JP2010119358A - 砂地における地形の制御方法およびそれに用いる柱状砂嚢用筒状編地 - Google Patents
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Abstract
【課題】円柱状砂嚢を一定の間隔で載置することにより、風食現象を利用して植物の育成に適した窪地を形成する方法、およびそれに用いる資材を提供すること。
【解決手段】筒状編地で形成される筒状内部に砂が充填された柱状砂嚢の複数本を交差させ、砂地面上に2本/100m以上、30本/100m未満のピッチで載置する砂地面における窪地の形成方法。またその方法に用いられるポリ乳酸繊維を用いて製編された柱状砂嚢用の筒状編地。
【選択図】なし
【解決手段】筒状編地で形成される筒状内部に砂が充填された柱状砂嚢の複数本を交差させ、砂地面上に2本/100m以上、30本/100m未満のピッチで載置する砂地面における窪地の形成方法。またその方法に用いられるポリ乳酸繊維を用いて製編された柱状砂嚢用の筒状編地。
【選択図】なし
Description
本発明は、砂漠地帯や砂丘、海岸などの広く地表面が砂で覆われている場所において、風力による砂粒子の移動現象を利用して地形を所望するように変更したり改良したりする地形の制御方法に関する。
砂砂漠地帯や、海岸砂丘地帯など広く地表面が砂で覆われている場所においては、風食により砂粒が飛砂となって移動し砂丘を形成することがある。これに対し、直接地表面に飛砂防止剤などを塗布する覆砂工や、稲わらなどで風を弱める草方格と呼ばれる治砂法があるが、これらはいずれも砂地面の固定方法であって、現在の地形を積極的に変更するものではない。
一方、砂漠地帯であっても植物が全く生息していない場所は少なく、例えば中国の内蒙古地区では砂丘の周囲の窪みになっている場所では草や低木が生えている地域が多い。そのため、砂地面に窪地を形成することで植物を育成し、砂漠を緑化したいという要望がある。
なお、土砂の流出などを防止する工法ならば、例えば、古タイヤを地中に埋め込んで固定、配列するという手法(例えば、特許文献1)や、また、特定の構造と素材からなる土嚢を地盤に固定、連結するという手法(例えば、特許文献2)などが提案されている。
特開2000−34709号公報
特開2005−68832号公報
本発明は、前記背景技術の課題に鑑みてなされたものであって、円柱状砂嚢を一定の間隔で載置することにより、風食現象を利用して植物の育成に適した窪地を形成する方法、およびそれに用いる資材を提供せんとするものである。
本発明は、前記課題を解決するために、次のような手段を採用するものである。
(1)筒状編地で形成される筒状内部に砂が充填された円柱状砂嚢の複数本を交差させ、砂地面上に2本/100m以上、30本/100m未満のピッチで載置することを特徴とする砂地における地形の制御方法。
(2)前記円柱状砂嚢の断面積が10〜400cm2であることを特徴とする前記(1)記載の砂地における地形の制御方法。
(3)前記筒状編地がポリ乳酸繊維を使った編地であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の砂地における地形の制御方法。
(4)前記筒状編地のJIS L 1018 8.10に基づいて測定するカバーファクターが5〜20であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の砂地における地形の制御方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の制御方法に用いられることを特徴とする円柱状砂嚢用の筒状編地。
(6)ポリ乳酸繊維を用いて製編されたものであることを特徴とする前記(6)記載の柱状砂嚢用の筒状編地。
(1)筒状編地で形成される筒状内部に砂が充填された円柱状砂嚢の複数本を交差させ、砂地面上に2本/100m以上、30本/100m未満のピッチで載置することを特徴とする砂地における地形の制御方法。
(2)前記円柱状砂嚢の断面積が10〜400cm2であることを特徴とする前記(1)記載の砂地における地形の制御方法。
(3)前記筒状編地がポリ乳酸繊維を使った編地であることを特徴とする前記(1)または(2)記載の砂地における地形の制御方法。
(4)前記筒状編地のJIS L 1018 8.10に基づいて測定するカバーファクターが5〜20であることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載の砂地における地形の制御方法。
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載の制御方法に用いられることを特徴とする円柱状砂嚢用の筒状編地。
