JP2010105950A - 6−カルボニル置換テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン誘導体 - Google Patents

6−カルボニル置換テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン誘導体 Download PDF

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晴久 山下
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Abstract

【課題】グルコキナーゼ活性化剤を提供する。
【解決手段】式(I)の化合物、またはその薬学上許容される塩。

[式中、Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されてもいてよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基等であり;Yは、−CO−、−COO−または−CONR−であり;Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基等であり;Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC6−10アリール基である。]
【選択図】なし

Description

本発明は、医薬として有用な6−カルボニル置換テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン誘導体に関する。より詳しくは、グルコキナーゼ活性化剤として有効な6−カルボニル置換テトラヒドロピリド[4,3-d]ピリミジン誘導体に関する。
グルコキナーゼ(本明細書中、GKと略称することがある)(ATP:D-hexose 6-phosphotransferase EC2.7.1.1)は、哺乳類の4種のヘキソキナーゼのうちの一つであり、別名ヘキソキナーゼIVとも呼ばれる。ヘキソキナーゼは、解糖系の最初のステップであるグルコースからグルコース−6−リン酸への反応を触媒する。グルコキナーゼは主に膵臓β細胞と肝臓に存在し、膵臓β細胞ではグルコース刺激によるインスリン分泌を規定するグルコースセンサーとして働き、肝臓ではグルコキナーゼの酵素反応が律速となってグリコーゲン合成および糖代謝が調節される。グルコキナーゼ以外の3種のヘキソキナーゼ(I、II、III)は、1mM以下のグルコース濃度で酵素活性が最大に達するのに対し、グルコキナーゼのグルコースに対する親和性は低く、そのKm値は8-15mMと生理的な血糖値に近い。従って、正常血糖(5mM)から食後血糖上昇(10-15mM)の血糖変化に対応して、グルコキナーゼを介した細胞内グルコース代謝亢進が起こる。
グルコキナーゼ遺伝子改変マウスの結果から、グルコキナーゼがグルコース恒常性維持に重要な役割を果たしていることが証明されている。グルコキナーゼホモ欠損マウスでは生後間もなく重篤な糖尿病症状を示し死亡する。また、グルコキナーゼへテロ欠損マウスも高血糖を示す。一方、正常マウスでは肝臓特異的にグルコキナーゼを過剰発現させると耐糖能が向上する。また、糖尿病モデルマウスにグルコキナーゼを過剰発現させると耐糖能の改善と血糖値の低下が見られる。即ち、グルコキナーゼ活性の低下によりインスリン分泌不全と肝糖代謝の低下が起こり、耐糖能不全や糖尿病を発症し、逆にグルコキナーゼ活性の向上はインスリン分泌促進と肝糖代謝促進を引き起こし、耐糖能向上をもたらす(非特許文献1)。
このようにグルコキナーゼ活性の変動は、肝臓および膵臓β細胞を介した哺乳類のグルコース恒常性維持において重要な役割を果たしている。MODY (maturity-onset diabetes of the young)と呼ばれる若年に糖尿病を発症する症例においてグルコキナーゼ遺伝子の突然変異が発見され、それによるグルコキナーゼ活性の低下が血糖上昇の原因であることが明らかとなっている。一方、グルコキナーゼ活性を上昇させる突然変異をもつ家系も見つかっており、このような家系では血漿インスリン濃度の上昇を伴う絶食時低血糖症状が見られる(非特許文献2および3)。
上記のように、グルコキナーゼはヒトでもグルコースセンサーとして機能しグルコース恒常性維持に重要な役割を果たしている。一方、多くの2型糖尿病患者でグルコキナーゼの活性調節による血糖調節は可能と考えられる。グルコキナーゼ活性化物質には膵臓β細胞におけるインスリン分泌促進作用と肝臓における糖取り込み促進作用および糖放出抑制作用が期待できるので2型糖尿病の予防・治療薬として有用と考えられる。
近年、グルコキナーゼがラットの摂食中枢(Ventramedial Hypothalamus, VMH)にも限局して発現していることが明らかにされた。VMHに存在する一部の神経細胞はグルコース感受性を有しており、グルコースに対して興奮性のGE(Glucose Excited)-neuronとグルコースに対して抑制性のGI(Glucose Inhibited)-neuronに分類される。VHMのグルコース感知システムには膵臓β細胞のインスリン分泌と同様なグルコキナーゼを介したメカニズムが想定されており、グルコース濃度の変化に応じて神経の興奮あるいは抑制がおこり、その結果として食欲の亢進および抑制に関与するニューロペプチドが放出されるものと考えられている。実際、ラットの脳内へグルコースを投与すると摂食量が低下するのに対して、グルコキナーゼを競合的に阻害するグルコース類縁物質を脳内へ投与すると過食となる。したがって、グルコキナーゼ活性化物質はグルコキナーゼの中枢性の作用を介して摂食抑制作用ならびに体重増加抑制作用を示す可能性を有する。そのためグルコキナーゼ活性化物質には血糖是正効果のみならず、多くの2型糖尿病患者で問題となっている肥満をも是正できる可能性がある。
上記の記載からグルコキナーゼ活性化作用を有する化合物は、糖尿病の治療剤および/または予防剤として、あるいは、網膜症、腎症、神経症、虚血性心疾患、動脈硬化等の糖尿病慢性合併症の治療および/または予防剤として、さらには肥満の治療および/または予防剤として有用である。
一方、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン誘導体としては、下記で表される化合物が知られている(特許文献1)。
(式中、Xは、OまたはNHであり、Lは、単結合などであり、Rは、炭素環または複素環であり、Rは水素原子、ハロゲン原子などであり、RおよびRは一緒になって炭素環または複素環と縮環してもよいなどである。)
ここで、該文献にはテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン誘導体として、下記で表される化合物が具体的に開示されている。
[式中、X、L、RおよびRは、前記と同じであり;R26は、水素原子、オキソ基、ハロゲン原子などであり;R41は、C1−6アルキル基または、基:Y−Rであり;Yは、CO、COOまたはCONHであり;Rは、C1−4アルキル、フェニルC1−4アルキル、フェニルC2−4アルケニル、C3−10シクロアルキルであり、またはYがCOの場合にはモルホリノである。]
しかしながら、該文献に記載された化合物は、6位が、C1−6アルキル、C1−6アルキルカルボニル、フェニルC1−4アルキルカルボニルなどで置換されている。このことから、6位置換基において、本願発明と構造が異なる。
従って、テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン誘導体の2位が水素原子であり、6位が特定の置換基で置換した化合物群は、これまでに全く具体的に知られておらず、かつこれらの化合物群に優れたグルコキナーゼ活性化作用を有することは知られていない。
国際公開 第01/032632号 パンフレット Cell、第83巻、1995年、69-78頁 Nature Genetics、第356巻、1992年、721-722頁 New England Journal Medicine、第338巻、1998年、226-230頁
本発明の課題は、優れたグルコキナーゼ活性化作用を有する新規な化合物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成するために鋭意検討した結果、6位にカルボニル基を有するテトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン骨格を有する下記化合物またはその薬学上許容される塩(以下必要に応じ本発明化合物と略称することがある。)が優れたグルコキナーゼ活性化作用を有することを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、以下の通りである。
項1:式(I)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中、Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、または置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロ環基であり;
Yは、−CO−、−COO−または−CONR−であり;
は、置換されていてもよいC1−6アルキル基(該アルキル基は、Yが−CONR−の場合に限る。)、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールC1−4アルキル基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロ環基、または置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基(該環状アミノ基は、Yが−CO−の場合に限られ、該環状アミノ基からモルホリノ基は除かれる。)であり;
は、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC6−10アリール基である(但し、式(I)で表される化合物において、
N−(3−メチルフェニル)−6−[(1,2,5−トリメチル−1H−ピロール−3−イル)カルボニル)] −5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−アミン、および
6−[4−(ジメチルアミノ)−1−ナフトイル]−N−(3−メチルフェニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−アミン
である化合物を除く。)。]
項2:Rが、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基である、項1に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項3:Rにおけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項1または項2に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項4:Rにおけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項3に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項5:Rにおけるヘテロアリール基の置換基が、
1:ハロゲン原子;
2:C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のハロゲン原子、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)カルボキシル、
(d)C1−4アルコキシカルボニル、
(e)C6−10アリールオキシ、および
(f)C6−10アリールチオ、からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
3:C1−6アルコキシ基(該基は、
(a)カルボキシル、または
(b)C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。);
4:C1−4アルキル−カルボニル基;
5:カルボキシル基;
6:C1−4アルコキシカルボニル基;
7:アミノ基;
8:モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
(a)C1−4アルキル、あるいは
(b)ヒドロキシ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよいC1−4アルキル−カルボニルで置換されている。);
9:C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、
(a)カルボキシル、
(b)C1−4アルコキシカルボニル、および
(c)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
10:C7−10アラルキルチオ基;
11:C1−4アルキルスルホニル基;
12:C6−10アリールスルホニル基;
13:C7−14アラルキルスルホニル基;
14:C3−10シクロアルキル基;
15:C6−10アリール基;
16:C7−14アラルキル基;
17:C6−10アリールカルボニル基;
18:C7−14アラルキルカルボニル基;
19:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロ環基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルキルカルボニル、または
(c)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。);
20:カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;および
21:C7−14アラルキルオキシ基からなる群から選択される1〜3個の基である、項1〜項4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項6:Rにおけるヘテロアリール基の置換基が、C1−6アルキル基である、項5に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項7:Rが、下記式
からなる群から選択される1個の基である、項1〜項6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項8:Yが、−CO−または−CONR−である、項1〜7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項9:Yが、−CO−である、項8に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項10:Yが、−CONR−である、項8に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項11:Rが、置換されていてもよいC6−10アリール基である、項1〜項10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項12:Rにおける置換されていてもよいC6−10アリール基の置換基が、
1:ハロゲン原子、
2:ニトロ基、
3:C1−4アルキル基(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
4:C1−4アルコキシ基、
5:アミノ基、
6:モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、
7:C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
8:C1−4アルキルスルホニル基、
9:アミノスルホニル基、
10:モノ−もしくはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル基、
11:5員〜7員の単環式環状アミノスルホニル基、および
12:C1−4アルキルチオ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、項11に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項13:Rにおける置換されていてもよいC6−10アリール基の置換基が、
1:ハロゲン原子、
2:ニトロ基、
3:C1−4アルキル基(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、および
4:アミノスルホニル基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、項11または項12に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項14:Rが、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基である、項1〜項10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項15:Rにおける置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、
1:ハロゲン原子、
