JP2010116101A - 動力伝達装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】固定子導体の容量増大及び固定子導体へ電力供給する電力変換装置の容量増大を招くことなく負荷の駆動力を増大させるとともに、動力伝達装置を小型化する。
【解決手段】第1ロータ28に伝達された動力を利用して第1ステータ巻線30に電力を発生させることが可能なステータと、第2ステータ巻線20に供給された電力を利用して第2ロータ18に動力を発生させることが可能なステータとが、1つのステータ16に共有化されている。ステータ16においては、第2ステータ巻線20が第1ステータ巻線30より径方向外側に配置されている。第1ロータ28はステータ16より径方向内側でステータ16と対向配置されており、第2ロータ18はステータ16より径方向外側でステータ16と対向配置されている。
【選択図】図1
【解決手段】第1ロータ28に伝達された動力を利用して第1ステータ巻線30に電力を発生させることが可能なステータと、第2ステータ巻線20に供給された電力を利用して第2ロータ18に動力を発生させることが可能なステータとが、1つのステータ16に共有化されている。ステータ16においては、第2ステータ巻線20が第1ステータ巻線30より径方向外側に配置されている。第1ロータ28はステータ16より径方向内側でステータ16と対向配置されており、第2ロータ18はステータ16より径方向外側でステータ16と対向配置されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、動力伝達装置に関し、特に、原動機からの動力を負荷へ伝達することで負荷を駆動することが可能であり、さらに、固定子導体への電力供給によっても負荷を駆動することが可能な動力伝達装置に関する。
この種の動力伝達装置としては、図11に示す構成が提案されている(例えば下記特許文献1参照)。図11に示す構成では、エンジン136の動力は、遊星歯車機構により構成される動力分配機構152で2分配される。分配されたエンジン136の動力の一方は変速機144で変速されてから車輪138に伝達されることで車両の駆動に用いられ、分配されたエンジン136の動力の他方は発電機111のロータ128に伝達される。発電機111では、ロータ128に伝達された動力を利用してステータ117の巻線130に交流電力を発生させる回生運転を行う。ステータ117の巻線130に発生した交流電力は、インバータ141,140で電力変換(インバータ141では交流から直流、インバータ140では直流から交流)がそれぞれ行われてから電動機110のステータ116の巻線120に供給される。電動機110では、ステータ116の巻線120に供給された交流電力を利用してロータ118に動力を発生させる力行運転を行う。ロータ118に発生した動力は変速機144で変速されてから車輪138に伝達されることで車両の駆動に用いられる。また、蓄電装置142からインバータ140を介してステータ116の巻線120に供給された電力を利用してロータ118に動力を発生させることによっても、車両の駆動を行うことができる。
図11に示す構成では、発電機111のロータ128は動力分配機構152で分配されるトルクを受けることができればよいため、発電機111のトルク容量は小さくて済む。一方、エンジン136が動力を発生していない状態で電動機110のロータ118の動力により車両の駆動を行うこともあるので、車両の駆動力を増大させるためには、電動機110のトルク容量を増大させることが要求される。ただし、電動機110のトルクを増大させるために、ステータ116の巻線120に流す電流を増加させると、ステータ116の巻線120の容量及びインバータ140のスイッチング素子の容量を増大させる必要があり、コスト高を招くことになる。一方、ステータ116の巻線120に流す電流を増加させずに電動機110のトルクを増大させようとすると、電動機110が大型化して動力伝達装置の大型化を招くことになる。
本発明は、固定子導体への電力供給により負荷を駆動する場合に、固定子導体の容量増大及び固定子導体へ電力供給する電力変換装置の容量増大を招くことなく負荷の駆動力を増大させるとともに、動力伝達装置を小型化することを目的とする。
本発明に係る動力伝達装置は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係る動力伝達装置は、第1回転部に伝達された原動機からの動力を第2回転部及び第3回転部に分配することが可能な動力分配機構と、第2回転部に分配された動力が伝達される第1回転子と、第3回転部に分配された動力が伝達される変速機と、変速機へ動力を伝達可能な第2回転子と、第1固定子導体及び第2固定子導体が配設された固定子であって、第1回転子に伝達された動力を利用して第1固定子導体に電力を発生させることが可能であり、第2固定子導体に供給された電力を利用して第2回転子に動力を発生させることが可能な固定子と、を備え、変速機からの動力が負荷の駆動に用いられる動力伝達装置であって、固定子においては、第2固定子導体が第1固定子導体より径方向外側に配置され、第1回転子は固定子より径方向内側で固定子と対向配置され、第2回転子は固定子より径方向外側で固定子と対向配置されていることを要旨とする。
本発明の一態様では、第1固定子導体に発生した電力を電力変換して第2固定子導体へ供給することが可能な電力変換部をさらに備えることが好適である。
