JP2010099982A - 流体噴射装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】電力消費を抑制しつつ、流体を正確に噴射可能とする。
【解決手段】駆動素子に印加する駆動電圧波形を、印加する電圧の目標値に対して所定以上の精度が要求される目標波形部分と、それ以外の通常波形部分とから構成された状態で記憶しておく。そして、互いに電圧値が異なる複数の電源を切り替えながら駆動素子に接続することで駆動電圧波形を印加すると共に、駆動電圧波形の目標波形部分では、電源の電圧値を目標の電圧値に対して精度良く制御した状態で電圧を印加する。駆動素子の動作は、初めから終わりまで全てが流体滴のサイズ等に影響するわけではないので、影響が大きい部分に目標波形部分を設定しておけば、その部分では電圧波形を正確に印加して駆動素子を正確に制御することが可能となり、なお且つ、他の部分では電源を切り替えて接続することによって電力消費を抑制することが可能となる。
【選択図】図10

Description

本発明は、噴射ヘッドから流体を噴射する技術に関する。
印刷媒体上にインクを噴射して画像を印刷するプリンタ(いわゆるインクジェットプリンタ)は、高品質の画像を簡便に印刷可能であることから、今日では、画像の出力手段として広く使用されている。また、この技術を応用して、インクの代わりに、適切な成分に調製した各種の流体(例えば、機能材料の微粒子が分散された液体や、ジェルなどの半流動体など)を基板上に噴射すれば、電極や、センサ、バイオチップなど、各種の精密な部品を簡便に製造することも可能と考えられる。
このような技術では、正確な分量の流体を正確な位置に噴射することが可能なように、微細な噴射口が設けられた専用の噴射ヘッドが用いられている。噴射ヘッドには、噴射口に接続された駆動素子(例えば、ピエゾ素子)が備えられており、駆動素子に電圧波形を印加することによって、噴射口から流体を噴射する。噴射口から噴射する流体の量や形状(例えば、流体滴のサイズ)などは、駆動素子に印加する駆動電圧波形を制御することによって変更することが可能である。
また、駆動電圧波形を生成するためにトランジスタ等の増幅素子を用いると、増幅素子での損失(例えば、トランジスタのコレクタ損失)によって電力を消費してまったり、電力の消費により発生した熱を逃がすための放熱板などが必要となって装置が大型化してしまう等の不都合が生じる。そこで、複数のコンデンサに互いに異なる電圧値の電圧を蓄積しておき、これらのコンデンサを適時切り替えて電圧を変化させることによって、増幅素子を用いることなく駆動電圧波形を生成する技術が提案されている(特許文献1)。
特開2003−285441号公報
しかし、提案されている技術では、電力効率が高い反面で、正確な駆動電圧波形を生成することが難しいという問題があった。すなわち、コンデンサを切り替えることによって電力効率を高めている関係上、駆動電圧波形は階段状に変化する波形とならざるを得ず、正確な波形を生成することが困難である。とはいえ、トランジスタ等の増幅素子を用いて駆動電圧波形を生成したのでは、増幅素子で電力を消費してしまうので、電力効率が低下してしまう。こうした問題は、インクジェットプリンタに限らず、駆動電圧波形を印加して素子を駆動する種々の装置についても生じ得る。
この発明は、従来の技術が有する上述した課題を解決するためになされたものであり、電力消費を抑制しつつ、適切な駆動電圧波形を出力して駆動素子を正確に制御可能とする技術の提供を目的とする。
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の流体噴射装置は次の構成を採用した。すなわち、
噴射口から流体を噴射する流体噴射装置であって、
印加される電圧に応じて前記流体を加圧することにより、前記噴射口から該流体を噴射させる駆動素子と、
前記駆動素子に印加する駆動電圧波形を記憶している駆動電圧波形記憶手段と、
互いに異なる電圧値の電力を出力する複数の電源を切り替えて前記駆動素子に接続することにより、該駆動素子に前記駆動電圧波形を印加する駆動電圧波形印加手段と
を備え、
前記駆動電圧波形は、電圧値を目標電圧値に対して所定の精度内に制御すべき目標波形部分と、それ以外の通常波形部分とから構成されており、
前記駆動電圧波形印加手段は、前記目標波形部分では、前記電源の発生する電圧値を前記目標電圧値に対して前記所定精度内に制御した状態で前記駆動素子に接続する手段であることを要旨とする。
かかる本発明の流体噴射装置では、駆動素子に印加する駆動電圧波形を記憶しているが、この駆動電圧波形には、印加電圧の目標値に対して所定以上の精度が要求される目標波形部分が設定されている。そして、互いに電圧値が異なる複数の電源を切り替えながら駆動素子に接続することで駆動電圧波形を印加していくが、駆動電圧波形の目標波形部分では、電源の電圧値を目標の電圧値に対して所定精度内に制御した状態で駆動素子に印加する。
駆動素子を駆動させて流体を噴射させる場合、駆動素子の動作を精度良く制御することが好ましいと考えられるが、実際には、駆動素子の動作の初めから終わりまでの全ての動作が流体滴のサイズ等に影響するわけではなく、サイズ等に大きく影響する箇所もあれば、さほど影響しない箇所もある。このことは、駆動素子を駆動させる駆動電圧波形についても、高い精度が要求される部分と、精度がそれほど要求されない部分とがあることを示している。こうした点に着目して、本発明の流体噴射装置では、駆動電圧波形の中で精度が要求される部分を目標波形部分として目標電圧値を設定しておき、その部分の電圧を印加する際には、電源が出力した電圧値を目標電圧値に対して所定の精度内に制御した状態で駆動素子に接続することで、精度の高い電圧波形を印加する。一方、精度が要求されない他の部分では、電源を切り替えて駆動素子に接続することによって、階段状に変化する電圧波形を印加する。こうすれば、階段状の電圧波形によって電力消費を抑制しつつも、精度が要求される部分では電圧波形を正確に印加することができるので、電力消費を抑制可能としながら、なお且つ、駆動素子を正確に制御することが可能となる。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、駆動電圧波形の電圧値が極大値となる箇所あるいは極小値となる箇所に目標波形部分を設けておくものとしてもよい。
電圧値が極大値や極小値となる箇所は、駆動素子の動作量が極大あるいは極小となる部分に対応するので、噴射する流体滴のサイズ等に大きな影響を与える。そこで、これらの部分を目標波形部分としておけば、こうした部分で駆動素子を正確に制御して流体を適切に噴射することが可能となる。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、電源と駆動素子との間の電気抵抗を制御することにより、目標電圧値に対して所定の精度内に制御した電圧を駆動素子に印加するものとしてもよい。
電気回路には、回路全体の静電容量や誘導係数によって定まる種々の特性(例えば、周波数特性や時定数)があるが、電気抵抗が変わっても、これらの特性が大きく影響を受けることはない。このため、電気抵抗を制御することによって電圧を所定の精度内に制御すれば、回路の特性を乱すことなく電圧波形を印加できるので、電圧波形に歪が生じる等の危惧を回避して電圧波形を精度良く印加することが可能となる。また、電気抵抗は、電界効果トランジスタ等を用いて比較的容易に制御することができるので、こうした素子を用いることによって、装置構成をより簡素化することも可能となる。
