JP2010107439A - 充放電可能なバッテリの性能評価装置および充放電可能なバッテリの性能評価方法 - Google Patents

充放電可能なバッテリの性能評価装置および充放電可能なバッテリの性能評価方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電可能なバッテリの性能を正確に評価することが出来るようにする。
【解決手段】バッテリ11の仮定最大出力電流ImaxSで規定放電期間Tdis0の間放電を行なった場合の仮定放電容量CdisSを設定する仮定放電容量設定手段26と、仮定放電容量CdisSを一定としながらバッテリ11を放電する放電制御を繰り返し実行する放電手段22と、放電制御毎に放電電流Idisを段階的に増大させる電流設定手段24と、仮定放電容量CdisSの放電に必要な期間を必要放電期間Tnes1, Tnes2が経過した際のバッテリ11の対応電圧Vc1,Vc2を取得する対応電圧取得手段28と、対応電圧Vc1, Vc2に基づいてバッテリ11の最大出力電流Imaxを推定する最大出力電流推定手段31とを備えて構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、充放電可能なバッテリの性能評価装置および充放電可能なバッテリの性能評価方法に関するものである。
従来より、電気自動車に用いられるバッテリの評価手法については様々な規格が存在するが、例えば、その一例として、以下の非特許文献1において、日本電動車両規格(JEVS:Japan Electric Vehicle Standard)の「JEVS D 703」として定義された手法が挙げられる。
FC・EV標準化委員会、「電気自動車用 制御弁式鉛電池の出力密度及びピーク出力試験方法」、財団法人 日本自動車研究所、2006年1月12日(制定)、p.3−4
しかしながら、「JEVS D 703」という規格は、主に、エンジンとバッテリとを併用するハイブリッド電気自動車に用いられるバッテリに着目して定義されたものであって、エンジンを搭載しない純然たる電気自動車に用いられるバッテリを評価するのに適さない場合があることが判明した。
つまり、パラレル式のハイブリッド電気自動車が加速する場合に、電気モータから出力されるトルク(モータトルク)が十分でないと、エンジンから出力されるトルク(エンジントルク)とモータトルクとを組み合わされることが出来るようになっている。そしてこの場合、バッテリから電気モータに供給される電流量は一時的にバッテリ性能の最大となるが、エンジントルクが立ち上がった後は、このバッテリからの出力電流量を最大にする必要はない。
また、シリアル式のハイブリッド電気自動車においては、原則として、エンジントルクとモータトルクとが組み合わさって駆動トルクとして用いられることはない。しかしながら、エンジンによって駆動された発電機から出力された電力と、バッテリから出力された電力とが、ともに電気モータに供給されるため、バッテリの出力電流量が最大とせざるを得ない期間は比較的短くて済む。
このため、「JEVS D 703」規格で定義されるバッテリ評価手法においては、バッテリから出力される電流量が最大となる期間として規定されている期間が10秒となっている。
他方、電気自動車においては、電気モータの電力供給源はあくまでもバッテリであり、電気モータの負荷が高まっている期間(例えば、車両の加速期間)中は、バッテリの出力電流量を最大にし続けることが求められる場合が想定される。
この点、図9を参照しながら説明する。
図9のグラフは、対象となるバッテリから60秒間の放電を行なった際に、このバッテリがどの程度の電圧を出力することが出来るかという実験の結果を示すものである。また、ここで、“推定値”とは、「JEVS D 703」規格の推定手法で60秒間の放電を行なったとして推定された電圧値をいい、“補完直線”とは、バッテリの放電深度(DOD;Depth of Discharge)ごとの各推定値を直線で結ぶことで各推定値間の電圧を補完する直線をいう。さらに、ここで、“実測値”とは、放電開始から60秒後、実際に電圧計でバッテリの端子における電圧を測定した値をいう。
また、この実験の対象となるバッテリは、電力容量が約16kWhのリチウムイオンバッテリである。
この図9において、黒塗り菱で示すのはDODが50%のバッテリにおける推定値,黒塗り三角で示すのはDODが70%のバッテリにおける推定値,黒塗り丸で示すのはDODが90%のバッテリにおける推定値である。
また、白抜き菱で示すのはDODが50%のバッテリにおける実測値,白抜き三角で示すのはDODが70%のバッテリにおける実測値,白抜き丸で示すのはDODが90%のバッテリにおける実測値である。
また、放電電流Iを示す電流値I101,I102,I103,I104,I105,I106の大きさは、以下の式(A)に示す関係にある。
101<I102<I103<I104<I105<I106 ・・・(A)
この図9中、放電電流IがI101およびI102である場合、黒塗りの菱,三角,丸しか表示されていないように見えるが、実際には、黒塗り菱と白抜き菱とが略重なり、黒塗り三角と白抜き三角とが略重なり、さらに、黒塗り丸と白抜き丸とが略重なっている。つまり、推定値と実測値との乖離がほとんどない状態になる。
つまり、放電電流IがI101およびI102である場合は、60秒間の放電を行なったとしても、推定値と実測値との間に乖離はなく、特に問題は生じない。
しかしながら、放電電流IをI106として60秒間の放電を行なった場合には、図中、白抜き菱および白抜き三角で示すように、バッテリのDODが50%のバッテリおよびDODが70%であると、補完直線と実測値との間でズレが生じてしまう。
また、DODが90%であるバッテリから放電電流IをI103として60秒間の放電を行なった場合は、補完直線と実測値との間で比較的大きなズレが生じ、さらに、放電電流Iを増大させるにつれて、さらに、このズレが大きくなっていくことが判明した。
これらのズレは、即ち、ハイブリッド電気自動車に用いられるバッテリを想定して規定された「JEVS D 703」規格に基づくバッテリの評価手法では電気自動車に用いられるバッテリの評価を正しく行なうことが出来ないことを示すものである。
また、ハイブリッド電気自動車用のバッテリを評価する場合であっても、対象となるバッテリが適用されるハイブリッド電気自動車によっては、電気モータからのトルク(モータトルク)のみで走行する期間が比較的長くなる場合もある。このようなハイブリッド電気自動車用バッテリについては、上述のように、「JEVS D 703」規格に基づくバッテリの評価手法では、やはり、適切な評価を行なうことが出来ない。
このため、比較的長い期間、高出力が求められるバッテリの評価を正確に行う場合には、放電電流Iを細かく変化させながら、DODごとに、且つ、温度条件を変化させながら、バッテリ出力電圧を実測する必要が生じている。
しかしながら、このような手法は極めて多大な労力や時間が必要になるという課題がある。
また、バッテリを繰り返し充放電する必要が生じるため、バッテリの評価を実施している間に生じるバッテリの劣化を考慮しなければならないという課題もある。
本発明はこのような課題に鑑み案出されたもので、充放電可能なバッテリの性能を正確に評価することが出来る、充放電可能なバッテリの性能評価装置および性能評価方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の充放電可能なバッテリの性能評価装置(請求項1)は、充放電可能なバッテリの性能評価装置であって、該バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、該バッテリの最大出力電流の仮定値を仮定最大出力電流として設定する仮定最大出力電流設定手段と、該仮定最大出力電流設定手段により設定された該仮定最大出力電流で所定の規定放電期間の間該バッテリから放電を行なった場合の放電容量である仮定放電容量を設定する仮定放電容量設定手段と、該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量を一定としながら該バッテリを放電する放電制御を繰り返し実行する放電手段と、該放電手段により該放電制御が実行される毎に放電電流を段階的に増大させる電流設定手段と、該放電手段による該放電制御が完了する毎に該バッテリの放電深度が目標放電深度となるように該バッテリを充電する充電制御を実行する充電手段と、該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量の放電を行なうために必要な期間を必要放電期間として演算する必要放電期間演算手段と、該必要放電期間演算手段により演算された該必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を対応電圧として取得する対応電圧取得手段と、該対応電圧取得手段により設定された該対応電圧に基づいて該バッテリの該最大出力電流を推定する最大出力電流推定手段とを備えることを特徴としている。
