JP2010114161A - 半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置 - Google Patents

半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置 Download PDF

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将誉 杉山
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Abstract

【課題】電極パッドに対してプローブピンを確実に接触させ、半導体ウェハに備えられる半導体チップ全てを漏れなく確実に検査可能な半導体ウェハの検査方法及び検査装置を提供する。
【解決手段】半導体ウェハ50に、予め、少なくとも1以上のダミーパッド53を設け、プローブカード3は、ダミーパッド53に対応する配列でダミープローブピン33を備えており、電極パッド52が複数並べられてなるパッド列57の配列方向に対して交差する一方向側から、電極パッド52にプローブピン32を接触させるとともに、前記一方向と反対側の方向から、ダミーパッド53にダミープローブピン33を接触させ、ダミープローブピン33は、プローブピン32よりも少ない本数とされ、且つ、ダミープローブピン33のダミーパッド53への接触荷重F2を、プローブピン32の各々の電極パッド52への接触荷重F1よりも大きな荷重として検査を行なう。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体ウェハの検査方法と、半導体ウェハの検査装置に関する。
一般に、半導体装置の製造工程においては、略円盤状の半導体ウェハに各種処理を施すことによって複数のチップを形成する。このようにして製造された各チップは、電気的特性の検査を行なった後、ダイシングによって分割され、リードフレーム等に固定されることで半導体装置として組み立てられる。この際の、各々のチップの電気的特性の検査は、プローブ装置とテスタ装置とが組み合わされた半導体ウェハの検査装置によって行なわれる。プローブ装置は、被検査物である半導体ウェハをステージ上に載置し、各々のチップの電極パッドにプローブピンを接触させることにより、電気的特性を検出することが可能な構成とされている。また、テスタ装置は、プローブピンに接続される端子から電源及び各種試験信号を供給することにより、チップの電極パッドに出力される信号を解析して、各々のチップが正常に動作するか否かを検査する。そして、正常に動作しないものについては、その後の工程から除外する。
上述のようなプローブピンは、プローブカード上に設けられ、プローブピンの配列は検査を行う半導体チップの電極パッドの配列に対応している。そして、プローブ装置は、ステージ上に半導体ウェハを載置すると、プローブ装置に設けられたアライメントカメラによって各チップの電極パッドの位置を検出し、該電極パッドの配列方向とプローブピンの配列方向が一致するようにステージを水平方向に移動させる。次いで、対応するプローブピンの真下に電極パッドが位置した状態とした後、この状態でステージを上昇、つまり垂直移動させることで電極パッドをプローブピンに接触させることにより、所謂プロービングを行なう。そして、電極パッドとプローブピンとが接触した後、テスタ装置からプローブピンに接続される端子を介して電源及び各種の試験信号が各チップに供給される。そして、チップの電極に出力される信号をテスタ装置で解析して正常に動作するか否かを確認することで、電気的特性の検査が終了する。
このような半導体ウェハの検査装置として、プローブカードにダミープローブピンを設け、このダミープローブピンを被測定物である半導体装置の電子部品に弾性接触させることにより、複数のプローブピン間の荷重差を小さくする検査装置が提案されている(例えば、特許文献1を参照)。
また、プローブカード上に複数のダミーバンプ(突起物)を設け、このダミーバンプを被測定物である半導体装置の基板に接触させる構成とされた検査装置が提案されている(例えば、特許文献2を参照)。
特開平9−15262号公報 特開2002−303652号公報
ここで、本発明者等が半導体ウェハの検査方法及び検査装置について鋭意研究したところ、上述した従来の検査方法及び検査装置においては、以下に説明するような問題があることが明らかとなった。
