JP2010110177A - ブラシレスモータの駆動装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電流変動に起因するノイズ発生の低減、及び電圧変動に起因するバッテリの寿命の低下を抑えたセンサレス駆動のモータの駆動装置を提供する。
【解決手段】モータの駆動装置1は、バッテリ2と、電源回路3と、インバータ回路4と、制御回路5とを備える。駆動装置1において、電源回路3とインバータ回路4との間には、コンデンサ61を有する充電回路6が配置される。そして、充電回路6は、モータが誘起電圧から検出された回転位置によって制御された駆動時には、バッテリ2からコンデンサ61に充電され、モータの始動時における強制転流時には、コンデンサ61からインバータ回路4へ電流を供給する。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に搭載されるとともにセンサレス駆動により駆動されるブラシレスモータの駆動装置に関する。
近年、自動車等の車両に搭載されてトランスミッション及び操舵装置の電動ポンプ等を駆動するモータとして、ブラシレスモータ(以下、単に「モータ」という。)が使用されている。また、モータを車両のエンジンの周囲に配置する場合、エンジンの周囲の環境温度は、エンジンの発熱によって、ホール素子等の位置検出素子の耐熱温度以上の温度となる場合がある。そこで、車両に搭載されるモータにおいては、位置検出素子を用いてモータの回転を制御する駆動装置から、位置検出素子を用いずにモータの回転を制御する、いわゆる、センサレス駆動を用いた駆動装置が開発されている。なお、一般に、センサレス駆動では、モータの回転位置をモータの電機子の複数相の巻線の誘起電圧から検出する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平7−107777号公報
ここで、モータの回転位置を電機子の巻線の誘起電圧から検出する場合、モータの始動時では、モータが回転してないため、予め巻線の誘起電圧を検出することができない。そこで、電機子の巻線に電流が強制転流されることによって、モータを回転させて、誘起電圧を発生させる。そして、発生した誘起電圧を検出することによって、モータの回転位置の情報を得て、モータの回転位置を制御する。
しかしながら、この強制転流時では、モータの回転位置と制御との同期が取れていないため、モータの誘起電圧による位置が検出されて制御された状態である駆動時の電流よりも大電流が流れてしまう。その上、位置検出素子を用いた駆動装置を有するモータの起動電流の時間と比較して、強制転流で電流が流れる時間は大幅に長くなる。したがって、強制転流される時間が長くなると、バッテリの消費電力が大きくなるため、バッテリの寿命の低下を招く場合がある。
また、本願発明者によれば、強制転流時では、モータの駆動時の電圧と比較して、電圧変動が激しくなることが確認されている。したがって、強制転流時では、車両に搭載されたバッテリの電圧の変動が激しくなり、バッテリの寿命の低下を招く場合がある。また、強制転流時では、バッテリの電流の変動が激しくなり、この電流変動に起因するノイズの発生が増大する場合がある。
そこで、本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、電流変動に起因するノイズ発生の低減、及び電圧変動に起因するバッテリの寿命の低下を抑えたセンサレス駆動のモータの駆動装置を提供することである。
請求項1に記載の発明は、車両に搭載されるとともにセンサレス駆動により駆動されるブラシレスモータの駆動装置において、前記車両に搭載されるバッテリから前記ブラシレスモータの電機子への通電の切り替えを行うインバータ回路と、前記バッテリから前記インバータ回路へ供給される電流を充電する充電手段を有した充電回路とを備え、前記充電回路は、前記ブラシレスモータの前記電機子の誘起電圧に基づいて制御される駆動時には、前記バッテリから前記充電手段に充電され、前記ブラシレスモータの始動のための強制転流時には、前記充電手段から前記インバータ回路へ放電することを要旨とする。
