JP2010118257A - 抜きバネ式コンタクト - Google Patents
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Abstract
【課題】接触対象物の磨耗を少なくし、導電抵抗が小さく、しかも適度な弾性係数で弾性変形性能を良くすることが容易な抜きバネ式コンタクトの提供。
【解決手段】全体が平板状をした導電性の金属板材を打ち抜きすることによって形成され、該金属板材の平板状平面に沿った蛇行曲線状のバネ部11a,11bと、その先端に、バネ部11a,11bの弾性によって接触対象物側に付勢される接触部12とを一体に備え、接触部12は金属板材の一方の面を外側に、他方の面を内側にしたU字状に形成し、そのU字状の外側面を接点とし、接触部12の前記U字状の両端部と一体に、それぞれ蛇行曲線状をした互いに平行な一対のバネ部11a,11bを備える。
【選択図】図1
【解決手段】全体が平板状をした導電性の金属板材を打ち抜きすることによって形成され、該金属板材の平板状平面に沿った蛇行曲線状のバネ部11a,11bと、その先端に、バネ部11a,11bの弾性によって接触対象物側に付勢される接触部12とを一体に備え、接触部12は金属板材の一方の面を外側に、他方の面を内側にしたU字状に形成し、そのU字状の外側面を接点とし、接触部12の前記U字状の両端部と一体に、それぞれ蛇行曲線状をした互いに平行な一対のバネ部11a,11bを備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性金属材料からなる平板状をした金属板材を打ち抜くことによって、蛇行曲線状(ジグザク曲線状)にバネ部を成形した抜きバネ式コンタクトに関する。
従来、図10に示すように、ICやバッテリーパック等の接触対象物aに対して接触するコンタクトの接触部2aを、ハウジング1から突出方向する方向に付勢させたコネクタが使用されている。この種のコネクタに使用されるコンタクト2としては、図11、図12に示すように、全体が平板状をした導電性の金属板材3を打ち抜きすることによって、該金属板材3の平板状平面に沿った蛇行曲線状のバネ部2bと、該バネ部2bの先端の接触部2aを一体に形成し、バネ部2bの弾性によって接触部2aを接触対象物a側に付勢されるようにした抜きバネ式コンタクトが使用されている(例えば特許文献1)。
特開平11−162592号公報
上述した従来の抜きバネ式コンタクトのバネ部2bは、図11に示すように、成形前の金属板材表面の平面に沿った蛇行曲線状に形成され、その厚さが使用する金属板材の厚さであるため、コネクタの低背化に対して効果的である。
しかし、従来の抜きバネ式コンタクトは、接触対象物と接触する接触部2aが、金側板3を打ち抜き形成した際に生じる切断面をもって構成されているため、対象部品に対する接点面が破断面となり、接触対象物の接触部を磨耗させる懸念がある。このため従来は、図12に示すように接触部の先端の角bを面取りする加工が施されているが、コンタクト自体の肉厚が小さい場合には、あまり効果を発揮しないという問題がある。
一方、抜きバネ式コンタクトの場合、バネ部2bの導体部分の幅(図11中のc)が細くなるため、コンタクトの導体抵抗が大きく、バッテリーコネクタのようにICコネクタに比べて大きい電流が流れる場所での使用には不向きであるという問題があった。
また、従来の抜きバネ式コンタクトの場合、接触部の変位性能を向上させようとすると弾性係数が小さくなり、接触対象物に対する十分な接触圧が得られず、振動によって接触部と接触対象物との電気接続状態が瞬間的にOFFとなる事態が生じ易くなるという問題があった。
本発明は、上述の如き従来の問題に鑑み、接触対象物の磨耗を少なくし、導電抵抗が小さく、しかも適度な弾性係数で弾性変形性能を良くすることが容易な抜きバネ式コンタクトの提供を目的としてなされたものである。
上述した従来の問題を解決し、所期の目的を達成するための請求項1に記載の発明の特徴は、全体が平板状をした導電性の金属板材を打ち抜きすることによって形成され、該金属板材の平板状平面に沿った蛇行曲線状のバネ部と、該バネ部の先端に、該バネ部の弾性によって接触対象物側に付勢される接触部とを一体に備えてなる抜きバネ式コンタクトにおいて、
