JP2010106980A - 多重パイプ及び多重パイプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 パイプの剛性を確保しつつ、軽量化が可能な多重パイプ及び多重パイプの製造方法の提供。
【解決手段】 大波状箔材1aを筒状に形成した第1層部1と、平板状箔材2aを筒状に形成した第2層部2とを径方向に交互に積層固定して成ることとした。
【選択図】 図1
【解決手段】 大波状箔材1aを筒状に形成した第1層部1と、平板状箔材2aを筒状に形成した第2層部2とを径方向に交互に積層固定して成ることとした。
【選択図】 図1
Description
本発明は、多重パイプ及び多重パイプの製造方法に関する。
従来、多重パイプとして特許文献1に記載の技術が公知になっている。
通常、このような多重パイプは単管に比べて重量が増加してしまうため、材料の薄肉化による軽量化が図られている。
特開2003−74339号公報
通常、このような多重パイプは単管に比べて重量が増加してしまうため、材料の薄肉化による軽量化が図られている。
しかしながら、材料の薄肉化を極限まで推し進めると、多重パイプとしての必要剛性の確保が困難になる上、製造性の悪化を招いてしまうという問題点があった。
本発明の解決しようとする課題は、必要剛性の確保と軽量化を同時に達成でき、さらに、製造性に優れる多重パイプ及び多重パイプの製造方法を提供することにある。
請求項1記載の発明では、大波状箔材を筒状に形成した第1層部と、平板状箔材または小波状箔材を筒状に形成した第2層部とを径方向に交互に積層固定して成る周壁を有することを特徴とする。
また、請求項10記載の発明では、大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材を交互に重ねて筒状に巻く第1工程と、大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材との接合部を拡散接合する第2工程と、を備えることを特徴とする。
また、請求項10記載の発明では、大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材を交互に重ねて筒状に巻く第1工程と、大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材との接合部を拡散接合する第2工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の多重パイプは、箔材を材料とすることにより軽量化を図れると共に、大波状箔材を含む多層構造によってパイプの必要剛性を確保できる。
加えて、大波状箔材によって第1層に空間が形成され、これにより、遮音効果及び断熱効果に優れる。
加えて、大波状箔材によって第1層に空間が形成され、これにより、遮音効果及び断熱効果に優れる。
また、第1工程にて両箔材を交互に重ねて筒状に巻いた後、第2工程で両箔材を拡散接合するという簡便な方法でもって多重パイプを製造でき、製造性に優れる。
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
先ず、実施例1の多重パイプを図面に基づいて説明する。
図1は実施例1の多重パイプを示す斜視図、図2は実施例1の多重パイプの製造方法を示す説明図である。
図1は実施例1の多重パイプを示す斜視図、図2は実施例1の多重パイプの製造方法を示す説明図である。
先ず、全体構成を説明する。
図1に示すように、実施例1の多重パイプA1は、大波状箔材1aが円筒状に形成して成る第1層部1と、この第1層部1の径方向両側に配置され、平板状箔材2aを円筒状に形成して成る第2層部2、2の三層構造で構成されている。
なお、多重パイプA1は三層構造に限らず、2層あるいは4層以上の構造としても良い。
図1に示すように、実施例1の多重パイプA1は、大波状箔材1aが円筒状に形成して成る第1層部1と、この第1層部1の径方向両側に配置され、平板状箔材2aを円筒状に形成して成る第2層部2、2の三層構造で構成されている。
なお、多重パイプA1は三層構造に限らず、2層あるいは4層以上の構造としても良い。
大波状箔材1aと平板状箔材2aの板厚は、パイプ径や必要強度にもよるが、例えば車両用排気系部材(直径5cm程度)に適用する場合には、それぞれ20〜50μm程度が望ましい。
また、大波状箔材1aと平板状箔材2aの材質は、拡散接合が可能な箔材、例えば高剛性のアルミニウムとステンレスの合金製で、さらに、焼き鈍し、または緩い焼き入れ処理が施された高剛性の箔材が用いられる。