また、請求項2記載の本発明の充放電可能なバッテリの性能評価装置は、請求項1記載の内容において、一方の軸に該バッテリの電圧が規定され且つ他方の軸に該バッテリの放電電流が規定された電圧/電流線図と、該対応電圧取得手段により取得された該対応電圧に基づいて、該電圧/電流線図上に該バッテリの電圧特性推定線を設定する電圧特性推定線設定手段とを備え、該最大出力電流推定手段は、該電圧/電流線図上において、該電圧特性推定線設定手段により設定された該電圧特性推定線と該バッテリの限界放電電圧との交点における交点電流が該仮定最大出力電流設定手段により設定された該仮定最大出力電流に一致すると、該仮定最大出力電流が該バッテリの該最大出力電流であると推定することを特徴としている。
また、請求項3記載の本発明の充放電可能なバッテリの性能評価装置は、請求項2記載の内容において、該電圧検出手段により検出された該バッテリ電圧が該限界放電電圧に達した回の該放電制御をNa回目の該放電制御とし、該Na回目の前の回の該放電制御をNb回目の該放電制御とし、さらに、該Nb回目より前の該放電制御をNc回目の該放電制御とし、該仮定最大出力電流設定手段は、該Nb回目の該放電制御の実行時において該電流設定手段により設定された該Nb回目の該放電電流と、Na回目の該放電制御の実行時において該電流設定手段により設定された該Na回目の該放電電流との間で、該仮定最大出力電流を設定し、該必要放電期間演算手段は、該Nb回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第1必要放電期間として演算する第1必要放電期間演算手段と、該Nc回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第2必要放電期間として演算する第2必要放電期間演算手段とを有し、該対応電圧取得手段は、該Nb回目の該放電制御実行時において、該第1必要放電期間演算手段により演算された該第1必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第1対応電圧として取得する第1対応電圧取得手段と、該Nc回目の該放電制御実行時において、該第2必要放電期間演算手段により演算された該第2必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第2対応電圧として取得する第2対応電圧取得手段とを有し、該電圧特性推定線設定手段は、該第1対応電圧取得手段により取得された該第1対応電圧を示す点と該第2対応電圧取得手段により取得された該第2対応電圧を示す点とを通る直線を該バッテリの電圧特性推定線として設定することを特徴としている。
また、請求項4記載の本発明の充放電可能なバッテリの性能評価装置は、請求項2または3記載の内容において、該交点電流が該仮定最大出力電流に一致しない場合、該仮定最大出力電流設定手段により設定された該バッテリの該仮定最大出力電流を該Nb回目の放電電流と該Na回目の放電電流との間で補正する補正手段をそなえ、該仮定放電容量設定手段は、該補正手段により補正された該仮定最大出力電流で該規定放電期間を該バッテリから放電を行なったと仮定し該仮定放電容量を設定することを特徴としている。
そして、本発明の充放電可能なバッテリの性能評価方法(請求項5)は、充放電可能なバッテリの性能評価方法であって、該バッテリの目標放電深度を設定する目標放電深度設定ステップと、該バッテリの最大出力電流の仮定値を仮定最大出力電流として設定する仮定最大出力電流設定ステップと、該仮定最大出力電流設定ステップにおいて設定された該仮定最大出力電流で所定の規定放電期間の間該バッテリから放電を行なった場合の放電容量である仮定放電容量を設定する仮定放電容量設定ステップと、該仮定放電容量設定ステップにおいて設定された該仮定放電容量を一定としながら該バッテリを放電する放電制御を繰り返し実行する放電ステップと、該放電ステップにおいて該放電制御が実行される毎に放電電流を段階的に増大させる電流設定ステップと、該放電ステップにおいて該放電制御が完了する毎に該バッテリの放電深度が該目標放電深度設定ステップにおいて設定された該目標放電深度となるように該バッテリを充電する充電制御を実行する充電ステップと、該仮定放電容量設定ステップにより設定された該仮定放電容量の放電を行なうために必要な期間を必要放電期間として演算する必要放電期間演算ステップと、該必要放電期間演算ステップにより演算された該必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を対応電圧として取得する対応電圧取得ステップと、該対応電圧取得ステップにより設定された該対応電圧に基づいて該バッテリの該最大出力電流を推定する最大出力電流推定ステップとを備えることを特徴としている。
また、請求項6記載の本発明の充放電可能なバッテリの性能評価方法は、請求項5記載の内容において、該対応電圧取得ステップにより取得された該対応電圧に基づいて、一方の軸に該バッテリの電圧が規定され且つ他方の軸に該バッテリの放電電流が規定された電圧/電流線図上に該バッテリの電圧特性推定線を設定する電圧特性推定線設定ステップをさらに備え、該最大出力電流推定ステップは、該電圧/電流線図上において、該電圧特性推定線設定ステップにおいて設定された該電圧特性推定線と該バッテリの限界放電電圧との交点における交点電流が該仮定最大出力電流設定ステップにより設定された該仮定最大出力電流に一致すると、該仮定最大出力電流が該バッテリの該最大出力電流であると推定することを特徴としている。
また、請求項7記載の本発明の充放電可能なバッテリの性能評価方法は、請求項6記載の内容において、該バッテリ電圧が該限界放電電圧に達した回の該放電制御をNa回目の該放電制御とし、該Na回目の前の回の該放電制御をNb回目の該放電制御とし、さらに、該Nb回目より前の該放電制御をNc回目の該放電制御とし、該仮定最大出力電流設定ステップは、該Nb回目の該放電制御の実行時において該電流設定ステップにより設定された該Nb回目の該放電電流と、Na回目の該放電制御の実行時において該電流設定ステップにより設定された該Na回目の該放電電流との間で、該仮定最大出力電流を設定し、該必要放電期間演算ステップは、該Nb回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定ステップにより設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第1必要放電期間として演算する第1必要放電期間演算ステップと、該Nc回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定ステップにより設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第2必要放電期間として演算する第2必要放電期間演算ステップとを有し、該対応電圧取得ステップは、該Nb回目の該放電制御実行時において、該第1必要放電期間演算ステップにより演算された該第1必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第1対応電圧として取得する第1対応電圧取得ステップと、該Nc回目の該放電制御実行時において、該第2必要放電期間演算ステップにより演算された該第2必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第2対応電圧として取得する第2対応電圧取得ステップとを有し、該電圧特性推定線設定ステップは、該第1対応電圧取得ステップにより取得された該第1対応電圧を示す点と該第2対応電圧取得ステップにより取得された該第2対応電圧を示す点とを通る直線を該バッテリの電圧特性推定線として設定することを特徴としている。
