JP2010123587A - 電磁機器 - Google Patents

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大日向  敬
Kenji Arimatsu
健司 有松
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Abstract

【課題】交流主巻線の電流の影響を受けずにリアクタンス値を連続して増減することができ、また、制御損失を低減した電磁機器を提供する。
【解決手段】交流主巻線と直流制御巻線が田の字状磁心に巻回され、前記主巻線による交流主磁束が田の字の十字状の第1の直線磁路の交点で対向して対称的に4つの閉磁路を還流し、前記制御巻線による直流制御磁束が前記十字状の第2の直線磁路を一方向に通って2つの閉磁路を還流する。直流制御磁束の還流磁路部にバイアス磁束を付与し、制御巻線の制御電流の方向により主磁束のリアクタンスを所定値から連続的に増加、又は減少させる。
【選択図】図1

Description

この発明は、直流制御電流の制御によって、交流主巻線の励磁電流に影響されることなく、リアクタンスを連続的に増減できる高調波歪みの少ない電磁機器に関する。また、制御電力を低減した広範囲に電力系統の設備として適用できる電磁機器に関する。
本出願人は、先に交流電流が通電する主巻線のリアクタンスを、主巻線に通電する電流値に影響されることなく連続的に可変できる高調波歪みの少ない電磁機器(特許文献1)を提案した。
図10は、本出願人が先に提案した上記電磁機器の一例を説明する接続図である。
この電磁機器は、田の字状磁心33に交流電流が通電する第1主巻線31a、第2主巻線31bを巻回し、直流制御電流が通電する制御巻線32a、32b、32c及び32dを直列に接続した構成である。
主巻線の開放端に交流電源を接続し、制御巻線に直流制御電流Icを流すと、制御巻線32a、32b、32c、32dにおいて、制御巻線の巻数と直流制御電流Icの積で表される起磁力が発生することで、制御磁束φc31及びφc32と主磁束φ31a、φ31a’及びφ31b、φ31b’が同方向となる共通磁路部分の磁束密度が大となって透磁率が変化し、主巻線のリアクタンスが低下する。
また、可変リアクトルに永久磁石を用いた従来の技術として、特許文献2に開示の過飽和リアクタ装置がある。
図11は、永久磁石を配置した上記過飽和リアクタ装置の一例を説明する接続図である。
この過飽和リアクタ装置は、E型コア43の中央脚とI型コア44の間の空隙部に永久磁石45を配置し、永久磁石の磁束によって磁路を飽和させ、制御巻線41によって生じる磁束によって永久磁石による磁束を相殺することにより、制御電流の変化に比例して巻線42のリアククンスを可変しようとするものである。
特許3789333号公報 特公46−37128号公報
しかし、上記特許文献1に開示の電磁機器は、直流制御電流によりリアクタンスを可変することができるものの、リアクタンスの値を所定値から減少させたり、増加させる必要がある用途に適用する場合、所定値のリアクタンスを得るために所定の直流制御電流を通電した定常状態から、直流制御電流を増加乃至減少することが必要であった。
このような用途は、例えば図8に示すように、進相無効電力供給用のコンデンサと並列に遅相無効電力供給用のリアクトルを設置し、当該リアクトルを可変リアクトルとして進相無効電力から遅相無効電力の供給を連続的に可変制御する無効電力補償装置などに用いる場合などの例である。
このような用途に適用する場合は、定常時に一定の直流制御電流を流す場合、制御損失が増加すると共に、制御回路の故障時など直流制御電流が喪失した場合、不必要にリアクタンスが定常状態から変化してしまうことになり、そのような無効電力補償装置が接続された電力系統に多大な悪影響を及ぼすことになるという問題があった。
また、特許文献2に永久磁石を適用した装置として過飽和リアクタ装置が開示されているが、この装置は図11に示すように、制御巻線41により生じる制御磁束が永久磁石の磁化を減磁させるように永久磁石を通過し、また、交流主巻線42による交流電流によって生じる交流磁束も永久磁石を通過するので、当該交流磁束によっても永久磁石の磁化を減磁または消磁することになり、可変リアクトルとしての安定した動作を行う上で、解決しなければならない技術的問題を有している。
