JP2010101535A - 循環式穀粒乾燥機 - Google Patents

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Abstract

【課題】収穫ソバの乾燥に際し、広い範囲にばらつく水分値とその脆弱性とに対応して、特段のコスト負担を要することなく、収穫ソバの損傷を抑えつつムラなく一様で高品質の乾燥を可能とするとともに、結露による流動障害を招くことなく、安定した熱風乾燥が可能な循環式穀粒乾燥機を提供する。
【解決手段】循環式穀粒乾燥機は、熱風供給手段4、貯留部10、乾燥部11、繰出手段16、循環手段2等を設けて構成され、上記熱風供給手段4及び繰出手段16を駆動して熱風乾燥する熱風乾燥工程と、この熱風供給手段4及び繰出手段16を停止して穀粒を滞留する乾燥休止工程とを交互に繰り返す断続乾燥運転を設け、この断続乾燥運転による乾燥開始に際して水分値が別途設定の基準水分値以上の場合に限り上記熱風供給手段4を停止して繰出手段16により穀粒を通風循環させる通風循環運転を設けたものである。
【選択図】図6

Description

本発明は、貯留部、乾燥部等を備えて投入穀粒を循環乾燥する循環式穀粒乾燥機に関するものである。
循環式穀粒乾燥機は、特許文献1の例のように、循環手段を備える貯留部、穀粒を所定流量で流動させつつ熱風供給手段から熱風を受けて張込み穀粒を流動乾燥する乾燥部等を備えて構成され、収穫した籾等の穀粒について流通取扱いに適する水分値に能率良く調整することができる。
特開2002−174489号公報
しかしながら、上記乾燥機を収穫ソバの乾燥について適用する場合は、多様な作付け条件(例えば傾斜地における小間切れの圃場)のものが混在することに起因してソバの水分値が一般に広い範囲にばらつくという収穫ソバに特有の事情がある。これをムラなく一様な水分値に乾燥するためには温度上昇を抑えた長時間の循環乾燥が必要となる一方で、ソバの殻が籾のような硬さがないので乾燥機内で循環を繰り返す内に殻が剥け、白い実が露出して品質低下を起こすという問題があり、また、損傷を抑えるために高温で高速乾燥処理すると水分値のばらつきが解消できないのみならず、高温によってソバ特有の香りが失われるという問題を内包しており、さらに加えて、高水分穀粒を熱風乾燥することによって機体内に結露を生じることがあり、場合により乾燥部の流動障害や繰出部の詰まりを引き起こすという問題が浮上した。
本発明の目的は、収穫ソバの乾燥に際し、広い範囲にばらつく水分値とその脆弱性とに対応して、特段のコスト負担を要することなく、収穫ソバの損傷を抑えつつムラなく一様で高品質の乾燥を可能とするとともに、結露による流動障害を招くことなく、安定した熱風乾燥が可能な循環式穀粒乾燥機を提供することにある。
請求項1に係る発明は、張込んだ穀粒を貯留する貯留部と、この貯留部から受けた穀粒を熱風供給手段からの熱風により乾燥する乾燥部と、この乾燥部の穀粒流動量を調節可能に通風下で繰出しする繰出手段と、この繰出手段から繰出された穀粒を上記貯留部に循環する循環手段とを設けた循環式穀粒乾燥機において、上記熱風供給手段及び繰出手段を駆動して熱風乾燥する熱風乾燥工程と、この熱風供給手段及び繰出手段を停止して穀粒を滞留する乾燥休止工程とを交互に繰り返す断続乾燥運転を設け、この断続乾燥運転による乾燥開始に際して水分値が別途設定の基準水分値以上の場合に限り上記熱風供給手段を停止して繰出手段により穀粒を通風循環させる通風循環運転を設けたことを特徴とする。
上記乾燥機により、水分値が高い場合は、通風循環運転を経てから次の断続乾燥運転に移行することにより、前段で過大な水分値が落とされた後に熱風乾燥が開始される。
請求項2に係る発明は、請求項1の構成において、前記通風循環運転は、別途設定の所定時間が経過した時、全穀粒が乾燥部を通って1循環した時、および乾燥穀粒が前記基準水分値に達した時の何れかの最先の時をもって終了するとともに、これに続く前記断続乾燥運転に代えて熱風乾燥を連続する連続乾燥運転に移行する変更設定を可能に構成したことを特徴とする。