また、請求項8記載の本発明の充放電可能なバッテリの性能評価方法は、請求項6または7記載の内容において、該交点電流が該仮定最大出力電流に一致しない場合、該仮定最大出力電流設定ステップにより設定された該バッテリの該仮定最大出力電流を該Nb回目の放電電流と該Na回目の放電電流との間で補正する補正ステップをそなえ、該仮定放電容量設定ステップは、該補正ステップにより補正された該仮定最大出力電流で該規定放電期間を該バッテリから放電を行なったと仮定し該仮定放電容量を設定することを特徴としている。
本発明の充放電可能なバッテリの性能評価装置および方法によれば、バッテリの性能を迅速且つ正確に評価することが出来る。(請求項1および5)
また、電圧特性推定線を設定することで、充放電可能なバッテリの最大出力電流を精度よく推定することが出来る。(請求項2および6)
また、より正確に電圧特性推定線を設定することにより、充放電可能なバッテリの最大出力電流を精度よく推定することが出来る。(請求項3および7)
また、充放電可能なバッテリの最大出力電流の仮定値、即ち、仮定最大出力電流を所定の範囲で補正することで、このバッテリの最大出力電流を手間なく且つ精度よく推定することが出来る。(請求項4および8)
以下、図面により、本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置および方法について説明すると、図1はその全体構成を示す模式的なブロック図、図2はその動作を示す模式的なタイムチャートである。
また、図3は電圧降下予想線がオーバーシュートした場合における電圧/電流線図の模式図、図4は電圧降下予想線がアンダーシュートした場合における電圧/電流線図の模式図、図5は電圧降下予想線が仮定最大出力電流と交差した場合における電圧/電流線図の模式図である。
また、図6はバッテリの性能評価装置の動作およびバッテリの性能評価方法を示す模式的なフローチャート、図7は一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置の動作およびバッテリの性能評価方法の開発コンセプトを示す模式的なタイムチャート、図8は図7のタイムチャートに対応した評価を行なった場合におけるバッテリの電圧/電流特性を示す模式的なグラフである。
図1に示すように、電気自動車用のバッテリ11は、充放電可能なリチウムイオンバッテリであって、バッテリ性能測定装置12に対してケーブル13を介して電気的に接続されている。なお、このバッテリ11は、図示しないバッテリユニットに内蔵されるバッテリセルとも呼ばれるものである。
このバッテリ性能測定装置12は、いずれも図示しないCPU(Central Processing Unit),メモリおよびキーボード(インターフェース機器)を備えた電子制御ユニットであって、バッテリ11の性能を測定することが出来るようになっている。
バッテリ性能測定装置12のメモリには、いずれもソフトウェアとして、バッテリ電圧検出部(電圧検出手段)21,放電部(放電手段)22,充電部(充電手段)23,電流設定部(電流設定手段)24,仮定最大出力電流設定部(仮定最大出力設定手段)25および仮定放電容量設定部(仮定放電容量設定手段)26が記録されている。
さらに、このバッテリ性能測定装置12のメモリには、いずれもソフトウェアとして、必要放電期間演算部(必要放電期間演算手段)27,対応電圧取得部(対応電圧取得手段)28,電圧特性推定線設定部(電圧特性推定線設定手段)29,最大出力電流推定部(最大出力電流推定手段)31および補正部(補正手段)32が記録されている。
また、上述の必要放電期間演算部27は、いずれもサブプログラムとして、第1必要放電期間演算部(第1必要放電期間演算手段)27Aと第2必要放電期間演算部(第2必要放電期間演算手段)27Bとを有している。
また、上述の対応電圧取得部28は、いずれもサブプログラムとして、第1対応電圧取得部(第1対応電圧取得手段)28Aと第2対応電圧取得部(第2対応電圧取得手段)28Bとを有している。
さらに、このバッテリ性能測定装置12のメモリには、電圧/電流線図33が記録されている。
これらのうち、バッテリ電圧検出部21は、バッテリ11の端子電圧Ebattを周期的に検出するものである。なお、バッテリ電圧検出部21は、その検出結果をバッテリ性能測定装置12のメモリに随時記録するようになっている。
放電部22は、バッテリ11を放電する放電制御を繰り返し実行するものである。この放電制御における放電電流Idisは、その初期値(初期電流値)Idis0がバッテリ性能測定装置12のメモリに記録されており、後述する電流設定部24により、この初期電流値Idis0から段階的に増大されるようになっている。また、本実施形態において、この初期電流値Idis0は50[A]であるものとする。
他方、この放電制御が実行される目標期間(規定放電期間)Tdis0は、バッテリ性能測定装置12に備えられたキーボードを介してユーザにより入力されるようになっている。なお、本実施形態において、ユーザはバッテリ11が搭載される電気自動車(図示略)の仕様を考慮し、この規定放電期間Tdis0を60秒として設定したものとする。
また、この放電部22は、規定放電期間Tdis0が入力されると、その後、測定放電期間Tdis1を設定するようになっている。この測定放電期間Tdis1は、放電制御を実際に実行する期間であって、放電部22は、入力された規定放電期間Tdis0(=60[sec])よりも長くなるようにこの測定放電期間Tdis1を設定するようになっている。なお、本実施形態において、放電部22は、この測定放電期間Tdis1を120秒として設定したものとする。
充電部23は、上述の放電部22による放電制御が完了する毎に、その後、バッテリ11の実DODが目標DODとなるようにバッテリ11の充電を行なう充電制御を実行するものである。なお、目標DODは、バッテリ性能測定装置12に備えられたキーボードを介してユーザにより入力されるようになっている。
なお、放電部22により繰り返される放電制御、および、充電部23により繰り返される充電制御は、図2のタイムチャートに示すとおりであるが、この図2に示すタイムチャートに関しては後述する。
電流設定部24は、上述の放電部22により放電制御が実行される毎に、放電電流Idisを段階的に増大させるものである。
ここで、このバッテリ性能測定装置12についてより具体的に説明するため、図2を参照しながら、以下のように用語を定義しておく。
・規定放電期間Tdis0(=60[sec])が経過する前に、バッテリ11の端子電圧Ebattが、限界放電電圧Elimに至るまで降下した回の放電制御をNa回目の放電制御とする。
・Na回目の前の回における放電制御をNb回目の放電制御とする。
・Nb回目の前の回における放電制御をNc回目の放電制御とする。
・Nc回目の前の回における放電制御をNc回目の放電制御とする。
なお、これらの「Na回目」,「Nb回目」,「Nc回目」および「Nc回目」の放電制御をそれぞれ、「4回目」,「3回目」,「2回目」および「1回目」の放電制御として説明する場合もある。
仮定最大出力電流設定部25は、上述の放電部22により放電制御が実行されている際に、仮定最大出力電流ImaxSを設定するものである。この仮定最大出力電流ImaxSは、目標DODにおける11の最大出力電流Imaxを仮定する値である。また、この最大出力電流Imaxは、バッテリ11の端子電圧Ebattが限界放電電圧Elimを下回らない範囲で、このバッテリ11から出力可能な最大の電流値である。なお、限界放電電圧Elimは、バッテリ11が求められる性能を維持し得る電圧の下限値である。換言すれば、もし、バッテリ11の端子電圧Ebattがこの限界放電電圧Elimを下回ると、その性能に運用上支障が生じてしまう下限電圧として規定されたものである。
