JP2010125578A - 電動式釘打機 - Google Patents

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Abstract

【課題】長期にわたる使用において釘の打込み力を低下させずに長寿命化された電動式釘打機を提供する。
【解決手段】モータ3と、モータ3を収容するとともにシリンダ部15が形成されるハウジングと、シリンダ部15内に配置されるコイルバネ6と、コイルバネ6により移動可能なプランジャ9と、釘を打ち込むためのブレード14を有し、コイルバネ14をモータ3の回転力を利用して圧縮させ、圧縮されたコイルバネ6を開放することによってブレード14を移動させて釘を打込む電動式釘打機において、コイルバネ6の上端は、弾性部材72と上側ワッシャ71を介してシリンダ部15に係止され、コイルバネ6の下端は、下側ワッシャ74と弾性部材75を介してプランジャ9に係止されるように構成した。
【選択図】図1

Description

本発明は電気モータを使って連結釘を順次打ち込み可能な釘打機に関し、特にコイルバネを利用した電動式釘打機に関する。
従来、建築内装の幅木、回り縁等の仕上建材等の取り付け部材を取り付けるために、取付部材を接着剤により接着した後に、釘頭の小さい1〜2mmのT形頭径の仕上用釘を用いることが広く行われていた。しかし、最近は打込み後の仕上りがさらに良く見えるように、T形頭径の仕上用釘でなく無頭釘を使用する工法が増えてきている。無頭釘の軸の太さは、目立たず仕上りを良くするために、例えば軸径の0.6〜0.7mmのものが用いられる。無頭釘は接着剤等で100本程度並列に並べて連結され、連結釘を釘打機のマガジンにセットし、釘打機によって打ち込まれる。
このような無頭釘を打込むための釘打機は、圧縮空気を動力源としたものが広く用いられていたが、近年では動力源として圧縮空気でなく、電気モータを用いた電動式釘打機が提案されている。例えば特許文献1には、蓄電池を動力源として壁等の被打込み材に釘等の打込み材の打込み作業を行う電動式釘打機が開示されている。この電動式釘打機には、電気モータによってコイルバネを圧縮し、圧縮されたコイルバネの圧縮状態を開放することによってコイルバネに連結されるハンマを移動させ、ハンマの先に位置づけられる釘を被打込材に打ち込む。
特開2008−264906号公報
従来の電動式釘打機においては、釘の打込みを行うたびにコイルバネを圧縮して解放するという動作を繰り返すため、コイルバネを長寿命化しようとした場合、コイルバネの強度を上げ、応力を下げるようにするのが一般的である。コイルバネの応力を下げるには、線材を太くしたり、巻線を増やすことが考えられるが、線材を太くしたり、巻線を増やすと、コイルバネの体積が大きくなるため、本体の小型化、軽量化を阻害してしまう。一方、ハンマを十分加速させ、十分な打込みエネルギーを確保するには、コイルバネを極力軽量化することが重要であるが、コイルバネを軽量化するためには、線材を細くしたり、巻線を減らす必要があり、この結果コイルバネの強度が下がり、寿命が短くなるという問題が発生していた。
さらに、従来の電動式釘打機において釘打ち動作を行うと、コイルバネはサージングと呼ばれるバネ自身の自励振動を起こし、コイルバネの軸方向両端部の数巻き分は複数回の密着を伴う伸縮運動を繰り返す。この時、コイルバネの端部は着座位置から離脱し再び着地する動作を数回繰返して収束する。従って、コイルバネの軸方向両端部は中央部よりも応力が高くなり耐久性が著しく短くなるという問題があった。
本発明は上記背景に鑑みてなされたもので、その目的は、長期にわたる使用において釘の打込み力を低下させずに長寿命化された電動式釘打機を提供することを目的とする。
本発明の別の目的は、コイルバネの伸長運動速度を下げずに、打込み力の低下を防止できるコイルバネを用いた釘打機を提供することにある。
本発明のさらに別の目的は、コイルバネのサージングを抑制することが可能なコイルバネを用いた釘打機を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの特徴を説明すれば、次の通りである。