すなわち、特許文献2に開示された技術を、図11に示されているような田の字状磁心を用いる電磁機器に適用し、交流主巻線31を巻回した磁路に永久磁石を配置しても、交流主巻線の作る主磁束が永久磁石を通過することから、永久磁石が減磁又は消磁することになり、安定した可変リアクタンスとしての動作は達成できない。
本発明は、上記問題点を解決したもので、電力系統の設備等として広範囲に適用できる制御損失を低減した電磁機器を提供するものである。
本発明の第1の技術手段は、交流主巻線と直流制御巻線が巻回された対称的に四つの閉磁路で田の字状磁路を形成する磁心を有し、前記交流主巻線は、該巻線の交流主電流により生じる主磁束が前記田の字状磁路における十字状磁路の第1の直線磁路を通り、該十字の交点で対向して対称的に四つの閉磁路を還流するように巻回され、前記直流制御巻線は、該巻線の直流制御電流により生じる制御磁束が前記十字状磁路の第2の直線磁路を一方向に通って対称的に二つの磁路を還流するように巻回された電磁気機器において、前記制御磁束が還流する前記二つの磁路部に所定のバイアス磁束を通過させるバイアス磁束付与手段を備え、前記直流制御巻線の直流制御電流の制御により主磁束、制御磁束及びバイアス磁束に共通の磁路の磁気抵抗を制御して、主巻線のリアクタンスを連続的に増減する電磁機器を特徴とする。
第2の技術手段は、第1の技術手段において、前記バイアス磁束付与手段は、前記制御磁束が還流する閉磁路における前記第2の直線磁路部にバイアス磁束を通過させることを特徴とする。
第3の技術手段は、第1の技術手段において、前記バイアス磁束付与手段は、前記制御磁束が還流する閉磁路における前記第2の直線磁路と対向する2辺のそれぞれの還流磁路部にバイアス磁束を通過させることを特徴とする。
第4の技術手段は、第2又は第3の技術手段において、前記バイアス磁束付与手段は、前記制御磁束が還流する閉磁路におけるバイアス磁束が通過する磁路部の磁心と連環して閉磁路を形成する永久磁石および継鉄により構成されることを特徴とする。
第5の技術手段は、第1〜第4のいずれかに記載の技術手段において、前記田の字状磁路を形成する磁心は、I字状磁心に一対のE字状磁心を対向させて構成することを特徴とする。
第6の技術手段は、第1〜第4のいずれかに記載の技術手段において、前記田の字状磁路を形成する磁心は、E字状カットコアを対向させた一対の三脚磁心、又はI字状磁心とE字状磁心を対向させた一対の三脚磁心を、時期的な隔たり形成する非磁性部を介し又は介さずに対向配置して構成することを特徴とする。
本発明によれば、磁気回路の構造及び巻線の巻装構造が簡単で、タップを設けることなく、負荷電流に拘わらず高調波電流を抑制して連続的にリアクタンスを増加乃至減少する制御を行うことができる。
また、直流制御電流を流さない定常状態における所定のリアクタンス値からリアクタンスを連続的に増減制御するので、制御損失が低減した安定に動作可能な電磁機器を実現することができ、例えば、電力系統の設備として広範囲に適用可能であり、電力系統全体の損失軽減にも貢献できる。
図10の従来の電磁機器を考察すると、主巻線に電流IL1が流れると、磁路には主巻線31aによる主磁束φ31a及び主磁束φ31a’、並びに主巻線31bによる主磁束φ31b及び主磁束φ31b’がそれぞれ発生する。
制御巻線に直流制御電流Icを流さない場合について着目すると、発生した主磁束はそれぞれ四つの閉磁路を通過し、主巻線には巻数と鉄心の磁気抵抗に応じたリアクタンスが生ずる。
主巻線に電流IL1を流した状態で、制御巻線に直流制御電流Icを流すと、制御巻線32a、32b、32c、32dにおいて、制御巻線の巻数と直流制御電流Icの積で表される起磁力が発生することで、制御磁束φc31及びφc32と主磁束φ31a、φ31a’及びφ31b、φ31b’が同方向となる共通磁路部分の磁束密度が大となって透磁率が変化して磁気抵抗が増加し、主磁束が制御されリアクタンスは低下する。
すなわち、上記電磁機器は、直流制御電流によりリアクタンスを可変することができる。
ここで、直流制御電流と主巻線のリアクタンスに着目すると、直流制御電流を流さない状態が最もリアクタンスが大きく、直流制御電流の増加に従い、リアクタンスが低下することになる。