本発明の一態様では、動力分配機構は、第2回転部の回転速度が0であるときの第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比が所定比となる機構であり、第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が前記所定比と変速機の最大変速比との積よりも大きい場合に、変速機の変速比を最大変速比に制御し、第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比を前記総変速比の目標値と変速機の最大変速比との商に制御することが好適である。
本発明の一態様では、動力分配機構は、第2回転部の回転速度が0であるときの第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比が所定比となる機構であり、第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が前記所定比と変速機の最大変速比との積以下である場合に、第2回転部の回転速度を略0に制御することが好適である。
本発明の一態様では、第1回転部と第2回転部と第3回転部のうちの2つを係合させることが可能な係合装置をさらに備えることが好適である。
本発明の一態様では、第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が変速機の最大変速比よりも大きい場合に、変速機の変速比を最大変速比に制御し、第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比を前記総変速比の目標値と変速機の最大変速比との商に制御することが好適である。
本発明の一態様では、第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が変速機の最大変速比以下である場合に、係合装置により第1回転部と第2回転部と第3回転部のうちの2つを係合させることが好適である。
本発明によれば、第2固定子導体の容量増大及び第2固定子導体へ電力供給する電力変換部の容量増大を招くことなく、固定子と第2回転子との間のトルク容量を増大させることができるので、負荷の駆動力を増大させることができる。さらに、固定子と第1回転子と第2回転子とを含んで構成される回転電機の軸方向長さを短縮することができるので、動力伝達装置を小型化することができる。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1,2は、本発明の実施形態に係る動力伝達装置を備えるハイブリッド駆動装置の構成の概略を示す図であり、図1は全体構成の概略を示し、図2は回転電機10の構成の概略を示す。本実施形態に係るハイブリッド駆動装置は、動力(機械的動力)を発生可能な原動機として設けられたエンジン(内燃機関)36と、エンジン36と車輪38との間に設けられ、変速比の変更が可能な変速機(機械式変速機)44と、ステータ16と第1ロータ28と第2ロータ18とを有する回転電機10と、を備える。なお、本実施形態に係るハイブリッド駆動装置については、例えば車両を駆動するための動力出力装置として用いることができる。
エンジン36の出力軸は、ダンパー11を介して動力分配機構52に機械的に連結されている。動力分配機構52は、エンジン36の出力軸(ダンパー11)の他に、回転電機10の第1ロータ28と、変速機44の入力軸44a及び回転電機10の第2ロータ18とも機械的に連結されている。ここでの動力分配機構52は、例えばリングギアRとキャリアCとサンギアSとを回転要素として有する遊星歯車機構(シングルピニオン遊星歯車)により構成することができ、キャリアCがエンジン36の出力軸(ダンパー11)に機械的に連結され、サンギアSが回転電機10の第1ロータ28に機械的に連結され、リングギアRが変速機44の入力軸44a及び回転電機10の第2ロータ18に機械的に連結されている。変速機44の出力軸44bは、駆動輪である車輪38と機械的に連結されている。変速機44は、変速比をステップ的に(段階的に)変更することが可能な有段変速機により構成することもできるし、変速比を連続的に(無段階に)変更することが可能な無段変速機により構成することもできる。
動力分配機構(遊星歯車機構)52において、サンギアS、キャリアC、及びリングギアRの3つの回転要素の回転速度は、図3の共線図に示す共線関係にある。ただし、図3の共線図において、ρはサンギアSとリングギアRの歯数比(0<ρ<1を満たす定数)である。図3の共線図では、エンジン36に連結されたキャリアCが、第1ロータ28に連結されたサンギアSと、変速機44の入力軸44aに連結されたリングギアRとの間に配置されている。そのため、エンジン36からキャリアCに伝達されたトルクは、サンギアS及びリングギアRにそれらのトルク比が所定比ρになる状態で分配されてから、第1ロータ28及び変速機44の入力軸44aにそれぞれ伝達される。そして、動力分配機構(遊星歯車機構)52は2自由度の回転自由度を有する機構であり、サンギアS、キャリアC、及びリングギアRの3つの回転要素のうち2つの回転要素の回転速度が決まると、残りの1つの回転要素の回転速度も決まる。なお、図3の共線図において、サンギアS、キャリアC、及びリングギアRの回転速度については、エンジン36が動力を発生しているときのキャリアCの回転方向(共線図の上側)を正としている。
