JP2010108536A - 二層型光情報記録媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 Rtopを、二層型DVD−ROMの規格と同じにしても、ドライブでのDC−Jitterの悪化という不具合を回避できる片面二層型の追記型光情報記録媒体を提供する。
【解決手段】 光透過性の第1基板に、少なくとも、有機色素を含有する第1記録層、半透明反射層、中間層、有機色素を含有する第2記録層、反射層、第2基板をこの順に有する光情報記録媒体において、第1基板の厚みを550〜570μm、中間層の膜厚を50〜70μm、第1基板の厚みと中間層の膜厚の合計を600〜620μmとし、プッシュプル値(PPb)を0.180〜0.219とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、光情報記録媒体に関し、特に、片面に記録層を二層有する光情報記録媒体に関する。
光で記録を行う情報記録媒体のうち、記録が可能な追記型コンパクトディスクはCD−R(Compact Disc−Recordable)と呼ばれ、再生専用のCD−ROM(Compact Disc−Read Only Memory)と互換性をもつことから多くの人に利用されてきたが、最近では、CDよりも高い記録密度を有するDVD(Digital Versatile Disc)においても、記録可能なDVDの開発が進められており、中でも、発振波長635nm〜660nmの赤色半導体レーザを用いて動画記録が可能な片面4.7GB記録容量の追記型のDVD−Rが、DVD−ROMとの互換性の高さから普及してきている。
DVD−Rは、第1の透明ディスク基板上に、色素含有記録層、反射層をこの順に有し、さらに保護層及び/又は接着層を介して或いは介さずに、第2のディスク基板を設け、必要に応じてその上に反射層を形成したいわゆるダミーディスクを設けた積層構造であり、第1の透明ディスク基板を通して片面側からレーザ光にて記録・再生を行なうものである。ダミーディスクは透明又は不透明のディスク基板のみであっても良いし、反射層以外の層を設けていても良い。
この追記型媒体は、記録層の有機色素が、照射されたレーザ光エネルギーの吸収によって、分解、蒸発、溶解等の化学的あるいは物理的変化を起こすことで反射率変化をもたらすピットを形成し、情報の記録再生ができる。
DVD−Rの記録層に用いる色素としては、シアニン色素、フタロシアニン色素、アゾ金属キレート色素など種々のものが提案され実用化されている。
ところで、DVD−ROMでは、1枚の光情報記録媒体の記憶容量を増加させるため、記録層を二層にしたものがある。図2は、その一例を模式的に示した断面図であり、第1の情報層である半透過層22が設けられた基板21と、第2の情報層である反射層34が設けられた第2基板25とが、透明週間層23を介して貼り合わされている。
そこで、前述の記録可能なDVDにおいても同様の複数情報層システムが提案されており、特に、記録再生装置が大型化、複雑化しないようにし、また、複数の記録層にわたる連続的な再生を可能とすべく、片面側からレーザ光を照射することによってこれらの複数の記録層に対して記録・再生を行うことができる片面入射型光情報記録媒体もすでに提案されている。
特許文献1,2には、有機色素層を用いた片面2層型の追記型光情報記録媒体について記載されており、レンズの焦点を変更することによって第1記録層及び第2記録層の両方に記録又は再生を行うことができるものである。
特に、特許文献2では、片面型DVD−Rシステムにおいては、基板厚さ0.6mmのときに対物レンズと記録層との距離が最適になるように調節されているので、この片面型DVD−R互換の場合には、第1基板の厚さは、0.6mm(600μm)から中間樹脂層の膜厚の2分の1を減じた厚さであることが望ましいとしている。
しかしながら、いずれもDVD−ROMとの互換性を考慮した層構成ではない。
特許文献3、4には、片面2層型の追記型光情報記録媒体において、DVD−ROM等の既存の情報記録媒体との互換性が望まれることが記載されており、互換性確保のために要求される、例えば、18〜30%といったDVD−ROMで要求される反射率の好適範囲(或いは、規格範囲)を満足させる必要があることが記載されている。