本発明の一つの特徴によれば、モータと、モータを収容するハウジングと、ハウジング内に形成され内部にコイルバネを配置するシリンダと、コイルバネにより移動可能なプランジャと、プランジャに取り付けられ釘を打ち込むためのブレードを有し、コイルバネを電気モータの回転力を利用して圧縮させ、圧縮されたコイルバネを開放することによってブレードを移動させて釘を打込む電動式釘打機において、コイルバネの上端は、上側弾性部材と上側ワッシャを介してシリンダ部に係止され、コイルバネの下端は、下側ワッシャと下側弾性部材を介してプランジャに係止されるように構成した。これら弾性部材は衝撃吸収率が高く、硬度の低い弾性部材を用いるのが望ましい。また、弾性部材には、ワイヤを貫通させるための穴が形成され、弾性部材の穴を上側又は下側ワッシャの内径より小さく形成する。
本発明の他の特徴によれば、コイルバネの上端においてガイド部材を介在させ、シリンダ部の上壁からガイド部材、上側弾性部材、上側ワッシャの順で配置し、上側ワッシャにコイルバネが当接するように構成した。上側ワッシャには回り止め手段が形成され、シリンダ部に形成される凹凸部と係合するように配置される。さらに、シリンダ部には、ワッシャの軸方向の動きを制限するリブが形成される。
本発明のさらに他の特徴によれば、ガイド部材は、円環状の平面部の外周側から軸方向に延在する円筒部が形成される。また下側ワッシャは、円環状の平面部の外周側から軸方向に延在する円筒部が形成される。下側ワッシャの円筒部は、プランジャの付勢部の周囲をカバーするように延在し、円筒部が、シリンダ部内の壁に接触することによりプランジャの付勢部がシリンダ部内の壁に接触しないように保護するように構成した。
請求項1の発明によれば、コイルバネの上端は、上側弾性部材と上側ワッシャを介してシリンダ部に係止され、コイルバネの下端は、下側ワッシャと下側弾性部材を介してプランジャに係止されるので、コイルバネの寿命が延びるので、打込み力を下げずに釘打機の長寿命化を図れる。また、この構成によると、上側及び下側弾性部材はコイルバネに係合していないためコイルバネ部の質量は増えることはない。したがって、コイルバネの伸長運動速度は下がらず、打込み力の低下を防止できるとともに、コイルバネのサージングを抑制することが可能となる。
請求項2の発明によれば、シリンダ部の上壁からガイド部材、上側弾性部材、上側ワッシャの順で配置し、上側ワッシャにコイルバネが当接するので、コイルバネのサージングを抑制する効果を高くすることができるとともに、上側弾性部材によって効率良くバンパ効果を得られ、コイルバネの長寿命化が図れる。さらに、上側弾性部材はコイルバネが直接当接することなくワッシャを介して変形するため、局部的な破損を防止できる。
請求項3の発明によれば、上側ワッシャには回り止め手段が形成され、シリンダ部に形成される凹凸部と係合するように配置されるので、上側弾性部材には回転方向に捩る方向の力が作用することを防止でき、上側弾性部材の寿命を長くすることができる。
請求項4の発明によれば、シリンダ部には、上側ワッシャの軸方向の動きを制限するリブが形成されるので、サージングによりコイルバネ上端部が着座位置から離脱した場合でも、上側ワッシャと上側弾性部材はハウジングによって下方向への移動を制限されるため、上側ワッシャと上側弾性部材はハウジング内で傾くことなく確実にバネの上端部を受けることができる。
請求項5の発明によれば、上側弾性部材は、ワイヤを貫通させるための穴が形成され、上側弾性部材の穴を上側ワッシャの内径より小さく形成するので、釘打ち動作時に何らかの理由でワイヤが撓んだとしても、ワイヤがガイド部材に接触せず、必ず弾性部材に接触することになり、ワイヤの表面の摩耗を防止できる。
請求項6の発明によれば、下側ワッシャの円筒部は、プランジャの付勢部の周囲をカバーするように延在し、円筒部が、シリンダ部内の壁に接触することによりプランジャの付勢部がシリンダ部内の壁に接触しないように保護するので、摩耗によるプランジャの劣化を防止できる。