この発明によれば、充電手段が、強制転流の供給時において、インバータ回路へ電流を供給するため、充電回路がないブラシレスモータの駆動装置と比較して、バッテリからインバータ回路への電流の供給を低減することができる。したがって、バッテリからインバータ回路へ供給する電流量を抑えるとともに、バッテリからインバータ回路へ供給する電流を平坦化できるので、バッテリの電圧変動を抑えることができる。その結果、バッテリの寿命低下を抑えることができる。また、バッテリの電流変動を抑えることができるため、この電流変動に起因するノイズ発生の低減を図ることができる。また、急激な負荷変動が発生した場合においても、上記の強制転流時と同様の効果を奏することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のブラシレスモータの駆動装置において、充電手段は、電気二重層コンデンサであることを要旨とする。
この発明によれば、充電手段として、電気二重層コンデンサを用いることにより、充電手段の小型化を図ることができる。したがって、充電回路の小型化が可能となり、ブラシレスモータの駆動装置の小型化を達成することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1及び請求項2のいずれかに記載のブラシレスモータの駆動装置であって、バッテリと前記インバータ回路との間には、バッテリのノイズを低減する電源回路が設けられ、充電回路は、電源回路と前記インバータ回路との間に配置されることを要旨とする。
この発明によれば、充電回路が、電源回路とインバータ回路との間に配置されることにより、充電回路が電源回路よりバッテリ側に配置された場合と比較して、バッテリとインバータ回路との間における、大電流を必要とする区間をなくす、もしくは短くすることができる。したがって、大電流に対応した大型の銅板等の配線部材を配置する区間をなくす、もしくは短くすることが可能となり、ブラシレスモータの駆動装置の小型化を達成することができる。また、電源回路よりバッテリ側に充電回路が配置された場合、電源回路には、強制転流時に充電回路から大電流が流れてしまうが、電源回路とインバータ回路との間に充電回路を設けることにより、充電回路の電流は、電源回路に流れることがないので、電源回路の定格値を小さくすることができる。言い換えれば、電源回路は、低定格電流で構成することができる。したがって、電源回路を小さいサイズの電子部品にて構成することが可能となり、電源回路の小型化を達成することができるとともに、電源回路のコストダウンを図ることができる。その結果、ブラシレスモータの駆動装置の小型化を達成することができるとともに、ブラシレスモータの駆動装置のコストダウンを図ることができる。
本発明によれば、電流変動に起因するノイズ発生の低減、及び電圧変動に起因するバッテリの寿命の低下を抑えたセンサレス駆動のモータの駆動装置を提供することができる。
図1及び図2を参照して、本発明のブラシレスモータの駆動装置を車両に搭載されるとともにセンサレス駆動により駆動されるブラシレスモータの駆動装置として具体化した一実施形態について説明する。
まず、図1を参照して、ブラシレスモータの駆動装置1(以下、単に「駆動装置1」という。)の構成について説明する。
図1に示すように、駆動装置1は、バッテリ2と接続された電源回路3と、電源回路3と接続されるインバータ回路4及び制御回路5と、電源回路3とインバータ回路4との間に配置される充電回路6とにより構成されている。また、充電回路6は、電源回路3とインバータ回路4との間に並列に接続されている。そして、駆動装置1は、バッテリ2から電源回路3に供給された電流が、充電回路6を介して、インバータ回路4に供給されることにより、インバータ回路4に接続されているモータ7が駆動される。そして、電源回路3から制御回路5に電流が供給されることにより、インバータ回路4からモータ7への電流供給を制御することにより、モータ7の回転制御が行われる。また、モータ7とポンプ部Pとが互いに接続されることにより、電動ポンプが構成されている。
また、駆動装置1は、3相(U相、V相、及びW相)のブラシレスモータに搭載され、ホール素子等の位置検出素子を用いない、いわゆる、センサレス駆動にて駆動される。本実施形態のセンサレス駆動は、モータ7の電機子(不図示)の各相の巻線(不図示)に発生する誘起電圧を検出することにより、モータ7の回転位置を推定するとともに、モータ7の回転を制御する。特に、駆動装置1は、120度通電方式を用いる。なお、駆動装置1は、バッテリ2からの直流電源を片側PWM方式で3相交流電圧を生成させ、モータ7を駆動制御する。