一方、特許文献5には、従来の記録再生光学系を大きく変更することなく、かつ信頼性よく安価に作製可能で、かつ十分な記録再生特性が得られる多層構造光情報媒体に関し、2つ情報面間の透明層(中間層)の厚さを30μm以上60μm以下とし、基板の厚さを0.52mm(520μm)以上0.65mm(650μm)以下とし、前記基板と前記透明層との厚さの合計(L1光路長)を、0.55mm(550μm)以上0.68mm(680μm)以下とすることにより、情報面間のクロストークがなく、第1の情報面における収差によるノイズ上昇を抑えて再生できることが記載されている。また、各情報面の反射率を10%以上50%以下、特に、各情報面の反射率が20%以内の差で等しくすることにより、どの情報面を再生しても無調整で、安定にサーボをかけることができると記載されている。
しかしながら、該多層構造光情報媒体は、情報面がすべて再生専用であっても、或いは、基板と最も反対側の情報面のみが記録可能で、他の情報面が再生専用であってもよく、記録可能な情報面が相変化型記録層又は光磁気型記録層であるとするものであって、片面二層がいずれも記録可能な記録層を有するものとは異なるものである。
特開2003−331473公報 特開2004−288242号公報 特開2005−4944号公報 再表2005−31728号公報 特許第3547227号公報
現在、市販されている片面二層型の追記型光情報記録媒体の反射率(以下、「Rtop」ということもある。)を調査したところ、下限が16%であった。一方、市販の二層型のDVD−ROMにおいては、Rtopは18%以上と規定されている。したがって、片面二層型の追記型光情報記録媒体において、二層型のDVD−ROMとの再生互換性を達成するためには、Rtopを18%以上とする必要があるが、Rtopを上昇させるについては、光情報記録媒体設計上の制約がある。
すなわち、プッシュプル値(PPb:The radial push-pull amplitude before record )は、光検出器の受光素子を半径方向に2分割した場合において、各々の出力をI1、I2としたとき、次式
(I1−I2)pp/[{(I1+I2)max+(I1+I2)min}/2]
(式中、ppはピーク対ピーク、maxは最大値、minは最小値を示す。)
で表されるが、市販されている片面二層型の追記型光情報記録媒体のPPbを調査したところ、その下限値は0.22である。
しかしながら、前述のRtopとPPbとは相関の関係にあり、Rtopの下限値を16%から18%に変更すると、PPbの下限値も同様に低くする必要があるが、PPbを現在市販のものの下限値0.22に比べて低くすると、層間ストロークの影響が大きくなり、サーボ制御に影響を及ぼすという問題が生じる。
また、層間ストロークを抑制するために膜厚を厚くすることが考えられるが、中間層の膜厚を厚くすると、光路長(第1基板の厚みと中間層の膜厚の合計)が遠くなり、ドライブにてDC−Jitterが悪化するという問題が生じる。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであって、Rtopを、二層型DVD−ROMの規格と同じにしても、ドライブでのDC−Jitterの悪化という不具合を回避できる片面二層型の追記型光情報記録媒体を提供することにある。
本発明者は、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、PPb、中間層の厚み、光路長、及び基板の厚みのそれぞれを特定することにより、上記課題を解決しうるという知見を得た。
本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものであり、光透過性の第1基板に、少なくとも、有機色素を含有する第1記録層、半透明反射層、中間層、有機色素を含有する第2記録層、反射層、第2基板をこの順に有する光情報記録媒体において、第1基板の厚みが550〜570μm、中間層の膜厚が50〜70μm、第1基板の厚みと中間層の膜厚の合計が600〜620μmであり、プッシュプル値(PPb)が0.180〜0.219であることを特徴とする光情報記録媒体を提供するものである。
