JP2010115592A - 同符号イオン選択性単層両性荷電膜及びその製造方法 - Google Patents

同符号イオン選択性単層両性荷電膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】同符号イオン選択性に特に優れるだけでなく、耐圧性、耐久性、塩透過性にも優れる両性荷電膜を、容易かつ安価に製造することができる方法、及びこれらの特性を具備した両性荷電膜を提供すること。
【解決手段】(1)膜形成ポリマー、膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒及びイオン交換樹脂を混合し、ポリマー溶液にイオン交換樹脂を分散させて均一なポリマー分散液を調製する工程及び(2)ポリマー分散液から膜を形成させた後、膜から溶媒を除去し、洗浄する工程を行い、イオン交換樹脂が陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせか又は両性イオン交換樹脂であり、工程(1)において膜形成ポリマーの濃度(膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒の量に対する膜形成ポリマーの量の割合)を8〜28重量%に調整する、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法、並びに該製造方法による同符号イオン選択性単層両性荷電膜。
【選択図】図1

Description

本発明は、同符号イオン選択性単層両性荷電膜及びその製造方法に関する。さらに詳しくは、同符号のイオンに対する選択的透過性(以下、同符号イオン選択性という)に特に優れるだけでなく、耐圧性、耐久性、塩透過性にも優れる両性荷電膜を、容易かつ安価に製造することができる方法、及び該方法にて製造される、例えば圧透析用膜、拡散透析用膜、電気透析用膜等に好適に使用し得る同符号イオン選択性単層両性荷電膜に関する。
その構成高分子化合物に荷電基が導入されている荷電膜の中でも、膜内に正荷電基と負荷電基とが共存する両性荷電膜は、例えば圧透析や海水の淡水化、脱塩等の膜として利用されるほか、食品や医薬品の分野での応用も期待され、従来より開発が進められてきている。
前記両性荷電膜の中でも、例えば、正荷電基及び負荷電基がイオン交換基として存在しており、膜の表裏を貫通し、かつ互いに隣接して存在しているイオンチャンネルを有するモザイク荷電膜等が、塩透過性やイオンに対する選択的透過性に優れることから、種々提案されている。
例えばその代表例の1つとして、2種のイオン交換体が層状に存在したモザイク荷電膜及びその製造方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。かかるモザイク荷電膜は、陽イオン交換領域と陰イオン交換領域とが膜の厚さ方向に対して交互に層状に配列し、貫通している膜であり、陽イオン交換基を導入可能な高分子と陰イオン交換基を導入可能な高分子とイオン交換基を導入させない高分子とが連結した原多元ブロック共重合体、例えばスチレン、ブタジエン、4−ビニルベンジルジメチルアミンのブロックからなるブロック共重合体を合成し、スチレン部位をスルホン化、4−ビニルベンジルジメチルアミン部位を4級化、ブタジエン部位を架橋することによって製造することができる。
前記のごとき方法にて得られるモザイク荷電膜は、確かに、その両面間に生じさせた塩の濃度差を駆動力として利用することができ、該モザイク荷電膜を用いて、有機化合物を含有した水溶液を効率よく脱塩することが可能である。しかしながら、前記製造方法では、ブロック共重合体の特定部位を変性させる等、非常に煩雑な操作かつ高度な技術が必要であり、しかも高コストであることから、目的とするモザイク荷電膜を簡易にかつ安価で得ることは困難であるといった問題がある。
また前記のほかにも、2種のイオン交換体が無秩序に存在したモザイク荷電膜及びその製造方法も提案されている(例えば、特許文献2参照)。かかるモザイク荷電膜は、カチオン性重合成分、アニオン性重合成分及びマトリックス成分からなり、カチオン性重合成分及びアニオン性重合成分の少なくとも1成分が架橋した粒状重合体の膜であり、このように少なくともいずれか一方が架橋粒状重合体(平均粒子径が小さい架橋重合体微粒子:マイクロゲル)であるカチオン性重合成分及びアニオン性重合成分を、マトリックス成分の有機溶剤溶液に分散させた組成物を用いて製造することができる。
前記のごとき方法にて得られるモザイク荷電膜も、イオンに対する良好な選択的透過性を有し、該モザイク荷電膜を用いて電解質の移動、分離、濃縮、吸着等を効率よく行うことが可能である。しかしながら、前記製造方法では、平均粒子径が小さい架橋重合体微粒子を調製しなければならず、高度な技術及び長時間を要するといった問題がある。しかも得られるモザイク荷電膜は、含水性の高いマイクロゲルで構成されているため、耐圧性が非常に低く、拡散透析用の膜としては使用可能であるものの、圧透析用の膜としての使用は困難であり、利用可能性が低いという欠点を有するものである。
そこで、前記モザイク荷電膜の耐圧性を向上させる目的で、耐圧性を有する支持体の表面に該モザイク荷電膜を貼付する方法や、多孔性支持体の細孔内にイオン交換体を充填させてモザイク荷電膜を製造する方法も試みられている。しかしながら、これらの方法に用いる支持体と、貼付するモザイク荷電膜内の活性層や充填するイオン交換体とは、そもそも同質材料ではないため、支持体を用いたことによる耐圧性の向上はほとんど望めないにも係らず、コストが上昇してしまうといった問題がある。
またその利用分野によっては、処理対象溶液の種類や使用条件等に応じて、例えば同符号イオン選択性が併せて要求されるようになってきている。前記のごときモザイク荷電膜に代表される両性荷電膜に対しても、優れた同符号イオン選択性が要求されており、このような両性荷電膜を容易かつ安価に製造し得る方法の開発も待ち望まれている。
特開昭59−203613号公報 特開2000−70687号公報
本発明は前記背景技術に鑑みてなされたものであり、同符号イオン選択性に特に優れるだけでなく、耐圧性、耐久性、塩透過性にも優れる両性荷電膜を、容易かつ安価に製造することができる方法、及びこれらの特性を具備した両性荷電膜を提供することを課題とする。
すなわち本発明は、