このため、例えばリアクタンスをL1からL2に変化させる場合(ただし、L1>L2とする)には、直流制御電流の増加により対応が可能であるものの、リアクタンスをL1からL0に変化させる場合(ただし、L0>L1とする)には、直流制御電流の減少により対応する必要がある。
すなわち、リアクタンスを増加させる場合には、あらかじめ直流制御電流を流しておき、この直流制御電流を減少させることによる対応が必要となる。
上記の考察に基づいて、図1に示すように、直流制御電流による制御磁束の磁路と共有するように、予め所定値のバイアス磁束を付与する。
制御磁束φc、バイアス磁束φm としたとき、透磁率の変化に作用する合成作用磁束φopは、
φop=φc+φm(ただし、φcとφmは同方向を正とする)
と表される。
なお、制御磁束φcは、直流制御電流Icの流れる方向を変えることにより、
−φc0〜+φc0(ただし、最大直流制御電流時の制御磁束をφc0とする)
の範囲で変化させることができるものとする。
このとき、合成作用磁束φopは
φopmax=φc+φm から φopmin=−φc+φm
の範囲で変化させることが可能となる。
即ち、バイアス磁束を適切な値に設定するとともに、バイアス磁束と直流制御電流による制御磁束を重畳させ、直流制御電流を制御することにより、リアクタンスの減少に加え、リアクタンスを増加させることが可能な電磁機器を構成できる。
図1は、本発明による電磁機器の実施例であり、田の字状磁心3において、十字状磁路における、第1の直線磁路の十字の交点で対向して対称的に四つの閉磁路を還流するように第1の交流主巻線(以下、主巻線と略す)1a及び第2主巻線1bを巻回する。主巻線1a及び1bは両主巻線から生じる磁束φ1a及びφ1bが対称な方向になるように直列に接続する。
主巻線1aを巻回した磁路の外脚には直流制御巻線(以下、制御巻線と略す)2a及び2bを巻回し、主巻線1bの外脚には制御巻線2c及び2dを巻回し、主巻線による磁束で制御巻線2a及び2b、2c及び2dに生じる誘起電圧が開放端子側でそれぞれ打ち消されるように全制御巻線を直列に接続し、その開放端子側に制御回路8を接続する。
制御巻線による磁束は、田の字状磁心3の十字状磁路の第2の直線磁路を一方向に通って対称的に二つの磁路を還流する。
なお、制御巻線は、2a、2b、2c、2dのうち、任意の2巻線を、生じる誘起電圧がそれぞれ打ち消されるように接続した一組と、同様に接続した、残る2巻線一組を直列または並列接続とし、その開放端子側に制御回路8を接続することもできる。
図1の実施例では、バイアス磁束φm1aは、制御磁束が還流する田の字状磁路の十字状の第二の直線磁路と対向する辺の磁路部に流れるよう付与されている。
バイアス磁束を付与する磁路の両端部に、第1永久磁石6a、第2永久磁石6bの所定の磁極を配置し、当該両永久磁石の他方の磁極をヨーク鉄心(継鉄)5aで連繋することにより、永久磁石及びヨーク鉄心が制御磁束の還流磁路部と連環してバイアス磁束の還流磁路を形成する。
これによって、バイアス磁束が付与された磁路部は直流制御磁束φc1、バイアス磁束φm1a及び交流主磁束φ1の共通磁路となる。
バイアス磁束φm2aおよびφm2bも同様に、第3永久磁石6c、第4永久磁石6dおよびヨーク鉄心5bにより付与される。
図1において、主巻線の開放端に交流電源を接続し、図示矢印方向の電流IL1が流れていたとする。なお、電流IL1を正サイクルとした場合、負サイクルでは電流IL2が流れる。電流IL1が流れると、磁路には主巻線1aによる主磁束φ1a及び主磁束φ1a’、並びに主巻線1bによる主磁束φ1b及び主磁束φ1b’がそれぞれ発生する。逆に、電流IL2が流れた場合についてはそれぞれ前記と逆向きの主磁束が発生する。
制御巻線に直流制御電流Icを流さない場合には、発生した主磁束は、それぞれ四つの閉磁路を通過し、主巻線には巻数と鉄心の磁気抵抗に応じたリアクタンスが発生する。
ここで、永久磁石による効果を考えると、永久磁石から発生したバイアス磁束φm1a及びφm2aと主磁束φ1a、φ1a’及びφ1b、φ1b’が同方向となる共通磁路部分の磁束密度が大となって透磁率が変化して磁気抵抗が増加し、主磁束が制御されリアクタンスが低下することになる。
さらに、主巻線に電流IL1、IL2を流した状態で制御巻線に直流制御電流Icを流すと、制御巻線2a、2b、2c、2dにおいて、制御巻線の巻数と直流制御電流Icの積で表される起磁力が発生し、制御磁束φc1及びφc2が還流する。