例えば、図4(a)、(b)に示すような、従来の半導体ウェハの検査装置においては、通常、プローブピン110は、半導体チップ150のプローブパッド151に斜め方向から接触する。このため、プローブパッド151に対して、プローブピン110を半導体チップ150の1方向側から接触させた場合には、プローブピン110が斜め方向からプローブパッド151に接触するので、半導体チップ150に偏荷重Fが加わる。このような場合、半導体チップ150を1チップずつ測定するのであれば、ステージ120が傾斜してもプローブピン110はプローブパッド151に接触した状態を維持できるため、特に問題は無い。しかしながら、一度に多くの半導体チップ150を測定する場合には、ステージ120に大きな偏荷重が加わるため、ステージ120が大きく傾いてしまう虞がある。このような場合、一部の半導体チップ150において、プローブパッド151にプローブピン110が接触せず、当該半導体チップ150の測定ができなくなるという問題があった。このような、プローブピン110とプローブパッド151との間で生じる離間状態を解消し、確実に接触させるためには、プローブピン110の位置決めを行なうプローブカード110及びステージ120の各々を水平状態に保持する必要があった。
上記問題を解決するため、図5(a)、(b)に示すように、半導体チップ150の両側から均等にプローブピン110を配し、複数のプローブパッド151に対して両側から交互に接触させる方法が提案されている。このような方法とすることにより、プローブピン110によって半導体チップ150に付与される荷重が均一となり、偏荷重によってステージ120が傾斜するのが防止でき、プローブピン110をプローブパッド151に対して確実に接触させることができる。
しかしながら、チップサイズが微小化された半導体チップ250A、250B、250Cに上記技術を適用した場合、以下に説明するような問題がある。まず、図6(a)に示すように、半導体チップ250Aのプローブパッド251aに接触するプローブピン110と、隣り合う半導体チップ250Bのプローブパッド251bに接触するプローブピン110とが重なり合ってしまう。このため、プローブピン110をプローブカード100(図5(b)参照)上に設置することができず、図6(b)に示すように、半導体チップ250A、250B、250Cに対して一つ置きでプローブピン110を配し、測定する方法となってしまう。この場合、隣り合う半導体チップを同時に測定することができないため、1枚の半導体ウェハ上の全ての半導体チップを測定するのに必要なインデックス数が増加し、工程増のために効率的な測定が出来ないという問題がある。また、半導体チップ1つあたりに備えられるプローブパッドが奇数個である場合、半導体チップのプローブパッドに対して両側方からプローブピンを接触させたとしても、必然的にプローブピン1本分の偏荷重が加わる。このため、多数の半導体チップを同時に測定する場合には、偏荷重がさらに増大し、半導体ウェハを載置するステージが傾斜するという問題があった。
このため、上述した従来の検査方法及び検査装置の何れにおいても、半導体チップの姿勢を安定して保持することができず、ステージ上の半導体チップ全てを漏れなく確実に検査することが困難であることが明らかとなった。
上記問題を解決するため、本発明の半導体ウェハの検査方法は、半導体ウェハの電極パッドに接触する複数のプローブピンを備えた検査装置を用い、前記半導体ウェハの電気的特性を検査する半導体ウェハの検査方法であって、前記半導体ウェハに、予め、少なくとも1以上のダミーパッドを設け、前記検査装置は、前記ダミーパッドに対応する配列でダミープローブピンを備えており、前記電極パッドが複数並べられてなるパッド列の配列方向に対して交差する一方向側から、前記電極パッドに前記プローブピンを接触させるとともに、前記一方向と反対側の方向から、前記ダミーパッドに前記ダミープローブピンを接触させ、前記ダミープローブピンは、前記プローブピンよりも少ない本数とされ、且つ、前記ダミープローブピンの前記ダミーパッドへの接触荷重を、前記プローブピンの各々の前記電極パッドへの接触荷重よりも大きな荷重として検査を行なうことを特徴とする。
係る構成の半導体ウェハの検査方法によれば、半導体ウェハの電極パッドにプローブピンを接触させるとともに、ダミーパッドにダミープローブピンを接触させながら検査を行なうので、半導体ウェハを傾斜させることなく検査を行なうことができる。これにより、半導体ウェハの姿勢が安定して保持され、半導体ウェハの電極パッドとプローブピンとが漏れなく接触するので、非検査物である半導体ウェハの全てを確実に検査することが可能となる。
