JP2010105978A - 化粧料 - Google Patents

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Abstract

【課題】2−アミノエタンスルフィン酸とジメチルシラノールヒアルロネートとを含有するゲル状化粧料の品質の経時的安定性を改善すると共に、活性酸素を除去する抗酸化性について持続的な安定性を確保することが課題であり、また彩色安定性を確保することである。
【解決手段】2−アミノエタンスルフィン酸、ジメチルシラノールヒアルロネートおよびシコンを必須成分として含有する化粧料とする。さらにピクノジェノール、グルコシルヘスペリジン、水溶性コラーゲン、油溶性甘草抽出物およびエラスチンの加水分解物を添加し、また、これにコエンザイムQ10および魚類由来のコラーゲンを添加し、さらには大豆タンパクの加水分解物およびコハク酸を添加したゲル状化粧料、さらにコレステリック液晶を添加したゲル状化粧料とする。品質の経時的安定性を改善され、活性酸素を除去する抗酸化性について持続的な安定性が確保される。
【選択図】なし

Description

この発明は、皮膚の健康を維持または改善する化粧料に関するものである。
一般に、保湿性の良い健康な素肌を維持または改善するために、様々な化粧料原料が使用されている。
例えば、タウリンの前駆物質である2−アミノエタンスルフィン酸はヒポタウリンとも別称される物質であり、抗チロシナーゼ活性を示す他、過酸化脂質生成抑制作用を示し、すなわち抗酸化作用を有することが知られている(特許文献1)。
また、薬効成分ジメチルシラノールヒアルロネートは、経皮吸収促進性、保湿作用、細胞賦活作用等が知られている(特許文献2)。
特許第3592348号公報 特開2004−323472号公報
しかし、上記した従来の化粧料では、2−アミノエタンスルフィン酸とジメチルシラノールヒアルロネートとを含有するゲル状化粧料の均一な分散性または溶解状態の安定性が悪く、pH変化によりジメチルシラノールヒアルロネートが分解したり、カルシウム塩の存在で沈殿を生じたりするという問題点がある。
また、2−アミノエタンスルフィン酸は、活性酸素除去性を有するものの、その特性に即効性はあるが、持続性がないという欠点もある。
さらにまた、2−アミノエタンスルフィン酸とジメチルシラノールヒアルロネートとを含有するゲル状化粧料について、その色彩を調整する場合において、濁りが発生しやすく、特に紫色系に彩色した場合の安定性が充分でないという問題点もある。
そこで、この発明の課題は、上記した問題点を解決して、2−アミノエタンスルフィン酸とジメチルシラノールヒアルロネートとを含有するゲル状化粧料の品質の経時的安定性を改善すると共に、活性酸素を除去する抗酸化性について持続的な安定性を確保することを課題としている。また上記の課題を解決すると共に、このゲル状化粧料の彩色安定性を確保することも解決するべき課題である。
上記の課題を解決するために、この発明においては、2−アミノエタンスルフィン酸、ジメチルシラノールヒアルロネートおよびシコンを必須成分として含有する化粧料としたのである。
上記したように構成されるこの発明の化粧料は、2−アミノエタンスルフィン酸とジメチルシラノールヒアルロネートを配合すると共に、シコンを配合することにより、pHの酸性側からアルカリ性側に変化してもジメチルシラノールヒアルロネートが分解し難くなり、またカルシウム塩の存在で沈殿を生じ難くなり、均一な分散性または溶解状態の安定性が改善される。
また、上記した傾向は、必須成分として、上記した成分に加えてピクノジェノール、グルコシルヘスペリジン、油溶性甘草抽出物およびエラスチンの加水分解物を添加した化粧料とした場合に、さらに改善される。
さらにまた、上記した必須成分を有する化粧料にコエンザイムQ10およびコラーゲンを添加することも好ましい。
そして、上記した必須成分を有する化粧料に大豆タンパクの加水分解物およびコハク酸を添加してなる化粧料とすることも上記した作用効果を充分に得るために好ましいことである。
また、上記したいずれかの組成の化粧料に、コレステリック液晶を添加して反射や透過する色彩を変化させ、温度によって変化する興味性を高めた化粧料とすることもできる。
