JP2010115141A - プロラミンの集積に関与する遺伝子及びその利用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】特定のヌクレオチド配列を有するEsp1遺伝子であって、前記遺伝子はプロラミンの構造遺伝子ではなく、その生合成の過程に関与する遺伝子である。またプロラミン低集積性である系統においては、Esp1遺伝子内においてヌクレオチドの置換が生じる。
【選択図】なし
Description
Kumamaru et al. TAG 76: 11-16, 1988; Ogawa et al. TAG 78: 305-310, 1989 牛島ら 育種学研究 第4巻 (別1) p66 (2002) 第101回日本育種学会講演会要旨集 牛島ら 育種学研究 第5巻 (別1) p68 (2003) 第103回日本育種学会講演会要旨集 Kumamaru et al. Jpn. J. Genet. 62: 16-22, 1987 熊丸ら 育種学雑誌 第47巻 (別2) p176(1997) 第92回日本育種学会講演会要旨 Ushijima et al. RGP 19: 64, 2002
1)下記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(g)のポリヌクレオチド:
(a)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(b)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドと相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列において1若しくは複数のヌクレオチドが欠失、置換、付加及び/又は挿入されたヌクレオチド配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(d)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(e)配列番号:18に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号:18に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入したアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(g)配列番号:18に記載のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。
2)下記の(e’)、(f’)又は(g’)のタンパク質:
(e’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(f’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入したアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質;
(g’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質。
3)1)に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子を利用することを特徴とする、種子におけるプロラミン集積が制御された植物の生産方法。
4)3)に記載の方法であって:
請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子を利用することが、該遺伝子を機能可能に有することによりプロラミン蓄積性である植物において、該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させることであるか、又は該遺伝子を機能可能に有さないことによりにプロラミン低集積性である植物において、該ポリヌクレオチドを機能可能に導入することである、方法。
5)4)に記載の方法であって:
該遺伝子を利用することが、該遺伝子を機能可能に有することによりプロラミン蓄積性である植物において、該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させることであり;
このとき該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させるための手段が、1)に記載のポリヌクレオチドにおいて、1又は複数のヌクレオチドを欠失、置換、付加及び/又は挿入することである、方法。
6)5)に記載の方法であって:
1)に記載のポリヌクレオチドにおいて、一又は複数のヌクレオチドを欠失、置換、付加及び/又は挿入することにより生じたヌクレオチドが、下記の(h)、(i)、(j)又は(k)である、方法:
(h)配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
(i)配列番号:17に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
(j)配列番号:19に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(k)配列番号:20に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。
7)1)に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子、又はその機能を低下若しくは喪失したその変異遺伝子を検出する工程を含む、プロラミン蓄積性に関する望ましい性質を有する植物の生産方法。
8)3)〜7)のいずれか1に記載の方法により得られた植物(好ましくはイネ)、又はその子孫。
9)プロラミン集積性である品種に由来する、esp1欠損植物であって、esp1が、請求項2に記載のタンパク質である、植物(好ましくは、イネ)。