上記通風循環運転が条件に従って終了すると断続乾燥運転による乾燥が開始され、このとき、変更設定がされていれば、断続乾燥運転に代えて熱風乾燥を連続する連続乾燥運転に移行する。
請求項1の発明の穀粒乾燥機は、水分値が高い場合は、通風循環運転を経てから次の断続乾燥運転に移行することにより、前段で過大な水分値が落とされた後に熱風断続による乾燥が開始されるので、結露が回避されて詰まり等の運転障害を防止した上で、収穫ソバの損傷を抑えつつムラなく一様で高品質の乾燥が可能となる。
請求項2の発明の穀粒乾燥機は、請求項1の効果に加え、通風循環運転が条件に従って終了すると熱風断続による乾燥が開始され、このとき、変更設定がされていれば、熱風断続の乾燥に代えて熱風を連続する連続乾燥運転に移行する。したがって、断続乾燥運転による仕上がり品質を選ぶか、連続乾燥運転による高速乾燥を選ぶか、多様な状況に対応することができる。
上記技術思想に基づいて具体的に構成された実施の形態について以下に図面を参照しつつ説明する。
図1、図2は、それぞれ、穀粒乾燥機のフレーム構成を示す正面図、機体縦断面図である。
穀粒乾燥機は、塔型構成の箱体1の上段部に穀粒を貯留する貯留室からなる貯留部10を、下段部にその穀粒を受けて流動乾燥する乾燥手段である乾燥部11を構成する。
箱体1の前側は、乾燥部11から穀粒を上送するバケットコンベヤ等による昇降機2と、熱風を発生させる熱風供給手段であるバーナー4を内設した加熱室5と、乾燥機を運転操作する各種スイッチおよび表示部を備える操作盤6等を備えるほか、箱体1の天井側は昇降機2で上送した穀粒を箱体1の中央まで搬送する排塵機3a付きの搬送装置3を備える。箱体1の後ろ側には排気口8を形成し、箱体1内の熱風を吸引排出する排気手段である排気ファン7を設け、箱体1の側面には、穀粒を投入する投入口(不図示)を開閉可能に構成する。
機体各部について詳細に説明すると、昇降機2には穀粒の水分を検出する水分計9と箱体1内の穀粒を機外に排出する穀粒排出口18とをそれぞれ設ける。貯留部10の上部にはラセンによる搬送装置3によって搬送された穀粒を貯留部10の空間内に均一に拡散する拡散羽根12とを備えている。
乾燥部11はバーナー4で発生させた熱風が通過する熱風室13と、貯留部10から穀粒が流下する網目壁で形成された流下通路14,14と、排気ファン7と連通してその吸引作用を受ける排風室15とから構成される。
流下通路14の下端部には流下通路14にある穀粒を所定量ずつ繰り出す流量調節手段としてのロータリバルブ16を設け、このロータリバルブ16の下方にはロータリバルブ16で繰り出された穀粒を受けて昇降機2に搬送する下部ラセン17を設けている。
操作盤6については、図3の見取図に示すように、張込開始スイッチ、乾燥開始スイッチ、排出開始スイッチ、停止スイッチ等の作業スイッチ、運転状況を表示する各種数値の表示部D等を備えている。また、操作盤6内には一連の運転制御をする制御部を備えている。この制御部により、乾燥部11は、貯留部10から受けた穀粒を流量調節手段16によって所定流量で流動させつつ熱風供給手段4から熱風を受けて穀粒を流動乾燥する。また、制御部には、ソバを乾燥するためのソバ乾燥制御処理を構成し、操作盤6のスイッチSの操作によって通常乾燥とソバ乾燥をモード切換可能に構成する。
(通常乾燥制御)
通常乾燥モードによる籾等の乾燥作業は、操作盤6の張込開始スイッチを操作すると循環搬送系が稼動し、機体側部の投入口に穀粒を投入することにより穀粒は下部ラセン17を介して昇降機2まで搬送され、昇降機2から搬送装置3を経て貯留部10に張込み供給される。穀粒の投入終了後、乾燥開始スイッチを操作すると燃焼バーナ4が作動し、熱風が熱風室13に供給される。一方、ロータリバルブ16も駆動を開始し、熱風室13に供給された熱風は流下通路14の網目壁を透過して穀粒を加熱乾燥しつつ、排風室15側に吸引されて排出される。流下通路14の穀粒は乾燥作用を受けつつ流下し、順次、下部ラセン17、昇降機2、搬送装置3を経て貯留部10に戻される。水分計9に従って乾燥終了まで穀粒循環による乾燥処理を繰り返す。