また、上述した本発明の流体噴射装置では、電気エネルギーを蓄積可能な素子を駆動素子として用いるものとしてもよい。例えば、ピエゾ素子などの容量性の素子を用いれば、電荷を保持することによって電気エネルギーを蓄積可能であるし、また、コイルなどの誘導性の素子を用いれば、素子の内部に生じる磁場によって電気エネルギーを蓄積可能なので、これらの素子を駆動素子として用いればよい。そして、蓄電部を電源と並列に接続しておくことによって、駆動素子を電源に接続した際に、駆動素子の電気エネルギーを蓄電部へと回生させるものとしてもよい。
駆動素子に供給した電気エネルギーを蓄電部に回生させておけば、電源を再び駆動素子に接続する際に、回生させておいた電気エネルギーを再び駆動素子に供給することができるので、電源から新たに供給する電気エネルギーを少なくすることが可能となる。これにより、電力消費をより抑制することが可能となる。
尚、蓄電部は、電気エネルギーを蓄積可能であれば、どのような素子を用いてもよく、例えば、二次電池などの化学的手段によって電気エネルギーを蓄積する素子を用いてもよいし、あるいは、コンデンサなどの電磁気学的手段によって電気エネルギーを蓄積する素子を用いてもよい。何れの素子を用いた場合でも、駆動素子に供給した電気エネルギーをその素子に回生させて再び利用することができるので、電力消費をより抑制することが可能となる。
また、本発明は、駆動電圧波形には精度が要求される部分と要求されない部分があるという性質に基づいて、電力消費を抑制しつつ駆動素子を正確に制御可能としている。こうした点に鑑みれば、本発明は、流体噴射装置に限られず、駆動素子を用いる種々の装置に適用することが可能である。従って、本発明は、駆動素子を駆動させる駆動回路として把握することも可能である。すなわち、
駆動電圧波形を駆動素子に印加する駆動回路であって、
前記駆動素子に印加する駆動電圧波形を記憶している駆動電圧波形記憶手段と、
互いに異なる電圧値の電力を出力する複数の電源を切り替えて前記駆動素子に接続することにより、該駆動素子に前記駆動電圧波形を印加する駆動電圧波形印加手段と
を備え、
前記駆動電圧波形は、電圧値を目標電圧値に対して所定の精度内に制御すべき目標波形部分と、それ以外の通常波形部分とから構成されており、
前記駆動電圧波形印加手段は、前記目標波形部分では、前記電源の発生する電圧値を前記目標電圧値に対して前記所定精度内に制御した状態で前記駆動素子に接続する手段であることを要旨とする駆動回路として把握することが可能である。
このような態様として把握される本発明の駆動回路においても、駆動素子に印加する駆動電圧波形を記憶しており、この駆動電圧波形は、印加する電圧の目標値に対して所定以上の精度が要求される目標波形部分と、それ以外の通常波形部分とから構成されている。そして、互いに電圧値が異なる複数の電源を切り替えながら駆動素子に接続することで駆動電圧波形を印加するとともに、駆動電圧波形の目標波形部分では、電源の電圧値を目標の電圧値に対して所定精度以内に制御した状態で電圧を印加する。
こうすれば、電源を切り替えながら接続することによって電力消費を抑制しつつ、精度が要求される目標波形部分では、駆動電圧波形を精度良く印加することができるので、電力消費を抑制可能としながら、なお且つ、駆動素子を正確に制御することが可能となる。
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.装置構成:
B.駆動電圧波形生成回路の構成:
C.駆動電圧波形印加処理:
D.第2実施例の駆動電圧波形生成回路:
E.第3実施例の駆動電圧波形生成回路:
A.装置構成 :
図1は、いわゆるインクジェットプリンタを例に用いて本実施例の流体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。図示されているように、インクジェットプリンタ10は、主走査方向に往復動しながら印刷媒体2上にインクドットを形成するキャリッジ20と、キャリッジ20を往復動させる駆動機構30と、印刷媒体2の紙送りを行うためのプラテンローラ40などから構成されている。キャリッジ20には、インクを収容したインクカートリッジ26や、インクカートリッジ26が装着されるキャリッジケース22、キャリッジケース22の底面側(印刷媒体2に向いた側)に搭載されてインクを噴射する噴射ヘッド24などが設けられており、インクカートリッジ26内のインクを噴射ヘッド24に導いて、噴射ヘッド24から印刷媒体2に向かって正確な分量のインクを噴射することが可能となっている。
キャリッジ20を往復動させる駆動機構30は、主走査方向に延設されたガイドレール38と、内側に複数の歯形が形成されたタイミングベルト32と、タイミングベルト32の歯形と噛み合う駆動プーリ34と、駆動プーリ34を駆動するためのステップモータ36などから構成されている。タイミングベルト32の一部はキャリッジケース22に固定されており、タイミングベルト32を駆動することによって、ガイドレール38に沿ってキャリッジケース22を精度良く移動させることができる。
また、印刷媒体2の紙送りを行うプラテンローラ40は、図示しない駆動モータやギア機構によって駆動されて、印刷媒体2を副走査方向に所定量ずつ紙送りすることが可能となっている。これらの各機構は、インクジェットプリンタ10に搭載されたプリンタ制御回路50によって制御されており、こうした各機構を用いて、インクジェットプリンタ10は、印刷媒体2を紙送りしながら噴射ヘッド24を駆動してインクを噴射することによって、印刷媒体2上に画像を印刷していく。
図2は、噴射ヘッド24の内部の機構を詳しく示した説明図である。図示されている様に、噴射ヘッド24の底面(印刷媒体2に向いている面)には、複数の噴射口100が設けられており、それぞれの噴射口100からインク滴を噴射することが可能となっている。各噴射口100はそれぞれインク室102に接続されており、インク室102には、インクカートリッジ26から供給されたインクが満たされている。各インク室102の上には、それぞれピエゾ素子104が設けられており、ピエゾ素子104に電圧を印加すると、ピエゾ素子が変形してインク室102を加圧することによって、噴射口100からインク滴を噴射することが可能となっている。また、ピエゾ素子104は、印加する電圧の電圧値に応じて変形量が変わるので、ピエゾ素子104に印加する電圧を適切に制御すれば、インク室102を押す力や押すタイミングを調節して、噴射するインク滴のサイズを変更することが可能である。このため、インクジェットプリンタ10は、電圧を次の様な波形に形成してからピエゾ素子104に印加している。
