JP2010114824A - コイルアンテナ磁芯、コイルアンテナ、コイルアンテナモジュール - Google Patents

コイルアンテナ磁芯、コイルアンテナ、コイルアンテナモジュール Download PDF

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Abstract


【課題】 衝撃と可とう性に優れ、かつ安価なコイルアンテナ磁芯とコイルアンテナとコイルアンテナモジュールを提供することにある。
【解決手段】 本発明は、板状のフェライトコア2の上下面に粘着層3bを有するテープ3を貼り付けてラミネートし、テープ3で覆われたフェライトコア2を板状の小片に砕いてシート8を形成することにより、コイルアンテナ磁芯1に外部から衝撃が加わった場合であってもコイルアンテナ磁芯1としての磁気特性の劣化がなく、コイルアンテナ磁芯1を曲げた場合であってもコイルアンテナ磁芯1としての磁気特性の変化が少なく、かつ原料価格の安いフェライトコアを用いることで安価なコイルアンテナ磁芯1ができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電波を利用した無線通信の送信、あるいは受信に使用されるコイルアンテナモジュールに関し、特に長波から短波帯のアンテナに用いられるコイルアンテナの磁芯に関する。
近年、無線通信技術、および半導体素子や受動素子などのデバイス、製造技術の進歩に伴い、長波から短波帯の電波を利用した無線通信機器や携帯受信端末機器などを内蔵した電子機器が普及しつつある。
従来の長波から短波帯の電波を利用する機器に使用される送信、及び受信アンテナの多くは、軟磁性体の磁芯が用いられ、その磁気特性を利用することで、コイルアンテナの小形軽量化、及び高性能化などが図られている。
図7は、従来のコイルアンテナを説明する図である。
図7のコイルアンテナ10は、棒状フェライトコアからなるコイルアンテナ磁芯1bの全長寸法の2/3以上に導線5を用いて単層に巻回してコイル6を形成し、その中央部において巻線密度を左右巻線より密に巻回して形成している。このコイルアンテナ10は、導線5の巻線密度を調整するとともに、コイルアンテナ磁芯1bの磁気特性を利用して高利得を得ている。
例えば、このようなコイルアンテナ10は、特許文献1に開示されている。
一方、コイルアンテナ磁芯が高透磁率を有するフェライトや金属の軟磁性体の粉末またはフレークと、プラスチックとを混合してなる複合材により一体的に形成され、落下等に伴う衝撃による割れ等に対して、コイルアンテナ磁芯の強度を向上した電波時計等に用いられるコイルアンテナが開示されている。
例えば、このようなコイルアンテナは、特許文献2に開示されている。
さらに、コイルアンテナ磁芯がアモルファス薄帯を打ち抜き、あるいは切断して形成したアモルファス片を積層して形成され、衝撃に強く、かつコイルのQ特性を向上したコイルアンテナが開示されている。
例えば、このようなコイルアンテナは、特許文献3に開示されている。
特開昭59−006602号公報 特開2001−337181号公報 特開2004−179803号公報
現在、この種のコイルアンテナ磁芯、コイルアンテナ、及びコイルアンテナモジュールに対しては、可とう性を有し、落下等による外部からの衝撃によって破損したり、磁気特性が劣化したりしないで、かつ安価なものが求められている。
特許文献1の棒状フェライトコアを用いる場合には、近年普及しつつある電波時計やキーレスシステムなどに用いられた場合に、落下や衝突等によって生じる衝撃や振動などが加わることで、コイルアンテナ磁芯が割れる問題がある。このような割れた棒状フェライトコアを用いた場合、コイルアンテナ磁芯は、割れる前の磁芯と比べて透磁率が低下し、コイルアンテナとしてのアンテナ性能が低下するため、電波の送信、あるいは受信する機能を低下させる。
また、フェライトコアは、粉末を高い圧力でプレス成型し、焼結して形成するため、形状の多様性に対する対応が限られ、また可とう性がないと言う問題もある。