回転電機10のステータ16は、第1ロータ28及び第2ロータ18とそれぞれ所定の空隙を空けて対向配置されている。第1ロータ28及び第2ロータ18は、いずれもステータ16に対して相対回転可能であり、さらに、互いに相対回転可能である。ステータ16には、複数相(例えば3相)の第1ステータ巻線(第1固定子導体)30が第1ロータ28と対向して配設され、複数相(例えば3相)の第2ステータ巻線20(第2固定子導体)が第2ロータ18と対向して配設されている。複数相の第1ステータ巻線30に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、第1ステータ巻線30はステータ周方向に回転する回転磁界を発生することができ、第1ステータ巻線30で発生した回転磁界が第1ロータ28に作用するのに応じてステータ16と第1ロータ28との間にトルクが作用する。そのため、第1ステータ巻線30に供給された交流電力を利用して第1ロータ28に動力(機械的動力)を発生させることが可能であり、さらに、第1ロータ28の機械的動力を利用して第1ステータ巻線30に交流電力を発生させることも可能である。同様に、複数相の第2ステータ巻線20に複数相(例えば3相)の交流電流が流れることで、第2ステータ巻線20はステータ周方向に回転する回転磁界を発生することができ、第2ステータ巻線20で発生した回転磁界が第2ロータ18に作用するのに応じてステータ16と第2ロータ18との間にトルクが作用する。そのため、第2ステータ巻線20に供給された交流電力を利用して第2ロータ18に動力(機械的動力)を発生させることが可能であり、さらに、第2ロータ18の機械的動力を利用して第2ステータ巻線20に交流電力を発生させることも可能である。
図1,2では、第1ロータ28及び第2ロータ18の具体的構成の図示を省略しているが、ステータ16と第1ロータ28との間にトルクを作用させるための第1ロータ28の構成、及びステータ16と第2ロータ18との間にトルクを作用させるための第2ロータ18の構成については、周知の構成で実現可能である。例えば、第1ロータ28に永久磁石をステータ16と対向させて配設してステータ16及び第1ロータ28を同期機として機能させることも可能であるし、第1ロータ28にロータ巻線等の回転子導体をステータ16と対向させて配設してステータ16及び第1ロータ28を誘導機として機能させることも可能である。同様に、第2ロータ18に永久磁石を配設してステータ16及び第2ロータ18を同期機として機能させることも可能であるし、第2ロータ18にロータ巻線等の回転子導体を配設してステータ16及び第2ロータ18を誘導機として機能させることも可能である。
直流電源として設けられた充放電可能な蓄電装置42は、例えば二次電池により構成することができ、電気エネルギーを蓄える。インバータ41は、第1ステータ巻線30の各相毎にスイッチング素子(図示せず)を備えており、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置42からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、第1ステータ巻線30の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ41は、第1ステータ巻線30の交流電力を直流に変換して蓄電装置42に回収する方向の変換も可能である。同様に、インバータ40も、第2ステータ巻線20の各相毎にスイッチング素子(図示せず)を備えており、スイッチング素子のスイッチング動作により蓄電装置42からの直流電力を交流(例えば3相交流)に変換して、第2ステータ巻線20の各相に供給することが可能である。さらに、インバータ40も、第2ステータ巻線20の交流電力を直流に変換して蓄電装置42に回収する方向の変換も可能である。さらに、インバータ41,40により、第1ステータ巻線30と第2ステータ巻線20との間で電力変換を行うことも可能である。
電子制御ユニット50は、インバータ40のスイッチング動作を制御して、第2ステータ巻線20の各相に流れる交流電流を制御することで、ステータ16と第2ロータ18との間に作用するトルクを制御する。そして、電子制御ユニット50は、インバータ41のスイッチング動作を制御して、第1ステータ巻線30の各相に流れる交流電流を制御することで、ステータ16と第1ロータ28との間に作用するトルクを制御する。さらに、電子制御ユニット50は、エンジン36の運転状態の制御、及び変速機44の変速比の制御も行う。
エンジン36が発生した動力は、ダンパー11を介して動力分配機構52のキャリアCに伝達される。動力分配機構52は、キャリアCに伝達されたエンジン36からの動力をサンギアS及びリングギアRに分配する。エンジン36からリングギアRに分配された動力は、変速機44へ伝達され変速されてから車輪38に伝達されることで、車両の駆動等、負荷の駆動に用いられる。一方、エンジン36からサンギアSに分配された動力は、回転電機10の第1ロータ28に伝達される。ステータ16では、第1ロータ28に伝達された動力を利用して第1ステータ巻線30に交流電力を発生させる(発電を行う)ように、第1ロータ28に回生トルクを作用させる。第1ステータ巻線30に発生した交流電力は、インバータ41,40で電力変換(インバータ41では交流から直流、インバータ40では直流から交流)がそれぞれ行われてから第2ステータ巻線20に供給される。ステータ16では、第2ステータ巻線20に供給された交流電力を利用して第2ロータ18に動力(機械的動力)を発生させるように、第2ロータ18に力行トルクを作用させる。第2ロータ18に発生した動力は、変速機44へ伝達され変速されてから車輪38に伝達されることで、車両の駆動等、負荷の駆動に用いられる。エンジン36の動力を車輪38へ伝達する場合には、電子制御ユニット50は、インバータ41のスイッチング動作を制御して第1ロータ28の回転速度を制御することで、動力分配機構52のキャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比を制御することができる。これによって、動力分配機構52のキャリアCの回転速度と変速機44の出力軸44bの回転速度との比で表される動力伝達装置全体の総変速比を制御することができる。その際には、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比を連続的に制御することができるので、無段変速機能を実現することが可能となる。また、電子制御ユニット50は、変速機44の変速比を制御することによっても、動力伝達装置全体の総変速比を制御することができる。