本発明においては、PPbの下限を0.180とし、且つ、中間層膜厚を50〜70μm、第1基板の厚みを550〜570μm、光路長を600〜620μmとすることにより、Rtopの下限値を18%として、DVD−ROMの規格と同じにすることができるとともに、ドライブでのDC−Jitterの悪化という不具合を回避できる。
以下、図面により、本発明の実施の形態にかかる片面二層型の追記型光情報記録媒体について、図1を参照しながら説明する。
本実施形態にかかる光記録媒体は、片面に二層の記録層を有し、片面側からレーザ光を照射することでそれぞれの記録層に情報の記録又は再生を行なうことができる片面入射型DVD−Rであり、図1はその模式的な断面図である。
本発明にかかる光記録媒体は、図1に示すように、ディスク状の光透過性の第1基板(第1光透過性基板)1上に、少なくとも、色素を含む第1記録層(第1色素含有記録層)2、半透明の反射層(以下、半透明反射層という)3、中間樹脂層(中間層)4、色素を含む第2記録層(第2色素含有記録層)5、反射層6、第2基板7をこの順に有してなるものであり、光ビームは第1基板1側から照射され、第1記録層及び第2記録層に対して記録又は再生が行われる。
次に、各層について簡単に説明する。
光透過性の第1基板1は、光情報記録媒体の記録又は再生に用いる光ビームに対して光透過性があり、かつ、光記録媒体がある程度の剛性を有するように、形状安定性を備える材料からなるものであって、このような材料としては、例えばアクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリオレフィン系樹脂(特に非晶質ポリオレフィン)、ポリエステル系樹脂、ポリスチレン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂からなるもの、ガラスからなるものを用いることができる。特に、光学特性、成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からはポリカーボネートが好ましく用いられる。
第1基板1には凹凸(なお、凹凸とは、それぞれ光の入射方向に対する凹部、凸部をいう。)が螺旋状又は同心円状に設けられ、溝及びランドを形成する。通常、このような溝及び/又はランドを記録トラックとして、第1記録層2に情報が記録又は再生される。通常、第1基板1の溝部(凸部)を記録トラック10とするのが好ましく、溝幅は200〜500nm程度であり、溝深さは10〜250nm程度である。また、記録トラックが螺旋状である場合、トラックピッチは0.1〜2.0μm程度であることが好ましい。
第1記録層は、レーザ光により何らかの光学的変化が生じ、その変化により情報を記録する層であり、その材料としては有機色素を含有するものが用いられ、良好な記録再生特性を実現するためには低発熱で高屈折率な色素を用いることが望ましい。すなわち、記録層に使用される有機色素は、波長620〜690nm程度の赤色レーザ(代表的には635nm,650nm,680nmなど)、あるいは波長405nmや515nmなどのいわゆるブルーレーザなどでの記録に適する色素が好ましく用いられる。
半透明反射層3は、第1記録層2とともに第1情報層8(以下、「L0層」ということもある。)を構成するものであって、ある程度の光透過率を持つ反射層である。つまり、記録再生光の吸収が小さくて、光透過率があり、かつ適度な光反射率を持つ反射層である。
このような半透明反射層3は、金属、半金属、合金、金属の酸化物及び/又は窒化物、あるいはこれらの中から選ばれた少なくとも2種の混合物で形成される。
中間樹脂層4には、第1基板と同様に、凹凸が螺旋状又は同心円状に設けられ、溝及びランドを形成する。通常、このような溝及び/又はランドを記録トラックとして、第2記録層5に情報が記録又は再生される。第1基板と同様、中間樹脂層4の溝部(凸部)を記録トラック11とするのが好ましく、溝幅は200〜500nm程度であり、溝深さは10〜250nm程度である。また記録トラックが螺旋状である場合、トラックピッチは0.1〜2.0μm程度であることが好ましい。
