JP2010109794A - 映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置 - Google Patents

映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることが可能な映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置を提供する。
【解決手段】R信号、G信号およびB信号からなる入力映像信号に基づいて色相信号、彩度信号および第1明度信号を画素ごとに出力する第1色空間変換部と、色相信号に基づいて彩度信号に応じた第2制御値の値を規定する第1制御値を画素ごとに設定する第1制御値設定部と、彩度信号と第1制御値に基づいて第2制御値を画素ごとに設定する第2制御値設定部と、第1明度信号と第2制御値に基づいて第1明度信号を画素ごとに調整し調整された第2明度信号を出力する明度調整部と、色相信号、彩度信号および第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号およびB信号からなる出力映像信号を出力する第2色空間変換部とを備える映像信号処理装置が提供される。
【選択図】図6

Description

本発明は、映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置に関する。
近年、CRTディスプレイ(Cathode Ray Tube display)に替わる表示装置として、有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)、FED(Field Emission Display。電界放出ディスプレイ)、LCD(Liquid Crystal Display。液晶ディスプレイ)、PDP(Plasma Display Panel。プラズマディスプレイ)、プロジェクターなど様々な表示装置が開発されている。
CRTディスプレイを含む上記に示す表示装置は、装置ごとにある決まったダイナミックレンジ(dynamic range)を有し、限られたダイナミックレンジの中で入力された映像信号が示す映像を表示することができる。
このような中、限られたダイナミックレンジの中でコントラスト感を向上させるために、映像信号に基づいて映像信号の補正カーブを作成し、作成した補正カーブに則って映像信号の補正を行う技術が開発されている。映像信号に基づいて輝度信号のヒストグラムを検出し、検出されたヒストグラムに基づいて映像信号を補正してコントラスト感を向上させる技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
また、入力された映像信号の色空間を変換し、色空間が変換された映像信号に基づいて明度を調整する技術も開発されている。入力された映像信号を入力された映像信号の色空間を変換し、色空間が変換された映像信号の色相の調整と、彩度に基づく明度の調整とによって、映像信号を出力する出力側装置における色再現領域内で表現された映像信号へと変換する技術としては、例えば、特許文献2が挙げられる。
特開2004−302311号公報 特開2005−184602号公報
[1]映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置における問題
映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の技術(以下、「従来の技術1」とよぶ場合がある。)が適用された従来の映像信号処理装置は、ヒストグラムが最大の度数を示す階調のコントラストが向上するように映像信号を補正するので、コントラスト感を高めることができる。しかしながら、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、任意の映像信号に対してコントラストを向上させることができる訳ではない。以下、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置における問題について図面を参照してより具体的に説明する。
図9は、映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置における問題を説明するための説明図である。図9では、8ビット(bit)で表される映像信号、すなわち、256階調を表すことが可能な映像信号を例に挙げて示している。ここで、図9(a)は、従来の映像信号処理装置において問題が生じる画像の一例を示しており、“青い夜空”に“白い星”が瞬いている画像を示している。また、図9(b)は、図9(a)に示すラインa−bの各位置における赤(Red。以下、「R」という。)成分に対応する信号(R信号)を示している。同様に、図9(c)は緑(Green。以下、「G」という。)成分に対応する信号(G信号)、図9(d)は青(Blue。以下、「B」という。)成分に対応する信号(B信号)、図9(d)は輝度信号(Y信号)をそれぞれ示している。
図9(a)に示すように映像信号が“青い夜空”に“白い星”が瞬いている画像を示す場合には、“白い星”に対応する部分のみR成分とG成分が存在し、“青い夜空”に対応する部分にはR成分およびG成分は存在していない(図9(b)、図9(c))。また、図9(a)に示す画像を示す映像信号では、B成分が全体を通して存在することとなる(図9(c))。したがって、Y信号は、以下の数式1によって、“白い星”に対応する部分のY成分が最大の255となり、また“青い夜空”に対応する部分のY成分は28となる(図9(e))。
Y=0.3R+0.59G+0.11B
・・・(数式1)
従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、映像信号に基づいてヒストグラムを検出し、映像信号の補正のための補正カーブを作成する。以下、図9(a)に示す画像を表す映像信号が従来の映像信号処理装置に入力されたときを例に挙げ、Y信号に基づいてヒストグラムを検出する場合と、B信号に基づいてヒストグラムを検出する場合とにおける、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置において生じる問題を説明する。
(A)Y信号に基づいてヒストグラムを検出する場合の問題
図10は、映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてY信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第1の説明図である。また、図11は、映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてY信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第2の説明図である。ここで、図10は、図9(e)に示すY信号に基づいて検出されるヒストグラムの一例を示しており、図11は、図10に示すヒストグラムから作成される補正カーブを示している。
図10に示すように、図9(e)に示すY信号からは、Y=28が最大の度数となるヒストグラムが検出される。したがって、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、Y=28におけるコントラストを高めるために、図11に示すようにY=28付近の映像信号の階調を変化させる補正カーブを作成する。
しかしながら、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、図9(a)に示す画像を表す映像信号を補正する場合、図11に示すようにY=28を中心として補正をかけるため、補正の前後においてY=28の成分は変化しない。したがって、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、図9(a)に示す画像を表す映像信号に対して補正を行ったとしても、何らの効果を得ることができない。
(B)B信号に基づいてヒストグラムを検出する場合の問題
上記(A)に示すように、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、Y信号に基づいて作成される補正カーブを用いたとしても図9(a)に示す画像を表す映像信号に対してコントラストを向上させることができない。そこで、次に、B信号に基づいてヒストグラムを検出して補正カーブを作成する場合を採り上げる。なお、ここでは、B信号を例に挙げて説明するが、R信号、G信号に基づいてヒストグラムを検出して補正カーブを作成する場合においても、同様の問題が生じる。
図12は、映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてB信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第1の説明図である。また、図13は、映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてB信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第2の説明図である。ここで、図12は、図9(d)に示すB信号に基づいて検出されるヒストグラムの一例を示しており、図13は、図12に示すヒストグラムから作成される補正カーブを示している。
図12に示すように、図9(d)に示すB信号からは、B=255が最大の度数となるヒストグラムが検出される。したがって、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、B=255におけるコントラストを高めるために、図13に示すようにB=255付近の映像信号の階調を変化させる補正カーブを作成する。