図3は、ピエゾ素子に印加する電圧波形(駆動電圧波形)を例示した説明図である。図示されている様に、駆動電圧波形は、時間の経過とともに電圧が上昇し、その後降下して元の電圧値に戻る台形状の波形をしている。また、図中には、こうした駆動電圧波形に応じてピエゾ素子が伸縮する様子が示されている。図示されている様に、駆動電圧波形の電圧値が上昇していくと、これに対応して、ピエゾ素子が徐々に収縮していく。このとき、ピエゾ素子に引っ張られる様にしてインク室が膨張するので、インクカートリッジからインク室内にインクを供給することができる。電圧値が上昇してピークに達した後、電圧値が降下していくと、今度は、ピエゾ素子が伸張することによって、インク室を圧縮して噴射口からインクを噴射する。このとき、駆動電圧波形は、元の電圧値(図中「初期電圧」と示した電圧値)よりも低い電圧値まで下がるようになっており、ピエゾ素子を初期状態よりも伸張させてインクを十分に押し出すことが可能となっている。その後、駆動電圧波形は初期電圧へと戻り、これに対応して、ピエゾ素子も初期状態へと戻って次の動作に備える。
この様に、ピエゾ素子は、駆動電圧波形に応じて伸縮するので、適切な駆動電圧波形をピエゾ素子に印加することによって、噴射口100から噴射するインク滴のサイズを制御することが可能である。そこで、本実施例のインクジェットプリンタ10は、こうした駆動電圧波形を適切に生成するための駆動電圧波形生成回路200を備えている。
B.駆動電圧波形生成回路の構成 :
図4は、駆動電圧波形生成回路およびその周辺の回路構成を示した説明図である。図示されている様に、駆動電圧波形生成回路200は、電源ユニット202と、スイッチユニット204と、電源ユニット202およびスイッチユニット204を制御する制御回路206などから構成されている。電源ユニット202は、内部に8個の電源(図中、V1〜V8と示した電源)が備えられた電源モジュールであり、これらの各電源からそれぞれ電圧を出力することが可能となっている。また、この8個の電源は、出力する電圧の電圧値が互いに異なっており、電源V1の電圧値が最も低く、電源V8に向かって電圧値が段々に高くなっていき、電源V8が最も高い電圧を出力するようになっている。尚、電源V1〜電源V8は、電圧を発生可能であればどのような電源であってもよく、例えば、定電圧回路などの電源回路を用いてもよいし、あるいは、電池やキャパシタなどの蓄電素子を用いてもよい。
電源ユニット202の各電源の出力は、スイッチユニット204へと接続されており、スイッチユニット204の各スイッチSW1〜SW8を操作して8個の電源を切り替えることによって、電圧波形を生成することが可能となっている。例えば、スイッチSW1のみをONにして他のスイッチをOFFにした状態では、電源V1のみが接続されているので、駆動電圧波形生成回路200からは電源V1の電圧値が出力される。その状態から、今度はスイッチSW2をONにして他のスイッチをOFFにすると、今度は、電源V2の電圧値が出力される。同様に、SW3をONして他のスイッチをOFFにすれば、今度は電源V3の電圧値が出力される。こうして、スイッチSW1からスイッチSW8までを順にONにしていけば、電源V1の電圧値から電源V8の電圧値まで電圧が上昇する電圧波形を出力することが可能となる。
尚、スイッチユニット204には、図示されている様に、電源ユニット202だけでなく、可変電源210も接続されている。可変電源210は、出力する電圧値を外部から指定可能な電源回路であり、制御回路206からの指示に従って指定された電圧値の電圧を出力することが可能となっている。本実施例の駆動電圧波形生成回路200では、電源ユニット202の各電源の電圧を出力可能なだけでなく、スイッチユニット204のスイッチSW0をONの状態にすることによって、可変電源210の電圧を出力することも可能となっている。この可変電源210を用いる動作については、後で詳しく説明する。
駆動電圧波形生成回路200が出力した電圧波形は、図示されている様に、ゲートユニット300へと導かれる。ゲートユニット300は複数のゲート素子302が並列に接続された構成となっており、それぞれのゲート素子302の先にはピエゾ素子104が接続されている。各ゲート素子302は、個別に導通状態または切断状態とすることが可能となっており、インクを噴射しようとする噴射口のゲート素子302だけを導通状態にすれば、対応するピエゾ素子104だけに電圧を印加して、その噴射口からインク滴を噴射することが可能となっている。
また、駆動電圧波形生成回路200とゲートユニット300とは、それぞれプリンタ制御回路50に接続されており、プリンタ制御回路50の命令に従って駆動されるようになっている。プリンタ制御回路50は、これらの回路構成を用いて、次のようにしてインク滴を噴射する。まず、印刷しようとする画像データに基づいて、インク滴を噴射する噴射口と、噴射するインク滴のサイズとを決定する。更に、噴射するインク滴のサイズに応じて、そのサイズのインク滴を噴射するための電圧波形(駆動電圧波形)を決定する。そして、ゲートユニット300に命令を送ってその噴射口に対応するゲート素子302を導通状態にさせるとともに、駆動電圧波形生成回路200に対して、決定した電圧波形のデータを送信する。これを受けて、駆動電圧波形生成回路200は、スイッチユニット204を順次切り替えていくことによって、指定された駆動電圧波形を生成し、ゲート素子302を介して指定された噴射口のピエゾ素子104へと駆動電圧波形を印加する。これにより、目的の噴射口から目的のサイズのインク滴が噴射される。
この様に、本実施例のインクジェットプリンタ10は、駆動電圧波形生成回路200で駆動電圧波形を生成し、駆動電圧波形をゲートユニット300を介してピエゾ素子に印加することによって、噴射口からインク滴を噴射する。また、駆動電圧波形生成回路200は、上述した様に、スイッチユニット204の各スイッチを操作して電源を切り替えることによって、駆動電圧波形を生成している。ここで、駆動電圧波形を生成する際にトランジスタなどの増幅素子を用いたのでは、前述した様に増幅素子での損失(コレクタ損失など)が生じてしまうので、消費電力が大きくなってしまったり、損失により生じた熱を逃がすための放熱板が必要となって装置が大型化してしまう。これに対して、本実施例の駆動電圧波形生成回路200では、複数の電源をスイッチで切り替えて駆動電圧波形を生成しているため、増幅素子での損失が生じることがなく、省電力化が可能となっている。更に、放熱板などの放熱装置を省略することも可能なので、装置を小型化することも可能となる。
もっとも、電源を切り替えて電圧波形を生成する上述した方法では、生成される電圧波形の電圧が階段状に変化してしまうので、波形制度の点では増幅素子を用いた方法におよばない。前述した様に、インクジェットプリンタ10は、駆動電圧波形でピエゾ素子を駆動させることによって噴射するインク滴のサイズを制御しているので、正確な波形を生成することができなければ、インク滴のサイズを正確に制御することが困難となる。しかし上述した構成を有する本実施例の駆動電圧波形生成回路200では、以下の様な方法で駆動電圧波形を生成することにより、省電力かつ小型化可能という利点を損なうことなく、正確な電圧波形を生成可能としている。
C.駆動電圧波形印加処理 :
図5は、本実施例の駆動電圧波形印加処理の流れを示したフローチャートである。かかる処理は、プリンタ制御回路50からの命令に従って駆動電圧波形を生成するための処理であり、プリンタ制御回路50から命令を受けると、駆動電圧波形生成回路200の制御回路206において実行される処理である。尚、こうした処理は、制御回路206内にマイコンチップ等のCPUを設けておき、その上でソフトウェアを実行することによって実現するものとしてもよいし、あるいは、いわゆるASICなどの専用ハードウェアを用いて実行するものとしてもよい。前述した様に、プリンタ制御回路50は、発生させる駆動電圧波形の波形データを制御回路206に向かって送信してくるので、駆動電圧波形印加処理を開始したら、先ず、送られてきた波形データを読み込む処理を行う(ステップS100)。
