが用いられる。塩基は、化合物(VII)1モルに対して、約0.1モルないし約10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
本反応は反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。溶媒としては、工程1−1の溶媒と同様のものが用いられる。また、塩基を過剰量用いて溶媒としてもよい。
反応時間は、通常約10分ないし約100時間、好ましくは約30分ないし約50時間である。
反応温度は、通常約−78℃ないし約200℃、好ましくは約−20℃ないし約150℃である。
SOは、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
(工程1−6):
化合物(IX)は、化合物(VIII)と式:HNCOCHで表される化合物を、塩基の存在下、反応させることで製造することができる。
NCOCHは、化合物(VIII)1モルに対して、約0.1モルないし約10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
塩基としては、工程1−1の塩基と同様のものが用いられる。塩基は、化合物(VIII)1モルに対して、約0.1モルないし10モル、好ましくは約0.3モルないし約3モル用いる。
本反応は、反応に不活性な溶媒を用いて行うのが有利である。このような溶媒としては、工程1−1の溶媒と同様のものが用いられる。また、塩基を過剰量用いて溶媒としてもよい。
反応時間は、通常約10分ないし約100時間、好ましくは約30分ないし約50時間である。
反応温度は、通常約−78℃ないし約200℃、好ましくは約−20℃ないし約150℃である。
NCOCHは、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
(工程1−7):
化合物(X)は、化合物(IX)とトリフルオロ酢酸無水物を反応させた後、続いて、アルカリ加水分解することで製造することができる。
トリフルオロ酢酸無水物は、化合物(IX)1モルに対して、を約1モルないし約30モル、好ましくは約1モルないし約10モル用いる。
本反応は、反応に不活性な溶媒をさらに用いて行うのが有利である。溶媒としては、工程1−1の溶媒と同様のものが用いられる。
反応時間は、通常約10分ないし約100時間、好ましくは約30分ないし約50時間である。
反応温度は、通常約−78℃ないし約200℃、好ましくは約−20℃ないし約150℃である。
また本反応は、マイクロウェーブ反応装置を用いて行ってもよい。
続く、アルカリ加水分解に用いる塩基としては、例えば、水酸化ナトリウム水溶液、水酸化カリウム水溶液、水酸化バリウム水溶液、水酸化カルシウム水溶液、炭酸カリウム水溶液、炭酸ナトリウム水溶液、炭酸セシウム水溶液等が用いられる。
反応時間は、用いる試薬や溶媒により異なるが、通常約10分ないし約100時間、好ましくは約30分ないし約50時間である。
反応温度は、通常約−78℃ないし約200℃、好ましくは約−20℃ないし約150℃である。
また本反応は、マイクロウェーブ反応装置を用いて行ってもよい。
(工程1−8):
化合物(I)は、化合物(X)と式:RCOHで表されるカルボン酸を縮合剤存在下反応させることによってか、または、化合物(X)と式:RCOLで表されるカルボン酸の反応性誘導体を反応させることによって、工程1−2と同様の方法で製造することができる。
COHおよびRCOLは、それぞれ、市販のものを使用するか、または自体公知の方法、例えば「Advanced Organic Chemistry, 4th Ed.」(Jerry March著)、「Comprehensive Organic Transformations, 2nd Ed.」(Richard C. Larock著)等に記載の方法、またはこれらに準じた方法に従って製造することができる。
化合物(I)に、自体公知の手段を適用してさらに置換基の導入や官能基変換を行い、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。置換基変換は公知の一般的方法が用いられるが、例えばエステルの加水分解によるカルボキシへの変換、カルボキシのアミド化によるカルバモイルへの変換、カルボキシの還元によるヒドロキシメチルへの変換、カルボニルの還元やアルキル化によるアルコール体への変換、カルボニルの還元的アミノ化、カルボニルのオキシム化、アミノのアシル化・ウレア化・スルホニル化・アルキル化、アミンによる活性ハロゲンの置換・アミノ化、ニトロの還元によるアミノ化、ヒドロキシのアルキル化、ヒドロキシの置換・アミノ化が挙げられる。この置換基の導入や官能基変換を行うに際し、目的以外の反応が起きる反応性置換基が存在する場合は、必要に応じて自体公知の手段によりその反応性置換基に事前に保護基を導入し、目的の反応を行った後にその保護基をやはり自体公知の手段により除去して、本発明の範囲に含まれる化合物を製造することもできる。
例えば、原料化合物や中間体が置換基としてアミノ基、カルボキシル基または水酸基を有する場合、これらの基は、ペプチド化学などで一般的に用いられるような保護基で保護されていてもよい。この場合、反応後に、必要に応じて保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
アミノ基の保護基としては、例えば、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、C1−6アルコキシ−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、C7−14アラルキルオキシ−カルボニル基(例、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル)、トリチル基、フタロイル基、N,N−ジメチルアミノメチレン基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)などが挙げられる。これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
カルボキシル基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、C7−11アラルキル基(例、ベンジル)、フェニル基、トリチル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)等が挙げられる。
水酸基の保護基としては、例えば、C1−6アルキル基、フェニル基、トリチル基、C7−10アラルキル基(例、ベンジル)、ホルミル基、C1−6アルキル−カルボニル基、ベンゾイル基、C7−10アラルキル−カルボニル基(例、ベンジルカルボニル)、2−テトラヒドロピラニル基、2−テトラヒドロフラニル基、置換シリル基(例、トリメチルシリル、トリエチルシリル、ジメチルフェニルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジエチルシリル)、C2−6アルケニル基(例、1−アリル)などが挙げられる。
これらの基は、ハロゲン原子、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
上記した保護基の除去方法は、自体公知の方法、例えば、Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley and Sons 刊(1980)に記載の方法などが挙げられる。具体的には、酸、塩基、紫外光、ヒドラジン、フェニルヒドラジン、N−メチルジチオカルバミン酸ナトリウム、テトラブチルアンモニウムフルオリド、酢酸パラジウム、トリアルキルシリルハライド(例えば、トリメチルシリルヨージド、トリメチルシリルブロミドなど)などを使用する方法や還元法などが用いられる。
化合物(I)は、公知の手段、例えば、転溶、濃縮、溶媒抽出、分溜、液性変換、晶出、再結晶、クロマトグラフィー等によって単離、精製することができる。化合物(I)が遊離化合物として得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法によって、目的とする塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準ずる方法により、遊離体または目的とする他の塩に変換することができる。
化合物(I)はプロドラッグとして用いてもよい。化合物(I)のプロドラッグは、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により化合物(I)に変換する化合物、すなわち酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物、胃酸等により加水分解等を起こして化合物(I)に変化する化合物をいう。
化合物(I)のプロドラッグとしては、化合物(I)のアミノがアシル化、アルキル化、リン酸化された化合物(例えば、化合物(I)のアミノがエイコサノイル化、アラニル化、ペンチルアミノカルボニル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メトキシカルボニル化、テトラヒドロフリル化、ピロリジニルメチル化、ピバロイルオキシメチル化、tert-ブチル化された化合物等);化合物(I)のヒドロキシルがアシル化、アルキル化、リン酸化、ホウ酸化された化合物(例えば、化合物(I)のヒドロキシルがアセチル化、パルミトイル化、プロパノイル化、ピバロイル化、スクシニル化、フマリル化、アラニル化、ジメチルアミノメチルカルボニル化された化合物等);化合物(I)のカルボキシがエステル化、アミド化された化合物(例えば、化合物(I)のカルボキシがエチルエステル化、フェニルエステル化、カルボキシメチルエステル化、ジメチルアミノメチルエステル化、ピバロイルオキシメチルエステル化、エトキシカルボニルオキシエチルエステル化、フタリジルエステル化、(5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル)メチルエステル化、シクロヘキシルオキシカルボニルエチルエステル化、メチルアミド化された化合物等);等が挙げられる。これらの化合物は、自体公知の方法によって化合物(I)から製造することができる。
また、化合物(I)のプロドラッグは、広川書店1990年刊「医薬品の開発」第7巻分子設計163頁から198頁に記載されているような生理的条件で化合物(I)に変化するものであってもよい。
化合物(I)が、光学異性体、立体異性体、位置異性体、回転異性体等の異性体を有する場合には、いずれか一方の異性体も混合物も化合物(I)に包含される。例えば、化合物(I)に光学異性体が存在する場合には、ラセミ体から分割された光学異性体も化合物(I)に包含される。これらの異性体は、自体公知の合成手法、分離手法(濃縮、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶等)によりそれぞれを単品として得ることができる。
化合物(I)は、結晶であってもよく、結晶形が単一であっても結晶形混合物であっても化合物(I)に包含される。結晶は、自体公知の結晶化法を適用して、結晶化することによって製造することができる。
化合物(I)は、溶媒和物(例えば、水和物等)であっても、無溶媒和物(例えば、非水和物等)であってもよく、いずれも化合物(I)等に包含される。
同位元素(例、H、H、14C、35S、125I等)等で標識された化合物も、化合物(I)等に包含される。
