JP2010124569A - 通線ワイヤー用線材 - Google Patents

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【課題】熱可塑性樹脂被覆層の摩擦係数の低い通線ワイヤー用線材を提供する。
【解決手段】ガラス繊維強化樹脂層からなる単一ロッド材B、又は炭素繊維強化樹脂層Aの外周にガラス繊維強化樹脂層Dを形成した複合ロッド材Eと、熱可塑性樹脂被覆層Cからなる線材であって、該ガラス繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂は、スチレンモノマーを重合性単量体として含む熱硬化性樹脂を硬化してなり、該熱可塑性樹脂被覆層は、シリコーン樹脂系潤滑剤0.5〜3質量%を含むAS系樹脂からなり、ガラス繊維強化樹脂層表面とが、接着していることを特徴とする通線ワイヤー用線材である。
【選択図】図1

Description

この発明は、地中や建造物中に埋設された管路、或い架空配設されたスパイラルハンガー等にケーブルや配電線などを挿通する際に使用する通線ワイヤー用線材に関し、潤滑剤を含む熱可塑性樹脂被覆層を用いた繊維強化合樹脂からなる通線ワイヤー用線材に関する。
通線ワイヤー用線材としては、通常、スチールやFRPの単線ないしは撚り線が提供されていて、ケーブルなどを挿通する管路の径や挿通距離,引き込むケーブルなどの太さなどの条件を勘案して、必要に応じて使い分けられている。この種の通線ワイヤー用線材に必要とされる性能は、可撓性(小さな曲率半径にも対応できること)、高弾性(直進性が高く長い距離にも挿通できること)、高耐摩耗性(管路の壁面との摩擦に強いこと)、低摩擦係数(管路の壁面に対して滑性があれば更によい)などであり、これらの性能に加えて、軽量で作業性の良いことが求められている。
本出願人は、このような要請に応えることができる通線ワイヤー用線材として、芯部に繊維強化樹脂(以下、「FRP」ということがある。)を配し、この芯部の外周にスチレンモノマーを重合性単量体成分として含む熱可塑性樹脂で被覆し、芯部のFRPと被覆層の熱可塑性樹脂とが強固に接着した線材を既に提案している(特許文献1)。この出願においては、FRPの補強繊維が炭素繊維である線材も提案しており、炭素繊維を補強繊維として用いると、この繊維が導電性を有しており、場合によっては作業中に感電する恐れがあるので、このような問題に対しても被覆層が接着していることが有効であることも開示されている。
しかしながら、通線作業中には、通線ワイヤー用線材を強引に押し込んだ時などに、線材が座屈して折損することが有るが、このような場合において、前述したように炭素繊維だけを補強繊維としたFRP線材では、炭素繊維の破断伸度が約1.5%と低いため脆性的かつ衝撃的な破壊を起こす。その結果、炭素繊維を補強繊維としたFRPが曲げられて破壊した場合には、破断片が飛散し、残った破断部は、刺のような非常に鋭利な形状となり、作業者の手指などに突き刺さり、人身事故を招く恐れがあった。
この問題を解決するため、本願出願人は、表面側に設けられた熱可塑性樹脂製の被覆層と、この被覆層の内部に設けられた繊維強化合成樹脂製の外層と、この外層の内部に設けられた繊維強化合成樹脂製の内層とを備えた3層構造よりなり、各層は、相互に接着しており、かつ、前記内層を前記外層よりも高伸度に構成し、外層の破断時における、内層の吸収可能エネルギー(SA2)と、前記外層の破断エネルギー(SB )との比(SA2/SB )を所定の範囲とした通線ワイヤー用線材を提案している(特許文献2)。
しかし、この特許文献2に記載の通線ワイヤー用線材は、外層に炭素繊維強化樹脂層(CFRP)、内層にガラス繊維強化樹脂層(GFRP)を配した構成であり、かつ、表面被覆層の潤滑性は考慮されていない。