また、本発明の半導体ウェハの検査装置は、半導体ウェハの電極パッドに接触する複数のプローブピンと、前記半導体ウェハ上に少なくとも1以上設けられるダミーパッドに対応して配されるとともに、前記ダミーパッドに接触するダミープローブピンが備えられており、前記プローブピンは、前記電極パッドが複数並べられてなるパッド列の配列方向に対して交差する一方向側から前記電極パッドに接触するように配され、前記ダミープローブピンは、前記一方向と反対側の方向から前記ダミーパッドに接触するように配されており、さらに、前記ダミープローブピンは、前記プローブピンよりも少ない本数とされ、且つ、前記ダミーパッドへの接触荷重が、前記プローブピンの各々の前記電極パッドへの接触荷重よりも大きな荷重であることを特徴とする。
係る構成の半導体ウェハの検査装置によれば、半導体ウェハの電極パッドに接触させるプローブピンを備えるとともに、ダミーパッドに接触させるダミープローブピンを備える検査装置なので、半導体ウェハを傾斜させることなく安定した姿勢で保持できる。これにより、半導体ウェハの電極パッドとプローブピンとを漏れなく接触させることができるので、非検査物である半導体ウェハの全てを確実に検査することが可能となる。
本発明の半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置によれば、上記構成により、半導体ウェハを傾斜させることなく安定した姿勢で保持しながら、電極パッドとプローブピンとを漏れなく接触させ、非検査物である半導体ウェハ上の全ての半導体チップを確実に検査することが可能となる。また、チップサイズが微小化された半導体ウェハを測定する場合においても、プローブピン同士が重なり合うことなく配置され、各々隣接する半導体チップを同時に検査することができるので、半導体ウェハ1枚あたりの検査に必要なインデックス数が抑制できる。従って、半導体ウェハの製造工程において、正確且つ効率的に検査を行なうことができ、歩留まり及び生産効率を向上させることが可能となる。
以下に、本発明の実施形態である半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置(以下、検査装置と略称することがある)について、図1〜図3を適宜参照しながら説明する。なお、以下の説明において参照する図面は、本実施形態の半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置を説明する図面であって、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の検査装置等の寸法関係とは異なっている。
[第1の実施形態]
以下に、本発明の第1の実施形態の半導体ウェハの検査方法及び検査装置について、図1(a)、(b)を参照しながら説明する。ここで、図1(a)、(b)は、本実施形態で説明する検査装置1を示す模式図であり、図1(a)はステージ上に半導体ウェハ50が載置された状態を示す平面図、図1(b)は側面図である。
本実施形態の検査装置1は、半導体ウェハ50(半導体チップ51)の電極パッド52に接触する複数のプローブピン32と、半導体ウェハ50を載置するとともにプローブカード3に対して相対的に移動するステージ2とが備えられ、半導体ウェハ50上に少なくとも1以上設けられるダミーパッド53に対応して配されるとともに、ダミーパッド53に接触するダミープローブピン33が備えられており、プローブピン32は、電極パッド52が複数並べられてなるパッド列57の配列方向に対して交差する一方向側から電極パッド52に接触するように配され、ダミープローブピン33は、前記一方向と反対側の方向からダミーパッド53に接触するように配されており、さらに、ダミープローブピン33は、プローブピン32よりも少ない本数とされ、且つ、ダミーパッド53への接触荷重F1が、プローブピン32の各々の電極パッド52への接触荷重F2よりも大きな荷重とされ、概略構成されている。
本実施形態の検査装置1によって電気的特性が検査される被検査物の半導体ウェハ50は、例えば、半導体が結晶成長されたインゴットが略円盤状に切り出されてなるウェハに対し、各種処理が施されて複数のチップ(半導体チップ51)が形成されたものである。このような複数のチップが形成されてなる半導体ウェハ50は、検査装置1によって電気的特性の検査が行われる。その後、半導体ウェハ50はダイシングによって各チップ単位に分割され、これらチップがリードフレーム等に固定されることで、半導体装置として組み立てられる。