図6は、プリンタ制御回路から送信される波形データを例示した説明図である。図示されている様に、波形データは、発生させる駆動電圧波形が記録されたデータであり、波形データには、駆動電圧波形が「通常領域」と「精密領域」との2種類の領域に分類された状態で記録されている。尚、本実施例の駆動電圧印加処理では、駆動電圧波形をこうした2種類の領域に分類して取り扱うことによって、電力消費を抑制しつつ正確な駆動電圧波形を印加することを可能としている。この点については後で詳しく説明する。また、「通常領域」および「精密領域」は、駆動電圧波形に対してどのように設定されていてもよいが、本実施例では説明を簡単にするために、図示されている様に、電圧値がピークに達する部分が「精密領域」に設定されており、その他の部分は「通常領域」に設定されているものとして説明する。
波形データを取得したら、前述した様に、波形データに従いながらスイッチユニット204を操作して電源ユニット202の各電源を切り替えていくことによって、駆動電圧波形を生成することができる。とはいえ、電源ユニット202内に設けられた8つの電源を切り替えただけでは、電圧値を8段階に変更できるだけなので、出力可能な波形の精度は決して高いものではない。そこで、本実施例の駆動電圧波形印加処理では、電源ユニット202の各電源(ここでは8つ)に加えて、可変電源210を用いて駆動電圧波形を生成する。そして、駆動電圧波形の中の「通常領域」については電源ユニット202の各電源を用いて波形を生成し、「精密領域」については可変電源210を用いて正確に波形を生成することで、省電力化および小型化が容易という利点を保ったまま、実質的な波形精度の向上をはかっているのである。
そこで、図5に示した駆動電圧波形印加処理では、波形データを読み込むと(図5のステップS100)、その中から精密領域の電圧値を取得する(ステップS102)。例えば、図6の例では、波形のピークの部分に精密領域が設定されているので、図中「A」と示したピークの部分の電圧値を取得すればよい。精密領域の電圧値を取得したら、取得した電圧値を可変電源210へと設定することによって、可変電源210から精密領域の電圧値を発生させる。尚、可変電源210としては、種々の回路構成を用いることが可能であるが、簡単には、次に示す様に、2つのトランジスタを使用したいわゆるプッシュプル回路を用いればよい。
図7は、プッシュプル回路を用いた可変電源を例示した説明図である。図示されている様に、プッシュプル回路では、出力端子がトランジスタTr1を解して電源端子(図中「Vcc」と示した端子)に接続されており、更に、トランジスタTr2を解してGNDにも接続されている。トランジスタTr1およびトランジスタTr2は、ドライブ回路に接続されており、ドライブ回路は、外部から設定された電圧値に応じてトランジスタTr1およびトランジスタTr2を操作することによって、設定された電圧値の電圧を出力する。例えば、トランジスタTr1を操作すれば、トランジスタTr1を介して電源端子と出力端子とを接続することができるので、出力電圧値を上昇させることが可能となる。その一方で、トランジスタTr2を操作すれば、出力端子をGNDに接続することができるので、電圧値を降下させることが可能となる。この様に、トランジスタTr1およびトランジスタTr2を操作することによって、電圧を上昇あるいは降下させて所望の電圧値の電圧を出力することが可能となっている。また、図中に一点鎖線で示した様に、出力電圧をドライブ回路にフィードバックして出力電圧を監視することとすれば、出力電圧をより正確に制御することも可能となる。
こうした可変電源210に電圧値を設定して精密領域の正確な電圧値を発生させた状態で(図5のステップS104)、スイッチユニット204で各スイッチを切り替えることによって、電圧波形を生成すればよい。すなわち、通常領域では、前述した様に、スイッチユニット204のスイッチSW1〜SW8の各スイッチを順にONの状態にしていくことによって、電源ユニット202の各電源を用いて電圧波形を生成していき、精密領域では、スイッチSW0をONの状態にすることによって、可変電源210から出力させた正確な電圧値の電圧を印加すればよい。通常領域と精密領域とを切り替えるタイミングは、先に読み込んだ波形データ(図6を参照)から取得することが可能である。
一方、通常領域においても、電源ユニット202の8個の電源を順次切り替えていくが、この切り替えのタイミング(スイッチSW1〜スイッチSW8を操作するタイミング)は、予め所定の時間間隔(例えば1マイクロ秒間隔)に定めておけばよい。もっとも、このタイミングについても適切に調整してやれば、電圧波形をより正確に生成することが可能となる。そこで、本実施例では、通常領域と精密領域とを切り替えるタイミングだけでなく、電源ユニット202の8個の電源を切り替えるタイミングも適切に制御するために、スイッチユニット204の操作タイミングが記録されたデータ(スイッチタイミングデータ)を取得する(図5のステップS106)。
図8は、スイッチタイミングデータを例示した説明図である。図示されている様に、スイッチタイミングデータは、ONの状態にするスイッチと、ONの状態にするタイミングおよびONの状態にしておく時間間隔とが記述されたデータである。例えば、図8に示されている例では、スイッチユニット204の操作を開始すると、まず、スイッチSW3をONにする。そして、指定された時間(図中「t1」と示した時間)が経過したら、今度は、次に指定されているスイッチSW4をONにして、他のスイッチをOFFにする。その後、指定された時間(図中「t2」と示した時間)が経過したら、その次に指定されているスイッチSW5をONにして他のスイッチOFFにする。その後も同様に、時間の経過に沿って指定されたスイッチを操作していけばよい。また、通常領域から精密領域に切り替わるタイミングでは、スイッチSW0(可変電源210に接続されたスイッチ)をONにするようにスイッチタイミングデータを設定しておく。こうすれば、スイッチタイミングデータに従ってスイッチを操作していくことによって、適切なタイミングで通常領域から精密領域へ切り替えることも可能となる。
こうしたスイッチタイミングデータは、プリンタ制御回路50から取得するものとしてもよいし、制御回路206のROM上に予め記憶しておき、ROMから読み出して取得するものとしてもよい。例えば、プリンタ制御回路50が画像データに基づいて駆動電圧波形を決定する際に(図4を参照)スイッチタイミングデータを生成し、波形データと共に制御回路206へ送信してくるものとしてもよい。あるいは、制御回路206が複数種類のスイッチタイミングデータを予め記憶しておき、プリンタ制御回路50がその中から使用するスイッチタイミングデータを指定するものとしてもよい。こうすれば、発生させる駆動電圧波形に応じて適切なスイッチタイミングデータを用いることができるので、適切なタイミングでスイッチを切り替えて駆動電圧波形をより正確に発生させることが可能となる。こうしてスイッチタイミングデータを取得したら、実際にスイッチを操作することによって、駆動電圧波形をピエゾ素子に印加する(図5のステップS108)。