制御磁束φc1及びφc2とバイアス磁束φm1a及びφm2aが同方向になるように直流制御電流Icを流すと、主磁束φ1a、φ1a’及びφ1b、φ1b’が同方向となる共通磁路部分の磁束密度がさらに大きくなって主磁束が制御されリアクタンスがさらに低下する。
一方、制御磁束φc1及びφc2とバイアス磁束φm1a及びφm2aが逆方向になるように直流制御電流Icを流すと、制御磁束とバイアス磁束は打消しあって減少し、共通磁路部分の磁束密度が小さくなって主磁束が制御されリアクタンスが増加する。
主巻線に流れる電流IL1、IL2あるいは直流制御電流Icを増加させることにより共通磁路が磁気飽和状態に近づくと、主巻線1a及び1bより発生する主磁束が田の字状磁路における十字状磁路に対して対称をなす方向となるように主巻線を分割して接続しているため、増加する主磁束φ1a及び主磁束φ1a’と増加する主磁束φ1b及び主磁束φ1b’は互いに相殺される。一対の主巻線1a及び1bによる主磁束の増加分が閉磁路を環流しないので、互いの主巻線の起磁力を相殺することになる。
また、主巻線に流れる電流IL1、IL2が増加しても、共通磁路が一定の磁束密度に保たれるように、増加する主巻線1aによる主磁束と主巻線1bによる主磁束は相殺されるため、直流制御電流Icを制御することにより主磁束が制御できる。永久磁石によるバイアス磁束を所定値に設定し、直流制御電流による制御磁束を制御することにより、リアクタンスを増加方向にも減少方向にも可変することができる。即ち、主巻線に流れる電流に拘わらず、制御巻線に直流制御電流を流すことでリアクタンスを増加乃至減少方向に可変することができる。
図示のように、直流制御磁束φc、交流主磁束φ1はバイアス磁束付与源の永久磁石を通過することがないので、永久磁石の磁化が減磁又は消磁されることがなく、安定した動作が実現できる。
図2は、本発明によるリアクタンスの制御特性例を示したもので、縦軸はリアクタンス、横軸は直流制御電流Icを表している。
直流制御電流Icがゼロの場合のリアクタンスを中心として、直流制御電流Icを増加させることによりリアクタンスを低減させることができ、直流制御電流の極性を反転させた直流制御電流Icを増加させることによりリアクタンスを増加させることができる。直流制御電流を流さない場合のリアクタンス値は、永久磁石の選定により設定できる。
以上のように、本発明によれば、田の字状磁心で構成される磁心部に、永久磁石とヨーク鉄心を配置することにより、磁気回路の構造及び巻線の巻装構造が簡単で、主巻線電流の影響を受けずにリアクタンスを可変でき、直流制御電流を流さない状態から、リアクタンスを増加乃至減少する制御が可能であり、電力系統に広範囲に適用可能な電磁機器を、容易、かつ低コストに実現できる。
図3は、田の字状磁心で構成される磁心部に対する、永久磁石とヨーク鉄心の配置構成例を示したものである。
図3(a)は図1と同様で、2個の永久磁石と1個のI型のヨーク鉄心による構成を、田の字状磁心の上部並びに下部に配置した実施例を示し、図3(b)は2個の永久磁石と1個のC型のヨーク鉄心部による構成を、田の字状磁心の上部並びに下部に配置した実施例を示し、図3(c)は1個の永久磁石と2個のL型のヨーク鉄心部による構成を、田の字状磁心の上部並びに下部に配置した実施例を示したものである。
要は、永久磁石とヨーク鉄心によるバアイス磁束の磁路と制御磁束の磁路が共通磁路となることが重要であり、永久磁石とヨーク鉄心の構成方法は様々な構成が可能である。
図3(d)は1個の永久磁石と2個のL型のヨーク鉄心の実施例であるが、田の字状磁心面に対して立面方向に十字状の直線磁路に一箇所のみ配置した例である。このように、バアイス磁束の磁路は制御磁束との共通磁路であればよい。
なお、バイアス磁束付与手段としては、上記の永久磁石に替えて電磁石を用いることもできる。ただ、この場合、制御損失の低減は達成できないが、定常状態を設定するバイアス磁束の値を必要に応じ容易に替えることが可能となり、適用装置に対して柔軟に対応することができる。
図4は、田の字状磁心3を、第1のE形磁心4aと第2のE形磁心4bを、I形磁心7に鉄心窓部が4個所形成されるように対称に対向させ、第1のE形磁心4aとI形磁心7の接合面及び第2のE形磁心4bとI形磁心7の接合面は、磁心を構成する各々の積層鋼板を平行になるように突き合わせて構成した実施例である。