特許文献2の複合材を用いる場合には、コイルアンテナ磁芯の透磁率があまり高くないと言う問題がある。
複合材のコイルアンテナ磁芯は、コイルアンテナとしてアンテナ特性の向上を目指す場合に、複合材の透磁率を高くする必要があるが、フェライト粉末の充填率を最大限まで上げた場合であっても、同材質で同形状のフェライトコアと比較した場合にその磁気特性が及ばないと言う問題がある。
さらに、樹脂と混合した複合材の場合は、透磁率を上げるために樹脂中の磁気特性を有した粉末の充填率を上げていくと、次第に割れ易くなるという問題もある。
特許文献3のアモルファスの薄帯を使用する場合は、磁芯の価格が高くなるという問題と、超硬度で高価な打ち抜き金型が必要となり、打ち抜き後にアモルファス片に生じる歪を取り除くための焼鈍工程が必要と言った問題がある。さらには、アモルファス片の飛散防止対策を施す処置が必要となると言う問題もある。
本発明の第一の技術的課題は、耐衝撃性と可とう性に優れ、かつ安価なコイルアンテナ磁芯を提供することにある。
本発明の第二の技術的課題は、耐衝撃性と可とう性に優れ、かつ安価なコイルアンテナを提供することにある。
本発明の第三の技術的課題は、耐衝撃性と可とう性に優れ、かつ安価なコイルアンテナモジュールを提供することにある。
本発明は、上記第一の技術的課題を解決すべく、板状のフェライトコアにテープを貼り付けてラミネートし、テープでラミネートされた前記フェライトコアを板状の状態で小片に砕いたシートを用いてコイルアンテナ磁芯を形成することにより、コイルアンテナ磁芯に衝撃が加わった場合であっても、コイルアンテナ磁芯としての磁気特性の劣化がなく、コイルアンテナ磁芯を曲げた場合であっても、コイルアンテナ磁芯としての磁気特性の変化が少なく、かつ原料価格の安いフェライトコアを用いることで安価なコイルアンテナ磁芯ができる。
本発明は、上記第二の技術的課題を解決すべく、板状のフェライトコアにテープを貼り付けてラミネートし、テープでラミネートされた前記フェライトコアを板状の状態で小片に砕いたシートを用いてコイルアンテナ磁芯を形成することにより、コイルアンテナに衝撃が加わった場合であっても、コイルアンテナとしての磁気特性の劣化がなく、コイルアンテナを曲げた場合であっても、コイルアンテナとしての磁気特性の変化が少なく、かつ原料価格の安いフェライトコアを用いることで安価なコイルアンテナができる。
本発明は、上記第三の技術的課題を解決すべく、板状のフェライトコアにテープを貼り付けてラミネートし、テープでラミネートされたフェライトコアを板状の状態で小片に砕いたシートを用いてコイルアンテナ磁芯を形成することにより、コイルアンテナモジュールに衝撃が加わった場合であっても、コイルアンテナモジュールとしての磁気特性の劣化がなく、コイルアンテナモジュールを曲げた場合であっても、コイルアンテナモジュールとしての磁気特性の変化が少なく、かつ原料価格の安いフェライトコアを用いることで安価なコイルアンテナモジュールができる。
なお、ラミネートされ、小片に砕かれた板状のフェライトコアのシートを一つ以上積層してコイルアンテナ磁芯ができる。
なお、板状のフェライトコアにテープを貼り付けてラミネートすることにより、フェライトコアを小片に砕いた際に小片の飛散を防止することができ、かつフェライトコアの小片をシート状に形成することが容易にできる。
さらに、フェライトコアをテープで覆って、小片に砕いて形成することで、ダイシングソーやレーザー切断機などを用いて切断することができ、あるいはプレス金型等を用いて打ち抜いて任意の形状に形成することもできる。
フェライトコアは、スピネル構造を有する軟磁性体のセラミックス焼結体であり、砕いて小片にすることが容易で、透磁率が高く、特に長波から中波帯の周波数領域での磁気損失が少なく、かつ原材料の価格は、比較的に安価である。