さらに、化合物(I)は、重水素変換体であってもよい。
本発明の化合物(I)またはその塩、あるいはそのプロドラッグ(本明細書中、「本発明化合物」と略記することがある)は、例えば、キナーゼが有するリン酸化作用に対して、そのリン酸化を阻害する活性を有する。ここで、キナーゼとは、それ自身が全体としてリン酸化作用を有する物質のみならず、その部分がリン酸化作用を有する物質も包含し、キナーゼの有するリン酸化作用とは、自己に対するリン酸化作用および他の物質に対するリン酸化作用のどちらの作用も包含する。
キナーゼとしては、例えば、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、Raf、c−Met等が挙げられる。血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)としては、血管内皮増殖因子受容体1(VEGFR1、Flt−1)、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2、KDR、Flk−1)、血管内皮増殖因子受容体3(VEGFR3、Flt−4)等が挙げられ、なかでも血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)が好ましい。血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)としては、血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRα)、血小板由来増殖因子受容体β(PDGFRβ)等が挙げられる。Rafとしては、A−Raf、B−Raf、C−Raf等が挙げられる。特に、キナーゼとしては、血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)、Raf、c−Metが好ましい。
その他、キナーゼとしては、Tyrosine Kinase with Ig and EGF homology domains2(TIE2)、繊維芽細胞増殖因子受容体1(FGFR1)、繊維芽細胞増殖因子受容体2(FGFR2)、繊維芽細胞増殖因子受容体3(FGFR3)、繊維芽細胞増殖因子受容体4(FGFR4)、幹細胞因子受容体(c−Kit)、Aurora A、Aurora B、CDK、MEK1、MEK2、Akt、ERK、MAPK、Src、MET、上皮細胞増殖因子受容体(EGFR)、上皮細胞増殖因子受容体2(HER2)、上皮細胞増殖因子受容体4(HER4)、Abl、Fgr、Fms、Flt3、Ron、Ret、Eph等も挙げられる。
例えば、本発明化合物の血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)阻害活性は、試験例1に準じて、血管内皮細胞の増殖阻害活性は、試験例2に準じて、肝細胞増殖因子受容体(c−Met)阻害活性は、試験例3に準じて、ヒト胃癌細胞MKN45増殖阻害活性は、試験例4に準じて、抗腫瘍活性は試験例5に準じて測定することができる。
本発明化合物は、特に血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)に対し強い阻害活性を示し、なかでも血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2、KDR、Flk−1)に対する選択性が高く、さらに、VEGFR1、PDGFRに対しても強いキナーゼ阻害活性を示す。また、本発明化合物は、肝細胞増殖因子受容体(c−Met)に対し強い阻害作用を示す。また、本発明化合物は、薬効発現、薬物動態(吸収性、分布、代謝、排泄等)、溶解性(水溶性等)、他の医薬品との相互作用、安全性(急性毒性、慢性毒性、遺伝毒性、生殖毒性、心臓毒性、癌原性等)、安定性(化学的安定性、酵素に対する安定性等)の点でも優れているので、医薬として有用である。
従って、本発明化合物は、哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、ネコ、イヌ、ウシ、ヒツジ、サル、ヒト等)に対して、キナーゼ阻害剤、好ましくは血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)阻害剤、血小板由来増殖因子受容体(PDGFR)阻害剤、さらに好ましくは血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2、KDR、Flk−1)阻害剤として有用である。また、本発明化合物は血管新生阻害剤、血管内皮細胞増殖阻害剤として有用である。本発明化合物は、血管内皮増殖因子により影響される可能性のある疾患、例えば、癌(例えば、大腸癌(例えば、家族性大腸癌、遺伝性非ポリポーシス大腸癌、消化管間質腫瘍など)、肺癌(例えば、非小細胞肺癌、小細胞肺癌、悪性中皮腫など)、中皮腫、膵臓癌(例えば、膵管癌など)、胃癌(例えば、乳頭腺癌、粘液性腺癌、腺扁平上皮癌など)、乳癌(例えば、浸潤性乳管癌、非浸潤性乳管癌、炎症性乳癌など)、卵巣癌(例えば、上皮性卵巣癌、性腺外胚細胞腫瘍、卵巣性胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍など)、前立腺癌(例えば、ホルモン依存性前立腺癌、ホルモン非依存性前立腺癌など)、肝臓癌(例えば、原発性肝癌、肝外胆管癌など)、甲状腺癌(例えば、甲状腺髄様癌など)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌、腎盂と尿管の移行上皮癌など)、子宮癌、脳腫瘍(例えば、松果体星細胞腫瘍、毛様細胞性星細胞腫、びまん性星細胞腫、退形成性星細胞腫など)、黒色腫(メラノーマ)、肉腫、膀胱癌、多発性骨髄腫を含む血液癌等)、糖尿病性網膜症、関節リウマチ、乾癬、アテローム性動脈硬化症、カポジ肉腫、COPD、痛み、喘息、子宮内膜症、腎炎、変形性関節症等の炎症、高血圧の予防・治療剤、癌の増殖阻害剤、癌の転移抑制剤、アポトーシス促進剤等の医薬として用いられる。なかでも、例えば、大腸癌、肺癌、膵臓癌、胃癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、肝臓癌、甲状腺癌、腎臓癌、脳腫瘍、黒色腫(メラノーマ)、膀胱癌、血液癌に対して有効であり、特に本発明化合物は、肺癌、大腸癌、卵巣癌、前立腺癌、腎臓癌の患者に対して有効である。また、本発明化合物は、強いc−Met阻害作用に基づき、癌の浸潤・転移抑制作用を呈する。
本発明化合物は、そのままあるいは薬理学的に許容される担体を配合し、経口的または非経口的に投与することができる。
本発明化合物を経口投与する場合の剤形としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤、マイクロカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤等が挙げられ、また、非経口投与する場合の剤形としては、例えば、注射剤、注入剤、点滴剤、坐剤等が挙げられる。また、適当な基剤(例、酪酸の重合体、グリコール酸の重合体、酪酸−グリコール酸の共重合体、酪酸の重合体とグリコール酸の重合体との混合物、ポリグリセロール脂肪酸エステル等)と組み合わせ徐放性製剤とすることも有効である。
本発明化合物を上記の剤形に製造する方法としては、当該分野で一般的に用いられている公知の製造方法を適用することができる。また、上記の剤形に製造する場合には、必要に応じて、その剤形に製造する際に製剤分野において通常用いられる賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、甘味剤、界面活性剤、懸濁化剤、乳化剤等の添加剤を適宜、適量含有させて製造することができる。
例えば、本発明化合物を錠剤に製造する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等を含有させて製造することができ、丸剤および顆粒剤に製造する場合には、賦形剤、結合剤、崩壊剤等を含有させて製造することができる。また、散剤およびカプセル剤に製造する場合には賦形剤等を、シロップ剤に製する場合には甘味剤等を、乳剤または懸濁剤に製する場合には懸濁化剤、界面活性剤、乳化剤等を含有させて製造することができる。
賦形剤の例としては、乳糖、白糖、ブドウ糖、でんぷん、蔗糖、微結晶セルロース、カンゾウ末、マンニトール、炭酸水素ナトリウム、リン酸カルシウム、硫酸カルシウム等が挙げられる。
結合剤の例としては、5ないし10重量%デンプンのり液、10ないし20重量%アラビアゴム液またはゼラチン液、1ないし5重量%トラガント液、カルボキシメチルセルロース液、アルギン酸ナトリウム液、グリセリン等が挙げられる。
崩壊剤の例としては、でんぷん、炭酸カルシウム等が挙げられる。
滑沢剤の例としては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、精製タルク等が挙げられる。
甘味剤の例としては、ブドウ糖、果糖、転化糖、ソルビトール、キシリトール、グリセリン、単シロップ等が挙げられる。
界面活性剤の例としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリソルベート80、ソルビタンモノ脂肪酸エステル、ステアリン酸ポリオキシル40等が挙げられる。
懸濁化剤の例としては、アラビアゴム、アルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ベントナイト等が挙げられる。
乳化剤の例としては、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、ポリソルベート80等が挙げられる。
更に、本発明化合物を上記の剤形に製造する場合には、所望により、製剤分野において通常用いられる着色剤、保存剤、芳香剤、矯味剤、安定剤、粘稠剤等を適宜、適量添加することができる。
注射剤としては、静脈注射剤のほか、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤等が含まれ、また持続性製剤としては、イオントフォレシス経皮剤等が含まれる。
かかる注射剤は、自体公知の方法、すなわち、本発明化合物を無菌の水性液もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製される。注射用の水性液としては生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウム等)等が挙げられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノール)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80、HCO−50)等と併用してもよい。油性液としては、ゴマ油、大豆油等が挙げられ、溶解補助剤として、安息香酸ベンジル、ベンジルアルコール等と併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカイン等)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコール等)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノール等)等と配合してもよい。調製された注射液は、通常、アンプルに充填される。