単層両性荷電膜の製造方法であって、以下の工程(1)及び(2):
(1)膜形成ポリマー、該膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒及びイオン交換樹脂を混合し、ポリマー溶液にイオン交換樹脂を分散させて均一なポリマー分散液を調製する工程
(2)前記ポリマー分散液から膜を形成させた後、該膜から溶媒を除去し、洗浄する工程
を行うことを特徴とし、
前記イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせか、又は両性イオン交換樹脂であり、
前記工程(1)において、膜形成ポリマーの濃度(膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒の量Vに対する膜形成ポリマーの量T2の割合)
(T2/V)×100
を、8〜28重量%に調整する、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法、並びに
前記製造方法にて得られる、同符号イオン選択性単層両性荷電膜
に関する。
本発明の製造方法によれば、それ1枚で、同符号イオン選択性に特に優れるだけでなく、耐圧性、耐久性、塩透過性にも優れる単層の両性荷電膜を、容易かつ安価に製造することができる。また該製造方法にて製造される本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、これらの優れた特性を具備し、例えば圧透析用膜、拡散透析用膜、電気透析用膜等に好適に使用することができる。
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係る同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法では、以下の工程(1)及び(2):
(1)膜形成ポリマー、該膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒及びイオン交換樹脂を混合し、ポリマー溶液にイオン交換樹脂を分散させて均一なポリマー分散液を調製する工程
(2)前記ポリマー分散液から膜を形成させた後、該膜から溶媒を除去し、洗浄する工程
が行われる。
なお、本明細書において同符号イオン選択性とは、前記したように、同符号のイオンに対する選択的透過性のことであるが、該同符号のイオンとは、例えば1価のNa+、K+、NH4 +、2価のMg2+、Pb2+、Hg2+、3価以上のAl3+、Cr6+等の陽イオン、又は、例えば1価のCl-、OH-、2価のSO4 2-、3価以上のPO4 3-等の陰イオンである。
図1に、本実施の形態1に係る製造方法を概略的に表したフローチャートを示す。かかる図1において、膜形成ポリマーを原料1、溶媒を原料2、イオン交換樹脂を原料3として表す。
まず工程(1)において、膜形成ポリマー、該膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒及びイオン交換樹脂を混合し、ポリマー溶液にイオン交換樹脂を分散させて均一なポリマー分散液を調製する。
本実施の形態1の工程(1)では、溶媒に膜形成ポリマーが溶解したポリマー溶液にイオン交換樹脂が分散した、均一なポリマー分散液が得られる限り、これら膜形成ポリマー、溶媒及びイオン交換樹脂を添加する順序には限定がない。すなわち、例えば図2Aのフローチャートに示すように、膜形成ポリマーと溶媒とを混合して均一なポリマー溶液を調製した後、イオン交換樹脂を該ポリマー溶液に添加し、イオン交換樹脂を分散させて均一なポリマー分散液を調製することができる。また例えば図2Bのフローチャートに示すように、溶媒とイオン交換樹脂とを混合し、イオン交換樹脂を溶媒に分散させて分散液を調製した後、膜形成ポリマーを該分散液に添加して溶解させ、ポリマー溶液にイオン交換樹脂が分散した均一なポリマー分散液を調製することもできる。
本実施の形態1に用いられる膜形成ポリマーは、同符号イオン選択性単層両性荷電膜を形成する際に、例えば加熱乾燥等により皮膜を形成することができるものであればよく、形成される同符号イオン選択性単層両性荷電膜に、耐薬品性、耐溶剤性、耐水性、耐久性等を付与し得るものが好ましい。かかる膜形成ポリマーとしては、例えばポリスルホン系樹脂、ポリアリレート系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリイミド系樹脂、ポリアミドイミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、フッ素系樹脂、シリコーン系樹脂等があげられ、これらは単独で又は2種以上を同時に用いることができる。
ポリスルホン系樹脂は、分子内にスルホニル結合(−SO2−)を有する重合体であり、例えばポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリフェニルスルホン等が例示される。
ポリアリレート系樹脂は、分子内にエステル結合(−COO−)を有する重合体であり、例えば二価フェノールと芳香族ジカルボン酸とのポリエステル等が例示される。
ポリアミド系樹脂は、分子内にアミド結合(−NHCO−)を有する重合体であり、例えばジアミンと二塩基酸との重縮合、ラクタム開環重合、アミノカルボン酸の重縮合等によって得られる重合体が例示される。
ポリイミド系樹脂は、分子内にイミド結合(−CONHCO−)を有する重合体であり、例えばビフェニルテトラカルボン酸二無水物とジアミンとの縮重合等によって得られる重合体のほか、例えばポリエーテルイミド等も例示される。
ポリアミドイミド系樹脂は、分子内にアミド結合とイミド結合とを併せ持つ重合体であり、例えば無水トリメリット酸とジイソシアネートとの反応や無水トリメリット酸クロライドとジアミンとの反応によって得られる重合体が例示され、無水トリメリット酸とジフェニルアルキルジイソシアネート等との反応による芳香族ポリアミドイミドも含まれる。
ポリウレタン系樹脂は、分子内にウレタン結合(−OCONH−)を有する重合体であり、例えば脂肪族ポリイソシアネート等のポリイソシアネートとテトラメチレングリコール等のポリオールとの反応によって得られる重合体のほか、ポリウレタン尿素樹脂も例示される。