テープがフェライトコアを覆うように貼り付けてラミネートすることで、フェライトコアを砕いて小片にした後、小片の向きと位置とを保持することができ、かつ磁気特性の低下を少なくすることができる。なお、テープで板状フェライトコアの両面を覆うことが望ましい。
なお、テープは、両面、あるいは片面に粘着層を有し、電気絶縁性を有するものであることが好ましい。
さらに、両面に粘着層を有するテープは、フェライトコアの一方の面に貼付けた後に剥離フィルムを剥がし、フェライトコアの面に粘着層を残すことができるようにすることで複数のコイルアンテナ磁芯を積層することができる。
また、テープは、フェライトコアを小片に砕いたり、砕いた小片からなるコイルアンテナ磁芯を曲げた場合に、剥がれたり、千切れたりしないように伸縮性、及び弾力性を有するものを選定することが好ましい。
コイルアンテナ磁芯を切り出し、あるいは打ち抜かれてなるコイルアンテナ磁芯の側面には、テープを貼り付けたり、接着剤を塗布したり、樹脂で覆ったりすることで、砕いたフェライトコアの小片や粉末の飛散を防止することが望ましい。
本発明によれば、軟磁性体からなる磁芯であって、磁芯は、板状のフェライトコアをテープでラミネートし、その後前記フェライトコアを板状の小片に砕いてなるシートを用いたことを特徴とするコイルアンテナ磁芯が得られる。
本発明によれば、前記シートを積層して形成したことを特徴とするコイルアンテナ磁芯が得られる。
本発明によれば、前記シートを切り抜き、もしくは打ち抜き、側面をテープ、接着剤、あるいは樹脂で覆って用いたことを特徴とするコイルアンテナ磁芯が得られる。
本発明によれば、前記コイルアンテナ磁芯と、前記コイルアンテナ磁芯に導体を一つ以上巻回してなるコイルとからなることを特徴とするコイルアンテナが得られる。
本発明によれば、前記コイルアンテナと、前記コイルアンテナとインピーダンス共振するコンデンサと、前記コイルアンテナと前記コンデンサを載置する基板と、前記基板を収納するケースとからなることを特徴とするコイルアンテナモジュールが得られる。
本発明により、耐衝撃性と可とう性に優れ、かつ安価なコイルアンテナ磁芯、及びコイルアンテナ、及びコイルアンテナモジュールの提供が可能となった。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳述する。
図1は、本発明のコイルアンテナ磁芯を説明する図で、図1(a)は、上面図で、図1(b)は、側面図で、図1(c)は、A−A線で切断した円B内の拡大断面図である。
コイルアンテナ磁芯1を形成するシート8は、板状のフェライトコア2の上下面にテープ基材3aと粘着層3bを有したテープ3を貼付けてラミネートした後、フェライトコア2を板状の小片に砕いて形成している。
フェライトコア2は、Fe、Ni、Cu、Zn、あるいはFe、Mn、Cu、Znを主組成材料とし、スピネル構造を有したセラミックス焼結体とすることにより、磁気特性に優れ、かつ、比較的安価な原材料とすることができる。
フェライトコア2は、厚み0.1mm以上0.5mm以下とすることにより、板状の小片に砕いて形成することが容易で、最初に砕いて置くことで外部から衝撃を受けた際の磁気特性の変化が少なく、かつ柔軟性に優れたコイルアンテナ磁芯1を形成するシート8とすることができる。
なお、厚み0.2mm以上0.3mm以下とすることにより、さらに可とう性に優れたコイルアンテナ磁芯とすることができるのでより好ましい。
なお、フェライトコア2は、プレス方法、グリーンシート成膜方法などにより板状体を形成しても良く、あるいは、焼結したフェライトコア2をダイシングソー、ワイヤーソーなどにより切断して形成しても良い、また平坦度を得るために研磨機などを用いて上下面を研磨して形成しても良い。
テープ3は、プラスチックフィルムからなるテープ基材3aの両面、あるいは片面に粘着層3bを有し、両面に粘着層3bを有する場合には、一方の面にプラスチックフィルム等からなる剥離ライナー4を備え、電気絶縁性を有するものであることが好ましい。
図2は、本発明のコイルアンテナ磁芯を説明する図で、図2(a)は、上面図で、図2(b)は、円C内の拡大図である。