しかしながら、図9(a)に示す画像を表す映像信号では、図12に示すように既にB=255という最大値となっているため、補正の前後においてB=255の成分には変化がない。したがって、従来の技術1が適用された従来の映像信号処理装置は、図9(a)に示す画像を表す映像信号に対して補正を行ったとしても、何らの効果を得ることができない。
以上、図9〜図13を参照して示したように、映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の技術が適用された従来の映像信号処理装置は、図9(a)に示すような、彩度が高い領域に周囲の領域と輝度差がある輝度が高い領域が存在する画像を示す映像信号に対しては、コントラストを向上させることができない。
[2]入力された映像信号の色空間を変換し、色空間が変換された映像信号に基づいて明度を調整する従来の技術が適用された従来の映像信号処理装置における問題
入力された映像信号の色空間を変換し、色空間が変換された映像信号に基づいて明度を調整する技術(以下、「従来の技術2」とよぶ場合がある。)が適用された従来の映像信号処理装置は、色空間を変換して画像信号を処理することによって明度を調整する。しかしながら、従来の技術2が適用された映像信号処理装置は、映像信号を出力する出力側装置における色再現領域内で表現された映像信号へと変換することを前提としており、色相を回転させる処理が必要となる。また、従来の技術2が適用された映像信号処理装置は、色相が回転された映像信号に対して明度の調整を行う。つまり、例えば図9(a)に示す画像を表す映像信号が入力された場合であっても、従来の技術2が適用された従来の映像信号処理装置から出力される映像信号が表す画像は、一定の画像となるとは限らない。さらに述べれば、図9(a)に示す画像を表す映像信号が入力された場合において従来の技術2が適用された従来の映像信号処理装置から出力される映像信号(色相が回転された画像を示す映像信号)が表す画像は、図9(a)に示すよな“青い夜空”に“白い星”が瞬いている画像とは、似ても似つかぬ画像となる恐れすらある。
したがって、入力された映像信号の色空間を変換し、色空間が変換された映像信号に基づいて明度を調整する従来の技術を用いたとしても、高画質化は望むべくもない。
上記[1]、[2]にて示したように、従来の技術1および/または従来の技術2を用いたとしても、コントラストの向上による高画質化は望むべくもない。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることが可能な、新規かつ改良された映像信号処理装置、映像信号処理方法、プログラム、および表示装置を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の第1の観点によれば、赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号に基づいて色空間を変換し、上記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力する第1色空間変換部と、上記色相信号に基づいて、上記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と上記彩度信号に応じた上記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定する第1制御値設定部と、上記彩度信号と上記第1制御値設定部において設定された第1制御値とに基づいて、上記第2制御値を画素ごとに設定する第2制御値設定部と、上記第1明度信号と上記第2制御値設定部において設定された第2制御値とに基づいて上記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力する明度調整部と、上記色相信号、上記彩度信号、および上記明度調整部において調整された上記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる出力映像信号を出力する第2色空間変換部とを備える映像信号処理装置が提供される。
かかる構成によって、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
また、上記明度調整部は、画素ごとの上記第2制御値と上記第1明度信号とを画素ごとに乗算して上記第2明度信号を出力してもよい。
かかる構成により、入力映像信号が示す色相と彩度とに基づいて明度を画素ごとに調整することができる。
また、上記明度調整部は、上記第1明度信号と、上記第2制御値を用いた明度の調整を行うか否かを画素ごとに判定するための閾値とに基づいて、上記第1明度信号が上記閾値を超えた場合、または、上記第1明度信号が上記閾値以上となった場合に、上記第2制御値と上記第1明度信号とが乗算された第2明度信号を出力し、上記第1明度信号が上記閾値を超えていない場合、または、上記第1明度信号が上記閾値より小さい場合には、上記第1明度信号を第2明度信号として出力してもよい。
かかる構成により、入力映像信号の調整後も低階調部分の明度が維持され、さらなる高画質化を図ることができる。
また、上記第1制御値設定部は、上記入力映像信号に基づく上記色相信号が表す色相ごとに予め定められた第1制御値を設定してもよい。
かかる構成により、ユーザに対してよりコントラスト感を与えることが可能な映像信号に調整することができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第2の観点によれば、赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号に基づいて色空間を変換し、上記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力するステップと、上記色相信号に基づいて、上記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と上記彩度信号に応じた上記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定するステップと、上記彩度信号と設定された上記第1制御値とに基づいて、上記第2制御値を画素ごとに設定するステップと、上記第1明度信号と設定された第2制御値とに基づいて上記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力するステップと、上記色相信号、上記彩度信号、および調整された上記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる出力映像信号を出力するステップとを有する映像信号処理方法が提供される。
かかる方法を用いることにより、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
また、上記目的を達成するために、本発明の第3の観点によれば、赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号に基づいて色空間を変換し、上記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力するステップ、上記色相信号に基づいて、上記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と上記彩度信号に応じた上記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定するステップ、上記彩度信号と設定された上記第1制御値とに基づいて、上記第2制御値を画素ごとに設定するステップ、上記第1明度信号と設定された第2制御値とに基づいて上記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力するステップ、上記色相信号、上記彩度信号、および調整された上記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる出力映像信号を出力するステップをコンピュータに実行させるためのプログラムが提供される。
かかるプログラムにより、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
上記目的を達成するために、本発明の第4の観点によれば、赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号の階調を画素ごとに調整する映像信号調整部と、上記映像信号調整部が調整した映像信号に基づいて画像を表示画面に表示する映像表示部とを備え、上記映像信号調整部は、上記入力映像信号に基づいて色空間を変換し、上記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力する第1色空間変換部と、上記色相信号に基づいて、上記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と上記彩度信号に応じた上記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定する第1制御値設定部と、上記彩度信号と上記第1制御値設定部において設定された第1制御値とに基づいて、上記第2制御値を画素ごとに設定する第2制御値設定部と、上記第1明度信号と上記第2制御値設定部において設定された第2制御値とに基づいて上記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力する明度調整部と、上記色相信号、上記彩度信号、および上記明度調整部において調整された上記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる映像信号を出力する第2色空間変換部とを備える表示装置が提供される。