2:ニトロ基、
3:C1−4アルキル基、
4:C3−6シクロアルキル基、
5:5員もしくは6員のヘテロアリール基、および
6:C6−10アリール基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、項14に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項16:Rにおける置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、
1:ハロゲン原子、および
2:C1−4アルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、項14または項15に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項17:Rが、
1:C6−10アリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ、
(c)C1−4アルキル(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d)C1−4アルコキシ、
(e)アミノ、
(f)モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、
(g)C1−6アルキルカルボニルアミノ、
(h)C1−4アルキルスルホニル、
(i)アミノスルホニル、
(j)モノ−もしくはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル、
(k)5員〜7員の単環式環状アミノスルホニル、および
(l)C1−4アルキルチオからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
2:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基(該基は、
(a)ハロゲン原子、
(b)ニトロ、
(c)C1−4アルキル、
(d)C3−6シクロアルキル、
(e)5員もしくは6員のヘテロアリール、および
(f)C6−10アリールからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
3:C1−4アルキルで置換されていてもよい5員もしくは6員の単環式へテロ環基、
4:アミノカルボニルまたはC1−4アルキルで置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基、および
5:C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基である、項1〜項10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項18:Yが−CO−であり、Rが、ハロゲン原子、ニトロ、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、C1−4アルコキシ、アミノ、モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、C1−6アルキルカルボニルアミノ、C1−4アルキルスルホニル、アミノスルホニル、モノ−もしくはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル、5員〜7員の単環式環状アミノスルホニル、およびC1−4アルキルチオからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよいC6−10アリール基;ハロゲン原子、ニトロ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、およびC6−10アリールからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基;C1−4アルキルで置換されていてもよい5員もしくは6員の単環式へテロ環基;またはアミノカルボニルまたはC1−4アルキルで置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基である、項1〜項9のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項19:Rがハロゲン原子、ニトロ、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、またはアミノスルホニルで置換されていてもよいC6−10アリール基;またはハロゲン原子およびC1−4アルキルからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基である、項1〜項10のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項20:Yが−CONR−であり、Rが、C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基;またはC6−10アリール基であり、Rが、C1−6アルキル基である、項1〜項8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項21:Rにおけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項1〜項10および項14〜項19のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項22:Rにおけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項21に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項23:式(II)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中、R12は、
1:ハロゲン原子;
2:C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のハロゲン原子、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)カルボキシル、
(d)C1−4アルコキシカルボニル、
(e)C6−10アリールオキシ、および
(f)C6−10アリールチオ、からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
3:C1−6アルコキシ基(該基は、
(a)カルボキシル、または (b)C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。);
4:C1−4アルキル−カルボニル基;
5:カルボキシル基;
6:C1−4アルコキシカルボニル基;
7:アミノ基;
8:モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
(a)C1−4アルキル、あるいは
(b)ヒドロキシ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよいC1−4アルキル−カルボニルで置換されている。);
9:C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、
(a)カルボキシル、
(b)C1−4アルコキシカルボニル、および
(c)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
10:C7−10アラルキルチオ基;
11:C1−4アルキルスルホニル基;
12:C6−10アリールスルホニル基;
13:C7−14アラルキルスルホニル基;
14:C3−10シクロアルキル基;
15:C6−10アリール基;
16:C7−14アラルキル基;
17:C6−10アリールカルボニル基;
18:C7−14アラルキルカルボニル基;
19:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロ環基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルキルカルボニル、または
(c)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。);
20:カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;および
21:C7−14アラルキルオキシ基からなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよい下記式
からなる群から選択される5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基であり、
22
1:ハロゲン原子、
2:ニトロ基、
3:C1−4アルキル基(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
4:C1−4アルコキシ基、
5:アミノ基、
6:モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、
7:C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
8:C1−4アルキルスルホニル基、
9:アミノスルホニル基、
10:モノ−もしくはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル基、
11:5員〜7員の単環式環状アミノスルホニル基、および
12:C1−4アルキルチオ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよいC6−10アリール基;または
1:ハロゲン原子、
2:ニトロ基、
3:C1−4アルキル基、
4:C3−6シクロアルキル基、
5:5員もしくは6員のヘテロアリール基、および
6:C6−10アリール基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基である。]
項24:R12における置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、C1−6アルキル基である、項23に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項25:R12におけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項23または項24に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項26:R12が、下記式
からなる群から選択される1個の基である、項23に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項27:R22が、ハロゲン原子、ニトロ、C1−4アルキル、C3−6シクロアルキル、5員もしくは6員のヘテロアリール、およびC6−10アリールからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい下記式
からなる群から選択される5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基である、項23〜項26のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項28:R22におけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項27に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項29:R22が、、ハロゲン原子、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよいC1−4アルキル、またはアミノスルホニルで置換されていてもよいC6−10アリール基である、項23〜項28のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項30:式(III)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中、R13は、
1:ハロゲン原子;
2:C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のハロゲン原子、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)カルボキシル、
(d)C1−4アルコキシカルボニル、
(e)C6−10アリールオキシ、および
(f)C6−10アリールチオ、からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
3:C1−6アルコキシ基(該基は、
(a)カルボキシル、または
(b)C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。);
4:C1−4アルキル−カルボニル基;
5:カルボキシル基;
6:C1−4アルコキシカルボニル基;
7:アミノ基;
8:モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
(a)C1−4アルキル、あるいは
(b)ヒドロキシ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよいC1−4アルキル−カルボニルで置換されている。);
9:C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、
(a)カルボキシル、
(b)C1−4アルコキシカルボニル、および
(c)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
10:C7−10アラルキルチオ基;
11:C1−4アルキルスルホニル基;
12:C6−10アリールスルホニル基;
13:C7−14アラルキルスルホニル基;
14:C3−10シクロアルキル基;
15:C6−10アリール基;
16:C7−14アラルキル基;
17:C6−10アリールカルボニル基;
18:C7−14アラルキルカルボニル基;
19:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロ環基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルキルカルボニル、または
(c)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。);
20:カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;および
21:C7−14アラルキルオキシ基からなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよい下記式
からなる群から選択される5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基であり、
23は、C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基;またはC6−10アリール基であり、
33は、C1−6アルキル基;またはC6−10アリール基である。]
項31:R13おける置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、C1−6アルキル基である、項30に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項32:R13におけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項30または項31に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項33:R13が、下記式
からなる群から選択される1個の基である、項30〜項32のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項34:式(IV)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中、R14は、
1:ハロゲン原子;
2:C1−6アルキル基(該基は、
(a)1〜3個のハロゲン原子、
(b)C1−4アルコキシ、
(c)カルボキシル、
(d)C1−4アルコキシカルボニル、
(e)C6−10アリールオキシ、および
(f)C6−10アリールチオ、からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
3:C1−6アルコキシ基(該基は、
(a)カルボキシル、または
(b)C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。);
4:C1−4アルキル−カルボニル基;
5:カルボキシル基;
6:C1−4アルコキシカルボニル基;
7:アミノ基;
8:モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
(a)C1−4アルキル、あるいは