この発明は、2−アミノエタンスルフィン酸、ジメチルシラノールヒアルロネートおよびシコンを必須成分として含有する化粧料としたので、ゲル状化粧料の品質の経時的安定性が改善され、活性酸素を除去する抗酸化性について持続的な安定性が確保されるという利点がある。また、シコンとの親和性がよく彩色安定性が確保されるという利点もある。
また、上記の必須成分に加えて、ピクノジェノール、グルコシルヘスペリジン、油溶性甘草抽出物およびエラスチンの加水分解物を添加し、また、これにコエンザイムQ10およびコラーゲンを添加し、さらには大豆タンパクの加水分解物およびコハク酸を添加したゲル状化粧料、さらにコレステリック液晶を添加したゲル状化粧料においても、上記した以上に品質の経時的安定性が改善され、活性酸素を除去する抗酸化性について持続的な安定性が確保されるという利点がある。
この発明の化粧料に用いる原材料は、以下に説明するように、2−アミノエタンスルフィン酸、ジメチルシラノールヒアルロネートおよびシコンであり、さらにピクノジェノール、グルコシルヘスペリジン、水溶性コラーゲン、油溶性甘草抽出物およびエラスチンの加水分解物、コエンザイムQ10、コラーゲン、大豆タンパクの加水分解物、コハク酸、コレステリック液晶である。
この発明に用いる2−アミノエタンスルフィン酸は、強力な抗酸化作用とビタミンCの活性を相乗的に向上させる作用を有し、いわゆるアンチエイジング成分としても作用するものであり、すなわちH2NCH2CH2SO2H(2-aminoethane-1-sulfinic acid)で示されるタウリンの前駆物質であり、またその塩類であってもよいのは勿論である。
2−アミノエタンスルフィン酸またはその塩類は、工業的製法も精製法も周知なものであり、ヒポタウリンとして市販されている化学薬品工業材料を使用することができる。
2−アミノエタンスルフィン酸の配合量は、有効成分として配合されればよく、通常では特に制限の必要はないが、化粧料として0.1〜20重量%配合して有効な結果が得られている。
この発明に用いるジメチルシラノールヒアルロネートは、(CH−Si(OR)(Rはヒアルロン酸残基を示す)で示されるジメチルシラノールとヒアルロン酸のエステル化合物(縮合液)であり、ヒアルロン酸ジメチルシラノールとも別称されるものであり、保湿力はヒアルロン酸の2倍以上あるとも言われ、保湿力を持続する作用もあり、市販のジメチルシラノールヒアルロネートを用いることができる。
ジメチルシラノールヒアルロネートの配合量は、有効成分として配合されればよく、通常では特に制限の必要はないが、化粧料として0.1〜20重量%配合して有効な結果が得られている。
この発明に用いるシコンは、ムラサキ科の植物の一種であるムラサキ(紫 Lithospermum erythrorhizon )または同属異種のセイヨウムラサキ( L. officinale L. )を原材料とし、その乾燥した紫根を粉にし、微温湯で抽出したものであり、古来利用される染料または周知の生薬である。薬用成分としてはナフトキノン誘導体のシコニン (Shikonin) で、最近ではバイオテクノロジーにより大量生産されている。生薬の「シコン」(紫根)は、日本薬局方に収録されており、抗炎症作用、創傷治癒の促進作用、殺菌作用などがある。
このようなシコンは、その配合によって化粧料の彩色が微妙に変化し、特有の紫色によって肌を明るく見せることができると共に、肌の透明感が改善される作用があり、これによって肌のコントロールカラー(調整色)としての機能を効果的に奏する成分である。
この発明に用いるピクノジェノールは、フランス国、南西部の大西洋岸に生息する海岸松樹皮より抽出された水溶性のフラボノイド成分であり、プロアントシアニジン、カテキン、タクシフォリン、フェノール酸類、その他40種類以上の有機酸を含有し、それらを含有するピクノジェノールは、抗酸化作用がビタミンCやEよりも強いことが知られている。
この発明に用いるグルコシルヘスペリジンは、ミカンなどの柑橘類系果実の皮に含まれるポリフェノールの1種であり、ビタミンPの1種としても知られるヘスペリジンの水溶性を改善し、体内での吸収性を高めるために糖を結合させた糖転移ヘスペリジンである。
ヘスペリジンの周知の作用としては、毛細血管の強化作用、血中脂質の改善作用、血流改善作用、抗アレルギー作用、発癌抑制作用等を有することが知られている。