(6)ポリ乳酸繊維を用いて製編されたものであることを特徴とする前記(6)記載の柱状砂嚢用の筒状編地。
本発明によれば、交差させて載置した砂嚢により区画された格子内に風食現象を利用して容易に窪地を形成することができる。窪地は、朝夕に日陰となり適度に太陽光を弱める効果、風を弱める効果、雨水を集める効果が期待できるため、気象条件によっては植物が自生し、緑化することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
本発明において、筒状編地とは繊維を編んで筒状にしたものであり、砂を詰めた後その両端を砂が漏れないように加工し、いわゆる砂嚢袋として使用する。筒状編地とすることにより、縫い合わせ部分や縫い目から細かい砂が漏れ出したり、砂嚢が破れたりするのを防ぐことができる。また、細長い形状の円柱状砂嚢を効率よく形成することが可能で、設置作業性にも優れる。砂が漏れないように両端を閉じる方法は縫製や接着、融着、結び目をつくる、別途用意した紐で縛る等の種々の方法を採ることができるが、なかでも結び目をつくる方法が安価、容易で確実に閉じることができるため、より好ましい。上記の砂嚢の形成は、施工する砂地の現地で行うことができ、その現地までは砂の入っていない連続した筒状の編地として、適宜の巻き体に形成して運搬をすることができる。そして現地で、適宜の長さに切断したのち、一端を閉じて、砂を充填・封入して他端を閉じるのである。また、両端以外の中央部における任意の位置にいずれかの方法にて封鎖する加工を行うことは、施工時の取り扱い性や施工後の環境変化に対し、内容物である砂の不要な移動を抑制できるため、好ましく用いられる。なお、織物は筒状の形状とするために縫製が必要となるか、袋織を行うために特殊な織機が必要となるため適さない。また、織物は一般には編地よりも伸び縮みしにくいものであり、特に、地面の凹凸等にフィットして載置されることができず、砂嚢として、砂地面に安定して設置しにくい。不織布も同様に縫製が必要となるため適さなく、また、砂が充填されるような丈夫な不織布は、一般に柔軟性が乏しく、やはり、地面の凹凸等にフィットして載置されることができないことから好ましくない。また、ブロー成形等の手法によるプラスチック製のフィルムやシート状物は一般に軽量であるが、引張、引裂強度や耐摩耗性、耐久性に劣るため適さない。
本発明において、砂嚢は、筒状編地に砂を詰める方法により形成されるため円柱に似た形状となるが、設置時に内容物である砂の自重により変形しても構わない。編地は、伸び縮み性が良好であり、内部の砂の自重により、また地面の凹凸状態に応じても、容易に変形することができるので、地面に隙間を生ずることなくフィットして載置されることになるので、窪地の形成に適しているのである。特に、載置されてから後も、時が経つにつれて砂地面の凹凸状態が変化していくときでも、該凹凸状態に追従してフィットしていくことができる点で、筒状編地で形成されることが重要なものである。
かかる砂嚢の砂を詰めた状態における砂嚢袋の長手方向に直行する面における断面積は10〜400cm2である。10cm2より小さいと砂嚢として砂地を押さえる効果および風を遮る効果が小さくなり、所期の効果を得ることは難しくなる方向である。一方、400cm2より大きいと重量が大きくなるため、作業性が悪くなるため効率的でなく、編地に使われる資源の増大や編地運搬量の増大の観点から不適である。砂嚢袋の長さは任意であるが、1〜20m程度連続したものが作業性に優れるため、好ましい。
砂嚢の載置方法は、複数の砂嚢を交差させて配置するものである。1本の砂嚢を曲げて円形や四角形に載置する方法も可能であるが、交差点を設けることで交差部分の重みが増大して砂嚢のずれや移動を効果的に防止することができる。
3本の砂嚢を1点で交差させ三角形を形成するように配列、交差する方法なども可能であるが、格子状に直交させる方法が施工作業性の観点から好ましい。交差することにより、段差を生ずるが、本発明では、筒状編地で砂嚢を形成しているため、編地の持つ伸縮性によってその段差部分でも良くフィットして地面との隙間がないように載置することが容易に可能である。
3本の砂嚢を1点で交差させ三角形を形成するように配列、交差する方法なども可能であるが、格子状に直交させる方法が施工作業性の観点から好ましい。交差することにより、段差を生ずるが、本発明では、筒状編地で砂嚢を形成しているため、編地の持つ伸縮性によってその段差部分でも良くフィットして地面との隙間がないように載置することが容易に可能である。