本発明製剤中の本発明化合物の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約2ないし85重量%、さらに好ましくは約5ないし70重量%である。
本発明製剤中の添加剤の含有量は、製剤の形態に応じて相違するが、通常、製剤全体に対して約1ないし99.9重量%、好ましくは約10ないし90重量%である。
本発明化合物は、安定かつ低毒性で安全に使用することができる。その1日の投与量は患者の状態や体重、化合物の種類、投与経路等によって異なるが、例えば、癌治療目的で患者に経口投与する場合には、成人(体重約60kg)1日当りの投与量は、有効成分(本発明化合物)として約1ないし1000mg、好ましくは約3ないし300mg、さらに好ましくは約10ないし200mgであり、これらを1回または2ないし3回に分けて投与することができる。
本発明化合物を非経口的に投与する場合は、通常、液剤(例えば、注射剤)の形で投与する。その1回投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法等によっても異なるが、例えば、注射剤の形にして、通常体重1kgあたり約0.01ないし約100mg、好ましくは約0.01ないし約50mg、より好ましくは約0.01ないし約20mgを静脈注射により投与するのが好都合である。
本発明化合物は、他の薬物と併用して用いることができる。具体的には、本発明化合物は、ホルモン療法剤、化学療法剤、免疫療法剤または細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤等の薬物と併用して用いることができる。以下、本発明化合物と併用し得る薬物を併用薬物と略記する。
「ホルモン療法剤」としては、例えば、ホスフェストロール、ジエチルスチルベストロール、クロロトリアニセン、酢酸メドロキシプロゲステロン、酢酸メゲストロール、酢酸クロルマジノン、酢酸シプロテロン、ダナゾール、アリルエストレノール、ゲストリノン、メパルトリシン、ラロキシフェン、オルメロキシフェン、レボルメロキシフェン、抗エストロゲン(例、クエン酸タモキシフェン、クエン酸トレミフェン等)、ピル製剤、メピチオスタン、テストロラクトン、アミノグルテチイミド、LH−RHアゴニスト(例、酢酸ゴセレリン、ブセレリン、リュープロレリン等)、ドロロキシフェン、エピチオスタノール、スルホン酸エチニルエストラジオール、アロマターゼ阻害薬(例、塩酸ファドロゾール、アナストロゾール、レトロゾール、エキセメスタン、ボロゾール、フォルメスタン等)、抗アンドロゲン(例、フルタミド、ビカルタミド、ニルタミド等)、5α−レダクターゼ阻害薬(例、フィナステリド、エプリステリド等)、副腎皮質ホルモン系薬剤(例、デキサメタゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン、トリアムシノロン等)、アンドロゲン合成阻害薬(例、アビラテロン等)、レチノイドおよびレチノイドの代謝を遅らせる薬剤(例、リアロゾール等)等が用いられる。
「化学療法剤」としては、例えば、アルキル化剤、代謝拮抗剤、抗癌性抗生物質、植物由来抗癌剤等が用いられる。
「アルキル化剤」としては、例えば、ナイトロジェンマスタード、塩酸ナイトロジェンマスタード−N−オキシド、クロラムブチル、シクロフォスファミド、イホスファミド、チオテパ、カルボコン、トシル酸インプロスルファン、ブスルファン、塩酸ニムスチン、ミトブロニトール、メルファラン、ダカルバジン、ラニムスチン、リン酸エストラムスチンナトリウム、トリエチレンメラミン、カルムスチン、ロムスチン、ストレプトゾシン、ピポブロマン、エトグルシド、カルボプラチン、シスプラチン、ミボプラチン、ネダプラチン、オキサリプラチン、アルトレタミン、アンバムスチン、塩酸ジブロスピジウム、フォテムスチン、プレドニムスチン、プミテパ、リボムスチン、テモゾロミド、トレオスルファン、トロフォスファミド、ジノスタチンスチマラマー、アドゼレシン、システムスチン、ビゼレシンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「代謝拮抗剤」としては、例えば、メルカプトプリン、6−メルカプトプリンリボシド、チオイノシン、メトトレキサート、ペメトレキセド、エノシタビン、シタラビン、シタラビンオクフォスファート、塩酸アンシタビン、5−FU系薬剤(例、フルオロウラシル、テガフール、UFT、ドキシフルリジン、カルモフール、ガロシタビン、エミテフール、カペシタビン等)、アミノプテリン、ネルザラビン、ロイコボリンカルシウム、タブロイド、ブトシン、フォリネイトカルシウム、レボフォリネイトカルシウム、クラドリビン、エミテフール、フルダラビン、ゲムシタビン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ピリトレキシム、イドキシウリジン、ミトグアゾン、チアゾフリン、アンバムスチン、ベンダムスチンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「抗癌性抗生物質」としては、例えば、アクチノマイシンD、アクチノマイシンC、マイトマイシンC、クロモマイシンA3、塩酸ブレオマイシン、硫酸ブレオマイシン、硫酸ペプロマイシン、塩酸ダウノルビシン、塩酸ドキソルビシン、塩酸アクラルビシン、塩酸ピラルビシン、塩酸エピルビシン、ネオカルチノスタチン、ミスラマイシン、ザルコマイシン、カルチノフィリン、ミトタン、塩酸ゾルビシン、塩酸ミトキサントロン、塩酸イダルビシンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「植物由来抗癌剤」としては、例えば、エトポシド、リン酸エトポシド、硫酸ビンブラスチン、硫酸ビンクリスチン、硫酸ビンデシン、テニポシド、パクリタキセル、ドセタクセル、ビノレルビンおよびそれらのDDS製剤等が用いられる。
「免疫療法剤(BRM)」としては、例えば、ピシバニール、クレスチン、シゾフィラン、レンチナン、ウベニメクス、インターフェロン、インターロイキン、マクロファージコロニー刺激因子、顆粒球コロニー刺激因子、エリスロポイエチン、リンホトキシン、BCGワクチン、コリネバクテリウムパルブム、レバミゾール、ポリサッカライドK、プロコダゾール、抗CTLA4抗体等が用いられる。
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」における「細胞増殖因子」としては、細胞の増殖を促進する物質であればどのようなものでもよく、通常、分子量が20,000以下のペプチドで、受容体との結合により低濃度で作用が発揮される因子が挙げられ、具体的には、(1)EGF(epidermal growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、TGFα等〕、(2)インシュリンまたはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、インシュリン、IGF(insulin−like growth factor)−1、IGF−2等〕、(3)FGF(fibroblast growth factor)またはそれと実質的に同一の活性を有する物質〔例、酸性FGF、塩基性FGF、KGF(keratinocyte growth factor)、FGF−10等〕、(4)その他の細胞増殖因子〔例、CSF(colony stimulating factor)、EPO(erythropoietin)、IL−2(interleukin−2)、NGF(nerve growth factor)、PDGF(platelet−derived growth factor)、TGFβ(transforming growth factor β)、HGF(hepatocyte growth factor)、VEGF(vascular endothelial growth factor)、ヘレグリン、アンジオポエチン等〕が用いられる。
「細胞増殖因子の受容体」としては、上記の細胞増殖因子と結合能を有する受容体であればいかなるものであってもよく、具体的には、EGF受容体、ヘレグリン受容体(HER3等)、インシュリン受容体、IGF受容体−1、IGF受容体−2、FGF受容体−1またはFGF受容体−2、VEGF受容体、アンジオポエチン受容体(Tie2等)、PDGF受容体等が用いられる。
「細胞増殖因子ならびにその受容体の作用を阻害する薬剤」としては、EGF阻害剤、TGFα阻害剤、ハーレギュリン阻害剤、インシュリン阻害剤、IGF阻害剤、FGF阻害剤、KGF阻害剤、CSF阻害剤、EPO阻害剤、IL−2阻害剤、NGF阻害剤、PDGF阻害剤、TGFβ阻害剤、HGF阻害剤、VEGF阻害剤、アンジオポエチン阻害剤、EGF受容体阻害剤、HER2阻害剤、HER4阻害剤、インシュリン受容体阻害剤、IGF−1受容体阻害剤、IGF−2受容体阻害剤、FGF受容体−1阻害剤、FGF受容体−2阻害剤、FGF受容体−3阻害剤、、FGF受容体−4阻害剤、VEGF受容体阻害剤、Tie−2阻害剤、PDGF受容体阻害剤、Abl阻害剤、Raf阻害剤、FLT3阻害剤、c−Kit阻害剤、Src阻害剤、PKC阻害剤、Trk阻害剤、Ret阻害剤、mTOR阻害剤、Aurora阻害剤、PLK阻害剤、MEK(MEK1/2)阻害剤、c−Met阻害剤、CDK阻害剤、Akt阻害剤、ERK阻害剤等が用いられる。より具体的に例示すると、抗VEGF抗体(Bevacizumab等)、抗HER2抗体(トラスツズマブ(Trastuzumab)、ペルツズマブ(Pertuzumab)等)、抗EGFR抗体(セツキシマブ(Cetuximab)、パニツムマブ(Panitumumab)、マツズマブ(Matuzumab)、ニモツズマブ(Nimotuzumab)等)、抗VEGFR抗体、イマチニブ(Imatinib)、エルロチニブ(Erlotinib)、ゲフィチニブ(Gefitinib)、ソラフェニブ(Sorafenib)、スニチニブ(Sunitinib)、ダサチニブ(Dasatinib)、ラパチニブ(Lapatinib)、バタラニブ(Vatalanib)、4-(4-フルオロ-2-メチル-1H-インドール-5-イルオキシ)-6-メトキシ-7-[3-(1-ピロリジニル)プロポキシ]キナゾリン〔4-(4-Fluoro-2-methyl-1H-indol-5-yloxy)-6-methoxy-7-[3-(1-pyrrolidinyl)propoxy]quinazoline(AZD-2171)〕、レスタウルチニブ(Lestaurtinib)、パゾパニブ(Pazopanib)、カネルチニブ(Canertinib)、タンヅチニブ(Tandutinib)、3-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロベンジルオキシ)-5-[3-[4-(1-ピロリジニル)ブチル]ウレイド]イソチアゾール-4-カルボキシアミド〔3-(4-Bromo-2,6-difluorobenzyloxy)-5-[3-[4-(1-pyrrolidinyl)butyl]ureido]isothiazole-4-carboxamide(CP-547632)〕、アキシチニブ(Axitinib)、N-(3,3-ジメチル-2,3-ジヒドロ-1H-インドール-6-イル)-2-(ピリジン-4-イルメチルアミノ)ピリジン-3-カルボキシアミド〔N-(3,3-Dimethyl-2,3-dihydro-1H-indol-6-yl)-2-(pyridin-4-ylmethylamino)pyridine-3-carboxamide(AMG-706)〕、ニロチニブ(Nilotinib)、6-[4-(4-エチルピペラジン-1-イルメチル)フェニル]-N-[1(R)-フェニルエチル]-7H-ピロロ[2,3-d]ピリミジン-4-アミン〔6-[4-(4-Ethylpiperazin-1-ylmethyl)phenyl]-N-[1(R)-phenylethyl]-7H-pyrrolo[2,3-d]pyrimidin-4-amine(AEE-788)〕、バンデタニブ(Vandetanib)、テムシロリムス(Temsirolimus)、エベロリムス(Everolimus)、エンザスタウリン(Enzastaurin)、N-[4-[4-(4-メチルピペラジン-1-イル)-6-(3-メチル-1H-ピラゾール-5-イルアミノ)ピリミジン-2-イルスルファニル]フェニル]シクロプロパンカルボキサミド〔N-[4-[4-(4-Methylpiperazin-1-yl)-6-(3-methyl-1H-pyrazol-5-ylamino)pyrimidin-2-ylsulfanyl]phenyl]cyclopropanecarboxamide(VX-680)〕、リン酸 