電源回路3は、バッテリ2のプラス端子に接続されている。そして、電源回路3は、バッテリ2の直流電圧(DC12V)を、制御回路5へ供給する直流電圧(DC5V)及びインバータ回路4へ供給する直流電圧(DC12V)と変換する。また、電源回路3は、チョークコイル、逆接防止用のダイオード、及び電解コンデンサを有している。そして、電源回路3は、バッテリ2に含まれるノイズの低減、及びモータ7やインバータ回路4で発生するノイズ流出の低減を行っている。
インバータ回路4は、電源回路3からモータ7へのU相の通電を制御する上アームスイッチング素子41及び下アームスイッチング素子42、V相の通電を制御する上アームスイッチング素子43及び下アームスイッチング素子44、W相の通電を制御する上アームスイッチング素子45及び下アームスイッチング素子46により構成されている。以下、これら上アームスイッチング素子41,43,45及び下アームスイッチング素子42,44,46の総称を「スイッチング素子4a」とする。
制御回路5は、回転位置推定信号生成部51と、通電信号生成部52と、回転速度制御部53と、PWM制御部54(PWMは、Pulse Width Modulationの略。)と、ゲートドライブ回路55とにより構成されている。
回転位置推定信号生成部51は、モータ7の電機子の巻線(不図示)の各相に発生する誘起電圧(端子電圧)Vu,Vv,Vwの情報に基づき、巻線の各相の回転位置推定信号Hu,Hv,Hwを生成し、通電信号生成部52に供給する。
通電信号生成部52は、供給された回転位置推定信号Hu,Hv,Hwに基づき、インバータ回路4のスイッチング素子4aを通電制御するための通電信号Cu+,Cu−,Cv+,Cv−,Cw+,Cw−を生成し、PWM制御部54に供給する。なお、通電信号生成部52は、MPU(MPUは、Micro Processing Unitの略。)または論理素子から構成されている。
回転速度制御部53は、モータ7のロータ(不図示)の回転速度検出値S及び回転速度設定値Saを比較し、両者の大小関係に基づき、モータ7をPWM駆動するための速度制御信号Spwmを生成し、PWM制御部54に供給する。
PWM制御部54は、供給された通電信号Cu+,Cu−,Cv+,Cv−,Cw+,Cw−及び速度制御信号Spwmに基づき、スイッチング素子4aをPWM制御するためのPWM制御信号Du+,Du−,Dv+,Dv−,Dw+,Dw−を作成し、ゲートドライブ回路55に供給する。
ゲートドライブ回路55は、供給されたPWM制御信号Du+,Du−,Dv+,Dv−,Dw+,Dw−に基づき、スイッチング素子4aのオン/オフの駆動制御を行う。このスイッチング素子4aの駆動制御により、モータ7の巻線に制御された回転磁場が発生する。
充電回路6は、充電手段であるコンデンサ61と、コンデンサ61より電源回路3側(プラス側)に接続させる電流制限抵抗62と、コンデンサ61よりインバータ回路4側(マイナス側)に接続される逆流防止用ダイオード63とにより構成されている。ここで、コンデンサ61は、電気二重層コンデンサが用いられる。
次に、図2を参照して、モータ7の電機子への電流の供給開始時から定格回転数となるまでの間の時間に対する電流値の関係について説明する。図2は、時間に対する電流値及び回転数の変化について示す。図2において、一方の縦軸を電流値(A)とし、横軸を時間(second:s)とする。また、他方の縦軸を回転数(revolution per minute:rpm)とする。
図2に示すように、モータ7の電機子への電流の供給が開始される際、モータ7は回転していないため、電機子の巻線に発生する誘起電圧Vu、Vv、Vwの情報が得られない。そこで、このときに電機子の巻線に強制転流を行うことにより、オープンループ制御によってモータ7を強制的に回転させる。以下、強制転流により、モータ7を強制的に回転させている期間を「強制転流時」という。
この強制転流時において、強制転流の電流値は、激しく変動する。そして、この駆動装置1の強制転流は、最大電流値が約10(A)であり、強制転流の時間である強制転流時は、約100msである。