本発明において、載置ピッチは2本/100m以上、30本/100m未満とすることが好ましい。30本/100m以上では砂の移動防止効果が大きいため格子内の窪地が面積、深さともに小さいものにしかならず、太陽光を弱める効果および雨水を集める効果が小さいため、植物の自生があまり期待できない。2本/100m未満では隣り合う交差部分の間隔が長くなりすぎ、砂嚢自体が安定しない場合がある。載置ピッチはより好ましくは、2本/100m以上、20本/100m未満、更により好ましくは2本/100m以上、10本/100m未満である。特に10本/100m未満であると砂嚢により風が遮られたり、乱される影響が中央部まで及ばなくなるため、窪地の形成が促進される。
本発明において、砂嚢内に詰める砂は任意のものでよいが、施工対象現場の砂を用いることが、輸送効率を高め、かつ現地の環境や生物生態系を不必要に変化させないことから好ましい。
砂嚢袋内に砂を詰める方法は問わないが、例えば特開2005−110590号公報に開示されているような筒型アダプターを使用し、該筒型アダプターに砂を入れ、これを筒状生地へ移す方法、さらに筒型アダプターにホッパーを取り付けた装置を使用することが作業性に優れ好ましい。より好ましくは、該装置の脚に柔らかい砂地への埋没防止を考慮した幅広の車輪を取り付け、砂を詰めると同時に該装置を載置方向に移動させることで、砂嚢袋の作成と同時に設置することができ、砂嚢を運搬する作業を簡略化できる。
本発明において、砂嚢を特定の間隔で格子状に載置することにより窪地が形成されるメカニズムは明らかではないが、以下に述べるように予想する。すなわち砂嚢を砂地上に載置することにより、砂嚢の下側およびその近傍は砂嚢の重力により風食が抑えられてその高さで固定される。一方砂嚢により区画された格子の内部は風食により砂が飛ばされ徐々に高さが低くなるが、ある一定の深さをこえると砂嚢により遮られた風が回り込むことができず、風食が止まって流線型の窪地が維持されることになるというものである。したがって草方格のように通風性のある垣で風力を弱める方法では本発明で目的とする窪地は得られないものである。また、前述したとおり、砂嚢を格子状に載置する間隔(ピッチ)があまり小さいと砂の移動防止効果が大きくなりすぎ、適切な窪地の形成が図れなくなるため、本発明で規定した間隔で載置することが重要である。
本発明において、筒状編地に用いられる繊維材料としては天然繊維、再生繊維、合成繊維等のいずれの繊維でも可能であり、またそのいずれかの繊維を複数種類、混紡、混繊、交編等の手段により混用することも可能である。
天然繊維、再生繊維はいずれも生物由来の原料を使用しており生分解性を有し、本発明に用いた際には所期の目的を達し、最終的に砂嚢が不要になった場合でも回収する必要はないため、好ましく用いられる。
合成繊維は品質が安定した長繊維が安価に得られるため、編地を製造するまでの加工性に優れ、一般に天然繊維、再生繊維に比し耐久性に優れるため、施工後の維持管理が容易であり、好ましく用いられる。
本発明において、最も好ましくはポリ乳酸繊維が用いられるものである。
ポリ乳酸繊維は植物由来のバイオマスを原料とし、生分解性を持つ上に、合成繊維の良さである安定した品質の長繊維が安価に得られ、適度な強度、耐熱性を有するため加工が容易である。さらに耐光性に優れ、適度な耐久性を併せ持つため、施工した後、砂嚢が不要になるまでの期間である2年〜5年以上の耐久性、耐光、耐候性を有しつつ、最終的には二酸化炭素と水に分解するため、後処理が不要で環境にやさしい繊維であるという大きな利点を有するためである。
本発明において、ポリ乳酸繊維とはポリ乳酸系樹脂を公知の技術である溶融紡糸法によって繊維化したものである。ここで乳酸系樹脂とは、ポリ乳酸ホモポリマーの他、乳酸コポリマー、ブレンドポリマーを含むものである。乳酸系ポリマーの重量平均分子量は、一般に5〜50万である。また、乳酸系ポリマーにおけるL−乳酸単位、D−乳酸単位の構成モル比L/Dは、100/0〜0/100のいずれであっても良いが、高い融点を得るにはL乳酸あるいはD乳酸いずれかの単位を75モル%以上、さらに高い融点を得るにはL乳酸あるいはD乳酸のいずれかの単位を90モル%以上含むことが好ましい。
乳酸コポリマーは、乳酸モノマーまたはラクチドと共重合可能な他の成分とが共重合されたものである。このような他の成分としては、2個以上のエステル結合形成性の官能基を持つジカルボン酸、多価アルコール、ヒドロキシカルボン酸、ラクトン等、及びこれらの種々の構成成分よりなる各種ポリエステル、各種ポリエーテル、各種ポリカーボネート等が挙げられる。