また、ケーブルの布設は、既存のケーブルが配設されている管路等に布設する場合があって、摩擦係数の高い通線ワイヤー用線材を管路に案内し、無理に押し込んだりすると、既設ケーブルの表面(シース)が摩擦抵抗で削り取られるという問題もあり、通線ワイヤー用線材の摩擦抵抗を低減して、磨耗損傷を抑えるとともに。小さな挿入力で挿入できることが望ましい。
このような事情から、通線ワイヤー用線材においても、線材表面の低摩擦化が求められている。
実公平3−40025号公報 特開平7−298440号公報
本発明の目的は、熱可塑性樹脂被覆層の摩擦係数の低い通線ワイヤー用線材を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、
(1)ガラス繊維強化樹脂層からなる単一ロッド材、又は炭素繊維強化樹脂層の外周にガラス繊維強化樹脂層を形成した複合ロッド材と、熱可塑性樹脂被覆層からなる線材であって、該ガラス繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂は、スチレンモノマーを重合性単量体として含む熱硬化性樹脂を硬化してなり、該熱可塑性樹脂被覆層は、シリコーン樹脂系潤滑剤0.5〜3質量%を含むAS系樹脂からなり、ガラス繊維強化樹脂層表面と接着していることを特徴とする通線ワイヤー用線材、
(2)前記AS系樹脂が、AAS樹脂である前記(1)に記載の通線ワイヤー用線材、及び
(3)前記複合ロッド材において、ガラス繊維強化樹脂層の外径D2と炭素繊維強化樹脂層の外径D1との径比D1/D2が0.7〜0.9であり、線材の曲げ剛性が0.9×106N・mm2以上であり、単位重量が60g/m以下である前記(1)又は(2)に記載の通線ワイヤー用線材、
を提供する。
本発明の通線ワイヤー用線材の熱可塑性樹脂被覆層には、シリコーン樹脂系潤滑剤を所定量配合しているので、熱可塑性樹脂被覆層の摩擦係数が低下し、架空のスパイラルハンガーや管路、あるいは既設のケーブルシースとの摩擦抵抗が低下し、通線ワイヤー線材の押し込み力の低減化や、既設ケーブルシースの損耗の抑制をはかることができる。
本発明の通線ワイヤー用線材は、ガラス繊維強化樹脂層からなる単一ロッド材、又は炭素繊維強化樹脂層の外周にガラス繊維強化樹脂層を形成した複合ロッド材と、熱可塑性樹脂被覆層からなる線材であって、該ガラス繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂は、スチレンモノマーを重合性単量体として含む熱硬化性樹脂を硬化してなり、該熱可塑性樹脂被覆層は、シリコーン樹脂系潤滑剤0.5〜3質量%を含むAS系樹脂からなり、ガラス繊維強化樹脂層表面とが、接着していることを特徴とする。
ガラス繊維強化樹脂層からなる単一ロッド材、又は炭素繊維強化樹脂層の外周にガラス繊維強化樹脂層を形成した複合ロッド材は、連続状の補強繊維としてのガラス繊維、及び炭素繊維をマトリックス樹脂で結着した繊維強化樹脂層であり、具体的には、補強繊維に熱硬化性樹脂を含浸し、所定形状に絞り成形した後、熱硬化して形成される。
複合ロッド材とするには、炭素繊維強化樹脂層の外周にガラス繊維強化樹脂層を形成することによって得ることができる。
マトリックス樹脂としては、スチレン系モノマーを重合性単量体として含む不飽和ポリエステル樹脂やビニルエステル樹脂(エポキシアクリレート樹脂)が用いられる。
この種の樹脂は、補強繊維に未硬化状で含浸し、これを所定形状に絞り成形した後、後述する熱可塑性樹脂被覆層を溶融状のAS系樹脂で環状に被覆することによって、ガラス繊維樹脂層表面と熱可塑性樹脂被覆層とを加熱硬化させながら接着させることができるので生産性が良く特に好ましい。
熱可塑性樹脂被覆層は、前記マトリックス樹脂との接着性を考慮して、アクリル成分及びスチレンを成分として含むをポリマーであって、機械的物性に優れるAS系樹脂から選択される。