図9は、スイッチユニット204を操作することによって駆動電圧波形をピエゾ素子に印加する様子を示した説明図である。前述した様に、スイッチタイミングデータにはONの状態にするスイッチが指定されているので、これに従って指定されたスイッチをONにし、他のスイッチをOFFにしていく。図示されている例では、最初にスイッチSW3をONにするように指定されているので、スイッチSW3をONにして他のスイッチをOFFにしている。スイッチSW3は電源ユニット202の電源V3に接続されているので(図4を参照)、図9のグラフに示されている様に、電源V3の電圧値(図中「V3」と示した電圧値)が出力されてピエゾ素子に印加される。
電圧を印加した後、時間が経過してスイッチを切り替えるタイミングがきたら、再びスイッチタイミングデータに従ってスイッチを切り替える。図示されている例では、次にスイッチSW4をONにするように指定されているので、スイッチSW4をONにして他のスイッチをOFFにする。これにより、図示されている様に、ピエゾ素子には、電源V4の電圧値(図中「V4」と示した電圧値)に等しい電圧が印加される。このようにスイッチタイミングデータに従ってスイッチを順次操作していくことにより、駆動電圧波形をピエゾ素子に印加していくことができる。また、前述した様に、駆動電圧波形の中の精密領域に対応する部分では、可変電源210に接続されたスイッチSW0をONにするように指定されているので、精密領域では、可変電源210が出力した正確な電圧をピエゾ素子に印加することが可能となっている。
こうして駆動電圧波形をピエゾ素子に印加し、噴射口からインク滴を噴射させたら、制御回路206は、図5の駆動電圧波形生成処理を終了して、プリンタ制御回路50から再び命令を受けるまで待機する。前述した様に、プリンタ制御回路50は、印刷する画像データに基づいて、インクを噴射する噴射口とピエゾ素子に印加する電圧波形とを次々と決定していくので、制御回路206は、これに応じて、駆動電圧波形生成回路200を用いて電圧波形を生成し、ピエゾ素子に印加してインク滴を噴射していく。こうした動作を繰り返すことによって、インクジェットプリンタ10は、印刷媒体2上に画像を印刷していく。
この様に、本実施例の駆動電圧波形印加処理では、プリンタ制御回路50から波形データを受け取ると、精密領域の電圧を可変電源210から出力し(図5のステップS104)、スイッチユニット204を操作することによって、通常領域では電源ユニット202の各電源を用いて電圧波形を印加し、精密領域では可変電源210を用いて電圧波形を印加している。以下では、この様にして電圧波形を生成することで、電力消費を抑制しつつ、ピエゾ素子を適切に制御して正確なサイズのインク滴を噴射することが可能となる点について説明する。
図10は、本実施例の駆動電圧波形印加処理によって、電力消費を抑制しつつ、ピエゾ素子を適切に制御して正確なサイズのインク滴を噴射可能となる理由を示した説明図である。図示されている様に、本実施例の駆動電圧波形印加処理によって印加された波形は、精密領域では電圧値が正確に制御されているものの、通常領域では電圧が階段状に変化しており、全体が精度良く制御された波形とはなっていない。しかし、電圧波形によってピエゾ素子を駆動する場合、電圧波形を精度良く制御したい部分と、実際には精度があまり要求されない部分とがあると考えられることから、こうした電圧波形であっても正確なサイズのインク滴を噴射することが可能である。例えば、図3を用いて前述した様に、インク滴を噴射する際には、ピエゾ素子を駆動してインク室内にインクを引き込んだ後、インク室を収縮させることによってインク滴を噴射している。従って、インク滴のサイズは、インク室内にインクを引き込む過程よりも、インク室内に引き込んだインク量に大きく影響される。このことは、インク室内にインクを引き込む過程の電圧波形の制度はあまり高くなくても、インクを最大に引き込んだ状態でピエゾ素子に印加される最大電圧値を精度良く制御しておけば、正確なサイズのインク滴を噴射可能であることを示している。そこで、精度が要求される最大電圧値を精密領域に設定して、可変電源210を用いて電圧を精度良く制御することとし、一方、精度が要求されない途中の過程の領域は通常領域に設定して、複数の電源を切り替えて階段状の電圧波形を生成することとすれば、電力消費を抑制しつつ、ピエゾ素子を適切に制御して正確なサイズのインク滴を噴射することが可能となる。
また、精度が要求される部分と精度が要求されない部分とがあるという性質は、上述したインク室にインクを導く動作に限られず、電圧波形によってピエゾ素子を駆動するその他の動作についてもあてはまる場合が多い。こうした場合も、正確に制御すべき部分を精密領域に設定しておき、精度が要求されない部分を常領域に設定しておけば、通常領域では電力消費を抑制可能となるとともに、精密領域ではピエゾ素子を正確に制御してインク滴を正確に噴射することが可能となる。このように、本実施例の駆動電圧波形印加処理では、駆動電圧波形の必ずしも全ての領域を同じような高い精度で制御する必要があるわけではないことに着目して、駆動電圧波形の精密領域と通常領域とを別個の方法によって電圧印加することにより、電力消費を抑制可能としながら、なお且つ、インク滴を精度良く噴射することが可能となっている。
また、本実施例のインクジェットプリンタ10では、精度が要求されない部分で電源ユニット202の各電源を用いていることから、電源ユニット202の各電源には、簡素な構成の電源を用いることも可能となっている。例えば、コンデンサなどの蓄電素子を電源として用いることも可能である。こうした電源を用いた場合、蓄積されている電荷の量や、温度や湿度などの周囲の環境によって出力電圧値が変動することがあるが、これらの電源は精度が要求されない部分に用いられ、精度が必要な精密領域では可変電源210によって正確な電圧を印加するので、こうした環境の変化があったとしても、ピエゾ素子を正確に制御してインク適のサイズを正確に制御することが可能である。このため、こうした簡素な構成の電源を用いることによって、装置構成をより簡素化することも可能となっている。
更に、本実施例のインクジェットプリンタ10は、可変電源210によって精密領域の電圧値を調節できることから、環境の変化や装置自体の経年変化などによってピエゾ素子やインク室内のインクの特性が変化した場合であっても、インクを精度良く噴射することが可能となっている。すなわち、可変電源210によって電圧を調節してやれば、精密領域においては、ピエゾ素子の動作を調整してこれらの特性の変化の影響を低減させることが可能である。そして、前述した様に、精密領域はインクを正確に噴射する上で重要な部分なので、精密領域でこれらの変化の影響を低減させておけば、通常領域で多少の影響があってもインクを正確に噴射することが可能となる。このため、こうした特性の変化があった場合でも、インクを精度良く噴射することが可能となっている。
このように、本実施例のインクジェットプリンタ10では、環境変化や経年変化の影響を受けずに安定してインク滴を正確に噴射することも可能となるので、インクジェットプリンタ10を、様々な環境下で使用することも可能となっている。また、電力消費が抑制されていることから、インクジェットプリンタ10をバッテリーなどの携帯用の電源を用いて駆動することも可能である。従って、本実施例のインクジェットプリンタ10を持ち運んで様々な場所で使用することも可能となっている。