かかる構成により、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
本発明によれば、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
(本発明の実施形態に係るコントラストを向上させるためのアプローチ)
本発明の実施形態に係る映像信号処理装置(以下、「映像信号処理装置100」とよぶ場合がある。)の構成について説明する前に、まず、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置におけるコントラストを向上させるためのアプローチについて説明する。
また、以下では、映像信号処理装置100に入力される映像信号(以下、「入力映像信号」とよぶ場合がある。)が、赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる映像信号であるとして説明するが、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、YCrCb空間など他の色空間で表された映像信号をRGB色空間に変換して処理することもできる。ここで、本発明の実施形態に係る映像信号は、静止画像を示すものであってもよいし、または、動画像(いわゆる映像)であってもよい。
[本発明の実施形態に係るアプローチの概要]
映像信号処理装置100は、入力映像信号が示す色相と彩度とに基づいて明度を画素ごとに(各画素に対応する映像信号ごとに。以下同様とする。)調整することによって、コントラストを向上させる。より具体的には、映像信号処理装置100は、色相と彩度とに基づいて明度を調整する制御量を決定することによって、入力映像信号に基づいて明度の調整を行う。
〔色相と彩度とに基づいて明度を調整する理由〕
ここで、本発明の実施形態に係るアプローチにおいて映像信号処理装置100が、色相と彩度とに基づいて明度を調整する理由について説明する。
映像信号処理装置100が処理した映像信号が示す画像を見るユーザは、人間の目の特性により、彩度が高い部分の明度が多少変化したとしても分からない場合が多々ある。そして、上記の傾向は、例えば、青色などのように輝度が低い色程顕著である。また、逆に、赤や黄色などにような元々輝度の高い色では、ユーザは、明度の変化を感じやすい。そこで映像信号処理装置100は、彩度が高い画素に対応する映像信号(厳密には、後述する第1明度信号(V))ほど明度を下げ、また、色相に応じて明度を変化させる制御量を画素ごとに変える。上記のように入力映像信号に応じた色相と彩度とに基づいて明度を画素ごとに調整することによって、映像信号処理装置100は、入力映像信号を、例えばホワイト・ピーク(White Peak)部分との階調差がより大きくなる映像信号に調整することができる。よって、映像信号処理装置100は、入力映像信号をユーザに対してよりコントラスト感を与えることが可能な映像信号に調整することができる。
また、映像信号処理装置100は、上記のように入力映像信号に応じた色相および彩度に基づいて明度を画素ごとに調整するので、従来の技術2が適用された従来の映像信号処理装置のように、色相が大きく変化(ユーザが色の変化を感じる程の変化)することはない。
したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
[本発明の実施形態に係るアプローチを実現するための処理の一例]
次に、上記本発明の実施形態に係るアプローチを実現するための処理について、より具体的に説明する。映像信号処理装置100は、入力された入力映像信号に対して例えば、以下の(1)〜(3)に示す処理を行うことによって、図9(a)に示すような画像のコントラストを向上させる。
(1)第1の色空間の変換処理
映像信号処理装置100は、R信号、G信号、およびB信号からなる入力映像信号に基づいて、画素ごとに(各画素に対応する映像信号ごとに)色空間をHSV空間に変換する。ここで、映像信号処理装置100が色空間をHSV空間に変換するのは、上述したように色相、彩度に基づいて明度を調整するためである。
映像信号処理装置100が(1)の処理を行うことによって、入力映像信号は、色相(hue)を表す色相信号(以下、「色相信号(H)」とよぶ場合がある。)、彩度(saturation value)を表す彩度信号(以下、「彩度信号(S)」とよぶ場合がある。)、および明度(value。またはbrightness。)を表す明度信号(以下、「第1明度信号(V)」とよぶ場合がある。)に変換される。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、以下の数式2〜数式4を用いることによって、R信号、G信号、およびB信号からなる入力映像信号を色相信号(H)、彩度信号(S)、および第1明度信号(V)に変換することができる。以下の数式では、R信号を“Ri”、G信号を“Gi”、およびB信号を“Bi”として表し、色相信号(H)を“H”、彩度信号(S)を“S”、第1明度信号(V)を“V”として表している。また、以下での数式では、各画素に対応する映像信号におけるR信号、G信号、およびB信号の最大値を“MAX”とし、また、R信号、G信号、およびB信号の最小値を“MIN”として表している。
Figure 2010109794
Figure 2010109794
(2)明度調整処理
映像信号処理装置100は、上記(1)の処理によって変換された色相信号(H)、彩度信号(S)、および第1明度信号(V)に基づいて明度を調整する。以下では、明度が調整された明度信号を「第2明度信号(V’)」とよぶ場合がある。
より具体的には、映像信号処理装置100は、例えば、以下の(2−1)の処理〜(2−3)の処理によって、第1明度信号(H)を第2明度信号(H’)に調整する。
(2−1)色相信号(H)に基づく第1制御値の導出処理
映像信号処理装置100は、色相信号(H)に基づいて第1制御値を導出する。ここで、第1制御値とは、第1明度信号(H)の調整に用いられる第2制御値(後述する)の下限値と彩度信号(S)に応じた第2制御値の値とを規定するために用いられる制御値である。映像信号処理装置100は、(2−1)の処理により第1制御値を導出することによって、入力映像信号に応じた色相に基づいて、明度の調整量を変化させることができる。
図1は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第1制御値の導出方法の一例を示す説明図である。ここで、図1では、横軸に色相信号(H)[degree]を示し、縦軸に第1制御値を示している。ここで、図1では、第1制御値を0.0〜1.0の範囲で表しているが、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、百分率で表された第1制御値を色相信号(H)に応じて導出することもできる。
図1に示すように、映像信号処理装置100は、色相信号(H)の値に基づいて、色相信号(H)が示す色相に応じた第1制御値を画素ごとに出力する。例えば、映像信号処理装置100は、図9(a)に示す夜空に対応する画素に対して第1制御値を導出する場合には、色相が青(B)を示す第1制御値(図1に示す“p”)に対応する値を出力する。なお、映像信号処理装置100は、色相信号(H)に応じて図1に示す“p”に相当する値を第1制御値として導出することに限られない。例えば、映像信号処理装置100は、色相信号(H)に応じて図1に示す“1.0−a”に相当する値を第1制御値として導出することもできる。以下では、映像信号処理装置100が、色相信号(H)に応じて図1に示す“p”に相当する値を導出するものとして説明する。
ここで、映像信号処理装置100は、例えば、色相信号(H)の値と第1制御値との値が一対一に対応付けられたルックアップテーブル(Look Up Table)を用いることにより、色相信号(H)の値に応じた第1制御値を一意に導出することができる。また、ルックアップテーブルに記録される色相信号(H)の値に対応する第1制御値の値は、図1に示すように、例えば、青色などのように輝度が低い色程、値を大きくするように設定する。上記は、上述したように、青色などのように輝度が低い色程、彩度が高い部分の明度が多少変化したとしてもユーザが分からない傾向が強いためである。また、逆に、例えば、赤や黄色などのように元々輝度の高い色に対しては、第1制御値の値がより小さくなる(または、変化させない)ように設定する。なお、第1制御値の値は、例えば、ある値を設定したときのコントラスト向上効果やそのときに生じうる色変化の度合いなどを考慮して、予め設定されるが、第1設定値の決定方法は、上記に限られない。
映像信号処理装置100が上記のように第1制御値を導出することによって、従来の技術2が適用された従来の映像信号処理装置のように、色相を大きく変化(ユーザが色の変化を感じる程の変化)させることなく、明度を調整することができる。なお、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第1制御値の導出方法が、上記に限られないことは、言うまでもない。
(2−2)彩度信号(S)に基づく第2制御値の導出処理
映像信号処理装置100は、上記(2−1)で導出された第1制御値に基づいて第2制御値の下限値と、彩度信号(S)に応じた第2制御値の値とを設定する。そして、映像信号処理装置100は、彩度信号(S)に応じた第2制御値を画素ごとに導出する。
図2は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第2制御値の導出方法の一例を示す説明図である。図2では、横軸に彩度信号(S)を示し、縦軸に第2制御値を示している。ここで、図2では、彩度信号(S)および第1制御値を0.0〜1.0の範囲で表しているが、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、百分率で表された彩度信号(S)に基づいて、百分率で表された第2制御値を彩度信号(S)に応じて導出することもできる。また、図2は、色相信号(H)が示す色相が青の場合、すなわち第1制御値が図1に示す“p”である場合における第2制御値の導出方法を示している。