より具体的に、この仮定最大出力電流設定部25は、図2に示すように、3回目(Nb回目)の放電制御の実行時において電流設定部24により設定された放電電流IdisNbと、4回目(Na回目)の放電制御の実行時において電流設定部24により設定された放電電流IdisNaとの間で、仮定最大出力電流ImaxSを設定するものである。
なお、本実施形態においては、Nb回目の放電電流IdisNbが150[A]で、Na回目の放電電流IdisNaが200[A]であり、仮定最大出力電流設定部25が、仮定最大出力電流ImaxSを160[A]として設定したものとする。
なお、この仮定最大出力電流設定部25は、既に設定した仮定最大出力電流ImaxSが、後述する補正部32により補正された場合には、補正後の値を最終的な仮定最大出力電流ImaxSとして採用するようになっている。
仮定放電容量設定部26は、仮定放電容量CdisSを設定するものである。この仮定放電容量CdisSは、上述の仮定最大出力電流設定部25により設定された仮定最大出力電流ImaxS(=160[A])で、規定放電期間Tdis0(=60[sec])の間、バッテリ11から放電を行なった場合の電気容量を示すものである。つまり、この仮定放電容量設定部26は、以下の式(1)を用いて仮定放電容量CdisSを設定するようになっている。
disS = ImaxS ×Tdis0 ・・・(1)
したがって、本実施形態において、この仮定放電容量設定部26は、仮定放電容量CdisSを9600[As](=160[A]×60[sec])として設定するようになっている。
必要放電期間演算部27の第1必要放電期間演算部27Aは、第1必要放電期間Tnes1を演算するものである。この第1必要放電期間Tnes1は、Nb回目の放電制御の実行時における放電電流IdisNb(=150[A])で、バッテリ11から仮定放電容量CdisS(=9600[As])の放電を行なうために必要な期間である。つまり、この第1必要放電期間演算部27Aは、以下の式(2)を用いて第1必要放電期間Tnes1を設定するようになっている。
nes1 = CdisS ÷ IdisNb ・・・(2)
したがって、本実施形態において、この第1必要放電期間演算部27Aは、第1必要放電期間Tnes1を64[sec](=9600[As]÷150[A])として設定するようになっている。
必要放電期間演算部27の第2必要放電期間演算部27Bは、第2必要放電期間Tnes2を演算するものである。この第2必要放電期間Tnes2は、Nc回目(Nc回目)の放電制御の実行時における放電電流IdisNc(100[A])で、バッテリ11から仮定放電容量CdisS(9600[As])の放電を行なうために必要な期間である。
つまり、この第2必要放電期間演算部27Bは、以下の式(3)を用いて第2必要放電期間Tnes2を設定するようになっている。
nes2 = CdisS ÷ IdisNc ・・・(3)
したがって、本実施形態において、この第2必要放電期間演算部27Bは、第2必要放電期間Tnes2を96[sec](=9600[As]÷100[A])として設定するようになっている。
対応電圧取得部28の第1対応電圧取得部28Aは、第1対応電圧Vc1を取得するものである。この第1対応電圧Vc1は、Nb回目の放電制御実行時において、第1必要放電期間演算部27Aにより演算された上述の第1必要放電期間Tnes1(=64[sec])が経過した際のバッテリ11の端子電圧Ebattに対応するものである。
対応電圧取得部28の第2対応電圧取得部28Bは、第2対応電圧Vc2を取得するものである。この第2対応電圧Vc2は、Nc回目の放電制御実行時において、第2必要放電期間演算部27Bにより演算された上述の第2必要放電期間Tnes2(=96[sec])が経過した際のバッテリ11の端子電圧Ebattに対応するものである。
電圧特性推定線設定部29は、図3〜図5に示す電圧/電流線図33上で、第1対応電圧取得部28Aにより取得された第1対応電圧Vc1と、第2対応電圧取得部28Bにより取得された第2対応電圧Vc2とを通る直線として、バッテリ11の電圧特性推定線Lvcを設定するものである。なお、電圧電流線図33は、縦軸にバッテリ11の端子電圧Ebattが規定され、横軸にバッテリ11の放電電圧Idisが規定された空白の二次元線図である。
最大出力電流推定部31は、電圧/電流線図33上において、電圧特性推定線Lvcとバッテリ11の限界放電電圧Elimとの交点における電流(交点電流)Icrsが、上述の仮定最大出力電流ImaxS(=160[A])に一致すると、この仮定最大出力電流ImaxSを、バッテリ11の最大出力電流Imaxであると推定するものである(図5参照)。
補正部32は、交点電流Icrsが仮定最大出力電流ImaxSに一致しない場合(図3および図4参照)、仮定最大出力電流設定部25により設定された仮定最大出力電流ImaxSを、Nb回目の放電電流IdisNb(=150[A])と、Na回目の放電電流IdisNa(=200[A])との間で補正する補正制御を実行するものである。なお、この補正部32は、電圧/電流線図33上において、交点電流Icrsと、仮定最大出力電流ImaxSとが一致するまで、繰り返し補正制御を実行するようになっている。
本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置は上述のように構成されているので、以下のような作用および効果を奏する。また、ここで併せて、本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価方法についても説明する。なお、図6のフローチャートと、図2のタイムチャートとを主に参照する。
図6のフローチャートに示すように、まず、バッテリ性能測定装置12の図示しないキーボードを介して、ユーザにより、目標DODが入力されるとともに、規定放電期間Tdis0が入力される(目標放電深度設定ステップ;ステップS11)。なお、ここでは、目標DODが90%(即ち、バッテリ11の蓄電率が10%)として設定され、規定放電期間Tdis0が60秒として設定されたものとする。
また、放電部22は、図示しないメモリに記録された初期電流値Idis0(=50[A])を放電電流Idisとして設定する(ステップS12)。
その後、放電部22は、1回目の放電制御を実行する(放電ステップ;ステップS13)。
つまり、このステップS13において、この放電部22は、図2に示す1回目の放電制御において、放電電流Idisを1回目電流値IdisNc1(即ち、初期電流値Idis0=50[A])とし、測定放電期間Tdis1(=120[sec])の間、バッテリ11から、継続的に放電を行なう。また、放電部22による放電制御が実行されている際、バッテリ電圧検出部21は、随時、その検出結果をバッテリ性能測定装置12のメモリに記録する。
そして、この1回目の放電制御において、規定放電期間Tdis0(=60[sec])が経過する前に、バッテリ11の端子電圧Ebattが、限界放電電圧Elimに至るまで降下しなかった場合(ステップS14のNoルート)、充電部23は、1回目の充電制御を実行する(ステップS15)。つまり、充電部23は、1回目の放電制御を実行することでバッテリ11が放出した電力を充電する。
その後、充電部23が充電制御を実行することにより、バッテリ11の実DODが目標DOD(=90[%])に達することで充電制御が完了すると、電流設定部24が、次回に実行される放電制御における放電電流Idisを、2回目電流値IdisNc2として設定する(電流設定ステップ;ステップS16)。このとき、電流設定部24は、2回目電流値IdisNc2を、1回目電流値IdisNc1よりもさらに50[A]増大した値、即ち、100[A]として設定する。