2-[N-[3-[4-[5-[N-(3-フルオロフェニル)カルバモイルメチル]-1H-ピラゾール-3-イルアミノ]キナゾリン-7-イルオキシ]プロピル]-N-エチルアミノ]エチルエステル〔Phosphoric acid 2-[N-[3-[4-[5-[N-(3-fluorophenyl)carbamoylmethyl]-1H-pyrazol-3-ylamino]quinazolin-7-yloxy]propyl]-N-ethylamino]ethyl ester(AZD-1152)〕、4-[9-クロロ-7-(2,6-ジフルオロフェニル)-5H-ピリミド[5,4-d][2]ベンズアゼピン-2-イルアミノ]安息香酸〔4-[9-Chloro-7-(2,6-difluorophenyl)-5H-pyrimido[5,4-d][2]benzazepin-2-ylamino]benzoic acid(MLN-8054)〕、N-[2-メトキシ-5-[(E)-2-(2,4,6-トリメトキシフェニル)ビニルスルホニルメチル]フェニル]グリシン ナトリウム塩〔N-[2-Methoxy-5-[(E)-2-(2,4,6-trimethoxyphenyl)vinylsulfonylmethyl]phenyl]glycine sodium salt(ON-1910Na)〕、4-[8-シクロペンチル-7(R)-エチル-5-メチル-6-オキソ-5,6,7,8-テトラヒドロプテリジン-2-イルアミノ]-3-メトキシ-N-(1-メチルピペリジン-4-イル)ベンズアミド〔4-[8-Cyclopentyl-7(R)-ethyl-5-methyl-6-oxo-5,6,7,8-tetrahydropteridin-2-ylamino]-3-methoxy-N-(1-methylpiperidin-4-yl)benzamide(BI-2536)〕、5-(4-ブロモ-2-クロロフェニルアミノ)-4-フルオロ-1-メチル-1H-ベンズイミダゾール-6-カルボヒドロキサム酸 2-ヒドロキシエチルエステル〔5-(4-Bromo-2-chlorophenylamino)-4-fluoro-1-methyl-1H-benzimidazole-6-carbohydroxamic acid 2-hydroxyethyl ester(AZD-6244)〕、N-[2(R),3-ジヒドロキシプロポキシ]-3,4-ジフルオロ-2-(2-フルオロ-4-ヨードフェニルアミノ)ベンズアミド〔N-[2(R),3-Dihydroxypropoxy]-3,4-difluoro-2-(2-fluoro-4-iodophenylamino)benzamide(PD-0325901)〕等が用いられる。
上記の薬剤の他に、L−アスパラギナーゼ、アセグラトン、塩酸プロカルバジン、プロトポルフィリン・コバルト錯塩、水銀ヘマトポルフィリン・ナトリウム、トポイソメラーゼI阻害薬(例、イリノテカン、トポテカン等)、トポイソメラーゼII阻害薬(例えば、ソブゾキサン等)、分化誘導剤(例、レチノイド、ビタミンD類等)、他の血管新生阻害薬(例えば、フマギリン、さめ抽出物、COX-2阻害薬等)、α−ブロッカー(例、塩酸タムスロシン等)、ビスホスホン酸(パミドロネート、ゾレドロネート等)、サリドマイド、5−アザシチジン、デシタビン、ボルテゾミブ、抗CD20抗体等の抗腫瘍性抗体、毒素標識抗体等も用いることができる。
本発明化合物と併用薬物とを組み合わせることにより、
(1)本発明化合物または併用薬物を単独で投与する場合に比べて、その投与量を軽減することができる、
(2)患者の症状(軽症、重症等)に応じて、本発明化合物と併用する薬物を選択することができる、
(3)治療期間を長く設定することができる、
(4)治療効果の持続を図ることができる、
(5)本発明化合物と併用薬物とを併用することにより、相乗効果が得られる、等の優れた効果を得ることができる。
以下、本発明化合物と併用薬物を併用する場合を「本発明の併用剤」と称する。
本発明の併用剤の使用に際しては、本発明化合物と併用薬物の投与時期は限定されず、本発明化合物と併用薬物とを、投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている投与量に準ずればよく、投与対象、投与ルート、疾患、組み合わせ等により適宜選択することができる。
本発明化合物と併用薬物を併用する場合の投与形態としては、例えば、(1)本発明化合物と併用薬物とを同時に製剤化して得られる単一の製剤の投与、(2)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での同時投与、(3)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の同一投与経路での時間差をおいての投与、(4)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での同時投与、(5)本発明化合物と併用薬物とを別々に製剤化して得られる2種の製剤の異なる投与経路での時間差をおいての投与(例えば、本発明化合物、次いで、併用薬物の順序での投与、あるいは逆の順序での投与)等が挙げられる。併用薬物の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせ等により適宜選択することができる。例えば、投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬物を0.01ないし100重量部用いればよい。
本発明の併用剤は、毒性が低く、例えば、本発明化合物または(および)上記併用薬物を自体公知の方法に従って、薬理学的に許容される担体と混合して医薬組成物、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、散剤、顆粒剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、液剤、注射剤、坐剤、徐放剤等とした後に、経口的または非経口的(例、局所、直腸、静脈投与等)に安全に投与することができる。注射剤は、静脈内、筋肉内、皮下または臓器内投与あるいは直接病巣に投与することができる。
本発明の併用剤の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体としては、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい薬理学的に許容される担体と同様のものが挙げられる。また、更に必要に応じ、前記した本発明の医薬の製造に用いられてもよい防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤、吸着剤、湿潤剤等の添加剤を適宜、適量用いることもできる。
本発明の併用剤における本発明化合物と併用薬物との配合比は、投与対象、投与ルート、疾患等により適宜選択することができる。
例えば、本発明の併用剤における本発明化合物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし100重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における併用薬物の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約0.01ないし90重量%、好ましくは約0.1ないし50重量%、さらに好ましくは約0.5ないし20重量%程度である。
本発明の併用剤における添加剤の含有量は、製剤の形態によって相違するが、通常製剤全体に対して約1ないし99.99重量%、好ましくは約10ないし90重量%程度である。
また、本発明化合物および併用薬物をそれぞれ別々に製剤化する場合も同様の含有量でよい。
これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
例えば、本発明化合物または併用薬物は、分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO 60(日光ケミカルズ製)、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、デキストリン等)、安定化剤(例、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム等)、界面活性剤(例、ポリソルベート80、マクロゴール等)、可溶剤(例、グリセリン、エタノール等)、緩衝剤(例、リン酸およびそのアルカリ金属塩、クエン酸およびそのアルカリ金属塩等)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖等)、pH調節剤(例、塩酸、水酸化ナトリウム等)、保存剤(例、パラオキシ安息香酸エチル、安息香酸、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコール等)、溶解剤(例、濃グリセリン、メグルミン等)、溶解補助剤(例、プロピレングリコール、白糖等)、無痛化剤(例、ブドウ糖、ベンジルアルコール等)等と共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油等の植物油、プロピレングリコール等の溶解補助剤に溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。
また、自体公知の方法に従い、本発明化合物または併用薬物に、例えば、賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプン等)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウム等)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロース等)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール 6000等)等を添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。コーティングに用いられるコーティング剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン 80、プルロニック F68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ、メタアクリル酸・アクリル酸共重合体)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタン等)等が用いられる。経口投与用製剤は速放性製剤、徐放性製剤のいずれであってもよい。