フッ素系樹脂は、例えばポリテトラフルオロエチレン等のアルキレン主鎖の水素原子がフッ素原子にて置換された重合体であり、ほかにも例えばそのスルホン化物等も例示される。
シリコーン系樹脂は、分子内にシロキサン結合(−Si−O−Si−)を有する重合体であり、例えばポリメチルシロキサン等のポリアルキルシロキサン等が例示される。
なお、本実施の形態1に用いられる膜形成ポリマーの数平均分子量には特に限定がない。
本実施の形態1に用いられる溶媒は、前記膜形成ポリマーを溶解し得るものである限り特に限定がなく、膜形成ポリマーの種類に応じて適宜選択することが好ましい。
膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド,N,N−ジエチルアセトアミド等の含チッ素系有機溶剤;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル系有機溶剤;メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系有機溶剤等があげられる。これらのなかでも、例えば膜形成ポリマーとしてポリスルホン系樹脂を用いた場合には、その溶解性の点から含チッ素系有機溶剤を用いることが好ましく、特にN−メチル−2−ピロリドンが好ましい。
本実施の形態1において、イオン交換樹脂として、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせか、又は両性イオン交換樹脂が用いられる。
前記陽イオン交換樹脂としては、分子中に例えば、スルホン酸基(−SO3H)、カルボン酸基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO32、−PO4H)、フェノール基(−C64OH)、スルホエチル基(−(CH22SO2OH)、ホスホメチル基(−CH2PO(OH)2)、カルボキシメチル基(−OCH2COOH)、イミノ二酢酸基(−N=C(CH2COOH)2)、イミノ二酢酸エステル基(−N=C(CH2COOR)2)等を有する酸性樹脂があげられる。該陽イオン交換樹脂の代表例としては、例えば
Amberlite IR−120B(商品名、オルガノ(株)製、イオン交換容量:1.9meq/mL)
等のスルホン酸基含有陽イオン交換樹脂等があげられる。また特に限定がないが、例えばイオン交換容量が1〜2.5meq/mL程度の陽イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
前記陰イオン交換樹脂としては、分子中に例えば、第4級アンモニウム基(−NR3)、第3級アミノ基(−NR2)、第2級アミノ基(−NHR)、第1級アミノ基(−NH2)、2−ヒドロキシプロピルアミノ基(−OC24N(C25)CH2CH(OH)CH3)、トリエチルアミノ基(−(CH22N(C253)、ポリエチレンイミノ基(−(CH2CH2NH)xCH2CH2NH2)、ジエチルアミノエチル基(−(CH22N(C252)、p−アミノベンジル基(−CH2−C64−NH2)、N−メチルグルカミン基(−CH2−N(CH3)−CH2−(C(OH)H)4−CH2OH)等を有する塩基性樹脂があげられる。該陰イオン交換樹脂の代表例としては、例えば
Amberlite IRA−410J(商品名、オルガノ(株)製、イオン交換容量:1.4meq/mL)
等の第4級アンモニウム基含有陰イオン交換樹脂等があげられる。また特に限定がないが、例えばイオン交換容量が1〜2.5meq/mL程度の陰イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
イオン交換樹脂として、前記陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせを用いる場合、両者の組み合わせは、得られる同符号イオン選択性単層両性荷電膜の使用目的に応じて、例えば処理対象溶液における透過させようとするイオンの種類に応じて適宜変更することが好ましい。またこれらイオン交換樹脂の種類を考慮して、前記膜形成ポリマー及び溶媒を適宜選択することが好ましい。
陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との使用割合は、各々が有するイオン交換容量に応じて適宜調整すればよいが、通常陽イオン交換樹脂/陰イオン交換樹脂(重量比)が10/90以上、さらには20/80以上、また90/10以下、さらには80/20以下であることが好ましい。
なお、本実施の形態1に係る同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、通常、価数の小さいイオン、すなわちNa+、K+、NH4 +といった1価の陽イオン及びCl-、OH-といった1価の陰イオンの透過性が高く、これと比較して2価以上のイオンの透過性が充分に低いが、特に、前記陽イオン交換樹脂/陰イオン交換樹脂(重量比)を10/90〜15/85程度に調整することにより、Mg2+といった2価以上の陽イオンの透過をさらに抑制することが可能であり、逆に陽イオン交換樹脂/陰イオン交換樹脂(重量比)を85/15〜90/10程度に調整することにより、SO4 2―といった2価以上の陰イオンの透過をさらに抑制することが可能である。
前記両性イオン交換樹脂としては、分子中に例えば、スルホン酸基(−SO3H)、カルボン酸基(−COOH)、ホスホン酸基(−PO32、−PO4H)、フェノール基(−C64OH)、スルホエチル基(−(CH22SO2OH)、ホスホメチル基(−CH2PO(OH)2)、カルボキシメチル基(−OCH2COOH)、イミノ二酢酸基(−N=C(CH2COOH)2)、イミノ二酢酸エステル基(−N=C(CH2COOR)2)等の陽イオン交換基と、第4級アンモニウム基(−NR3)、第3級アミノ基(−NR2)、第2級アミノ基(−NHR)、第1級アミノ基(−NH2)、2−ヒドロキシプロピルアミノ基(−OC24N(C25)CH2CH(OH)CH3)、トリエチルアミノ基(−(CH22N(C253)、ポリエチレンイミノ基(−(CH2CH2NH)xCH2CH2NH2)、ジエチルアミノエチル基(−(CH22N(C252)、p−アミノベンジル基(−CH2−C64−NH2)、N−メチルグルカミン基(−CH2−N(CH3)−CH2−(C(OH)H)4−CH2OH)等の陰イオン交換基とを両方有する樹脂があげられる。該両性イオン交換樹脂の代表例としては、例えば