中間樹脂層4の材料としては、第1基板と同様に、光透明である必要があるほか、凹凸により溝やピットが形成可能である必要がある。また、接着力が高く、さらに硬化接着時の収縮率が小さいものは、媒体の形状安定性が高いので特に好ましく、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、電子線硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂などの放射線硬化性樹脂等を挙げることができる。
第2記録層5は、入射した光ビームのパワーが第1記録層2や半透明反射層3の存在等で減少し、約半分程度のパワーで記録されるために、特に感度が高い必要があり、通常の片面型記録媒体(例えばCD−R,DVD−R,DVD+R)等に用いる記録層よりも高感度なものが用いられる。また、良好な記録再生特性を実現するためには低発熱で高屈折率な色素を用いることが望ましい。更に、記録感度を高くし、かつ記録時の熱干渉を小さくするために、第2記録層5と後述する反射層6との組合せにおいて、光の反射及び吸収を適切な範囲とすることが望ましい。
第1記録層2と第2記録層5とに用いる材料は同じでも良いし異なっていてもよい。
反射層6は、第2記録層5とともに第2情報層(以下、「L1層」ということもある。)を構成するものであって、高反射率の材料からなる層であり、反射層6の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもので、金属、半金属、合金、金属の酸化物及び/又は窒化物、あるいはこれらの中から選ばれた少なくとも2種の混合物で形成される。
反射層6と半透明反射層3とに用いる材料は同じでも良いし異なっていてもよい。
第2基板8は、光透明性である必要はなく、光記録媒体がある程度の剛性を有するよう、機械的安定性が高く、剛性が大きいことが好ましいが、前述の第1基板1が十分な形状安定性を備えていない場合は、第2基板8は特に形状安定性が高い必要がある。
このような材料としては、第1基板1に用いうる材料と同じものが用い得るほか、例えば、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、Mgを主成分とした例えばMg−Zn合金等のMg合金基板、シリコン、チタン、セラミックスのいずれかからなる基板やそれらを組み合わせた基板などを用いることができるが、成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からはポリカーボネートが好ましい。
次に、本発明の光情報記録媒体における、プッシュプル値(PPb)、中間層の膜厚、第1情報層までの光路長、及び第1基板の厚みの設定について、詳しく説明する。
<PPbの設定>
前述のとおり、RtopとPPbは相関の関係にあり、図3は、そのPPbとRtopの関係を示した図である。
図3は、半透明反射層3の膜厚を任意に変更させてRtopを変動させた際のPPbとの相関である。なお、再生評価はパイオニア製DVR-112で実施した。
各データから最小二乗法によりRtopとPPbとの関係を算出した。
図3から明らかなように、Rtopを16%から18%にする場合、PPbは、0.219を上限とする必要がある。
また、第1の情報層の反射率(L0_Rtop)と第2の情報層の反射率(L1_Rtop)とは相関の関係にあり、図4は、L0_RtopとL1_Rtopの関係を示した図である。
片面二層型の追記型光情報記録媒体におけるL1層のRtopは、入射したレーザー光のうちのL0層を通過した透過光に対してのRtopであるため、L0層のRtopが高くなるとL1層に達する透過光は減少し、L1層のRtopは減少する。また、逆にL0層のRtopが低くなるとL1層に達する透過光は増加し、L1層のRtopは増加する。以上より、L0のRtopとL1のRtopは相関の関係となる。