図5は、中央脚に主巻線1aを、外脚に制御巻線2a及び2bを巻回した第1のE形カットコア10aと第2のE形カットコア10bを対向させて形成した三脚磁心と、中央脚に主巻線1bを、外脚に制御巻線2c及び2dを巻回した第3のE形カットコア10cと第4のE形カットコア10dを対向させて形成した三脚磁心により、磁路が田の字状になるように対向させて構成した実施例である。
本構成によれば、高磁束密度鋼板を適用したE形カットコアが使用できることから、コアの設計磁束密度を高くすることができ、機器のコンパクト化が図れるとともに、低コストの電磁機器を実現することができる。
図6は、中央脚に主巻線1aを、外脚に制御巻線2a及び2bを巻回した第1のE形磁心4aと第1のI形磁心7aで形成した三脚磁心と、中央脚に主巻線1bを、外脚に制御巻線2c及び2dを巻回した第2のE形磁心4bと第2のI形磁心7bで形成した三脚磁心を、磁路が田の字状になるように、磁気的な隔たりを形成する非磁性部9を介して対向させて構成した実施例である。
なお、このタイプの磁心は、図5に示したE形カットコアを対向させて形成した一対の三脚磁心を磁路が田の字状になるように第3のE形カットコア10cと第4のE形カットコア10dを磁気的な隔たりを形成する非磁性部9を介して対向させて構成することもできる。
また、図5に示したタイプの磁心を、図6に示したE形磁心とI形磁心で形成した一対の三脚磁心を対向させて構成することもできる。
本構成によれば、主巻線1a及び制御巻線2a、2bを巻き回したE形磁心4a及びI形磁心7aで構成される磁心部と、主巻線1b及び制御巻線2c、2dを巻き回したE形磁心4b及びI形磁心7bで構成される磁心部を、それぞれ別個に製作することが可能となり、磁気回路の構造及び巻線の巻装構造が簡単な電磁機器の製作を、容易に、かつ低コストに実現できる。
図7は、田の字状磁心に巻回した第1主巻線1a及び第2主巻線1b以外の十字状磁路に、制御巻線2a及び2bを巻回して構成した実施例である。
本構成によれば、制御巻線の個数を半減させた低コストの電磁機器を実現できる。
図8は、本発明の電磁機器を無効電力補償装置へ適用した実施例を示した図で、図8において、電磁機器13と電力用コンデンサ14を並列接続し、送電線路に並列に挿入し、電磁機器13を制御回路8により制御して、系統に生じる遅相から進相の無効電力を連続的に補償するようにしたものである。
図9は、本発明の電磁機器を多機能変圧器へ適用した実施例を説明するための図である。
図1で示した本発明の電磁機器において、主巻線を一次巻線11a、11bとし、さらに一次巻線11a、11bを巻回した脚それぞれに、二次巻線12a、12bを巻回して一次巻線と同様に接続して構成した多機能変圧器である。
図9において、一次巻線に交流電源を接続し二次巻線には負荷を接続し、二次巻線に図示矢印方向の二次電流IL2が流れたとする。直流制御電流を流さず、永久磁石が無い場合には、一次巻線11a及び11bには、上記二次電流で発生した磁束を打ち消すように一次電流IL1が流れ、全体として変圧器動作を示す。
ここでバイアス磁束を付加すると、永久磁石によるバイアス磁束φm1a及びφm1bにより透磁率が変化し、主磁束が制御される。一次巻線11aによる主磁束φ1a及びφ1a’と一次巻線11bによる主磁束φ1b及びφ1b’はそれぞれが互いに逆向きの磁束であるため相殺され、その結果、一次巻線と鎖交する主磁束が減少する。
このため、一次巻線にはバイアス磁束による主磁束の減少に応じて、一次巻線の端子間電圧を維持するために必要な主磁束を発生させるよう、端子間電圧に対し、遅れ位相である励磁電流が増加する。
ここで、制御巻線に直流制御電流Icを流すと、バイアス磁束と制御磁束の作用により透磁率が変化し、主磁束が制御される。
制御磁束φc1及びφc2とバイアス磁束φm1a及びφm2aが同方向になるように直流制御電流Icを流すと、主磁束φ1a、φ1a’及びφ1b、φ1b’が同方向となる共通磁路部分の磁束密度がさらに大きくなって主磁束が制御され、一次巻線と鎖交する主磁束がさらに減少する。
