JP2010117505A - 仕上がり感再現補助具、及び仕上がり感再現方法 - Google Patents

仕上がり感再現補助具、及び仕上がり感再現方法 Download PDF

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志帆 八巻
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Abstract

【課題】 木部仕上げの一つであるステインを、目的とする樹種に塗装した場合の仕上げ見本を簡便に提供することを課題とする。
【解決手段】 木部用ステインを塗装した際得られる、被覆層と同じ色相と透明感、光沢を持つ薄膜状物にしたものを作製することにより仕上がり感再現補助具となす。仕上がり感再現補助具は、プラスチック素材に着色皮膜を形成したもの、あるいはプラスチック素材に着色したものとする。このように製作した仕上がり感再現補助具をステイン塗装予定の木部表面に被せるだけでその仕上がり感を体感することが可能となる。
【選択図】なし

Description

例えば、木製家具を塗装しようとした場合、木部に対して(1)素地調整(2)着色(3)捨て塗り(4)目止め(目止着色)(5)下塗り(6)中塗り(7)補色(8)上塗り(9)みがき艶出しの工程をもって仕上げられる。これらの工程のうち、ステインとよばれる透明ないし半透明な塗料を用いる可能性のあるのは、(2)着色、(5)下塗り、(6)中塗りがある。
木製家具の場合はともかく、種々の木部下地には素材である木の木目、質感、杢を生かす為に、透明ないし半透明な塗料を用いることが多い。そして、透明ないし半透明な塗料はステインと呼ばれる。
この発明は、木部に塗装されるステインを、塗装予定となる木部下地が変化した場合も容易にその仕上がり感が再現できる補助具とその使用方法に関するものである。その利用分野としては、木製の遊具、屋外工作物、家具、壁材、床材、天井材等を製作する工場、施工現場あるいはこれらの色決定を行なう場において利用可能となる。
木部用のステインと呼ばれる塗料は、木材の木目、質感を生かし、全く透明なものから数割の隠蔽を有し、黄色、茶色、青色の染料ないし顔料を含むものであった。そして、塗料メーカが提供する、それら塗料の塗り見本においては、下地となる木材をラワン材あるいはシナ材とし、標準の塗布量において仕上げたものとなっていた。
公知文献には、上記背景技術を直接記述する文献は見つけられなかったので、塗り見本例としては、非特許文献となる菊水化学工業株式会社の「AURO」カタログ、製作年月日は2004年4月となる。以下この「AURO」カタログを、非特許文献1とする。
非特許文献1では、上記塗料販売会社が販売すると言う商品名の塗料は、木材用のステインであり、標準色として14色の品揃えであり、それらの塗料を標準の塗布量にて塗装したときには、どのような色・つやの仕上がりとなるかを、シナ合板を下地とする現物の見本、大きさは2.5×5cm、によって示したものとなっている。
また、本件と同一の技術分野である色見本におけるIPCがG09F5/00:見本表示手段に分類された発明に特開2005−10517号公報には「色見本の作製方法」の発明が開示されている。以下、この特開2005−10517号公報は、特許文献1とする。
「AURO」カタログ、菊水化学工業株式会社製作年月は2004年4月
特開2005−10517号公報
特許文献1には、印刷による下地絵柄のある紙基材に対して下地絵柄が透けて見える透明塗料を塗ることによる色見本の作製方法を示したものとなっている。
非特許文献1を例とする、ステインの塗り見本では、実際に利用予定となる木部下地と塗り見本として例示される木部は異なったものとなる可能性が高く、その種類・色が合致することは稀であった。塗装可能性のある樹種を全て用意し、それらの塗り見本を揃えるには膨大な手間とコストが必要となった。従って、ステインを使用予定のものは、カタログの塗り見本の木地と仕上がりを見て、利用予定の木部の仕上がりを想像するよりなかった。
この発明では、従来における木部の種類が変化した場合においても、そのステイン仕上げの色合い、風合いを容易に再現可能とする補助具とその使用方法を提供しようとするものである。
また、既に塗装済みとなり且つ年月の経過がある下地に対して、主として耐久性の向上を始め、傷からの保護、ひび割れの防止、老化・劣化・変色・腐朽の防止などの機能を付与する為にステインを使用することも存在する。
このような場合においても、透明なステインを選択する場合はともかく、着色成分の入ったステインを選択したい時には、その仕上がり感を提案する術は確認されていない。よって、このようなケースにおいても、そのステイン仕上げの色合い、風合いを容易に再現可能とすることを目的の一つとする。