尚、上述した実施例では、説明を簡単にするために、精密領域は駆動電圧波形の中に一箇所だけ設定されているものとして説明した(図6を参照)。しかし、精密領域は一箇所に限られず、複数の箇所に設定されていてもよい。例えば、図11に示した例では、駆動電圧波形の電圧値が最大値に達する部分と、最小値に達する部分とに精密領域が設定されている。図3を用いて前述した様に、電圧値が最大値に達する部分は、ピエゾ素子が収縮してインク室102内にインクを導いた状態に対応しており、電圧値が最小値に達する部分は、ピエゾ素子が伸張してインク室を押し潰した状態に対応しているので、この部分もインク滴のサイズに影響を与える。従って、電圧の最大値および最小値を正確に制御してやれば、ピエゾ素子が押し出すインクの量をより正確に制御することが可能となり、その結果、より正確なサイズのインク滴を噴射することが可能となる。
また、精密領域は、必ずしも最大値や最小値の部分に設定しておく必要はなく、必要に応じて適切な部分に設定しておけばよい。例えば、噴射するインク滴のサイズやインクの粘度等によっては、電圧が最大値や最小値に達する部分ではなく、別の部分で電圧を正確に制御した方が好ましい場合もある。こうした場合には、最大値や最小値ではなく、精度が必要な部分に精密領域を設定しておけばよい。例えば、図12に示されている様に、電圧が変化している部分に設定しておくことも可能である。前述した様に、可変電源210は、トランジスタTr1およびトランジスタTr2を制御することによって出力する電圧値を自在に制御することができるので(図7を参照)、こうした電圧値が変化していく部分であっても電圧値を正確に出力することが可能である。また、電圧値が変化していく部分を正確に制御すれば、ピエゾ素子がインク室を圧縮する速度や力などを正確に制御することができるので、インク滴をより正確に噴射することが可能となる。
更には、精密領域を、駆動電圧波形の電圧値の範囲に対して設定しておくものとしてもよい。例えば、図13に示されている様に、駆動電圧波形の最大値の周囲の一定の電圧範囲に精密領域を設定しておくものとしてもよい。こうした場合も、精密領域では、可変電源210を用いることによって、正確な電圧値を出力してインク滴を正確に噴射することが可能となる。
尚、上述した実施例では、スイッチユニット204を操作して電源ユニット202と可変電源210とを切り替えるタイミングは、スイッチタイミングデータ(あるいは波形データ)に指定されているものとして説明した。しかし、この様に予め指定されたタイミングで電源を切り替えるのではなく、駆動電圧波形生成回路200から実際に出力された電圧値をモニターすることによって、切り替えるタイミングを決定することとしてもよい。例えば、図14に示されている様に、通常領域と精密領域との境目付近に閾値(閾電圧値)を設定しておき、駆動電圧波形生成回路200から出力されている電圧値をモニターして閾電圧値と比較する。駆動電圧波形の生成を開始すると、出力電圧値が徐々に上昇していき、やがて精密領域に差し掛かって出力電圧値が閾電圧値を超えるので、モニターしていた電圧値が閾電圧値を越えたことを検出したら、そのタイミングで可変電源210へと切り替える。こうすれば、実際に出力した電圧波形に基づいて切り替えるタイミングを決定することができるので、たとえピエゾ素子に大きな電流が流れる等の理由によって電圧波形に歪が生じたとしても、適切なタイミングで電源ユニット202と可変電源210とを切り替えることが可能となり、その結果、ピエゾ素子を的確に制御してインク滴を正確に出力することが可能となる。
D.第2実施例の駆動電圧波形生成回路 :
上述した実施例では、可変電源210を電源ユニット202とは別に用意しておき、可変電源210を用いて精密領域の電圧値を出力するものとして説明した(図4を参照)。しかし、可変電源210を用いずに、電源ユニット202の電源を用いて精密領域の電圧値を出力することも可能である。例えば、図15に例示されている駆動電圧波形を出力する場合には、精密領域の電圧値が電源ユニット202の電源V8の電圧値(図中「V8」と示した電圧値)よりも低いので、電源V8の電圧を精密領域の電圧値まで電圧降下させることによっても、精密領域の電圧値を精度良く出力することが可能である。以下では、こうした方法によって精密領域の電圧値を出力する第2実施例の駆動電圧波形生成回路について説明する。
図16は、電源ユニットの電源が出力した電力を電圧降下させることによって精密領域の電圧値を出力する第2実施例の駆動電圧波形生成回路を示した説明図である。図示されている様に、第2実施例の駆動電圧波形生成回路200では、電源ユニット202の各電源の出力が、切り替えスイッチ(図中「A」と示したスイッチ)に接続されており、切り替えスイッチの一方は、そのまま噴射ヘッドのピエゾ素子へと接続され、もう一方は、電圧降下部212を経由してからピエゾ素子へと接続されている。電圧降下部212は、制御回路206の指示に従って動作するようになっており、電力が供給されると、制御回路206に指示された電圧値だけ電圧を降下させてから、電力をピエゾ素子へと出力する。
精密領域の電圧を出力する際には、切り替えスイッチを電圧降下部212側に切り替えると共に、降下させる電圧値を電圧降下部212に指示する。こうすると、電源ユニット202の電源から出力された電圧を所望の電圧値の電圧に降下させることができるので、正確な電圧値の電圧をピエゾ素子へ印加することが可能となる。一方、通常領域では、切り替えスイッチをピエゾ素子の側に切り替えれば、電源ユニット202の各電源の電圧を直接ピエゾ素子に印加できるので、前述した実施例と同様に、電源ユニットの各電源を切り替えながらピエゾ素子に接続することによって、電力消費を抑制しながら電圧を印加することが可能となる。この様に、第2実施例の駆動電圧波形生成回路においても、通常領域では電源を切り替えながら電圧を印加することが可能となっており、精密領域では正確な電圧を印加することが可能となっているので、電力消費を抑制しつつ、インク滴を正確に噴射することが可能となっている。
尚、電圧降下部212は、電圧を降下させることが可能であればどのような回路構成を用いてもよいが、次の図17に示す回路構成を用いるとより好適である。
図17は、電圧降下部212の回路構成を例示した説明図である。図示されている様に、電圧降下部212は、FET1およびFET2の2つのFET素子を介して、電源ユニットから供給された電圧を噴射ヘッドへと出力する構成となっている。2つのFET素子は制御部214によって操作されるようになっており、制御部214は、降下させる電圧値を制御回路206から指定されると、FET1およびFET2を操作することによって電圧を降下させる。例えば、電源V8の電圧値を降下させる場合には、まず、電圧降下部212内のスイッチを操作してFET1のゲート端子に電圧を印加する(図17の上側の図を参照)。これにより、FET1が導通状態となるので、図中に一点鎖線で示されている様に、電源V8から噴射ヘッドのピエゾ素子に向かって電流が流れる。ここで、FET1の内部には電気抵抗があるので、いわゆるオームの法則に従って、FET1の電気抵抗と流れた電流との積に相当する電圧値の分だけ、電圧が降下する。FET1の内部の電気抵抗は、FET1のゲート端子に印加する電圧値によって制御することが可能なので、図示されている様に、制御部214がオペアンプOPを介してゲート端子の電圧値を調整することによって、FET1の電気抵抗を制御し、所望の電圧値だけ電圧を降下させて、精密領域の電圧値を正確に出力することが可能となっている。
