JP2010117535A - 太陽レンズ - Google Patents
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Abstract
【課題】 太陽の方位や高度に関係なく太陽光線を集光する方法として光の全反射を応用した太陽レンズが提案されているが、逆円錐台形の主レンズの底面に円錐形の補助レンズを同軸で埋め込んだ形状の太陽レンズでは主レンズと補助レンズで囲まれたV字型の斜面で全反射を繰返すことになるため、入射光線の傾斜角度に関係なく光線の一部が損失光線となる不都合があった。損失光線をより少なくできる太陽レンズを提供することが課題である。
【解決手段】 主レンズと補助レンズの境界を鋸歯状斜面(空隙)で分離することで、主レンズ側から補助レンズ側に向かう光線を全反射で出光面の主レンズ側に導き、補助レンズ側から主レンズ側に向かう光線を鋸歯状斜面(空隙)を透過させて出光面の主レンズ側に導いて集光するように構成することで前記課題を解決するものである。
【選択図】図1
【解決手段】 主レンズと補助レンズの境界を鋸歯状斜面(空隙)で分離することで、主レンズ側から補助レンズ側に向かう光線を全反射で出光面の主レンズ側に導き、補助レンズ側から主レンズ側に向かう光線を鋸歯状斜面(空隙)を透過させて出光面の主レンズ側に導いて集光するように構成することで前記課題を解決するものである。
【選択図】図1
Description
本発明は、高度と方位が常に移動している太陽光線を、静止したレンズで受光面積よりも狭い一定の範囲に集光することを目的とした太陽レンズに関するものである。
太陽の方位や高度に関係なく太陽光線を集光する方法として光の全反射を応用した集光方法が提案されている。
特願2007−248288 太陽レンズ
前記特許文献1の方法は、逆円錐台形の主レンズの底面に円錐形の補助レンズを同軸で埋め込んだ形状の太陽レンズであり、主レンズの外斜面と補助レンズの斜面がV字形に対面する形状であるため、相互間で全反射を繰返す光線が次第に傾斜角度を拡大して主レンズの外斜面を透過して損失する結果となって集光性能が低い欠点があった。本発明はこの光線損失を低減して集光性能の高い太陽レンズを提供することが課題である。
主レンズと補助レンズが同じ方向に傾斜しているために両レンズの斜面がV字型に対面することがなく、しかも主レンズと補助レンズの境界を鋸歯状斜面(空隙)で分離することで、主レンズ側から補助レンズ側に向かう光線を全反射で出光面の主レンズ側に導き、補助レンズ側から主レンズ側に向かう光線も鋸歯状斜面(空隙)を透過させて出光面の主レンズ側に導いて集光するように構成することで前記課題を解決するものである。
本発明の太陽レンズでは主レンズと補助レンズの境界が鋸歯状斜面(空隙)で形成されているため、鋸歯状斜面(空隙)に向かって進行する主レンズ側からの光線も補助レンズ側からの光線も出光面に集光でき集光性能を高めることができるものである。
図1は本発明による太陽レンズ1の縦断面を示すもので、円錐を逆さにしたような逆円錐筒形の主レンズ2に同心で逆円錐台形の補助レンズ3を嵌め込み、主レンズと補助レンズの境界を鋸歯状斜面(空隙)7で光学的に分離してなる太陽レンズで光線透過率の高い透明材料で形成されている。主レンズの外斜面6は素材の臨界屈折角度で入光面4から進行する光線が全反射する角度以下の傾斜角度α1で傾斜している。また、補助レンズ側から見た鋸歯状斜面(空隙)の稜線7、つまり補助レンズの傾斜角度は主レンズの外斜面6の傾斜角度以上の傾斜角度α2で傾斜している。
以下の説明における主レンズや補助レンズ、鋸歯状斜面(空隙)の傾斜角度および光線の傾斜角度は、特に断らない限り太陽レンズを水平に設置した状態での鉛直面に対する傾斜角度で示している。なお、入光面を緩やかに盛り上げることで太陽に対する投影面積を拡大して集光能力を高めたり集光性能を微細に調整する方法が考えられるが平らな入光面の場合について説明する。5は平面で形成された出光面で鋸歯状斜面(空隙)で主レンズ側と補助レンズ側に仕切られている。
また、図2および図3に示すように補助レンズ側から見た鋸歯状斜面(空隙)の断面は、先端が角度β1、根元が角度β2の角度でかさ歯車状に形成されている。先端角度β1は補助レンズ側から鋸歯状斜面(空隙)に進行する光線が鋸歯状斜面(空隙)を透過して主レンズ側に移って出光面に向かいやすいように、根元角度β2は主レンズ側から鋸歯状斜面(空隙)に進行する光線が全反射で反転して主レンズ側の出光面に向かいやすいように設定される。そのためには補助レンズの傾斜角度にも関係するが先端角度を鋭角にして根元角度を鈍角に設定することが望ましいと考えられる。
入光面から入射する光線は、直接または主レンズの外斜面で全反射をして鋸歯状斜面(空隙)に向かって進行することになるが、図4、図5は光線の経路を説明するために、地点m1、m2から進入する光線p1、p2の経路を、図4の円周方向の成分と図5の下向きの成分とに分けて表示したものである。入光面に対する太陽光線の傾斜角度は最大で90度(日の出日没)であるから入光面が水平の場合、入光面から太陽レンズに進入する光線の傾斜角度は構成素材の臨界屈折角度以下の角度で進行することになる。
例えば、臨界屈折角が42度(屈折率約1.5)のアクリル樹脂を使った太陽レンズで、主レンズ外斜面の傾斜角α1が6度、入光面の傾斜角α3が90度の水平で、入射光線としては最大に屈折する水平方向からの光線(朝陽)が地点m1から半径方向に進行して外斜面に当たる場合、図4、図5の光線経路のように傾斜角42度で外斜面で全反射したあと反転して54度の傾斜角度で補助斜面に進行する。この場合、主レンズ側から見た鋸歯状斜面(空隙)は下向きに傾斜しているため、鋸歯状斜面(空隙)で全反射する光線は傾斜角度がより少なくなって下向きに進行する。また、鋸歯状斜面(空隙)の根元角度β2が先端角度β1よりも鈍角であるため全反射した光線は次第に主レンズの外斜面方向に向かって進行し外斜面で再び全反射して出光面に集光されることになる。