請求項7の発明によれば、下側ワッシャは円環状の平面部の外周側から軸方向に延在する円筒部が形成されるので、弾性部材の外周部を保護することができる。
請求項8の発明によれば、下側ワッシャの円筒部は、プランジャの付勢部の周囲をカバーするので、プランジャの付勢部を保護することができる。さらに、円筒部が、シリンダ部内の壁に接触することによりプランジャの付勢部がシリンダ部内の壁に接触しないので、プランジャの摩耗による劣化を防止できる。
本発明の上記及び他の目的ならびに新規な特徴は、以下の明細書の記載及び図面から明らかになるであろう。
以下、本発明の実施の形態に係る釘打機について、電動式の釘打機を用いて説明する。また、以下の図において、同一の部分には同一の符号を付し、繰り返しの説明は省略する。さらに、本明細書においては、前後、上下の方向は図1に示す方向であるとして説明する。
図1は本発明の実施形態に係る釘打機の断面図である。釘打機は駆動源として電気式のモータ3を用い、止具である釘11を被打込材である木材や石膏ボードなどの被打込材Wに打ち込む。釘打機1はハウジング2(2a、2b、2c、2d)と、モータ3と、クラッチ機構4と、伝達部と、コイルバネ6と、射出部と、マガジン8を含んで構成される。プランジャ9は、コイルバネ6により付勢されて釘11を射出方向(下方向)に打撃する。
ハウジング2は、ポリアミド系合成繊維またはポリカーボネイト等の樹脂から構成され、プランジャ9が上下方向に動く空間を形成する胴体部2aと、作業者が把持するハンドル部2b、内部に電気式のモータ3を内蔵するモータ保持部2c、蓄電池を保持する電池保持部2dの4つの部分で構成される。ハウジング2は、プランジャ9の動く方向を通る面で二分割され、両側のハウジングを合わせた後、図示しないねじで固定することにより組み立てられる。ハンドル部2bは、胴体部2aの上側部分から垂直に延在するように設けられ、ハンドル部2bの胴体部2aへの接続部付近にはモータ3のON/OFF制御を行うトリガ21が設けられる。ハウジング2のモータ保持部2cは、胴体部2aの下端付近に、略円筒形の胴体部2aと垂直方向であって、ハンドル部2bと略平行に延在するように設けられる。ハンドル部2bとモータ保持部2cにおいて、胴体部2aと反対側には、それらを連結するように電池保持部2dが形成され、電池保持部2dに着脱式の蓄電池22が設けられる。蓄電池22は、例えばニカド電池やリチウムイオン電池等の2次電池である。
モータ3は、モータ保持部2cの内部に、その回転軸3aが釘11の打ち込み方向(下方向)と直交するように水平に配置される。回転軸3aには、第一プーリ17が設けられ、第一プーリ17の回転力は上方へ向けて延出されるベルト18によって第二プーリ19に伝達される。第二プーリ19は、胴体部2aの上方において、第一プーリ17と回転軸が平行になるように2つのベアリングによってハウジング2に支持される。ベルト18は、例えばVベルトでありその楕円の長軸方向がコイルバネ6と平行になるように配置される。
第二プーリ19に伝達された回転力は、減速機構10を介してクラッチ機構4に伝達される。減速機構10は、第二プーリ19と同軸に設けられ同速度で回転する第一ギヤ101、第一ギヤ101と噛合する第二ギヤ102、第二ギヤ102と同軸に設けられ同速度で回転する第三ギヤ103、第三ギヤ103と噛合する第四ギヤ104で構成される。第四ギヤ104と同軸上にはクラッチ機構4が設けられ、クラッチ機構4によって第四ギヤ104の回転力をドラム5に伝達するか、遮断するか制御される。
尚、以上の構成によりモータ3の回転数が減じられてクラッチ機構4に伝達されるが、これらの伝達機構や減速機構の構成はこれらに限定されるものではなく、所望のトルク、所望の回転数でドラム5を回転させることができるならば、任意の減速機構や伝達機構を用いても良い。
クラッチ機構4は、一端(入力側)が第四ギヤ104に同軸回転可能に接続され、他端(出力側)がドラム5に同軸回転可能に接続される。クラッチ機構4は、第四ギヤ104により入力側が所定角度(=後述のプランジャ9が上死点まで到達するのに必要な角度であり回転角にして約270°)回転するまでは、出力側を接続して一体に同軸回転させる。入力側が所定角度回転した状態で、入力側から出力側への出力伝達を遮断させて、出力側に接続されるドラム5を自由に回転可能な状態にする。