また、ピエゾ素子に電流が供給されていくと、ピエゾ素子の電圧が上昇して電源V8の電圧との差が小さくなり、次第に電流が流れ難くなる。上述した様に、FET1は電流と電気抵抗との積に相当する分の電圧値を降下させるので、電流が流れ難くなった場合、電圧を降下させることが困難になる場合がある。そこで、こうした場合には、図17の下側の図に示されている様に、電源V7に接続された電圧降下部212のFET2を導通状態にしてやればよい。FET2に接続された電源V7は、電源V8よりも電圧が低いので、電源V8から電源V7に向かって電流が流れ、結果としてFET1に電流を流すことが可能となる。これにより、所望の電圧値だけ電圧を降下させて精密領域の電圧値を正確に出力することが可能となる。
この様に、図17に示した回路構成では、FET素子を用いて電気抵抗を制御することによって、精密領域の電圧値を正確に出力可能としている。一般に、電気回路では、回路全体の静電容量や誘導係数によって定まる種々の特性(例えば、周波数特性や時定数)が存在するが、電気抵抗を変更しても、これらの特性は大きく変わることがない。このため、回路特性の変化により電圧波形が乱れてしまう等の不具合を生じる虞が無く、精度の高い電圧波形を確実に印加することが可能となっている。また、FET素子は、ゲート電圧を調整することで電気抵抗を容易に制御することが可能であり、複雑な制御回路を必要としないので、図17の回路構成を用いれば、装置構成をより簡素に保つことも可能となる。
尚、電圧降下部212は、電源V1〜電源V8の全ての電源に設けておくのではなく(図16を参照)、一つだけ設けておくことも可能である。例えば、図18に示されている様に、スイッチユニット204の各出力を並列に接続した後に、切り替えスイッチ(図中「A」と示したスイッチ)を介して電圧降下部212を設けておく。精密領域の電圧値を出力する際には、スイッチユニット204を操作して電源を選択するとともに、切り替えスイッチを電圧降下部212の側に切り替えればよい。たとえば、電源V8の電圧を降下させる場合には、スイッチSW8をONの状態にして電源V8を選択した上で、切り替えスイッチを電圧降下部212側に切り替えて電源V8の電圧を降下させればよい。こうすれば、電圧降下部212を一つだけ設けておけば良いので、装置構成をより簡素化することが可能となる。
また、電圧降下部を一つだけ設けた場合には、図19に示されているように、電圧降下部212のFET2をGNDに接続しておくこととしてもよい。こうすれば、ピエゾ素子の電圧が上昇して電流が流れ難くなった場合であっても、FET2を介してGNDに電流を流すことができるので、電流によって電圧を降下させて、精密領域の電圧値を正確に出力することが可能となる。
更には、スイッチユニット204と電圧降下部212との間の切り替えスイッチ(図16および図18に「A」と示したスイッチ)を省略して、電源の電圧を常に電圧降下部212を介してピエゾ素子に出力することとしてもよい。前述した様に、電圧降下部212内のFET1(図17を参照)は電気抵抗を制御可能なので、FET1の電気抵抗を最も小さな状態に制御しておけば、電源がピエゾ素子に直接接続されている状況と電気的にほぼ同じ状況となる。このため、切り替えスイッチを用いなくても、電源の電圧をそのままピエゾ素子に供給することが可能となる。従って、切り替えスイッチを省略して回路の構成をより簡素化することも可能となる。これに対して、切り替えスイッチを備えておけば、スイッチを切り替えるだけで直ちに電源の電圧を直接印加することができ、FET1の電気抵抗を変更する時間が必要ないので、出力電圧をより高速に制御することが可能となる。
E.第3実施例の駆動電圧波形生成回路 :
図20は、電源ユニットの各電源にコンデンサを接続した第3実施例の駆動電圧波形生成回路を示した説明図である。図示されている様に、第3実施例の駆動電圧波形生成回路は、おおまかには、前述した第2実施例の駆動電圧波形生成回路(図16を参照)と同じ構成をしているが、電源ユニット202の各電源に、それぞれコンデンサC1〜C7が接続されている。こうした回路構成を用いると、ピエゾ素子に投入した電荷をコンデンサに回生させることも可能となり、その結果、電力消費をより抑制することが可能となる。こうした点について、図21を参照しながら簡単に説明する。
図21は、第3実施例の駆動電圧波形生成回路を用いて、ピエゾ素子に投入した電荷を回生する様子を示した説明図である。図21(a)には、電荷の回生に伴ってピエゾ素子の電圧が変化する様子が示されている。前述した様に、電源ユニット202の電源V1〜電源V8を順に接続していくことによってピエゾ素子に電圧が印加されており、ピエゾ素子の電圧値は、図中に「VP」と示した電圧値まで上昇している。ここで、ピエゾ素子は容量性の負荷であるから、電圧が印加された状態では、ピエゾ素子の内部に電荷を蓄えた状態となっている。第3実施例の駆動電圧波形生成回路では、このピエゾ素子が蓄えた電荷を次のようにしてコンデンサへと回生していく。まず、図21(b)に示されている様に、スイッチユニット204を操作してコンデンサC7とピエゾ素子とを接続する。ピエゾ素子の電圧は、コンデンサC7の電圧(電源ユニットの電源V7の電圧にほぼ等しい電圧)よりも高いので、ピエゾ素子からコンデンサC7に向かって電荷が流れていく。これにより、ピエゾ素子の電荷をコンデンサC7へと回生させることが可能となる。
電荷がコンデンサC7へと流れていくと、図21(a)に示されている様に、ピエゾ素子の電圧が徐々に低下していき、やがてコンデンサC7の電圧(図中「VC7」と示した電圧)と同じ電圧になる。この状態になると、ピエゾ素子からは電荷が流れ出さなくなるので、今度は、図21(c)に示されている様に、ピエゾ素子をコンデンサC6と接続する。コンデンサC6の電圧は、電源ユニット202の電源V6とほぼ同じ電圧になっており(図11を参照)、ピエゾ素子の電圧(VC7)よりも低いので、今度は、ピエゾ素子からコンデンサC6へと電荷を回生させることが可能となる。
コンデンサC6へと電荷を回生させると、ピエゾ素子の電圧が低下していき、やがてコンデンサC6と同じ電圧になるので(図中「t2」と示したタイミング)、今度は、ピエゾ素子をコンデンサC5へと接続すればよい。こうした動作を繰り返すことによって、ピエゾ素子の電荷をコンデンサC1〜C7に回生させることが可能となる。
こうしてコンデンサへと回生した電荷は、ピエゾ素子に電圧を印加する際に再び使用することが可能である。すなわち、コンデンサC1〜C7は、電源ユニットの各電源と並列に接続されているので(図21を参照)、スイッチユニット204を操作してやれば、電源ユニットからだけではなく、各コンデンサからもピエゾ素子に電力を供給することができる。この様に、第3実施例の駆動電圧波形生成回路では、ピエゾ素子に供給した電荷をコンデンサへと回生し、更に、回生した電荷を再びピエゾ素子へと供給することが可能である。このため、ピエゾ素子に電圧を印加する度に電荷の全てを電源ユニットから供給しなくてもよいので、電力消費を抑制することが可能となっている。