具体的には、例えばクロム(Cr)、アルミ(Al)をベースに高温酸化で生成するAl2O2被膜(アルミナ被膜)の成長を抑制する効果の高いランタン(LA)等を添加した、耐高温酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼が採用されている。
フェライト系ステンレス鋼の一例としてJFE規格のJFE20−5USR及びJFE18−3USRを挙げておく。
大波状箔材1aの波の大きさは適宜設定できるが、例えば実施例1では、山間ピッチが1.5mm程度、波高が1.2mm程度のものが用いられる。
また、大波状箔材1aと平板状箔材2aの材質は、拡散接合が可能な箔材、例えば高剛性のアルミニウムとステンレスの合金製で、さらに、焼き鈍し、または緩い焼き入れ処理が施された高剛性の箔材が用いられる。
具体的には、例えばクロム(Cr)、アルミ(Al)をベースに高温酸化で生成するAl2O2被膜(アルミナ被膜)の成長を抑制する効果の高いランタン(LA)等を添加した、耐高温酸化性に優れたフェライト系ステンレス鋼が採用されている。
フェライト系ステンレス鋼の一例としてJFE規格のJFE20−5USR及びJFE18−3USRを挙げておく。
大波状箔材1aの波の大きさは適宜設定できるが、例えば実施例1では、山間ピッチが1.5mm程度、波高が1.2mm程度のものが用いられる。
次に、多重パイプA1の製造方法を図2に基づいて説明する。
実施例1の製造方法では、製造する多重パイプA1の内径と同じ外径で、その外面一箇所に軸方向に沿った溝31を有する略円柱状の芯材3が用いられる。
後述するが、芯材3は、多重パイプA1の製造後に抜き取るものであるため、少なくともその外周面が非拡散接合性を有して構成される。例えば、芯材3の外周面に拡散接合反応を阻害する窒化アルミニウム層が予め形成されている。または、接合防止剤を塗布しておくことも可能である。
実施例1の製造方法では、製造する多重パイプA1の内径と同じ外径で、その外面一箇所に軸方向に沿った溝31を有する略円柱状の芯材3が用いられる。
後述するが、芯材3は、多重パイプA1の製造後に抜き取るものであるため、少なくともその外周面が非拡散接合性を有して構成される。例えば、芯材3の外周面に拡散接合反応を阻害する窒化アルミニウム層が予め形成されている。または、接合防止剤を塗布しておくことも可能である。
<第1工程>
先ず、2枚の平板状箔材2a−2a相互間に1枚の大波状箔材1aを挟んだ三層構造体a1とし、その一端縁部を芯材3の溝31に差し込み装着した状態で、芯材3を軸周り方向に360°回転させることにより、三層構造体a1を芯材3の外面に筒状に巻き付ける。
その後、三層構造体a1の他端部を所定位置で切断した後、該三層構造体a1の両端部同士を衝き合わせた状態で図示しない治具等により仮固定する。
なお、切断された他端縁部を三層構造体a1の外周部にスポット溶接等で数カ所仮止めするようにしても良い。
先ず、2枚の平板状箔材2a−2a相互間に1枚の大波状箔材1aを挟んだ三層構造体a1とし、その一端縁部を芯材3の溝31に差し込み装着した状態で、芯材3を軸周り方向に360°回転させることにより、三層構造体a1を芯材3の外面に筒状に巻き付ける。
その後、三層構造体a1の他端部を所定位置で切断した後、該三層構造体a1の両端部同士を衝き合わせた状態で図示しない治具等により仮固定する。
なお、切断された他端縁部を三層構造体a1の外周部にスポット溶接等で数カ所仮止めするようにしても良い。
<第2工程>
次に、三層構造体a1を図示を省略した外筒に入れ、芯材3(図示しない治具共)との間で加圧力を加えると共に加熱炉内で所定温度に加熱することにより、大波状箔材1aと平板状箔材2a−2aとの接合部、即ち、大波状箔材1aの波状の頂部と平板状箔材2a−2aとの当接部位を拡散接合させる。
この際、前述したように、外筒の内面と芯材3の外周面(図示しない治具共)は接合防止剤を塗布する等して非拡散接合性を有して構成されているため、三層構造体a1の内周部と拡散接合する虞はない。
その後、三層構造体a1を外筒及び芯材3と共に加熱炉から取り出して芯材3を抜き取ることにより、所望の多重パイプA1を得る。
また、平板状箔材2aと大波状箔材1aの間に、ろう箔材を挟んで巻回して三層構造体a1を形成して外筒内に挿入し加熱することで多重パイプA1を得ることもできる。その場合多重パイプA1の軸方向の全長に巻く必要はなく、毛細管現象により長手方向に広がる程度の間隔を持ってろう材を巻回させればよい。
次に、三層構造体a1を図示を省略した外筒に入れ、芯材3(図示しない治具共)との間で加圧力を加えると共に加熱炉内で所定温度に加熱することにより、大波状箔材1aと平板状箔材2a−2aとの接合部、即ち、大波状箔材1aの波状の頂部と平板状箔材2a−2aとの当接部位を拡散接合させる。