伝達部は、ドラム5と、ドラム5の外周部に巻き付けられて上方向に引き上げられるワイヤ13と、ワイヤ5の先端(下端)に接続されるプランジャ9から主に構成される。ドラム5は、外周部にワイヤ13を案内するための溝が形成された略円板状の滑車部材であり、円形のドラム5の接線が、釘を打込むブレード14の軸線と一致するように配置される。つまり、ドラム5の回転中心がブレード14の軸線上に位置するのではない。ワイヤ13は両端に抜け止めとしての機能を果たす丸い金属球13bが固定される。一つの金属球をドラムの内周部に形成された取付穴に係止させ、その金属球から延びるワイヤ13を、ドラム5の外周部分に形成される溝内に案内させることによって、ドラム5からワイヤ13が下方向に延びるように取り付けられる。ワイヤ13は繊維状の鋼線を束ねて構成されると良く、その表面に樹脂コーティングされると好ましい。
プランジャ9は、被打込材Wに釘を打ち込むためのブレード14を保持し、コイルバネ6による弾発力を受けてブレード14に伝達する。プランジャ9は、上側の内部に円筒状の内部空間が形成され、ワイヤ13の下端側の金属球13bが内部空間に位置するように、キャップ91によってプランジャ9に固定される。固定の方法は、円筒状の内部空間に形成された雌ねじに、キャップ91の雄ねじを螺合させると良い。プランジャ9はコイルバネ6の下方側の端部に位置し、上下方向の中央より下側の部分に径が広くなる付勢部が形成される。付勢部の上側には、弾性体75を介して金属製のワッシャ74が取り付けられ、ワッシャ74がコイルバネ6に当接する。ワッシャ74は、上面が円環状であってコイルバネ6の下端部を受ける作用を果たし、円周部が下方向に伸びて円筒形状であるので、弾性体75を収容し、さらに、円筒形状の外壁がシリンダ部の内壁と当接し、プランジャ9がシリンダ部の内壁と直接接触することによる摩耗を防止する。
ワイヤ13は、コイルバネ6内を貫通し、下側端部がプランジャ9に固定されるため、ワイヤ13を上方向に引き上げることにより、コイルバネ6を圧縮しながらプランジャ9を上方向に移動させることができる。ここで、プランジャ9がコイルバネ6に付勢されて通常位置している位置、即ち、プランジャ9の付勢部の下端がバンパ76と当接している状態(図1の状態)を、プランジャ9の下死点と定義し、プランジャの付勢部9aが牽引されて最も上方に移動した位置を上死点と呼ぶ。ハウジング2内において、プランジャの付勢部の下側には、軟質ゴム、又はウレタン等の樹脂製のバンパ76が設けられる。ブレード14は細長い板状の部材であり、長手方向断面において中心軸の両側に凹溝を有する形状である。ブレード14は打込み後の被打込み材への打撃痕が大きくならないようにするとともに、出来るだけ先端部の強度を増すよう、長手方向に見て先端部が絞られており、先端部の外縁から先端に60°程度の略三角形状となっている。
図2は、図1のコイルバネ6の上端部付近の部分断面図である。ハウジング2の胴体部2aには、コイルバネ6による反発力を受けるために、ハウジング2の一部にシリンダ上壁81が形成され、シリンダ上壁81の下には、ダンパガイド71、上側の弾性部材72、上側ワッシャ73が配置され、スプリング6の上端部は上側ワッシャ73の下面に当接する。ダンパガイド71、弾性部材72、上側ワッシャ73を収納する空間は、ハウジング2を構成する壁によって画定され、上側ワッシャ73はその空間内で上下方向に僅かながら移動可能なように保持される。ダンパガイド71は、弾性部材72がシリンダ上壁81に接触して劣化しないように保護するための保護部材であり、例えば鉄やステンレス等の金属製である。ダンパガイド71は上面が円環状の平板であり、その中央にワイヤ13を貫通させるための貫通穴が形成される。ダンパガイド71の円環状の平板の外周部は下方向に折り返され、軸方向に若干の円筒状の部分が形成される。これは、弾性部材72が圧縮力を受けて半径方向に変形あるいは移動するのを受け止めるためである。