また、モータ7の誘起電圧Vu,Vv,Vwの情報に基づいて、モータ7が制御される駆動時(以下、単に「駆動時」という。)において、モータ7の回転速度とともに、電流値は増加する。そして、モータ7の最大回転速度において、電流値は、約5(A)である。また、モータ7の駆動時における電流値は、モータ7の強制転流時と比較して、電流値の短時間での変動が極めて少ない。そして、モータ7の駆動時における電流は、モータ7の回転速度とともに、安定的に増加する。
充電回路6は、モータ7の駆動時に、バッテリ2からインバータ回路4へ流れる電流の一部が、コンデンサ61に充電される。そして、モータ7の強制転流時において、充電したコンデンサ61から強制転流として電流を巻線に供給する。
ここで、コンデンサ61は、モータ7の強制転流時において、強制転流として巻線に供給する電流を全て賄うことができる容量に設定されている。したがって、電源回路3から出力される電流は、モータ7の駆動時の最大電流の値、即ち電流の値が約5(A)まででよいため、電源回路3の出力を小さくすることができる。その上、モータ7の駆動時の電流は、強制転流時の電流と比較して、変動が小さいため、バッテリ2から出力される電流を平坦化することができる。その結果、バッテリ2の電圧変動を抑えることができるとともに、バッテリ2の容量を小型化することができる。
また、充電回路6において、コンデンサ61より電源回路3側に電流制限抵抗62が配置されることにより、バッテリ2からコンデンサ61に流れる電流量を抑えることができる。即ち、モータ7の駆動時において、コンデンサ61に徐々に電流が流れる。したがって、バッテリ2からコンデンサ61へ急激に電流が流れることを抑制しているため、充電回路6に電流制限抵抗62が配置されていない場合と比較して、バッテリ2の電圧変化を抑えることができる。その結果、バッテリ2の寿命の低下を抑えることができる。
また、充電回路6において、コンデンサ61よりインバータ回路4側に逆流防止用ダイオード63が配置されていることにより、インバータ回路4側からコンデンサ61へ向かい電流が逆流することを防止することができる。
(電動ポンプの実施形態)
図3を参照して、駆動装置1を備えた電動ポンプの一実施形態について説明する。
図3に示すように、電動ポンプ8は、車両のオートマチック・トランスミッション81に使用されており、エンジン82のクランクシャフト(不図示)とプロペラシャフト83とをオートマチック・トランスミッション81が連結する。
電動ポンプ8は、オートマチック・トランスミッション81の側面に固定されたポンプ84と、ポンプ84を駆動するモータ7と、モータ7を駆動制御する駆動装置1とにより構成されている。そして、電動ポンプ8は、オートマチック・トランスミッション81を作動させるオイルの圧力を制御する。
エンジン82のクランクシャフトの、オートマチック・トランスミッション81と連結しない側の端部の回転は、電磁クラッチ85を介してプーリ86に伝達され、プーリ86の回転は、ベルト87により発電機88及び補機89に伝達される。補機89は、エアコンディショナのコンプレッサ等である。発電機88が発電した電力は、バッテリ2に蓄電され、駆動装置1の電源となる。
プロペラシャフト83のオートマチック・トランスミッション81と連結しない側の端部は、デファレンシャル90により駆動輪91の駆動軸92に直角に連結されている。この構成により、プロペラシャフト83の回転が、デファレンシャル90を介して、駆動軸92に伝達される。
本実施形態の電動ポンプ8は、車両のアイドリングストップ時に駆動する。即ち、アイドリングストップ時では、オートマチック・トランスミッション81にエンジンの作用によって、オイルが供給されないが、電動ポンプ8が駆動することによって、オートマチック・トランスミッション81にオイルが供給される。
ここで、車両に搭載される電子部品の増加に伴い、各電子部品の小型化の要求が高まっている。そのため、電子部品の一つである駆動装置1も小型化の要求が高い。ここで、図1に示すように、本実施形態の駆動装置1は、充電回路6のコンデンサ61に電気二重層コンデンサを使用することにより、電気二重層コンデンサと同容量の電解コンデンサを使用する場合と比較して、コンデンサ61の体積を小型化することができる。その上、電解コンデンサが電気二重層コンデンサと同容量となるためには、電解コンデンサを複数個用意する必要がある。したがって、電気二重層コンデンサと同容量の電解コンデンサを使用する場合と比較して、充電回路6を小型化することができる。その結果、駆動装置1の小型化を達成することができる。