また、第1ステータ巻線30に発生した交流電力をインバータ41で直流に変換してから蓄電装置42に回収することも可能である。そして、蓄電装置42からの直流電力をインバータ40で交流に変換してから第2ステータ巻線20に供給することも可能である。そのため、エンジン36が動力を発生していなくても、蓄電装置42からインバータ40を介して第2ステータ巻線20に供給された電力を利用して第2ロータ18に動力を発生させることで、車両の駆動等、負荷の駆動を行うことができる。また、第2ロータ18に回生トルクを作用させることで、第2ロータ18(車輪38)の動力を第2ステータ巻線20の発電電力に変換し、インバータ40で直流に変換してから蓄電装置42に回収することも可能である。また、蓄電装置42からインバータ41を介して第1ステータ巻線30に供給された電力を利用して第1ロータ28に動力を発生させることで、エンジン36の始動を行うことも可能である。
本実施形態では、第1ロータ28に伝達された動力を利用して第1ステータ巻線30に電力を発生させることが可能なステータと、第2ステータ巻線20に供給された電力を利用して第2ロータ18に動力を発生させることが可能なステータとが、1つのステータ16に共有化されている。そして、第1ロータ28、ステータ16、及び第2ロータ18が同心円状に配置されており、ロータ回転軸に直交する径方向においてステータ16が第1ロータ28及び第2ロータ18と対向配置されている。ステータ16においては、第1ステータ巻線30が内周側に配設され、第2ステータ巻線20が外周側に配設されており、第2ステータ巻線20が第1ステータ巻線30より径方向外側に(外周側に)配置されている。第1ロータ28はステータ16より径方向内側で(ステータ16の内周側で)ステータ16(第1ステータ巻線30)と対向配置されており、第2ロータ18はステータ16より径方向外側で(ステータ16の外周側で)ステータ16(第2ステータ巻線20)と対向配置されている。図1に示す例では、回転電機10(同心円状に配置された第1ロータ28、ステータ16、及び第2ロータ18)がエンジン36と変速機44との間の位置に配置され、動力分配機構52が回転電機10と変速機44との間の位置に配置され、ダンパー11がエンジン36と回転電機10との間の位置に配置されている。
第1ロータ28の力行トルクはエンジン36の始動に用いられ、第1ロータ28の回生トルクは第1ステータ巻線30の発電に用いられる。第1ロータ28では、エンジン36(キャリアC)からサンギアSに分配されるトルクを受けることができればよいため、第1ロータ28に発生可能な最大トルクは小さくて済む。一方、第2ロータ18の力行トルクは車輪38に伝達されることで車両の駆動(負荷の駆動)に用いられ、第2ロータ18の回生トルクは第2ステータ巻線20の発電に用いられる。エンジン36が動力を発生していない状態で第2ロータ18の動力により車両の駆動(負荷の駆動)を行うこともあるので、車両(負荷)の駆動力を増大させるためには、第2ロータ18に発生可能な最大力行トルクを大きくすることが要求される。そのため、ステータ16と第2ロータ18との間のトルク容量は、ステータ16と第1ロータ28との間のトルク容量よりも大きいことが要求される。ただし、ステータ16と第2ロータ18との間のトルクを増大させるために、第2ステータ巻線20に流す電流を増加させると、第2ステータ巻線20の容量及びインバータ40のスイッチング素子の容量を増大させる必要がある。また、ステータ16と第2ロータ18との間で発生可能な最大トルクを増大させるために、ステータ16及び第2ロータ18の軸方向長さを増加させると、動力伝達装置全体の軸方向長さが増加して大型化する。
これに対して本実施形態では、第2ロータ18をステータ16より径方向外側に配置し、第1ロータ28をステータ16より径方向内側に配置することで、ステータ16と第2ロータ18との間のトルク容量をステータ16と第1ロータ28との間のトルク容量よりも大きくすることができる。そのため、第2ステータ巻線20の容量増大及びインバータ40のスイッチング素子の容量増大を招くことなく、第2ロータ18に発生可能な最大トルクを増大させることができ、車両(負荷)の駆動力を増大させることができる。さらに、回転電機10の軸方向長さを短縮することができ、動力伝達装置の小型化を図ることができる。なお、第1ロータ28に発生可能な最大トルクは小さくて済むため、ステータ16と第1ロータ28との間のトルク容量が小さくなっても、第1ステータ巻線30の容量増大及びインバータ41のスイッチング素子の容量増大を招くことはない。
さらに、本実施形態では、エンジン36の動力や第2ロータ18に発生した動力を変速機44で減速してから車輪38へ伝達することで、車両(負荷)の駆動力をさらに増大させることができる。そのため、変速機44で減速する分、ステータ16と第1ロータ28との間のトルク容量低減、及びステータ16と第2ロータ18との間のトルク容量低減を図ることができる。その結果、第1ステータ巻線30の容量低減、第2ステータ巻線20の容量低減、及びインバータ40,41のスイッチング素子の容量低減を図ることができる。