グルコシルヘスペリジンの具体例としては、α−モノグルコシルヘスペリジン、α−ジグルコシルヘスペリジン、α−トリグルコシルヘスペリジン、α−テトラグルコシルヘスペリジン及びα−ペンタグルコシルヘスペリジン等を挙げることができる。これらのグルコシルヘスペリジンは、市販のものを用いてもよく、例えば、(株)林原生物化学研究所社製の林原ヘスペリジン(登録商標)S(α−モノグルコシルヘスペリジンの含量70%以上)が挙げられる。
この発明に用いる油溶性甘草抽出物は、生薬の甘草から油溶成分としてグラブリジンを含んで抽出されるエキスであり、製法としては、甘草またはその他同属植物の根を無水エタノールで抽出し、得られたエキスをさらに酢酸エチルで抽出し、そのエキスを粉末としたものである。このようにして得られる粉末は、黄褐色または赤褐色であり、甘草特有の臭気を有し、メラニン色素合成に関与するチロシナーゼの活性を抑える作用(抗チロシナーゼ活性作用)を有する。
この発明に用いるエラスチンの加水分解物の原材料であるエラスチンは、これまで化粧品などに活用されている材料であり、不溶性エラスチンを可溶化した水溶性エラスチン、またはエラスチン中の主要な繰り返しペプチド配列としてペンタペプチド Gly-Val-Gly-Val-Pro及びヘキサペプチドVal-Gly-Val-Ala-Pro-Glyの繰り返し配列を含む水溶液がある。このような2種類のペプチド繰り返し配列は、ヒト、ウシ、ブタ等の哺乳動物に共通して存在するが、前者の繰り返し配列は弾性機能を有し、後者の繰り返し配列は弾性及びコアセルベーションを有しないが、種々の細胞の遊走、増殖などを惹起する。これらのエラスチン由来のポリペプチド及び誘導体は液相法により化学合成できる他、遺伝子組み換え技術で作製することもできる。
この発明に用いるコエンザイムQ10は、ユビデカレノンまたは補酵素Q10として知られる高等動物に存在する補酵素Qの1種であり、その分子式は、C5990であり、分子量は863.36である。コエンザイムQ10は、補酵素として生物活性を有するだけでなく、酸素利用効率の改善作用を有するビタミン様作用物質として知られている。
この発明に用いるコラーゲンは、哺乳類や魚類などの動物の真皮、靱帯、腱、骨、軟骨などを構成するタンパク質のひとつであり、多細胞動物の細胞外基質(細胞外マトリクス)の主成分である。コラーゲンは、酵素処理で分解し低分子化され吸収性を高めたものであってもよく、またマリンコラーゲンとも称される魚類由来のコラーゲンは、加工性や取り扱い性の点からも好ましいものである。魚類由来のコラーゲンは、ヒラメ、サケ、スズキその他の硬骨魚類の皮や浮袋等から得られ、その抽出と精製は、周知の方法を用いて行うことができる。
具体的なマリンコラーゲンなどのコラーゲンの製法は、例えば魚皮を粉砕した後に水洗し、酸またはアルカリ溶液による抽出、ペプシン、トリプシンやヒアロニダーゼ等の酵素により抽出し、塩析や透析の公知の精製手段を施して、平均分子量30万程度のコラーゲン溶液を得る。このコラーゲン溶液は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過等の処理および活性炭等による脱色、脱臭処理をして用いても良い。さらに、このコラーゲン溶液に周知のコラゲナーゼを加えることによって、分子量200〜1500程度のコラーゲンペプチドにすることが可能である。平均分子量に関わらず、得られたコラーゲン溶液にコハク酸やフタル酸等を反応させて化学修飾した、コハク化コラーゲンやフタル化コラーゲンなどのコラーゲンを使用することもできる。なお、コラーゲンは、濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
この発明に用いる大豆タンパクの加水分解物は、脱脂大豆を水に分散させ、水酸化ナトリウムでpH調整し、プロテアーゼ(例えばトリプシン)を加えて加水分解したものを濾過し、圧縮し、冷却し、その後に塩酸を加えたものであり、保湿剤や乳化安定剤として市販の調製物を利用することもできる。
この発明に用いるコレステリック液晶は、液晶ゲルは、低分子ゲル化剤が集まってできた網目状の固相と、その中にとりこまれた液晶溶媒(液晶相)からなるミクロ相分離構造を形成しているものである。
液晶は、周知の材料、化粧料に汎用される周知の物質として、ステロール分子末端の水酸基をハロゲン化又はエステル化して得られるコレステロール誘導体で構成されるコレステリック液晶が挙げられる。コレステロール誘導体は、その多くが液晶状態を示す温度範囲が高い領域にあり、常温領域で液晶状態を示すように複数のコレステロール誘導体を組合せて用いることが好ましい。