一方、制御磁束φc1及びφc2とバイアス磁束φm1a及びφm2aが逆方向になるように直流制御電流Icを流すと、制御磁束とバイアス磁束は打消しあって減少し、共通磁路部分の磁束密度が小さくなって主磁束が制御され、一次巻線と鎖交する主磁束が増加する。
すなわち、一次巻線には直流制御電流の制御により、遅れ位相の励磁電流を増減させることができる。遅れ位相の電流は無効電力を発生することから、変圧器としての機能に加えて、直流制御電流を調整することで無効電力の増加乃至減少調整が可能な多機能変圧器を実現することができる。
なお、多機能変圧器を請求項1の電磁機器に適用して説明したが、本発明で記載した他の電磁機器についても適用可能なことは明らかである。
また、一次巻線と二次巻線が独立した絶縁変圧器による多機能変圧器について例示したが、単巻変圧器においても同様の機能が実現できることは明らかである。
なお、上記の他、この発明の要旨を逸しない範囲で種々変形して実施することができる。
本発明による電磁機器の実施例を示す接続図である。 電磁機器の制御特性例を示す図である。 本発明の電磁機器におけるバイアス磁束付与手段の構成例を示す図である。 本発明の電磁機器における磁心の実施例を示す図である。 本発明の電磁機器における磁心の他の実施例を示すである。 本発明の電磁機器における磁心の他の実施例を示す図である。 本発明の電磁機器における磁心の他の実施例を示す図である。 本発明による電磁機器の適用例を示す接続図である。 本発明による電磁機器の他の適用例を示す接続図である。 本出願人が先に提案した電磁機器の一例を示す接続図である。 従来技術の一例を示す接続図である。
符号の説明
1(1a,1b)…主巻線、2(2a,2b,2c,2d)…制御巻線、3…田の字状磁心、4(4a,4b)…E型磁心、5(5a,5b)…ヨーク鉄心(継鉄)、6(6a,6b,6c,6d)…永久磁石、7(7a,7b)…I型磁心、8…制御回路、9…非磁性部、10(10a,10b,10c,10d)…E型カットコア、11(11a,11b)…一次巻線、12(12a,12b)…二次巻線、13…電磁機器、14…コンデンサ。

Claims (6)

  1. 交流主巻線と直流制御巻線が巻回された対称的に四つの閉磁路で田の字状磁路を形成する磁心を有し、
    前記交流主巻線は、該巻線の交流主電流により生じる主磁束が前記田の字状磁路における十字状磁路の第1の直線磁路を通り、該十字の交点で対向して対称的に四つの閉磁路を還流するように巻回され、
    前記直流制御巻線は、該巻線の直流制御電流により生じる制御磁束が前記十字状磁路の第2の直線磁路を一方向に通って対称的に二つの磁路を還流するように巻回された電磁機器において、
    前記制御磁束が還流する前記二つの磁路部に所定のバイアス磁束を通過させるバイアス磁束付与手段を備え、
    前記直流制御巻線の直流制御電流の制御により主磁束、制御磁束及びバイアス磁束に共通の磁路の磁気抵抗を制御して、主巻線のリアクタンスを連続的に増減することを特徴とする電磁機器。
  2. 前記バイアス磁束付与手段は、前記制御磁束が還流する閉磁路における前記第2の直線磁路部にバイアス磁束を通過させることを特徴とする請求項1に記載の電磁機器。
  3. 前記バイアス磁束付与手段は、前記制御磁束が還流する閉磁路における前記第2の直線磁路と対向する2辺のそれぞれの還流磁路部にバイアス磁束を通過させることを特徴とする請求項1に記載の電磁機器。
  4. 前記バイアス磁束付与手段は、前記制御磁束が還流する閉磁路におけるバイアス磁束が通過する磁路部の磁心と連環して閉磁路を形成する永久磁石および継鉄により構成されることを特徴とする請求項2又は3に記載の電磁機器。
  5. 前記田の字状磁路を形成する磁心は、I形磁心に一対のE形磁心を対向させて構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁機器。
  6. 前記田の字状磁路を形成する磁心は、E形カットコアを対向させた一対の三脚磁心、又はI形磁心とE形磁心で形成した一対の三脚磁心を、磁気的な隔たり形成する非磁性部を介し又は介さずに対向配置して構成することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電磁機器。
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