図4は半透明反射層3の膜厚を任意に変更させてL0のRtopを変動させた際のL1のRtopとの相関である。なお、再生評価はパイオニア製DVR-112で実施した。
各データから最小二乗法によりL0_RtopとL1_Rtopとの関係を算出した。
図4に示されるとおり、一方の層のRtopを18%とした場合、もう一方の層のRtopは、20%程度となる。
したがって、図5に示すとおり、Rtopが20%の場合、PPbは、0.180が下限値となる。PPbが0.180を下回るとサーボへの影響が大きくなり、PIEが増加する。
なお、各データから最小二乗法によりRtopとPPbとの関係を算出した。
<中間層膜厚の設定>
しかしながら、PPbの下限値が0.180と、従来の市販のメディアのPPbの下限値である0.22よりも小さくすると、層間クロストークの影響が大きくなり、サーボ制御に影響を及ばすことが判明した。尚、サーボに影響を及ぼす限界ラインは、DCJ、エラーが規格を超え、再生不可になるレベルから算出を行った。
図6は、PPbが0.180の場合(破線)の中間層膜厚とサーボ影響との関係を示した図であり、図7は、PPbが0.22の場合(実線)の、中間層膜厚とサーボ影響との関係を示した図である。なお、中間層の膜厚は、通常、溝部とランド部で異なるが、ここでは溝部(凸部)における厚みをいう。また、以下に述べる第1基板の厚みについても同様である。
なお、PPbが0.180ときと、PPbが0.22のときそれぞれ各データから最小二乗法により中間層膜厚とサーボ影響量との関係を算出した。
図6は、PPbが0.180になるように半透明反射層3の膜厚を調整したメディアにおける、中間層の膜厚の変動とサーボ影響の関係である。なお、記録再生はパイオニア製DVR-112で実施した。
図7は、PPbが0.22になるように半透明反射層3の膜厚を調整したメディアにおける、中間層の膜厚の変動とサーボ影響の関係である。なお、再生評価はパイオニア製DVR-112で実施した。
すなわち、市販の二層メディアでの確認では、PPbが0.22を下限としており、中間層膜厚は55±15μm(40〜70μm)であるが、前述の結果から45μm以下では、特定のドライブで、サーブの追従が困難となり、フォーカスやトラッキングに影響を及ぼすという不具合が発生する可能性が高くなる。
PPbを0.180にした場合、中間層膜厚が45μmではL0層−L1層の層間クロストークの影響が大きくなり、サーボ特性に影響を及ぼすため、中間層の膜厚を50μm以上とする必要がある。
また、中間層の膜厚が70μmを超えると、L1層の光路長が長くなることで記録特性が悪化し、PIEの増加不具合が生じる。
したがって、本発明において、中間層の膜厚は、50〜70μmである。
<第1基板の厚み及び光路長の設定>
DC−Jitterは、”Date to Clock Jitter”のことで、光情報記録媒体を一回転させたときのジッター値であり、記録ピットのゆらぎを表すものであり、8%以下であることが必要である。
図8は、第1基板の厚み(HD基板の厚み)とDC−Jitterの関係を示した図であり、第1基板の厚み(HD基板の厚み)を任意に変更させた際のDC−Jitterとの相関である。なお、再生評価はパイオニア製DVR-112で実施した。
各データから最小二乗法により第1基板の厚み(HD基板の厚み)とDC−Jitterとの関係を算出した。
該図から明らかなように、L0層までの距離(=第1基板厚み)は、550μmまで下限値を小さくしてもDC−Jitterは問題がないことが確認される。したがって、第1基板の下限値は550μmまで可能であることがわかる。
550μmより小さくなるとDC−Jitterの不具合を生じる。
一方、中間層の膜厚については、前述のとおり、PPbの下限が0.180となるようなメディアにおいては、層間クロストークを抑制するために膜厚を50μm以上にする必要があるが、中間層の膜厚を厚くすると、L1層までの光路長(中間層膜厚+第1基板の厚み)が遠くなり、ドライブにてDC−Jitterが悪化する。