この出願では、請求項1の仕上がり感再現補助具の発明として、木部用ステインを塗装した際得られる、透明ないし半透明な被覆層と同程度の色相と透明感、光沢を持つ薄膜状物にしたことを要旨としている。
請求項2では、請求項1の発明において、仕上がり感再現補助具が、合成樹脂のフィルムに着色皮膜を形成したものであることを要旨としている。
請求項3では、請求項1の発明において、仕上がり感再現補助具が、に着色された合成樹脂のフィルムであることを要旨としている。
請求項4では、請求項1ないし請求項3の特徴を有する仕上がり感再現補助具を利用し、仕上がり感を再現する方法の発明であり、塗装予定となる木部下地に対して、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の仕上がり感再現補助具を被せ、木部下地の塗装後の仕上がり感を再現することを要旨としている。
以下に、この発明の構成要素それぞれについて、詳細に説明する。
この発明に言う木部とは、木製の遊具、家具、壁材、床材、天井材等を木地のままでなく、木部用の塗料により塗装し、着色あるいは保護・機能付加を行なうものを言う。木材による建築材料には塗装を施さないものもあり、それらはこの発明にとって対象外となる。
塗装対象となる木材の種類として、国産材の針葉樹には、櫟、サワラ、ヒバ、蝦夷松、栂、檜、樅、カヤ、杉、唐松、とど松、黒松、イブキ、赤松などがあり、国産材の広葉樹には、ブナ、桐、欅、楓、桑、朴、樺、桂、栗、楠、ナラ、シナなどがある。輸入木材の種類として、北米材には、米杉、米栂、オーク、メープル、スプルース、米ヒバ、米松など、南洋材には、黒檀、チーク、花梨、ラワン、プライなどが例示される。
ステインには、大別して素地着色に用いられるもの、塗膜着色に用いられるものがある。この発明の仕上がり感再現補助具は、どちらかと言えば、塗膜着色による仕上がりを再現したものに適したものとなる。理由は、素地着色の場合は下地となる木部に浸透する割合が大きく、塗膜として存在する割合が小さく、薄膜として表現することが困難であること、目止め剤的に機能するため均一な着色層とはならないためである。
素地着色に用いられるステインは、更に染料系着色剤と顔料系着色剤に分けられる。これらは着色成分による分類であり、それぞれの着色剤は展色剤の種類により、水性ステイン、油性ステイン、アルコールステインが存在している。
塗膜着色には、ステインシール、トーナー、シェーディングステイン、グレージングステインがある。
これらのステイン(ステイン塗料とも呼ばれる。)は、着色のためだけではなく、木材の耐久性向上、傷からの保護、ひび割れの防止、老化・劣化・変色・腐朽の防止などの機能を有している。
被覆層とは、木材にステインを塗装した際に得られる木材に浸透した部分及び薄膜としての形成物であり、その時、木部表面の外観的な変化を数値にしたときには、その塗装前と塗装後の色相、透明感、光沢の変化量として捉えることができる。被覆層と定義しているものの、ステインを塗装したものから、実際には被覆層の厚みを測定できない場合がある。
この変化量は、透明な素材の上に塗装すること、別の素材により形成されたものによって置換し、被覆層の代替物にすることが可能となる。
この代替物には、固体、液体、気体の何れの素材でも利用可能であるが、持ち運びの容易さ、木部表面への適用の容易さあるいは光沢の調整の不可からすれば、固体が一番適したものとなる。
固体による被覆層代替物の例には、ガラス、合成樹脂あるいはこれらのものを積層させたもの(複数のガラス、合成樹脂であっても良い。)、更にはこれらに塗装を施したものがある。これら積層物、塗装物を含むガラス、合成樹脂にあっては、透明なものから木材の木目を生かせる程度にある半透明なものまで利用される。
半透明とした場合の限度は、その完成形において光透過率が50%となるものを言う。この光透過率は、通常は所定厚みにおいて測定されるが、この発明では製品となった際の透明性が問題となり、製品にした場合の厚みを以って測定される。この光透過率の測定値が50%を超えるものにあっては、木部の木目を生かすこととならず不透明なエナメル塗料を塗ったことと同じになる。
透明さの程度と別に、光沢の程度を示す要素として鏡面光沢度がある。鏡面光沢度の測定の方法として、JIS K5600−4−7:1999に塗料一般試験方法の一つ、塗膜の視覚特性として規定されている。この試験方法では、試料に対して規定の光源から平行光を当て、試料面にて反射される光束の量を量るものであり、試料面の法線に対して入射光及び反射光を20度、60度あるいは85度にして計測することとしている。そして、基準とするものは、屈折率1.567の磨かれた黒色のガラスであり、その対比をもって表される。また、つや消しの塗料にあっては、上記JISの「適用範囲」において、低光沢塗膜の測定には、85度の幾何条件が適している、とも記述されている。