Diaion AMP01(商品名、三菱化学(株)製、イオン交換容量:0.9meq/mL)
等の第4級アンモニウム基及びカルボン酸基含有両性イオン交換樹脂等があげられる。また特に限定がないが、例えばイオン交換容量が1〜2.5meq/mL程度の両性イオン交換樹脂を好適に用いることができる。
本実施の形態1において、イオン交換樹脂として、前記したように、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせか、又は両性イオン交換樹脂をポリマー溶液に均一に分散させるが、ポリマー溶液におけるイオン交換樹脂の分散性を向上させ、得られる同符号イオン選択性単層両性荷電膜の耐圧性等の特性をさらに向上させたり、より均質な同符号イオン選択性単層両性荷電膜を得るには、これらイオン交換樹脂がいずれも、例えば粉砕イオン交換樹脂、超微粒イオン交換樹脂等の粒子径が小さいイオン交換樹脂であることが好ましい。一般的なイオン交換樹脂としては、その種類によっても異なるものの、通常700〜900μm程度の平均粒子径を有する樹脂が多い。イオン交換樹脂のポリマー溶液における分散性や、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の耐圧性及び均質性を考慮すると、その平均粒子径は小さいほど好ましく、例えば45μm以下、さらには20μm以下であることが好ましい。また例えば粉砕イオン交換樹脂を用いる場合に、イオン交換樹脂を粉砕する際の作業性や、イオン交換樹脂からポリマー分散液を調製する際の作業性を考慮すると、該イオン交換樹脂の平均粒子径は0.1μm以上、さらには1μm以上であることが好ましい。なお、これらイオン交換樹脂の粒子径によって、得られる同符号イオン選択性単層両性荷電膜の塩透過性を変化させることも可能であるので、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の使用目的、すなわち該同符号イオン選択性単層両性荷電膜にて処理しようとする対象溶液中のイオンの種類に応じて、適した粒子径を有する粉砕イオン交換樹脂、超微粒イオン交換樹脂等のイオン交換樹脂を適宜選択して用いることが好ましい。またイオン交換樹脂として粉砕イオン交換樹脂を用いようとする場合、イオン交換樹脂の粉砕方法には特に限定がなく、イオン交換樹脂の種類に応じて適宜粉砕方法を選択することが好ましい。
工程(1)のポリマー分散液の調製において、膜形成ポリマーの濃度は、同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際の製膜性や、目的とする同符号イオン選択性及び塩透過性、耐圧性、耐久性を考慮して決定することが好ましい。該膜形成ポリマーの量が少ないと、同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際の製膜性が低下したり、同符号イオン選択性が不充分となるので、膜形成ポリマーの濃度(膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒の量Vに対する膜形成ポリマーの量T2の割合)
(T2/V)×100
が、8重量%以上、好ましくは10重量%以上となるように調整する。逆に該膜形成ポリマーの量が多いと、イオン交換樹脂の分散性、作業性が低下したり、塩透過性が不充分となるので、膜形成ポリマーの濃度が、28重量%以下、好ましくは26重量%以下となるように調整する。
工程(1)のポリマー分散液の調製において、分散させるイオン交換樹脂の量は、用いる膜形成ポリマーの量も考慮して決定することが好ましい。該イオン交換樹脂の量があまりにも少ない場合には、得られる同符号イオン選択性単層両性荷電膜の同符号イオン選択性が不充分となる恐れがあるので、イオン交換樹脂の含有量(イオン交換樹脂の量T1の、該イオン交換樹脂の量T1と膜形成ポリマーの量T2との総量Tに対する割合)
(T1/T)×100
が、2重量%以上、さらには3重量%以上となるように調整することが好ましい。逆にイオン交換樹脂の含有量があまりにも多い場合には、相対的に膜形成ポリマーの量が少なくなり、同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際の製膜性が低下する恐れがあるので、イオン交換樹脂の含有量が85重量%以下、さらには80重量%以下となるように調整することが好ましい。なお、例えば前記範囲にてイオン交換樹脂の含有量を変更することにより、得られる同符号イオン選択性単層両性荷電膜の塩透過性を変化させることもできる。
また工程(1)のポリマー分散液の調製において、イオン交換樹脂の量と膜形成ポリマーの量との総量と、溶媒の量との割合は、イオン交換樹脂の分散性、作業性や、同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際の製膜性、目的とする同符号イオン選択性単層両性荷電膜の特性等を考慮して決定することが好ましい。該総量があまりにも少ない場合には、同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際の製膜性や目的とする同符号イオン選択性単層両性荷電膜の特性が低下する恐れがあるので、総量Tの、溶媒の量Vに対する割合
T/V
は、0.1g/mL以上、さらには0.2g/mL以上であることが好ましい。また総量があまりにも多い場合には、ポリマー分散液を調製する際のイオン交換樹脂の分散性や作業性が低下する恐れがあるので、総量Tの、溶媒の量Vに対する割合は、1.4g/mL以下、さらには0.8g/mL以下であることが好ましい。
ポリマー分散液の調製において、溶媒や、イオン交換樹脂が溶媒に分散した分散液に膜形成ポリマーを溶解させる際の、溶解温度、攪拌時間といった条件は、これら膜形成ポリマー、溶媒及びイオン交換樹脂の種類に応じ、膜形成ポリマーが充分に溶解するように適宜変更すればよいが、例えば通常50〜70℃程度に加熱することが好ましい。