そして、放電部22が、2回目電流値IdisNc2(=100[A])として設定された放電電流Idisで、且つ、測定放電期間Tdis1(=120[sec])の間、バッテリ11からの放電を再び行なう(ステップS13)。また、放電部22による放電制御が実行されている際、バッテリ電圧検出部21は、随時、その検出結果をバッテリ性能測定装置12のメモリに記録する。
この2回目の放電制御において、規定放電期間Tdis0(=60[sec])が経過する前に、バッテリ11の端子電圧Ebattが、限界放電電圧Elimに至るまで降下しなかった場合(再び、ステップS14のNoルート)、充電部23は、2回目の充電制御を実行する(ステップS15)。このとき、充電部23は、2回目の放電制御を実行することでバッテリ11放出した電力を充電する。
その後、バッテリ11の実DODが目標DOD(=90[%])に達することで充電制御が完了すると、電流設定部24が、3回目に実行される放電制御における放電電流Idisを、3回目電流値IdisNbとして設定する(ステップS16)。このとき、電流設定部24は、この3回目電流値IdisNbを、2回目電流値IdisNc2よりもさらに50[A]増大した値、即ち、150[A]として設定する。
そして、放電部22が、3回目(Nb回目)放電として、3回目電流値IdisNb(=150[A])として設定された放電電流Idisで、且つ、測定放電期間Tdis1(=120[sec])の間、バッテリ11からの放電を行なう(ステップS13)。また、放電部22による放電制御が実行されている際、バッテリ電圧検出部21は、随時、その検出結果をバッテリ性能測定装置12のメモリに記録する。
この3回目の放電制御において、規定放電期間Tdis0(=60[sec])が経過する前に、バッテリ11の端子電圧Ebattが、限界放電電圧Elimに至るまで降下しなかった場合(ステップS14のNoルート)、充電部23は、3回目の充電制御を実行する(ステップS15)。このとき、充電部23は、3回目の放電制御を実行することでバッテリ11放出した電力を充電する。
その後、バッテリ11の実DODが目標DOD(=90[%])に達することで充電制御が完了すると、電流設定部24が、4回目に実行される放電制御における放電電流Idisを、4回目電流値IdisNc4として設定する(ステップS16)。このとき、電流設定部24は、この4回目電流値IdisNc4を、3回目電流値IdisNbよりもさらに50[A]増大した値、即ち、200[A]として設定する。
そして、放電部22が、4回目(Na回目)放電として、4回目電流値IdisNa(=200[A])として設定された放電電流Idisで、且つ、測定放電期間Tdis1(=120[sec])の間、バッテリ11から継続的に放電を行なう(ステップS13)。また、放電部22による放電制御が実行されている際、バッテリ電圧検出部21は、随時、その検出結果をバッテリ性能測定装置12のメモリに記録する。
この4回目の放電制御において、規定放電期間Tdis0(=60[sec])が経過する前に、バッテリ11の端子電圧Ebattが、限界放電電圧Elimに至るまで降下している(図2中矢印A1参照;ステップS14のyesルート)。このとき、仮定最大出力電流設定部25は、前回(Nb回目)の放電制御の実行時において電流設定部24により設定された3回目電流値IdisNbと、今回(Na回目)の放電制御の実行時において電流設定部24により設定された4回目電流値IdisNaとの間で、仮定最大出力電流ImaxSを設定する(仮定最大出力電流設定ステップ;ステップS17)。
つまり、上述のとおり、3回目電流値IdisNbは150[A]であり、また、4回目電流値IdisNaは200[A]であるので、仮定最大出力電流設定部25は、仮定最大出力電流ImaxSを150〜200[A]の間の値として設定するのである。なお、ここでは、仮定最大出力電流設定部25が、仮定最大出力電流ImaxSを160[A]として設定したものとする。
その後、仮定放電容量設定部26が、仮定放電容量CdisSを設定する(仮定放電容量設定ステップ;ステップS18)。つまり、このステップS18において、この仮定放電容量設定部26は、ステップS17において設定された仮定最大出力電流ImaxS(=160[A])で、規定放電期間Tdis0(=60[sec])の間、バッテリ11から放電を行なった場合の電気容量、即ち、仮定放電容量CdisSを演算する。つまり、このステップS18において、仮定放電容量設定部26は、上述した式(1)を用い、仮定放電容量CdisSを9600[As](=160[A]×60[sec])として設定する。
その後、第1必要放電期間演算部27Aが、第1必要放電期間Tnes1を演算する(必要放電期間演算ステップ;第1必要放電期間演算ステップ;ステップS19)。つまり、このステップS19において、第1必要放電期間演算部27Aは、上述の式(2)を用いて、3回目(Nb回目)の放電制御の実行時における放電電流IdisNb(=150[A])で、バッテリ11から仮定放電容量CdisS(=9600[As])の放電を行なうために必要な期間、即ち、第1必要放電期間Tnes1を演算する。なお、このステップS19において、第1必要放電期間演算部27Aは、第1必要放電期間Tnes1を64[sec](=9600[As]÷150[A])として設定する。
さらに、第2必要放電期間演算部27Bが、第2必要放電期間Tnes2を演算する(必要放電期間演算ステップ;第2必要放電期間演算ステップ;ステップS19)。つまり、このステップS19において、第2必要放電期間演算部27Bは、上述の式(3)を用いて、2回目(Nc2回目)の放電制御の実行時における放電電流IdisNc2(=100[A])で、バッテリ11から仮定放電容量CdisS(=9600[As])の放電を行なうために必要な期間、即ち、第2必要放電期間Tnes2を演算する。なお、このステップS19において、第2必要放電期間演算部27Bは、第2必要放電期間Tnes2を96[sec](=9600[As]÷100[A])として設定する。
つまり、図2において斜線で示すように、3回目放電における仮定放電容量CdisSの領域と、2回目放電における仮定放電容量CdisSの領域は、ともに、面積が等しくなる。
その後、第1対応電圧取得部28Aが、第1対応電圧Vc1を取得する(対応電圧取得ステップ;第1対応電圧取得ステップ;ステップS20)。つまり、このステップS20において、第1対応電圧取得部28Aは、3回目(Nb回目)の放電制御実行時において、第1必要放電期間演算部27Aにより演算された上述の第1必要放電期間Tnes1(=64[sec])が経過した際のバッテリ11の端子電圧Ebatt、即ち、第1対応電圧Vc1を、図示しないメモリから読み出す。
さらに、第2対応電圧取得部28Bが、第2対応電圧Vc2を取得する(対応電圧取得ステップ;第2対応電圧取得ステップ;ステップS20)。つまり、このステップS20において、第2対応電圧取得部28Bは、3回目(Nb回目)の放電制御実行時において、第2必要放電期間演算部27Bにより演算された上述の第2必要放電期間Tnes2(=96[sec])が経過した際のバッテリ11の端子電圧Ebatt、即ち、第2対応電圧Vc2を、図示しないメモリから読み出す。
その後、電圧特性推定線設定部29が、ステップ20において得られた第1対応電圧Vc1および第2対応電圧Vc2を通る直線を、電圧/電流線図33上で(図3〜図5参照)、バッテリ11の電圧特性推定線Lvcとして設定する(電圧特性推定線設定ステップ;ステップS21)。
そして、最大出力電流推定部31が、電圧/電流線図33上において、電圧特性推定線Lvcとバッテリ11の限界放電電圧Elimとの交点における電流(交点電流)Icrsを設定する(ステップS22)。
そして、最大出力電流推定部31は、ステップS22で設定した交点電流Icrsが、ステップS17において設定された仮定最大出力電流ImaxS(=160[A])に一致した場合には(図5参照;ステップS23のYesルート)、この仮定最大出力電流ImaxSを、バッテリ11の最大出力電流Imaxであると推定する(ステップS24)。つまり、ここで、最大出力電流推定部31は、バッテリ11の最大出力電流Imaxが160[A]であると推定する。