具体的には、AAS(アクリロニトリル−アクリレート−スチレン樹脂)、ABS樹脂(アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂)、AES樹脂(アクリロニトリル−エチレン−スチレン樹脂)等を挙げることができる。
これらのAS系樹脂のうち、特にAAS樹脂が、耐候性に優れる、機械的強度のバランスに優れる、電気絶縁性に優れる、成形加工が容易などの点から好適である。
なお、AAS樹脂は、ASA樹脂(アクリレート−スチレン−アクリロニトリル)とも呼称される場合がある。
本発明に使用されるシリコーン樹脂系潤滑剤としては、シリコーン樹脂、すなわちシロキサン結合 −Si−O−Si−O−を骨格とする熱可塑性の有機珪素化合物の液状又は固体状のものを使用することができる。
AS系樹脂とシリコーン樹脂系潤滑剤との混合は、押出機に供給する前に、予めシリコーン樹脂系潤滑剤を所定の濃度でベースの樹脂に分散・配合させたマスターバッチを形成しておき、これとAS系樹脂とを押出機に供給して、ガラス繊維強化樹脂層表面を被覆すればよい。
シリコーン樹脂系潤滑剤は、AS系樹脂中に0.5〜3質量%の範囲で含まれていることを要する。
シリコーン樹脂系潤滑剤が0.5質量%未満では、摩擦係数の低下が不十分であり、5質量%を超える場合は、滑剤が表面に析出し、取扱い上の問題や、ガラス繊維強化樹脂層表面と熱可塑性樹脂被覆層との接着性が低下したりするので好ましくない。
ガラス繊維強化樹脂層表面とAS系樹脂被覆層とは、接着していることを要し、接着が不十分である場合は、ロッド材の先端が突き出したり、被覆がめくれ、破損したりして、
通線作業に支障を来たす場合がある。
本発明の通線ワイヤー用線材に複合ロッド材、すなわち、内層に外径がD1の炭素繊維強化樹脂層、その外周に外径D2のガラス繊維強化樹脂層を形成してなる複合ロッド材を使用するときは、それらの外径比D1/D2を、0.7〜0.9とすることが好ましい。
外径比が0.7〜0.9の範囲であれば、通線ワイヤー用線材として、曲げ剛性や機械的強度を満足しつつ、軽量化を図ることができる。
また、線材の曲げ剛性は、0.9×106N・mm2以上とし、単位重量は60g/m以下とすることが好ましい。曲げ剛性が0.9×106N・mm2以上であれば、通線ワイヤー線材として、標準的な管路等に挿入する際に、通線距離を約30mとすることができる。
線材の単位重量は、軽量化と最小曲げの観点と曲げ剛性とのバランスから、60g/m以下とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例及び比較例により説明するが、本発明はこれらの実施例になんら限定されるものではない。
図1(A)、(B)は、本発明にかかる通線ワイヤー用線材の断面図を示している。同図(A)に示す通線ワイヤー用線材は、表面側に設けられたシリコーン樹脂系潤滑剤を含むAS系熱可塑性樹脂の被覆層Cと、この被覆層Cの内部に設けられたガラス繊維強化樹脂層からなる単一ロッド材Bからなる場合であり、同図(B)は、炭素繊維強化樹脂層Aとその外周に形成されたガラス繊維強化樹脂層Dからなる複合ロッド材E及びシリコーン樹脂系潤滑剤を含むAS系熱可塑性樹脂の被覆層Cを備えた3層構造になっている。
被覆層Cの内周面と、単一ロッド材Bの外周面、又は複合ロッド材Eの外層Dの外周面、及びDの内周面と内層Aの外周面とは、それぞれ相互に接着している。