小片は、小片を上面から見て直径3mmの円内に概収まる形状とするのが良く、望ましくは、直径2mmの円内に概収まる形状とするのが可とう性を得る上でより好ましい。
小片に砕く方法としては、接合面に凹凸を設けた金型を用いてプレスすることにより、砕いて形成する方法があり、凹凸の間隔、高さ、形状、および金型表面の弾性などを調整することにより小片のサイズやばらつきを制御することができる。
また、互い違いに配したロール間を通し、砕いて形成する方法もあり、ロール間の位置、ロールの径、ロール表面の凹凸、ロール表面の弾性などを調整することにより小片のサイズやばらつきを制御することができる。
また、シート8は、ダイシングソーやレーザー切断機などを用いて切断したり、プレス金型等を用いて打ち抜いたりして所望の形状に形成することができる。
なお、切断、あるいは打ち抜いたシート8の側面は、テープを貼付けたり、接着剤を塗布したり、樹脂でコーティングしたりして覆い、砕いたフェライトコアの小片や粉末の飛散を防止するように形成するのが望ましい。
図3は、本発明のコイルアンテナ磁芯を説明する図で、図3(a)は、上面図で、図3(b)は、側面図で、図3(c)は、D−D線で切断した円E内の拡大断面図である。
コイルアンテナ磁芯1aは、図1、及び図2で示したシート8をテープ3に配した粘着層3bを用いて接着し、シート8を3段積み重ねて形成している。
コイルアンテナ磁芯1aは、所望する磁気特性に応じて更にシート8を積み重ねたり、横に並べたり、巻きつけたりして形成することもできる。ここでは、コイルアンテナ磁芯1aを直方体状に形成しているが、導線を巻回する磁路の断面が、円、楕円、長円、あるいは多角形の形状に形成することができ、かつ端部に鍔を設けたり、突起を設けたり、貫通孔を設けたり、非対称形状に形成したりすることも容易にできる。
図4は、本発明のコイルアンテナを説明する図である。
コイルアンテナ10は、図3で示したコイルアンテナ磁芯1aに絶縁被覆で覆われた導線5を巻回してコイル6を設け、コイル6の端部を端子7に形成している。
コイルアンテナ10は、このように形成することにより、外部から衝撃を受けた場合に磁気特性の劣化がなく、可とう性に優れ、かつ安価にすることができる。
図5は、本発明のコイルアンテナモジュールを説明する回路図である。
受信側のコイルアンテナモジュール11aは、図4で示したコイルアンテナと、コンデンサ12aとが並列に配され、受信した信号を復調し、受信する復調回路と受信器とが配されて構成している。また、送信側のコイルアンテナモジュール11bは、図4で示したコイルアンテナと、コンデンサ12bとが直列に配され、送信する信号を変調する復調回路と信号発生器とが配されて構成している。
図6は、本発明のコイルアンテナモジュールを説明する斜視図である。
コイルアンテナ10は、基板等に実装され、プラスチックやシリコーンやゴムなどの材質で構成されるケース13、あるいは樹脂等で覆われてコイルアンテナモジュール11aとして使用することができる。なお、外部と通信する信号線や電源を給電する電源線などとなるリード線14が基板の配線に接続されている。
なお、本実施例では、板状のコイルアンテナ磁芯の長手方向に磁束が生じるようにコイルを巻回した構造のコイルアンテナ、及びコイルアンテナモジュールの事例を示しているが、板状のコイルアンテナ磁芯の外面にコイルを配置し、コイルアンテナ磁芯の面方向、長手方向、あるいは短手方向に磁束が生じるように用いることもできる。すなわち、磁気誘導効果を利用する磁芯等にも用いることができる。
以下に実施例を用いて、本発明の実施の形態を詳述する。
(実施例1)
本発明のコイルアンテナ磁芯1は、板状のフェライトコア2として、形状が長さ50mm、幅10mm、厚み0.2mmで、材質がFe、Ni、Cu、Znを主組成とした周波数1MHzでの初透磁率が約500であるフェライト焼結体を使用した。