(b)ヒドロキシ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよいC1−4アルキル−カルボニルで置換されている。);
9:C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、
(a)カルボキシル、
(b)C1−4アルコキシカルボニル、および
(c)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
10:C7−10アラルキルチオ基;
11:C1−4アルキルスルホニル基;
12:C6−10アリールスルホニル基;
13:C7−14アラルキルスルホニル基;
14:C3−10シクロアルキル基;
15:C6−10アリール基;
16:C7−14アラルキル基;
17:C6−10アリールカルボニル基;
18:C7−14アラルキルカルボニル基;
19:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロ環基(該基は、
(a)C1−4アルキル、
(b)C1−4アルキルカルボニル、または
(c)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。);
20:カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;および
21:C7−14アラルキルオキシ基からなる群から選択される1〜3個の基で置換されていてもよい下記式
からなる群から選択される5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基であり、
24は、アミノカルボニルまたはC1−4アルキルで置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基である。]
項35:R14おける置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、C1−6アルキル基である、項34に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項36:R14におけるヘテロアリール基が、下記式
からなる群から選択される、項34または項35に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項37:R14が、下記式
からなる群から選択される1個の基である、項34〜項36のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
項38:項1〜項37のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を含有する医薬組成物。
項39:項1〜項37のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分とする医薬。
項40:項1〜項37のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分とするグルコキナーゼ活性化剤。
項41:項1〜項37のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩を有効成分とする糖尿病の治療及び/または予防剤。
以下、式(I)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩を必要に応じ「本発明化合物」と総称する。
本発明化合物は、優れたグルコキナーゼ活性を有し、糖尿病、肥満等の予防・治療剤の医薬として有用である。また、網膜症、腎症、神経症、虚血性心疾患、動脈硬化等の慢性合併症の予防・治療剤の医薬として有用である。
以下に、本発明をさらに詳細に説明する。本明細書において「置換基」の定義における炭素の数を、例えば、「C1−6」などと表記する場合もある。具体的には、「C1−6アルキル」なる表記は、炭素数1から6のアルキル基と同義である。
本明細書において「基」なる用語は、1価基を意味する。例えば、「アルキル基」は、1価の飽和炭化水素基を意味する。また、本明細書における置換基の説明において、「基」なる用語を省略する場合もある。
「置換されていてもよい」もしくは「置換された」で定義される基における置換基の数は、置換可能であれば特に制限はなく、1または複数である。また、特に指示した場合を除き、各々の基の説明はその基が他の基の一部分または置換基である場合にも該当する。本明細書中、例えば、「置換されていてもよいC1−6アルキル基」なる用語は、「C1−6アルキル基」に各種「置換基」が置換してもよいことを意味する。また、本明細書において、「置換されていてもよい」または「置換された」なる用語を特に明示していない基については、「非置換」の基を意味する。例えば、「C1−6アルキル」とは、「非置換」であることを意味する。
「ハロゲン原子」は、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子またはヨウ素原子等が挙げられる。
「C1−6アルキル基」は、炭素数1〜6個を有する直鎖または分枝鎖状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C1−4アルキル基」が挙げられる。「C1−6アルキル基」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、1,1−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル等が挙げられる。「C1−4アルキル基」の具体例としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル等が挙げられる。
「C1−3アルキレン基」は、炭素数1〜3個を有する直鎖または分岐鎖状の飽和炭化水素由来の2価の基を意味する。具体的には、例えば、メチレン、エチレン、プロピレン等が挙げられる。
「C3−10シクロアルキル基」は、炭素数3〜10個を有する環状の飽和炭化水素基を意味する。好ましくは、「C3−6シクロアルキル基」が挙げられる。「C3−10シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、アダマンチルまたはノルボルニル等が挙げられる。「C3−6シクロアルキル基」の具体例としては、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。
「C2−6アルケニル基」は、炭素数2〜6個を有し、二重結合を1個含む直鎖状または分枝鎖状の不飽和炭化水素基を意味する。具体的には、例えば、ビニル、プロペニル、メチルプロペニル、ブテニル、またはメチルブテニル等が挙げられる。
「C6−10アリール基」は、炭素数6〜10個を有する芳香族炭化水素基を意味する。「C6−10アリール基」の具体例としては、例えば、フェニル、1−ナフチルまたは2−ナフチル等が挙げられる。好ましくはフェニルが挙げられる。尚、該基には、フェニルとC5−6シクロアルキル環とが縮環した基も包含され、該C5−6シクロアルキル部分は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ばれる1〜2個のヘテロ原子を含んでいてもよい。但し、フェニルとC5−6シクロアルキル環とが縮環する多環式アリール基の場合には、フェニルのみが「基」の結合手を有する。
「C7−14アラルキル基」とは、「C6−10アリールC1−4アルキル基」を意味し、前記「C1−4アルキル基」に前記「C6−10アリール基」が置換した基を意味する。好ましくは、「C7−10アラルキル基」(フェニルC1−4アルキル基)が挙げられる。「C7−14アラルキル基」の具体例としては、例えば、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルプロピルまたは1−ナフチルメチル等が挙げられる。
「ヘテロアリール基」としては、例えば、5員〜10員の単環式もしくは多環式の芳香族基等が挙げられ、該基は、窒素原子、硫黄原子または酸素原子から選ばれるヘテロ原子を同じまたは異なって1個以上(例えば1〜4個)含有する。「多環式のヘテロアリール基」としては、2もしくは3環式の基が好ましく、2環式の基がより好ましい。多環式のヘテロアリール基は、前記単環式のへテロアリール基と芳香族環(ベンゼン、ピリジンなど)または非芳香族環(シクロヘキシルなど)とが縮環したものを含む。「ヘテロアリール基」の具体例としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。
前記式において環を横切る結合手は、「基」が該環における置換可能な位置で結合することを意味する。例えば、下記式:
のヘテロアリール基の場合には、2−フリル基、または3−フリル基であることを意味する。
更に、「ヘテロアリール基」が多環式の基である場合において、例えば、下記式:
で表される場合には、2−ベンゾフリル、または3−ベンゾフリルの他に、4−、5−、6−または7−ベンゾフリルであってもよい。但し、芳香環と非芳香族環(ピペリジンなど)とが縮環する多環式へテロアリール基の場合には、芳香環のみが「基」の結合手を有する。例えば、下記式:
で表される「多環式のヘテロアリール基」の場合には、「基」が2−、3−、または4−位で結合することを意味する。
「ヘテロアリールC1−4アルキル基」とは、前記「C1−4アルキル基」に前記「ヘテロアリール基」が置換した基を意味する。該ヘテロアリール部分としては、前記のへテロアリール基として例示した具体例と同じものが挙げられる。「ヘテロアリールC1−4アルキル基」の具体例としては、例えば、2−ピリジルメチルなどが挙げられる。
「C1−6アルコキシ基」の「C1−6アルキル」部分は、前記「C1−6アルキル」と同義である。好ましくは、「C1−4アルコキシ基」等が挙げられる。「C1−6アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシ等が挙げられる。「C1−4アルコキシ基」の具体例としては、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ等が挙げられる。
「C3−6シクロアルコキシ基」の「C3−6シクロアルキル」部分は、前記「C3−6シクロアルキル」と同義である。「C3−6シクロアルコキシ基」の具体例としては、シクロプロピルオキシ、シクロブチルオキシ、シクロペンチルオキシ、シクロヘキシルオキシ等が挙げられる。
「C6−10アリールオキシ基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール」と同義である。好ましくは、「フェニルオキシ基」が挙げられる。「C6−10アリールオキシ基」の具体例としては、フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
「C7−14アラルキルオキシ基」の「C7−14アラルキル」部分は、前記「C7−14アラルキル」と同義である。好ましくは、「C7−10アラルキルオキシ基」が挙げられる。「C6−10アリールオキシ基」の具体例としては、フェノキシ、ナフチルオキシ等が挙げられる。
「C1−3アルキレンジオキシ基」の「C1−3アルキレン」部分は、前記「C1−3アルキレン基」と同義である。「C1−3アルキレンジオキシ基」の具体例としては、メチレンジオキシ、エチレンジオキシ、プロピレンジオキシ等が挙げられる。
「C1−4アルキルチオ基」の「C1−4アルキル」部分は、前記「C1−4アルキル」と同義である。「C1−4アルキルチオ基」の具体例としては、メチルチオ、エチルチオ、プロピルチオ等が挙げられる。
「C6−10アリールチオ基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール」と同義である。「C6−10アリールチオ基」の具体例としては、フェニルチオ等が挙げられる。
「C7−14アラルキルチオ基」の「C7−14アラルキル」部分は、前記「C7−14アラルキル」と同義である。好ましくは、「C7−10アラルキルチオ基」が挙げられる。「C7−14アラルキルチオ基」の具体例としては、ベンジルチオ等が挙げられる。
「C1−4アルキルスルホニル基」の「C1−4アルキル」部分は、前記「C1−4アルキル」と同義である。「C1−4アルキルスルホニル基」の具体例としては、メチルスルホニル、エチルスルホニル等が挙げられる。
「C6−10アリールスルホニル基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール」と同義である。「C6−10アリールスルホニル基」の具体例としては、フェニルスルホニル等が挙げられる。
「C7−14アラルキルスルホニル基」の「C7−14アラルキル」部分は、前記「C7−14アラルキル」と同義である。「C7−14アラルキルスルホニル基」の具体例としては、ベンジルスルホニル等が挙げられる。
「C3−6シクロアルキルスルホニル基」の「C3−6シクロアルキル」部分は、前記「C3−6シクロアルキル」と同義である。「C3−6シクロアルキルスルホニル基」の具体例としては、シクロプロピルスルホニル、シクロブチルスルホニル等が挙げられる。
「C1−4アルコキシカルボニル基」としては、前記「C1−4アルコキシ基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、sec−ブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
「C3−6シクロアルコキシカルボニル基」としては、前記「C3−6シクロアルコキシ」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、シクロプロピルオキシカルボニル、シクロブチルオキシカルボニル、シクロペンチルオキシカルボニル、シクロヘキシルオキシカルボニル等が挙げられる。
「C1−4アルキル−カルボニル基」としては、前記「C1−4アルキル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、アセチル、プロピオニル、またはブチリル等が挙げられる。
「C3−6シクロアルキル−カルボニル基」としては、前記「C3−6シクロアルキル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、シクロプロピルカルボニル、シクロブチルカルボニル、シクロペンチルカルボニル、シクロヘキシルカルボニル等が挙げられる。
「C6−10アリールカルボニル基」の「C6−10アリール」部分は、前記「C6−10アリール」と同義である。「C6−10アリールカルボニル基」の具体例としては、フェニルカルボニル等が挙げられる。
「C1−4アルキル−カルボニルオキシ基」の「C1−4アルキル−カルボニル」部分は、前記「C1−4アルキル−カルボニル基」と同義である。具体例としては、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、またはブチリルオキシ等が挙げられる。
「C1−4アルコキシカルボニルカルボニル基」としては、前記「C1−4アルコキシカルボニル基」がカルボニル基に結合した基を意味する。具体例としては、メトキシカルボニルカルボニル等が挙げられる。
「ヘテロ環基」としては、非芳香族性であって、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個有する5員〜10員の単環式もしくは多環式のヘテロ環が挙げられる。前記窒素原子、酸素原子および硫黄原子はいずれも環を構成する原子である。該基は、飽和または部分不飽和であってもよく、1〜2個のオキソで置換されていてもよい。また、該基がヘテロ原子として硫黄原子を含む場合、該硫黄原子はモノまたはジオキシド化されていてもよい。窒素原子を含有する場合において、該基は、環を構成する窒素原子が、「基」の結合手となることはない。すなわち、該基には、例えば、ピロリジノ基などの概念は包含されない。「単環式ヘテロ環基」の具体例としては、例えば、下記式で表される基などが挙げられる。
「多環式へテロ環基」としては、例えば、前掲の5員もしくは6員の「単環式ヘテロ環基」とシクロヘキシル、6員の芳香族炭化水素または6員のへテロアリールとが縮合した「ヘテロ環」が挙げられる。6員の芳香族炭化水素としては、ベンゼンなどが挙げられる。6員のへテロアリールとしては、ピリジン、ピリミジンまたはピリダジン等が挙げられる。具体的には、例えば、下記式で表される基などが挙げられる。
前記式において結合手が環を横切る結合は、「基」が該環における置換可能な位置で結合することを意味する。例えば、下記式:
で表される「多環式ヘテロ環基」の場合には、「基」が2−、3−、4−、5−、6−、7−、または8−位で結合することを意味する。
但し、単環式ヘテロ環基が芳香族環またはヘテロアリールと縮環する多環式のへテロ環基の場合には、非芳香環のみが「基」の結合手を有する。例えば、下記式:
で表される「多環式のヘテロアリール基」の場合には、「基」が2−または3−位で結合することを意味する。
「モノ−置換されたアミノ基」とは、「C1−6アルキル」、「C3−6シクロアルキル」、「C7−14アラルキル」、「C1−4アルキル−カルボニル」、「C3−6シクロアルキル−カルボニル」、「C1−4アルキルスルホニル」、「C3−6シクロアルキルスルホニル」、「C6−10アリールスルホニル」および「C7−14アラルキルスルホニル」からなる群から選択される1個の基で置換されたアミノ基を意味する。「C1−6アルキル」、「C3−6シクロアルキル」、「C7−14アラルキル」、「C1−4アルキル−カルボニル」、「C3−6シクロアルキル−カルボニル」、「C1−4アルキルスルホニル」、「C6−10アリールスルホニル」、「C7−14アラルキルスルホニル」および「C3−6シクロアルキルスルホニル」は、前掲と同義である。