10)8)又は9)に記載の植物を利用することにより得られる、収穫物、繁殖材料又は加工品。
本発明のDNAが挿入されるベクターは、植物細胞内で挿入物の機能を発揮させることが可能なものであれば特に制限はない。例えば、植物細胞内で恒常的に遺伝子を発現させるためのプロモーター(例えば、カリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター)を有するベクターや、外的な刺激により誘導的に活性化されるプロモーターを有するベクターを用いることもできる。ここでいう「植物細胞」には、種々の形態の植物細胞、例えば、種子、懸濁培養細胞、プロトプラスト、葉の切片、カルスなどが含まれる。
従来、イネの品種改良は(1)交雑による有望系統の選抜、(2)放射線や化学物質による突然変異誘起などによって行われてきた。これらの作業は長期間を要することや変異の程度や方向性を制御できないことなどの問題があった。本発明の遺伝子はプロラミンの量が減少したイネの品種育成に有用である。また、本発明の遺伝子を用いるイネの品種育成は、短期間で高い確実性をもって目的の植物体を得ることができる点で、従来の方法より有利である。
1.Esp1遺伝子の機能の推定
材料には水稲品種「金南風」及び「金南風」からMNU受精卵処理によって誘発したesp1変異体「CM21」を用いた。esp1劣勢変異はSDS-PAGEで分離する13kDの種子貯蔵タンパク質を減少することによって見い出され(図1:SDS-PAGE)(Kumamaru et al. TAG 76: 11-16, 1988)、PB Iに存在する複数の分子種を減少することが2次元電気泳動によって示された(Ogawa et al. TAG 78: 305-310, 1989)。アルコール可溶性のプロラミンは、米粉から60% n-プロパノールによって抽出されるシステイン含量が低いcysteine poor (CysP)プロラミン画分と、CysPプロラミン抽出後の残渣から5% 2-メルカプトエタノールを含む60% n-プロパノールによって抽出されるシステイン含量が高いcysteine rich (CysR)プロラミン画分に分類できる。米粉から5% 2-メルカプトエタノールを含む60% n-プロパノールによって抽出されるプロラミンを全プロラミン画分とした。抽出した各プロラミン画分を遠心エバポレーターによって乾燥し、試料用緩衝液(Laemmli 1970)を加えて実験に供試した。esp1劣勢変異はプロラミンをそれぞれの画分に分けてSDS-PAGEで分析した結果、60% n-プロパノールのみで抽出されるCysPプロラミンが減少していることが見い出された(図1:SDS-PAGE)。SDS-PAGEは分子サイズで分離するため同様の分子サイズを有する複数の分子から構成されるプロラミンを詳細に分析するには不向きである。
Esp1遺伝子は第7染色体上に座乗することがトリソミック変異体との交雑後代の分析によって明らかとなっていた(Kumamaru et al. Jpn. J. Genet. 62: 16-22, 1987)。そこでまず、esp1変異体「CM21」とインド型品種「Kasalath」の交雑F2種子からSDS-PAGEで選抜したesp1変異型109個体を用いて連鎖解析を行った。Esp1遺伝子はRFLP(Restriction Fragment Length Polymorphism)マーカー、R2394(短腕末端からの距離80.5cM)、R1422(81.1cM)、R2677(83.3cM)及びSTS(sequence tagged site)マーカー、C53905(81.9cM)、ゲノム塩基配列から新規に作成したCAPS(Cleaved Amplified Polymorphic Sequence)マーカーe81.9-8.2(81.9cM)(プライマー5’-GCTGCTCAGAGAGGGAGTCA-3’(配列番号:1) / 5’-GACACTGCTCGCCAAAGAAG-3’(配列番号:2)、制限酵素HaeIII)、e83.3-13(83.5cM)(プライマー5’-CGTGAAAAAGCAAACCTCCA-3’(配列番号:3) / 5’-TGGTATACGCAGGGAGCATC-3’(配列番号:4)、制限酵素ClaI又はHhaI )、PCRマーカー、e84.1-15(84.1cM)( プライマー5’-GACGACTGCTGCTGGTTTTC-3’(配列番号:5)/ 5’-GTTGTTGCCACGTTTGCTTT-3’(配列番号:6))を用いた分析によりe81.9-8.2(81.9cM)とR2677(83.3cM)の間に位置づけられた(図2A)(熊丸ら 育種学雑誌 第47巻 (別2) p176(1997) 第92回日本育種学会講演会要旨、Ushijima et al. RGP 19: 64, 2002、牛島ら 育種学研究 第5巻 (別1) p68 (2003) 第103回日本育種学会講演会要旨集)。しかしながら、この連鎖解析の精度ではマップベースクローニングによる遺伝子の単離・同定は困難である。
マップベースクローニングに不可欠な大規模分離集団によるEsp1遺伝子領域の詳細な連鎖解析を行った。連鎖解析は小規模連鎖解析時と同様にesp1変異体「CM21」と「Kasalath」の交雑F2種子を用いて行った。SDS-PAGEによりesp1変異型を示す種子を910個体得た。連鎖分析用のCAPSマーカーは候補領域のゲノム塩基配列を元に新たに作成した。マーカーがヘテロ型を示し、Esp1遺伝子候補領域がホモ型を示す組換え型個体がCAPSマーカーe11f2(プライマー5’-GGATCCAACAATCCATCGAA3’(配列番号:7) / 5’- TTTGGTTGGCTTTGCTAACG-3’(配列番号:8)、制限酵素ClaI又はDraI)で9個体、同マーカーe11b6(プライマー5’-CAACATCCTGAGGCTCGAAG-3’(配列番号:9)/ 5’-AAATGACGCTACCGAGCTGA-3’(配列番号:10)、制限酵素PstI)で7個体同定できた(図2B)。