一方、交点電流Icrsと仮定最大出力電流ImaxSとが一致しない場合(ステップS23のNoルート)、つまり、交点電流Icrsが、仮定最大出力電流ImaxSに対してオーバーシュートしてしまった場合や(図3参照)、仮定最大出力電流ImaxSに対してアンダーシュートしてしまった場合(図4参照)、補正部32が、仮定最大出力電流ImaxS(=160[A])を、3回目(Nb回目)の放電電流IdisNb(=150[A])と、4回目(Na回目)の放電電流IdisNa(=200[A])との間で補正する補正制御を実行する(補正ステップ;ステップS25)。
そして、補正部32により補正制御が実行されると、その後、ステップS18において、仮定放電容量設定部26は、上述の式(1)における仮定最大出力電流ImaxSとして、補正部32により補正された補正後の値を採用し、仮定放電容量CdisSを演算するようになっている。
そして、交点電流Icrsと、仮定最大出力電流ImaxSとが一致するまで、ステップS18〜S22およびS25の制御が繰り返し実行される。
このように、本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置およびバッテリの最大出力特性の評価方法によれば、仮定最大出力電流ImaxS(=160[A])で規定放電期間Tdis0(=60[sec])の間、バッテリ11から放電を行なった場合の放電容量である仮定放電容量CdisS(=9600[As]=160×60)が設定されるようになっている。
また、バッテリ11に対する放電制御における測定放電期間Tdis1を120秒とし、且つ、放電制御の実行毎に、放電電流Idisを、2回目電流値IdisNc2(=100[A]),3回目電流値IdisNb(=150[A])および4回目電流値IdisNa(=200[A])と段階的に増大されるようになっている。
さらに、いずれの放電制御においても、仮定放電容量CdisSが一定になるように制御されている。
また、仮定放電容量CdisS(=9600[As])の放電を行なうために必要な第1必要放電期間Tnes1(=9600÷150=64[sec])および第2必要期間Tnes2(=9600÷100=96[sec])が演算されるようになっている。
また、第1必要放電期間Tnes1(=64[sec])が経過した際におけるバッテリ11の端子電圧Ebattを第1対応電圧Vc1として取得するとともに、第2必要放電期間Tnes2(=96[sec])が経過した際におけるバッテリ11の端子電圧Ebattを第2対応電圧Vc2として取得するようになっている。
そして、これらの第1対応電圧Vc1および第2対応電圧Vc2に基づいて、バッテリ11の最大出力電流Imaxを推定するようになっている。
これにより、充放電可能なバッテリ11の性能を迅速且つ正確に評価することが出来る。
また、バッテリ11を評価する際に、充放電を繰り返す回数を、従来に比べて大幅に低減することが出来るので、評価対象であるバッテリ11の劣化を事実上無視することも出来る。
また、第1対応電圧Vc1および第2対応電圧Vc2に基づいて、電圧/電流線図33上にバッテリ11の電圧特性推定線Lvcが設定されるようになっている。
そして、この電圧/電流線図33上において、電圧特性推定線Lvcとバッテリ11の限界放電電圧Elimとの交点、即ち、交点電流Icrsが、仮定最大出力電流ImaxSに一致すると、この仮定最大出力電流ImaxSをバッテリ11の該最大出力電流Imaxであると推定するようになっている。
このように、電圧特性推定線Lvcを設定することで、電気自動車に用いられるバッテリ11の最大出力電流Imaxを精度よく推定することが出来る。
またバッテリ11の電圧Ebattが、限界放電電圧Elimに達した回の放電制御を‘Na回目’の放電制御とし、Na回目の前の回の放電制御を‘Nb回目’の放電制御とし、さらに、Nb回目の前の回の放電制御を‘Nc2回目(Nc回目)’の放電制御としている。
そして、Nb回目の放電制御の実行時における放電電流IdisNbと、Na回目の放電制御の実行時における放電電流IdisNaとの間、即ち、150〜200[A]の間の値として、仮定最大出力電流ImaxSを設定するようになっている。
また、Nb回目の放電制御の実行時における放電電流IdisNb(=150[A])で仮定放電容量CdisS(=9600[As])の放電をバッテリ11から行なうために必要な期間を第1必要放電期間Tnes1(=64[sec]=9600÷150)として演算するようになっている。
また、Nc回目の放電制御の実行時における放電電流IdisNc(=100[A])で仮定放電容量CdisS(=9600[As])の放電をバッテリ11から行なうために必要な期間を第2必要放電期間Tnes2(=96[sec]=9600÷100)として演算するようになっている。
また、Nb回目の放電制御実行時において、第1必要放電期間Tnes1(=64[sec])が経過した際のバッテリ11の電圧Ebattを第1対応電圧Vc1として取得するようになっている。
また、Nc回目の該放電制御実行時において、第2必要放電期間Tnes2(=96[sec])が経過した際のバッテリ11の電圧Ebattを第2対応電圧Vc2として取得するようになっている。
さらに、第1対応電圧Vc1と第2対応電圧Vc2とに基づいて、電圧/電流線図33上にバッテリ11の電圧特性推定線Lvcを設定するようになっている。
これにより、正確に電圧特性推定線を設定することが可能となり、電気自動車用バッテリの最大出力電流を精度よく推定することが出来る。
また、交点電流Icrsが仮定最大出力電流ImaxSに一致しない場合は、バッテリ11の仮定最大出力電流ImaxSをNb回目の放電電流IdisNb(=150[A])とNa回目の放電電流IdisNa(=200[A])との間で補正するようになっている。
そして、ここで補正された仮定最大出力電流ImaxSで規定放電期間Tdis0(=60[sec])をバッテリ11から放電を行なったと仮定し、上記の仮定放電容量CdisSを設定するようになっている。
このように、仮定最大出力電流ImaxSを所定の範囲150〜200[A]で補正することで、このバッテリ11の最大出力電流Imaxを手間なく且つ精度よく推定することが出来る。
ここで、本発明のコンセプトについて、改めて説明する。
図7に示すように、放電電流Idisを段階的に増大しながら、充放電をパルス状に繰り返し行なうと、いずれ、放電電流Idisが電気自動車用バッテリの最大出力電流Imaxに達することになる。
本発明の発明者は、放電電流Idisがバッテリの最大出力電流Imaxに達した際に行なわれていた放電制御における放電容量(図7中、符号Cdis4参照)に着目した。
そして、充放電をパルス状に繰り返し行なう際に、いずれの放電量(図7中、Cdis1,Cdis2,Cdis3)も、いずれの充電量(図7中、Ccha1,Ccha2,Ccha3)も、電気容量(電流×放電期間)としては、放電電流Idisが電気自動車用バッテリの最大出力電流Imaxに達した際に行なわれていた放電制御における放電容量Cdis4と等しくなるように設定した。つまり、放電容量を一定としながら且つ放電電流Idisを段階的に増大しながら、放電を繰り返したのである。
そして、図8に示すように、放電容量を一定にしながら放電電流Idisを段階的に増大させた場合のバッテリ出力特性は、略直線として表すことが可能であることが判明したのである(図8中、黒塗り菱および鎖線参照)。
また、放電期間を一定(例えば、60秒)にしながら放電電流Idis段階的に増大させた場合に実測したバッテリ出力特性(図8中、黒塗り丸および実線)と、上述の黒塗り菱および鎖線とを比較すると、いずれも、繰り返し放電を行なった場合は、バッテリの端子電圧Eが限界放電電圧Elimまで達した際の放電電流Idis、即ち、最大出力電流Imaxが一致している。
つまり、この図8に示すように、本発明の充放電可能なバッテリの性能評価装置および方法によれば、充放電可能なバッテリの性能を迅速且つ正確に評価することが出来るのである。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することが出来る。その一例を以下に示す。