なお、光情報記録媒体では、L1層までの光路には、第1記録層が存在する。後述するが第1記録層の膜厚は、中間層膜厚+第1基板の厚みに比較して充分小さいので、L1層までの光路長は、中間層膜厚+第1基板の厚みで規定する。
図9は、L1層までの光路長とDC−Jitterの関係を示した図であり、第1基板の厚み(HD基板の厚み)と中間層膜厚を任意に変更させた際のDC−Jitterとの相関である。なお、再生評価はパイオニア製DVR-112で実施した。
図9から明らかなごとく、市販の二層メディアでは、L1層までの光路長の上限は630μmであるが、この光路長では遠すぎるために、ドライブにてDC−Jitterが悪化する。こうした不具合を回避するため、本発明では、L1層までの光路長の上限を620μmとする。
換言すれば、L1層までの光路長(=L1光路長)とDC−Jitterとのデータから、点線がL1層までの光路長(=L1光路長)とDC−Jitterとの関係の上限であることが判明した。また、DC−Jitterは、規格として8%以下であることが必要である。従って、L1層までの光路長(=L1光路長)が620μm以下であれば、DC−Jitterが8%以下になることが判明した。
したがって、本発明においては、L1層までの光路長の上限値が620μmであり、中間層の膜厚の下限が50μmであるので、基板の厚みの上限値は、570μmにする必要がある。また、基板の下限値が550μmであり、中間層の膜厚の下限が50μmであるので、L1層までの光路長の下限値は600μmにする必要がある。
以上のとおり、本発明においては、PPbの下限を0.180とし、且つ、中間層膜厚を50〜70μm、第1基板の厚みを550〜570μm、光路長を600〜620μmとすることにより、Rtopの下限値を18%として、DVD−ROMの規格と同じにすることができるとともに、ドライブでのDC−Jitterの悪化という不具合を回避できるものである。
次に、本発明における各層の材料や形成方法等についてさらに具体的に説明する。
〈基板について〉
本発明においては、第1基板の厚みを、550〜570μmとする。
前述とおり、第1基板は、その内面にトラッキング用の溝(凹凸)を有するものであるが、それ以外に、必要に応じて記録再生光を案内する案内溝などが設けられていてもよい。
また、このような凹凸を有する第1基板は、前述のとおり、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィンン樹脂などの透明樹脂が好ましく用いられるが、コストの観点から、これらの樹脂を用いて、凹凸を持つスタンパから射出成形により製造するのが好ましい。
第2基板の材料としては、前述のとおり光透過性である必要はなく、第1基板に用いうる材料と同じものが用い得るほか、例えば、Alを主成分とした例えばAl−Mg合金等のAl合金基板や、Mgを主成分とした例えばMg−Zn合金等のMg合金基板、シリコン、チタン、セラミックスのいずれかからなる基板やそれらを組み合わせた基板などを用いることができるが、なお、成形性などの高生産性、コスト、低吸湿性、形状安定性などの点からはポリカーボネートが好ましく、耐薬品性、低吸湿性などの点からは、非晶質ポリオレフィンが好ましく、また、高速応答性などの点からは、ガラス基板が好ましい。また、第2基板は凹凸を持たない鏡面基板で良い。第1基板1と第2基板8の好ましい組合せの一例は、第1基板1と第2基板8とが同一材料からなり、厚さも同一であるものであり、剛性が同等でバランスが取れているので、環境変化に対しても媒体として変形しにくく好ましい。
〈記録層について〉
記録層に用いられる有機色素材料としては、アゾ系、ホルマザン系、ジピロメテン系、(ポリ)メチン系、シアニン系、ナフタロシアニン系、フタロシアニン系、テトラアザポルフィリン系、スクアリリウム系、クロコニウム系、ピリリウム系、ナフトキノン系、アントラキノン系(インダンスレン系)、キサンテン系、トリフェニルメタン系、アズレン系、テトラヒドロコリン系、フェナンスレン系、トリフェノチアジン系色素、或いはそれらの金属錯体などが挙げられる。中でも好ましいのは、アゾ(金属キレート)色素、ホルマザン(金属キレート)色素、スクアリリウム(金属キレート)色素、ジピロメテン(金属キレート)色素、トリメチンシアニン色素、テトラアザポルフィリン色素である。