実際にステインの商品である、前記「WOODGO」をシナ材の上に塗装して85度光沢度を測ったところ、3となり、同種商品である日本エンバイロケミカルズ株式会社販売、ドイツのDESOWAG社製造の「キシラデコール」の光沢度は20であった。
よって、対象となる塗料がつや消し塗料であることが多いこの発明では、入射角と反射角ともに85度の条件を採用した光沢度を以って光沢の比較を行なう。
前記ステイン被覆層の代替物として利用されるのは、木部用ステインを塗装した際得られる、透明ないし半透明な被覆層と同程度の色相と透明感、光沢を持つ薄膜状物である。
前記ステイン被覆層とは、前記したように、木材にステインを塗装した際に得られる木材に浸透した部分及び薄膜としての形成物である。また、ステインとは透明ないし半透明な塗料であるため、ステインを塗装した木材の色相は、ステイン被覆層を透して見た木材の色相といえる。従って、ステインを塗装した木材の色相は、ステインの色相だけでなく、被塗層物である木材の色相に影響を受ける。そのため、前記代替物はステインと同程度の色相であるだけではなく、透明度も同程度でなくてはならない。
本発明において、ステイン被覆層と同程度の色相と透明度、光沢を持つ被覆層代替物は、以下の条件を満たすものをいう。
まず、未塗装の木材と該木材と同じ木材にステインを塗装したものとを準備する。次に、前記ステインを塗装した木材、及び前記未塗装の木材に被覆層代替物を被せたものの色、及び光沢を測定する。色の測定は、JIS K5600−4−5:1999に準ずる。また、光沢は前記85度光沢度である。次に、測定した色JIS K5600−4−6:1999に準じて、前記ステインを塗装した木材、及び前記未塗装の木材に被覆層代替物を被せたものの色相差及び色差を求める。また、前記未塗装の木材に被覆層代替物を被せたものの85度光沢度の差を求める。
前記手順で、色相差2以上、且つ色差6以上である2種類以上の未塗装の木材について、ステインを塗装した木材、及び未塗装の木材に被覆層代替物を被せたものの色相差、色差、及び85度光沢度の差を求める。
上記2種類以上の未塗装の木材のいずれにおいても、ステインを塗装した木材と未塗装の木材に被覆層代替物を被せたものとの色相差が2.5以下(好ましくは2以下、より好ましくは、1.8以下)、色差が15以下(好ましくは10.5以下、より好ましくは、7以下)、85度光沢度の差が20以下(好ましくは15以下、より好ましくは、10以下)であれば、被覆層代替物は、ステイン被覆層と同程度の色相と透明度、光沢を持つものであるといえる。色相差、色差、及び85度光沢度の差が上記範囲にあれば、目視によって観察したときに、ステインを塗装した木材と未塗装の木材に被覆層代替物を被せたものとが異差のない仕上がり感となり、観察者に同じイメージを与えることができる。
前記被覆層代替物として一番容易に作製可能となるものは、透明な固体素材に見本となる塗料を直接塗装し乾燥させたものである。この時、塗布量は実際に木部に塗装する場合の塗布量ないしはこれらの塗布量から木部に浸透する量を減じた範囲から選択される。実際に、標準の塗布量にて塗装したものと、この塗布量の仕上がり感を創出できる仕上がり感再現補助具作製のための塗布量では、標準の2〜5割で済むことが実験により判明した。顔料着色のステインでは、2〜3割の塗布量にて補助具への着色が達成できる。
しかしながら、木部に浸透があったとしても、顔料を利用した被覆層形成物にあっては、染料を使用したものに比べると、顔料成分は表面に残り易くなるものの、浸透量として7〜8割あると評価することができる。
逆に、染料による着色の場合は、木部に浸透する割合が大きく、実際の塗布量から3〜5割減じたものであっても、仕上がり感としては等価なものとなる。
見本となる塗料の代わりとなる塗料あるいはインキを以って実際に塗装する塗料の代替被覆層を作製することもできる。この場合は、代替品による被覆層の色相、隠蔽、光沢を実際の塗料と揃えることが必要となる。
透明な固体素材としては、ガラス、合成樹脂が例示され、中でも薄膜にて供給可能な合成樹脂フィルムが適している。合成樹脂の種類として、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、メタアクリレート(MA)、メチルメタアクリレート(MMA)、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエステルが例示される。これらの中でもポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートが汎用性の高さから好適である。非極性の合成樹脂に対しては、印刷・塗装を確実にするためには、コロナ処理、プラズマ処理、火炎処理、化学的処理を施したり、変色の無い下塗りを塗装することも行はれる。具体的には、塗装・印刷が容易であることにおいて、PET製であるOHP用フィルムが望ましい。