イオン交換樹脂をポリマー溶液や溶媒に分散させるには、適宜両者を混合、攪拌すればよいが、この際の系の温度、攪拌時間といった条件は、これらイオン交換樹脂、膜形成ポリマー及び溶媒の種類に応じ、イオン交換樹脂がポリマー溶液に充分に分散した均一なポリマー分散液となるように適宜変更することが好ましい。例えば膜形成ポリマー及び溶媒を加熱攪拌してポリマー溶液を得た場合には、引き続きこのポリマー溶液にイオン交換樹脂を添加し、そのままの温度で、又は適宜温度を調整して攪拌混合してもよい。また溶媒及びイオン交換樹脂を加熱攪拌して分散液を得た場合には、引き続きこの分散液に膜形成ポリマーを添加し、そのままの温度で、又は適宜温度を調整して攪拌混合してもよい。
また、ポリマー分散液を次の工程(2)に供する前に、目的とする同符号イオン選択性単層両性荷電膜の均質性を向上させるために、例えば減圧脱泡法、超音波脱泡法、静置脱泡法等にてポリマー分散液に脱泡処理を施すことが好ましい。
次に、工程(2)において、工程(1)で得られたポリマー分散液から膜を形成させた後、該膜から溶媒を除去し、洗浄して同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する。
ここで、工程(2)におけるポリマー分散液から膜を形成させる方法は、目的とする同符号イオン選択性単層両性荷電膜の形状に応じて適宜選択される。以下に、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の一例である、平膜状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜及び中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜について、各々詳細に説明する。
まず、平膜状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜について説明する。平膜状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際には、工程(2)において、工程(1)で得られたポリマー分散液を基材上に塗布及び延伸し、乾燥して凝固させた後、得られた膜(平膜)から溶媒を除去する。
具体的には、例えば前記のごとく脱泡処理を施したポリマー分散液を、表面が平滑な基材上に、例えばバーコート法、スプレーコーティング法、スピンコーティング法等によって塗布及び延伸させる。かかる基材としては、所望の膜質及び均一な厚さを有する膜が形成され得る限り特に限定がなく、例えばガラスプレート、ステンレススチールプレート、アルミニウムプレートのほか、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の高分子フィルムやシート等を好適に使用することができる。
基材上に形成させる膜の厚さにも特に限定がないが、後述する乾燥処理後、最終的に得られる目的とする同符号イオン選択性単層両性荷電膜の厚さを考慮すると、通常0.05〜1mm程度、好ましくは0.1〜0.5mm程度であることが望ましい。
かくして基材上に形成した膜を、所望の温度及び時間にて乾燥させる。かかる乾燥処理の温度等の条件にも特に限定がなく、膜が充分に凝固するように適宜調整すればよいが、通常室温〜60℃程度であることが好ましい。なお本実施の形態1にて得られる同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、例えば圧透析用膜、拡散透析用膜、電気透析用膜等として用いることができるが、これら用途に応じた同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、乾燥時間を適宜調整することによって容易に得ることができる。例えば乾燥時間を1〜50時間程度とした場合には、拡散透析用や電気透析用としては勿論のこと、圧透析用として好適に使用し得る耐圧性に特に優れた同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造することができる。一方、乾燥時間を1〜2分間程度と短くすることによって、拡散透析用として好適に使用し得る同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造することもできる。
前記のごとく乾燥して凝固させた後、得られた膜(平膜)から溶媒を除去し、例えば蒸留水等にて洗浄処理を行って、目的とする平膜状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を得ることができる。かかる平膜状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の膜厚(乾燥)は、その使用目的に応じて適宜変更すればよいが、通常0.02〜0.8mm程度、好ましくは0.05〜0.5mm程度であることが望ましい。
次に、中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜について説明する。中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を製造する際には、工程(2)において、工程(1)で得られたポリマー分散液を紡糸し、得られた中空糸状溶融物を、空気と接触させた後に純水中に浸漬し、得られた膜(中空糸状膜)から溶媒を除去して凝固させる。
具体的には、例えば前記のごとく脱泡処理を施したポリマー分散液を、例えば中空糸製造装置を用い、その紡糸ノズルから中空糸状溶融物として押出す。紡糸ノズルとしては、例えば図3の概略拡大図に示す紡糸ノズルを使用することができる。図3に示すように、紡糸ノズル100には、注入口100a、100bが設けられており、注入口100aは、ポリマー分散液流入路(外部流路)100a1への注入口、注入口100bは、純水流入路(内部流路)100b1への注入口である。
中空糸状溶融物を押出す際、押出装置内の温度や、紡糸ノズルの外部流路へのポリマー分散液の流量、内部流路への純水等の流量といった条件は、例えばポリマー分散液を構成するイオン交換樹脂の種類や膜形成ポリマー及び溶媒からなるポリマー溶液の種類、紡糸ノズルのサイズ、押出し後の空気との接触時間等を考慮し、適宜調整することが好ましい。また紡糸ノズルのサイズ(外径ra、内径rb)は、目的とする同符号イオン選択性単層両性荷電膜の膜厚、外径、内径に応じて適宜決定すればよい。