弾性部材72は円筒形であり、ダンパガイド71の下方であって上側ワッシャ73の上方に配置される。弾性部材72は、釘11の打撃時に反発するコイルバネ6の反力を緩衝するためのものである。また、コイルバネ6の上端部が上側ワッシャ73との接触位置から離脱し再び着地するという、いわゆるサージング現象が生じた際のコイルバネ6の衝撃を吸収するのにも有用である。弾性部材72の内径は、ダンパガイド71、上側ワッシャ73、シリンダ上壁81の貫通穴の内径より小さく設定すると好ましく、このように設定すれば、釘打ち動作時に何らかの理由でワイヤ13が撓んだとしても、ワイヤ13がダンパガイド71に接触せず、必ず弾性部材72に接触することになり、ワイヤ13の表面の摩耗を防止して、断線を防止することができる。弾性部材72は、例えばゴム等であるので、金属製のダンパガイド71や上側ワッシャ73と接触することに比べて遙かにダメージが少ない。
図3は、図2のA−A部の断面図である。図3から理解できるように、上側ワッシャ73は円環状の基本形状に、外周部の4カ所において三角形の突出部73aが形成され、その外周が上面視で略四角形に近い形状とした。これに対応してハウジング2の胴体部2aには4カ所の凹部83が形成される。このように構成することによって、上側ワッシャ73が円周方向に回転することを防止できるので、それによって弾性部材72に対して回転方向の力がかかることを防止できる。従って、弾性部材72には主に上下方向の圧縮力がかかるだけなので、その寿命を長くすることが可能になる。
図3からも理解できるように上側ワッシャ73の内周側の貫通穴73bの径は、弾性部材72の内周側の貫通穴72aの径よりも大きい。しかし、弾性部材72の外周側の大きさは、図2から理解できるように、上側ワッシャ73の円環部分の外周部72bよりもやや小さい。このように弾性部材72の外形を外周部72bよりも小さくするのは、弾性部材72が上下方向から圧縮力を受けて弾性変形をして、外周部が大きくなるように変形しても上側ワッシャ73により確実に受け止められるようにするためである。また、弾性部材72の外形を小さくしておくと、ダンパガイド71の円筒状の部分の内側に配置するのにも都合がよい。弾性部材72は、サージングによりコイルバネ6の端部が着座位置から離脱し再び着地する動作を繰返す時のコイルバネ6に加わる衝撃を吸収する。
以上説明したように、弾性部材72とハウジング2のシリンダ上壁81の間には断面がL字形で円筒のダンパガイド71が設けたが、このダンパガイド71の構造は電動式釘打機1の組立時にも役に立つものである。組立時においては、分割式のハウジング2の片面を、その内壁側が上向きになるように置いて、シリンダ部にダンパガイド71、弾性部材72、上側ワッシャ73を挿入する。この上側ワッシャ73の下にコイルバネ6を圧縮した状態で配置するが、仮にハウジング2の片面に弾性部材72、上側ワッシャ73だけを配置した状態でコイルバネ6を取り付けると、弾性部材72の半円部分だけがシリンダ上壁81で保持されるため、そのまま安定して保持されずに、ハウジング2の分割面を中心に曲がってしまう。この結果、2分割されたハウジングを合わせて組み立てる時、弾性部材をかみ込んでしまい、うまく貼り合わせることができないことが多い。本実施形態においては、弾性部材72の上側にダンパガイド71が設けられており、しかも、ダンパガイド71は断面がL字形に形成されているため、ダンパガイド71、弾性部材72、上側ワッシャ73の3つが軸方向と鉛直状態で安定して保持されるので、ハウジング2のもう一つの片面を合わせることが容易になり、組立性が大いに向上する。
図4は、図1のコイルバネ6の上端部付近の部分断面図であり、図2とは別の面で切った断面図である。この別の面とは図3のB−B部である。図4において、上側ワッシャ73は、コイルバネ6の端部を受ける円環部分に突出部73aが形成されており、各突出起73aは、ハウジング2の凹部に係止される。この凹部によって突出部73aが収容される空間80が形成される。また、ハウジング2にはリブ82が形成され、上側ワッシャ73の下方において、突出部の下方方向の動きを制限するので、サージング現象が発生して上側ワッシャ73がシリンダ上壁81からの距離が離れることを防止できる。さらに、上側ワッシャ73が傾いてしまうことがないので、ワイヤ13に接触してしまうことも防止でき、ワイヤ13の断線を有効に防止できる。尚、空間80の高さは、上側ワッシャ73が弾性部材72の弾性変形範量の3倍以下の移動量となるように、その高さが設定される。