本実施形態では、例えば図4に示すように、整流器93と昇圧コンバータ(DC−DCコンバータ)94とを設けることもできる。図4に示す構成例では、インバータ41は、蓄電装置42側(あるいはインバータ40側)から第1ステータ巻線30側への(直流から交流への)一方向のみの電力変換を行う。整流器93は、ダイオード等の整流素子により第1ステータ巻線30からの交流電力を整流して直流に変換する。昇圧コンバータ(DC−DCコンバータ)94は、スイッチング素子を備えており、スイッチング素子のスイッチング動作により整流器93で整流された直流電力を昇圧(電圧変換)して出力する。昇圧コンバータ94で昇圧(電圧変換)された直流電力は、インバータ40で交流に変換されてから第2ステータ巻線20の各相へ供給可能である。つまり、インバータ40は、昇圧コンバータ94で昇圧された直流電力と蓄電装置42からの直流電力とのいずれか(少なくとも一方)を交流に変換して第2ステータ巻線20の各相へ供給することが可能である。また、昇圧コンバータ94で昇圧された直流電力を蓄電装置42に回収することも可能である。ここでの整流器93は、第1ステータ巻線30側から昇圧コンバータ94側への一方向のみの電力変換を行い、昇圧コンバータ94は、整流器93側から蓄電装置42側(あるいはインバータ40側)への一方向のみの電力変換を行う。第1ロータ28に伝達された動力を利用して第1ステータ巻線30に交流電力を発生させるときは、昇圧コンバータ94のスイッチング動作により第1ステータ巻線30側から蓄電装置42側(あるいはインバータ40側)への電力変換を行う。電子制御ユニット50は、昇圧コンバータ94のスイッチング素子をスイッチング動作するときのデューティ比を制御して、昇圧コンバータ94での昇圧比(DC−DCコンバータでの電圧変換比)を制御することで、第1ステータ巻線30の各相に流れる交流電流を制御することができ、ステータ16と第1ロータ28との間に作用するトルクを制御することができる。一方、第1ステータ巻線30に供給された電力を利用して第1ロータ28に動力を発生させるときは、インバータ41のスイッチング動作により蓄電装置42側から第1ステータ巻線30側への電力変換を行う。なお、DC−DCコンバータ94として、昇圧コンバータの代わりに、降圧コンバータや昇降圧コンバータを設けることも可能である。
次に、電子制御ユニット50が動力伝達装置全体の総変速比(キャリアCの回転速度と変速機44の出力軸44bの回転速度との比)を制御する処理の好適な例について、図5に示すフローチャートを用いて説明する。まずステップS101では、動力伝達装置全体の要求総変速比(総変速比の目標値)γreqが設定される。ここでは、要求総変速比γreqが連続的な値に設定される。次にステップS102では、ステップS101で設定された要求総変速比γreqが1/(1+ρ)×γmin以上且つ1/(1+ρ)×γmax以下であるか否かが判定される。ここで、1/(1+ρ)は、第1ロータ28(サンギアS)の回転速度が0であるときにおける動力分配機構52のキャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比である。また、γminは変速機44の最小変速比、γmaxは変速機44の最大変速比であり、変速機44は、最小変速比γmin以上且つ最大変速比γmax以下の範囲で変速比を段階的に変化させることが可能な有段変速機であるものとする。1/(1+ρ)×γmin≦γreq≦1/(1+ρ)×γmaxが成立する場合(ステップS102の判定結果がYESの場合)は、ステップS103において、変速機44の変速比γが、γ≦(1+ρ)×γreqを満たす最も大きな変速比に制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubがγreq/γに一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28(サンギアS)の回転速度が制御される。これによって、動力伝達装置全体の総変速比が要求総変速比γreqに一致する(あるいはほぼ一致する)ように、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsub、及び変速機44の変速比γがそれぞれ制御される。その際には、サンギアS(第1ロータ28)の回転方向がキャリアC(エンジン36)及びリングギアR(変速機44の入力軸44a)の回転方向と同方向になる、またはサンギアSの回転速度が0になるように、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubが所定比1/(1+ρ)以上に制御される。
一方、γreq>1/(1+ρ)×γmaxまたはγreq<1/(1+ρ)×γminが成立する場合(ステップS102の判定結果がNOの場合)は、ステップS104において、要求総変速比γreqが1/(1+ρ)×γmaxより大きいか否かが判定される。γreq>1/(1+ρ)×γmaxが成立する場合(ステップS104の判定結果がYESの場合)は、ステップS105において、変速機44の変速比γが最大変速比γmaxに制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubがγreq/γmaxに一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28の回転速度が制御される。これによって、動力伝達装置全体の総変速比が要求総変速比γreqに一致する(あるいはほぼ一致する)ように、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsub、及び変速機44の変速比γがそれぞれ制御される。その際には、サンギアSの回転方向がキャリアC及びリングギアRの回転方向と同方向になるように、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubが所定比1/(1+ρ)より大きい値に制御される。一方、γreq<1/(1+ρ)×γminが成立する場合(ステップS104の判定結果がNOの場合)は、ステップS106において、変速機44の変速比γが最小変速比γminに制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubが1/(1+ρ)に一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28の回転速度が0(あるいはほぼ0)に制御される。