(ソバ乾燥前処理制御)
ソバ乾燥モードによる乾燥制御で、乾燥前の水分値が基準値以上(例えば25%以上)の場合に乾燥前段処理として通風循環運転を行う。この乾燥前段処理としての通風循環運転は、別途設定の所定時間が経過した時、全穀粒が乾燥部を通って1循環した時、および乾燥穀粒が前記基準水分値に達した時の何れかの最先の時で終了するとともに、後述の断続乾燥運転か熱風乾燥を連続して行う連続乾燥運転のいずれかに移行する変更設定を可能に制御処理を構成する。
上記通風循環運転が条件に従って終了すると断続乾燥運転による乾燥が開始され、このとき、変更設定がされていれば、断続乾燥運転に代えて熱風乾燥を連続する連続乾燥運転に移行する。したがって、断続乾燥運転による仕上がり品質を選ぶか、連続乾燥運転による高速乾燥を選ぶか、多様な乾燥運転が可能となる。
このように、上記穀粒乾燥機は、高水分の穀粒についても安定して乾燥運転することができることから、出穂時期が1ヶ月近くにおよび、同根のものについても果実の登熟度合いが大きく異なるソバにあって、水分が40%程度にもなる部分を含む早期刈取りの場合や、越前ソバ等の一部の地域で風味を残すために高水分部分を多く含む青刈りを行うことによる著しい高水分部分を含む場合についても対応することができる。
(ソバ乾燥制御)
次に、ソバ乾燥モードによる乾燥制御は、図4のフローチャートに示すように、まず、前述の籾の乾燥と同様に燃焼バーナー4と前述の循環搬送系が作動してソバを乾燥しながら循環させる穀粒循環による熱風乾燥工程を行い、次いで燃焼バーナー4及び循環搬送系が停止する休止工程とを行う。そして、穀粒乾燥の開始から終了までの間に、この二つの工程を複数回交互に設定時間毎(例えば一時間毎)に繰り返す断続乾燥運転を行う。
上記断続乾燥運転により、乾燥部11を停止している間に貯留部10における調質作用によって水分ムラが均一化され、また、循環回数も抑えられるので、損傷防止効果が得られる。このように、調質に伴って変動幅が小さく抑えられた平均的な水分値に基づく必要最小限度の乾燥処理により、そばの品質低下を招くことなく、循環処理による損傷を最小限度に抑えることができる。なお、水分値測定は、継続することもその都度測定しなおすことによってもよい。
また、貯留部10に張り込まれて堆積された穀粒には、投入された穀粒の自重による圧力が作用することから、張り込まれた穀粒量が多い場合にロータリバルブの回転速度を速くして流下通路のソバの繰り出し量を多くすることにより、乾燥部からのソバの流動排出が促進され貯留部からの自重圧力が低減されるので、ソバの損傷を低減することができる。
(水分計)
次に、水分計の取扱いについて説明する。
収穫ソバは2cm程度の長さのソバの茎が多量に混入しており、この茎は籾の枝梗等がついた長さに近く、また、乾燥初期には水分値が高く、排塵機3aで除塵もできないことから、これが水分計9の穀粒取込口に引っ掛かり、特に一粒式の自動水分計はサンプリングできずに水分計9の異常を引き起こすという事態が避けられなかった。
この問題を解決するために、操作盤6に「ソバ」レンジのスイッチSを設け、このレンジでは乾燥初期について水分計9を1回だけ作動させて張込時のソバの水分を測定すると、水分計9の作動を停止して乾燥制御を継続し、乾燥途中から水分計9を作動して水分測定し、その測定値に基づいて乾燥動作を自動停止するように制御処理を構成する。また、操作盤6に水分計作動選択スイッチ9sを設け、これを入れた場合に水分計9が作動するようにし、以降の制御を水分自動計測により乾燥処理を進め、または、乾燥開始後の時間経過で自動作動するように構成してもよい。水分計9の停止時間は、少なくとも貯留室から乾燥部を経て、循環搬送系で再度貯留室まで戻るまで一巡する時間を確保する。