また、分子量増大を目的として、少量の鎖延長剤、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネートなどのジイソシアネート化合物を使用して高分子量化する方法、あるいはカーボネート化合物を用いて脂肪族ポリエステルカーボネートを得る方法を使用しても良い。
さらに、乳酸系ポリマーの性質を損なわない範囲で、酸化防止剤等の添加剤や粒子を含有しても良い。
本発明では、ポリ乳酸繊維のカルボキシル末端量が10当量/t以下とすることも好ましい。該カルボキシル末端量が10当量/t以下であると、ポリ乳酸繊維の加水分解を抑制できる。ポリ乳酸繊維のカルボキシル末端量を10当量/t以下にする方法としては、原料樹脂の段階で、例えば脂肪族アルコールやアミド化合物などの縮合反応型化合物や、カルボジイミド化合物、エポキシ化合物、オキサゾリン化合物、オキサジン化合物、アジリジン化合物などの付加反応型の化合物などをポリ乳酸のカルボキシル末端に反応させて封鎖すれば良い。後者の付加反応型の化合物を用いれば、例えば、アルコールとカルボキシル基の脱水縮合反応による末端封鎖のように余分な副生成物を反応系外に排出する必要がないため、ポリ乳酸を溶融紡糸する際に付加反応型の化合物を添加・混合・反応させることができるため、実用的に十分高い分子量や耐熱性および耐加水分解性を兼ね備えた反応形成物を得るにあたり有利である。
上記付加反応型化合物の中でもポリ乳酸にカルボジイミド化合物を添加する方法が好ましい。ポリ乳酸ポリマーまたはそれに含まれるオリゴマーの反応活性末端をカルボジイミド化合物で封鎖することにより、ポリマー中の反応活性末端を不活性化しポリ乳酸の加水分解を抑制するものである。ここで言うカルボジイミド化合物は、例えば特開平11−80522号公報に記載のようにジイソシアネート化合物を重合したものが好適に用いられるが、中でも4,4'-ジシクロヘキシルメタンカルボジイミドの重合体やテトラメチルキシリレンカルボジイミドの重合体やその末端をポリエチレングリコール等で封鎖したものが好ましい。
カルボジイミド化合物はポリ乳酸ポリマーおよびそれに含まれるオリゴマーの反応活性末端をカルボジイミド化合物で封鎖することにより、ポリマー中の反応活性末端を不活性化しポリ乳酸の加水分解を抑制するものである。この反応活性末端は水酸基、カルボキシル基があるが、カルボジイミド化合物はカルボキシル基の封鎖性に優れている。カルボジイミド化合物の添加量はカルボキシル末端量に対して決める。さらにラクチド等の残存オリゴマーも加水分解によりカルボキシル末端を生じることから、ポリマーのカルボキシル末端だけでなく、残存オリゴマーやモノマー由来のものも併せたトータルカルボキシル末端量の2倍当量以下とすることが好ましい。末端封鎖によりトータルカルボキシル末端濃度はポリ乳酸全体に対し、10当量/t以下であると耐加水分解性を飛躍的に向上することができ好ましい。
製編方法としては各種編機、編組織を採用することが可能であるが、筒状の編地を製編できる丸編機で平編組織とすることが生産性に優れ、好適に用いられる。
本発明における筒状編地のJIS L 1018 8.10に基づいて測定するカバーファクターは5〜20であることが好ましい。カバーファクターがこの範囲内であれば、施工作業中および設置後の環境中における編目からの砂の漏出を少なくすることができる。特に限定されないが、砂の漏出に耐えることができる耐久性、強度などの点から、好ましい目付としては50〜500g/m2の範囲内、好ましい編糸の太さは50〜500デシテックスの範囲内である。
以下に、実施例によって本発明を更に詳細に説明する。なお、物性の測定には以下の方法を用いた。
A.カバーファクター
JIS L 1018 8.10(1999)に基づいて測定した。恒重式番手で表示される繊維は繊度(テックス)に換算して求めた。
JIS L 1018 8.10(1999)に基づいて測定した。恒重式番手で表示される繊維は繊度(テックス)に換算して求めた。
B.砂嚢の断面積
平坦な面に直線上に置かれた砂嚢の長手方向に直交する断面について、最大直径および最小直径をそれぞれ測定し、その平均値を平均直径とする。この平均直径を両端部からそれぞれ15cmの部位および中央部3点(封鎖する加工を行った部分を除く)の合計5点について求め、更にその平均値を算出して直径D(cm)とした。これを基に以下の式により砂嚢の断面積A(cm2)を算出した。
A=D2×π/4
ここで、π:円周率、である。
C.相対粘度
0.01g/mLの98%硫酸溶液を調整し25℃で測定した。
D.溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用い、チッソ雰囲気下において測定温度を240℃に設定し、せん断速度1216sec−1で3回測定し、平均値を溶融粘度とした。
実施例1