図2に示すように、映像信号処理装置100は、第1制御値(図2に示す“p”)により、第2制御値の下限値(彩度信号(S)が最大値1.0のときの第2制御値)を設定する。また、映像信号処理装置100は、第1制御値の値と図2のQとにより彩度信号(S)に応じた第2制御値を一意に導出する。より具体的には、映像信号処理装置100は、例えば、上記(2−1)の処理において導出された画素ごとの第1制御制御値に基づいて、例えば、以下の数式5に示す演算(例えば図2に示すQを規定する演算)を画素ごとに行うことによって、第2制御値の下限値の設定および彩度信号(S)に応じた第2制御値を一意に導出する。ここで、数式5に示す“y”は第2制御値を示し、“p”は第1制御値を示している。また、数式5に示す“x”は彩度信号(S)の値を示している。
Figure 2010109794
映像信号処理装置100は、例えば、数式5を用いることによって、第1制御値および彩度信号(S)に基づいて第2制御値を導出することができる。つまり、映像信号処理装置100は、(2−2)の処理を行うことによって、入力映像信号に応じた色相および彩度に基づく第2制御値を導出することができる。したがって、上記のように導出された入力映像信号に応じた色相および彩度に基づく第2制御値を用いて第1明度信号(V)を調整することによって、映像信号処理装置100は、入力映像信号に応じた色相および彩度に基づいて明度を画素ごとに調整することができる。
なお、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第2制御値の導出方法は、数式5を用いる方法に限られない。例えば、百分率で表された第1制御値および彩度信号(S)を処理する場合には、映像信号処理100は、例えば、以下の数式6に示す演算を画素ごとに行うことによって、第2制御値の下限値の設定および彩度信号(S)に応じた第2制御値を一意に導出することができる。また、映像信号処理装置100は、複数のルックアップテーブル(色相ごとに対応するルックアップテーブル)備えることによって、第1制御値および彩度信号(S)に基づく第2制御値を一意に導出することもできる。
Figure 2010109794
(2−3)明度調整処理(第2明度信号(V’)導出処理)
映像信号処理装置100は、上記(2−2)の処理において導出された第2制御値と、第1明度信号(V)とに基づいて、明度が調整された第2明度信号(V’)を画素ごとに導出する。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、第2制御値を係数として用い、第1明度信号(V)と第2制御値とを画素ごとに乗算することによって第2明度信号(V’)を導出することができる。
〔第1の導出方法〕
図3は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第2明度信号(V’)の導出方法の第1の例を示す説明図である。図3では、横軸に第1明度信号(V)を示し、縦軸に第2明度信号(V’)を示している。ここで、図3では、第1明度信号(V)および第2明度信号(V’)を0.0〜1.0の範囲で表しているが、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、百分率で表された第1明度信号(V)に基づいて、百分率で表された第2明度信号(V’)を導出することもできる。
上記(2−2)の処理において導出された第2制御値を第1明度信号(V)に乗算することによって、映像信号処理装置100は、例えば、図3のAに示すように、第2制御値に応じて明度が下げられた第2明度信号(V’)を導出することができる。ここで、上記(2−2)の処理において導出される第2制御値は、上述したように入力映像信号に応じた色相および彩度に基づく値である。よって、映像信号処理装置100は、彩度が高い画素に対応する第1明度信号(V)ほど明度を下げ、また、色相に応じて明度を変化させる制御量を画素ごとに変えることができる。したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。なお、図3のZに示すように、映像信号処理装置100は、第1明度信号(V)と等しい第2明度信号(V’)を導出することもできる(第2制御値が1.0の場合)。
〔第2の導出方法〕
上記では、第2明度信号(V’)の第1の導出方法として、第1明度信号(V)によらず第2制御値を第1明度信号(V)に乗算する方法を示した。しかしながら、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第2明度信号(V’)の導出方法は、上記に限られない。
図4は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における第2明度信号(V’)の導出方法の第2の例を示す説明図である。ここで、図4では、図3と同様に、横軸に第1明度信号(V)を示し、縦軸に第2明度信号(V’)を示している。
図4のBに示すように、映像信号処理装置100は、所定の閾値THを設定し、第1明度信号(V)が閾値THを超えた場合(または、第1明度信号(V)が閾値TH以上となった場合)において、第2制御値を第1明度信号(V)に乗算することによって、第2明度信号(V’)を導出することもできる。映像信号処理装置100が上記のように第2明度信号(V’)を導出することによって、映像信号処理装置100は、第1明度信号(V)が閾値TH以下となる(または、閾値THより小さくなる)画素、すなわち、入力映像信号が示す画像における低階調部分に対応する画素を、明度の調整対象から除外することができる。よって、映像信号処理装置100は、第2の導出方法を用いて第2明度信号(V’)を導出することにより高階調部分(すなわち、閾値THにより除外されたない部分)の画素に対応する第1明度信号(V)を選択的に調整することができるので、調整後も低階調部分の明度が維持される。したがって、映像信号処理装置100は、第2の導出方法を用いて第2明度信号(V’)を導出することによって、より高画質化を図ることができる。
映像信号処理装置100は、例えば、上記第1の導出方法や上記第2の導出方法を用いることによって、第2明度信号(V’)を導出する。したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。なお、本発明の実施形態に係る第2明度信号(V’)の導出方法が、上記第1の導出方法や上記第2の導出方法に限られないことは、言うまでもない。
映像信号処理装置100は、例えば、上記(2−1)の処理〜(2−3)の処理によって、明度調整処理を実現する。ここで、映像信号処理装置100は、色相信号(H)に応じた第1制御値および彩度信号(S)に基づいて第2制御値を画素ごとに導出し、当該第2制御値および第1明度信号(V)に基づいて第2明度信号(V’)を導出する。つまり、映像信号処理装置100は、彩度が高い画素に対応する第1明度信号(V)ほど明度を下げ、また、色相に応じて明度を変化させる制御量を画素ごとに変えることができる。したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
(3)第2の色空間の変換処理
映像信号処理装置100は、色相信号(H)、彩度信号(S)、および第2明度信号(V’)に基づいて、画素ごとに色空間をRGB空間(入力映像信号に対応する色空間)に変換する。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、以下の数式7〜数式15を用いることによって、色相信号(H)、彩度信号(S)、および第2明度信号(V’)をR信号、G信号、およびB信号に変換することができる。以下の数式では、R信号を“Ro”、G信号を“Go”、およびB信号を“Bo”として表し、色相信号(H)を“H”、彩度信号(S)を“S”、第2明度信号(V’)を“V’”として表している。
<彩度信号(S)=0のとき>
Figure 2010109794
<彩度信号(S)≠0のとき>
Figure 2010109794
Figure 2010109794
Figure 2010109794
Figure 2010109794

Figure 2010109794
Figure 2010109794
Figure 2010109794
Figure 2010109794
映像信号処理装置100は、例えば、上記数式7〜数式15に示す演算を画素ごとに行うことによって、明度が画素ごとに調整されたR信号(以下、「Ro信号」とよぶ場合がある。)、G信号(以下、「Go信号」とよぶ場合がある。)、およびB信号(以下、「Bo信号」とよぶ場合がある。)を出力することができる。
映像信号処理装置100は、例えば、上記(1)の処理(第1の色空間の変換処理)、(2)の処理(明度調整処理)、および(3)の処理(第2の色空間の変換処理)を行うことによって、画素ごとに入力映像信号の明度を調整する。ここで、映像信号処理装置100は、上述したように、上記(2)の処理において彩度が高い画素に対応する第1明度信号(V)ほど明度を下げ、また、色相に応じて明度を変化させる制御量を画素ごとに変える。そして、映像信号処理装置100は、色相信号(H)、彩度信号(S)、および明度が調整された第2明度信号(V’)に基づくRo信号、Go信号、およびBo信号を画素ごとに出力する。よって、映像信号処理装置100は、上記(1)の処理〜(3)の処理により、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現することができる。したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
