JP2010099143A - 生体状態推定システム - Google Patents

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Abstract

【課題】生体状態の推定をより高精度に行うことができる生体状態推定システムを提供すること。
【解決手段】生体状態推定システム100は、基準温度TMP1、基準温度TMP1よりも低い温度TMP3、及び基準温度TMP1よりも高い温度TMP2を含む少なくとも三つの異なる温度の温度刺激を被験者の特定部位に対して付与する刺激付与手段10と、それら少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する運転者の生体反応を検出する生体反応検出手段11と、それら少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する運転者の生体反応の大きさに基づいて運転者の生体状態を推定する生体状態推定手段12と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、刺激に対する生体反応から生体状態を推定する生体状態推定システムに関する。
従来、車両を運転する運転者に対して周期的にリファレンス用の微振動を与えてリファレンス用の皮膚電位反応を周期的に取得しながら、所定のタイミングで状態推定用の微振動を与えて状態推定用の皮膚電位反応を取得し、リファレンス用の皮膚電位反応の大きさと状態推定用の皮膚電位反応の大きさとを比較することで、リファレンス用の覚醒度と比べてその運転者の覚醒度が高いか低いかを推定する状態推定システムが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2007−117608号公報
しかしながら、特許文献1に記載の状態推定システムは、リファレンス用の微振動に対する皮膚電位反応の大きさと状態推定用の微振動に対する皮膚電位反応の大きさとを比較することで、現時点における運転者の覚醒度とレファレンス用の覚醒度との間の相対的な大小関係を推定するに留まり、運転者の覚醒度の絶対的なレベルを推定することができず、レファレンス用の覚醒度が高い場合や低い場合には意味のある推定ができない場合がある。
また、温度刺激に対する生体反応は、その温度刺激と体表面温度との間の温度差が大きいほど生体反応が大きくなるので(その温度刺激が体表面温度より低くても或いは高くても生体反応は大きくなる。)、特許文献1に記載の状態推定システムは、刻々と変動する体表面温度に近い温度の温度刺激(刺激は、被験者に不快感を与えない程度である必要がある。)を用いながらその体表面温度を推定するには不適である。
上述の点に鑑み、本発明は、生体状態の推定をより高精度に行うことができる生体状態推定システムを提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、第一の発明に係る生体状態推定システムは、基準温度、該基準温度よりも低い温度、及び該基準温度よりも高い温度を含む少なくとも三つの異なる温度の温度刺激を被験者の特定部位に対して付与する刺激付与手段と、前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する前記被験者の生体反応を検出する生体反応検出手段と、前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する前記被験者の生体反応の大きさに基づいて前記被験者の生体状態を推定する生体状態推定手段と、を備えることを特徴とする。
また、第二の発明は、第一の発明に係る生体状態推定システムであって、前記生体状態推定手段は、前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する前記被験者の生体反応の大きさに基づいて前記被験者の生体反応の大きさが最小となる温度刺激の温度を導き出し、該温度に基づいて前記被験者の温まり具合又は冷え具合を推定することを特徴とする。
また、第三の発明は、第二の発明に係る生体状態推定システムであって、前記生体状態推定手段による前記被験者の温まり具合又は冷え具合の推定結果に応じて空調を制御する空調制御手段を更に備えることを特徴とする。