動力分配機構52のキャリアCに伝達されたエンジン36からの動力がサンギアS及びリングギアRに分配される場合に、車速(車輪38の回転速度)が増大して、サンギアSの回転方向がキャリアC及びリングギアRの回転方向と反対方向になると、第1ロータ28のトルクが回生トルクから力行トルクに変化することになる。その場合は、第2ロータ18の動力を利用して第2ステータ巻線20に電力を発生させ、第2ステータ巻線20から第1ステータ巻線30に供給された電力を利用して第1ロータ28に動力を発生させる、いわゆる動力循環が発生することになる。その結果、エンジン36(キャリアC)から車輪38(変速機44の出力軸44b)への動力伝達効率が低下する。これに対して図5に示すフローチャートの処理によれば、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubを所定比1/(1+ρ)以上の値に制御することで、サンギアSの回転が停止する、またはサンギアSの回転方向がキャリアC及びリングギアRの回転方向と同方向になる状態を維持することができ、第1ロータ28のトルクが力行トルクになるのを防ぐことができる。そのため、動力循環の発生を防ぐことができ、動力伝達効率の低下を抑えることができる。さらに、図4に示す構成例において、エンジン36(キャリアC)からサンギアSに分配されるトルクを第1ロータ28のトルクにより受けるためには、昇圧コンバータ94のスイッチング動作により第1ステータ巻線30側から蓄電装置42側(あるいはインバータ40側)への電力変換を行うだけでよく、インバータ41のスイッチング動作により蓄電装置42側から第1ステータ巻線30側への電力変換を行う必要がなくなる。そのため、インバータ41のスイッチング動作により蓄電装置42側から第1ステータ巻線30側への電力変換を行う必要があるのは、エンジン36の始動を行うときだけとなる。エンジン36のクランキングトルクは、エンジン36(キャリアC)からサンギアSに分配されるトルクよりも小さくて済むため、第1ステータ巻線30の各相毎に設けられた、インバータ41のスイッチング素子の容量は、整流器93の整流素子(ダイオード)の容量、昇圧コンバータ94のスイッチング素子の容量、及びインバータ40のスイッチング素子の容量よりも小さくて済む。したがって、インバータ41のスイッチング素子の容量低減によるコスト削減を図ることができる。
また、本実施形態では、電子制御ユニット50は、図6に示すフローチャートの処理に従って、動力伝達装置全体の総変速比を制御することもできる。まずステップS201では、動力伝達装置全体の要求総変速比γreqが設定される。変速機44が最小変速比γmin以上且つ最大変速比γmax以下の範囲で変速比を連続的に変化させることが可能な無段変速機である場合は、要求総変速比γreqが連続的な値に設定される。一方、変速機44が最小変速比γmin以上且つ最大変速比γmax以下の範囲で変速比を段階的に変化させることが可能な有段変速機である場合は、要求総変速比γreqは、変速機(有段変速機)44で選択可能な変速比γnと前述の所定比1/(1+ρ)とに基づく離散的な値に設定され、例えば1/(1+ρ)×γnに設定される。
次にステップS202では、ステップS201で設定された要求総変速比γreqが1/(1+ρ)×γmin以上且つ1/(1+ρ)×γmax以下であるか否かが判定される。1/(1+ρ)×γmin≦γreq≦1/(1+ρ)×γmaxが成立する場合(ステップS202の判定結果がYESの場合)は、ステップS203において、変速機44の変速比γが(1+ρ)×γreqに制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubが所定比1/(1+ρ)に一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28の回転速度が0(あるいはほぼ0)に制御される。
一方、γreq>1/(1+ρ)×γmaxまたはγreq<1/(1+ρ)×γminが成立する場合(ステップS202の判定結果がNOの場合)は、ステップS204において、要求総変速比γreqが1/(1+ρ)×γmaxより大きいか否かが判定される。γreq>1/(1+ρ)×γmaxが成立する場合(ステップS204の判定結果がYESの場合)は、ステップS205において、変速機44の変速比γが最大変速比γmaxに制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubがγreq/γmaxに一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28の回転速度が制御される。その際には、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubが所定比1/(1+ρ)より大きい値に制御され、サンギアSの回転方向がキャリアC及びリングギアRの回転方向と同方向になる。一方、γreq<1/(1+ρ)×γminが成立する場合(ステップS204の判定結果がNOの場合)は、ステップS206において、変速機44の変速比γが最小変速比γminに制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubが1/(1+ρ)に一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28の回転速度が0(あるいはほぼ0)に制御される。