なお、本発明の実施形態に係るアプローチを実現するための処理は、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、上記(3)の処理(第2の色空間の変換処理)を行わず、色相信号(H)、彩度信号(S)、および明度が調整された第2明度信号(V’)を出力映像信号として出力することもできる。上記の場合であっても、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することができるので、コントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
[映像信号処理装置100における入力映像信号の調整例]
ここで、映像信号処理装置100における入力映像信号の調整例を示す。図5は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100における入力映像信号の調整例を示す説明図である。図5(a)は、図9(a)と同様の画像、すなわち、“青い夜空”に“白い星”が瞬いている画像を示している。また、図5(b)は、図5(a)に示すラインa−bの各位置におけるR成分に対応するR信号を示している。同様に、図5(c)はG成分に対応するG信号、図5(d)は青B成分に対応するB信号、図5(d)はY信号をそれぞれ示している。
図5(a)に示す画像を表す入力画像信号が入力された場合、映像信号処理装置100は、各画素ごとに本発明の実施形態に係るアプローチを実現するための上述した(1)の処理〜(3)の処理を行う。その結果、例えば、図5(a)に示すラインa−bの各位置に対応する映像信号のうち“青い夜空”に対応する映像信号の明度が下がるように調整され、“白い星”に対応する映像信号の明度は調整されない。つまり、映像信号処理装置100は、“青い夜空”に対応する部分の階調を下げるように明度の調整を行う。ここで、図5では、調整量をΔBと表している。
上記の映像信号の調整の結果、図5(b)〜図5(e)に示すように、“青い夜空”に対応する部分の階調のみが下がり、“白い星”に対応する部分の階調は変化しない。よって、図5(e)に示すように、“白い星”に対応する部分と“青い夜空”に対応する部分との間の輝度差は、調整量ΔBに相当する分、すなわち、数式1より導かれる「0.11×ΔB」分広がることとなる。
したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
(本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100)
次に、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを実現するための(1)の処理〜(3)の処理を行うことが可能な映像信号処理装置100の構成について説明する。
以下では、映像信号処理装置100に入力される映像信号が、例えば、デジタル放送などで用いられるデジタル信号であるとして説明する。また、映像信号処理装置100に入力される映像信号は、例えば、放送局から送信され映像信号処理装置100が受信したものとすることができるが、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100に入力される映像信号は、LAN(Local Area Network)などのネットワークを介して外部装置から送信され、映像信号処理装置100が受信したものであってもよいし、または、映像信号処理装置100が備える記憶部(図示せず)に保持された映像ファイルや画像ファイルを映像信号処理装置100が読み出したものであってもよい。
図6は、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100の構成の一例を示すブロック図である。ここで、図6では、入力映像信号を、Ri、Gi、Biと示し、また、出力される映像信号(明度が調整された映像信号。以下、「出力映像信号」とよぶ場合がある。)をRo、Go、Boとして示している。
図6を参照すると、映像信号処理装置100は、第1色空間変換部102と、第1制御値設定部104と、第2制御値設定部106と、明度調整部108と、第2色空間変換部110とを備える。
また、映像信号処理装置100は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などで構成され映像信号処理装置100全体を制御することが可能な制御部(図示せず)や、制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(Read Only Memory。図示せず)、制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(Random Access Memory。図示せず)、放送局などから送信される画像信号を受信する受信部(図示せず)、映像ファイルや画像ファイルなどを記憶可能な記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、外部装置(図示せず)と通信を行うための通信部(図示せず)などを備えてもよい。映像信号処理装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により上記各構成要素間を接続する。なお、制御部(図示せず)は、後述する第1色空間変換部102、第1制御値設定部104、第2制御値設定部106、明度調整部108、および第2色空間変換部110の役目を果たすこともできる。
ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスク(Hard Disk)などの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)、MRAM(Magnetoresistive Random Access Memory)、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)、PRAM(Phase change Random Access Memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられるが、上記に限られない。また、操作部(図示せず)としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
また、映像信号処理装置100と外部装置(図示せず)とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)端子やIEEE1394規格の端子、DVI(Digital Visual Interface)端子、あるいはHDMI(High-Definition Multimedia Interface)端子などを介して物理的に接続されてもよいし、また、WUSB(Wireless Universal Serial Bus)やIEEE802.11などを利用して無線で接続することもできる。さらに、映像信号処理装置100と外部装置(図示せず)とは、例えば、ネットワークを介して接続することもできる。ネットワークとしては、例えば、LANやWAN(Wide Area Network)など有線ネットワーク、MIMO(Multiple-Input Multiple-Output)を用いたWLAN(Wireless Local Area Network)などの無線ネットワーク、あるいは、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)などの通信プロトコルを用いたインターネットなどが挙げられるが、上記に限られない。したがって、通信部(図示せず)は、外部装置(図示せず)との接続形態に応じたインタフェースを有する。
第1色空間変換部102は、上述した(1)の処理(第1の色空間の変換処理)を行う役目を果たす。つまり、第1色空間変換部102は、入力映像信号(Ri信号、Gi信号、Bi信号)を色相信号(H)、彩度信号(S)、および第1明度信号(V)に変換する。ここで、第1色空間変換部102は、例えば、上記数式2〜数式4を用いることによって、Ri信号、Gi信号、Bi信号からなる入力映像信号を色相信号(H)、彩度信号(S)、および第1明度信号(V)に変換するが、変換方法は上記に限られない。
第1制御値設定部104は、上述した(2−1)の処理(色相信号(H)に基づく第1制御値の導出処理)を行う役目を果たす。つまり、第1制御値設定部104は、色相信号(H)に基づいて第1制御値を画素ごとに導出する。ここで、第1制御値設定部104は、色相信号(H)の値と第1制御値との値が一対一に対応付けられたルックアップテーブルを用いることにより、色相信号(H)の値に応じた第1制御値を一意に導出するが、上記に限られない。色相信号(H)の値と第1制御値との値とが対応付けられたルックアップテーブルは、例えば、第1制御値設定部104が備える記憶手段に保持することができる。第1制御値設定部104が備える記憶手段としては、例えば、EEPROMやフラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。なお、上記ルックアップテーブルは、例えば、映像信号処理装置100の記憶部(図示せず)に記憶され、第1制御値設定部104が当該記憶部(図示せず)から適宜読み出してもよいことは、言うまでもない。