「モノ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、メチルアミノ、エチルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C3−6シクロアルキル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C7−14アラルキル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、ベンジルアミノ、フェネチルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C1−4アルキル−カルボニル)で置換されたアミノ基」(C1−4アルキル−カルボニルアミノ基)の具体例としては、例えば、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C3−6シクロアルキル−カルボニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、シクロプロピルカルボニルアミノ、シクロブチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C1−4アルキルスルホニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C3−6シクロアルキルスルホニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、シクロプロピルスルホニルアミノ、シクロブチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C6−10アリールスルホニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、フェニルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「モノ−(C7−14アラルキルスルホニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、ベンジルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「ジ−置換されたアミノ基」とは、「C1−6アルキル」、「C3−6シクロアルキル」、「C7−14アラルキル」、「C1−4アルキル−カルボニル」、「C3−6シクロアルキル−カルボニル」、「C1−4アルキルスルホニル」、「C3−6シクロアルキルスルホニル」、「C6−10アリールスルホニル」および「C7−14アラルキルスルホニル」からなる群から選択される同種または異種の2個の基で置換されたアミノ基を意味する。「C1−6アルキル」、「C3−6シクロアルキル」、「C7−14アラルキル」、「C1−4アルキル−カルボニル」、「C3−6シクロアルキル−カルボニル」、「C1−4アルキルスルホニル」、「C6−10アリールスルホニル」、「C7−14アラルキルスルホニル」および「C3−6シクロアルキルスルホニル」は、前掲と同義である。
「ジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ等が挙げられる。
「(C1−6アルキル)(C3−6シクロアルキル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−メチル−N−シクロプロピルアミノ等が挙げられる。
「ジ−(C3−6シクロアルキル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、ジシクロプロピルアミノ、ジシクロブチルアミノ等が挙げられる。
「(C1−6アルキル)(ベンジル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−メチル−N−ベンジルアミノ等が挙げられる。
「(C3−6シクロアルキル)(ベンジル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−シクロプロピル−N−ベンジルアミノ等が挙げられる。
「(C1−6アルキル)(C1−4アルキル−カルボニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−メチル−N−メチルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「(C1−6アルキル)(C3−6シクロアルキル−カルボニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−メチル−N−シクロプロピルカルボニルアミノ等が挙げられる。
「(C1−6アルキル)(C1−4アルキルスルホニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「(C1−6アルキル)(C3−6シクロアルキルスルホニル)で置換されたアミノ基」の具体例としては、例えば、N−メチル−N−シクロプロピルスルホニルアミノ等が挙げられる。
「5員〜10員の環状アミノ基」は、5員〜10員からなる単環式もしくは多環式の環状のアミノ基であって、該環を構成する窒素原子が直接「基」の結合手となる基を意味する。該環は、前記窒素原子の他に、例えば、さらなる窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選択される同種または異種のヘテロ原子を1〜3個含有してもよい。該基は、飽和または部分不飽和であってもよく、1〜2個のオキソ基を有していてもよい。「5員〜10員の環状アミノ基」の具体例としては、例えば、ピロリジノ、ピペリジノ、ヘキサメチレンイミノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノオキシド、チオモルホリノオキシド、チオモルホリノジオキシド、ピペラジノ等が挙げられる。「5員〜10員の環状アミノ基」としては、単環式である「5員もしくは6員の環状アミノ」が好ましく、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノ、チオモルホリノ、ピペリジノオキシド、チオモルホリノオキシド、チオモルホリノジオキシド、ピペラジノ等が挙げられる。「多環式環状アミノ」の具体例としては、下記式:
で表される環状アミノ等が挙げられる。
「置換されていてもよいC1−6アルキル基」における置換基としては、例えば、
(a)ハロゲン原子、
(b)シアノ基、
(c)C3−6シクロアルキル基、
(d)ヒドロキシ基、
(e)C1−4アルコキシ基(該基は、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
(f)ホルミル基、
(g)C1−4アルキル−カルボニル基、
(h)C1−4アルキル−カルボニルオキシ基、
(i)カルボキシル基、
(j)C1−4アルコキシカルボニル基、
(k)アミノ基、
(l)モノ−置換されたアミノ基(該基は、
(l1)C1−6アルキル、
(l2)C3−6シクロアルキル、
(l3)ベンジル、
(l4)C1−4アルキル−カルボニル、または
(l5)C3−6シクロアルキル−カルボニル基で置換されている。)、
(m)ジ−置換されたアミノ基(該基は、前記(l1)〜(l5)から選択される同種または異種の2個の基で置換されている。)、
(n)5員もしくは6員の環状アミノ基、
(o)置換されていてもよいアミノカルボニル基、
(p)置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基、
(q)C6−10アリールオキシ基、または
(r)C6−10アリールチオ基、などが挙げられる。
前記「置換されていてもよいアミノカルボニル基」とは、「置換されていてもよいアミノ」がカルボニルに結合した基を意味する。ここにおいて、「置換されたアミノ」は、モノ−置換されたアミノ基、ジ−置換されたアミノ基または5員もしくは6員の環状アミノ基を意味する。モノ−もしくはジ−置換されたアミノの置換基は、前掲の置換基(l1)〜(l5)と同じである。「置換されていてもよいアミノ」部分の具体例としては、前掲の「モノ−置換されたアミノ」、「ジ−置換されたアミノ」および「5員もしくは6員の環状アミノ」と同じである。
「置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基」の「置換されていてもよいアミノカルボニル」部分は、前記「置換されていてもよいアミノカルボニル基」と同義である。具体例としては、アミノカルボニルオキシ等が挙げられる。
「置換されていてもよいC2−6アルケニル基」における置換基としては、例えば、前記「置換されていてもよいC1−6アルキル基」における置換基(a)〜(j)からなる群から選択される1個の基等が挙げられる。
「置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基」における置換基としては、例えば、前記「置換されていてもよいC1−6アルキル基」における置換基(a)〜(r)からなる群から選択される1個の基等が挙げられる。
「置換されていてもよいC6−10アリール基」および「置換されていてもよいC7−14アラルキル基」における置換基としては、例えば、
(a2)ハロゲン原子、
(b2)シアノ基、
(c2)C1−4アルキル基(該基は、1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(d2)ヒドロキシ基、
(e2)C1−4アルコキシ基(該基は、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
(f2)ホルミル基、
(g2)C1−4アルキル−カルボニル基、
(h2)C1−4アルキル−カルボニルオキシ基、
(i2)カルボキシル基、
(j2)C1−4アルコキシカルボニル基、
(k2)アミノ基、
(l2)モノ−置換されたアミノ基(該基は、
(l21)C1−6アルキル、
(l22)C3−6シクロアルキル、
(l23)C7−14アラルキル、
(l24)C1−4アルキル−カルボニル、
(l25)C3−6シクロアルキル−カルボニル、
(l26)C1−4アルキルスルホニル、
(l27)C3−6シクロアルキルスルホニル、
(l28)C6−10アリールスルホニル、および
(l29)C7−14アラルキルスルホニルからなる群から選択される1個の基で置換されている。)、
(m2)ジ−置換されたアミノ基(該基は、前記(l21)〜(l29)からなる群から選択される同種または異種の2個の基置換されている。)、
(n2)5員〜7員の環状アミノ基、
(o2)置換されていてもよいアミノカルボニル基、
(p2)置換されていてもよいアミノカルボニルオキシ基、
(q2)スルホキシル基、
(r2)C1−4アルキルスルホニル基(該C1−4アルキルは、1〜3個のフッ素原子で置換されていてもよい。)、
(s2)置換されていてもよいアミノスルホニル基、
(t2)C1−4アルキルチオ基、または
(u2)ニトロ基などが挙げられる。
「置換されていてもよいアミノスルホニル基」の「置換されていてもよいアミノ」部分は、前記(k2)〜(n2)と同じである。
「置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基」および「置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールC1−4アルキル基」におけるヘテロアリール部分の置換基としては、
(a3)ハロゲン原子、
(b3)ニトロ基、
(c3)シアノ基、
(d3)C1−6アルキル基(該基は、
(d300)1〜3個のハロゲン原子、
(d301)ヒドロキシ、
(d302)C1−4アルコキシ、
(d303)C3−6シクロアルコキシ、
(d304)カルボキシル、
(d305)C1−4アルコキシカルボニル、
(d306)C3−6シクロアルコキシカルボニル、
(d307)ベンジルオキシカルボニル、
(d308)アミノ、
(d309)モノ−もしくはジ−置換されたアミノ(該アミノ基は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、およびベンジルからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されている。)、
(d310)5員もしくは6員の環状アミノ(該基は、C1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(d311)置換されていてもよいアミノカルボニル(該置換されていてもよいアミノは、前記(d308)、(d309)または(d310)と同じである。)、
(d312)C6−10アリールカルボニル、
(d313)C6−10アリールオキシ(該基は、C1−4アルキルで置換されていてもよい。)、または
(d314)C6−10アリールチオで置換されていてもよい。)、
(e3)ヒドロキシ基、
(f3)C1−6アルコキシ基(該基は、
(f31)ヒドロキシ、
(f32)カルボキシル、
(f33)C1−4アルコキシカルボニル、
(f34)アミノ、または
(f35)モノ−もしくはジ−置換されたアミノ(該アミノ基は、C1−6アルキル、C3−6シクロアルキル、およびベンジルからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されている。)で置換されていてもよい。)、
(g3)ホルミル基、
(h3)C1−4アルキル−カルボニル基、
(i3)C1−4アルキル−カルボニルオキシ基、
(j3)カルボキシル基、
(k3)C1−4アルコキシカルボニル基、
(l3)カルボキシルカルボニル基、
(m3)C1−4アルコキシカルボニルカルボニル基、
(n3)アミノ基、
(o3)モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
(o31)(f31)〜(f35)からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよいC1−4アルキル、
(o32)C3−6シクロアルキル、
(o33)C1−4アルキル−カルボニル(該C1−4アルキルは、(f31)〜(f33)、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよい。)、
(o34)C3−6シクロアルキル−カルボニル、
(o35)C1−4アルキルスルホニル(該C1−4アルキルは、ジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよい。)、
(o36)C3−6シクロアルキルスルホニル、
(o37)フェニルスルホニル、および
(o38)ベンジルスルホニルからなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基で置換されている。)、
(p3)ジ−置換されたアミノ基(該基は、前記(o31)〜(o38)からなる群から選択される同種または異種の2個の基で置換されている。)、
(q3)5員もしくは6員の環状アミノ基、
(r3)置換されていてもよいアミノカルボニル基(該置換されていてもよいアミノは、前記(d308)、(d309)または(d310)と同じである。)、
(s3)C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、前記(f31)〜(f35)からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。)、
(t3)C7−10アラルキルチオ基、
(u3)C1−4アルキルスルホニル基(該C1−4アルキルは、前記(f31)〜(f35)からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。)、
(v3)C6−10アリールスルホニル基(該C6−10アリールは、ニトロで置換されていてもよい。)、
(w3)C7−14アラルキルスルホニル基、
(x3)置換されていてもよいアミノスルホニル基(該置換されていてもよいアミノは、前記(d308)、(d309)または(d310)と同じである。)、
(y3)C3−6シクロアルキル基、
(z3)C6−10アリール基(該基は、
(z31)ハロゲン原子、
(z32)ニトロ、
(z33)シアノ、
(z34)C1−4アルキル(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(z35)C1−4アルコキシ、および
(z36)C1−4アルキルチオからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(aa3)C6−10アリールカルボニル基、
(ba3)C7−14アラルキル基(該基は、
(ba31)ハロゲン原子、
(ba32)C1−4アルキル、および
(ba33)C1−4アルコキシからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(ca3)C7−14アラルキルカルボニル基、