また、第四の発明は、第一の発明に係る生体状態推定システムであって、前記刺激付与手段は、前記被験者の少なくとも二箇所の特定部位のそれぞれに対して前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激を付与し、当該生体状態推定システムは、前記少なくとも二箇所の特定部位のそれぞれで検出された生体反応に基づく前記生体状態推定手段による生体状態の推定結果に基づいて、前記被験者を取り巻く環境状態を推定する環境状態推定手段を更に有することを特徴とする。
また、第五の発明は、第四の発明に係る生体状態推定システムであって、前記環境状態推定手段による前記被験者を取り巻く環境状態の推定結果に応じて空調を制御する空調制御手段を更に備えることを特徴とする。
上述の手段により、本発明は、生体状態の推定をより高精度に行うことができる生体状態推定システムを提供することができる。
人間は、体の冷えを感じると手先の毛細結果における血流を少なくし、その結果、手指の表面温度を低下させる。手指の表面温度が低下すると、手指の表面温度が高い場合に比べて、暖かいものに触れた場合の自律神経反応が大きくなる。
本発明は、このような人体のメカニズムを利用して、温度刺激に対する生体反応の大きさから体の温まり具合(冷え具合)を推定する。
以下、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態の説明を行う。
図1は、本発明に係る生体状態推定システムの構成例を示すブロック図であり、生体状態推定システム100は、運転者の体の温まり具合(冷え具合)を推定するための車載装置であって、制御部1、生体反応検出部2、温度刺激付与部3、空調部4及びルーバー駆動部5から構成される。
制御部1は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、NVRAM(Non Volatile RAM)等を備えたコンピュータであって、例えば、刺激付与手段10、生体反応検出手段11、生体状態推定手段12、空調制御手段13及び環境状態推定手段14のそれぞれに対応するプログラムをROMに記憶しながら、各手段に対応する処理をCPUに実行させる。
生体反応検出部2は、生体反応を検出するための装置であって、例えば、眼電計、脳波計、心電図計、皮膚電位計、筋電図計等であり、制御部1からの制御信号に応じて検出を開始し、検出した値を制御部1に対して出力する。
本実施例では、皮膚電位計を用いて運転者の掌と前腕部とに装着される一対の電極間の電位差を測定し、運転者の皮膚電気活動を監視する。なお、皮膚電位計の一方の電極は、ステアリングホイールの表面に電極を露出させた状態で埋め込まれていてもよい。
温度刺激付与部3は、温度刺激を付与するための装置であり、例えば、ステアリングホイールの表面に配置されるペルチェ素子であって、制御部1からの制御信号に応じてその接触面を所定の温度状態に移行させ、運転者の掌の特定部位に温度刺激を付与できるようにする。また、温度刺激付与部3は、非接触で運転者の掌や手の甲に温度刺激を付与するスポットヒータであってもよい。
空調部4は、車室内の温度を調節する空調装置であり、ルーバー駆動部5は、カーエアコンの温風又は冷風の吹き出し口に備えられたルーバーの傾斜角を変化させるアクチュエータである。
次に、制御部1が有する各種手段について説明する。
刺激付与手段10は、運転者に対して刺激を付与するための手段であり、例えば、エンジン始動時に温度刺激付与部3に対して制御信号を出力し、運転者の掌の特定部位に三つの異なる温度の温度刺激を順番に付与させる。
三つの異なる温度は、温度刺激に対する運転者の生体反応が最も小さいと推定されるときのその温度刺激の温度(以下、「基準温度」とし、例えば、体表面温度や体温に相当する。)TMP1と、その基準温度より高い温度TMP2と、その基準温度より低い温度TMP3とから成り、それぞれの温度の間の温度差αは、人間の温度分解能(短時間に複数の温度刺激が与えられたときに温度の違いを認識可能な最小温度差であり、例えば、2℃である。)より大きく設定される。なお、本実施例では、TMP1−TMP2間及びTMP1−TMP3間の温度差αは等しいものとされるが、TMP1−TMP2間の温度差とTMP1−TMP3間の温度差とが異なるものであってもよい。