CAPSマーカーe11f2とe11b6はBACクローンOJ1047-C01の両端に位置する。このことからEsp1遺伝子はBACクローンOJ1047-C01に含まれることが明らかになり、当該クローンのゲノム塩基配列を元に新規なCAPSマーカーを作成し、候補ゲノム領域をさらに限定した。その結果、Esp1遺伝子の候補領域はCAPSマーカーe11-18(プライマー5’-AAGCAGTTTGCTGGCTCAAA-3’(配列番号:11) / 5’-CAGCGTGTCAGCAAAAACAA-3’(配列番号:12)、制限酵素DraI又はMvaI)と同マーカーe11-27(プライマー5’-TTCCCCAGGTGCTACTGCTA-3’(配列番号:13) / 5’-ACGGGCAGATTTACAACACG-3’(配列番号:14)、制限酵素MvaI)に挟み込まれる約20kbであることが明らかとなった(図 2C)。この候補領域の塩基配列に対してRiceGAAS (Rice Genome Annotation Database; http://RiceGAAS.dna.affrc.go.jp/rgadb/)による遺伝子予測ならびに類似性検索を行ったところ、5個の遺伝子が予測され、そのうち2個はeRF(Eucaryotic Release Factor) 1又はβ-cateninと高い類似性を示した。
esp1変異系統「CM21」及び「EM711」、及びそれぞれの原品種「金南風」と「台中65号」のEsp1遺伝子候補領域のゲノム塩基配列を解析した(図3、配列番号:15〜17)。その結果、予測遺伝子の一つについて、esp1変異系統「CM21」と「EM711」において、この遺伝子内における塩基がG1217がAに、G779がAにそれぞれ置換していた(図3)。候補領域における他の塩基に置換は認められなかった。この遺伝子は、タンパク質合成過程において終止コドン認識に関与している翻訳集結因子eRF1とアミノ酸配列において高い相同性が認められる。この結果は、Esp1候補遺伝子はeRF1をコードしていることを示唆している。「金南風」、「台中65号」及び「日本晴」における当該遺伝子のゲノム配列に差異は認められなかった。「日本晴」において当該遺伝子のcDNAの全長の配列をKOME(Knowledge-based Oryza Molecular biological Encyclopedia;http://cdna01.dna.affrc.go.jp/cDNA/)による検索を行い、ゲノム塩基配列と比較したところ、Esp1候補遺伝子は1個のエクソンからなり、コード領域の全長は1314bp、437アミノ酸からなるタンパク質をコードしていることが予測された(図4、配列番号18〜20)。アミノ酸配列では、「CM21」と「EM711」においてEsp1候補遺伝子内の塩基置換によってそれぞれグリシン406がアスパラギン酸、グリシン260がグルタミン酸に置換していた(図4)。
eRF1の登熟におけるmRNAの発現は「金南風」、「CM21」についてRT-PCR( Reverse Transcriptase-Polymerase Chain Reaction)で解析した(図6)。RT-PCRは開花後2、4、6、8、10、12日目の種子からTotal RNAをRNeasy Plant Mini Kit(QIAGEN)を用いて抽出後、Ready To Go You prime First Strand Beads(GE)を用いて逆転写を行い、その後プライマー5’- GCCGGATCACGGAAATTACT -3’(配列番号:21) / 5’- AGGCCTAATCCTCGCTGGTT -3’(配列番号:22)を用いて、94℃ 4分間 1サイクル / (94℃ 30秒間、60℃ 30秒間、72℃ 2分間) 25サイクル / 72℃ 7分間 1サイクル / 4℃の条件で行った。「金南風」において開花後2日目からすでに当該遺伝子のmRNAの発現が認められた。この傾向はesp1変異体「CM21」でも同様であった。esp1変異体でmRNAの発現が認められたことから、アミノ酸の置換によってeRF1の機能が大幅な減少もしくは喪失したと推察される。
Esp1遺伝子がプロラミンの集積における機能を有していることを確認するために、esp1変異体「EM711」の植物体に「金南風」由来のEsp1候補遺伝子を導入する形質転換実験を行った。Esp1候補遺伝子であるeRF1のORFはプライマー5’-CTCTGTCAAGATGTCTGACA-3’(配列番号:23) / 5’- ATATCTAGACCCGGGCTCGAGTGGCTGATTGCTAATCAGAG-3’(配列番号:24)を用いてゲノムDNAをテンプレートにPCRで単離した。また、10kDプロラミンのプロモーターはAY427572をテンプレートとして、プライマー5’-ATATGTACAGTCGACACTGGATAATTATAATATCA-3’(配列番号:25) / 5’-TGTCAGACATCTTGACAGAGTGCTGATTCTACAATACT-3’(配列番号:26)を用いて単離した。その後、PCRで単離したeRF1のORF及び10kDプロラミンのプロモーターを1:1で混合し、プライマー5’-ATATGTACAGTCGACACTGGATAATTATAATATCA-3’(前掲配列番号:25) / 5’- ATATCTAGACCCGGGCTCGAGTGGCTGATTGCTAATCAGAG-3’(前掲配列番号:24)でPCRを行うことにより10kDプロラミンプライマー / eRF1 ORFのPCR産物を得た。このPCR産物を制限酵素Sal I、Xho IでpBluescript SKプラスミドにクローニングした。バイナリーベクターpGPTV(Becker et al. Plant Mol. Biol. 20: 1195-1197, 1992)に入れた。アグロバクテリウム(EHA105菌株)(Hood et al. Transgenic Res. 2: 208-218, 1993)を介して「EM711」に導入した(図5)。SDS-PAGEの結果、作出された形質転換体T1の種子は、プロラミン含量が原品種とほぼ同等まで増加しているものが分離した(図5)。同サンプルのDsRedの発現をanti-RFP(anti-Red Fluorescent Protein)を用いてウエスタンブロット分析により調べた結果、プロラミン含量が増加した個体と一致した。DsRed遺伝子が発現している個体では同一ベクター内にあるEsp1候補遺伝子も発現していると考えられる。以上の結果から、eRF1が複数のプロラミン分子を集積させる機能を有し、Esp1遺伝子であることが確認された。