そして、本実施形態の検査装置1は、上述のような半導体ウェハ50をステージ1上に載置、固定し、プローブカード3に備えられるプローブピン32を、半導体ウェハ50の各々の半導体チップ51に備えられる電極パッド52に接触させる。そして、上述したテスタ装置から、電源及び各種の試験信号を、プローブピン32を介して各半導体チップ51に供給し、各半導体チップ51の電極パッド52に出力される信号をテスタ装置で解析して正常に動作するか否かを判定することにより、電気的特性の検査を行なう。
ステージ2は、上面2aに被検査物である半導体ウェハ50が載置される台であり、従来からこの分野において用いられる金属材料等から構成することができる。本実施形態のステージ2は、半導体ウェハ50を載置するとともにプローブカード3に対して相対的に移動する構成とされている。また、ステージ2は、詳細な図示を省略するが、例えば、円形の半導体ウェハ50よりも大きく、該半導体ウェハ50の周縁部に対して余裕を持った大きさの平面視略正方形として構成することができる。
ステージ2は、例えば、モータ等からなる図示略のX−Y方向移動装置によって水平移動可能とされるとともに、同様に、図示略のZ方向移動装置によって垂直移動可能に構成されている。このような構成により、プローブ装置1を用いて半導体ウェハ50を検査する際は、まず、ステージ2の上面2aにおける載置領域に載置された半導体ウェハ50と後述のプローブカード3とが離間した状態で水平移動する。そして、プローブカード3上に備えられるプローブピン32と、半導体ウェハ50における測定対象の各半導体チップ51とが対向した位置で、ステージ2が垂直方向に移動する。これにより、測定対象である各半導体チップ51の電極パッド52とプローブピン32とが接触し、電気的特性の検査が可能となる。
また、ステージ2の載置領域には、真空吸引によって半導体ウェハ50を載置領域に固定するための、図示略の複数の吸着用穴が設けられている。そして、この吸着用穴は、真空吸引を行なうための図示略の吸引装置に接続されている。これにより、検査装置1を用いて半導体ウェハ50を検査する際は、該半導体ウェハ50がステージ2の載置領域上に、位置ずれすることが無いように固定される。
プローブカード3は、半導体ウェハ50の電極パッド52に接触することで半導体ウェハ50の電気的特性を検出するプローブピン32が備えられ、図1(a)、(b)に示す例においては、カード31aの下面側にプローブピン32が備えられた構成とされている。また、プローブカード3には、カード31bの下面側に、半導体チップ51上に備えられるダミーパッド53に対して弾性接触するダミープローブピン33が設けられている。
カード31(31a、31b)は、プローブカード3の基台であり、従来からプローブカード用として用いられている材料を何ら制限無く採用することができる。また、図示例では、説明の都合上、カード31が、カード31a及びカード31bの2つのカードから構成される例を示しているが、例えば一体構成としても良く、装置仕様等に併せて適宜採用することができる。
プローブピン32は、上記カード31aの下面5a側に取り付けられ、被検査対象である半導体ウェハ50におけるチップ上の電極配置に対応して配置される。また、本実施形態のプローブピン32は、カード31aの下面側から下方に延伸するように形成され、例えば、カンチレバー式やスプリングレバー式等の接点として構成される。
また、プローブピン32は、半導体ウェハ50における各半導体チップ51上で、所定列で並んだ複数の半導体チップ51を同時に測定可能なように、半導体チップ51の電極パッド52が複数並べられてなるパッド列57の配列に対応して配される。ここで、図1(a)に示す例のように、半導体チップ51の1個あたりにおいて、計15箇所の電極パッド52が一列に設けられている場合、10個の半導体チップ51を同時に測定可能とするには、10個分の半導体チップ51に対応するように、プローブピン32を計150本配列した構成とする。
プローブカード3には、上述したように、カード31bの下面側にダミープローブピン33が設けられている。ダミープローブピン33は、半導体ウェハ50の検査を行なう際、プローブピン32が半導体チップ51上の電極パッド51に接触するのと同時に、ダミーパッド53に対して弾性接触するものである。このようなダミープローブピン33としては、上記プローブピン32と同様の材質及び構造のものを採用することができる。