また、それら三つの異なる温度は、各国又は各種団体によって規定される低温火傷等に関する安全基準を満たす温度であり、例えば、10℃〜42℃の間で設定され、好適には、運転者に違和感や不快感を与えることのない温度であって、温度差αが小さく、且つ、それぞれの温度の温度刺激に対応する生体反応の大きさの間の差が大きくなる温度であり、予めNVRAMに登録されているものとする。
なお、それら三つの異なる温度は、運転者毎に登録されていてもよく、タッチパネルやエスカッションボタン等の入力装置を介して調整可能としてもよい。
また、刺激付与手段10は、温度刺激付与部3(ペルチェ素子)におけるゼーベック効果を利用して、運転者の掌と接触する温度刺激付与部3の表面温度を検出し、検出した温度に基づいて基準温度を自動的に決定するようにしてもよい。
エンジン始動時に温度刺激を付与するのは、運転者の体の温まり具合(冷え具合)を早期に推定して必要に応じてエアコンを自動的に始動させるためである。
また、刺激付与手段10は、エアコン始動後にも所定間隔(例えば、5分間隔である。)で一連の温度刺激を付与するようにしてもよい。運転者の体の温まり具合(冷え具合)を定期的に推定してエアコンの動作状態を調整するためである。
図2は、温度刺激の付与及び生体反応の検出のタイミングを説明するための図であり、第一縦軸(図の左側の縦軸)に皮膚電気活動の電位差、第二縦軸(図の右側の縦軸)に温度刺激の温度、横軸に時間を配し、皮膚電気活動の電位差の推移を一点鎖線で示し、温度刺激付与部3が生成する温度刺激の温度の推移を実線で示す。
また、図2は、時刻T1においてTMP3(34℃)の第一温度刺激が付与され、時刻T2においてTMP1(36℃)の第二温度刺激が付与され、時刻T3においてTMP2(38℃)の第三温度刺激が付与されることを示す。なお、時刻T1、T2、及びT3のそれぞれの時間間隔は、本実施例では15秒間で一定とされるが、それぞれ異なる時間間隔が採用されてもよい。
また、時間間隔D1〜D3は、三つの温度刺激のそれぞれに対する生体反応を検出するための時間間隔であって、各温度刺激の付与が継続する時間を含み、時間間隔D1は、第一温度刺激に対する生体反応を検出するための時間間隔を示し、時間間隔D2は、第二温度刺激に対する生体反応を検出するための時間間隔を示し、時間間隔D3は、第三温度刺激に対する生体反応を検出するための時間間隔を示す。
本実施例において時間間隔D1〜D3は、10秒間で一定とされるが、それぞれ異なる時間間隔が採用されてもよい。また、各温度刺激の継続時間も本実施例では全て等しい時間間隔とされるが、人間が温度の変化を感じ取ることができる時間間隔(例えば、5秒である。)以上であれば、異なる時間間隔が採用されてもよい。
また、変動幅V1〜V3は、生体反応の大きさを示す指標であり、変動幅V1は、時間間隔D1における皮膚電気活動の電位差の最大値と最小値との間の差を示し、変動幅V2は、時間間隔D2における皮膚電気活動の電位差の最大値と最小値との間の差を示し、変動幅V3は、時間間隔D3における皮膚電気活動の電位差の最大値と最小値との間の差を示す。
なお、生体反応検出手段11は、変動幅V1、V2、V3の代わりに、各時間間隔D1〜D3における皮膚電気活動の電位差の最大微分値を、生体反応の大きさを示す指標としてもよい。
本実施例において、刺激付与手段10は、温度刺激の温度を三段階に上昇させるが、三段階に下降させてもよく、上昇させた後に下降させてもよく、下降させた後に上昇させてもよい。また、刺激付与手段10は、四つ以上の異なる温度の温度刺激を順番に付与させてもよい。
また、刺激付与手段10は、特に温度刺激付与部3がペルチェ素子のように運転者の掌に接触するものである場合には、各温度刺激の合間において温度刺激付与部3での熱の発生を停止させるようにしてもよく、或いは、温度刺激付与部3の温度を基準温度以下の所定温度で維持させるようにしてもよい。
生体反応検出手段11は、刺激付与手段10によって付与された刺激に対する生体反応を検出するための手段であり、図2で示すように、時間間隔D1、D2、及びD3のそれぞれの時間間隔中に生体反応検出部2が出力する皮膚電気活動の電位差を継続的に取得し、変動幅V1、V2、及びV3をそれぞれ生体反応の大きさを表す指標として導き出す。