コレステロール誘導体を例示すると、コレステロール、コレスタノール、コプロスタノール、カンペステロール、スチグマステロール、シトステロール、エルゴステロール、セレビステロール、チモステロール、ジヒドロコレステロール、セレブロステロール、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、アグノステロール、ジヒドロアグノステロール、フィトステロール等が挙げられる。
このような液晶成分は、肌の小じわや毛穴などの細かな凹凸を均し、その状態で光の乱反射を抑制するので、肌面で光が均等に反射するようになり、肌が明るい透明色に見える機能を果たす作用を奏するものである。すなわち、肌の小じわや毛穴などの細かな凹凸は目立ち難くなり、クリアな透明感を付与する化粧成分となる。
以上説明した各原材料の配合量は、各々の有効成分として配合されればよく、通常では特に制限の必要性はないが、0.1〜20重量%配合することにより化粧料として有効な結果が得られている。
この発明における化粧料を調製するには、化粧品や皮膚外用剤としての調製の常法に従い、皮膚外用の化粧品としての通常の基材に対して有効成分を添加し、それを溶解または分散させた軟膏、クリーム、液剤、乳剤、ゲルその他の剤型に製剤すればよい。
なお、この発明では、通常の化粧料に用いられる他の成分、例えば、油剤、界面活性剤、金属セッケン、アルコール類、紫外線防御剤、包接化合物、抗菌剤、香料、消臭剤、塩類、pH調整剤、清涼剤、動物・微生物由来抽出物、植物抽出物、美白剤、血行促進剤、収斂剤、抗脂漏剤、抗炎症剤、活性酸素消去剤、抗酸化剤、角質溶解剤、酵素、ビタミン類等を一種または二種以上、この発明の効果を損なわない範囲で適宜配合することが可能であ
る。
1,3−ブチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、ベタイン、ポリエチレングリコール(PEG-20:公称分子量1000)、オレイン酸ジヒドロコレステリル、ノナン酸コレステリル、パルミチン酸レチノール、甘草フラボノイド、ジメチルシラノールヒアルロネート、グルコシルヘスペリジン、ユビキノン、アミノエタンスルフィン酸、フランス海岸松樹皮エキス、加水分解エラスチン、サクシニルアテロコラーゲン、グリチルリチン酸ジカリウム、褐藻エキス(もずく、わかめ、昆布などの褐藻類の滑り成分として得られるエキスであり、フコイダンなどの糖類や高分子、水溶性ミネラルを含む)、酢酸トコフェロール、ピーナッツ油、ローズ水(バラの花を加熱蒸留し、それによって得られた留液から、不要の製油分を除去した水溶液)、酪酸コレステリル、酪酸ジヒドロコレステリル、水添レシチン、リゾレシチン、ポリエチレングリコール(PEG-60)水添ヒマシ油、レシチン、オレイン酸フィトステリル、カルボキシビニルポリマー、キサンタンガム、アルギニン、フェノキシエタノール、ビサボロール、ヒノキチオール、1,2−ヘキサンジオールおよび水の各成分をゲルクリームとなるように混合し、調製した。
得られたゲル状クリームは、ジメチルシラノールヒアルロネートが分解し難く、また沈殿を生じ難く、均一な分散性または溶解状態の安定性が得られたものであった。また、コレステリック液晶により反射や透過する色彩が変化し、冷蔵で緑色、常温で乳白色を呈し、さらにシコンとの親和性がよく彩色安定性が確保された。

Claims (5)

  1. 2−アミノエタンスルフィン酸、ジメチルシラノールヒアルロネートおよびシコンを必須成分として含有する化粧料。
  2. 請求項1に記載の必須成分に、ピクノジェノール、グルコシルヘスペリジン、油溶性甘草抽出物およびエラスチンの加水分解物を添加してなる化粧料。
  3. 請求項2に記載の化粧料にコエンザイムQ10およびコラーゲンを添加してなる化粧料。
  4. 請求項3に記載の化粧料に大豆タンパクの加水分解物およびコハク酸を添加してなる化粧料。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の化粧料に、コレステリック液晶を添加してなる化粧料。
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