(da3)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基(該基は、同種または異種の1〜2個のC1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(ea3)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールC1−4アルキル基、
(fa3)5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロ環基(該基は、
(fa31)C1−4アルキル、
(fa32)C1−4アルキルカルボニル、または
(fa33)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。)、
(ga3)C6−10アリールオキシ基(該基は、カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。)、
(ha3)C7−14アラルキルオキシ基、
(ia3)C2−6アルケニル基(該基は、C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。)、
(ja3)C6−10アリールチオ基、または
(ka3)C1−3アルキレンジオキシ基、等が挙げられる。
「へテロ環基」および「ヘテロ環」の置換基としては、例えば、前記「置換されていてもよいヘテロアリール基」において例示された置換基等が挙げられる。該基は、前記置換基における同種または異種の基を1〜3個有してもよい。
「環状アミノ基」の置換基としては、例えば、前記「置換されていてもよいヘテロアリール基」において例示された置換基等が挙げられる。該基は、前記置換基における同種または異種の基を1〜2個有してもよい。
「R」は、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基、または置換されていてもよい5員もしくは6員の単環式へテロ環基が好ましく、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基がより一層好ましい。
「R」における5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基としては、下記式
からなる群から選択されるヘテロアリール基が好ましい。
「R」におけるヘテロアリール基は、下記式
からなる群から選択される基がより一層好ましい。
「R」における5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基の置換基は、
(a4):ハロゲン原子;
(b4):C1−6アルキル基(該基は、
(b41)1〜3個のハロゲン原子、
(b42)C1−4アルコキシ、
(b43)カルボキシル、
(b44)C1−4アルコキシカルボニル、
(b45)C6−10アリールオキシ、および
(b46)C6−10アリールチオ、からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
(c4):C1−6アルコキシ基(該基は、
(c41)カルボキシル、または
(c42)C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。);
(d4):C1−4アルキル−カルボニル基;
(e4):カルボキシル基;
(f4):C1−4アルコキシカルボニル基;
(g4):アミノ基;
(h4):モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
(h41)C1−4アルキル、または
(h42)ヒドロキシ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよいC1−4アルキル−カルボニルで置換されている。);
(i4):C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、
(i41)カルボキシル、
(i42)C1−4アルコキシカルボニル、および
(i43)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
(j4):C7−10アラルキルチオ基;
(k4):C1−4アルキルスルホニル基;
(l4):C6−10アリールスルホニル基;
(m4):C7−14アラルキルスルホニル基;
(n4):C3−10シクロアルキル基;
(o4):C6−10アリール基;
(p4):C7−14アラルキル基;
(q4):C6−10アリールカルボニル基;
(r4):C7−14アラルキルカルボニル基;
(s4):5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロ環基(該基は、
(s41)C1−4アルキル、
(s42)C1−4アルキルカルボニル、または
(s43)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。);
(t4):カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;および
(u4):C7−14アラルキルオキシ基からなる群から選択される同種または異種の1〜2個の基が好ましい。
「R」における5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基の置換基は、C1−6アルキル基が好ましい。
「R」における5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基におけるヘテロアリールは、下記式
からなる群から選択されるヘテロアリールが好ましい。
「R」における5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基におけるヘテロアリールは、下記式
からなる群から選択されるヘテロアリールがより一層好ましい。
「R」は、
(a5)C6−10アリール基(該基は、
(a501)ハロゲン原子、
(a502)ニトロ、
(a503)C1−4アルキル(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
(a504)C1−4アルコキシ、
(a505)アミノ、
(a506)モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ、
(a507)C1−6アルキルカルボニルアミノ、
(a508)C1−4アルキルスルホニル、
(a509)アミノスルホニル、
(a510)モノ−もしくはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル、
(a511)5員〜7員の単環式環状アミノスルホニル、および
(a512)C1−4アルキルチオからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(b5)5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基(該基は、
(b51)ハロゲン原子、
(b52)ニトロ、
(b53)C1−4アルキル、
(b54)C3−6シクロアルキル、
(b55)5員もしくは6員のヘテロアリール、および
(b56)C6−10アリールからなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基で置換されていてもよい。)、
(c5)5員もしくは6員の単環式へテロ環基(該環は、C1−4アルキルで置換されていてもよい。)、
(d5)5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基(該基は、
(d51)アミノカルボニル、または
(d52)C1−4アルキルで置換されていてもよい。)、および
(e5)C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−4アルキル基からなる群から選ばれる基が好ましい。
「R」は、置換されていてもよいC6−10アリール基、または5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基が好ましく、置換されていてもよいC6−10アリール基がより一層好ましい。
「R」は、
(a6)C1−4アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基、または
(b6)C6−10アリール基が好ましく、C1−6アルキル基がより一層好ましい。
本発明の更に好ましい態様における本発明化合物には、以下の式で表される化合物が包含される。
(1)下記式(II)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中の定義は、前掲と同じである。]
(2)下記式(III)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中の定義は、前掲と同じである。]
(3)下記式(IV)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
[式中の定義は、前掲と同じである。]
式(II)〜式(IV)で表される化合物の各定義における好ましい態様は、式(I)で表される化合物の各定義における好ましい態様と同じである。
「薬学上許容される塩」としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩、バリウム塩等のアルカリ土類金属塩;アンモニウム塩、トリメチルアンモニウム塩、トリエチルアンモニウム塩、ピリジニウム塩等の有機塩基塩;塩酸塩、臭化水素塩、硫酸塩、リン酸塩、硝酸塩等の無機酸塩;酢酸塩、プロピオン酸塩、シュウ酸塩、コハク酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、アスコルビン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。
また、本発明には、式(I)で表される化合物もしくはそのプロドラッグ、またはその薬学上許容される塩が含まれる。また、これらの水和物またはエタノール溶媒和物等の溶媒和物も含まれる。さらに、本発明には、あらゆる態様の結晶形のものも包含される。
本明細書における「式(I)の化合物のプロドラッグ」なる用語は、生体内における生理条件下で酵素や胃酸等による反応により式(I)の化合物に変換する化合物、例えば、酵素的に酸化、還元、加水分解等を起こして式(I)の化合物に変化する化合物;胃酸等により加水分解を起こして式(I)の化合物に変化する化合物を意味する。
式(I)の化合物は、互変異性体として存在する場合もあり得る。従って、本発明は、式(I)の化合物の互変異性体も包含する。
本発明化合物は、少なくとも一つの不斉炭素原子を有する場合もあり得る。従って、本発明は、本発明化合物のラセミ体のみならず、これらの化合物の光学活性体も包含する。本発明の化合物が、2個以上の不斉炭素原子を有する場合、立体異性を生じる場合がある。従って、本発明は、これらの化合物の立体異性体およびその混合物も包含する。
本発明化合物は、具体的に下記化合物として例示できる。下記表において、例えば、No.1(R:Q1)で表される化合物は、下記化合物を意味する。
前記表における簡略記号は、それぞれ、下記に示す部分構造式で表される構造を意味する。
本発明化合物は、GK活性化作用を有することから、糖尿病、特に2型糖尿病の治療ならびに予防薬として有用である。また糖尿病の合併症である、腎症、網膜症、神経障害、末梢循環障害、脳血管障害、虚血性心疾患、動脈硬化症の治療ならびに予防薬として有用である。さらに過食を抑制することにより、肥満、メタボリックシンドロームの治療ならびに予防薬としても有用である。
本発明における「糖尿病」とは、随時血糖値が200mg/dL以上、空腹時血糖値が126mg/dL以上あるいは75gブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値において、200mg/dL以上の状態を意味する。耐糖能異常とは75gブドウ糖負荷試験2時間後の血糖値において140〜200mg/dLであるものをいう。
メタボリックシンドロ−ムとは耐糖能異常、高脂血症、高血圧を合併する動脈硬化易発症状態をいう。具体的には、現在の基準においては、男性および女性でそれぞれウエストサイズが85cm以上および90cm以上あり、かつ以下の3項目のうち2項目以上に該当する場合である。
1.中性脂肪値 150mg/dL以上、HDL(高密度リポ蛋白)コレステロール値 40mg/dL未満のどちらか(または両方)
2.収縮期血圧 130mmHg以上、拡張期血圧 85mmHg以上のどちらか(または両方)
3.空腹時血糖値110mg/dL以上、HbA1cが5.5%以上
これらの予防・治療剤の投与経路は経口、非経口のいずれでもよい。
本発明化合物を前記治療剤(医薬)として用いる場合、本発明化合物の含有量は、医薬全体の0.1〜100重量%である。
本発明化合物および本発明化合物を含有する医薬の投与量は、投与対象、投与ルート、疾患などにより異なるが、例えば、これらを糖尿病などの治療薬として成人(約60kg)に経口投与する場合、本発明化合物として、約0.1〜500mg、好ましくは約1〜100mg、さらに好ましくは5〜100mg投与することが好ましい。これらの量は1日1回〜数回に分けて投与することができる。
本発明化合物および本発明化合物を含有する医薬は、食前投与、食間投与または食後投与のいずれでもよい。
本発明で用いられる製剤は、活性成分として本発明化合物以外に、薬学上許容される成分を含有していてもよい。この成分としては、例えば、賦形剤、安定剤などが挙げられる。これらの成分は本発明の目的が達成され得る限り特に限定されず、適宜適当な配合割合で使用が可能である。剤形の具体例としては、例えば、錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、カプセル剤(マイクロカプセルを含む)、顆粒剤、細粒剤、散剤、シロップ剤、乳剤、懸濁剤、注射剤、吸入剤、軟膏、点眼剤などが用いられる。これらの製剤は常法(例えば、日本薬局方記載の方法など)に従って調製される。
具体的には、錠剤は、本発明の化合物をそのまま、または賦形剤(例えば、乳糖、白糖、D−マンニトール、D−ソルビトール、デンプン、α化デンプン、デキストリン、結晶セルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、アラビアゴム、プルラン、軽質無水ケイ酸、合成ケイ酸アルミニウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウムなど)、滑沢剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなど)、結合剤(例えば、α化デンプン、ショ糖、ゼラチン、アラビアゴム、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、結晶セルロース、白糖、D−マンニトール、トレハロース、デキストリン、プルラン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなど)、崩壊剤(例えば、乳糖、白糖、デンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、軽質無水ケイ酸、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなど)もしくはそのほかの適当な添加剤と混合して均等にしたものを、適当な方法で顆粒とした後、滑沢剤などを加えて圧縮成型するか、あるいは、本発明の化合物をそのまま、または賦形剤、結合剤、崩壊剤もしくはそのほかの適当な添加剤と混合して均等にしたものを直接圧縮成型して製造することができる。または、あらかじめ製した顆粒にそのまま、もしくは適当な添加剤を加えて均等に混合した後、圧縮成型しても製造することができる。注射剤は、本発明化合物の一定量を、水性溶剤の場合は注射用水、生理食塩水、リンゲル液など、非水性溶剤の場合は通常植物油などに溶解、懸濁もしくは乳化して一定量とするか、または本発明化合物の一定量をとり、注射用の容器に密封して製造することができる。
経口用製剤の担体としては、例えば、デンプン、D−マンニトール、結晶セルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどの、製剤分野において常用されている物質が用いられる。注射用担体としては、例えば、蒸留水、生理食塩水、グルコース溶液、輸液剤などが用いられる。その他、製剤一般に用いられる添加剤を適宜添加することもできる。
本発明化合物は、その効果の増強を目的として、糖尿病治療剤、糖尿病性合併症治療剤、抗高脂血症剤、降圧剤、抗肥満剤、利尿剤などの薬剤(以下、併用薬剤と略記する)と組み合わせて用いてもよい。本発明化合物および併用薬剤の投与時期は限定されず、これらを投与対象に対し、同時に投与してもよいし、時間差をおいて投与してもよい。また、本発明化合物と併用薬剤の合剤としてもよい。併用薬剤の投与量は、臨床上用いられている用量を基準として適宜選択することができる。また、本発明化合物と併用薬剤との配合比は、投与対象、投与ルート、対象疾患、症状、組み合わせなどにより適宜選択することができる。例えば投与対象がヒトである場合、本発明化合物1重量部に対し、併用薬剤を0.01〜100重量部用いればよい。