本実施形態の検査装置1では、プローブカード3にダミープローブピン33が設けられ、半導体ウェハ50上の電極パッド51にプローブピン32を接触させながら、ダミーパッド52にダミープローブピン33を弾性接触させることが可能な構成とされている。これにより、プローブピンのみを半導体チップ上の電極パッドに接触させる従来の構成に比べ、偏荷重によって半導体ウェハ50(半導体チップ51)が傾斜するのを抑制することができる。従って、半導体ウェハ50の姿勢が一定に保持され、プローブピン32が電極パッド51に接触せずに検査不可となる半導体チップ51が生じるのを防止することができるので、半導体ウェハ50上の半導体チップ51を漏れ無く検査することが可能となる。
なお、カード31には、半導体ウェハ50における各半導体チップ51の電極パッド52の位置を検出し、該電極パッド52の配列方向とプローブピン32の配列方向が一致するようにステージ2の位置を調整するための、図示略のアライメントカメラが備えられる。
また、プローブピン32は、図示略の電極パターンを介して、上述したテスタ装置に電気的に接続される。
上記構成とされたプローブカード3は、図1(b)に示すように、ステージ2並びに半導体ウェハ50と対向して配される。そして、本実施形態の検査装置1は、ステージ2がプローブカード3と相対して、図示略の移動装置によって水平移動(図1(a)、(b)中矢印X−Yを参照)、並びに垂直移動(図1(b)中の矢印Zを参照)が可能な構成とされる。
また、本実施形態では、プローブピン32が、電極パッド52が複数並べられてなるパッド列57の配列方向に対して交差する一方向側から電極パッド52に接触するように配され、ダミープローブピン33は、前記一方向と反対側の方向からダミーパッド53に接触するように配されている。
さらに、本実施形態では、ダミープローブピン33が、プローブピン32よりも少ない本数、図示例では1本とされ、且つ、ダミーパッド53への接触荷重が、プローブピン32の各々の電極パッド52への接触荷重よりも大きな荷重とされている。
以下に、本実施形態の半導体ウェハの検査方法について、上述したような本実施形態の検査装置1を用いて行なう方法を例に、図1(a)、(b)を参照して説明する。
本実施形態の半導体ウェハの検査方法は、上述したような、被検査物である半導体ウェハ50(半導体チップ51)の電極パッド52に接触するプローブピン32を備える検査装置1を用いて半導体チップ51の電気的特性を検査する方法であり、半導体ウェハ50に、予め、少なくとも1以上のダミーパッド53を設け、プローブカード3は、ダミーパッド53に対応する配列でダミープローブピン33を備えており、電極パッド52が複数並べられてなるパッド列57の配列方向に対して交差する一方向側から、電極パッド52にプローブピン32を接触させるとともに、前記一方向と反対側の方向から、ダミーパッド53にダミープローブピン33を接触させ、ダミープローブピン33は、プローブピン32よりも少ない本数とされ、且つ、ダミープローブピン33のダミーパッド53への接触荷重F2を、プローブピン32の各々の電極パッド52への接触荷重F1よりも大きな荷重として検査を行なう方法である。
まず、ステージ2の載置領域に被検査物である半導体ウェハ50を載置し、真空吸引等の方法によって固定し、図示略の温度調整手段により、ステージ2を加熱又は冷却し、ステージ2上の半導体ウェハ50を所定の検査温度に調整する。
次に、ステージ2を、該ステージ2上に載置された半導体ウェハ50と後述のプローブカード3とが離間した状態で、図示略のX−Y方向移動装置によって水平移動させる。そして、プローブカード3上に備えられるプローブピン32と、半導体ウェハ50において測定対象となる領域の半導体チップ51の電極パッド52とが対向した位置で、図示略のZ方向移動装置により、ステージ2を垂直方向に移動させる。これにより、図1(a)に示すように、各半導体チップ51の電極パッド52とプローブピン32とが接触し、電気的特性の検査が可能な状態となる。そして、プローブピン32を介して、図示略のテスタ装置から、電源及び各種の試験信号を各半導体チップ51に供給し、各半導体チップ51の電極パッド52に出力される信号をテスタ装置で解析する。この解析結果により、半導体ウェハ50の各半導体チップ51が正常に動作するか否かを判定することで、電気的特性の検査を行なう。