テープ3として、厚みが10μmで、テープ基材3aがポリエステルフィルムで、テープ基材3aの両面にアクリル系粘着層3bと一方の面に剥離できるポリエステルフィルムの剥離ライナー4を備えた両面接着テープ(日東電工(株)製No.5601)を使用した。
なお、テープ3として、厚みが30μmの絶縁用ポリエステルフィルムテープ[(株)寺岡製作所製No.631S(#12)片面粘着タイプ]を用いても形成することができた。
コイルアンテナ磁芯1を形成するシート8は、フェライトコア2のテープ3を貼り付けて板状を覆ったものを互い違いに配置したロール間を通過させ、板状のフェライトコアにテープ3を貼り付けた状態で小片に砕き、小片を上面から見て直径3mm以下となるように形成した。
なお、上述したシート8は、ダイシングソーを用いて切断したり、プレス金型などを用いて打ち抜いたりすることができた。
この場合にフェライトコア2の側面は、テープ3を貼り付けたり、接着剤を塗布したり、樹脂や塗料などを用いてコーティングしたりするなどして小片や粉末の飛散を防止することができた。
砕く方法としては、フェライトコア2をロールに通過させた後、その通過方向に対して90度回転して通過させることで均一に砕くことができた。
また、接合面表面に波状の凹凸を設けた金型を用いてプレス成型して砕いても同様に形成することができた。
なお、砕く場合には、ロールやプレス金型の表面には、シリコーン樹脂やゴムなどの弾性を有したものを用いることでテープ3を破らないようにしてフェライトコア2を砕くことができた。
上記の要領で作製した本発明のコイルアンテナ磁芯1の上面から見た小片の大きさを表1に示す。
なお、表1の小片の大きさは、小片を略中央から見て最大の長さと最小の長さとを足して2で割ったものである。
Figure 2010114824
以上により、図1、および図2に示したコイルアンテナ磁芯1を得た。
(実施例2)
本発明のコイルアンテナ磁芯1aは、上述した図1、及び図2に示したシート8を積層して三段に形成した。この場合、テープ3に備わる剥離ライナーを引き剥がし、面と面とを張り合わせることで一体に形成した。
以上により、図3に示したコイルアンテナ磁芯1aを得た。
(実施例3)
本発明のコイルアンテナ10は、上述した図3に示すコイルアンテナ磁芯1aにポリウレタンの絶縁被覆で覆われ、直径0.3mmの銅線からなる導体5を80ターン巻回し、周波数125kHzでのインダクタンスが約120μHとなるコイル6を形成した。
コイル6の各々の端子7は、絶縁皮膜を除去し、基板に半田接続等ができるように半田メッキなどの処理を施した。
以上により、図4に示したコイルアンテナ10を得た。
(実施例4)
図4に示すコイルアンテナ10を、長さ63mm、幅13mm、厚み0.3mmで銅箔による配線が施されたガラスエポキシ基板上に実装し、コイルアンテナ10のコイル6と静電容量16000pFのコンデンサ12aを並列接続し、約125kHzでの受信ができる図5の回路に用いられ、図6に示したコイルアンテナモジュール11aを形成した。
なお、コイルアンテナモジュール11aは、外装をプラスチックやシリコーンゴムなどの可とう性を有したケース13に収納して形成した。
なお、その回路には、送信信号に含まれる搬送波を除去して信号を復調する復調回路と受信機とが含まれ、外部と通信や給電などを行うリード線14が接続されている。
同様に上述した図4に示すコイルアンテナ10を、長さ63mm、幅13mm、厚み0.3mmで銅箔の配線が施されたガラスエポキシ基板上に実装し、コイルアンテナ10のコイル6と静電容量16000pFのコンデンサ12bを直列接続し、約125kHzでの送信ができる図5の回路に用いられ、コイルアンテナモジュール11aとほぼ同一の形状となるコイルアンテナモジュール11bを形成した。
なお、コイルアンテナモジュール11bは、外装をプラスチックやシリコーンゴムなどの可とう性を有したケース13に収納して形成した。
なお、その回路には、送信信号を作る信号発生器とその信号を電波として搬送するための変調回路とが含まれ、外部と通信や給電などを行うリード線14が接続されている。