第2制御値設定部106は、上述した(2−2)の処理(彩度信号(S)に基づく第2制御値の導出処理)を行う役目を果たす。つまり、第2制御値設定部106は、第1制御値設定部104から出力される第1制御値と彩度信号(S)とに基づいて、第2制御値を画素ごとに導出する。ここで、第2制御値設定部106は、例えば、上記数式5の演算を行う専用の演算回路を備えることによって、第1制御値および彩度信号(S)に応じた第2制御値を出力することができるが、上記に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、第2制御値設定部106をMPUや汎用の演算回路で構成することもできる。
明度調整部108は、上述した(2−3)の処理(明度調整処理)を行う役目を果たす。つまり、明度調整部108は、第2制御値設定部106から出力される第2制御値と第1明度信号(V)とに基づいて、第2明度信号(V’)を画素ごとに出力する。ここで、明度調整部108は、第2制御値と第1明度信号(V)とを乗算するための乗算回路(演算回路)を備えることによって、第2明度信号(V’)を画素ごとに出力するが、上記に限られない。例えば、明度調整部108は、閾値THによる閾値判定処理を行うコンパレータなどの演算回路をさらに備え、閾値判定処理の結果に応じて選択的に第2制御値と第1明度信号(V)とを乗算することもできる。閾値THの情報は、例えば、第2制御値設定部106が備える記憶手段に保持することができるが、上記に限られない。また、映像信号処理装置100は、明度調整部108をMPUや汎用の演算回路で構成することもできる。
第2色空間変換部110は、上述した(3)の処理(第2の色空間の変換処理)を行う役目を果たす。つまり、第2色空間変換部110は、色相信号(H)、彩度信号(S)、および第2明度信号(V’)を出力映像信号(Ro信号、Go信号、Bo信号)に変換する。ここで、第2色空間変換部110は、例えば、上記数式7〜数式15を用いることによって、色相信号(H)、彩度信号(S)、および第2明度信号(V’)をRo信号、Go信号、およびBo信号に変換するが、変換方法は上記に限られない。
映像信号処理装置100は、例えば、第1色空間変換部102、第1制御値設定部104、第2制御値設定部106、明度調整部108、および第2色空間変換部110を備えることによって、上述した(1)の処理(第1の色空間の変換処理)、(2)の処理(明度調整処理)、および(3)の処理(第1の色空間の変換処理)を実現する。したがって、映像信号処理装置100は、画素ごとに入力映像信号の明度を調整し、明度が調整された出力映像信号を出力することができる。
なお、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置の構成は、図6に示す構成に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置は、第2色空間変換部110を備えない構成、すなわち、(3)の処理(第1の色空間の変換処理)を行わない構成とすることもできる。上記の構成であっても、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することができる。
以上のように、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100は、上述した上記(1)の処理(第1の色空間の変換処理)、(2)の処理(明度調整処理)、および(3)の処理(第1の色空間の変換処理)を行うことによって、画素ごとに入力映像信号の明度を調整する。ここで、映像信号処理装置100は、上述した(2)の処理において彩度が高い画素に対応する第1明度信号(V)ほど明度を下げ、また、色相に応じて明度を変化させる制御量を画素ごとに変える。そして、映像信号処理装置100は、色相信号(H)、彩度信号(S)、および明度が調整された第2明度信号(V’)に基づく出力映像信号(Ro信号、Go信号、Bo信号)を画素ごとに出力する。上記のように入力映像信号に応じた色相と彩度とに基づいて明度を画素ごとに調整することによって、映像信号処理装置100は、入力映像信号を、例えばホワイト・ピーク部分との階調差がより大くなる映像信号に調整することができる。また、映像信号処理装置100は、上記のように入力映像信号に応じた色相および彩度に基づいて明度を画素ごとに調整するので、従来の技術2が適用された従来の映像信号処理装置のように、色相が大きく変化(ユーザが色の変化を感じる程の変化)することはない。したがって、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
また、映像信号処理装置100は、上記のように彩度が高い画素に対応する入力映像信号ほど明度を下げる。また、映像信号処理装置100から出力される出力映像信号が表す画像を表示画面に表示する表示デバイスは、明度が下げられた出力映像信号に基づいて画像を表示画面に表示する。よって、映像信号処理装置100は、入力映像信号の明度を調整することによって、上記表示デバイスにおける映像信号が表す画像を表示するために要する消費電力を、明度の調整前の入力映像信号に基づいて画像を表示させる場合と比較して、より低減させることができる。さらに、上記表示デバイスが、例えば、有機ELディスプレイのようにRGB各色の光をそれぞれ発光しかつ発光効率が異なる発光素子を有する場合、当該表示デバイスでは、所定の輝度を得るために必要な発光素子を発光させる電流や、発光素子の寿命などが発光素子の種類ごとに異なる。よって、上記表示デバイスが、例えば、有機ELディスプレイのようにRGB各色の光をそれぞれ発光しかつ発光効率が異なる発光素子を有する場合には、映像信号処理装置100は、入力映像信号の明度を調整することによって、当該表示デバイスの消費電力を低減させ、また、発光素子の寿命をより延ばすことが可能となる。
以上、本発明の実施形態として映像信号処理装置100を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED、LCD、PDPなどの表示装置や、PC(Personal Computer)やサーバ(Server)などのコンピュータ、携帯電話などの携帯型通信装置など、様々な機器に適用することができる。また、映像信号処理装置100は、例えば、図6に示す各部が集積されたICチップとして実現することもできる。なお、表示装置への適用については、後述する。
(映像信号処理装置に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置として機能させるためのプログラムによって、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
(本発明の実施形態に係る映像信号処理方法)
次に、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法について説明する。図7は、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法の一例を示す流れ図である。なお、以下では、図7に示す映像信号処理方法を映像信号処理装置100が行うものとして説明するが、上記に限られず、後述する本発明の実施形態に係る表示装置に適用することもできる。
映像信号処理装置100は、入力映像信号(Ri信号、Gi信号、Bi信号)を色相信号(H)、彩度信号(S)、第1明度信号(V)に変換する(S100。第1の色空間変換処理)。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、上記数式2〜数式4を用いることによって、入力映像信号を色相信号(H)、彩度信号(S)、および第1明度信号(V)に変換するが、変換方法は上記に限られない。
映像信号処理装置100は、ステップS100において変換された色相信号(H)に基づいて、第1制御信号を画素ごとに設定する(S102)。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、色相信号(H)の値と第1制御値との値が一対一に対応付けられたルックアップテーブルを用いることにより、色相信号(H)の値に応じた第1制御値を一意に導出するが、上記に限られない。
映像信号処理装置100は、ステップS100において変換された彩度信号(S)と、ステップS102において画素ごとに設定された第1制御値とに基づいて、第2制御値を画素ごとに設定する(S104)。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、上記数式5を用いることによって、彩度信号(S)および第1制御値に基づいて第2制御値を画素ごとに設定するが、上記に限られない。
映像信号処理装置100は、ステップS104において画素ごとに設定された第2制御値とに基づいて、ステップS100において変換された第1明度信号(V)を画素ごとに調整する(S106)。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、第1明度信号(V)と画素ごとに設定された第2制御値とを対応する画素ごとに乗算することによって第1明度信号(V)を調整するが、上記に限られない。
映像信号処理装置100は、ステップS100において変換された色相信号(H)および彩度信号(S)と、ステップS106において調整された第2明度信号(V’)とを出力映像信号(Ro信号、Go信号、Bo信号)に変換する(S108。第2の色空間変換処理)。ここで、映像信号処理装置100は、例えば、上記数式7〜数式15を用いることによって、色相信号(H)、彩度信号(S)、および第2明度信号(V’)を出力映像信号(Ro信号、Go信号、Bo信号)に変換するが、上記に限られない。
図7に示す映像信号処理方法を用いることにより、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