前記接触部は前記金属板材の一方の面を外側に、他方の面を内側にしたU字状に形成し、該U字状の外側面を接点部とし、該接触部の前記U字状の両端部と一体に、それぞれ蛇行曲線状をしたバネ部が備えられていることにある。
前記接触部は前記金属板材の一方の面を外側に、他方の面を内側にしたU字状に形成し、該U字状の外側面を接点部とし、該接触部の前記U字状の両端部と一体に、それぞれ蛇行曲線状をしたバネ部が備えられていることにある。
請求項2に記載の発明の特徴は、請求項1の構成に加え、前記各バネ部の前記接触部とは反対側の端部に、回路接続用の端子部を備えたことにある。
請求項3に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れかの請求項の構成に加え、前記接触部には、前記U字状の外側面の両縁の角に面取りを施したことにある。
請求項4に記載の発明の特徴は、請求項1又は2の何れかの請求項の構成に加え、前記接触部には、前記U字状の外側面の中央にビードを備えていることにある。
上述の如く、本発明に係る抜きバネ式コンタクトは、全体が平板状をした導電性の金属板材を打ち抜きすることによって形成され、該金属板材の平板状平面に沿った蛇行曲線状のバネ部と、該バネ部の先端に、該バネ部の弾性によって接触対象物側に付勢される接触部とを一体に備えてなる抜きバネ式コンタクトにあって、前記接触部は前記金属板材の一方の面を外側に、他方の面を内側にしたU字状に形成し、該U字状の外側面を接点部としたことにより、接点部は金属板材表面をU字状に曲加工した面をもって構成されるため、接触対象部の磨耗を防止できる。
また、前記接触部の前記U字状の両端部と一体に、それぞれ蛇行曲線状をしたバネ部が備えられていることにより、一対のバネ部によって接触部を押し出し方向に付勢することとなり、接触部の変位性能を損なうことなく必要な弾性係数、即ち、適切な接触圧を発揮させることが容易となり、振動による回路の切断を防止できる。
更に、前記各バネ部の前記接触部とは反対側の端部に、回路接続用の端子部をそれぞれ備えたことにより、この端子部をともに基盤等の回路に接続させることが可能となり、両バネ部が互いに並列に電気接続され、全体の導電抵抗が小さいものとなる。
更に、前記接触部に、前記U字状の外側面の両縁の角に面取りを施すことにより、抜き形成時における破断縁が接触対象物に接触することが無くなり、接触対象物に磨耗を防止できる。
更に、前記接触部にビードを備えることにより、U字状に湾曲加工された接触部の強度が高められ、また接点、即ち相手方との接触面は、前記U字状の曲面と、これと交差する方向の弧状の曲面とによる球面に近い形状にとなるため、接触相手方の磨耗をより効果的に防止することができると同時に接触角度が多少変化しても安定した接触状態が得られる。
次に、本発明に係る抜きバネ式コンタクトを実施するための最良の形態を、図1〜図8に示す実施例を参照して詳細に説明する。
図1〜図3は、本発明に係る抜きバネ式コンタクト10を示している。このコンタクト10は、一対の平行配置のバネ部11a,11bと、両バネ部の先端間にまたがらせて一体に備えた接触部12と、各バネ部11a,11bの接触部12側とは別の端部に一体に備えた支持基板部13a,13b、及び各支持基板部13a,13bの底辺部から一体に突設した端子部14a,14bとから構成されている。
支持基板部13a,13bのそれぞれの両端部には、これをハウジングに圧入することによって抜け止めさせるための突起15,15が一体に形成されている。端子部14a,14bは、両支持基板部13a,13bの互いに異なった端部側に片寄せた配置に突設されているとともに、両端子部14a,14b先端は、支持基板部13a,13bと平行な同一平面上に位置するように折り曲げられている。
バネ部11a,11bは、互いに対称な蛇行曲線状に形成されている。この蛇行曲線は、互いに平行な複数の横向き直線状部20を有し、互いに隣り合う直線状部20,20間を半円形の折り返し部21を介して連続させることによって連続したジグザグ曲線状に形成されているものである。
接触部12は、展開した形状が矩形状をなしており、その矩形状の長辺方向が両バネ部11a,11b間方向側に向けられ、その先端部がバネ部の各直線状部20,20に対し、その長さ方向に対して直行する向きに連続した配置となっている。この矩形状の長さ方向の中央部分がU字状に折り曲げられ、該U字状の外側面を接点12aとしている。