以上の制御構成により、ソバの茎等の異物が多い乾燥初期は極力水分計9を停止することで水分計9のゴミ詰まりを防止することができ、乾燥が進み、多くの異物が除去されてから水分計9を作動させることで、設定水分による乾燥機の自動停止を行うことができる。そのため、特段のソバ専用の水分計9を用いることなしに、米麦用の水分計を共通に使用することができる。
また、乾燥初期に水分計9を1回作動して、ソバの水分を測定することで、張込時のソバの水分の状態を推定することができ、その後、作業者が水分計作動選択スイッチ9sを押すタイミングを判断することができる。あるいは、張込時の水分から次回に水分計9で測定する時間(例えば3時間乾燥後)を自動に設定する構成としてもよい。
水分計の測定動作は、従来の籾、麦の場合は、測定前に30秒程度逆転した後に正転して測定することにより搬送ローラ上に溜まった穀粒を取り除いて測定ができるが、ソバの場合は搬送ローラ上に乗ったゴミが取込み口に詰まるので、上記のように、搬送ローラを逆転させることによってゴミの滞留を防止することができる。
(異物選別処理)
次に、ソバの乾燥に際して、その前処理として異物の除去を行う選別機について説明する。
選別機としては籾摺り機を使用し、一旦乾燥機に張込んで排出パイプの先端を籾摺り機のホッパに突っ込み、籾摺り機の処理能力分のみパイプから供給し、残量は乾燥機内に戻すように構成する。また、籾摺り機によって選別されたものは、乾燥機のホッパから乾燥機に戻し、時間をかけて循環しながら選別するように構成する。
乾燥機の前または横に籾摺り作業と同様に籾摺り機を配置し、籾摺りロールは選別動作用に全開で作業し、シャッタ開度は詰まらない程度に調整する。乾燥機の排出パイプ先端を籾摺り機ホッパに臨ませ、パイプ内はソバが充填された状態にする。このように構成することにより籾摺り機が取込む量以上の循環分は乾燥機内に戻るので、籾摺り機で選別後のソバを乾燥機のホッパから乾燥機に戻し、後はそのまま運転することによってゴミが取り除かれるとともに、この間も継続する循環動作によってソバが混合するので水分ムラの減少にも有効となる。
このようにして、通常、農家で使用する籾摺り機の唐箕部を通過させることにより、安価にかつ工数をかけずに風選処理よる異物選別が可能となる。また、乾燥機は通風循環で運転することになるので、ソバ自体の水分ムラ減少に有効である。さらに、粗選運転中はロータリバルブの繰り出し量を籾摺り機の能力に合わせて設定するように構成することにより、過大な循環によるソバの損傷を抑えることができる。
(水分ムラ表示)
次に、ソバの水分ムラの把握方法について説明する。
本出願人の先の提案のように、乾燥初期に複数箇所の水分を測定し、それを代表水分として乾燥機内の複数箇所の水分を水分ムラとして情報表示および制御する方法や、乾燥終了後に通風循環と同じように測定表示する方法があるが、いずれも代表平均値に基づく水分値表示であることから1測定内のバラツキは、表示されなかった。特にソバでは乾燥機内の同一箇所においても、1粒1粒の水分差が大きい場合があるので、このような大きな水分差を有するソバの乾燥では、通風によって水分差を均し、または、休止して暫く放置する取扱いに留まっていた。
そこで、通風時に1循環分の水分ムラを取得し、表示部Dに図5のグラフ等によって表示し、代表水分のみでなく、各ブロックの最大水分値と最低水分値を合わせて表示するように構成する。このように、各ブロックの代表水分値による水分ムラと同時に、各測定内での最大値と最低値を同時に表示することにより、1粒毎の水分のバラツキも同時に把握することができる。
したがって、従来の水分ムラ測定および表示の他に各測定内での最大値と最低値を追加した上記表示により、どの程度おけばバラツキがおさまるか水分バラツキの収束の見通しが得られるので、水分ムラを均一化するための工程を適切に施すための作業指針として有効である。