また、生体反応検出手段11は、刺激付与手段10による三つの異なる温度の温度刺激の付与が行われる前に生体反応検出部2を始動させ、それら一連の温度刺激の付与が終了した後に生体反応検出部2を休止させるようにしてもよい。必要十分な生体反応のみを検出するためである。
生体状態推定手段12は、生体反応検出手段11が検出した、三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する生体反応の大きさに基づいて生体状態を推定するための手段であり、本実施例では、運転者の温まり具合(冷え具合)を推定する。
図3は、生体状態推定手段12による生体状態の推定の一例を説明するための図であり、縦軸に変動幅、横軸に温度刺激の温度を配する。なお、図3におけるV1〜V3は、図2で得られた変動幅V1〜V3(V1>V3>V2)に対応している。
生体状態推定手段12は、座標点P1(第一温度刺激の温度34℃とその第一温度刺激に対する皮膚電気活動における電位差の変動幅V1とから成る座標点)と座標点P2(第二温度刺激の温度36℃とその第二温度刺激に対する皮膚電気活動における電位差の変動幅V2とから成る座標点)とを通る線分の傾き、及び、座標点P2と座標点P3(第三温度刺激の温度38℃とその第三温度刺激に対する皮膚電気活動における電位差の変動幅V3とから成る座標点)とを通る線分の傾きを導き出す。
その後、生体状態推定手段12は、二つの傾きのうち絶対値が大きい方の傾きを持つ線分(この場合、線分P1−P2である。)を選択し、座標点P3を通り且つその傾きが線分P1−P2に対して左右対称となる線分L1を導き出し、線分P1−P2と線分L1との交点P4を導き出す。
その結果、生体状態推定手段12は、交点P4に対応する温度(この場合、基準温度(36℃)よりも僅かに高い36.3℃であり、仮に、この温度で温度刺激を付与していたら、生体反応が最も小さかったものと推定される温度であって、以下、「評価温度」とする。)を導き出し、この評価温度に基づいて運転者の温まり具合(冷え具合)を推定する。
例えば、生体状態推定手段12は、評価温度が35℃以上37℃以下の範囲にある場合、運転者が暑さも寒さも感じていないと推定し、評価温度が37℃を上回る場合、運転者が暑さを感じていると推定し、また、評価温度が35℃を下回る場合、運転者が寒さを感じていると推定する。なお、評価温度と推定内容と間の対応関係は、ルックアップテーブルの形式でNVRAMに予め記録されているものとする。
なお、刺激付与手段10は、この時点で導き出された評価温度を次回の基準温度として採用するようにしてもよい。
図4は、図3と同様に、生体状態推定手段12による生体状態の推定の別の例を説明するための図であり、図4(A)は、座標点P3における変動幅V3が最も大きく、座標点P1における変動幅V1と座標点P2における変動幅V2とがほぼ等しく、評価温度が基準温度(36℃)よりも低い35℃となる場合を示す。この場合、生体状態推定手段12は、運転者が暑さも寒さも感じていないと推定することとなる。
また、図4(B)は、変動幅がV1、V2、V3の順に小さくなり、評価温度が38℃以上(評価温度の値は特定されない。)となる場合を示す。この場合、生体状態推定手段12は、運転者が暑さを感じていると推定することとなる。
また、図4(C)は、変動幅がV1、V2、V3の順に大きくなり、評価温度が34℃以下(図4(B)の場合と同様に評価温度の値は特定されない。)となる場合を示す。この場合、生体状態推定手段12は、運転者が寒さを感じていると推定することとなる。
なお、図4(D)に示すように、変動幅V1、V2、V3にほとんど差が見られない場合には、各温度刺激の間の温度差αが小さ過ぎるものと推定されるので、刺激付与手段10は、次回の各温度刺激の間の温度差αを増大させるようにする。
空調制御手段13は、空調部4による空調の始動若しくは停止又は設定温度の調節を制御するための手段であり、例えば、生体状態推定手段12により運転者が暑さを感じていると推定された場合、空調部4による空調を始動させ若しくは設定温度を低減させ、一方で、運転者が寒さを感じていると推定された場合、空調部4による空調を停止させ若しくは設定温度を増大させる。