色素は一種でもよいし、同じ種類のものや異なる種類のものを二種以上混合して用いても良い。さらに、上記複数の波長の記録光に対し、各々での記録に適する色素を併用して、複数の波長域でのレーザ光による記録に対応する光記録媒体とすることもできる。
前記の有機色素以外に、アイオノマー樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル系樹脂、天然高分子、シリコーン、液状ゴムなどの種々のバインダー材料を含んでもよく、遷移金属錯体などの安定剤、分散剤、帯電防止剤、界面活性剤などの添加剤を混ぜることもできる。
第1記録層の膜厚は、記録方法などにより適した膜厚が異なるため、特に限定するものではないが、十分な変調度を得るためには通常5nm以上が好ましく、より好ましくは10nm以上であり、特に好ましくは20nm以上である。但し、本光記録媒体においては適度に光を透過させるためには厚すぎない必要があるため、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。なお、記録層の膜厚は通常、溝部とランド部で異なるが、本光記録媒体において記録層の膜厚は基板の溝部における膜厚である。
また、第2記録層5の膜厚は、記録方法などにより適した膜厚が異なるため、特に限定するものではないが、十分な変調度を得るためには通常10nm以上が好ましく、より好ましくは20nm以上であり、特に好ましくは30nm以上である。但し、適度な反射率を得るためには厚すぎない必要があるため、通常3μm以下であり、好ましくは1μm以下、より好ましくは200nm以下である。
記録層の成膜方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、ドクターブレード法、キャスト法、スピンコート法、浸漬法等一般に行われている薄膜形成法が挙げられるが、量産性、コスト面からはスピンコート法が好ましい。
〈半透明反射層について〉
半透明反射層に用いられる材料としては、レーザ光波長に対する反射率の高い物質が好ましく、その例としては、Au、Ag、Cu、Al、Ti、V、Cr、Ni、Nd、Mg、Pd、Zr、Pt、Ta、W、Si、Zn、In、Pから選ばれた少なくとも1種の金属及び半金属を挙げることができるが、中でも、Au、Ag、Cuの何れかを主成分とし、Au、Ag、Cu、Al、Ti、V、Cr、Ni、Nd、Mg、Pd、Zr、Pt、Ta、W、Si、Zn、In、Pから選ばれた少なくとも1種を添加した合金が好ましい。結晶粒が微細化し耐蝕性に優れた薄膜となる。
中でも、Agを主成分としているものはコストが安い点、反射率が高い点、スパッタレートが高いなどの点で、最も好ましく、添加物としてはAu、Cu、Al、Ti、V、Cr、Ni、Nd、Mg、Pd、Zr、Pt、Ta、W、Si、Zn、In、Pが好ましいが、Agの特性を損なわないようにするためには添加物の総量を5重量%以下にすることが特に好ましい。
反射層は高耐久性(高耐食性)を確保するため、Agは純銀よりも合金として用いるのが好ましい。
光透明反射層に用いられる金属又は半金属の酸化物としては、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、酸化タンタル、酸化シリコン、酸化カルシウム、酸化錫、酸化インジウム、酸化インジウム錫などが挙げられる。同じく金属又は半金属の窒化物としては、窒化アルミニウム、窒化チタン、窒化シリコン、窒化ジルコニウムなどが挙げられる。
半透明反射層は、補助層を設けて積層構成としてもよい。補助層材料としては金属又は半金属の酸化物又は窒化物を用いることができる。
高透過率を確保するために、半透明反射層3の厚さは通常、50nm以下が好適である。より好適には30nm以下である。更に好ましくは20nm以下である。但し、第1記録層2が半透明反射層3の上の中間樹脂層により影響されないために、ある程度の厚さが必要であり、通常2nm以上とする。より好ましくは5nm以上とする。