さらに、自体公知の方法に従い、本発明化合物または併用薬物を、油性基剤、水性基剤または水性ゲル基剤と混合することにより、油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記油性基剤としては、例えば、高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製、ドイツ)等〕、中鎖脂肪酸のグリセリド〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製、ドイツ)等〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油等)等が挙げられる。また、水性基剤としては、例えば、ポリエチレングリコール類、プロピレングリコール等が挙げられる。水性ゲル基剤としては、例えば、天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体等が挙げられる。
上記徐放性製剤としては、徐放性マイクロカプセル剤等が挙げられる。該徐放性マイクロカプセル剤は、自体公知の方法にしたがって製造される。
本発明化合物は、固形製剤(例、散剤、顆粒剤、錠剤、カプセル剤)等の経口投与用製剤に成型するか、坐剤等の直腸投与用製剤に成型するのが好ましい。特に経口投与用製剤が好ましい。
併用薬物は、薬物の種類に応じて上記した剤形とすることができる。
本発明の併用剤の投与量は、本発明化合物の種類、年齢、体重、症状、剤形、投与方法、投与期間等により異なるが、例えば、癌患者(成人、体重約60kg)一人あたり、通常、本発明化合物および併用薬物として、それぞれ1日約0.01ないし約1000mg/kg、好ましくは約0.01ないし約100mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約100mg/kg、とりわけ約0.1ないし約50mg/kgを、なかでも約1.5ないし約30mg/kgを1日1回から数回に分けて静脈投与される。もちろん、前記したように投与量は種々の条件で変動するので、前記投与量より少ない量で十分な場合もあり、また範囲を超えて投与する必要のある場合もある。
併用薬物は、副作用が問題とならない範囲でどのような量を設定することも可能である。併用薬物としての一日投与量は、症状の程度、投与対象の年齢、性別、体重、感受性差、投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類、有効成分の種類等によって異なり、特に限定されないが、薬物の量として通常、例えば、経口投与で哺乳動物1kg体重あたり約0.001ないし2000mg、好ましくは約0.01ないし500mg、さらに好ましくは、約0.1ないし100mg程度であり、これを通常1日1ないし4回に分けて投与する。
本発明の併用剤を投与するに際しては、本発明化合物と併用薬物とを同時期に投与してもよいが、併用薬物を先に投与した後、本発明化合物を投与してもよいし、本発明化合物を先に投与し、その後で併用薬物を投与してもよい。時間差をおいて投与する場合、時間差は投与する有効成分、剤形、投与方法により異なるが、例えば、併用薬物を先に投与する場合、併用薬物を投与した後1分ないし3日以内、好ましくは10分ないし1日以内、より好ましくは15分ないし1時間以内に本発明化合物を投与する方法が挙げられる。本発明化合物を先に投与する場合、本発明化合物を投与した後、1分ないし1日以内、好ましくは10分ないし6時間以内、より好ましくは15分から1時間以内に併用薬物を投与する方法が挙げられる。
好ましい投与方法としては、例えば、経口投与製剤に成型された併用薬物約0.001ないし200mg/kgを経口投与し、約15分後に経口投与製剤に成型された本発明化合物約0.005ないし100mg/kgを1日量として経口投与する。
さらに、本発明化合物または本発明の併用剤は、非薬剤療法と併用して用いることができる。具体的には、本発明化合物または本発明の併用剤は、例えば、(1)手術、(2)アンジオテンシンII等を用いる昇圧化学療法、(3)遺伝子療法、(4)温熱療法、(5)凍結療法、(6)レーザー焼灼法、(7)放射線療法等の非薬剤療法と組み合わせることもできる。
例えば、本発明化合物または本発明の併用剤を手術等の前または後に、あるいはこれら2、3種を組み合わせた治療前または後に使用することによって、耐性発現の阻止、無病期(Disease-Free Survival)の延長、癌転移あるいは再発の抑制、延命等の効果が得られる。
また、本発明化合物または本発明の併用剤による治療と、支持療法〔(i)各種感染病の併発に対する抗生物質(例えば、パンスポリン等のβ−ラクタム系、クラリスロマイシン等のマクロライド系等)の投与、(ii)栄養障害改善のための高カロリー輸液、アミノ酸製剤、総合ビタミン剤の投与、(iii)疼痛緩和のためのモルヒネ投与、(iv)悪心、嘔吐、食欲不振、下痢、白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン濃度低下、脱毛、肝障害、腎障害、DIC、発熱等のような副作用を改善する薬剤の投与および(v)癌の多剤耐性を抑制するための薬剤の投与等〕を組み合わせることもできる。
前記の処置を施す前または施した後に、本発明化合物または本発明の併用剤を経口投与(徐放性を含む)、静脈内投与(ボーラス(bolus)、輸液(infusion)、包接体を含む)、皮下および筋注(ボーラス(bolus)、輸液(infusion)、徐放性を含む)、経皮、腫瘍内および近位投与によって投与するのが好ましい。
手術等の前に本発明化合物または本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、例えば、手術等の約30分ないし24時間前に1回投与することもできるし、あるいは手術等の約3ヶ月ないし6ヶ月前に1ないし3サイクルに分けて投与することもできる。このように、手術等の前に本発明化合物または本発明の併用剤を投与することにより、例えば、癌組織を縮小させることができるので、手術等がしやすくなる。
手術等の後に本発明化合物または本発明の併用剤を投与する場合の時期としては、手術等の約30分ないし24時間後に、例えば、数週間ないし3ヶ月単位で反復投与することができる。このように、手術等の後に本発明化合物または本発明の併用剤を投与することにより、手術等の効果を高めることができる。
以下に参考例、実施例、製剤例、実験例および試験例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、これによって本発明が限定されるものではない。
製剤例において、製剤添加剤(例、ラクトース、コーンスターチ、ステアリン酸マグネシウム、微結晶セルロース)としては、日本薬局方第15改正あるいは医薬品添加物規格2003適合品を用いる。
実施例におけるLC/MS分析は以下の条件により実施した。
測定機器:ウオーターズ社 ZQ
カラム:資生堂社製CAPCELL PAK C18 UG120 S-3 3μm, 35 X 1.5 mm
溶媒:A液:5 mM 酢酸アンモニウム水/アセトニトリル=98/2
B液:100 mM 酢酸アンモニウム水/アセトニトリル=5/95
グラジエントサイクル: 0.00分(A液/B液=100/0), 2.00分(A液/B液=0/100),3.00分(A液/B液=0/100), 3.01分(A液/B液=100/0), 3.80分(A液/B液=100/0)
流速:0.5 mL/min、カラム温度は室温であり、温度制御は行っていない。
イオン化法:電子衝撃イオン化法(Electron Spray Ionization : ESI ポジティブおよびネガティブイオンピークを検出)
該当生成物ピークのUV:220 nmにおいて検出されるピーク面積の百分率値をもって化合物の純度とした。
実施例において、分取HPLCは以下のように実施した。
機器:ギルソン社ハイスループット精製システム
カラム:YMC CombiPrep ODS-A S-5 5μm、50×20 mm
溶媒:A液;10mM 炭酸水素アンモニウム水溶液
B液;アセトニトリル
グラジェントサイクル:0.00分(A液/B液=95/5)、1.00分(A液/B液=95/5)、5.20分(A液/B液=5/95)、6.40分(A液/B液=5/95)、6.50分(A液/B液=95/5)、6.60分(A液/B液=95/5)
流速:20 mL/min、検出法:UV 220 nm
参考例、実施例のカラムクロマトグラフィーにおける溶出は、特に言及しない限り、TLC(Thin Layer Chromatography)による観察下に行った。TLC観察においては、TLCプレートとしてメルク(Merck)社製の60F254、または富士シリシア化学(FUJI SILYSIA CHEMICAL)社製のNH TLCプレートを用い、展開溶媒として、カラムクロマトグラフィーで溶出溶媒として用いた溶媒を用いた。また、検出にはUV検出器を採用した。カラムクロマトグラフィー用のシリカゲルとしては、メルク社製のシリカゲル60(70−230メッシュ)、富士シリシア化学社製のシリカゲルまたは富士シリシア化学社製のNHシリカゲル等を用いた。室温とあるのは通常約10℃から35℃の温度を意味する。さらに、抽出液の乾燥には無水硫酸ナトリウムまたは無水硫酸マグネシウムを用いた。
実施例、参考例における略号の意味は以下の通りである。
LC:液体クロマトグラフィー
MS:質量分析スペクトル
ESI:エレクトロスプレーイオン化法
M:分子イオンピーク
NMR:核磁気共鳴スペクトル
Hz:ヘルツ
J:カップリング定数
m:マルチプレット
q:クワルテット
d:ダブレット
dd:ダブルダブレット
s:シングレット
HATU:O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート
参考例1
3−フルオロ−4−[(6−ニトロピリジン−3−イル)オキシ]アニリンの製造
Figure 2010126530
4−アミノ−2−フルオロフェノール(20g,160mmol)のジメチルスルホキシド(115mL)溶液に、炭酸セシウム(79g,240mmol)を加え、混合物を室温で10分間攪拌した。混合物に、5−クロロ−2−ニトロピリジン(17g,110mmol)のジメチルスルホキシド(40mL)溶液を加え、混合物を室温で3時間攪拌した。混合物に酢酸エチル/テトラヒドロフラン、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフラン(×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン=10/90→50/50)で精製し、標題化合物(19g,70%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 5.53 (2H, s), 6.42 - 6.47 (1H, m), 6.54 (1H, dd, J = 13.4, 2.6 Hz), 7.07 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.48 - 7.55 (1H, m), 8.31 (1H, d, J = 9.1 Hz), 8.38 (1H, d, J = 2.8 Hz).