ポリ乳酸樹脂(相対粘度3.42、溶融粘度200Pa・sec−1、融点168℃)を従来から知られている方法で溶融紡糸し、106デシテックス、26フィラメントの半延伸糸を得た。これを2本混繊して延伸−仮撚加工を行い、84デシテックス、26フィラメント双糸の仮撚加工糸を得た。これを釜径8.89cm(3.5インチ)、22ゲージの丸編み機を用いて平編し、カバーファクター12.3の筒状編地を得た。この筒状編地を約10mの長さに切断して、一端を結び目を作って閉じ、他方より砂をいっぱいに詰めながら長さ10mの円柱状砂嚢を作成した。このとき砂嚢の断面積は50.2cm2であった。これを砂丘の砂地面上に直交して交差するように格子状に20本/100mのピッチで載置した。その後2ヶ月間放置し、格子内の地形変化を観察したところ、砂嚢により区画された1辺が5mの正方形のいずれの格子においても、その中心付近が最深部となる窪地が形成された。そして、その最深部深さはいずれも50〜70cmであった。
平坦な面に直線上に置かれた砂嚢の長手方向に直交する断面について、最大直径および最小直径をそれぞれ測定し、その平均値を平均直径とする。この平均直径を両端部からそれぞれ15cmの部位および中央部3点(封鎖する加工を行った部分を除く)の合計5点について求め、更にその平均値を算出して直径D(cm)とした。これを基に以下の式により砂嚢の断面積A(cm2)を算出した。
A=D2×π/4
ここで、π:円周率、である。
C.相対粘度
0.01g/mLの98%硫酸溶液を調整し25℃で測定した。
D.溶融粘度
東洋精機(株)社製キャピログラフ1Bを用い、チッソ雰囲気下において測定温度を240℃に設定し、せん断速度1216sec−1で3回測定し、平均値を溶融粘度とした。
実施例1
ポリ乳酸樹脂(相対粘度3.42、溶融粘度200Pa・sec−1、融点168℃)を従来から知られている方法で溶融紡糸し、106デシテックス、26フィラメントの半延伸糸を得た。これを2本混繊して延伸−仮撚加工を行い、84デシテックス、26フィラメント双糸の仮撚加工糸を得た。これを釜径8.89cm(3.5インチ)、22ゲージの丸編み機を用いて平編し、カバーファクター12.3の筒状編地を得た。この筒状編地を約10mの長さに切断して、一端を結び目を作って閉じ、他方より砂をいっぱいに詰めながら長さ10mの円柱状砂嚢を作成した。このとき砂嚢の断面積は50.2cm2であった。これを砂丘の砂地面上に直交して交差するように格子状に20本/100mのピッチで載置した。その後2ヶ月間放置し、格子内の地形変化を観察したところ、砂嚢により区画された1辺が5mの正方形のいずれの格子においても、その中心付近が最深部となる窪地が形成された。そして、その最深部深さはいずれも50〜70cmであった。
本発明の地形の制御方法は、砂砂漠地帯や砂丘地帯における窪地の形成に活用され、それによって植物の生育に適した環境を醸成するものである。
1:流動砂丘地帯などの砂地
2:円柱状砂嚢
2:円柱状砂嚢
Claims (6)
- 筒状編地で形成される筒状内部に砂が充填された円柱状砂嚢の複数本を交差させ、砂地面上に2本/100m以上、30本/100m未満のピッチで載置することを特徴とする砂地における地形の制御方法。
- 前記円柱状砂嚢の断面積が10〜400cm2であることを特徴とする請求項1記載の砂地における地形の制御方法。
- 前記筒状編地がポリ乳酸繊維を使った編地であることを特徴とする請求項1または2記載の砂地における地形の制御方法。
- 前記筒状編地のJIS L 1018 8.10に基づいて測定するカバーファクターが5〜20であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の砂地における地形の制御方法。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の制御方法に用いられることを特徴とする円柱状砂嚢用の筒状編地。
- ポリ乳酸繊維を用いて製編されたものであることを特徴とする請求項6記載の柱状砂嚢用の筒状編地。
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---|---|---|---|---|
CN103808487A (zh) * | 2014-03-04 | 2014-05-21 | 北京林业大学 | 一种测量并计算风蚀模型的方法 |
CN106768821A (zh) * | 2017-01-22 | 2017-05-31 | 北京师范大学 | 一种地块内土壤风蚀量的测量方法 |
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