ここで、本実施形態では、半導体チップ51上の電極パッド52にプローブピン32を接触させると同時に、半導体チップ51上において電極パッド52が複数並べられてなるパッド列57に配置されたダミーパッド53にダミープローブピン33を接触させながら検査を行なう。また、図示例では、半導体チップ51上に計15個の電極パッド52が設けられており、プローブカード4には、電極パッド52に対応するように、計15本のプローブピン32が備えられている。また、ダミーパッド53は、半導体チップ51上に1個のみ設けられ、平面視で一列のバッド列57に配列された計15本のプローブピン32の内、一端側から8個目と9個目の間に、プローブピン32を計8本と計7本の群に分割するように配置されている。そして、電極パッド52に対し、計15本のプローブピン32の全てをパッド列57の一方向側から接触させるとともに、ダミーパッド53に対して、前記一方向側と反対側からダミープローブピン53を接触させている。
従来の検査方法において、半導体チップ上の電極パッドに対して一側方のみから複数のプローブピンを接触させた場合、半導体チップ(半導体ウェハ)に大きな偏荷重が加わり、半導体チップが傾斜した姿勢となる。このため、プローブピンと電極パッドとの間が接触しない箇所が生じ、半導体ウェハ上において検査不可となる半導体チップが生じるという問題があった。
これに対し、本実施形態では、半導体チップ51上の電極パッド52にプローブピン32を接触させると同時に、ダミーパッド53にダミープローブピン33を接触させることで、半導体チップ51に印加される各々の接触荷重F1及びF2を釣り合わせる方法としている。これにより、半導体チップ51に偏荷重が印加されるのを抑制できるので、プローブカード3及び半導体ウェハ50(半導体チップ51)の姿勢が水平に保持され、全ての電極パッド52に対して所定のプローブピン32が接触するので、漏れの無い検査が可能となる。
そして、各種条件下での半導体ウェハ50上の同一領域における各半導体チップ51の検査が終了した後、ステージ2を垂直移動させ、プローブピン32と電極パッド32との間、並びにダミープローブピン33とダミーパッド53との間の各々を離間させる。次いで、ステージ2を水平移動させることにより、次に検査を行なう測定領域までプローブカード3を移動させる。そして、ステージ2を垂直移動させることにより、次の測定領域における各半導体チップ51の電極パッド52とプローブピン32との間、並びに、ダミーパッド53とダミープローブピン33との間を接触させ、上記手順により、電気的特性の検査を行なう。そして、上記各手順を繰り返すことにより、半導体ウェハ50の各々の半導体チップ51について、複数の測定領域で順次検査を行う。
なお、本実施形態では、半導体ウェハ50に設けられ、検査対象である全ての複数の半導体チップ51において、プローブピン32を電極パッド52に接触させるとともに、ダミープローブピン33をダミーパッド53に接触させる方法としても良い。あるいは、検査対象である複数の半導体チップ51の内の、1つの半導体チップ51に設けられるダミーパッド33のみにダミープローブピンを接触させる方法としても良い。本実施形態の検査方法では、プローブピン32による接触荷重F1と、ダミープローブピン33による接触荷重F2とが釣り合い、半導体ウェハ50の姿勢が保持できれば、各々の半導体チップ51全てにダミープローブピン33を接触させる必要は無い。
以上説明したような、本実施形態の半導体ウェハの検査方法及び検査装置によれば、半導体ウェハ50を傾斜させることなく安定した姿勢で保持しながら、電極パッド52とプローブピン32とを漏れなく接触させ、非検査物である半導体ウェハ50の全てを確実に検査することが可能となる。
また、本実施形態の半導体ウェハの検査方法及び検査装置では、パッド列57Bが並列で複数設けられ、パッド列57Bをなす複数の電極パッド52Bにプローブピン32Bを接触させるとともに、少なくとも1つのパッド列57Bにダミーパッド53Bを設け、ダミーパッド53Bにダミープローブピン33Bを接触させる構成を採用することも可能である。このような構成とした場合には、半導体ウェハの姿勢を保持できることで、例えば、信号測定用のプローブピンを一方向のみに向かう方向で配置することが可能となり、プローブピンが重なり合うこと等が無い。