参考例2
N−{3−フルオロ−4−[(6−ニトロピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(5.3g,21mmol)のテトラヒドロフラン(100mL)溶液に、N,N−ジメチルホルムアミド(10滴)および二塩化オキサリル(3.7mL,43mmol)を加え、混合物を室温で1時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、得られた残留物をN,N−ジメチルアセトアミド(30mL)に溶解させ、これを3−フルオロ−4−[(6−ニトロピリジン−3−イル)オキシ]アニリン(4.5g,18mmol)のN,N−ジメチルアセトアミド(45mL)溶液に加え、混合物を室温で30分攪拌した。飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に混合物を加え、析出した固体をろ取し、水および酢酸エチル/ヘキサン(1/1)で洗浄し、減圧乾燥し、標題化合物(8.5g,99%)を淡茶色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.08 (3H, s), 6.72 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.37 - 7.55 (6H, m), 7.64 (1H, dd, J = 9.0, 2.9 Hz), 8.05 (1H, dd, J = 13.1, 2.4 Hz), 8.33 (1H, d, J = 9.0 Hz), 8.44 - 8.53 (2H, m), 12.09 (1H, s).
参考例3
N−{3−フルオロ−4−[(6−ニトロピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
3−フルオロ−4−[(6−ニトロピリジン−3−イル)オキシ]アニリン(12.9g,51.8mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(150mL)溶液に、1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸(15.0g,60.7mmol)、1−エチル−1−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩(17.5g,91.3mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(12.3g,91.0mmol)およびトリエチルアミン(25.5ml,183mmol)を加え、室温にて6時間攪拌した。反応溶液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフランにて抽出(×2)した。有機層飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。減圧下溶媒を留去し、残渣を水にて洗浄し、濾取した後、ジイソプロピルエーテルにて洗浄した。100℃にて減圧乾燥し、標題化合物(22.4g,90%)を淡茶色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.08 (3H, s), 6.72 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.38 - 7.53 (6H, m), 7.61 - 7.67 (1H, m), 8.05 (1H, d, J = 13.5 Hz), 8.33 (1H, d, J = 9.0 Hz), 8.45 - 8.52 (2H, m), 12.09 (1H, s).
参考例4
N−{4−[(6−アミノピリジン−3−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−{3−フルオロ−4−[(6−ニトロピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(9.4g,20mmol)のエタノール(50mL)/テトラヒドロフラン(70mL)懸濁液に、室温下、塩化アンモニウム(10.5g,200mmol)の水(30mL)溶液を加え、80℃に加熱後、還元鉄(6.1g,99mmol)を加え、混合物を1時間加熱還流した。混合物にジメチルスルホキシド(200mL)を加え、不溶物をろ過し、ろ液を減圧濃縮した。得られた残留物を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に加え、析出した固体をろ取し、水および酢酸エチル/ヘキサン(1/1)で洗浄し、減圧乾燥し、標題化合物(8.1g,92%)を茶色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.07 (3H, s), 5.85 (2H, s), 6.47 (1H, d, J = 8.9 Hz), 6.70 (1H, d, J = 7.6 Hz), 6.92 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.19 (1H, dd, J = 8.9, 2.8 Hz), 7.28 (1H, d, J = 8.9 Hz), 7.36 - 7.55 (4H, m), 7.73 (1H, d, J = 2.8 Hz), 7.91 (1H, dd, J = 13.2, 2.1 Hz), 8.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 11.93 (1H, s).
参考例5
N−{3−フルオロ−4−[(6−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}ピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−{4−[(6−アミノピリジン−3−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(8.1g,18mmol)のピリジン(120mL)溶液に、氷冷下、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(3.7g,19mmol)を加え、室温で1時間攪拌した。混合物に、4−メチルベンゼンスルホニルクロリド(690mg,3.6mmol)をさらに加え、混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を減圧留去後、残渣に酢酸エチル/テトラヒドロフランおよび飽和炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフラン(×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。減圧下溶媒を留去し、残留物を酢酸エチル/ヘキサン(1/2)で洗浄し、標題化合物(8.6g,79%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.07 (3H, s), 2.35 (3H, s), 6.70 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.03 - 7.18 (2H, m), 7.30 - 7.53 (8H, m), 7.76 (2H, d, J = 8.3 Hz), 7.89 - 7.99 (2H, m), 8.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 10.97 (1H, br. s.), 11.98 (1H, s).
参考例6
N−(4−{[1−(2−アミノ−2−オキソエチル)−6−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]イミノ}−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル]オキシ}−3−フルオロフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−{3−フルオロ−4−[(6−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]アミノ}ピリジン−3−イル)オキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(8.6g,14mmol)、2−ヨードアセトアミド(3.2g,17mmol)、およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(2.8g,21mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(50mL)溶液を60℃で5時間、次いで室温で9時間攪拌した。混合物に酢酸エチル/テトラヒドロフラン、および水を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフラン(×3)で抽出した。合わせた有機層を水および飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=40/60→100/0)で精製し、標題化合物(7.4g,79%)を黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.07 (3H, s), 2.33 (3H, s), 4.81 (2H, s), 6.70 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.13 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.27 (2H, d, J = 7.9 Hz), 7.32 - 7.53 (7H, m), 7.66 (2H, d, J = 8.1 Hz), 7.72 (2H, dd, J = 9.8, 2.8 Hz), 7.96 (1H, dd, J = 13.2, 2.5 Hz), 8.03 (1H, d, J = 3.0 Hz), 8.47 (1H, d, J = 7.6 Hz), 11.98 (1H, s).
参考例7
N−{4−[(2−アミノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−(4−{[1−(2−アミノ−2−オキソエチル)−6−{[(4−メチルフェニル)スルホニル]イミノ}−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル]オキシ}−3−フルオロフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(7.4g,11mmol)のテトラヒドロフラン(50mL)溶液に、氷冷下、トリフルオロ酢酸無水物(17g,79mmol)を加え0℃で30分間、室温で30分間攪拌した。混合物にメタノール(50mL)、および8N水酸化ナトリウム水溶液(25mL)を加えた後、混合物を室温で1時間30分、50℃で2時間攪拌した。混合物に酢酸エチル/テトラヒドロフラン、および水を加え、酢酸エチル/テトラヒドロフラン(×3)で抽出した。合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥、ろ過した。減圧下溶媒を留去し、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン=60/40→100/0)で精製し、標題化合物(4.0g,73%)を淡黄色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.07 (3H, s), 5.05 (2H, s), 6.70 (1H, d, J = 8.1 Hz), 6.87 (1H, dd, J = 9.5, 2.4 Hz), 6.98 (1H, s), 7.08 (1H, t, J = 9.1 Hz), 7.17 (1H, d, J = 9.5 Hz), 7.30 - 7.37 (1H, m), 7.39 - 7.53 (4H, m), 7.95 (1H, dd, J = 13.4, 2.4 Hz), 8.21 (1H, d, J = 1.7 Hz), 8.48 (1H, d, J = 7.6 Hz), 11.97 (1H, s).
参考例8
1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリルの製造
Figure 2010126530
2−シアノ−N−(4−フルオロフェニル)アセトアミド(15g,84.2mmol)、4−メトキシブタ−3−エン−2−オン(12.6g,125.9mmol)、および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(9.4g,84.2mmol)の2−(2−メトキシエトキシ)エタノール(150mL)溶液を、120℃にて5時間加熱攪拌した。さらに反応液に(3E)−4−メトキシブタ−3−エン−2−オン(4.2g,41.9mmol)、および1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(4.7g,41.9mmol)を加え、120℃にて1時間加熱攪拌した。反応液に2規定塩酸を加え、酢酸エチルにて抽出した。有機層を飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後、ろ過し、減圧下溶媒を留去した。得られた固体を酢酸エチルにて洗浄し、標題化合物(6g,31%)を淡褐色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.01 (3H, s), 6.45 - 6.52 (1H, m), 7.35 - 7.48 (4H, m), 8.15 (1H, d, J = 7.4 Hz).
参考例9
1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボン酸の製造
Figure 2010126530
1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボニトリル(3g,13.1mmol)を濃硫酸(6.0mL)と水(6.0mL)に溶解し、120℃にて20時間加熱攪拌した。反応溶液に8規定水酸化ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルを用いて洗浄した。水層に2規定塩酸を加え、酢酸エチルにて2回抽出後、合わせた有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過し、減圧下溶媒を留去した。残渣をジエチルエーテルにて洗浄し、ろ取して標題化合物(2.41g,74%)を淡褐色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 2.10 (3H, s), 6.80 (1H, d, J = 7.9 Hz), 7.37 - 7.58 (4H, m), 8.41 (1H, d, J = 7.9 Hz), 14.21 (1H, s).