また、充電回路6によって、バッテリ2が電源回路3に供給される電流は、モータ7の駆動時の最大電流の値まででよいため、充電回路6が配置されない駆動装置と比較して、電源回路3に供給される電流を小さくことができる。したがって、充電回路6が配置されない駆動装置の電源回路と比較して、電源回路3の定格値を小さくすること、即ち、電源回路3を小さいサイズの電子部品にて構成することができる。その結果、電源回路3の小型化を達成することができ、駆動装置1の小型化を達成することができる。
また、充電回路6が電源回路3とインバータ回路4との間に並列に配置されるため、電源回路3よりバッテリ2側に充電回路6が配置される場合と比較して、充電回路6とインバータ回路4との距離を短くすることができる。したがって、駆動装置1において、大電流を流す区間を短くすることが可能となり、大電流に対応した配線部品(不図示)の区間を短くすることができる。ここで、上記配線部品は、他の配線部品と比較して、大型化されるために、上記配線部品の区間を小さくすることにより、駆動装置1の小型化を達成することができる。
本実施形態の駆動装置1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)本発明の駆動装置1によれば、バッテリ2からインバータ回路4へ供給される電流を充電する充電手段であるコンデンサ61を有し、モータ7の駆動時には、バッテリ2からコンデンサ61に充電され、モータ7の始動のための強制転流を行う強制転流時には、コンデンサ61からインバータ回路4へ出力する充電回路6を備える構成とする。この構成によれば、コンデンサ61により、モータ7の強制転流時に、インバータ回路4へ電流を供給することによって、バッテリ2が強制転流された電流をインバータ回路4へ供給することがないため、バッテリ2の電圧変動を抑えることができるとともに、バッテリ2が供給する最大電流の値を小さくすることができる。その結果、バッテリ2の小型化を達成するとともに、バッテリ2の寿命の低下を抑えることができるとともに、電流変動に起因するノイズ発生を低減することができる。
また、急激な負荷変動が発生した場合においても、強制転流時と同様に、バッテリ2の電圧変動を抑えることができるとともに、バッテリ2が供給する電流の値を小さくすることができる。その結果、急激な負荷変動が発生した場合においても同様に、バッテリ2の寿命の低下を抑えることができるとともに、電流変動に起因するノイズ発生を低減することができる。
(2)本発明の駆動装置1によれば、充電回路6の充電手段であるコンデンサ61は、電気二重層コンデンサである。したがって、同容量の電解コンデンサと比較して、電気二重層コンデンサは、体積を小さくすることができる。その結果、充電回路6の小型化ができ、モータの駆動装置1の小型化を達成することができる。
(3)本発明の駆動装置1によれば、充電回路6は、電源回路3とインバータ回路4との間に配置される構成とする。この構成により、バッテリ2とインバータ回路4との間における、大電流を必要とする区間をなくす、もしくは短くすることができる。したがって、大電流に対応した大型の配線部材を配置する区間をなくす、もしくは短くすることが可能となり、駆動装置1の小型化を達成することができる。また、電源回路3よりバッテリ2側に充電回路6を備えた場合、電源回路3には、強制転流時に充電回路6から大電流が流れてしまうが、電源回路3とインバータ回路4との間に充電回路6を設けることにより、充電回路6の電流は、電源回路3に流れることがないので、電源回路3の定格値を小さくすることができる。言い換えれば、電源回路3は、低定格電流で構成することができる。したがって、電源回路3を小さいサイズの電子部品にて構成することが可能となり、電源回路3の小型化を達成することができるとともに、電源回路3のコストダウンを図ることができる。その結果、駆動装置1の小型化を達成することができるとともに、駆動装置1のコストダウンを図ることができる。
本発明の駆動装置1は、上記実施形態に限定されることなく、以下の変形も可能である。