なお、本発明の実施形態に係る映像信号処理方法は、図7に示す方法に限られない。例えば、映像信号処理装置100は、図7に示すステップS108を行わず、ステップS100において変換された色相信号(H)および彩度信号(S)と、ステップS106において調整された第2明度信号(V’)とを出力映像信号として出力することもできる。上記の映像信号処理方法を用いる場合においても、映像信号処理装置100は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することができるので、コントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
(本発明の実施形態に係る表示装置)
次に、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置を適用した表示装置について説明する。
図8は、本発明の実施形態に係る表示装置200の構成の一例を示すブロック図である。なお、図8に示す表示装置200は、本発明の実施形態に係る表示装置の一実施形態であり、本発明の実施形態が図8の構成に限定されるものではないことは、言うまでもない。また、以下では、表示装置200に入力される映像信号が、図6に示す映像信号処理装置100と同様の入力映像信号(Ri信号、Gi信号、Bi信号)であるものとして説明する。
図8を参照すると、表示装置200は、映像信号調整部202と、映像表示部204とを備える。
また、表示装置200は、例えば、MPUなどで構成され表示装置200全体を制御することが可能な制御部(図示せず)や、制御部が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データが記録されたROM(図示せず)、制御部により実行されるプログラムなどを一次記憶するRAM(図示せず)、ユーザインタフェース用の表示データなどの各種データを記憶可能な記憶部(図示せず)、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)、放送局などから送信される映像信号を受信する受信部(図示せず)、外部装置(図示せず)と通信を行うための通信部(図示せず)などを備えてもよい。表示装置200は、例えば、データの伝送路としてのバスにより上記各構成要素間を接続する。
ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM、フラッシュメモリなどの不揮発性メモリが挙げられるが、上記に限られない。また、操作部(図示せず)としては、例えば、キーボードやマウスなどの操作入力デバイスや、ボタン、方向キー、あるいは、これらの組み合わせなどが挙げられるが、上記に限られない。
また、表示装置200と外部装置(図示せず)とは、例えば、USB端子やDVI端子、あるいはHDMI端子などを介して物理的に接続されてもよいし、また、WUSBなどを利用して無線で接続することもできる。さらに、表示装置200と外部装置(図示せず)とは、例えば、有線/無線のネットワークを介して接続することもできる。したがって、通信部(図示せず)は、外部装置(図示せず)との接続形態に応じたインタフェースを有する。
映像信号調整部202は、例えば、図6に示す本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100と同様の構成をとることができる。したがって、映像信号調整部202は、入力映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させた出力映像信号(Ro信号、Go信号、Bo信号)を出力する。
映像表示部204は、映像信号調整部202において調整された映像信号に基づいて、映像を表示する。
[映像表示部204の構成例]
映像表示部204は、表示部206と、行駆動部208と、列駆動部210と、電源供給部212と、表示制御部214とを備える。
表示部206は、映像信号が表す画像を表示する表示画面の役目を果たす。表示部206は、例えば、マトリクス状(行列状)に配置された複数の画素を備える。例えば、SD(Standard Definition)解像度の映像を表示する表示部は、少なくとも640×480=307200(データ線×走査線)の画素を有し、カラー表示のために当該画素がR、G、Bのサブピクセル(sub pixel)からなる場合には、640×480×3=921600(データ線×走査線×サブピクセルの数)のサブピクセルを有する。同様に、例えば、HD(High Definition)解像度の映像を表示する表示部は、1920×1080の画素を有し、カラー表示の場合には、1920×1080×3のサブピクセルを有する。
また、表示部206は、例えば、画素ごとに印加する電圧量/電流量を制御するための画素回路(図示せず)を備えていてもよい。画素回路は、例えば、印加される走査信号および電圧信号により電流量を制御するためのスイッチ素子およびドライブ素子と、電圧信号を保持するためのキャパシタで構成される。上記スイッチ素子および上記ドライブ素子は、例えば、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor)で構成される。
行駆動部208、および列駆動部210は、例えば、表示部206が有する複数の画素に電圧信号を印加して各画素を発光させる。ここで、行駆動部208、および列駆動部210は、一方が画素のON/OFFを決定する電圧信号(走査信号)を印加し、他方が表示させる映像に応じた電圧信号(映像信号)を印加する役目を果たすことができる。
また、行駆動部208、および列駆動部210の駆動方式としては、例えば、上記行列状に配置された画素ごとに発光させる点順次駆動走査方式、上記行列状に配置された画素を一列ごとに発光させる線順次駆動走査方式、そして、上記行列状に配置された全ての画素を発光させる面順次駆動走査方式などが挙げられる。なお、図8に示す表示装置200の映像表示部204は、行駆動部208と列駆動部210との2つの駆動部を備えているが、本発明の実施形態に係る表示装置が1つの駆動部で構成できることは、言うまでもない。
電源供給部212は、行駆動部208および列駆動部210に電源を供給し、行駆動部208および列駆動部210には電圧が印加される。また、電源供給部212が、行駆動部208および列駆動部210に印加する電圧の大きさは、映像信号調整部202により調整された映像信号に応じて可変する。
表示制御部214は、例えば、MPUなどで構成され、映像信号調整部202により調整された映像信号に応じて、行駆動部208および列駆動部210の一方に画素のON/OFFを決定する電圧を画素に印加するための制御信号を入力し、また、他方に映像信号を入力する。また、表示制御部214は、映像信号調整部202により補正された映像信号に応じて、電源供給部212による行駆動部208および列駆動部210への電源の供給を制御することもできる。
本発明の実施形態に係る表示装置200は、図8に示すような構成を有することにより、入力される映像信号を調整し、当該調整された映像信号(出力映像信号)に基づいて当該映像信号が表す画像を表示することができる。なお、本発明の実施形態に係る表示装置100の構成が、図8に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
以上のように、本発明の実施形態に係る表示装置200は、上述した本発明の実施形態に係る映像信号処理装置100と同様の機能、構成を有する映像信号調整部202を備える。よって、表示装置200は、画素ごとに入力映像信号の明度を調整することができる。また、表示装置200は、明度が調整された映像信号(出力映像信号)に基づいて当該映像信号が表す画像を表示する。したがって、表示装置200は、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
また、表示装置200は、彩度が高い画素に対応する入力映像信号ほど明度を下げ、明度が調整された映像信号(出力映像信号)が表す画像を表示画面に表示する。よって、表示装置200は、映像信号が表す画像を表示するために要する消費電力を、明度の調整前の入力映像信号に基づいて画像を表示させる場合と比較してより低減させることができる。さらに、表示装置200が、例えば、有機ELディスプレイのようにRGB各色の光をそれぞれ発光しかつ発光効率が異なる発光素子を有する場合には、表示装置200は、入力映像信号の明度を調整することによって、映像信号が表す画像を表示するために要する消費電力を低減させ、また、発光素子の寿命をより延ばすことが可能となる。
また、本発明の実施形態として表示装置200を挙げて説明したが、本発明の実施形態は、かかる形態に限られない。本発明の実施形態は、例えば、CRTディスプレイ、有機ELディスプレイ、FED、PDPなどの自発光型の表示装置や、LCDなどのバックライト型の表示装置、テレビジョン(Television)放送を受信する受信装置に適用することができる。また、本発明の実施形態は、PCやサーバなどのコンピュータ、携帯電話などの携帯型通信装置など、様々な機器に適用することができる。
(表示装置に係るプログラム)
コンピュータを、本発明の実施形態に係る表示装置をとして機能させるためのプログラムによって、入力された映像信号に基づいて選択的に明度を調整することによりコントラストを向上させて高画質化を図ることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、図1に示す映像信号処理装置100、および図8に示す表示装置200では、入力される入力映像信号がデジタル信号であるとして説明したが、かかる形態に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置および本発明の実施形態に係る表示装置は、A/Dコンバータをそれぞれ備え、入力されるアナログ信号(映像信号)をデジタル信号に変換して、当該変換後の映像信号を処理してもよい。