(結露防止)
次に、結露防止のための高水分対応処理について説明する。
高水分のソバは乾燥初期に多量の湿気を排出し、熱風を当てることで除水能力以上に表層に水分が出てきて乾燥機内部で結露し、内部で流下不良を起こす場合があることから、そのような事態を回避するために、循環式穀粒乾燥機について、繰出手段16および熱風供給手段4を駆動する熱風乾燥工程と、熱風供給手段4および繰出手段16を停止して穀粒を滞留する乾燥休止工程とを交互に繰り返す断続乾燥運転を設け、この断続乾燥運転による乾燥の開始に際して水分値が別途設定の基準水分値以上の場合に限り乾燥前段処理として熱風供給手段4を停止して穀粒を通風循環させる通風循環運転を設ける。
詳細には、フローチャートを図6に示すように、張込時または乾燥開始初期の水分値検出(S21〜S23)を行い、所定の基準値以上の高水分(例えば25%以上)と判断すると、既に熱風乾燥に入っている場合を含め通風循環運転に移行させる(S24〜S26)。通風循環は、張込量と循環能力より2循環程度の時間を継続し、その後において設定水分に達するまで熱風循環と休止を繰り返すこと(S31〜S34)によって乾燥を終了(S35,S36)する。または、断続乾燥運転に代えて前述の連続乾燥運転で設定水分値に達するまで運転する。
上記乾燥運転により、水分値が高い場合は、乾燥前段処理として通風循環運転を経てから次の断続乾燥運転または連続乾燥運転に移行することにより、前段で過大な水分値が落とされてから熱風乾燥が開始されるので、結露が回避されて詰まり等の運転障害を防止した上で、収穫ソバの損傷を抑えつつムラなく一様で高品質の乾燥が可能となる。
例えば、7.5t/hの循環能力の乾燥機を使用し、4tのソバ(水分30%)を張込んで乾燥開始すると自動的に通風循環に移行し、4/7.5*2時間程度の通風循環することにより、乾燥開始当初の高水分時は熱風を入れずに通風循環することでソバ表層部を乾燥させ、流動性を確保することで流下不良を防ぎ、その後にバーナ4に着火し、予定水分まで乾燥することによって高品質に仕上げることができる。
(張込検出)
張込終了後の操作については、一般的には次の張込まで停止または手動でその都度通風しており、ピットから張込んでソバ類を乾燥する場合に、幾度かに分けて運搬し、多くの場合において通風循環することなく、張込の終了まで「張込」状態のまま運転する。また、ソバの乾燥については、コンバインによる選別が米麦ほど良好ではなく、ソバの茎類や草の実など、高水分で貯留部内での流下を妨げる夾雑物が混入するという特有の事情がある。
したがって、茎類、草の実などの高水分で流下しにくいものが投入されたままとなり、乾燥を開始したときに一部の箇所で側壁などにへばりついたままになって貯留部10、乾燥部11での流下不良を生じ、均一に乾燥できずに大きな水分むらとなったり、機体内で腐ったりという不具合を招くので、このような問題の解消のために、乾燥の開始については、張込中に水分計9で張込穀物の有無を定期的に測定し、水分計9が検出しない場合に張込終了と判断して通風制御に移行するように制御処理を構成する。
詳細には、乾燥穀物を「ソバ」として張込スイッチを押すと、定期的に水分計9を駆動して張込時の穀粒の有無を確認する。穀粒があれば水分計9に取込まれて水分電圧として検出できるので、一定時間について穀粒の取込みがないと判断すれば張込が終わりと判定し、通風循環(ロータリバルブ16およびファン7を駆動)に移行することにより流動性を確保することができる。
(冷却通風時間)
従来の乾燥運転では、乾燥と休止の繰り返しによる断続運転はしておらず、特に遠赤機では放射体の熱容量が大きく、燃焼停止後も予熱で乾燥が進むので、20分程度の冷却時間を設けても張込量によっては一部しか通風されずに残りは穀温が高いままで休止に入ることとなり、水分ムラが増え、また、穀温が不均一で、次回の乾燥開始時の水分測定時に穀温の補正がうまくいかずに水分検出精度が低下するという問題があった。