このように、生体状態推定システム100は、本実施例では、三つの異なる温度の温度刺激の付与とそれら温度刺激に対する生体反応の検出とを40秒程度で実施し、検出した生体反応の大きさに基づく生体状態の推定結果を一回得ることができる。
環境状態推定手段14は、運転者の周囲環境の状態を推定するための手段であり、例えば、生体状態推定手段12により運転者の二箇所以上の特定部位(例えば、右手及び左手である。)のそれぞれに対応して配置された生体反応検出部2の出力に基づいて運転者の右手及び左手のそれぞれから順番に一回ずつ生体状態の推定結果を取得し、右手に付与された温度刺激を通じて推定される運転者の温まり具合(冷え具合)と左手に付与された温度刺激を通じて推定される運転者の温まり具合(冷え具合)とに基づいて運転者の周囲環境の状態を推定する。
環境状態推定手段14は、右手経由の場合に運転者が寒さを感じていると判定し、左手経由の場合に運転者が暑さも寒さも感じていないと判定したとき、空調部4が吹き出す冷風が直接右手に当たっている状態を推定する。
また、環境状態推定手段14は、右手経由の場合に運転者が暑さを感じていると判定し、左手経由の場合に運転者が暑さも寒さも感じていないと判定したときには、強い日差しが運転席の右側のウィンドウを通して差し込んでいる状態を推定する。
なお、環境状態推定手段14は、生体状態推定手段12による推定結果に加え、ルーバー駆動部5、照度センサ、又は温度センサ等の出力を取得し、運転者の周囲環境の状態の推定精度を向上させるようにしてもよい。
また、環境状態推定手段14は、右手経由及び左手経由の生体状態推定結果の組み合わせの他、上半身経由及び下半身経由(例えば、足裏に対応して配置された生体反応検出部2の出力に基づく。)の生体状態推定結果の組み合わせ、体の前面経由及び体の背面経由(例えば、背中に対応して配置された生体反応検出部2の出力に基づく。)の生体状態推定結果の組み合わせ等、他の組み合わせに基づいて運転者の周囲環境の状態を推定するようにしてもよい。
制御部1は、環境状態推定手段14により、空調部4による冷風が直接運転者の右手に当たっている状態を推定した場合、空調制御手段13により空調部4に対して制御信号を出力し設定温度を増大させたり、或いは、ルーバー駆動部5に対して制御信号を出力し冷風の吹き出し方向を運転者の右手に向かう方向から逸らせたり冷風の吹き出しを遮断させたりしてもよい。
また、制御部1は、環境状態推定手段14により、強い日差しが運転席の右側のウィンドウから差し込んでいる状態を推定した場合、空調制御手段13により空調部4に対して制御信号を出力し設定温度を低減させたり、或いは、ルーバー駆動部5に対して制御信号を出力し冷風の吹き出し方向を運転者の右半身に当たる方向に変更させたり冷風の吹き出しを更に増大させたりしてもよい。
次に、図5を参照しながら、生体状態推定システム100が運転者の温まり具合を推定する処理(以下、「温まり具合推定処理」とする。)について説明する。なお、図5は、温まり具合推定処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、制御部1は、温度刺激付与部3(ペルチェ素子)におけるゼーベック効果を利用して、運転者の掌と接触する温度刺激付与部3の表面温度を検出し、検出した表面温度に基づいて基準温度TMP1を設定する。また、制御部1は、温度差αを人間の温度分解能の最小値である2℃とし、TMP1+2℃をTMP2に設定し、TMP1−2℃をTMP3に設定する(ステップS1)。
次に、制御部1は、刺激付与手段10により温度TMP3の第一温度刺激を5秒間に亘って運転者に付与し(ステップS2)、第一温度刺激を付与した後10秒間に亘って生体反応検出手段11により生体反応検出部2の出力をRAMに記録する(ステップS3)。
第一温度刺激を付与した15秒後に、制御部1は、刺激付与手段10により温度TMP1の第二温度刺激を5秒間に亘って運転者に付与し(ステップS4)、第二温度刺激を付与した後10秒間に亘って生体反応検出手段11により生体反応検出部2の出力をRAMに記録する(ステップS5)。
更に、第二温度刺激を付与した15秒後に、制御部1は、刺激付与手段10により温度TMP2の第三温度刺激を5秒間に亘って運転者に付与し(ステップS6)、第三温度刺激を付与した後10秒間に亘って生体反応検出手段11により生体反応検出部2の出力をRAMに記録する(ステップS7)。