なお、紡糸ノズルの内部流路へは、通常、前記のごとき純水を注入することが好ましいが、純水の他にも、例えば空気、チッ素ガス、前記ポリマー分散液を得る際に用いた溶媒と水との混合液等を用いることも可能である。また、内部流路への純水等の注入と、外部流路へのポリマー分散液の注入との順序には特に限定がないが、押出される溶融物の中空糸としての形状が安定し易いことから、内部流路への純水等の注入を開始し、次いで外部流路へポリマー分散液を注入することが好ましい。
紡糸ノズルから押出した中空糸状溶融物を、所定時間、温度にて空気と接触させた後に純水中に浸漬し、得られた膜(中空糸状膜)から溶媒を除去して凝固させる。中空糸状溶融物を空気と接触させる際の時間や温度等の条件は、該中空糸状溶融物の表層(中空糸の外側)付近が、空気との接触によって凝固した状態で純水中に浸漬されるように、適宜調整することが好ましい。また、このように表層付近が凝固した状態の中空糸状溶融物を浸漬させる純水の温度及び浸漬時間には特に限定がなく、得られた中空糸状膜から溶媒が除去されて、充分かつ均質に凝固した状態となるように適宜調整すればよいが、例えば純水の温度は、通常10〜100℃程度であることが好ましい。
前記のごとく中空糸状膜を凝固させた後、適宜乾燥し、例えば蒸留水等にて洗浄処理を行って、目的とする中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を得ることができる。かかる中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の膜厚は、その使用目的に応じて適宜決定すればよいが、通常0.05〜1mm程度、好ましくは0.1〜0.5mm程度であることが望ましい。また中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の外径及び内径にも特に限定がなく、やはりその使用目的に応じて適宜決定すればよいが、通常外径が0.15〜10mm程度、内径が0.05〜9.9mm程度であることが望ましい。
かくして得られる中空糸状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を、その使用目的に応じた量で、例えば数十本集束してケーシング(内筒)に充填収容し、該同符号イオン選択性単層両性荷電膜間及び集束物とケーシングとの間を、例えばケーシング端部において接着剤等で封止固定することによって、単位体積当たりの膜表面積が大きく、小型化及び低コスト化が図られたモジュールを得ることが可能である。
このように、本発明の製造方法では、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせか、又は両性イオン交換樹脂であるイオン交換樹脂が用いられており、なおかつ、膜形成ポリマーの濃度が所定範囲内に調整されているので、それ1枚で、同符号イオン選択性に特に優れるだけでなく、耐圧性、耐久性、塩透過性にも優れる単層の両性荷電膜を、容易かつ安価に製造することができる。
本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜が有する同符号イオン選択性の一例を、図4〜6の模式図に示す。
図4は、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜によって酸(HCl)を回収する場合の模式図である。図4に示すように、H+、Cl-、SO4 2-、Mg2+及びAl3+が混在した処理対象溶液を同符号イオン選択性単層両性荷電膜にて処理すると、価数が小さい1価のH+及びCl-は充分に透過するが、価数が大きい2価のSO4 2-及びMg2+、3価のAl3+は、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の陽イオン、陰イオンと反発して極めて透過し難い。このように、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を用いることにより、酸を効率よく回収することができる。
図5は、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜によってアルカリ(NaOH)を回収する場合の模式図である。図5に示すように、Na+、OH-、SO4 2-、Mg2+及びAl3+が混在した処理対象溶液を同符号イオン選択性単層両性荷電膜にて処理すると、価数が小さい1価のNa+及びOH-は充分に透過するが、価数が大きい2価のSO4 2-及びMg2+、3価のAl3+は、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の陽イオン、陰イオンと反発して極めて透過し難い。このように、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を用いることにより、アルカリを効率よく回収することができる。
図6は、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜によって重金属(Pb、Hg、Cr)を分離する場合の模式図である。図6に示すように、Na+、Cl-、Pb2+、Hg2+及びCr6+が混在した処理対象溶液を同符号イオン選択性単層両性荷電膜にて処理すると、価数が小さい1価のNa+及びCl-は充分に透過するが、価数が大きい2価のPb2+及びHg2+、6価のCr6+は、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の陽イオン、陰イオンと反発して極めて透過し難い。このように、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜を用いることにより、重金属を効率よく分離することができる。
本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、塩化カルシウムといった低分子量電解質の脱塩や、ポリエチレングリコール、糖類といった中性物質の透過阻止等に好適に使用することができ、例えば飲料用水、工業用水、純水等の水処理工業における脱塩;化学工業、金属工業等の工業排水の脱塩や有害金属イオンの除去;海洋深層水におけるミネラル成分の分離;海水の濃縮製塩、淡水化;医薬・食品工業における脱塩、イオン成分の分離精製といった幅広い分野にて有用なものである。
次に本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜及びその製造方法を以下の実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