Claims (10)
- 下記の(a)、(b)、(c)、(d)、(e)、(f)又は(g)のポリヌクレオチド:
(a)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド;
(b)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドと相補的なヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(c)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列において1若しくは複数のヌクレオチドが欠失、置換、付加及び/又は挿入されたヌクレオチド配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(d)配列番号:15に記載のヌクレオチド配列と少なくとも90%の同一性を有し、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(e)配列番号:18に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(f)配列番号:18に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入したアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド;
(g)配列番号:18に記載のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質をコードするポリヌクレオチド。 - 下記の(e’)、(f’)又は(g’)のタンパク質:
(e’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質;
(f’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列において1若しくは複数のアミノ酸が欠失、置換、付加及び/又は挿入したアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質;
(g’)配列番号:18に記載のアミノ酸配列と少なくとも97%の同一性を有するアミノ酸配列からなり、かつ植物種子においてプロラミンを集積させる機能を有するタンパク質。 - 請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子を利用することを特徴とする、種子におけるプロラミン集積が制御された植物の生産方法。
- 請求項3に記載の方法であって:
請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子を利用することが、該遺伝子を機能可能に有することによりプロラミン蓄積性である植物において、該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させることであるか、又は該遺伝子を機能可能に有さないことによりにプロラミン低集積性である植物において、該ポリヌクレオチドを機能可能に導入することである、方法。 - 請求項4に記載の方法であって:
該遺伝子を利用することが、該遺伝子を機能可能に有することによりプロラミン蓄積性である植物において、該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させることであり;
このとき該遺伝子の機能を低下若しくは喪失させるための手段が、請求項1に記載のポリヌクレオチドにおいて、1又は複数のヌクレオチドを欠失、置換、付加及び/又は挿入することである、方法。 - 請求項5に記載の方法であって:
請求項1に記載のポリヌクレオチドにおいて、一又は複数のヌクレオチドを欠失、置換、付加及び/又は挿入することにより生じたヌクレオチドが、下記の(h)、(i)、(j)又は(k)である、方法:
(h)配列番号:16に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
(i)配列番号:17に記載のヌクレオチド配列からなるポリヌクレオチド
(j)配列番号:19に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド;
(k)配列番号:20に記載のアミノ酸配列をコードするポリヌクレオチド。 - 請求項1に記載のポリヌクレオチドからなる遺伝子、又はその機能を低下若しくは喪失したその変異遺伝子を検出する工程を含む、プロラミン蓄積性に関する望ましい性質を有する植物の生産方法。
- 請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法により得られた植物(好ましくはイネ)、又はその子孫。
- プロラミン集積性である品種に由来する、esp1欠損植物であって、esp1が、請求項2に記載のタンパク質である、植物(好ましくは、イネ)。
- 請求項8又は9に記載の植物を利用することにより得られる、収穫物、繁殖材料又は加工品。
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