その後、制御部1は、生体状態推定手段12によりステップS3、S5、及びS7で記録した生体反応検出部2の出力である皮膚電気活動の電位差の推移に基づいてそれぞれの温度刺激に対する生体反応の大きさ(電位差の変動幅の大きさV1、V2、V3)を導き出し、図3で説明した方法を用いて評価温度を導き出す(ステップS8)。
その後、制御部1は、生体状態推定手段12によりNVRAMに記憶されたルックアップテーブルを参照し、評価温度に対応する推定内容を抽出して運転者の体の温まり具合を推定する(ステップS9)。
次に、図6を参照しながら、生体状態推定システム100が運転者の掌に温度刺激を付与して運転者の温まり具合を推定したその一回の推定結果に応じて空調部4を制御する処理(以下、「第一空調制御処理」とする。)について説明する。なお、図6は、第一空調制御処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、制御部1は、図5のフローチャートで示す温まり具合推定処理により運転者の体の温まり具合を推定し(ステップS10)、運転者が暑さを感じていると推定した場合(ステップS11のYES)、空調制御手段13により空調部4に対して制御信号を出力し空調の設定温度を低減させる(ステップS12)。運転者が感じている暑さを和らげるためである。
一方、運転者が暑さを感じているとは推定せず(ステップS11のNO)、寒さを感じていると推定した場合(ステップS13のYES)、制御部1は、空調制御手段13により空調部4に対して制御信号を出力し空調の設定温度を増大させるようにする(ステップS14)。運転者が感じている寒さを和らげるためである。
このように、生体状態推定システム100は、運転者の体の温まり具合(冷え具合)を迅速且つ高精度に推定することで、空調部4を迅速かつ適切に自動制御することができる。
また、生体状態推定システム100は、短期間に連続して付与される異なる三つの温度の温度刺激を用いるので、周囲環境に応じて変動し易い運転者の体の温まり具合(冷え具合)を高精度に推定することができる。
次に、図7を参照しながら、生体状態推定システム100が運転者の右手の掌及び左手の掌の二つの部位に温度刺激を付与して運転者の温まり具合を推定したその二回の推定結果に基づいて空調部4を制御する処理(以下、「第二空調制御処理」とする。)について説明する。なお、図7は、第二空調制御処理の流れを示すフローチャートである。
最初に、制御部1は、図5のフローチャートで示す温まり具合推定処理により、運転者の右手の掌に温度刺激を付与して運転者の体の温まり具合を推定し(ステップS20)、次いで、運転者の左手の掌に温度刺激を付与して同様に運転者の体の温まり具合を推定する(ステップS21)。
その後、制御部1は、右手の掌に対する温度刺激に基づいた場合にのみ運手者が暑さを感じていると推定した場合(ステップS22のYES)、環境状態推定手段14により、右ウィンドウを通して強い日差しが入射している状態を推定し(ステップS23)、空調制御手段13により、ルーバー駆動部5に対して制御信号を出力して運転者の右手前方にある冷風吹き出し口のルーバーの角度を変化させ運転者の体の右側に冷風が当たるようにする(ステップS24)。これにより、運転者は、体の右側にだけ冷風を受けることで、体の左側の快適な状態をそのままとしながら、直射日光により暑さを感じてしまうのを避けることができる。
一方、右手の掌に対する温度刺激に基づいて運手者が暑さを感じているとは推定しなかったが(ステップS22のNO)、右手の掌に対する温度刺激に基づいた場合にのみ運手者が寒さを感じていると推定した場合(ステップS25のYES)、制御部1は、環境状態推定手段14により、運転者の右手前方にある冷風吹き出し口からの冷風が運転者の右手に直接当たっている状態を推定し(ステップS26)、空調制御手段13により、ルーバー駆動部5に対して制御信号を出力して運転者の右手前方にある冷風吹き出し口のルーバーの角度を変化させ冷風吹き出し口から吹き出す冷風の向きを運転者の右手に向かう方向から逸らすようにする(ステップS27)。この場合、右手に当たる冷風が遮断されるだけであり、空調が休止されるわけではないので、運転者は、右手での快適さと引き替えに暑さを感じてしまうようなこともなく、体全体で快適さを享受することができる。