なお、糖尿病治療剤としては、インスリン製剤(例、ウシ、ブタの膵臓から抽出された動物インスリン製剤;大腸菌、イーストを用い、遺伝子工学的に合成したヒトインスリン製剤など)、インスリン抵抗性改善剤(例、ピオグリタゾンまたはその塩酸塩、トログリタゾン、ロシグリタゾンまたはそのマレイン酸塩、GI−262570、JTT−501、MCC−555、YM−440、KRP−297、CS−011等)、α−グルコシダーゼ阻害剤(例、ボグリボース、アカルボース、ミグリトール、エミグリテート等)、ビグアナイド剤(例、メトホルミン等)、インスリン分泌促進剤(例、トルブタミド、グリベンクラミド、グリクラジド、クロルプロパミド、トラザミド、アセトヘキサミド、グリクロピラミド、グリメピリド等のスルホニルウレア剤;レパグリニド、セナグリニド、ナテグリニド、ミチグリニド等:GPR119アゴニスト等)、GLP−1、GLP−1アナログ(エキセナタイド、リラグルタイド、SUN−E7001、AVE010、BIM−51077、CJC1131等)、GLP−1分泌促進剤(例、GPR120アゴニスト等)、プロテインチロシンホスファターゼ阻害剤(例、バナジン酸等)、β3アゴニスト(例、GW−427353B、N−5984等)、DPPIV阻害剤(例、シタグリプチン、ビルダグリプチン、サクサグリプチン、SYR−322等)、アミリンアゴニスト(例、プラムリンチド等)、糖新生阻害剤(例、グリコーゲンホスホリラーゼ阻害剤、グルコース−6−ホスファターゼ阻害剤、フルクトース−1,6−ビスホスファターゼ阻害剤、グルカゴン拮抗剤)、SGLT(sodium-glucose cotransporter)阻害剤(例、T−1095等)、11β-HSD1阻害剤(例、BVT−3498等)、アジポネクチンまたはその受容体作動薬、レプチン抵抗性改善薬、ソマトスタチン受容体作動薬等が挙げられる。
糖尿病性合併症治療剤としては、アルドース還元酵素阻害剤(例、トルレスタット、エパルレスタット、ゼナレスタット、ゾポレスタット、ミナレスタット、フィダレスタット、SK−860、CT−112等)、神経栄養因子(例、NGF、NT−3、BDNF等)、PKC阻害剤(例、LY−333531等)、AGE阻害剤(例、ALT946、ピマゲジン、ピラトキサチン、N−フェナシルチアゾリウム ブロマイド(ALT766)等)、活性酸素消去薬(例、チオクト酸等)、脳血管拡張剤(例、チアプリド、メキシレチン等)が挙げられる。
高脂血症治療剤としては、HMG−CoA還元酵素阻害剤(例、プラバスタチン、シンバスタチン、ロバスタチン、アトルバスタチン、フルバスタチン、イタバスタチンまたはそれらのナトリウム塩等)、スクアレン合成酵素阻害剤、ACAT阻害剤、コレステロール吸収阻害剤(例、エゼチミブ等)等が挙げられる。
降圧剤としては、アンジオテンシン変換酵素阻害剤(例、カプトプリル、エナラプリル、アラセプリル、デラプリル、リジノプリル、イミダプリル、ベナゼプリル、シラザプリル、テモカプリル、トランドラプリル等)、アンジオテンシンII拮抗剤(例、オルメサルタン、メドキソミル、カンデサルタン、シレキセチル、ロサルタン、エプロサルタン、バルサルタン、テルミサルタン、イルベサルタン、タソサルタン等)、カルシウム拮抗剤(例、塩酸ニカルジピン、塩酸マニジピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、ニルバジピン、アムロジピン等)、ACE/NEP阻害剤(例、オマパトリラート、ファシドトリル等)、β遮断薬(例、アテノロール、ビソプロロール、ベタキソロール、メトプロロール等)、α遮断薬(例、ウラピジル、テラゾシン、ドキサゾシン、ブナゾシン等)、αβ遮断薬(例、アモスラロール、アロチノロール、ラベタロール、カルベジロール等)、レニン阻害剤(例、アリスキレン等)、アルドステロン受容体拮抗薬(例、スピロノラクトン、エプレレノン等)等が挙げられる。
抗肥満剤としては、例えば中枢性抗肥満薬(例、フェンテルミン、シブトラミン、アンフェプラモン、デキサンフェタミン、マジンドール、SR−141716A等;カンナビノイド受容体拮抗薬(例、リモナバン等);グレリン拮抗薬;MCH受容体拮抗薬(例、SB-568849等);ニューロペプチドY拮抗薬(例、CP−422935等))、膵リパーゼ阻害薬(例、オルリスタット等)、ペプチド性食欲抑制薬(例、レプチン、CNTF(毛様体神経栄養因子)等)、コレシストキニンアゴニスト(例、リンチトリプト、FPL−15849等)等が挙げられる。
利尿剤としては、例えばキサンチン誘導体(例、サリチル酸ナトリウムテオブロミン、サリチル酸カルシウムテオブロミン等)、チアジド系製剤(例、エチアジド、シクロペンチアジド、トリクロルメチアジド、ヒドロクロロチアジド、ヒドロフルメチアジド、ベンチルヒドロクロロチアジド、ペンフルチジド、ポリチアジド、メチクロチアジド等)、抗アルドステロン製剤(例、スピロノラクトン、トリアムテレン等)、炭酸脱水酵素阻害剤(例、アセタゾラミド等)、クロルベンゼンスルホンアミド系製剤(例、クロルタリドン、メフルシド、インダパミド等)、アゾセミド、イソソルビド、エタクリン酸、ピレタニド、ブメタニド、フロセミド等が挙げられる。
併用薬剤は、好ましくはインスリン製剤、インスリン抵抗性改善剤、α−グルコシダーゼ阻害剤、ビグアナイド剤、インスリン分泌促進剤(好ましくはスルホニルウレア剤)等である。上記併用薬剤は、2種以上を適宜の割合で組み合せて用いてもよい。
本発明化合物が、併用薬剤と組み合せて使用される場合には、これらの薬剤の使用量は、薬剤の副作用を考えて安全な範囲内で低減できる。したがって、これらの薬剤により引き起こされるであろう副作用は安全に防止できる。
コード番号、一般名または商品名により同定した治療剤の構造は、“The Merck Index”の現行版、または各種データベース(例えば、Integrityなど)より同定できる。それらの対応する内容は、引用により本明細書に包含させる。
以下に、本発明における式(I)で表される化合物の製造法について、例を挙げて説明するが、本発明はもとよりこれらに限定されるものではない。
式(I)で表される化合物は、公知化合物から公知の合成方法を組み合わせることにより合成することができる。例えば、以下の方法により合成できる。尚、式(I)で表される化合物は、出発原料の種類に応じて、下記に示す方法を適宜選択して、組み合わせることにより合成することができる。
製造法1
式(I)で表される化合物またはその薬学上許容される塩は、例えば下記に示される方法によって製造される。
(式中、RはC1−6アルキル基であり、Lは脱離基であり、R、R、Yは項1と同義である。)
で示される「脱離基」としては、例えば、ハロゲン原子、ハロゲン化されていてもよいC1−6アルキルスルホニルオキシ基(例えば、トリフルオロメタンスルホニルオキシ基など)、C1−6アルキル基、C1−6アルコキシ基およびニトロ基から選ばれる置換基を1〜3個有していてもよいC6−10アリールスルホニルオキシ基(例えば、p-トルエンスルホニルオキシ基など)等が挙げられるが、式(6)の化合物(以下、化合物(6)と略記する。他の化合物も同様に略記する。)中のLとしては塩素原子が好ましい。
(工程1)
本工程は、化合物(1)と化合物(2)(具体的には、カルボン酸、炭酸モノエステルまたはカルバミン酸を示す)またはその反応性誘導体とを反応させることにより、化合物(3a)を得る工程である。
化合物(2)の好適な反応性誘導体を以下に示す。
化合物(2)がカルボン酸である場合、該カルボン酸の好適な反応性誘導体としては、例えば、酸塩化物、酸無水物、活性化アミド、活性化エステル等が挙げられ、具体的には、酸塩化物、混合酸無水物、対称酸無水物、イミダゾール等との活性化アミド、1-ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール等のN−ヒドロキシ化合物との活性化エステル等が挙げられる。これらの反応性誘導体は使用するカルボン酸の種類によって任意に選択することができる。
化合物(2)が炭酸モノエステルである場合、該炭酸モノエステルの好適な反応性誘導体としては、例えば、ハロ炭酸エステル、ジ炭酸ジエステルのような一般的によく利用される反応性誘導体が挙げられる。
化合物(2)がカルバミン酸である場合、該カルバミン酸の好適な反応性誘導体としては、例えば、カルバミン酸エステル、ハロゲン化カルバモイル、イソシアン酸エステル等が挙げられ、具体的には、カルバミン酸フェニル、塩化カルバモイル等の一般的によく利用される反応性誘導体が挙げられる。
この反応において、カルボン酸を遊離酸の形またはその塩の形で使用する場合には、N,N’-ジアルキルカルボジイミド;1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩;ジフェニルホスホリルアジド:クロロギ酸エチル、クロロギ酸イソプロピル等のハロギ酸低級アルキル;N-ヒドロキシベンゾトリアゾール;N-ヒドロキシベンゾトリアゾール;N,N’-ジメチルホルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリクロロメチル、オキシ塩化リン等との反応によって調製した、いわゆるビルスマイヤー試薬等のような常用の縮合剤の存在下に反応を行うのが好ましい。
本工程は塩基の存在下に行っても良く、使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択される。
本工程において使用される溶媒は、反応に不活性な溶媒中で行うことが好ましい。このような溶媒としては、後記に例示する溶媒等から選択されるが、反応が進行する限り特に限定はされない。
化合物(2)の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。塩基の使用量は、化合物(1)1モルに対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
反応時間は、通常、約0.1〜約48時間、好ましくは約0.5〜約24時間である。反応温度は、通常、約−20〜約120℃、好ましくは、約0〜約60℃である。
(工程2)
本工程は、上記工程1で得られた化合物(3a)に種々の塩基存在下、適当な溶媒中、化合物(4)を反応させて、化合物(5)を得る工程である。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはナトリウムエトキシドである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはエタノールである。
化合物(4)の使用量は、化合物(3a)1モルに対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。塩基の使用量は、化合物(3a)1モルに対して、通常、1〜10モル、好ましくは1〜3モルである。
反応時間は、通常、約0.1〜約48時間、好ましくは約0.5〜約24時間である。反応温度は、通常、約0〜約200℃、好ましくは、約50〜約120℃である。
(工程3)
本工程は、上記工程2で得られた化合物(5)をハロゲン化剤(例えば、オキシ塩化リン、三臭化リン)と反応させることにより化合物(6)を得る工程である。
本反応は、無溶媒下あるいは反応に不活性な溶媒中で行われる。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えば、N,N-ジメチルホルムアミド、N-メチル-2-ピロリドン等が挙げられる。
用いられるハロゲン化剤の量は、化合物(5)1モルに対して、通常、0.5〜20モル、好ましくは1〜5モルである。反応時間は、通常、約0.1〜約48時間、好ましくは約0.5〜約24時間である。反応温度は、通常、約0〜約200℃、好ましくは、約50〜約120℃である。
(工程4)
本工程は、上記工程3で得られた化合物(6)に、種々の塩基存在下、適当な溶媒中で化合物(7)を反応させた後、所望により、アミノ基、水酸基、カルボキシル基の保護基を脱保護し、一般式(I)で表される化合物を得る工程である。
本工程における反応は、例えば金属触媒存在下に行われる。用いられる金属触媒としては、さまざまな配位子を有する金属複合体が用いられ、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、酢酸パラジウム(II)等が挙げられる。本工程において使用される塩基は、後記に例示する塩基等から選択されるが、好ましくはカリウムt-ブトキシドである。本工程において使用される溶媒は、後記に例示する溶媒等から選択されるが、好ましくはトルエンである。
用いられる金属触媒の量は、化合物(6)1モルに対して、通常、0.005〜10モル、好ましくは0.01〜1モルである。反応時間は、通常、約0.1〜約48時間、好ましくは約0.5〜約24時間である。反応温度は、通常、約0〜約200℃、好ましくは、約50〜約120℃である。
製造法2
また、本発明に係る化合物(I)またはその薬学上許容される塩は、例えば下記に示される方法によっても製造することができる。
(式中、Pはアミノ基の保護基であり、R、R、R、YおよびLは前記と同義である。)
で示される「アミノ基の保護基」としては、例えばメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、アリルオキシカルボニル基、tert−ブトキシカルボニル基、ベンジルオキシカルボニル基、ビニルオキシカルボニル基、9−フルオレニルメトキシカルボニル基、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、p−トルエンスルホニル基、ベンゼンスルホニル基、メタンスルホニル基、ベンジル基、ジフェニルメチル基、トリフェニルメチル基、ピバロイルオキシメチル基、アセトキシメチル基、アセトキシメトキシカルボニル基、1−アセトキシエトキシカルボニル基及びアラニル基等が挙げられる。
(工程5)
本工程は、化合物(1)のアミノ基に保護基Pを導入することにより、化合物(3b)を得る工程である。本工程は、Protective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載の方法等に準じて行うことができる。
(工程6)
本工程は、上記工程5で得られた化合物(3b)に、種々の塩基存在下、適当な溶媒中で化合物(4)を反応させて、化合物(8)を得る工程である。本反応における化合物の当量数、反応温度、反応溶媒等の条件は、前記工程2と同様である。
(工程7)
本工程は、上記工程6で得られた化合物(8)をハロゲン化剤(例えば、オキシ塩化リン、三臭化リン)と反応させて、化合物(9)を得る工程である。
(工程8)
本工程は、上記工程7で得られた化合物(9)と化合物(7)を反応させて、化合物(8)を得る工程である。本反応における化合物の当量数、反応温度、反応溶媒等の条件は、前記工程4と同様である。
(工程9)
本工程は、上記工程8で得られた化合物(10)のアミノ基の保護基Pを脱保護することにより、化合物(11)を得る工程である。本工程は、Protective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載の方法等に準じて行うことができる。
(工程10)
本工程は、上記工程9で得られた化合物(11)にと化合物(2)(具体的には、カルボン酸、炭酸モノエステルまたはカルバミン酸を示す)またはその反応性誘導体とを反応させた後、所望により、RおよびR2におけるアミノ基、水酸基、カルボキシル基の保護基を脱保護し、一般式(I)で表される化合物を得る工程である。本反応における化合物の当量数、反応温度、反応溶媒等の条件は、前記工程1と同様である。
原料化合物(1)、(2)、(4)、(7)としては、市販化合物を購入して用いるか、または市販化合物から公知の方法により製造したものを用いることができる。
上記の各工程において使用される化合物は、塩を形成していてもよく、このような塩としては、前述の本発明化合物の塩と同様の塩が挙げられる。
上記の各工程において使用される塩基は、反応や原料化合物の種類等によって適宜選択されるべきであり、例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸カリウムのような重炭酸アルカリ類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウムのような炭酸アルカリ類;水素化ナトリウム、水素化カリウムのような金属水素化類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウムのようなアルカリ金属水酸化物;ナトリウムメトキシド、ナトリウムtert-ブトキシドのようなアルカリ金属アルコキシド類;ブチルリチウム、リチウムジイソプロピルアミドのような有機金属塩基類;トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン(DMAP)、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(DBU)のような有機塩基類である。