同様にして、透明な固形素材に顔料・染料を以って着色することも可能である。この場合も、着色した材料を薄膜状としたとき、その厚みにおける色相、隠蔽、光沢が塗料と合致していることが必要となる。
合成樹脂フィルムの厚みは、10〜2000μmの範囲より選択することが望ましい。この範囲にあるフィルムを利用すれば、折れ曲がり、皺に強く、被覆物の乾燥時も反りの発生は小さい。
厚みが10μm未満にあるフィルムにあっては、被覆物の乾燥時に反ってしまったり、手に持って使用している時に折れ曲がったり、皺が付きやすくなったりする欠点がある。2mmを超える場合は、合成樹脂フィルムの透明感により厚みのある塗装を行なった仕上がり感を生じ、補助具そのものが重くなり、補助具の原材料のコストが上昇するという欠点がある。
請求項1の発明によれば、ステインの対象となる木部の種類が変化しても、あるいは、木部の検討対象が複数存在したとしても、その仕上がりを容易に再現させることが可能となる。従って、カタログでは特定された種類の木材に塗装した場合における塗装後の完成形しか確認できなかったが、実際の利用に即した仕上がりを確かめることが可能となる。
請求項2の発明によれば、合成樹脂フィルムにステインを塗りつけることにより、再現具を容易に作製でき、また、その再現具を薄膜にすることも可能である。
請求項3の発明によれば、予め合成樹脂に着色した後に、該合成樹脂をフィルムにすることによって、再現具を容易に作製でき、また、その再現具を薄膜にすることも可能である。
請求項4の発明によれば、仕上がり感再現補助具を使用して塗装予定となる木部の仕上げを簡単に再現することができる。
実施例1(塗装品の例)
実施例1では、PETフィルム、厚さ0.2mmを透明な固体素材として利用し、その片面に対しステインである菊水化学工業(株)製の木部用塗料、商品名「WOODGO」を所定の希釈後、塗布量が50〜60g/mとなるように塗装した。塗装は厚みを均一にするためスプレーガンを使用した。「WOODGO」では、標準となる色が20色あるため、20色全てについて補助具を作製した。なお、前記商品「WOODGO」では、木部に塗装する場合の標準塗布量は、200〜250g/mである。
この実施例1の20枚からなる補助具を利用してユーザーである塗料を採用するものに対して、塗料色選択の機会を設けた。ユーザーはウッドデッキに木部塗料を塗ろうとするものであり、木の種類は米松であった。塗装候補とするこげ茶色の補助具を、ウッドデッキに利用する木材の端材に被せその仕上がり感を確かめ、その色調(WG−011)を決定した。
このように合成樹脂というプラスチック素材に着色皮膜を形成させた補助具は簡単に製作することができ、その仕上がり感も塗装と同じものが得られる。
この決定により選択した色番号の塗料を組み立て後のウッドデッキに塗装し、決定前に利用した補助具による仕上がり感を比較したが、色、隠蔽、光沢ともに差異を感じさせないものであった。
実施例2(成形物の例)
成形物の作製に当たっては、前準備としてステインを標準的な塗布量にて塗布した際に付加される色と隠蔽、光沢を測定した。例えば、実施例1において作製した補助具を利用してその物性値を測定しても良い。実施例1の例では、色相としてWG−011のこげ茶色を選択しているが、その隠蔽度は13%であり、85度光沢は、4であった。
補助具の設計に当たっては、上記測定値が得られる顔料濃度、フィルムの厚み、つや消し材の配合量を設定した。この例においては、合成樹脂にポリエチレンを利用し、顔料は黄色顔料であるオーカーを使用し、合成樹脂固形分100重量部に対し、顔料を0.1重量部の添加とし、更につや消し材としてのシリカ微粉を20重量部添加混練し、厚み20μmのフィルムを押出成形により製作した。
この実施例2の補助具においても、ステインと同じ色、隠蔽、光沢が得られるものとなり、仕上がり感を再現するツールとして充分なものであった。そして、この成形品では短時間に大量に製作できるものとなる。
比較例1(従来例)
比較例は、背景技術に紹介した塗装見本例である。
塗装見本例においては、下地となる木材の種類はシナ材である。従って、塗装見本では、樹種の違いによる木目の違い、仕上がった色の違い及び塗装による濃淡の発現の違いがある。
実施例3