補強繊維としてガラス繊維を用いたガラス繊維強化樹脂層の破断伸度は約3.5%、炭素繊維を用いた炭素繊維強化樹脂層の破断伸度は約1.5%であるから、複合ロッド材においては一般的には、高強度で低伸度の炭素繊維強化樹脂層を外周側にして高い曲げ強度や曲げ剛性を得ることを期待して使用されるが、本発明では、炭素繊維強化樹脂層を内層にしている点に特徴がある。このようにすることによって、破断に至る極限までの応力が負荷された場合、先ず内層の炭素繊維強化樹脂層が破断するが、その外周をガラス繊維強化樹脂層及び熱可塑性樹脂被覆層により被覆されているので、炭素繊維強化樹脂が破断した鋭利な刺状物が外周まで突き出ることがなく、破損事故時の作業者の怪我を予防することができるので、より安全に作業することが出来る。
本発明の線材を製造する方法について説明する。図2は、本発明の実施例1〜4および比較例1〜4の線材を製造する際の工程を示しており、この製造方法では、実施例においては、被覆層Cの熱可塑性樹脂cとしてAAS樹脂(宇部サイコン株式会社製:商品名EX25A)にシリコーン濃度30質量%のマスターバッチ(ヘクサケミカル社製:商品名ML−430)を表1又は表2の潤滑剤添加量の組成になるようにブレンドしたものを使用し、内層の補強繊維bとして炭素繊維ロービング(東レ株式会社製:商品名トレカT700SC)、単一ロッド材の補強繊維a又は複合ロッド材の外周層の補強繊維aとしてEガラス繊維ロービング(日東紡績株式会社製:商品名RS28)、補強繊維a,又は補強繊維a,bを結着させるための熱硬化性樹脂dとして不飽和ポリエステル樹脂(ジャパンコンポジット株式会社製、商品名:プロミネートH−6400)をそれぞれ準備した。
図2に示す製造工程では、まず、液状の熱硬化性樹脂dを収納した含浸槽10に補強繊維としてガラス繊維a、又はガラス繊維a及び炭素繊維bが、互いに交錯しないように分けられた状態で導入され、この槽10内で熱硬化性樹脂d(不飽和ポリエステル樹脂)が含浸される。熱硬化性樹脂dが含浸されたガラス繊維a,又はガラス繊維a及び炭素繊維bは、引き続いて絞りノズル12に導かれ、この絞りノズル12により過剰な熱硬化性樹脂dを除去しながら、ガラス繊維aのみで、又は炭素繊維bを中心として、その外周をガラス繊維aが取り巻くように配置され状態で、最終段の絞りノズル12で所定の外径の単一ロッド状又は複合ロッド状の未硬化状物eの状態で引き出される。
絞りノズル12から引き出された未硬化状物eは、その後、押出機14のクロスヘッドダイに挿通され、外周に熱可塑性樹脂c(AAS樹脂)が押し出される。そして、押し出された熱可塑性樹脂cは、その後冷却槽16内に導かれ、ここで冷却固化され、引き続いて加熱槽18内に導入されて、この槽18内で約125℃の温度で熱硬化性樹脂dが硬化される。
なお、この場合、各例ともガラス繊維a及び炭素繊維bの体積含有率は、約60〜65体積%になるようにした。
各物性は、以下の方法により測定した。
〔曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ剛性〕
曲げ強度、曲げ弾性率、曲げ剛性は、3点曲げ試験をスパン長84mm、加圧速度5mm/分の条件で行い、荷重ーたわみ曲線より求めた。
〔最小曲げ〕
試料(長さ1000mm)を円弧状に曲げ、曲げ径を小さくしていき、亀裂、折れの生じる曲げ直径(内径)を測定し、その最大値を最小曲げ直径とした。
〔巻き癖〕
長さ1.02mの試料を曲げ径650mmの半円状に固定して、室温で3日間放置した後に開放する。これを平面台上において、湾曲状態における、弦の高さ(mm)を測定した。
〔通線抵抗力〕
(i)摩擦抵抗A:被覆樹脂PEの外径5.5mmの試料を、ピッチ300mmの螺旋状に賦形した500mm長さのスパイラルハンガー(イワブチ社製、品番:SHAS1500)を水平な台上に固定し、試料とスパイラルハンガーとが螺旋ピッチ間隔300mmで交差するようにして、長さ2.0mの試料の先端にデジタル式バネ秤を取付けて、これを約4.0m/分で水平移動するときの荷重(g)を測定した。
(ii)摩擦抵抗B:内径10mm、長さ1mのステンレスパイプに試料を挿通し、その先端にデジタル式バネ秤を取付けて、これを約4.0m/分で水平移動するときの荷重(g)を測定した。