上述した図5に示す回路を用いて音声信号を125kHzの搬送波に乗せて送信側のコイルアンテナモジュール11bから無線送信し、コイルアンテナモジュール11bから1m離れた位置に受信側のコイルアンテナモジュール11aを設置して受信し、復調回路によって搬送波を除去し、音声信号を再現できることを確認した。
なお、送信側のコイルアンテナモジュール11bから1m離れた位置でループアンテナを用いて計測した結果、送信電波の電界強度が従来のコイルアンテナモジュールと同等の約110μV/mの値が得られることがわかった。
コイルアンテナモジュール11aの端部を支持し、約5mmたわませた前後では、周波数125kHzでのコイルアンテナのインダクタンスが、120μHより殆ど変化しないことを確認した。
上記の要領で作製した図6に示した本発明のコイルアンテナモジュール11aを高さ1mの位置からコンクリート床面に対してX、Y、Zの3方向で自由落下させて衝撃を与え、周波数125kHzでのコイルのインダクタンスとQ特性の変化の結果を表2に示す。また、その小片の変化を観察した。
なお、試験は、数量n=1個にて行った。
また、落下回数は、X,Y,Zの3方向に各々一回ずつで一回とした。
Figure 2010114824
表2の結果によれば、図6に示した本発明のコイルアンテナモジュール11aは、自由落下による衝撃試験において電気的特性が変化しないことがわかった。
また、拡大鏡を用いた目視検査により、上面から見たシート8の小片の割れが進行していないことがわかった。
以上、実施例を用いて、この発明の実施の形態を説明したが、この発明は、これらの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更があっても本発明に含まれる。すなわち、当業者であれば、当然なしえるであろう各種変形、修正もまた本発明に含まれる。
本発明のコイルアンテナ磁芯を説明する図。図1(a)は、上面図。図1(b)は、側面図。図1(c)は、A−A線で切断した円B内の拡大断面図。 本発明のコイルアンテナ磁芯を説明する図。図2(a)は、上面図。図2(b)は、円C内の拡大図。 本発明のコイルアンテナ磁芯を説明する図。図3(a)は、上面図。図3(b)は、側面図。図3(c)は、D−D線で切断した円E内の拡大断面図。 本発明のコイルアンテナを説明する図。 本発明のコイルアンテナモジュールを説明する回路図。 本発明のコイルアンテナモジュールを説明する斜視図。 従来のコイルアンテナを説明する図。
符号の説明
1、1a コイルアンテナ磁芯
2 フェライトコア
3 テープ
3a テープ基材
3b 粘着層
4 剥離ライナー
5 導線
6 コイル
7 端子
8 シート
10 コイルアンテナ
11a、11b コイルアンテナモジュール
12a、12b コンデンサ
13 ケース
14 リード線

Claims (5)

  1. 板状のフェライトコアをテープでラミネートし、その後、前記フェライトコアを板状の小片に砕いてなるシートを用いたことを特徴とするコイルアンテナ磁芯。
  2. 前記シートを積層して形成したことを特徴とする請求項1記載のコイルアンテナ磁芯。
  3. 前記シートを切り抜き、もしくは打ち抜き、側面をテープ、接着剤、あるいは樹脂で覆って用いたことを特徴とする請求項1または2記載のコイルアンテナ磁芯。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のコイルアンテナ磁芯と、前記コイルアンテナ磁芯に導体を一つ以上巻回してなるコイルとからなることを特徴とするコイルアンテナ。
  5. 請求項4に記載の前記コイルアンテナと、前記コイルアンテナとインピーダンス共振するコンデンサと、前記コイルアンテナと前記コンデンサを載置する基板と、前記基板を収納するケースとからなることを特徴とするコイルアンテナモジュール。
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