実施例3においては、薄茶色の保護塗料が塗装され、庭先の囲いに3年間利用経過のあるラチスの塗り替えに対してこの発明の仕上がり感再現補助具を利用した。実施例1において作製した仕上がり感再現補助具のうち塗装候補色となる、赤茶色系の補助具を現場まで持ち込み、ラチスの表面に当てて候補色の選択を行なった。結果としては、WG−003の色調を選択した。
この決定により選択した色番号の塗料を前記ラチスに塗装し、決定前に利用した補助具による仕上がり感を比較したが、色、隠蔽、光沢ともに差異を感じさせないものであった。
以下に、この発明の補助具を利用するとき、下地が変化した場合に得られる下地との色差、得られる光沢の数値を紹介する。数値は任意の3箇所の計測値の平均値である。
測定値1は、従来例となる未塗装のシナ材表面の値
測定値2は、このシナ材にWG−011の前記「WOODGO」を塗装した後の表面の値
測定値3は前記シナ材の表面に前記実施例1において作製した色調WG−011の補助具を被せて測定した値
測定値4は、未塗装の米松材表面の値
測定値5は、前記米松材に前記WG−011の「WOODGO」を塗装した後、測定した値
測定値6は、前記米松材の表面に前記実施例1において作製した色調WG−011の補助具を被せて測定した値
測定値7は、こげ茶色に塗装された米松製のウッドデッキ表面の値
測定値8は、前記ウッドデッキにWG-011の「WOODGO」を塗装した後、測定した値
測定値9は、前記ウッドデッキに前記実施例1において作製した色調WG−011の補助具を被せて測定した数値
測定値2、測定値3、測定値5、測定値6、測定値8そして測定値9における85度光沢の数値を表1に示す。
表1
Figure 2010117505
以下に示す2つの測定値の色差の値を表2に示す。該色差は、塗装前の色と塗装後あるいは補助具を用いた時の色を比較するものである。
色差1:測定値1と測定値2の隔たり
色差2:測定値1と測定値3の隔たり
色差3:測定値4と測定値5の隔たり
色差4:測定値4と測定値6の隔たり
色差5:測定値7と測定値8の隔たり
色差6:測定値7と測定値9の隔たり
表2
Figure 2010117505
以下に示す2つの測定値の色差の値を表3に示す。該色差A〜Cは、塗装したものによる色調と補助具を被せた時の色調の比較である。また、前記色差Dは、未塗装の前記シナ材と前記米松材との色調の比較である。
色差A:測定値2と測定値3の隔たり
色差B:測定値5と測定値6の隔たり
色差C:測定値8と測定値9の隔たり
色差D:測定値1と測定値4の隔たり
表3
Figure 2010117505
以下に示す2つの測定値の色相差の値を表3に示す。該色相差A〜Cは、塗装したものによる色相と補助具を被せた時の色相の比較である。また、前記色相差Dは、未塗装の前記シナ材と前記米松材との色相の比較である。
色相差A:測定値2と測定値3の隔たり
色相差B:測定値5と測定値6の隔たり
色相差C:測定値8と測定値9の隔たり
色相差D:測定値1と測定値4の隔たり
表4
Figure 2010117505
これら光沢の値、色相差及び色差の値を比較したとき、以下の事項が確認される。
木部用塗料を塗装した場合と補助具を被せた場合の艶の発現では、塗装時の方が下地の吸水の影響を受けることが分かる。しかしながら、色調面ではどちらも近似色が得られることが数値上も明らかとなった。
従って、艶の発現における微差は、下記の調整を採用することにより解消される。即ち、木部に直接塗装する場合には、光沢の値が小さ目となるように補助具表面に微細な凹凸があるものとしたり、塗料・成形物につや消し材成分を含ませるようにする手段がある。逆に、旧塗膜が存在する下地においては、補助具を用いた時にも、光沢の値を大きくしたいので、つや消し材の添加量を小さくしたり、樹脂成分の割合を大きくする手段を採りうる。

Claims (4)

  1. 木部用ステインを塗装した際得られる、透明ないし半透明な被覆層と同程度の色相と透明感、光沢を持つ薄膜状物にしたことを特徴とする仕上がり感再現補助具。
  2. 仕上がり感再現補助具が、合成樹脂フィルムに着色皮膜を形成したものであることを特徴とする請求項1に記載の仕上がり感再現補助具。
  3. 仕上がり感再現補助具が、着色された合成樹脂のフィルムであることを特徴とする請求項1に記載の仕上がり感再現補助具。
  4. 塗装予定となる木部下地に対して、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の仕上がり感再現補助具を被せ、木部下地の塗装後の仕上がり感を再現することを特徴とする仕上がり感再現方法。

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