この際、前述したように、外筒の内面と芯材3の外周面(図示しない治具共)は接合防止剤を塗布する等して非拡散接合性を有して構成されているため、三層構造体a1の内周部と拡散接合する虞はない。
その後、三層構造体a1を外筒及び芯材3と共に加熱炉から取り出して芯材3を抜き取ることにより、所望の多重パイプA1を得る。
また、平板状箔材2aと大波状箔材1aの間に、ろう箔材を挟んで巻回して三層構造体a1を形成して外筒内に挿入し加熱することで多重パイプA1を得ることもできる。その場合多重パイプA1の軸方向の全長に巻く必要はなく、毛細管現象により長手方向に広がる程度の間隔を持ってろう材を巻回させればよい。
次に、実施例1の作用について説明する。
<軽量化について>
このように構成された多重パイプA1では、大波状箔材1aと平板状箔材2aの箔材を材料とした多層構造とすることで、軽量化を図れる。
<軽量化について>
このように構成された多重パイプA1では、大波状箔材1aと平板状箔材2aの箔材を材料とした多層構造とすることで、軽量化を図れる。
<剛性の確保と製造性について>
また、平板状箔材2a−2aと大波状箔材1aとの当接部を拡散接合させて筒状に形成することにより、両箔材1a,2aの接合強度を容易に確保できる。
加えて、三層構造体a1の両端部付近も拡散接合により同時に行うことができるため、溶接による接合が困難な肉薄の箔材の接合を可能にでき、多重パイプA1の製造性を向上できる。これにより、さらに軽量化が可能になる。
また、大波状箔材1aを含む多層構造によってパイプの剛性を確保できる。
加えて、多重パイプA1の外面側が平板状箔材2aで構成されることで、外側面を大波状箔材1aで構成する場合に比べて、外面強度(接触等による耐久性能)が高くなる。
また、平板状箔材2a−2aと大波状箔材1aとの当接部を拡散接合させて筒状に形成することにより、両箔材1a,2aの接合強度を容易に確保できる。
加えて、三層構造体a1の両端部付近も拡散接合により同時に行うことができるため、溶接による接合が困難な肉薄の箔材の接合を可能にでき、多重パイプA1の製造性を向上できる。これにより、さらに軽量化が可能になる。
また、大波状箔材1aを含む多層構造によってパイプの剛性を確保できる。
加えて、多重パイプA1の外面側が平板状箔材2aで構成されることで、外側面を大波状箔材1aで構成する場合に比べて、外面強度(接触等による耐久性能)が高くなる。
<遮音性能及び断熱性能について>
また、大波状箔材1aによって第1層1に空気層6(図1参照)が形成され、これにより、遮音性能及び断熱性能に優れる。
また、大波状箔材1aによって第1層1に空気層6(図1参照)が形成され、これにより、遮音性能及び断熱性能に優れる。
<多重パイプの用途について>
このような多重パイプA1は、車両用排気系部材に用いて好適となる。
特に、消音器内のパイプに用いると軽量化、消音特性が得られる。また、多重パイプA1を、排気系における触媒コンバータの排気上流側に介装されるエキゾーストマニホールドのブランチ管に適用すると、触媒性能の向上を図れる。
即ち、触媒コンバータの触媒担体は高温状況下で機能するため、エキゾーストマニホールドの薄肉化、断熱性能の向上等は触媒性能の向上に繋がる。
勿論、多重パイプA1を、排気パイプ、マフラーの外筒等の自動車用排気系部材やその他の分野に適用することもできる。
また、多重パイプA1の肉厚が薄いため、レーザにより製造後に必要な箇所の壁面に開口を設けることも容易にできる。従って、共通構造のマフラーを組み立てた後、音源の特性に合わせて開口位置の異なる箇所に開口を設けて特性の異なるマフラーとすることも容易にできる。
このような多重パイプA1は、車両用排気系部材に用いて好適となる。
特に、消音器内のパイプに用いると軽量化、消音特性が得られる。また、多重パイプA1を、排気系における触媒コンバータの排気上流側に介装されるエキゾーストマニホールドのブランチ管に適用すると、触媒性能の向上を図れる。
即ち、触媒コンバータの触媒担体は高温状況下で機能するため、エキゾーストマニホールドの薄肉化、断熱性能の向上等は触媒性能の向上に繋がる。
勿論、多重パイプA1を、排気パイプ、マフラーの外筒等の自動車用排気系部材やその他の分野に適用することもできる。
また、多重パイプA1の肉厚が薄いため、レーザにより製造後に必要な箇所の壁面に開口を設けることも容易にできる。従って、共通構造のマフラーを組み立てた後、音源の特性に合わせて開口位置の異なる箇所に開口を設けて特性の異なるマフラーとすることも容易にできる。
次に、実施例1の効果を請求項1〜3、及び5〜8に対応する(1)〜(8)と共に列記する。
(1)大波状箔材1aを筒状に形成した第1層部1と、平板状箔材2aを筒状に形成した第2層部2とを径方向に交互に積層固定して成ることとした。
これにより、多重パイプA1の必要剛性の確保と軽量化を同時に達成できる。