半透明反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。
〈中間樹脂層について〉
本発明において、中間層の膜厚は、50〜70μmとする。
該中間層は、接着層として用いることが好ましく、その材料としては既存のアクリレート系、エポキシ系、ウレタン系の紫外線硬化型又は熱硬化型接着剤等が使用できる。
中間層を、熱硬化性樹脂などで構成する場合、これらの樹脂を適当な溶剤に溶解して塗布液を調製し、これを塗布し、乾燥(加熱)することによって形成することができる。また、紫外線硬化性樹脂で構成する場合には、そのままもしくは適当な溶剤に溶解して塗布液を調製した後にこの塗布液を塗布し、紫外光を照射して硬化させることによって形成することができる。紫外線硬化性樹脂には様々な種類があり、透明であればいずれも用いうる。またそれらの材料を単独であるいは混合して用いても良いし、1層だけではなく多層膜にして用いても良い。
塗布方法としては、記録層と同様にスピンコート法やキャスト法等の塗布法等の方法が用いられるが、この中でもスピンコート法が好ましい。
〈反射層について〉
反射層の材料としては、再生光の波長で反射率の十分高いもの、例えば、Au、Al、Ag、Cu、Ti、Cr、Ni、Pt、Ta及びPdの金属を単独あるいは合金にして用いることが可能である。この中でもAu、Al、Agは反射率が高く反射層6の材料として適している。これらを主成分とする以外に他成分として下記のものを含んでいても良い。他成分の例としては、P、Mg、Se、Hf、V、Nb、Ru、W、Mn、Re、Fe、Co、Rh、Ir、Cu、Zn、Cd、Ga、In、Si、Ge、Te、Pb、Po、Sn、Bi及び希土類金属などの金属及び半金属を挙げることができる。
中でもAgを主成分としているものはコストが安い点、高反射率が出やすい点等から特に好ましい。
反射層は高耐久性(高耐食性)を確保するため、Agは純銀よりも合金として用いるのが好ましい。
反射層は、高反射率である必要がある。また、高耐久性であることが望ましい。
高反射率を確保するために、反射層の厚さは通常、10nm以上が好適である。より好適には30nm以上である。更に好ましくは50nm以上である。但し、生産のタクトタイムを短くし、コストを下げるためにはある程度薄いことが好ましく、通常500nm以下とする。より好ましくは300nm以下とする。
反射層を形成する方法としては、例えば、スパッタ法、イオンプレーティング法、化学蒸着法、真空蒸着法等が挙げられる。また、反射層の上下に、例えば反射率の向上、記録特性の改善、密着性の向上等のために公知の無機系または有機系の中間層又は接着層を設けても良い。
本発明の一実施形態にかかる光情報記録媒体の全体構成を示す模式図 二層型DVD−ROMの一例を模式的に示した断面図 PPbとRtopの関係を示した図 L0_RtopとL1_Rtopの関係を示した図 PPbとRtopの関係を示した図 PPbが0.180の場合(実線)の中間層膜厚とサーボ影響との関係を示した図 PPbが0.219の場合(破線)の中間層膜厚とサーボ影響との関係を示した図 第1基板の厚みとDC−Jitterの関係を示した図 L1層までの光路長とDC−Jitterの関係を示した図
符号の説明
1,21:第1基板
2:第1記録層(第1色素含有記録層)
3,22:半透明反射層
4,23:中間樹脂層(中間層)
5:第2記録層(第2色素含有記録層)
6,24:反射層
7,25:第2基板
8:第1情報層
9:第2情報層
10,11:記録トラック

Claims (1)

  1. 光透過性の第1基板に、少なくとも、有機色素を含有する第1記録層、半透明反射層、中間層、有機色素を含有する第2記録層、反射層、第2基板をこの順に有する光情報記録媒体において、第1基板の厚みが550〜570μm、中間層の膜厚が50〜70μm、第1基板の厚みと中間層の膜厚の合計が600〜620μmであり、プッシュプル値(PPb)が0.180〜0.219であることを特徴とする光情報記録媒体。
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