図5は、コイルバネ6の上端部付近における、ハウジング2の内部形状を示す斜視図である。本図は、ハウジング2の左側部分の図である。ここで左側とは、作業者が電動式釘打機1を右手で把持した作業状態で見た場合に、左側に位置するハウジングという意味である。コイルバネ6が摺動する空間となるシリンダ部15はハウジング2と一体成型によって形成される内壁によって構成され、シリンダ部15の上側には、中央にワイヤ13を貫通させる貫通穴81aを有するシリンダ上壁81が形成される。シリンダ上壁81の下側は基本的に円筒形の形状であるが、円周方向に90度ずつ離れた箇所に4箇所の凹部83が形成される。凹部83の下は、リブ82が形成される。尚、リブ82の下側の空間は、軸方向断面が略四角形の空間となっており、ここがシリンダ部15でありコイルバネ6が配置される空間である。シリンダ上壁81より上側には、ドラム5の外周側をガイドするリブ51が形成される。
図6は、図1のコイルバネ6の下端部付近の部分断面図である。プランジャ9には、下側にブレード14が取り付けられる。取付方法は任意の方法を用いることができるが、本実施形態においてはプランジャ9を製造する際に、ブレード14を一緒に鋳込むことにより強固に固定している。プランジャ9には、径方向に延在する付勢部9bが形成される。付勢部9bは、コイルバネ6の反発力を受けるもので、コイルバネ6の下方に位置し、その外径がコイルバネ6の外径と略同径の円板状に構成される。付勢部9bの上部には、円筒状の下側の弾性部材75が取り付けられ、その上側には下側ワッシャ74が配置され、下側ワッシャ74がコイルバネ6と当接する。
コイルバネ6の下側に配置される下側ワッシャ74は、弾性部材75がコイルバネ6に直接接触して劣化しないように保護するための部材であり、例えば鉄やステンレス等の金属製である。下側ワッシャ74は上面が円環状の平板であり、中央にプランジャ9の取付部9aを貫通させるための貫通穴が形成される。貫通穴74aの大きさは、その内側に位置する円筒形の取付部9aの直径よりもやや大きく構成し、下側ワッシャ74の貫通穴74aが取付部9aと接触してプランジャ9を摩耗しないようにしている。下側ワッシャ74の円環状の平板の外周部は下方向に折り返され、軸方向に円筒状の折り曲げ部分74bが形成された断面が略L字形状となっている。これは、プランジャ9の移動時に、摩擦係数の大きな弾性部材75をシリンダ15の側面に直接当てないためである。また、弾性部材75が圧縮力を受けて径方向に変形あるいは移動するのを受け止める機能も果たす。尚、本実施形態では折り曲げ部分74bの上下方向の高さは、弾性部材75の高さよりも高くし、折り曲げ部分74bの下端部がプランジャ9の付勢部9bを覆う程度としている。このように構成すれば、弾性部材は下側ワッシャ74と付勢部9bにより囲まれる空間内に収まるため、過大な弾性変形を防止できるとともに、寿命を大幅に伸ばすことが可能になる。
プランジャ9の上部にはコイルバネ6内に挿通されたワイヤ13の端部となる金属球13bに連結される。これによってプランジャ9は、ワイヤ13により牽引可能となり、コイルバネ6の付勢力に抗ってシリンダ15内を上方に移動してコイルバネ6を圧縮することができる。
以上説明したように本実施形態によれば、コイルバネの伸長運動速度を下げることなく、コイルバネのサージングを抑制することが可能なので、長期にわたる使用においてもコイルバネのへたり等を防止できる。この結果、釘の打込み力の低下を防止でき、長寿命化された電動式釘打機を提供することが可能となる。