実施例1〜10(同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造)
以下に示す原料1〜3を準備した。原料3は、各々平均粒子径が10μmとなるように粉砕し、粉砕イオン交換樹脂として用いた。また、原料3の(a)と(b)との割合は、(a)/(b)(重量比)=50/50である。
・原料1(膜形成ポリマー):
ポリスルホン(アルドリッチ(Aldrich)社製、数平均分子量:約22000)
・原料2(溶媒):
N−メチル−2−ピロリドン(和光純薬工業(株)製)
・原料3(イオン交換樹脂):
(a)陽イオン交換樹脂(Amberlite IR−120B(商品名)、オルガノ(株)製、スルホン酸基含有、イオン交換容量:1.9meq/mL)
(b)陰イオン交換樹脂(Amberlite IRA−410J(商品名)、オルガノ(株)製、第4級アンモニウム基含有、イオン交換容量:1.4meq/mL)
Figure 2010115592
まず原料1及び原料2を、ヒーター付きスターラーを用いて約60℃で均一なポリマー溶液となるまで充分に加熱攪拌した。得られたポリマー溶液を60℃に保持したまま、原料3を添加し、原料3がポリマー溶液中に分散するまで充分に加熱攪拌して均一なポリマー分散液を得た。
得られたポリマー分散液を液中に気泡がなくなるまで静置して脱泡した後、ガラスプレート上にキャストし、バーコート法にて均一な厚さとなるように延伸した。これを直ちに蒸留水に浸漬して凝固させた後、得られた膜から原料2である溶媒を除去し、蒸留水にて洗浄して同符号イオン選択性単層両性荷電膜を得た。
得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜はひび割れ、欠け、キズ等がなく、良好な外観を有するものであった。その膜厚を併せて表1に示す。
試験例1
図7の概略図に示すイオン透過量測定装置を用い、実施例1〜10で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜(有効膜面積:3.14cm2)について同符号イオン選択性の性能評価を行った。かかるイオン透過量測定装置において、容器21と容器22との間が同符号イオン選択性単層両性荷電膜1で仕切られており、容器22内には電導度計3(型番:WM−50EG、東亜ディーケーケー(株)製)が備えられている。
容器21内に以下に示す処理対象溶液100mLのいずれかを入れ、もう一方の容器22内に純水100mLを入れて(容器21、22内の液温:約25℃)10分間静置した後、純水中の電導度を電導度計3にて20分ごとに100分間測定した。得られた測定値から、単位時間における、単位膜面積あたりの物質の透過量(mol・m-2)を算出した。その結果を、経過時間に対する透過量の変化としてグラフに示す。図8〜15に、実施例3〜10の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の結果をそれぞれ示す。図8〜15において、各処理対象溶液と対応するグラフの種類は、それぞれ凡例に示す通りである。
[処理対象溶液]
(濃度) (物質)
1.0mol/kg KCl
0.5mol/kg MgCl2
0.33mol/kg AlCl3
0.5mol/kg K2SO4
なお、各処理対象溶液の濃度は、各物質における1価のイオンCl-又はK+の当量を考慮し、Cl-又はK+がいずれも1モル濃度となるように決定した。
また、実施例3〜6の同符号イオン選択性単層両性荷電膜について、100分間経過後の各物質の透過量に基づき、イオン選択率を算出した。その結果を表2に示す。表2において、1価のイオンK+又はCl-の選択率を1として2価のイオンMg2+又はSO4 2-、3価のイオンAl3+の選択率を表した。
Figure 2010115592
図8〜15から、実施例3〜10の同符号イオン選択性単層両性荷電膜で処理した場合はいずれも、MgCl2、AlCl3及びK2SO4と比較して、KClの透過量が2倍以上と多く、時間が経過するにつれてその差は大きくなっていることがわかる。
また表2から、実施例3〜6の同符号イオン選択性単層両性荷電膜で処理した場合はいずれも、1価のイオンK+又はCl-の選択率に対して、2価のイオンMg2+又はSO4 2-、3価のイオンAl3+の選択率が低く、最も高いMg2+であっても、K+の6割程度の選択率しかないことがわかる。実際に本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜にて処理すべき処理対象溶液中には、通常、Mg2+はこのような高濃度で含まれていないので、1価のイオンK+と2価のイオンMg2+との選択率の差は著しく大きくなり、本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、実用上優れた荷電膜であると考えられる。
試験例2
前記試験例1の結果を踏まえ、処理対象溶液として、実際に本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜にて処理すべきスラグ冷却水及び最終処分場浸出水と同成分の溶液を用い、実施例3で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜について同符号イオン選択性の性能評価を行った。
処理対象溶液として、スラグ冷却水A、スラグ冷却水B及び最終処分場浸出水を用意した。スラグ冷却水A、スラグ冷却水B及び最終処分場浸出水の成分(処理前原液中の各イオンの濃度)を、表3〜5に各々示す。
試験例1と同様のイオン透過量測定装置を用い、1Lの処理対象溶液に対して実施例3で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜(有効膜面積:1m2)で処理を行った。なお、処理後透過液における1価のイオンNa+、K+及びCl-の濃度の経時測定値から、処理対象溶液(処理後原液)におけるこれら1価のイオンの濃度を算出し、処理後原液中の1価のイオンの濃度が0mg/L(0mol/L)に到達した時点で、処理及び各イオンの濃度の測定を終了した。これらの結果を表3〜5に各々示す。また、処理前原液及び処理後原液中の各イオンの濃度を、イオンの種類別に棒グラフで表した。スラグ冷却水A、スラグ冷却水B及び最終処分場浸出水に対する結果を、図16〜18に各々示す。