また、支持基板部13a,13bは、それぞれ矩形状に形成され、その長さ方向がバネ部の直線状部20と平行に配置され、バネ部先端の直線状部20に対し、半円形の曲げ部22を介して連続した配置に形成されている。
このコンタクト10は、図4に示すように、1枚の平板状をした金属板材25より展開した状態に打ち抜き形成されたものを、図3に示すように接触部12の中央部分をU字状に湾曲させることにより、一対のバネ部11a,11bが互いに平行且つ対称配置にとなるよう成形している。
このコンタクトは、図3に示すように互いに平行なバネ部11a,11bを、間隔を隔てた配置とする他、図5に示すようにバネ部11a,11bが互いに接触する配置としてもよい。
また、接触部12は、幅方向両側の縁部の角に面取り12b,12bを施している。この面取り12b,12bは、前述した金属板材25から抜き形成する際に、抜型に形成した加締め部によって形成してもよく、抜き形成後のプレス又は研削によって形成しても良い。
次に、上述したバネ式コンタクトを、例えば電話機やカメラ等の携帯式電子機器のバッテリーコネクタに使用した場合を図6〜図8について説明する。図において符号30は、モールド成形された絶縁性のハウジングである。
ハウジング30は、平面が矩形状をなし、上下方向の厚さが小さい薄型箱状をしており、その肉厚内に、前記矩形状の短辺方向に向けて、一対のコンタクト収容空間31,31が形成されている。この両コンタクト収容空間31は、ハウジング30の背面30b、即ち前記矩形状平面の一方の長辺側の面である面に一端側が開放され、同他方の長辺側の面である前面30aにコンタクト収容空間に連通開口させた一対の接触部出入孔32,32が開口されている。
各コンタクト収容空間31は、コンタクト10の両バネ部11a,11bが伸縮可能な大きさの厚さ及び幅に形成され、その開口部の4隅に前記支持基板部13a,13bの両端が挿入される支持基板部挿入溝33が形成され、その内部に支持基板部13a,13bを圧入することによって、指示基板部両端の突起15が溝33の内壁面に食い込んで抜け止めされるようになっている。
このようにしてコンタクト10がハウジング30内に組み込まれることによって、バネ部11a,11bがやや圧縮された状態でコンタクト収容空間31内に収容されるとともに、接触部12が接触部出入孔32よりハウジング前面30a外に突出されている。
このように構成されるバッテリーコネクタは、図8に示すように電子機器40のバッテリー収容部41の内面にハウジング30の前面30aを露出させた状態で組み込み、各コンタクト10,10毎に、その両端子部14a,14bをプリント基板34の同じ電源接続端子35に対し、半田付けする。
そして、バッテリー収容部41内に、接触対象物であるバッテリー42が挿入されることによってその端子42a,42bが各コンタクト10の接触部12に接触してこれを押し込み方向に動作させる。これによって各コンタクト毎に一対のバネ部11a,11bの弾性によって、接触部12とバッテリー42の端子42aとが所望の接触圧にて接触される。
尚、図中50は信号用コンタクトであり、図には詳示してないが、バネによって押し出し方向に付勢された接続ピン51がバッテリー42の信号端子(図示せず)に圧接されるようになっている。
このように構成されるバッテリーコネクタにおいては、薄い板材を打ち抜き形成したコネクタを使用したものであっても、バッテリーと接触する接触部12は、板材をU字状に湾曲させた外側の滑らかな面が接点となるため、従来の破断面が接点となるものに比べ、相手方を磨耗させる程度が著しく少ないものとなる。
また、接触圧は平行配置の一対のバネ部11a,11b弾性が加重されたものとなり、比較的大きい接触圧が容易に得られ、落下させた際に生じる振動等による電源回路の瞬時の切断が防止できる。
更に、コンタクト10により構成される回路には、一対のバネ部11a,11bが並列に接続されているため、導電抵抗が小さくなりバッテリーコネクタのような比較的大きな電流が流れる部分に使用する場合であっても安全且つ安定した導電状態が得られる。