例えば、図3に示す例のように、プローブピン32Bを一方向(図3中の右側へ向く方向)に向かう方向で配置することにより、各々のプローブピン32Bが重なり合うこと無く、プローブカード3Bを構成することが可能となる。即ち、チップ(半導体チップ51B)のサイズが微小化された半導体ウェハ50Bを測定する場合においても、プローブピン32B同士が重なり合うことなく配置され、各々隣接する半導体チップ51Bを同時に検査することができる。これにより、半導体ウェハ50Bを検査する際の、半導体ウェハ1枚あたりの検査に必要なインデックス数が抑制できる。従って、半導体ウェハ50Bの製造工程において、正確且つ効率的に検査を行なうことができ、歩留まり及び生産効率を向上させることが可能となる。
[第2の実施形態]
以下に、本発明の第2の実施形態の半導体ウェハの検査方法及び検査装置について、図2(a)、(b)を適宜参照しながら説明する。ここで、図2(a)、(b)は、本実施形態で説明する検査装置10を示す模式図であり、図1(a)はステージ20上に半導体ウェハ50Aが載置された状態を示す平面図、図1(b)は側面図である。
なお、本実施形態では、図1(a)、(b)に示す第1の実施形態の検査装置1と共通する構成については同じ符号を付し、また、その詳しい説明を省略する。
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態の検査装置10は、主に、プローブカード3Aに備えられるダミープローブピン33Aが、スクライブ領域56Aに設けられたダミーパッド54Aに対応して配されており、プローブピン32Aが、半導体チップ51Aの一側方から電極パッド52Aに接触するように設けられるとともに、ダミープローブピン33Aが、半導体ウェハ50A上のスクライブ領域56Aに設けられるダミーパッド54Aに対して、プローブピン32Aとは反対側から接触するように構成されている点で、上述した第1の実施形態の検査装置1とは異なる。また、図示例では、ダミーパッド54Aが、半導体ウェハ50A上のスクライブ領域56Aにおいて、パッド列57Aの延長線上に設けられている。
そして、本実施形態の検査方法は、上記構成とされた検査装置10を用いて、電極パッド52Aに対して、半導体チップ51A(パッド列57A)の一方側からプローブピン32Aを接触させるとともに、半導体ウェハ50A上のダミーパッド54Aに対して、プローブピン32Aとは反対側からダミープローブピン33Aを接触させることにより、半導体ウェハ50Aの姿勢を保持しながら検査を行なう点で、上述した第1の実施形態の検査方法とは異なる。
例えば、図1(a)、(b)に示す第1の実施形態の検査装置1を用いて半導体ウェハ50の検査を行なった場合、半導体チップ51上に新たにダミーパッド52を設ける必要がある。このような構成とした場合、半導体チップ51の仕様によっては、チップサイズが大型化することもある。これを解決する場合、例えば、当該半導体ウェハの検査には使用しない電極パッドをダミーパッドに見立て、これにダミープローブピンを弾性接触させる方法とすることも可能である。しかしながら、この方法では、ダミープローブピンによって電極パッドに大きな荷重が印加されるため、通常よりも大きなプローブピン接触痕が電極パッドに生じ、検査後の組立工程において、電極パッドにワイヤをボンディングすることが困難になる可能性がある。
本実施形態では、図2(a)、(b)に示すように、半導体ウェハ50A上において各半導体チップ51Aの間に設けられるスクライブ領域56Aの上に、第1の実施形態と同様の構造のダミーパッド54Aを設ける。そして、半導体チップ51A上の電極パッド52Aに対してプローブピン32Aを接触させながら、スクライブ領域56A上のダミーパッド54Aにダミープローブピン33Aを弾性接触させる。これにより、半導体ウェハ50Aの姿勢を保持しながら、各半導体チップ51Aを漏れなく確実に検査することが可能となる。
また、本実施形態では、半導体チップ51A上に新たにダミーパッドを設ける必要が無いので、半導体チップ51Aが大型化することが無く、より小型に設計、製造することが可能となる。また、電極パッドを傷付けることなく、半導体ウェハの検査を行なうことが可能となるので、その後の組立工程においてワイヤをボンディングする際、高い生産性で工程処理を行なうことが可能となる。
本発明に係る半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置の第1の実施形態を説明する模式図であり、(a)はステージ上に半導体ウェハが載置された状態を示す平面図、(b)は側面図である。 本発明に係る半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置の第2の実施形態を説明するための模式図であり、(a)はステージ上に半導体ウェハが載置された状態を示す平面図、(b)は側面図である。 本発明に係る半導体ウェハの検査方法及び半導体ウェハの検査装置の他の例を説明する模式図である。 従来の半導体ウェハの検査装置を示す模式図である。 従来の半導体ウェハの検査装置を示す模式図である。 従来の半導体ウェハの検査装置を示す模式図である。