Figure 2010115592
Figure 2010115592
Figure 2010115592
表3〜5及び図16〜18に示すように、スラグ冷却水A、スラグ冷却水B及び最終処分場浸出水いずれの場合も、実施例3の同符号イオン選択性単層両性荷電膜で処理すると、高濃度の1価のイオンNa+、K+及びCl-は処理対象溶液から全て透過した。これに対して、例えばCa2+、Mg2+、SO4 2-といった2価のイオンの濃度は、処理前原液中と処理後原液中とで大差がなく、Ca2+、Mg2+の透過率が3割程度、SO4 2-の透過率は1割程度であった。すなわち、これら2価のイオンは実施例3の同符号イオン選択性単層両性荷電膜をほとんど透過しなかった。このことから、実施例3の同符号イオン選択性単層両性荷電膜は同符号イオン選択性に極めて優れた荷電膜であることがわかる。
本発明の製造方法により、両性荷電膜を製造する際の工程の簡素化、所要時間の短縮化及びコストの低減化が図られ、生産効率の向上が実現される。また本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜は、種々のイオンを含有した溶液の透析に使用が可能であり、例えば化学工業、金属工業、医薬・食品工業等の各種産業分野にて有用なものである。
本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法を概略的に示すフローチャート 本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法における工程(1)の一例を概略的に示すフローチャート 本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法における工程(1)の一例を概略的に示すフローチャート 紡糸ノズルの一例を示す概略拡大図 本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜によって酸を回収する際の模式図 本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜によってアルカリを回収する際の模式図 本発明の同符号イオン選択性単層両性荷電膜によって重金属を分離する際の模式図 同符号イオン選択性試験に用いるイオン透過量測定装置の概略図 実施例3で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例4で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例5で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例6で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例7で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例8で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例9で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例10で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜についての同符号イオン選択性試験における、経過時間に対する物質の透過量の変化を示すグラフ 実施例3で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜でスラグ冷却水Aを処理した際の、処理前原液及び処理後原液中の各イオンの濃度をイオンの種類別に表した棒グラフ 実施例3で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜でスラグ冷却水Bを処理した際の、処理前原液及び処理後原液中の各イオンの濃度をイオンの種類別に表した棒グラフ 実施例3で得られた同符号イオン選択性単層両性荷電膜で最終処分場浸出水を処理した際の、処理前原液及び処理後原液中の各イオンの濃度をイオンの種類別に表した棒グラフ
符号の説明
1 同符号イオン選択性単層両性荷電膜
21、22 容器
3 電導度計

Claims (6)

  1. 単層両性荷電膜の製造方法であって、以下の工程(1)及び(2):
    (1)膜形成ポリマー、該膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒及びイオン交換樹脂を混合し、ポリマー溶液にイオン交換樹脂を分散させて均一なポリマー分散液を調製する工程
    (2)前記ポリマー分散液から膜を形成させた後、該膜から溶媒を除去し、洗浄する工程
    を行うことを特徴とし、
    前記イオン交換樹脂が、陽イオン交換樹脂と陰イオン交換樹脂との組み合わせか、又は両性イオン交換樹脂であり、
    前記工程(1)において、膜形成ポリマーの濃度(膜形成ポリマーを溶解し得る溶媒の量Vに対する膜形成ポリマーの量T2の割合)
    (T2/V)×100
    を、8〜28重量%に調整する、同符号イオン選択性単層両性荷電膜の製造方法。
  2. 工程(1)において、イオン交換樹脂の含有量(イオン交換樹脂の量T1の、該イオン交換樹脂の量T1と膜形成ポリマーの量T2との総量Tに対する割合)
    (T1/T)×100
    を、2〜85重量%に調整する、請求項1に記載の製造方法。
  3. イオン交換樹脂の平均粒子径が45μm以下である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 工程(2)において、ポリマー分散液を基材上に塗布及び延伸し、乾燥して凝固させて膜を形成する、請求項1〜3いずれかに記載の製造方法。
  5. 請求項1〜3いずれかに記載の製造方法にて得られる、同符号イオン選択性単層両性荷電膜。
  6. 請求項4に記載の製造方法にて得られる、平膜状の同符号イオン選択性単層両性荷電膜。
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