実施例1
N−(4−{[2−(アセチルアミノ)イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル]オキシ}−3−フルオロフェニル)−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
0.133mol/L N−{4−[(2−アミノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(500μL,66μmol)、酢酸(4.8mg,80μmol)、0.08mol/L HATU/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(1000μL,80μmol)、および0.132mol/L N,N−ジイソプロピルエチルアミン/N,N−ジメチルホルムアミド溶液(1000μL,132μmol)の混合溶液を40℃に加温して16時間攪拌した。反応混合物に酢酸エチル(3.0mL)および2%炭酸水素ナトリウム水溶液(1.5mL)を加えて抽出し、有機層を上層フェーズセップチューブ(和光純薬製)により採取した。溶媒を減圧下に留去して、残渣をDMSO/MeOH(=1/1)(1mL)に溶かし、分取HPLCにて精製することにより、目的化合物(16.6mg、97%)を無色油状物として得た。
MS(ESI+):530(M+H)
以下の実施例2〜68は、実施例1と同様の方法にて製造した。
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
Figure 2010126530
実施例69
N−[3−フルオロ−4−({2−[(3−ヒドロキシ−3−メチルブタノイル)アミノ]イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル}オキシ)フェニル]−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−{4−[(2−アミノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(200mg,0.40mmol)、3−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸(57.0mg,0.48mmol)、HATU(180mg,0.48mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(100mg,0.80mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を室温下で5時間攪拌した。反応溶液をテトラヒドロフランと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で二層に分離した後、酢酸エチルを用いた抽出操作を三度実施した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。減圧下溶媒を留去し、残渣を酢酸エチルで洗浄し、濾取して標題化合物(170mg,73%)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 1.21 (6H, s), 2.07 (3H, s), 2.48 (2H, s), 4.79 (1H, s), 6.71 (1H, d, J = 7.6 Hz), 7.09 - 7.17 (2H, m), 7.33 - 7.39 (1H, m), 7.40 - 7.53 (5H, m), 7.97 (1H, dd, J = 13.2, 2.5 Hz), 8.09 (1H, s), 8.46 - 8.51 (2H, m), 10.48 (1H, s), 11.99 (1H, s).
実施例70
N−{3−フルオロ−4−[(2−{[(1−メチルシクロプロピル)カルボニル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]フェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−{4−[(2−アミノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(200mg,0.40mmol)、1−メチルシクロプロパンカルボン酸(48.0mg,0.48mmol)、HATU(180mg,0.48mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(100mg,0.80mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を室温下で5時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で二層に分離した後、酢酸エチルを用いた抽出操作を三度実施した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル=50/50→0/100)にて精製後、エタノールから再結晶することによって、標題化合物(145mg,64%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 0.63 (2H, q, J = 3.5 Hz), 1.11 (2H, q, J = 3.5 Hz), 1.40 (3H, s), 2.07 (3H, s), 6.71 (1H, d, J = 8.3 Hz), 7.07 - 7.19 (2H, m), 7.33 - 7.39 (1H, m), 7.39 - 7.55 (5H, m), 7.97 (1H, dd, J = 13.4, 2.5 Hz), 8.07 (1H, s), 8.39 - 8.56 (2H, m), 10.01 (1H, s), 11.99 (1H, s).
実施例71
N−{4−[(2−{[(2,2−ジフルオロシクロプロピル)カルボニル]アミノ}イミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミドの製造
Figure 2010126530
N−{4−[(2−アミノイミダゾ[1,2−a]ピリジン−6−イル)オキシ]−3−フルオロフェニル}−1−(4−フルオロフェニル)−6−メチル−2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−3−カルボキサミド(200mg,0.40mmol)、2,2−ジフルオロシクロプロパンカルボン酸(59.0mg,0.48mmol)、HATU(180mg,0.48mmol)およびN,N−ジイソプロピルエチルアミン(100mg,0.80mmol)のN,N−ジメチルホルムアミド(5mL)溶液を室温下で5時間攪拌した。反応溶液を酢酸エチルと飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で二層に分離した後、酢酸エチルを用いた抽出操作を三度実施した。有機層を水および飽和食塩水にて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過した。減圧下にて溶媒を留去し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(NHシリカゲル,ヘキサン/酢酸エチル=50/50→0/100)にて精製後、エタノールから再結晶することによって、標題化合物(145mg,61%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 300 MHz) δ 1.92 - 2.06 (2H, m), 2.07 (3H, s), 2.90 (1H, m), 6.71 (1H, d, J = 8.1 Hz), 7.08 - 7.21 (2H, m), 7.31 - 7.57 (6H, m), 7.97 (1H, dd, J = 13.4, 2.5 Hz), 8.07 (1H, s), 8.41 - 8.52 (2H, m), 11.19 (1H, s), 11.99 (1H, s).
製剤例1
本発明化合物を有効成分として含有する医薬は、例えば、次のような処方によって製造することができる。
1.カプセル剤
(1)実施例2で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 70mg
(3)微結晶セルロース 9mg
(4)ステアリン酸マグネシウム 1mg
1カプセル 120mg
(1)、(2)、(3)および(4)の1/2を混和した後、顆粒化する。これに残りの(4)を加えて全体をゼラチンカプセルに封入する。
2.錠剤
(1)実施例2で得られた化合物 40mg
(2)ラクトース 58mg
(3)コーンスターチ 18mg
(4)微結晶セルロース 3.5mg
(5)ステアリン酸マグネシウム 0.5mg
1錠 120mg
(1)、(2)、(3)、(4)の2/3および(5)の1/2を混和した後、顆粒化する。残りの(4)および(5)をこの顆粒に加えて錠剤に加圧成型する。
製剤例2
日局注射用蒸留水50mLに実施例2で得られた化合物50mgを溶解した後、日局注射用蒸留水を加えて100mLとする。この溶液を滅菌条件下でろ過し、次にこの溶液1mLずつを取り、滅菌条件下、注射用バイアルに充填し、凍結乾燥して密閉する。
実験例1 ヒト血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)遺伝子のクローニングと組換えバキュロウイルスの調製
ヒト血管内皮増殖因子受容体2(以下VEGFR2と略する)遺伝子のクローニングは、cDNA Libraries Human Placenta(Clontech社)を鋳型としたPCRを行って実施した。PCRに使用したプライマーは、VEGFR2遺伝子の塩基配列(Genbank Accession AF035121)情報より、VEGFR2細胞内ドメイン部分をコードする塩基配列(Genbank Accession AF035121における2671−4374)に、タンパクのN末にflag tagが付加するように、flagペプチドをコードする塩基配列および制限酵素認識配列を加えて作製した。プライマー塩基配列を以下に示す。
VEGFR2−U:
5'-AATTAAGTCGACATGGACTACAAGGATGACGATGACAAGAAGCGGGCCAATGGAGGGGAACTGAAGACA-3’(配列番号:1)
および
VEGFR2−L:
5'-AATTAAGCATGCTTAAACAGGAGGAGAGCTCAGTGTGGTCCC-3'(配列番号:2)
プライマーVEGFR2−Uの塩基配列を配列表配列番号1に、プライマーVEGFR2−Lの塩基配列を配列表配列番号2に示す。
PCR反応はKOD−plusキット(TOYOBO)を用いて実施した。得られたPCR産物をアガロースゲル(1%)で電気泳動し、PCRによって増幅されたDNA断片をゲルから回収した後、制限酵素Sal IおよびSph Iで消化した。制限酵素処理したDNAをアガロースゲル(1%)で電気泳動し、得られたDNA断片を回収し、制限酵素Sal IおよびSph Iで消化したプラスミドpFASTBAC1(インビトロジェン)へライゲーションし、発現プラスミドpFB−VEGFR2を作製した。挿入断片の塩基配列を確認したところ、VEGFR2細胞内ドメインの塩基配列(Genbank Accession AF035121における2671−4374)と一致した。さらに、BAC−TO−BAC Baculovirus Expression System(インビトロジェン)を用いて、組換えバキュロウイルスのウイルスストックBAC−VEGFR2を調製した。
実験例2 血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)細胞内ドメインタンパクの調製