以上、本発明を示す実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の変更が可能である。例えば、上側ワッシャ73に突出部73aを形成したが、この形状だけに限らず、上側ワッシャが回転することを防止する何らかの回転防止手段が施されればよい。例えばワッシャの一部分に切り欠きを設け、ハウジング2の内壁に形成される凹凸部(突起部又は/及び窪み部)と嵌合させるようにして回り止めとしても良い。
本発明の実施の形態に係る釘打機の全体を示す図であり、主要部分を断面で示した図である。 図1のコイルバネ6の上端部付近の部分断面図である。 図2のA−A部の断面図である。 図1のコイルバネ6の上端部付近の部分断面図であり、図2のB−B部の断面図である。 コイルバネ6の上端部付近における、ハウジング2の内部形状を示す斜視図である。 図1のコイルバネ6の下端部付近の部分断面図である。
符号の説明
1 釘打機 2 ハウジング 2a (ハウジングの)胴体部
2b (ハウジングの)ハンドル部 2c (ハウジングの)モータ保持部
2d (ハウジングの)電池保持部 3 モータ
3a (モータの)回転軸 4 クラッチ機構 5 ドラム
6 コイルバネ 7 射出部 8 マガジン
9 プランジャ 9a (プランジャの)付勢部 10 減速機構
11 釘 13 ワイヤ 13b 金属球 14 ブレード
15 シリンダ部 17 第一プーリ 18 ベルト
19 第2プーリ 21 トリガ 22 蓄電池
25 ブレードガイド 26 プレート
28 ガイドプレート 30 ロックプレート
51 リブ 71 ダンパガイド
72 (上側)弾性部材 72a (弾性部材の)貫通穴
72b (弾性部材の)円環部分の外周部
73 上側ワッシャ 73a 突出部 73b 貫通穴
74 下側ワッシャ 74b 折り曲げ部分
75 (下側)弾性部材 76 バンパ 80 空間
81 シリンダ上壁 81a 貫通穴 82 リブ
101 第1ギヤ 102 第2ギヤ 103 第3ギヤ
104 第2ギヤ

Claims (8)

  1. モータと、該モータを収容するハウジングと、該ハウジング内に形成され内部にコイルバネを配置するシリンダと、前記コイルバネにより移動可能なプランジャと、前記プランジャに取り付けられ釘を打ち込むためのブレードを有し、前記コイルバネを前記電気モータの回転力を利用して圧縮させ、圧縮されたコイルバネを開放することによって前記ブレードを移動させて釘を打込む電動式釘打機において、
    前記コイルバネの上端は、上側弾性部材と上側ワッシャを介して前記シリンダ部に係止され、
    前記コイルバネの下端は、下側ワッシャと下側弾性部材を介して前記プランジャに係止されることを特徴とする電動式釘打機。
  2. 前記コイルバネの上端においてガイド部材を介在させ、
    前記シリンダ部の上壁から前記ガイド部材、前記上側弾性部材、前記上側ワッシャの順で配置し、前記上側ワッシャに前記コイルバネが当接することを特徴とする請求項1に記載の電動式釘打機。
  3. 前記上側ワッシャには回り止め手段が形成され、前記シリンダ部に形成される凹凸部と係合するように配置されることを特徴とする請求項2に記載の電動式釘打機。
  4. 前記シリンダ部には、前記上側ワッシャの軸方向の動きを制限するリブが形成されることを特徴とする請求項1に記載の電動式釘打機。
  5. 前記上側弾性部材は、前記ワイヤを貫通させるための穴が形成され、該穴を前記上側ワッシャの内径より小さく形成することを特徴とする請求項1に記載の電動式釘打機。
  6. 前記ガイド部材は、円環状の平面部の外周側から軸方向に延在する円筒部が形成されることを特徴とする請求項2に記載の電動式釘打機。
  7. 前記下側ワッシャは、円環状の平面部の外周側から軸方向に延在する円筒部が形成されることを特徴とする請求項1に記載の電動式釘打機。
  8. 前記下側ワッシャの前記円筒部は、前記プランジャの付勢部の周囲をカバーするように延在し、
    当該円筒部が、前記シリンダ部内の壁に接触することにより前記プランジャの付勢部が前記シリンダ部内の壁に接触しないように保護することを特徴とする請求項7に記載の電動式釘打機。
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