尚、第3実施例の駆動電圧波形生成回路では、ピエゾ素子に供給した電力だけでなく、電圧降下部212を用いて精密領域の電圧値を出力した際(図17を参照)に消費した電力についても、コンデンサに回生することが可能である。この点について、図22を用いて簡単に説明する。
図22は、電圧降下部212を用いた際に消費した電力を、コンデンサに回生する様子を例示した説明図である。前述した様に、電圧降下部212によって電圧を降下させる際には、電圧降下部212内のFET1を介してピエゾ素子に電流を流すことによって電圧を降下させており(図22の上側の図を参照)、また、ピエゾ素子の電圧が上昇した場合であっても電流が流れるように、FET2を介して電源V7へも電流を流している(下側の図を参照)。そこで、電源V7にコンデンサC7を接続しておけば、こうして流れてきた電流をコンデンサC7に蓄えることが可能となる。こうして蓄えた電力もピエゾ素子に電圧を印加する際に使用することができるので、電力消費をより抑制することが可能となる。
以上、本実施例の流体噴射装置について説明したが、本発明は上記すべての実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。例えば、より大型の噴射ヘッドを備えた印刷装置(いわゆるラインヘッドプリンタ等)であってもよい。このような印刷装置の場合、噴射ヘッドが大型化することに伴ってピエゾ素子の数が増えるので、電力消費が大きくなり、延いては、放熱対策のために装置が大型化してしまう虞がある。そこで、本発明を適用すれば、消費電力を抑えて装置が大型化してしまう事態を回避することが可能となる。また、大型の噴射ヘッドから適切なサイズのインク滴を噴射することが可能となるので、高品質な画像を迅速に印刷することが可能となる。更に、精密領域の電圧を調整することによってピエゾ素子や噴射口の特性のバラつきを補正することとすれば、噴射口やピエゾ素子の数が増えても特性のバラつきによって画質が低下してしまうことがないので、噴射口の数を更に増やして画像をより迅速に印刷することも可能となる。
また、上述した実施例では、インクジェットプリンタのピエゾ素子を駆動する場合を例にとって説明したが、本実施例で説明した駆動電圧波形生成回路は、電圧波形に応じて駆動する種々の装置に適用することが可能である。例えば、液晶パネルや有機ELパネルなどの電圧波形により駆動可能な表示装置に適用することも可能である。こうした種々の装置を駆動する場合も、駆動電圧波形には、精度が要求される部分と精度が要求されない部分とがあるので、精度が要求されない部分では電源を切り替えながら電圧を印加し、一方、精度が要求される部分では正確な電圧を印加することとすれば、電力消費を抑制することが可能となるとともに、装置を正確に制御することが可能となる。
インクジェットプリンタを例に用いて本実施例の流体噴射装置の大まかな構成を示した説明図である。 噴射ヘッドの内部の機構を詳しく示した説明図である。 ピエゾ素子に印加する電圧波形(駆動電圧波形)を例示した説明図である。 駆動電圧波形生成回路およびその周辺の回路構成を示した説明図である。 駆動電圧波形印加処理の流れを示したフローチャートである。 波形データを例示した説明図である。 プッシュプル回路を用いた可変電源を例示した説明図である。 スイッチタイミングデータを例示した説明図である。 スイッチユニット204を操作することによって駆動電圧波形をピエゾ素子に印加する様子を示した説明図である。 電力消費を抑制しつつ正確なサイズのインク滴を噴射可能となる様子を示した説明図である。 駆動電圧波形に精密領域を複数設定した様子を例示した説明図である。 電圧が変化している部分に精密領域を設定した様子を例示した説明図である。 駆動電圧波形の電圧範囲に対して精密領域を設けた様子を例示した説明図である。 出力電圧と閾電圧値とを比較することによって、切り替えタイミングを決定する様子を示した説明図である。 電源ユニットの電源の電圧を降下させることによって、精密領域の電圧値を精度よく出力する様子を示した説明図である。 電源ユニットの電源が出力した電圧を電圧降下させることによって、精密領域の電圧値を出力可能となる様子を概念的に示した説明図である。 電圧降下部の回路構成を例示した説明図である。 電圧降下部を一つだけ備えた駆動電圧波形生成回路を示した説明図である。 電圧降下部212のFET2をGNDに接続した様子を示した説明図である。 電源ユニットの各電源にコンデンサを接続した第3実施例の駆動電圧波形生成回路を示した説明図である。 第3実施例の駆動電圧波形生成回路を用いてピエゾ素子に投入した電荷を回生する様子を示した説明図である。 電圧降下部を用いた際に消費した電力を、コンデンサに回生する様子を示した説明図である。
符号の説明
10…インクジェットプリンタ、 20…キャリッジ、 24…噴射ヘッド、
26…インクカートリッジ、 30…駆動機構、 40…プラテンローラ、
50…プリンタ制御回路、 100…噴射口、 102…インク室、
104…ピエゾ素子、 200…駆動電圧波形生成回路、
202…電源ユニット、 204…スイッチユニット、 206…制御回路、
210…可変電源、 300…ゲートユニット、 302…ゲート素子

Claims (4)

  1. 噴射口から流体を噴射する流体噴射装置であって、
    印加される電圧に応じて前記流体を加圧することにより、前記噴射口から該流体を噴射させる駆動素子と、
    前記駆動素子に印加する駆動電圧波形を記憶している駆動電圧波形記憶手段と、
    互いに異なる電圧値の電力を出力する複数の電源を切り替えて前記駆動素子に接続することにより、該駆動素子に前記駆動電圧波形を印加する駆動電圧波形印加手段と
    を備え、
    前記駆動電圧波形は、電圧値を目標電圧値に対して所定の精度内に制御すべき目標波形部分と、それ以外の通常波形部分とから構成されており、
    前記駆動電圧波形印加手段は、前記目標波形部分では、前記電源の発生する電圧値を前記目標電圧値に対して前記所定精度内に制御した状態で前記駆動素子に接続する手段である流体噴射装置。
  2. 前記目標波形部分は、前記駆動電圧波形の電圧値が極大値となる箇所または極小値となる箇所の少なくとも一方を含んだ波形部分である請求項1に記載の流体噴射装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の流体噴射装置であって、
    前記駆動電圧波形印加手段は、前記目標波形部分では、前記電源と前記駆動素子との間の電気抵抗値を制御することにより、該電源の電力を前記目標電圧値に対して前記所定の精度内に制御した状態で該駆動素子に印加する手段である流体噴射装置。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の流体噴射装置であって、
    前記駆動素子は、電気エネルギーを蓄積可能な素子であるとともに、
    前記複数の電源の中の少なくとも一つの電源には、電気エネルギーを蓄積可能な蓄電部が該電源と並列に接続されており、
    前記駆動電圧波形印加手段は、前記蓄電部が接続された電源を前記駆動素子に接続することにより、該駆動素子内の電気エネルギーを前記蓄電部に回生させる手段である流体噴射装置。
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