また、図1に示す映像信号処理装置100、および図8に示す表示装置200では、入力される入力映像信号が、RGB空間で表されたR信号、G信号、B信号であるとして説明したが、かかる形態に限られない。例えば、本発明の実施形態に係る映像信号処理装置および本発明の実施形態に係る表示装置は、上述した本発明の実施形態に係るアプローチを適用することによって、例えば、YUVなど他の色空間で表された映像信号を処理することもできる。
上述した構成は、本発明の実施形態の一例を示すものであり、当然に、本発明の技術的範囲に属するものである。
本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における第1制御値の導出方法の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における第2制御値の導出方法の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における第2明度信号(V’)の導出方法の第1の例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における第2明度信号(V’)の導出方法の第2の例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る映像信号処理装置における入力映像信号の調整例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係る映像信号処理装置の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の実施形態に係る映像信号処理方法の一例を示す流れ図である。 本発明の実施形態に係る表示装置の構成の一例を示すブロック図である。 映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置における問題を説明するための説明図である。 映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてY信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第1の説明図である。 映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてY信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第2の説明図である。 映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてB信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第1の説明図である。 映像信号に基づく輝度信号のヒストグラムに基づいて映像信号を補正する従来の映像信号処理装置においてB信号に基づいてヒストグラムを検出する場合における問題を説明するための第2の説明図である。
符号の説明
100 映像信号処理装置
102 第1色空間変換部
104 第1制御値設定部
106 第2制御値設定部
108 明度値調整部
110 第2色空間変換部
200 表示装置
202 映像信号調整部
204 映像表示部
206 表示部
208 行駆動部
210 列駆動部
212 電源供給部
214 表示制御部

Claims (7)

  1. 赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号に基づいて色空間を変換し、前記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力する第1色空間変換部と、
    前記色相信号に基づいて、前記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と前記彩度信号に応じた前記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定する第1制御値設定部と、
    前記彩度信号と前記第1制御値設定部において設定された第1制御値とに基づいて、前記第2制御値を画素ごとに設定する第2制御値設定部と、
    前記第1明度信号と前記第2制御値設定部において設定された第2制御値とに基づいて前記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力する明度調整部と、
    前記色相信号、前記彩度信号、および前記明度調整部において調整された前記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる出力映像信号を出力する第2色空間変換部と、
    を備えることを特徴とする、映像信号処理装置。
  2. 前記明度調整部は、画素ごとの前記第2制御値と前記第1明度信号とを画素ごとに乗算して前記第2明度信号を出力することを特徴とする、請求項1に記載の映像信号処理装置。
  3. 前記明度調整部は、前記第1明度信号と、前記第2制御値を用いた明度の調整を行うか否かを画素ごとに判定するための閾値とに基づいて、
    前記第1明度信号が前記閾値を超えた場合、または、前記第1明度信号が前記閾値以上となった場合に、前記第2制御値と前記第1明度信号とが乗算された第2明度信号を出力し、
    前記第1明度信号が前記閾値を超えていない場合、または、前記第1明度信号が前記閾値より小さい場合には、前記第1明度信号を第2明度信号として出力することを特徴とする、請求項2に記載の映像信号処理装置。
  4. 前記第1制御値設定部は、前記入力映像信号に基づく前記色相信号が表す色相ごとに予め定められた第1制御値を設定することを特徴とする、請求項1〜3に記載の映像信号処理装置。
  5. 赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号に基づいて色空間を変換し、前記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力するステップと、
    前記色相信号に基づいて、前記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と前記彩度信号に応じた前記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定するステップと、
    前記彩度信号と設定された前記第1制御値とに基づいて、前記第2制御値を画素ごとに設定するステップと、
    前記第1明度信号と設定された第2制御値とに基づいて前記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力するステップと、
    前記色相信号、前記彩度信号、および調整された前記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる出力映像信号を出力するステップと、
    を有することを特徴とする、映像信号処理方法。
  6. 赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号に基づいて色空間を変換し、前記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力するステップ、
    前記色相信号に基づいて、前記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と前記彩度信号に応じた前記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定するステップ、
    前記彩度信号と設定された前記第1制御値とに基づいて、前記第2制御値を画素ごとに設定するステップ、
    前記第1明度信号と設定された第2制御値とに基づいて前記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力するステップ、
    前記色相信号、前記彩度信号、および調整された前記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる出力映像信号を出力するステップ、
    をコンピュータに実行させるためのプログラム。
  7. 赤成分に対応するR信号、緑成分に対応するG信号、および青成分に対応するB信号からなる入力映像信号の階調を画素ごとに調整する映像信号調整部と、
    前記映像信号調整部が調整した映像信号に基づいて画像を表示画面に表示する映像表示部と、
    を備え、
    前記映像信号調整部は、
    前記入力映像信号に基づいて色空間を変換し、前記入力映像信号に基づく色相信号、彩度信号、および第1明度信号を画素ごとに出力する第1色空間変換部と、
    前記色相信号に基づいて、前記第1明度信号の調整に用いられる第2制御値の下限値と前記彩度信号に応じた前記第2制御値の値とを規定する第1制御値を画素ごとに設定する第1制御値設定部と、
    前記彩度信号と前記第1制御値設定部において設定された第1制御値とに基づいて、前記第2制御値を画素ごとに設定する第2制御値設定部と、
    前記第1明度信号と前記第2制御値設定部において設定された第2制御値とに基づいて前記第1明度信号の明度を画素ごとに調整し、調整された第2明度信号を出力する明度調整部と、
    前記色相信号、前記彩度信号、および前記明度調整部において調整された前記第2明度信号に基づいて色空間を変換し、R信号、G信号、およびB信号からなる映像信号を出力する第2色空間変換部と、
    を備えることを特徴とする、表示装置。

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