上述の実施形態においては、バッテリ11が複数のリチウムイオンバッテリを直列に接続することで構成されている場合を例にとって説明したが、これに限定するものではない。例えば、リチウムイオンバッテリの単体をバッテリ性能測定装置12に接続し、このリチウムイオンバッテリの性能を測定するようにしてもよい。
また、リチウムイオンバッテリではなく、ニッケル水素バッテリ,ニッケルカドミウムバッテリ,ニッケル鉄バッテリ,ニッケル亜鉛バッテリ,酸化銀亜鉛バッテリなど、充放電可能なバッテリ(いわゆる、二次電池)であれば、特に制限はない。
また、上述の実施形態においては、バッテリ11が電気自動車に用いられるものであるとして説明したが、これに限定するものではない。例えば、ハイブリッド電気自動車に用いられるバッテリであっても良いし、鉄道車両,航空機および船舶などに用いられるバッテリであっても良い。
また、蓄電容量に対して比較的高い出力電流がある程度の期間(例えば、10秒)を超えて継続することが求められる機器(例えば、電動工具など)に用いられるバッテリであっても良い。
また、上述の実施形態において、ユーザによって設定された規定放電期間Tdis0が60秒であるとし、また、放電部22により設定された測定放電期間Tdis1が120秒であるものとして説明したが、これに限定されるものではない。規定放電期間Tdis0は、バッテリ11が大電流を出力しなければいけない状況がどの程度の期間継続するのかを想定して決定されるものであるので、バッテリ11の用途に応じて、ユーザが任意に設定すればよい。また、測定放電期間Tdis1は、規定放電期間Tdis0よりも長い期間として設定されるのであれば、120秒である必要は当然にない。
また、上述の実施形態においては、具体的な数字を例示して説明したが、これらの数値に限定して本発明を理解する必要はなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲でこれらの数値は変更することが可能である。
また、上述の実施形態においては、バッテリ11単体の性能評価を行なう場合について説明したが、これに限定するものではない。例えば、複数のバッテリ11を有するバッテリユニット(図示略)全体としての性能評価を行なうようにしてもよい。
また、上述の実施形態においては特に説明しなかったが、放電制御や充電制御を行なうと、バッテリ11が発熱する。このため、放電制御後の充電放電制御が完了した後、所定時間、放置することでバッテリ11の温度を安定化させてから、次回の放電制御を実行するようにしても良い。
また、このような放置をしない或いは放置時間を短縮する場合には、バッテリ11の温度に対応した補正制御を実行するようにしても良い。
本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置の全体構成を示す模式的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置の動作および充放電可能なバッテリの性能評価方法の手順を示す模式的なタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置および方法に用いられる電圧/電流線図を示す模式図であって、電圧降下予想線がオーバーシュートした場合を示す。 本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置および方法に用いられる電圧/電流線図を示す模式図であって、電圧降下予想線がアンダーシュートした場合を示す。 本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置および方法に用いられる電圧/電流線図を示す模式図であって、電圧降下予想線が仮定最大出力電流と交差した場合を示す。 本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置の動作および充放電可能なバッテリの性能評価方法の手順を示す模式的なフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る充放電可能なバッテリの性能評価装置の動作および充放電可能なバッテリの性能評価方法の開発コンセプトを示す模式的なタイムチャートである。 図7のタイムチャートに対応した評価を行なった場合におけるバッテリの電圧/電流特性を示す模式的なグラフである。 背景技術によりバッテリの評価を行なった場合における推定値と実測値との違いを示す模式的なグラフである。
符号の説明
11 バッテリ
21 バッテリ電圧検出部(バッテリ電圧検出手段)
22 放電部(放電手段)
23 充電部(充電手段)
24 電流設定部(電流設定手段)
25 仮定最大出力電流設定部(仮定最大出力電流設定手段)
26 仮定放電容量設定部(仮定放電容量設定手段)
27 必要放電期間演算部(必要放電期間演算手段)
27A 第1必要放電期間演算部(第1必要放電期間演算手段)
27B 第2必要放電期間演算部(第2必要放電期間演算手段)
28 対応電圧取得部(対応電圧取得手段)
28A 第1対応電圧取得部(第1対応電圧取得手段)
28B 第2対応電圧取得部(第2対応電圧取得手段)
29 電圧特性推定線設定部(電圧特性推定線設定手段)
31 最大出力電流推定部(最大出力電流推定手段)
33 電圧/電流線図
disS 仮定放電容量
batt バッテリ端子電圧(バッテリ電圧)
lim 限界放電電圧
dis 放電電流
disNa Na回目の放電制御における放電電流
disNb Nb回目の放電制御における放電電流
disNc Nc回目の放電制御における放電電流
crs 交点電流
max 最大出力電流
maxS 仮定最大出力電流
Lvc 電圧特性推定線
dis0 規定放電期間
nes1 第1必要放電期間
nes2 第2必要放電期間
Vc1 第1対応電圧
Vc2 第2対応電圧

Claims (8)

  1. 充放電可能なバッテリの性能評価装置であって、
    該バッテリの電圧を検出する電圧検出手段と、
    該バッテリの最大出力電流の仮定値を仮定最大出力電流として設定する仮定最大出力電流設定手段と、
    該仮定最大出力電流設定手段により設定された該仮定最大出力電流で所定の規定放電期間の間該バッテリから放電を行なった場合の放電容量である仮定放電容量を設定する仮定放電容量設定手段と、
    該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量を一定としながら該バッテリを放電する放電制御を繰り返し実行する放電手段と、
    該放電手段により該放電制御が実行される毎に放電電流を段階的に増大させる電流設定手段と、
    該放電手段による該放電制御が完了する毎に該バッテリの放電深度が目標放電深度となるように該バッテリを充電する充電制御を実行する充電手段と、
    該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量の放電を行なうために必要な期間を必要放電期間として演算する必要放電期間演算手段と、
    該必要放電期間演算手段により演算された該必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を対応電圧として取得する対応電圧取得手段と、
    該対応電圧取得手段により設定された該対応電圧に基づいて該バッテリの該最大出力電流を推定する最大出力電流推定手段とを備える
    ことを特徴とする、充放電可能なバッテリの性能評価装置。
  2. 一方の軸に該バッテリの電圧が規定され且つ他方の軸に該バッテリの放電電流が規定された電圧/電流線図と、
    該対応電圧取得手段により取得された該対応電圧に基づいて、該電圧/電流線図上に該バッテリの電圧特性推定線を設定する電圧特性推定線設定手段とを備え、
    該最大出力電流推定手段は、