上記の各工程において使用される溶媒は、反応や原料化合物の種類等によって適宜選択されるべきであり、反応に不活性な溶媒中で行うことが好ましい。このような溶媒としては、反応が進行する限り特に限定されないが、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノールのようなアルコール類;アセトン、メチルケトンのようなケトン類;塩化メチレン、クロロホルムのようなハロゲン化炭化水素類;テトラヒドロフラン(THF)、ジオキサン、ジメトキシエタンのようなエーテル類;トルエン、ベンゼンのような芳香族炭化水素類;ヘキサン、ヘプタンのような脂肪族炭化水素類;酢酸エチル、酢酸プロピルのようなエステル類;N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、N-メチル-2-ピロリドンのようなアミド類;ジメチルスルホキシド(DMSO)のようなスルホキシド類;アセトニトリルのようなニトリル類であり、これらの溶媒は単独あるいは2種類以上を混合して用いられる。また反応の種類によっては、有機塩基類を溶媒として用いてもよい。
上記の各工程における反応温度は、反応や原料化合物若しくは使用される溶媒の種類等によって適宜選択されるべきであり、通常-100℃〜200℃であるが、好ましくは-70℃〜100℃である。
上記の各工程における反応時間は、反応や原料化合物若しくは使用される溶媒の種類等によって適宜選択されるべきであり、通常10分〜48時間であるが、好ましくは30分〜24時間である。
上記の各工程で得られる化合物において、分子内の官能基は、公知の方法、例えばComprehensive Organic Transformations(Richard C. Larock著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載の方法等を組み合わせることにより、目的の官能基へと変換することができる。
上記の各工程において得られる生成物は、抽出、カラムクロマトグラフィー、再結晶、再沈殿等のような常法に従って単離、精製を行うことができる。
上記の各工程において、出発物質の構造中に、反応に関与する可能性のある官能基(例えば、アミノ基、カルボキシル基、水酸基、カルボニル基等)を含む場合には、これらの基を、一般的に用いられるような保護基を導入することにより保護しておいてもよい。また、その場合には、適宜保護基を除去することにより目的化合物を得ることができる。
上記の各工程において保護、脱保護が必要な場合、公知の方法、例えばProtective Groups in Organic Synthesis(Theodora W. Greene, Peter G. M. Wuts著、John Wiley & Sons, Inc.発行、1999年)に記載の方法等に準じて行うことができる。
また、本発明の化合物は反応条件により、塩、遊離酸又は遊離塩基の形で得られるが、これらの化合物は常法により所望の塩、遊離酸又は遊離塩基の形に変換することができる。
本発明の化合物は結晶であってもよく、これらは公知の結晶化法等により得ることができる。
本発明の化合物に、光学異性体、立体異性体、回転異性体、位置異性体が含まれる場合において、これらは光学活性な原料化合物からの合成、又は光学分割法、優先晶出法等の分離手法など公知の方法により得ることができる。
以下に本発明を、参考例、実施例および試験例により、さらに具体的に説明するが、本発明はもとよりこれらに限定されるものではない。尚、以下の参考例および実施例において示された化合物名は、必ずしもIUPAC命名法に従うものではない。なお、記載の簡略化のために略号を使用することもあるが、これらの略号は前記記載と同義である。
化合物の同定は、水素核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)、高速液体クロマトグラフィー質量分析(LCMS)により行った。
水素核磁気共鳴スペクトル(1H-NMR)は、BurkerもしくはJEOL製FT-NMR測定装置を用いて測定した。テトラメチルシランを標準物質としてケミカルシフト値をδ値(ppm)にて記載した。1H-NMRに用いられる略号としては、sは一重線、dは二重線、ddは二重の二重線、tは三重線、qは四重線、quintは五重線、sextは六重線、septは七重線、mは多重線、brは幅広い、brsは幅広い一重線、HzはヘルツおよびJは結合定数を意味する。
参考例1:ジエチル 4-オキソピペリジン-1, 3-ジカルボシキレートの製造:
エチル 4-オキソピペリジン-3-カルボシキレート塩酸塩(60g)およびトリエチルアミン(62.74g)のクロロホルム(300ml)懸濁液に、氷冷攪拌下クロロ炭酸エチル(33.64g)をゆっくりと滴下した。氷冷下1時間攪拌した後、室温で1時間攪拌した。反応液に水を加え、クロロホルムで抽出後、有機層を5%クエン酸水溶液で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、表記化合物の粗精製物(78g)を得た。得られた粗精製物は、精製することなく次反応に用いた。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 1.25-1.35(6H, m), 2.36-2.41(2H, m), 3.59-3.64(2H, m), 4.08-4.28(6H, m), 12.07(1H, s)
参考例2:エチル 4-ヒドロキシ- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレートの製造:
参考例1で得られた化合物(78g)のエタノール(300ml)溶液にホルムアミジン酢酸塩(35.5g)および20%ナトリウムエトキシドーエタノール溶液(211ml)を加え、4時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮後、残渣に水を加え、飽和塩化アンモニウム水溶液で中性とした。クロロホルムで抽出し、有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、析出結晶を濾取し、表記化合物(54g)を得た。得られた粗精製物は、精製することなく次反応に用いた。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 1.32(3H, t, J = 7.1 Hz), 2.17(1H, s), 2.97-3.03(2H, m), 3.80-3.85(2H, m), 4.23(2H, q, J = 7.1 Hz), 4.64(2H, s), 8.80(1H, br)
参考例3:エチル 4-クロロ- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレートの製造:
参考例2で得られた化合物(54g)をオキシ塩化リン(116ml)に加え、100℃で5時間加熱攪拌した。反応液を氷冷した後、クロロホルム(500ml)および5%水酸化ナトリウム水溶液(1200ml)の混合液にゆっくりと滴下した。有機層を5%炭酸カリウム水溶液で洗浄後、硫酸ナトリウムで乾燥して、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:50/50から0/100)で精製した。得られた残渣にジイソプロピルエーテルを加え、析出結晶を濾取し、表記化合物(23.3g)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 1.30(3H, t, J = 7.1 Hz), 2.76-2.82(2H, m), 3.73-3.78(2H, m), 4.20(2H, q, J = 7.1 Hz), 4.44(2H, s), 8.09(1H, br)
参考例4:エチル 4-(1, 3-チアゾール-2-イルアミノ)- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレートの製造:
参考例3で得られた化合物(6g)のトルエン(90ml)懸濁液に窒素気流下、2−アミノチアゾール(3.23g)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(1.14g)、4, 5-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9, 9-ジメチルキサンテン(0.72g)、カリウム tert-ブトキシド(3.62g)を加え、100℃で4時間加熱攪拌した。反応混合物を氷冷後、水を加え、クロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル:50/50から0/100)で精製し、表記化合物(4.4g)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 1.31(3H, t, J = 7.1 Hz), 2.91-2.98(2H, m), 3.78-3.85(2H, m), 4.23(2H, q, J = 7.1 Hz), 4.53(2H, br), 7.00(1H, brs), 7.48(1H, d, J = 3.4 Hz), 8.47(1H, br), 8.75(1H, br)
参考例5:エチル 4-[(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)アミノ]- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレートの製造:
参考例4と同様に反応、処理し、表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 1.23(3H, t, J = 7.0 Hz), 1.29(3H, t, J = 7.5 Hz), 2.78-2.85(4H, m), 3.70-3.73(2H, m), 4.11(2H, q, J = 7.0 Hz), 4.64(2H, brs), 8.77(1H, s)
参考例6:エチル 4-[(4-イソプロピル-1,3 -チアゾール-2-イル)アミノ]- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキシレートの製造:
参考例4と同様に反応、処理し、表記化合物を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 1.29-1.35(9H, m), 2.93-3.00(3H, m), 3.80-3.83(2H, m), 4.23(2H, q, J = 7.1 Hz), 4.53(2H, brs), 6.52(1H, s), 8.73(1H, s)
参考例7:N-1, 3-チアゾール-2-イル-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造
参考例4で得られた化合物(4.2g)を48%臭化水素酸(40ml)に加え、100℃で6時間加熱攪拌した。反応液を氷冷後、10%炭酸カリウム水溶液を加え、アルカリ性とした。析出結晶を濾取し、水洗後、アセトニトリルで洗浄し、表記化合物(3g)を得た。
1H-NMR (CDCl3, 400MHz):δ (ppm) = 2.81(2H, t, J = 6.0 Hz), 3.22(2H, t, J = 6.0 Hz), 4.03(2H, s), 7.16(1H, d, J = 3.8 Hz), 7.47(1H, d, J = 3.8 Hz), 8.65(1H, s)
参考例8:N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造
参考例5で得られた化合物(190mg)のエタノール(10ml)溶液に5N水酸化ナトリウム水溶液(10ml)を加えて5時間加熱還流した。放冷後、2N塩酸を加えて中和し、析出結晶をろ取、減圧乾燥して表記化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.27(3H, t, J = 7.6 Hz), 2.71-2.79(4H, m), 3.05-3.08(2H, m), 3.91(2H, brs), 8.67(1H, s)
参考例9:N-(4-イソプロピル-1,3 -チアゾール-2-イル)アミノ-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造
参考例6で得られた化合物を参考例8と同様に反応、処理し、表記化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.18(6H, d, J = 6.9 Hz), 2.42-2.45(2H, m), 2.76(1H, sept, J = 6.9 Hz), 2.89-2.92(2H, m), 3.63(2H, brs), 6.14(1H, s), 8.18(1H, s)
尚、前記参考例以外の後述する実施例に対応する参考例は、前記参考例と同様な手法または通常用いられる合成手段を用いて、対応する試薬から適宜製造した。
実施例1:N,N-ジエチル-4-[(4-イソプロピル-1,3 -チアゾール-2-イル)アミノ]- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキサミドの製造:
参考例9で得られた化合物(60mg)のピリジン(5ml)溶液に室温攪拌下でN,N-ジエチルカルバモイルクロリド(35mg)を加えた後、50℃に加温して終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、カラムクロマトグラフィーによる精製を行い表記化合物(51mg)を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.08(6H, t, J = 7.0 Hz), 1.25(6H, d, J = 6.9 Hz), 2.86-2.89(2H, m), 2.96(1H, sept, J = 6.9 Hz), 3.20(4H, q, J = 7.0 Hz), 3.42-3.45(2H, m), 4.24(2H, brs), 6.88(1H, s), 8.88(1H, s)
実施例2:N-(4-イソプロピル-1,3 -チアゾール-2-イル)-6-(ピペリジン-1-イルカルボニル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
参考例9で得られた化合物を実施例1と同様に対応するカルバモイルクロリドと反応、処理し表記化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.25(6H, d, J = 6.9 Hz), 1.48-1.58(6H, m), 2.86-2.88(2H, m), 2.96(1H, sept, J = 6.9 Hz), 3.18-3.20(4H, m), 3.43-3.46(2H, m), 4.27(2H, brs), 6.88(1H, s), 8.87(1H, brs)
実施例3:N,N-ジエチル 4-(1, 3-チアゾール-2-イルアミノ)- 7, 8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-カルボキサミドの製造:
参考例7で得られた化合物を実施例1と同様に対応するカルバモイルクロリドと反応、処理し表記化合物を得た。
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.07(6H, t, J = 7.0 Hz), 2.79-2.82(2H, m), 3.20(2H, q, J = 7.0 Hz), 3.42-3.45(2H, m), 4.31(2H, brs), 7.19(1H, brs), 7.48(1H, brs), 8.64(1H, s)
実施例4:N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-6-[(3-メチル-2-チエニル)カルボニル]- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
参考例8で得られた化合物(150mg)、3-メチル-2-チオフェンカルボン酸(81mg)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(93mg)、1-(3-ジメチルアミノプロピル)-3-エチルカルボジイミド 塩酸塩 (164mg)、トリエチルアミン(116mg)をN,N-ジメチルホルムアミド(5ml)中で混合し、室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出後、有機層を水および飽和食塩水で洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、表記化合物(10mg)を得た。
MS(ESI+):387 (M++1)
以下、参考例8または参考例9で得られた化合物を実施例4と同様に反応、処理し、実施例5〜21の化合物を得た。
実施例5:N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-6-(3, 4, 5-トリメチル-2-フロイル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):399 (M++1)
実施例6:6-(2-クロロベンゾイル)-N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):401 (M++1)
実施例7:6-[(3-クロロ-2-チエニル)カルボニル]- N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):407 (M++1)
実施例8:N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-6-[(3-メチルピリジン‐2-イル)カルボニル]- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):382 (M++1)