SF−21細胞を10%ウシ胎児血清(トレース)、50mg/L Gentamicin(インビトロジェン)、0.1% Pluronic F−68(インビトロジェン)を含むSf−900IISFM培地(インビトロジェン)1Lに1×10 cells/mLで播種し、2L容エルレンマイヤーフラスコを用いて27℃、100rpmで振盪培養を行った。培養24時間後に組換えバキュロウイルスBAC−VEGFR2を13.4mL添加し、さらに3日間の培養を行った。培養液を2,000rpmで5分間遠心分離し、ウイルス感染細胞を得た。感染細胞をリン酸生理緩衝液(インビトロジェン)で洗浄して同条件で遠心分離を行い、細胞を−80℃で保存した。凍結保存した細胞を氷中で融解し、Complete Protease Inhibitor(ベーリンガー)を添加した緩衝液A(20% Glycerol、0.15M NaClを含む50mM トリス緩衝液(pH7.4))30mLに懸濁した後、ポリトロンホモジナイザー(キネマティカ)を用いて20,000rpm、30秒の条件で3回破砕を行った。破砕液を40,000rpm、30分間の遠心分離により清澄化し、さらに0.45μmフィルターを用いたろ過を行った。ろ過液をAnti−FLAG M2 Affinity Gel(シグマ社)4mLを詰めたカラムに流速約0.5mL/minで通した。カラムを緩衝液Aで洗浄した後、100μg/mLのFLAGペプチドを含む緩衝液Aで溶出した。溶出液を分画分子量30Kのビバスピン20(ビバサイエンス)で濃縮した。この濃縮液を緩衝液Aで平衡化したNAPTM 25 カラム(アマシャムバイオサイエンス)により緩衝液交換を行った。VEGFR2細胞内ドメインタンパクを含むフラクションを集め、終濃度50%になるようにグリセロールを添加し−80℃で凍結保存した。
試験例1 血管内皮増殖因子受容体2(VEGFR2)キナーゼ阻害活性の測定
ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した試験化合物を緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM MgCl、5mM MnCl、2mM ジチオスレイトール(Dithiothreitol)、0.01% Tween−20)で希釈した。この化合物溶液5μLに50ng/mLのVEGFR2細胞内ドメインタンパクと250ng/mLのビオチン標識ポリペプチドbiotinyl−poly−Glu:Tyr(4:1)(CIS bio International)を含む緩衝液を10μL加えた。得られた混合液に25μM ATPを含む緩衝液を10μL添加し、25℃で5分間反応させた後、25μLの停止液(100mM EDTA・2ナトリウム塩、62.5mM HEPES緩衝液(pH7.4)、250mM NaCl、0.1% 牛血清アルブミン、10μg/mL アルファスクリーンアッセイ用ストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin Donor beads:パーキンエルマー)、10μg/mL アルファスクリーンアッセイ用抗チロシンリン酸化認識抗体PY−100結合アクセプタービーズ(Anti−phosphotyrosine(P−Tyr−100) Acceptor beads:パーキンエルマー))を加え、反応を停止させた。反応溶液を25℃で16時間放置した後、プレートリーダー・フュージョン(FusionTM)(パーキンエルマー(PerkinElmer)製)を使用してカウントを測定した。試験化合物のキナーゼ阻害率(%)は以下の式で計算した。
阻害率(%)=(1−(試験化合物のカウント−ブランク)÷(対照−ブランク))×100
ここで、化合物を添加せずに反応させた溶液のカウントを「対照」とし、化合物とATPを添加しなかった溶液のカウントを「ブランク」とした。
実施例1、2、8、20、23、26、52、53、54、61および68の化合物の1μMにおける阻害率は90%以上であった。
試験例2 血管内皮細胞の増殖阻害試験
ヒト臍帯静脈由来血管内皮細胞(HUVEC、クラボウより購入)を、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内において、3%ウシ胎仔血清および2.5ng/mL塩基性繊維芽細胞増殖因子を含む血管内皮細胞用培地(インビトロジェン)で培養した。詳細には、前記3%ウシ胎仔血清を含む血管内皮細胞用培地に懸濁したHUVECを、96ウェル平底プレートに各ウェル50μL(3000個)播種した。一晩培養後、種々の濃度の被験物質ならびに120ng/mLの血管内皮増殖因子(VEGF)を、3%ウシ胎仔血清を含む血管内皮細胞用培地に溶解し、各ウェル50μL添加した。5日間培養後、WST−8試薬(同仁化学)を各ウェル10μL添加し、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内において2−3時間反応させた。450nmの吸光度を、マイクロタイタープレートリーダーにより測定し、細胞増殖阻害活性を測定した。被験物質各濃度添加時の吸光度値を用いてSAS system NLIN procedure のロジステイック曲線を用いた非線形最小二乗法により、被験物質無添加時の50%を示す被験物質濃度(IC50値)を算出した。
実施例1、2、8、20、23、26、52、53、54、61および68の化合物の100nMにおける阻害率は70%以上であった。
試験例3 肝細胞増殖因子受容体(c−Met)キナーゼ阻害活性の測定
ジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解した試験化合物を緩衝液(50mM Tris−HCl(pH7.5)、5mM MgCl、5mM MnCl、2mM ジチオスレイトール(Dithiothreitol)、0.01% Tween−20)で希釈した。この化合物溶液5μLに2.5ng/mLのc−Met細胞内ドメインタンパク(Millipore社)と250ng/mLのビオチン標識ポリペプチドbiotinyl−poly−Glu:Tyr(4:1)(CIS bio International)を含む緩衝液を10μL加えた。キナーゼ酵素と化合物とビオチン標識ポリペプチドを混合した5分後に、5μM ATPを含む緩衝液を10μL添加し、25℃で10分間反応させた後、25μLの停止液(100mM EDTA・2ナトリウム塩、62.5mM HEPES緩衝液(pH7.4)、250mM NaCl、0.1% 牛血清アルブミン、10μg/mL アルファスクリーンアッセイ用ストレプトアビジンドナービーズ(Streptavidin Donor beads:パーキンエルマー)、10μg/mL アルファスクリーンアッセイ用抗チロシンリン酸化認識抗体PT−66結合アクセプタービーズ(Anti−phosphotyrosine(P−Tyr−66) Acceptor beads:パーキンエルマー))を加え、反応を停止させた。反応溶液を25℃で16時間放置した後、プレートリーダー・フュージョン(FusionTM)(パーキンエルマー(PerkinElmer)製)を使用してカウントを測定した。試験化合物のキナーゼ阻害率(%)は以下の式で計算した。
阻害率(%)=(1−(試験化合物のカウント−ブランク)÷(対照−ブランク))×100
ここで、化合物を添加せずに反応させた溶液のカウントを「対照」とし、化合物とATPを添加しなかった溶液のカウントを「ブランク」とした。
実施例1、2、8、20、23、26、52、53、54、61および68の化合物の1μMにおける阻害率は90%以上であった。
試験例4 ヒト胃癌細胞株MKN45増殖阻害試験
ヒト胃癌細胞株MKN45(理化学研究所 バイオリソースセンター)を、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内において、10%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640(インビトロジェン)で培養した。MKN45細胞はトリプシン/EDTA処理して回収し、0.3%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640に懸濁し、96ウェル平底プレートに各ウェルあたり3000個/50μLの細胞密度で播種した。一晩培養後、種々の濃度の被験物質を、0.3%ウシ胎仔血清を含むRPMI1640に溶解し、各ウェル50μL添加した。3日間培養後、Cell counting kit−8試薬(同仁化学)を各ウェル10μL添加し、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内において2−3時間反応させた。反応後、各ウェルの450nmの吸光度を、マイクロタイタープレートリーダーにより測定した。被験物質各濃度添加時の細胞増殖活性値を用いて、GraphPad Prismの非線形回帰解析[Sigmoidal dose response(variable slope)]により、増殖が50%阻害される被験物質濃度(IC50値)を算出した。
実施例1、2、8、20、23、26、52、53、54、61および68の化合物の100nMにおける阻害率は70%以上であった。
試験例5 抗腫瘍試験
癌細胞を、37℃、5%炭酸ガスインキュベーター内において、10%ウシ胎仔血清を含む培養液で培養する。細胞をトリプシン処理して単離し、HBSS(HANK’s Balanced Saline Solution)で洗浄後、HBSSで5x107 cells/mLの細胞密度に調製する。本細胞懸濁液0.1mL(5x106 cells)を6週齢の雌性ヌードマウス(BALB/c nu/nu,日本クレア)の腹部皮下に注射して移植する。腫瘍体積が100−200mmに達した時点で群分けを行い、翌日より種々の用量の被験物質を経口で連日14日間投与する。腫瘍体積は腫瘍の長径および短径を経時的に測定することにより、腫瘍体積=長径×短径×短径×0.5により算出する。
配列表フリーテキスト
〔配列番号:1〕
ヒトVEGFR2をコードするDNAを増幅するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
〔配列番号:2〕
ヒトVEGFR2をコードするDNAを増幅するために設計されたオリゴヌクレオチドプライマー
本発明化合物は、血管内皮増殖因子受容体、肝細胞増殖因子受容体等のキナーゼに対して優れた阻害作用を示すので、生体内における血管内皮増殖因子、肝細胞増殖因子の作用と関連した疾患(例えば、癌等)の臨床上有用な予防・治療剤を提供することができる。また、本発明化合物は、薬効発現、薬物動態、溶解性、他の医薬品との相互作用、安全性、安定性の点でも優れているので、医薬として有用である。

Claims (7)

  1. 式:
    Figure 2010126530

    [式中、
    は、
    (1) 置換基を有していてもよいC1−6アルキル、
    (2) 置換基を有していてもよいC2−6アルケニル、
    (3) 置換基を有するシクロプロピル、
    (4) 置換基を有していてもよいC4−10シクロアルキル、
    (5) 置換基を有していてもよいC3−6シクロアルケニル、
    (6) 置換基を有していてもよいC6−10アリール、
    (7) 置換基を有していてもよい芳香族複素環基、または
    (8) 置換基を有していてもよい非芳香族複素環基
    を;
    は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを;
    は、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを;
    Xは、CR(Rは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す)またはNを;
    Yは、CR(Rは、水素原子、ハロゲン原子またはC1−6アルキルを示す)またはNを;
    は、
    (a) ハロゲン原子およびC1−6アルキルから選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC6−10アリール、
    (b) ハロゲン原子を1〜3個有していてもよいC1−6アルキル、
    (c) オキソ、および
    (d) ハロゲン原子
    から選ばれる置換基を1〜4個有していてもよい、含窒素複素環基またはそのN−オキシドを示す。]で表される化合物またはその塩。
  2. 請求項1記載の化合物のプロドラッグ。
  3. 請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグを含有してなる医薬。
  4. キナーゼ阻害剤である請求項3記載の医薬。
  5. 癌の予防または治療剤である、請求項3記載の医薬。
  6. 哺乳動物に対して請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの有効量を投与することを特徴とする癌の予防または治療方法。
  7. 癌の予防または治療剤を製造するための請求項1記載の化合物またはそのプロドラッグの使用。
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