・本実施形態の駆動装置1は、オートマチック・トランスミッション81にオイルを供給する電動ポンプ8に搭載されたが、本発明は、これに限定されることはない。例えば、駆動装置1は、操作者のハンドル操作を補助する電動油圧パワーステアリング装置のモータに搭載されてもよい。
次に、以上の実施形態から把握することのできる技術的思想をその効果とともに記載する。
(イ)請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブラシレスモータの駆動装置であって、前記充電回路は、前記バッテリから前記電気二重層コンデンサへ供給される電流を制限する電流制御抵抗を備えることを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。この構成によれば、充電回路に電流制限抵抗を備えるために、電気二重層コンデンサへ一度に大量の電流が流れるのを防止することができる。したがって、バッテリからインバータ回路への電力供給の大幅な低下を抑えることができる。その結果、バッテリの電圧変動を抑えることができ、バッテリの寿命の低下を抑えることができる。
(ロ)請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のブラシレスモータの駆動装置であって、前記充電回路は、前記インバータ回路からの電流の逆流を防止するダイオードを備えることを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。この構成によれば、充電回路にダイオードが設けられることにより、インバータ回路から電気二重層コンデンサへ電流が流れることを防ぐことができる。
本発明のモータの駆動装置として具体化した一実施形態について、同駆動装置の回路構成を示す回路図。 同実施形態の駆動装置について、モータの回転速度及び電流値と時間との関係を示すグラフ。 同実施形態の駆動装置について、同駆動装置を備えた電動ポンプの構成及びその周辺部を示すブロック図。
符号の説明
1…駆動装置、2…バッテリ、3…電源回路、4…インバータ回路、4a…スイッチング素子、41,43,45…上アームスイッチング素子、42,44,46…下アームスイッチング素子、5…制御回路、51…回転位置信号生成部、52…通電信号生成部、53…回転速度制御部、54…PWM制御部、55…ゲートドライブ回路、6…充電回路、61…コンデンサ(電気二重層コンデンサ)、62…電流制限抵抗、63…逆流防止用ダイオード、7…モータ(ブラシレスモータ)、8…電動ポンプ、81…オートマチック・トランスミッション、82…エンジン、83…プロペラシャフト、84…ポンプ、85…電磁クラッチ、86…プーリ、87…ベルト、88…発電機、89…補機、90…デファレンシャル、91…駆動輪、92…駆動軸。

Claims (3)

  1. 車両に搭載されるとともにセンサレス駆動により駆動されるブラシレスモータの駆動装置において、
    前記車両に搭載されるバッテリから前記ブラシレスモータの電機子への通電の切り替えを行うインバータ回路と、前記バッテリから前記インバータ回路へ供給される電流を充電する充電手段を有した充電回路とを備え、
    前記充電回路は、前記ブラシレスモータの前記電機子の誘起電圧に基づいて制御される駆動時には、前記バッテリから前記充電手段に充電され、前記ブラシレスモータの始動のための強制転流時には、前記充電手段から前記インバータ回路へ放電する
    ことを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。
  2. 請求項1に記載のブラシレスモータの駆動装置において、
    前記充電手段は、電気二重層コンデンサである
    ことを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。
  3. 請求項1及び請求項2のいずれかに記載のブラシレスモータの駆動装置において、
    前記バッテリと前記インバータ回路との間には、前記バッテリのノイズを低減する電源回路が設けられ、
    前記充電回路は、前記電源回路と前記インバータ回路との間に配置される
    ことを特徴とするブラシレスモータの駆動装置。
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