本実施形態では、エンジン36(キャリアC)と車輪38(変速機44の出力軸44b)との間の動力伝達経路として、エンジン36の機械的動力をキャリアCからリングギアRに分配して変速機44を介して車輪38へ伝達する伝達経路(機械パスによる伝達経路とする)と、キャリアCから第1ロータ28(サンギアS)に分配された機械的動力を利用して発生した第1ステータ巻線30の発電電力をインバータ41(あるいは整流器93及び昇圧コンバータ94)とインバータ40を介して第2ステータ巻線20に供給して第2ロータ18の機械的動力に変換する伝達経路(電気パスによる伝達経路とする)と、が設けられる。電気パスによる伝達経路においては、インバータ41(あるいは整流器93及び昇圧コンバータ94)とインバータ40にてパワーの損失が生じるため、機械パスによる伝達経路よりもパワーの伝達効率が低下する。そのため、電気パスによる伝達経路を介して伝達されるパワーが増大すると、エンジン36(キャリアC)から車輪38(変速機44の出力軸44b)への動力伝達効率が低下しやすくなる。これに対して図6に示すフローチャートの処理によれば、動力伝達装置全体の要求総変速比γreqが1/(1+ρ)×γmax以下である場合に、第1ロータ28(サンギアS)の回転速度を0(あるいはほぼ0)に制御することで、電気パスによる伝達経路を介して伝達されるパワーを0(あるいはほぼ0)にすることができる。したがって、動力伝達装置全体の変速比が小さい領域での動力伝達効率を向上させることができる。そして、要求総変速比γreqが1/(1+ρ)×γmaxよりも大きい場合に、変速機44の変速比γを最大変速比γmaxに制御するとともに、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubをγreq/γmaxに一致させるように第1ロータ28の回転速度を制御することで、動力伝達装置全体の変速比が大きい領域において、電気パスによる伝達経路を介して伝達されるパワーを低減しつつ、動力伝達装置全体の総変速比を要求総変速比γreq通りに制御することができる。
また、本実施形態では、例えば図7〜9に示すように、動力分配機構(遊星歯車機構)52のキャリアCとサンギアSとリングギアRのうちの2つを係合させることが可能な係合装置としてのクラッチ48を設けることもできる。図7,8に示す例では、クラッチ48は、その係合/解放により、キャリアCとリングギアRとの機械的係合及びその解除を選択的に行うことが可能である。クラッチ48を係合させて、キャリアCとリングギアRとを機械的に係合させることで、動力分配機構52のキャリアCとサンギアSとリングギアRとが一体となって等しい回転速度で回転し、第1ロータ28と第2ロータ18とが一体となって等しい回転速度で回転する。この場合は、エンジン36の動力が変速機44で変速されてから車輪38へ伝達される。一方、クラッチ48を解放して、キャリアCとリングギアRとの機械的係合を解除することで、キャリアCとサンギアSとリングギアRとの回転速度差が許容され、第1ロータ28と第2ロータ18との回転速度差が許容される。また、図9に示す例では、クラッチ48は、その係合/解放により、キャリアCとサンギアSとの機械的係合及びその解除を選択的に行うことが可能である。クラッチ48を係合させて、キャリアCとサンギアSとを機械的に係合させることで、動力分配機構52のキャリアCとサンギアSとリングギアRとが一体となって等しい回転速度で回転する。一方、クラッチ48を解放して、キャリアCとサンギアSとの機械的係合を解除することで、キャリアCとサンギアSとリングギアRとの回転速度差が許容される。ここでのクラッチ48は、例えば油圧や電磁力を利用してその係合/解放を切り替えることが可能であり、さらに、クラッチ48に供給する油圧力や電磁力を調整することで、クラッチ48の締結力を調整することもできる。油圧を利用してクラッチ48の係合/解放を切り替える場合は、エンジン36の出力軸(ダンパー11)とキャリアCとを機械的に連結する回転軸34の内部に油路を形成し、この油路を介してクラッチ48に油圧を供給することが可能である。なお、図7に示す構成例において、インバータ41が第1ステータ巻線30側から蓄電装置42側(あるいはインバータ40側)への電力変換も行う場合は、整流器93及び昇圧コンバータ(DC−DCコンバータ)94を省略することも可能である。
図7〜9に示す構成例では、電子制御ユニット50は、図10に示すフローチャートの処理に従って、動力伝達装置全体の総変速比を制御することもできる。まずステップS301では、図6に示すフローチャートのステップS201と同様に、動力伝達装置全体の要求総変速比γreqが設定される。次にステップS302では、ステップS301で設定された要求総変速比γreqがγmin以上且つγmax以下であるか否かが判定される。γmin≦γreq≦γmaxが成立する場合(ステップS302の判定結果がYESの場合)は、ステップS303において、変速機44の変速比γがγreqに制御される。それとともに、クラッチ48を係合してキャリアCとサンギアSとリングギアRのうちの2つを係合させることで、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubが1に制御される。