尚、上述の実施例では、接触部12の両縁に面取り12b,12bを形成した場合を示しているが、この面取り12b,12bの加工の代わりに、図9に示すように接触部12の外側面の幅方向中央に、湾曲面に沿ってビード12cを形成しても良い。このビード12cの成形は、例えば図4に示す金属板材から展開状態で打ち抜き加工する際に、同時に、接触部12の長さ方向に向けた断面が弧状をした凸条を金属板材25の裏面側から表面側に打ち出し形成しすることによって形成する。
このようにビード12cを形成することによって、U字状に湾曲加工された接触部12の強度が高められる。また、接点12aは、前記U字状の曲面と、これと交差する方向の前記弧状の曲面とによる球面に近い形状にとなるため、接触相手方の磨耗をより効果的に防止することができると同時に接触角度が多少変化しても安定した接触状態が得られる。
10 抜きバネ式コンタクト
11a,11b バネ部
12 接触部
12a 接点
12b 面取り
12c ビード
13a,13b 支持基板部
14a,14b 端子部
15 突起
20 直線状部
21 折り返し部
22 曲げ部
25 金属板材
30 ハウジング
30a 前面
30b 背面
31 コンタクト収容空間
32 接触部出入孔
33 支持基板部挿入溝
34 プリント基板
35 電源接続端子
40 電子機器
41 バッテリー収容部
42 バッテリー
42a,42b 端子
50 信号用コンタクト
11a,11b バネ部
12 接触部
12a 接点
12b 面取り
12c ビード
13a,13b 支持基板部
14a,14b 端子部
15 突起
20 直線状部
21 折り返し部
22 曲げ部
25 金属板材
30 ハウジング
30a 前面
30b 背面
31 コンタクト収容空間
32 接触部出入孔
33 支持基板部挿入溝
34 プリント基板
35 電源接続端子
40 電子機器
41 バッテリー収容部
42 バッテリー
42a,42b 端子
50 信号用コンタクト
Claims (4)
- 全体が平板状をした導電性の金属板材を打ち抜きすることによって形成され、該金属板材の平板状平面に沿った蛇行曲線状のバネ部と、該バネ部の先端に、該バネ部の弾性によって接触対象物側に付勢される接触部とを一体に備えてなる抜きバネ式コンタクトにおいて、
前記接触部は前記金属板材の一方の面を外側に、他方の面を内側にしたU字状に形成し、該U字状の外側面を接点部とし、該接触部の前記U字状の両端部と一体に、それぞれ蛇行曲線状をしたバネ部が備えられていることを特徴としてなる抜きバネ式コンタクト。 - 前記各バネ部の前記接触部とは反対側の端部に、回路接続用の端子部を備えてなる請求項1に記載の抜きバネ式コンタクト。
- 前記接触部には、前記U字状の外側面の両縁の角に面取りが施されている請求項1又は2の何れか1に記載の抜きバネ式コンタクト。
- 前記接触部には、前記U字状の外側面の中央にビードを備えている請求項1又は2の何れか1に記載の抜きバネ式コンタクト。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008290704A JP2010118257A (ja) | 2008-11-13 | 2008-11-13 | 抜きバネ式コンタクト |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008290704A JP2010118257A (ja) | 2008-11-13 | 2008-11-13 | 抜きバネ式コンタクト |
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Publication Number | Publication Date |
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---|---|---|---|
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-
2008
- 2008-11-13 JP JP2008290704A patent/JP2010118257A/ja active Pending
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