    該電圧/電流線図上において、該電圧特性推定線設定手段により設定された該電圧特性推定線と該バッテリの限界放電電圧との交点における交点電流が該仮定最大出力電流設定手段により設定された該仮定最大出力電流に一致すると、該仮定最大出力電流が該バッテリの該最大出力電流であると推定する
    ことを特徴とする、請求項1記載の充放電可能なバッテリの性能評価装置。
  3. 該電圧検出手段により検出された該バッテリ電圧が該限界放電電圧に達した回の該放電制御をNa回目の該放電制御とし、該Na回目の前の回の該放電制御をNb回目の該放電制御とし、さらに、該Nb回目より前の該放電制御をNc回目の該放電制御とし、
    該仮定最大出力電流設定手段は、
    該Nb回目の該放電制御の実行時において該電流設定手段により設定された該Nb回目の該放電電流と、Na回目の該放電制御の実行時において該電流設定手段により設定された該Na回目の該放電電流との間で、該仮定最大出力電流を設定し、
    該必要放電期間演算手段は、
    該Nb回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第1必要放電期間として演算する第1必要放電期間演算手段と、
    該Nc回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定手段により設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第2必要放電期間として演算する第2必要放電期間演算手段とを有し、
    該対応電圧取得手段は、
    該Nb回目の該放電制御実行時において、該第1必要放電期間演算手段により演算された該第1必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第1対応電圧として取得する第1対応電圧取得手段と、
    該Nc回目の該放電制御実行時において、該第2必要放電期間演算手段により演算された該第2必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第2対応電圧として取得する第2対応電圧取得手段とを有し、
    該電圧特性推定線設定手段は、
    該第1対応電圧取得手段により取得された該第1対応電圧を示す点と該第2対応電圧取得手段により取得された該第2対応電圧を示す点とを通る直線を該バッテリの電圧特性推定線として設定する
    ことを特徴とする、請求項2記載の充放電可能なバッテリの性能評価装置。
  4. 該交点電流が該仮定最大出力電流に一致しない場合、該仮定最大出力電流設定手段により設定された該バッテリの該仮定最大出力電流を該Nb回目の放電電流と該Na回目の放電電流との間で補正する補正手段をそなえ、
    該仮定放電容量設定手段は、該補正手段により補正された該仮定最大出力電流で該規定放電期間を該バッテリから放電を行なったと仮定し該仮定放電容量を設定する
    ことを特徴とする、請求項2または3記載の充放電可能なバッテリの性能評価装置。
  5. 充放電可能なバッテリの性能評価方法であって、
    該バッテリの目標放電深度を設定する目標放電深度設定ステップと、
    該バッテリの最大出力電流の仮定値を仮定最大出力電流として設定する仮定最大出力電流設定ステップと、
    該仮定最大出力電流設定ステップにおいて設定された該仮定最大出力電流で所定の規定放電期間の間該バッテリから放電を行なった場合の放電容量である仮定放電容量を設定する仮定放電容量設定ステップと、
    該仮定放電容量設定ステップにおいて設定された該仮定放電容量を一定としながら該バッテリを放電する放電制御を繰り返し実行する放電ステップと、
    該放電ステップにおいて該放電制御が実行される毎に放電電流を段階的に増大させる電流設定ステップと、
    該放電ステップにおいて該放電制御が完了する毎に該バッテリの放電深度が該目標放電深度設定ステップにおいて設定された該目標放電深度となるように該バッテリを充電する充電制御を実行する充電ステップと、
    該仮定放電容量設定ステップにより設定された該仮定放電容量の放電を行なうために必要な期間を必要放電期間として演算する必要放電期間演算ステップと、
    該必要放電期間演算ステップにより演算された該必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を対応電圧として取得する対応電圧取得ステップと、
    該対応電圧取得ステップにより設定された該対応電圧に基づいて該バッテリの該最大出力電流を推定する最大出力電流推定ステップとを備える
    ことを特徴とする、充放電可能なバッテリの性能評価方法。
  6. 該対応電圧取得ステップにより取得された該対応電圧に基づいて、一方の軸に該バッテリの電圧が規定され且つ他方の軸に該バッテリの放電電流が規定された電圧/電流線図上に該バッテリの電圧特性推定線を設定する電圧特性推定線設定ステップをさらに備え、
    該最大出力電流推定ステップは、
    該電圧/電流線図上において、該電圧特性推定線設定ステップにおいて設定された該電圧特性推定線と該バッテリの限界放電電圧との交点における交点電流が該仮定最大出力電流設定ステップにより設定された該仮定最大出力電流に一致すると、該仮定最大出力電流が該バッテリの該最大出力電流であると推定する
    ことを特徴とする、請求項5記載の充放電可能なバッテリの性能評価装置。
  7. 該バッテリ電圧が該限界放電電圧に達した回の該放電制御をNa回目の該放電制御とし、該Na回目の前の回の該放電制御をNb回目の該放電制御とし、さらに、該Nb回目より前の該放電制御をNc回目の該放電制御とし、
    該仮定最大出力電流設定ステップは、
    該Nb回目の該放電制御の実行時において該電流設定ステップにより設定された該Nb回目の該放電電流と、Na回目の該放電制御の実行時において該電流設定ステップにより設定された該Na回目の該放電電流との間で、該仮定最大出力電流を設定し、
    該必要放電期間演算ステップは、
    該Nb回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定ステップにより設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第1必要放電期間として演算する第1必要放電期間演算ステップと、
    該Nc回目の該放電制御の実行時における放電電流で該仮定放電容量設定ステップにより設定された該仮定放電容量の放電を該バッテリから行なうために必要な期間を第2必要放電期間として演算する第2必要放電期間演算ステップとを有し、
    該対応電圧取得ステップは、
    該Nb回目の該放電制御実行時において、該第1必要放電期間演算ステップにより演算された該第1必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第1対応電圧として取得する第1対応電圧取得ステップと、
    該Nc回目の該放電制御実行時において、該第2必要放電期間演算ステップにより演算された該第2必要放電期間が経過した際の該バッテリの該電圧を第2対応電圧として取得する第2対応電圧取得ステップとを有し、
    該電圧特性推定線設定ステップは、
    該第1対応電圧取得ステップにより取得された該第1対応電圧を示す点と該第2対応電圧取得ステップにより取得された該第2対応電圧を示す点とを通る直線を該バッテリの電圧特性推定線として設定する
    ことを特徴とする、請求項6記載の充放電可能なバッテリの性能評価方法。
  8. 該交点電流が該仮定最大出力電流に一致しない場合、該仮定最大出力電流設定ステップにより設定された該バッテリの該仮定最大出力電流を該Nb回目の放電電流と該Na回目の放電電流との間で補正する補正ステップをそなえ、
    該仮定放電容量設定ステップは、該補正ステップにより補正された該仮定最大出力電流で該規定放電期間を該バッテリから放電を行なったと仮定し該仮定放電容量を設定する
    ことを特徴とする、請求項6または7記載の充放電可能なバッテリの性能評価方法。
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