一方、γreq>γmaxまたはγreq<γminが成立する場合(ステップS302の判定結果がNOの場合)は、ステップS304において、要求総変速比γreqがγmaxより大きいか否かが判定される。γreq>γmaxが成立する場合(ステップS304の判定結果がYESの場合)は、ステップS305において、変速機44の変速比γが最大変速比γmaxに制御される。それとともに、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubがγreq/γmaxに一致する(あるいはほぼ一致する)ように、第1ロータ28の回転速度が制御される。その際には、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubが1より大きい値に制御され、サンギアSの回転方向がキャリアC及びリングギアRの回転方向と同方向になる。一方、γreq<γminが成立する場合(ステップS304の判定結果がNOの場合)は、ステップS306において、変速機44の変速比γが最小変速比γminに制御される。それとともに、クラッチ48を係合してキャリアCとサンギアSとリングギアRのうちの2つを係合させることで、キャリアCの回転速度とリングギアRの回転速度との比γsubが1に制御される。
図10に示すフローチャートの処理によれば、動力伝達装置全体の要求総変速比γreqがγmax以下である場合に、クラッチ48を係合してキャリアCとサンギアSとリングギアRのうちの2つを係合させることで、電気パスによる伝達経路を介して伝達されるパワーを0にすることができる。したがって、動力伝達装置全体の変速比が小さい領域での動力伝達効率を向上させることができる。そして、要求総変速比γreqがγmaxよりも大きい場合に、変速機44の変速比γを最大変速比γmaxに制御するとともに、キャリアCとリングギアRの回転速度比γsubをγreq/γmaxに一致させるように第1ロータ28の回転速度を制御することで、動力伝達装置全体の変速比が大きい領域において、電気パスによる伝達経路を介して伝達されるパワーを低減しつつ、動力伝達装置全体の総変速比を要求総変速比γreq通りに制御することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
10 回転電機、11 ダンパー、16 ステータ、18 第2ロータ、20 第2ステータ巻線、28 第1ロータ、30 第1ステータ巻線、36 エンジン、38 車輪、40,41 インバータ、42 蓄電装置、44 変速機、48 クラッチ、50 電子制御ユニット、52 動力分配機構、93 整流器、94 昇圧コンバータ(DC−DCコンバータ)、C キャリア、R リングギア、S サンギア。
Claims (7)
- 第1回転部に伝達された原動機からの動力を第2回転部及び第3回転部に分配することが可能な動力分配機構と、
第2回転部に分配された動力が伝達される第1回転子と、
第3回転部に分配された動力が伝達される変速機と、
変速機へ動力を伝達可能な第2回転子と、
第1固定子導体及び第2固定子導体が配設された固定子であって、第1回転子に伝達された動力を利用して第1固定子導体に電力を発生させることが可能であり、第2固定子導体に供給された電力を利用して第2回転子に動力を発生させることが可能な固定子と、
を備え、
変速機からの動力が負荷の駆動に用いられる動力伝達装置であって、
固定子においては、第2固定子導体が第1固定子導体より径方向外側に配置され、
第1回転子は固定子より径方向内側で固定子と対向配置され、第2回転子は固定子より径方向外側で固定子と対向配置されている、動力伝達装置。 - 請求項1に記載の動力伝達装置であって、
第1固定子導体に発生した電力を電力変換して第2固定子導体へ供給することが可能な電力変換部をさらに備える、動力伝達装置。 - 請求項2に記載の動力伝達装置であって、
動力分配機構は、第2回転部の回転速度が0であるときの第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比が所定比となる機構であり、
第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が前記所定比と変速機の最大変速比との積よりも大きい場合に、変速機の変速比を最大変速比に制御し、第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比を前記総変速比の目標値と変速機の最大変速比との商に制御する、動力伝達装置。 - 請求項2または3に記載の動力伝達装置であって、
動力分配機構は、第2回転部の回転速度が0であるときの第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比が所定比となる機構であり、
第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が前記所定比と変速機の最大変速比との積以下である場合に、第2回転部の回転速度を略0に制御する、動力伝達装置。 - 請求項2に記載の動力伝達装置であって、
第1回転部と第2回転部と第3回転部のうちの2つを係合させることが可能な係合装置をさらに備える、動力伝達装置。 - 請求項5に記載の動力伝達装置であって、
第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が変速機の最大変速比よりも大きい場合に、変速機の変速比を最大変速比に制御し、第1回転部の回転速度と第3回転部の回転速度との比を前記総変速比の目標値と変速機の最大変速比との商に制御する、動力伝達装置。 - 請求項5または6に記載の動力伝達装置であって、
第1回転部の回転速度と変速機の出力軸の回転速度との比である総変速比の目標値が変速機の最大変速比以下である場合に、係合装置により第1回転部と第2回転部と第3回転部のうちの2つを係合させる、動力伝達装置。
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- 2008-11-14 JP JP2008292074A patent/JP2010116101A/ja active Pending
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