実施例9:6-[(3-ブロモ-2-チエニル)カルボニル]- N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.28(3H, t, J = 7.5 Hz), 2.77(2H, q, J = 7.5 Hz), 2.92-2.95(2H, m), 3.83-3.86(2H, m), 4.76(2H, brs), 7.16(1H, d, J = 5.2 Hz), 7.79(1H, d, J = 5.2 Hz), 8.77(1H, s)
実施例10:6-(2-ブロモベンゾイル)-N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):445 (M++1)
実施例11:N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-6-(2-メチルベンゾイル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):381 (M++1)
実施例12:N-(3-エチル-1,2,4-チアジアゾール-5-イル)-6-(2-メチル-6-ニトロベンゾイル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):426 (M++1)
実施例13:6-(2-ブロモベンゾイル)-N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):458 (M++1)
実施例14:6-(2-クロロベンゾイル)-N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):414 (M++1)
実施例15:6-(5-フルオロ-2-メチルベンゾイル)-N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):412 (M++1)
実施例16:3-{[4-[(4-イソプロピル-1, 3-チアゾール-2-イル)アミノ]-7,8-ジヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-6(5H)-イルカルボニル}-4-メチルベンゼンスルホンアミドの製造:
MS(ESI+):473 (M++1)
実施例17:6-[(3-クロロ-2-チエニル)カルボニル]- N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.24(6H, d, J = 6.9 Hz), 2.89-2.97(3H, m), 3.81-3.84(2H, m), 4.68(2H, brs), 6.74(1H, s), 7.13(1H, d, J = 5.2 Hz), 7.82(1H, d, J = 5.2 Hz), 8.75(1H, s)
実施例18:6-[(3-ブロモ-2-チエニル)カルボニル]- N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)-5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
1H-NMR (DMSO-d6, 400MHz):δ (ppm) = 1.24(6H, d, J = 6.9 Hz), 2.89-2.97(3H, m), 3.81-3.83(2H, m), 4.67(2H, brs), 6.74(1H, s), 7.16(1H, d, J 5.2 Hz), 7.79(1H, d, J = 5.2 Hz), 8.74 (1H, s)
実施例19:N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)-6-[(3-メチルピリジン2-イル)カルボニル]- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):395 (M++1)
実施例20:N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)-6-(2-メチル-6-ニトロベンゾイル)- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):439 (M++1)
実施例21:N-(4-イソプロピル-1,3-チアゾール-2-イル)-6-[2-(トリフルオロメチル)ベンゾイル]- 5, 6, 7, 8-テトラヒドロピリド[4, 3-d]ピリミジン-4-アミンの製造:
MS(ESI+):448 (M++1)
薬理試験
GK活性化の測定
被検薬剤のGK活性化能の測定は、ホルマザン基質の4-[3-(4-ヨードフェニル)-2-(2, 4-ジニトロフェニル)-2H-5-テトラゾリオ]-1, 3-ベンゼン ジスルフォネート(WST-3)と発色試薬のフェナジン メトサルフェート(PMS)を用いて、グルコースを基質とし、GKにより産生されるグルコース-6-ホスフェートをグルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼにより脱水素する際に、NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)より転換されるNADPH量をその吸光度変化として測定した。
本アッセイで使用する組換えヒト肝 GK (hGK) は、N末端にHN-タグをつけ、全長をE.coliに発現させ、キレートカラム(Ni-NTA)で精製したものを使用した。
酵素反応は、96穴の平底プレートを用い、30℃で測定を行った。反応混合液として、50 mM Tris-HCl pH7.4, 100 mM KCl, 5 mM MgCl2, 5 mM ATP, 0.5 mM NADP, 0.35 mM WST-3, 0.015 mM PMS, 0.1 mg/ml BSA, 0.2 U/ml グルコース-6-ホスフェート デヒドロゲナーゼ, 3 mM グルコース(いずれも終濃度)を調製した。上記プレートに反応混合液(80 ml)を分取し、DMSOに溶解させた被検薬剤もしくはコントロールとしてDMSOの希釈液を10 ml (DMSOの終濃度は0.1%) 加えた。ついで酵素溶液としてhGK(終濃度 0.3 μg/ml) を10 ml加えて反応を開始させた。
反応開始30分後に0.01% SDSを含むリン酸バッファーで反応を停止し、430 nmの波長で吸光度を測定した。化合物のGK活性化能は、hGKを添加しないときの吸光度をブランクとして差し引き、DMSOコントロールの活性値を100%として算出した。被検薬剤のGK活性化能の指標はGK活性化能(%)として下記の式から算出した。
前記薬理試験から、本発明化合物は優れたGK活性化能を有することが明らかとなった。
本発明のグルコキナーゼ活性化剤は、優れた活性を有し、糖尿病、肥満等の予防・治療剤等の医薬として有用である。また糖尿病の合併症である、腎症、網膜症、神経障害、末梢循環障害、脳血管障害、虚血性心疾患、動脈硬化症の治療ならびに予防薬として有用である。さらに過食を抑制することにより、肥満、メタボリックシンドロームの治療ならびに予防薬としても有用である。

Claims (17)

  1. 式(I)で表される化合物、またはその薬学上許容される塩。
    [式中、Rは、置換されていてもよいC1−6アルキル基、置換されていてもよいC3−10シクロアルキル基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、または置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロ環基であり;
    Yは、−CO−、−COO−または−CONR−であり;
    は、置換されていてもよいC1−6アルキル基(該アルキル基は、Yが−CONR−の場合に限る。)、置換されていてもよいC2−6アルケニル基、置換されていてもよいC6−10アリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリールC1−4アルキル基、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロ環基、または置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式環状アミノ基(該環状アミノ基は、Yが−CO−の場合に限られ、該環状アミノ基からモルホリノ基は除かれる。)であり;
    は、置換されていてもよいC1−6アルキル基、または置換されていてもよいC6−10アリール基である(但し、式(I)で表される化合物において、
    N−(3−メチルフェニル)−6−[(1,2,5−トリメチル−1H−ピロール−3−イル)カルボニル)] −5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−アミン、および
    6−[4−(ジメチルアミノ)−1−ナフトイル]−N−(3−メチルフェニル)アミノ−5,6,7,8−テトラヒドロピリド[4,3−d]ピリミジン−4−アミン
    である化合物を除く。)。]
  2. が、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式へテロアリール基である、請求項1に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  3. におけるヘテロアリール基が、下記式
    からなる群から選択される、請求項1または請求項2に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  4. におけるヘテロアリール基が、下記式
    からなる群から選択される、請求項3に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  5. におけるヘテロアリール基の置換基が、
    1:ハロゲン原子;
    2:C1−6アルキル基(該基は、(a)1〜3個のハロゲン原子、
    (b)C1−4アルコキシ、
    (c)カルボキシル、
    (d)C1−4アルコキシカルボニル、
    (e)C6−10アリールオキシ、および
    (f)C6−10アリールチオ、からなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
    3:C1−6アルコキシ基(該基は、
    (a)カルボキシル、または
    (b)C1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよい。);
    4:C1−4アルキル−カルボニル基;
    5:カルボキシル基;
    6:C1−4アルコキシカルボニル基;
    7:アミノ基;
    8:モノ−置換されたアミノ基(該アミノ基は、
    (a)C1−4アルキル、あるいは
    (b)ヒドロキシ、カルボキシル、C1−4アルコキシカルボニル、またはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノで置換されていてもよいC1−4アルキル−カルボニルで置換されている。);
    9:C1−4アルキルチオ基(該C1−4アルキルは、
    (a)カルボキシル、
    (b)C1−4アルコキシカルボニル、および
    (c)モノ−もしくはジ−(C1−6アルキル)で置換されたアミノからなる群から選択される1個の基で置換されていてもよい。);
    10:C7−10アラルキルチオ基;
    11:C1−4アルキルスルホニル基;
    12:C6−10アリールスルホニル基;
    13:C7−14アラルキルスルホニル基;
    14:C3−10シクロアルキル基;
    15:C6−10アリール基;
    16:C7−14アラルキル基;
    17:C6−10アリールカルボニル基;
    18:C7−14アラルキルカルボニル基;
    19:5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロ環基(該基は、
    (a)C1−4アルキル、
    (b)C1−4アルキルカルボニル、または
    (c)C1−4アルキルスルホニルで置換されていてもよい。);
    20:カルボキシルまたはC1−4アルコキシカルボニルで置換されていてもよいC6−10アリールオキシ基;および
    21:C7−14アラルキルオキシ基からなる群から選択される1〜3個の基である、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  6. におけるヘテロアリール基の置換基が、C1−6アルキル基である、請求項5に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  7. が、下記式
    からなる群から選択される1個の基である、請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  8. Yが、−CO−または−CONR−である請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  9. が、置換されていてもよいC6−10アリール基である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  10. における置換されていてもよいC6−10アリール基の置換基が、
    1:ハロゲン原子、
    2:ニトロ基、
    3:C1−4アルキル基(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、
    4:C1−4アルコキシ基、
    5:アミノ基、
    6:モノ−もしくはジ−C1−6アルキルアミノ基、
    7:C1−6アルキルカルボニルアミノ基、
    8:C1−4アルキルスルホニル基、
    9:アミノスルホニル基、
    10:モノ−もしくはジ−C1−4アルキルアミノスルホニル基、
    11:5員〜7員の単環式環状アミノスルホニル基、および
    12:C1−4アルキルチオ基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、請求項9に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  11. における置換されていてもよいC6−10アリール基の置換基が、
    1:ハロゲン原子、
    2:ニトロ基、
    3:C1−4アルキル基(1〜3個のハロゲン原子で置換されていてもよい。)、および
    4:アミノスルホニル基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、請求項9または請求項10に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  12. が、置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容
  13. における置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、
    1:ハロゲン原子、
    2:ニトロ基、
    3:C1−4アルキル基、
    4:C3−6シクロアルキル基、
    5:5員もしくは6員のヘテロアリール基、および
    6:C6−10アリール基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、請求項12に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  14. における置換されていてもよい5員〜10員の単環式もしくは多環式ヘテロアリール基の置換基が、
    1:ハロゲン原子、および
    2:C1−4アルキル基からなる群から選択される同種または異種の1〜3個の基である、請求項12または請求項13に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  15. Yが−CONR−であり、Rが、C1−6アルコキシで置換されていてもよいC1−6アルキル基;またはC6−10アリール基であり、Rが、C1−6アルキル基である、請求項1〜請求項8のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  16. におけるヘテロアリール基が、下記式
    からなる群から選択される、項1〜項8および項12〜項14のいずれか一項に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
  17. におけるヘテロアリール基が、下記式
    からなる群から選択される、請求項16に記載の化合物、またはその薬学上許容される塩。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108586454B (zh) * 2018-02-13 2021-02-26 沈阳药科大学 四氢吡啶并[4,3-d]嘧啶类衍生物及其用途

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