符号の説明
1、10…半導体ウェハの検査装置、2、20、20A…ステージ、3、3A、3B…プローブカード、32、32A、32B…プローブピン、33、33A、33B…ダミープローブピン、50、50A、50B…半導体ウェハ(半導体チップ)、51、51A、51B…半導体チップ(半導体ウェハ)、52、52A、52B…電極パッド、53、53B、54A…ダミーパッド、55、55B…非検査領域、56A…スクライブ領域、F1、F2…接触荷重

Claims (8)

  1. 半導体ウェハの電極パッドに接触する複数のプローブピンを備えた検査装置を用い、前記半導体ウェハの電気的特性を検査する半導体ウェハの検査方法であって、
    前記半導体ウェハに、予め、少なくとも1以上のダミーパッドを設け、
    前記検査装置は、前記ダミーパッドに対応する配列でダミープローブピンを備えており、
    前記電極パッドが複数並べられてなるパッド列の配列方向に対して交差する一方向側から、前記電極パッドに前記プローブピンを接触させるとともに、前記一方向と反対側の方向から、前記ダミーパッドに前記ダミープローブピンを接触させ、
    前記ダミープローブピンは、前記プローブピンよりも少ない本数とされ、且つ、前記ダミープローブピンの前記ダミーパッドへの接触荷重を、前記プローブピンの各々の前記電極パッドへの接触荷重よりも大きな荷重として検査を行なうことを特徴とする半導体ウェハの検査方法。
  2. 前記ダミーパッドが、前記半導体ウェハ上の前記パッド列に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハの検査方法。
  3. 前記ダミーパッドが、前記半導体ウェハ上のスクライブ領域に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハの検査方法。
  4. 前記ダミーパッドが、前記半導体ウェハ上の前記スクライブ領域において、前記パッド列の延長線上に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の半導体ウェハの検査方法。
  5. 前記パッド列が並列で複数設けられ、前記パッド列をなす複数の前記パッドに前記プローブピンを接触させるとともに、少なくとも1つの前記パッド列に前記ダミーパッドを設け、前記ダミーパッドに前記ダミープローブピンを接触させることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体ウェハの検査方法。
  6. 前記半導体ウェハに設けられ、検査対象である全ての複数の前記半導体チップにおいて、前記プローブピンを前記電極パッドに接触させるとともに、前記ダミープローブピンを前記ダミーパッドに接触させることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の半導体ウェハの検査方法。
  7. 前記半導体ウェハに設けられ、検査対象である複数の半導体チップの内の、1つの前記半導体チップに設けられる前記ダミーパッドのみに前記ダミープローブピンを接触させることを特徴とする請求項1〜請求項5の何れか1項に記載の半導体ウェハの検査方法。
  8. 半導体ウェハの電極パッドに接触する複数のプローブピンと、
    前記半導体ウェハ上に少なくとも1以上設けられるダミーパッドに対応して配されるとともに、前記ダミーパッドに接触するダミープローブピンが備えられており、
    前記プローブピンは、前記電極パッドが複数並べられてなるパッド列の配列方向に対して交差する一方向側から前記電極パッドに接触するように配され、
    前記ダミープローブピンは、前記一方向と反対側の方向から前記ダミーパッドに接触するように配されており、
    さらに、前記ダミープローブピンは、前記プローブピンよりも少ない本数とされ、且つ、前記ダミーパッドへの接触荷重が、前記プローブピンの各々の前記電極パッドへの接触荷重よりも大きな荷重であることを特徴とする半導体ウェハの検査装置。
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