これにより、多重パイプA1の必要剛性の確保と軽量化を同時に達成できる。
(2)多重パイプA1の外周部を第2層部2で構成した。
これにより、多重パイプA1の外面強度(接触等による耐久性能)の向上を図ることができる。
これにより、多重パイプA1の外面強度(接触等による耐久性能)の向上を図ることができる。
(3)多重パイプA1を、第1層部1の径方向両側に第2層部2が配置された三層構造とした。(1)、(2)と同様の作用・効果を得ることができる。
これにより、
これにより、
(4)第1層部1と第2層部2との接合部を拡散接合した。
これにより、第1層部1と第2層部2を容易且つ良好に積層固定できる。
なお、上述のように、ろう材により接合することも可能であるが、ろう材により接合するより更に軽量化できる。従って、熱容量も少なくなるので、例えば、マニホールドの熱容量を少なくした方が浄化性能が上がる部分に使用すると良い効果が得られる。
これにより、第1層部1と第2層部2を容易且つ良好に積層固定できる。
なお、上述のように、ろう材により接合することも可能であるが、ろう材により接合するより更に軽量化できる。従って、熱容量も少なくなるので、例えば、マニホールドの熱容量を少なくした方が浄化性能が上がる部分に使用すると良い効果が得られる。
(5)大波状箔材1aと平板状箔材2aの板厚をそれぞれ20〜50μmとした。
これにより、多重パイプA1の材料として最適な板厚を設定して、必要剛性の確保と薄肉軽量化を図ることができる。
これにより、多重パイプA1の材料として最適な板厚を設定して、必要剛性の確保と薄肉軽量化を図ることができる。
(6)多重パイプA1を車両用排気系部材とした。
これにより、特に薄肉軽量化が期待される車両用排気系部材に用いて好適となる。
これにより、特に薄肉軽量化が期待される車両用排気系部材に用いて好適となる。
(7) 車両用排気系部材をエキゾーソストマニホールドのブランチ管とした。
これにより、特に車両用排気系部材の中でも薄肉軽量化が期待されるエキゾーソストマニホールドのブランチ管に用いて好適となる。
これにより、特に車両用排気系部材の中でも薄肉軽量化が期待されるエキゾーソストマニホールドのブランチ管に用いて好適となる。
次に、実施例2について説明する。
実施例2の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
実施例2の説明にあたっては、前記実施例1と同様の構成部分については図示を省略し、もしくは同一の符号を付けてその説明を省略し、相違点についてのみ説明する。
実施例2は、実施例1における多重パイプの変形例を示すものであり、図3の斜視図に示すように、実施例1における多重パイプA1の内側に更に第1層1を追加し、多重パイプA1の内周部を大波状箔材1aで構成した点が、上記実施例1とは相違する。
従って、実施例2では、多重パイプA1の内周部を第1層部1で構成したため、実施例1と同様の作用・効果が得られる他、多重パイプA1内を流れる流体を大波状箔材1aの多数の山部で整流する整流効果が得られる。
以上、この発明の実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
例えば、多重パイプの周壁の厚み(箔材の板厚、波状の高さ)や積層数は、例えば、強度の要求やパイプ径によって適宜設定できる。
また、多重パイプの断面形状は円形に限らず、多角形や楕円形等の非円形にしても良い。
さらに、多重パイプに拡径・縮径加工、曲げ加工等を施したものは全てこの発明の範疇となる。
例えば、多重パイプの周壁の厚み(箔材の板厚、波状の高さ)や積層数は、例えば、強度の要求やパイプ径によって適宜設定できる。
また、多重パイプの断面形状は円形に限らず、多角形や楕円形等の非円形にしても良い。
さらに、多重パイプに拡径・縮径加工、曲げ加工等を施したものは全てこの発明の範疇となる。
また、多重パイプA1の他の製造方法としては、図4に示すように、少なくとも外周面と内周面が拡散接合しない素材で構成された芯材4と外筒5を治具として用いる。
即ち、まず、2枚の平板状箔材2a−2a相互間に1枚の大波状箔材1aを挟んだ三層構造体a1とし、この三層構造体a1を芯材4の外面に筒状に巻き付け、該三層構造体a1の外周に外筒5を嵌合する。
次に、加熱炉内で所定温度に加熱することにより、平板状箔材2a−2aと大波状箔材1aとの当接部を拡散接合させた後、加熱炉から出して芯材4と外筒5を抜き取ることにより、三層構造の多重パイプA1を製造する。
また、円筒形状の外筒5を用いる場合について説明したが、図5に示すように、断面半円状の二つの部材5a、5bを合わせた構造とし、一端を蝶番5cで繋ぎ、他端をクランプ5dで開閉自在に連結するような構造とすると、加熱し拡散接合したクランプ5dによる連結状態を解除することで、多重パイプA1の取り出しが容易になる。