この問題を解決するために、高水分ソバ等の水分のばらつきの大きい穀物を乾燥する場合に、断続運転により乾燥と休止を交互に行い、このときの冷却通風時間を張込量に応じた1循環時間の整数倍にする。例えば、循環量が7.5t/h、張込量が6tの場合は、1循環の48分の整数倍とする。このように冷却通風時間を規定することにより、除水量、穀温を均一にすることができる。
(清掃スイッチ)
乾燥機の操作盤6に清掃専用のスイッチを設け、ファン7を駆動、停止の工程を入れ、ファン駆動時に吸引力で巻き上げられたり、網に貼り付いているごみ類がファンを切ることで落下排出され、続くファン駆動で埃類が排出される。専用スイッチとすることにより、運転時間も適切な時間を設定することができる。
(タイマ運転制御)
現行の電気抵抗式水分計は11%が測定限界であることから、乾燥機はその範囲内で水分計測値にしたがって乾燥を行う。その一方で、麦類(特に小麦)は乾燥後に水分が戻ることから10%程度の水分までの乾燥が必要となることがあり、その場合は、上記限界(11%)まで乾燥させて自動終了した後に、タイマ設定により再度乾燥を開始するというを手順を強いられることととなり、タイマ設定して再起動するまで乾燥が中断されて仕上がりまでに時間を要することとなり、また、操作が煩わしく、慣れない操作によって不測の事態を招くことにもなりかねない。
このような問題を解決するために、仕上げたい水分値を測定限度の11%以下であっても設定可能とし、水分計9で測定可能な範囲は測定値に基づいて乾燥制御し、測定限度に到達するとそれ以降は乾減率設定よりタイマを設定して乾燥運転を継続するように制御部を構成する。
例えば、仕上げ水分値を10%に設定すると、11%までは水分を測定して乾燥運転し、設定乾減率が0.7%/hであれば、11%に達するとその時間から(11−10)/0.7=1.5hrの時間を算出し、タイマを1.5時間に自動設定し、タイマ運転によって終了まで乾燥する。また、1.2程度の一定定数を乗じた時間でタイマを補正設定することにより、水分低下による乾燥遅れに対応することができる。
(バーナの断続制御)
バーナ制御については、バーナーの許容空気量幅がガス化バーナーで1〜2割程度、ガンバーナーで2倍程度(ただし、異臭、カーボン付着の問題とならないレベルで可として)が可能であることから、その許容空気量幅で燃焼量を増減し、間欠燃焼のタイミングと合わせることにより、燃焼空気の供給を固定回転数として乾燥速度の調節が可能となる。したがって、燃料供給量のみの調節で、熱量の微妙な供給調節ができ、乾燥速度の燃焼用空気の比例制御のためのインバータ機能のコストをカットして、乾燥速度をより要求に近づけることができる(現状の速度により近い速度が得られる)。
(乾燥速度)
乾燥速度の制御については、水分ばらつきの大きい穀物(特に高水分ソバ)は、断続運転(乾燥と休止を交互に行う)によって乾燥し、この乾燥運転開始時の乾燥速度、すなわち、(初期水分―乾燥運転停止時水分)/乾燥運転時間により算出された測定乾燥速度と設定乾燥速度により熱風温度を補正し、乾燥速度を制御する。例えば、2時間乾燥、2時間休止で乾燥開始時水分25%、休止時水分23.5%とすれば、この間の乾燥速度は0.75%/h、乾燥速度設定が0.7%/hなら速いので熱風温度を少し下げるように制御する。
従来の通常乾燥では、水分測定都度の水分値を複数記憶し、測定間の時間より乾燥速度を算出し、設定乾燥速度と比較して制御していたが、上記の乾燥制御により、断続運転では、決まった周期で乾燥と休止を繰り返すので、乾燥の周期(2時間程度)での乾燥速度をとらえ、補正することにより、安定した乾燥速度を得ることができる(通常の乾燥速度は検出する時間が短いが、上記の構成では、比較的長い時間での乾燥速度を把握できるので安定する)。
(均一乾燥)