このように、生体状態推定システム100は、体の複数の特定部位に一連の温度刺激を付与しながら運転者の温まり具合(冷え具合)を迅速且つ高精度に推定することで、環境状態に応じた柔軟で細分化された空調を実現でき、また、温まり具合(冷え具合)が異なる体の各部位に応じた必要十分な空調を実現することで省エネルギーを達成できる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなしに上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、上述の実施例において、生体状態推定システム100は、判定温度に基づいて運転者の体の温まり具合(冷え具合)を推定するが、判定温度に基づいて眠気度、疲労度等を推定するようにしてもよい。この場合、判定温度と眠気度又は疲労度との間の対応関係は予め登録されているものとする。また、生体状態推定システム100は、眠気度や疲労度を迅速且つ高精度に推定することで、空調部4を制御する他に、居眠り防止や休憩を促すための注意喚起システムといった他のシステムを制御するようにしてもよい。
本発明に係る生体状態推定システムの構成例を示すブロック図である。 温度刺激の付与及び生体反応の検出のタイミングを説明するための図である。 生体状態推定手段による生体状態の推定を説明するための図(その1)である。 生体状態推定手段による生体状態の推定を説明するための図(その2)である。 温まり具合推定処理の流れを示すフローチャートである。 第一空調制御処理の流れを示すフローチャートである。 第二空調制御処理の流れを示すフローチャートである。
符号の説明
1 制御部
2 生体反応検出部
3 温度刺激付与部
4 空調部
5 ルーバー駆動部
10 刺激付与手段
11 生体反応検出手段
12 生体状態推定手段
13 空調制御手段
14 環境状態推定手段
100 生体状態推定システム

Claims (5)

  1. 基準温度、該基準温度よりも低い温度、及び該基準温度よりも高い温度を含む少なくとも三つの異なる温度の温度刺激を被験者の特定部位に対して付与する刺激付与手段と、
    前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する前記被験者の生体反応を検出する生体反応検出手段と、
    前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する前記被験者の生体反応の大きさに基づいて前記被験者の生体状態を推定する生体状態推定手段と、
    を備えることを特徴とする生体状態推定システム。
  2. 前記生体状態推定手段は、前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激のそれぞれに対する前記被験者の生体反応の大きさに基づいて前記被験者の生体反応の大きさが最小となる温度刺激の温度を導き出し、該温度に基づいて前記被験者の温まり具合又は冷え具合を推定する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生体状態推定システム。
  3. 前記生体状態推定手段による前記被験者の温まり具合又は冷え具合の推定結果に応じて空調を制御する空調制御手段、
    を更に備えることを特徴とする請求項2に記載の生体状態推定システム。
  4. 前記刺激付与手段は、前記被験者の少なくとも二箇所の特定部位のそれぞれに対して前記少なくとも三つの異なる温度の温度刺激を付与し、
    当該生体状態推定システムは、前記少なくとも二箇所の特定部位のそれぞれで検出された生体反応に基づく前記生体状態推定手段による生体状態の推定結果に基づいて、前記被験者を取り巻く環境状態を推定する環境状態推定手段を更に有する、
    ことを特徴とする請求項1に記載の生体状態推定システム。
  5. 前記環境状態推定手段による前記被験者を取り巻く環境状態の推定結果に応じて空調を制御する空調制御手段、
    を更に備えることを特徴とする請求項4に記載の生体状態推定システム。
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