また、地点m2から鋸歯状斜面(空隙)に向かう光線の場合、斜面に当たる位置によって様々な方向に進行するが、補助レンズ側から見た鋸歯状斜面(空隙)の傾斜が上向きであることに加えて、主レンズ外斜面の傾斜角度α1が角度α2よりも小さいため、光線の傾斜角度が全反射で次第に大きくなって臨界屈折角度に達する前に多くは主レンズ側に透過して出光面へと進行し、一部は直接出光面の補助レンズ側に集光される。
このように補助レンズが単なる円錐形の従来の太陽レンズでは、主レンズと補助レンズで囲まれたV字型の斜面で全反射を繰返すことになるため、入射光線の傾斜角度に関係なく光線の一部が損失光線となるのに比べて、本発明による太陽レンズでは補助レンズ側から鋸歯状斜面(空隙)に向かう光線の殆どをこの斜面を透過させて主レンズ側に導くとともに、主レンズ側から鋸歯状斜面(空隙)に向かう光線を斜面で全反射させて出光面に導くことになるから入射する太陽光線の殆どを集光できることになる。鋸歯状斜面(空隙)の断面形状は単純な三角形でもよいが、緩やかな曲面で形成することでより微細に集光特性を改善することが可能となる。
本太陽レンズの集光倍率は入光面と出光面の面積比で表すことができるが、集光倍率を高めるためには太陽レンズを複数段に積層すればよい。積層した場合の集光倍率は単体での集光倍率の積層段数×積層段数となる。なお、太陽レンズを単純に積層する場合、レンズ相互間で表面反射損失が発生して集光性能が低下することが考えられる。この損失を低減するには積層レンズ相互の隙間を構成素材の屈折率に近い物質で充填すればよい。
また、多数の太陽レンズを平面的に並べて集光能力を拡大する場合に、円形の太陽レンズではレンズ相互間に無駄な空間が発生するが、受光面積を有効に活用するために太陽レンズを6角形などの多角形にする方法が考えられる。本発明における逆円錐形の主レンズや補助レンズを逆多角錐形に置き換えても本質的な機能は変わらないから同様に集光できる。
鋸歯状斜面を形成する空隙は光学的に相互を分離するためのものであるから、空隙の幅は相互の境界で全反射が起こる状態であれば1ミクロン以下の微小な隙間でもよい。空隙を保つためには主レンズと補助レンズの表面に適当な間隔で微小な突起を設けたり、微粉末を荒目の間隔で散布するなどの方法が考えられる。
このように本発明の太陽レンズは主レンズと補助レンズの境界がかさ歯車のような鋸歯状斜面(空隙)で形成されているため、単に円錐形の補助レンズで構成した太陽レンズに比べて殆どの入射光線を損失なく集光できる利点がある。
1、太陽レンズ
2、主レンズ
3、補助レンズ
4、入光面
5、出光面
6、外斜面
7、鋸歯状斜面(空隙)
2、主レンズ
3、補助レンズ
4、入光面
5、出光面
6、外斜面
7、鋸歯状斜面(空隙)
Claims (1)
- 逆円錐筒形の主レンズに同心で逆円錐台形の補助レンズを嵌め込み、主レンズと補助レンズの境界を鋸歯状斜面(空隙)で分離した太陽レンズを透明材料で形成すると共に、主レンズ外斜面の傾斜角度を素材の臨界屈折角度で入光面から入射する光線が全反射する角度以下に設定し、補助レンズの傾斜角度を主レンズ外斜面の傾斜角度以上の角度に設定し、入光面から入射する光線を全反射で出光面に集光させるように構成したことを特徴とする太陽レンズ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008290430A JP2010117535A (ja) | 2008-11-13 | 2008-11-13 | 太陽レンズ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008290430A JP2010117535A (ja) | 2008-11-13 | 2008-11-13 | 太陽レンズ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010117535A true JP2010117535A (ja) | 2010-05-27 |
Family
ID=42305242
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008290430A Pending JP2010117535A (ja) | 2008-11-13 | 2008-11-13 | 太陽レンズ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2010117535A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012072917A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-12 | Denso Corp | 集光器及び集光装置 |
KR101251581B1 (ko) * | 2011-07-18 | 2013-04-08 | (주)애니캐스팅 | 집광형 태양광 발전 장치 |
KR101326768B1 (ko) | 2012-04-25 | 2013-11-08 | (주)참메드 | 엘이디 집광렌즈를 포함하는 집광 장치 |
-
2008
- 2008-11-13 JP JP2008290430A patent/JP2010117535A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012072917A (ja) * | 2010-09-27 | 2012-04-12 | Denso Corp | 集光器及び集光装置 |
KR101251581B1 (ko) * | 2011-07-18 | 2013-04-08 | (주)애니캐스팅 | 집광형 태양광 발전 장치 |
KR101326768B1 (ko) | 2012-04-25 | 2013-11-08 | (주)참메드 | 엘이디 집광렌즈를 포함하는 집광 장치 |
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