即ち、まず、2枚の平板状箔材2a−2a相互間に1枚の大波状箔材1aを挟んだ三層構造体a1とし、この三層構造体a1を芯材4の外面に筒状に巻き付け、該三層構造体a1の外周に外筒5を嵌合する。
次に、加熱炉内で所定温度に加熱することにより、平板状箔材2a−2aと大波状箔材1aとの当接部を拡散接合させた後、加熱炉から出して芯材4と外筒5を抜き取ることにより、三層構造の多重パイプA1を製造する。
また、円筒形状の外筒5を用いる場合について説明したが、図5に示すように、断面半円状の二つの部材5a、5bを合わせた構造とし、一端を蝶番5cで繋ぎ、他端をクランプ5dで開閉自在に連結するような構造とすると、加熱し拡散接合したクランプ5dによる連結状態を解除することで、多重パイプA1の取り出しが容易になる。
a1 三層構造体
A1 多重パイプ
1 第1層部
1a 平板状箔材
2 第2層部
2a 平板状箔材
3 芯材
31 溝
4 芯材
5 外筒
5a 外筒部材
5b 外筒部材
5c 蝶番
5d クランプ
6 空間
A1 多重パイプ
1 第1層部
1a 平板状箔材
2 第2層部
2a 平板状箔材
3 芯材
31 溝
4 芯材
5 外筒
5a 外筒部材
5b 外筒部材
5c 蝶番
5d クランプ
6 空間
Claims (10)
- 大波状箔材を筒状に形成した第1層部と、平板状箔材または小波状箔材を筒状に形成した第2層部とを径方向に交互に積層固定して成ることを特徴とする多重パイプ。
- 請求項1記載の多重パイプにおいて、
前記多重パイプの外周部を前記第2層部で構成したことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項1または2記載の多重パイプにおいて、
前記多重パイプを、前記第1層部の径方向両側に前記第2層部が配置された三層構造としたことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項1または2記載の多重パイプにおいて、
前記多重パイプの内周部を前記第1層部で構成したことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多重パイプにおいて、
前記第1層部と第2層部との接合部を拡散接合したことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項1〜4のいずれか1項に記載の多重パイプにおいて、
前記第1層部と第2層部との接合部をろう付け接合したことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の多重パイプにおいて、
前記大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材の板厚をそれぞれ20〜50μmとしたことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の多重パイプにおいて、
前記多重パイプを車両用排気系部材としたことを特徴とする多重パイプ。 - 請求項8記載の多重パイプにおいて、
前記車両用排気系部材をエキゾーソストマニホールドのブランチ管としたことを特徴とする多重パイプ。 - 大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材を交互に重ねて筒状に巻く第1工程と、
大波状箔材と平板状箔材または小波状箔材との接合部を拡散接合する第2工程と、
を備えることを特徴とする多重パイプの製造方法。
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---|---|---|---|
JP2008280359A JP2010106980A (ja) | 2008-10-30 | 2008-10-30 | 多重パイプ及び多重パイプの製造方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR102310113B1 (ko) * | 2021-03-31 | 2021-10-12 | 디에이치이엔티 주식회사 | 선박용 배기관 |
-
2008
- 2008-10-30 JP JP2008280359A patent/JP2010106980A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR102310113B1 (ko) * | 2021-03-31 | 2021-10-12 | 디에이치이엔티 주식회사 | 선박용 배기관 |
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