ソバは1茎で花が咲く期間が1ヶ月にもわたり、高水分のソバについては水分差が甚だしいことから、従来、二段乾燥や休止乾燥など、乾燥途中で一旦停止し、水分移行のための数時間の休止によっても、水分が均一にならないケースがあることから、この問題を解決するべく、乾燥と休止を繰り返す断続運転における水分計制御については、乾燥運転中は通常同様に水分測定をして乾燥速度算出および制御をし、休止後の再起動時は水分値はリセットしたうえで、乾燥速度補正は前回分をふまえて補正を行うことにより、2周期目からは乾燥速度補正された設定温度となる。
具体的には、乾燥開始したときに、通常の乾燥速度制御と同様に、水分を測定し、設定乾燥速度と測定乾燥速度を比較して乾燥速度補正をし、補正値を記憶しておく。休止に入ると、次回の起動時は前の測定水分値をリセットして上記熱風乾燥運転中に取得した乾燥速度補正値を使い、設定温度を補正し、乾燥中の速度を制御する。(あくまで、乾燥運転中のみ。休止時間は含まない。)
このように、熱風乾燥運転中に取得した乾燥速度補正値(±α℃)を次回に繰り越し、乾燥速度補正値として熱風温度設定値に反映させることにより、乾燥運転中の乾燥速度を制御することができるので、安定した乾燥速度が得られ、かつ、速度が速すぎることによる胴割れなどの品質低下を防止することができる。
穀粒乾燥機の内部構成を示す内部透視正面図 図1の穀粒乾燥機の内部構成を示す機体縦断面図 操作盤の見取図である。 乾燥運転のフローチャート 水分のグラフ表示例 高水分対応処理のフローチャート
符号の説明
1 箱体
2 昇降機(循環手段)
4 燃焼バーナ(熱風供給手段)
5 加熱室
6 操作盤
7 排気ファン
9 水分計
10 貯留室(貯留部)
11 乾燥部
14 流下通路
16 ロータリバルブ(繰出手段)

Claims (2)

  1. 張込んだ穀粒を貯留する貯留部(10)と、この貯留部(10)から受けた穀粒を熱風供給手段(4)からの熱風により乾燥する乾燥部(11)と、この乾燥部(11)の穀粒流動量を調節可能に通風下で繰出しする繰出手段(16)と、この繰出手段(16)から繰出された穀粒を上記貯留部(10)に循環する循環手段(2)とを設けた循環式穀粒乾燥機において、
    上記熱風供給手段(4)及び繰出手段(16)を駆動して熱風乾燥する熱風乾燥工程と、この熱風供給手段(4)及び繰出手段(16)を停止して穀粒を滞留する乾燥休止工程とを交互に繰り返す断続乾燥運転を設け、この断続乾燥運転による乾燥の開始に際して水分値が別途設定の基準水分値以上の場合に限り上記熱風供給手段(4)を停止して繰出手段(16)により穀粒を通風循環させる通風循環運転を設けたことを特徴とする循環式穀粒乾燥機。
  2. 前記通風循環運転は、別途設定の所定時間が経過した時、全穀粒が乾燥部(11)を通って1循環した時、および乾燥穀粒が前記基準水分値に達した時の何れかの最先の時をもって終了するとともに、これに続く前記断続乾燥運転に代えて熱風乾燥を連続する連続乾燥運転に移行する変更設定を可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の循環式穀粒乾燥機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013002776A (ja) * 2011-06-20 2013-01-07 Mayekawa Mfg Co Ltd 木材乾燥装置の制御装置及び制御方法
JP2014025639A (ja) * 2012-07-26 2014-02-06 Yamamoto Seisakusho Inc 穀物乾燥装置
CN107687757A (zh) * 2017-08-25 2018-02-13 俞纪洪 一种谷物循环烘干设备
JP2018151122A (ja) * 2017-03-13 2018-09-27 井関農機株式会社 穀物乾燥機

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