〔被覆密着性〕
FRPロッドと被覆樹脂との密着力を評価するため、試料の端部から20mmのところに、幅10mmの円周状の切り込みを入れ、この切り込み部分の被覆樹脂の剥離状況を観察した。「強」は、強固にFRPロッドと密着して、被覆樹脂が母材破壊する状態、「中」は、FRPロッドと密着してはいるが、被覆樹脂は円筒状に剥離除去できる状態、「小」は、FRPロットとほとんど密着しておらず、端部の被覆樹脂も含めて、容易に剥離除去できてしまう状態を示す。
実施例1、2及び比較例1
以下に示す表1は、ガラス繊維強化樹脂層による単一ロッドの実施例1,2及び比較例1の設計仕様と実測値を示す。
Figure 2010124569
表1の結果から分かるように、被覆樹脂として、AAS樹脂に潤滑剤として、シリコーン樹脂系潤滑剤を1.5質量%添加した実施例1、及び1.8質量%添加した実施例2は、潤滑剤を配合していない比較例1と比較して、摩擦抵抗が約40%低減できる。
表2は、炭素繊維強化樹脂層の外周にガラス繊維強化樹脂層を形成した複合ロッドとAAS樹脂被覆からなる実施例3,4及び比較例2,3、及びガラス繊維強化樹脂層とナイロン12による被覆層からなる比較例4を示している。
Figure 2010124569
表2の結果から分かるように、被覆樹脂として、AAS樹脂に潤滑剤として、シリコーン樹脂系潤滑剤を1.8質量%添加した実施例3及び4は、潤滑剤を配合していない比較例2及び3と比較して、摩擦抵抗Aにおいて約45%、摩擦抵抗Bにおいて約35%低減できる。また、被覆樹脂をナイロン12、被覆外径を実施例3と同じにした比較例4は、潤滑剤を配合していないので、摩擦抵抗が大であり、また、ナイロン12が不飽和ポリエステル樹脂との親和性が低いので被覆密着性が「中」で実施例のものより劣っている。
本発明の通線ワイヤー用線材の熱可塑性樹脂被覆層には、シリコーン樹脂系潤滑剤を所定量配合しているので、熱可塑性樹脂被覆層の摩擦係数が低下し、架空のスパイラルハンガーや管路、あるいは既設のケーブルシースとの摩擦抵抗が低下し、通線ワイヤー線材の押し込み力の低減化や、既設ケーブルシースの損耗の抑制をはかることができるので、電力ケーブル、通信ケーブル等の布設工事に好適に利用できる。
本発明の(A)芯材が単一ロッド材(B)芯材が複合ロッド材の実施形態における通線ワイヤー用線材の断面説明図である。 図1に示した線材を製造する際の工程説明図である。
符号の説明
A 炭素繊維強化樹脂層
B ガラス繊維強化樹脂層(単一ロッド材)
C 熱可塑性樹脂被覆層
D ガラス繊維強化樹脂層
E 複合ロッド材
a ガラス繊維
b 炭素繊維
c 熱可塑性樹脂
d 熱硬化性樹脂
e 未硬化状物

Claims (3)

  1. ガラス繊維強化樹脂層からなる単一ロッド材、又は炭素繊維強化樹脂層の外周にガラス繊維強化樹脂層を形成した複合ロッド材と、熱可塑性樹脂被覆層からなる線材であって、該ガラス繊維強化樹脂層のマトリックス樹脂は、スチレンモノマーを重合性単量体として含む熱硬化性樹脂を硬化してなり、該熱可塑性樹脂被覆層は、シリコーン樹脂系潤滑剤0.5〜3質量%を含むAS系樹脂からなり、ガラス繊維強化樹脂層表面と接着していることを特徴とする通線ワイヤー用線材。
  2. 前記AS系樹脂が、AAS樹脂である請求項1に記載の通線ワイヤー用線材。
  3. 前記複合ロッド材において、ガラス繊維強化樹脂層の外径D2と炭素繊維強化樹脂層の外径D1との外径比D1/D2が0.7〜0.9であり、線材の曲げ剛性が0.9×106N・mm2以上であり、単位重量が60g/m以下である請求項1又は2に記載の通線ワイヤー用線材。
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