JP2010097740A - 燃料電池システム - Google Patents

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Abstract

【課題】分離部に貯留される液体成分の量、特に所定の位置の液量を高精度に検知して制御する燃料電池システムを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の燃料電池システムは、燃料電池スタックと、燃料を供給する第1供給部と、ガスを供給する第2供給部と、アノード電極およびカソード電極で発生した反応生成物やガスで構成された気液混合流体から分離された液体38を保持するタンク30とを有する分離部10と、タンク30の対向する側面に、少なくとも第1検出部33と第2検出部34を設けるとともに、第1検出部33と第2検出部34を含む領域に液体38の量を検出する一対の検出電極36A、36Bからなる液量検知部36を設けた構成を有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池システムの燃料電池スタックから排出される気液混合流体から液体を分離し分離部のタンクに貯留される液量の検出において、特に上限量および下限量の検出感度に関する。
近年、電子機器のポータブル化、コードレス化が急速に進んでおり、これらの駆動用電源として、小型かつ軽量で、高エネルギー密度を有する二次電池への要望が高まっている。また、小型民生用途のみならず、電力貯蔵用や電気自動車用などの長期に渡る耐久性や安全性が要求される大型の二次電池に対する技術開発も加速してきている。さらに、充電を必要とする二次電池よりも燃料供給によって長時間連続して使用できる燃料電池が注目されている。
燃料電池は、少なくとも、セルスタックを含む燃料電池スタックと、セルスタックに燃料を供給する燃料供給部と、酸化剤を供給する酸化剤供給部とを有する。そして、セルスタックは、一般に、アノード電極とカソード電極とこれらの電極の間に介在する電解質膜とからなる膜電極接合体とセパレータとを積層し、積層方向の両端にエンドプレートを配して構成されている。
このような燃料電池スタックとして、直接メタノール型燃料電池(DMFC)が開発されている。DMFCにおいては、燃料としてメタノール水溶液が、酸化剤として空気中の酸素が用いられる。その結果、アノード電極からは反応生成物である二酸化炭素および燃料の残分である未反応メタノールや水などの水溶液が排出される。そのため、携帯機器においては、排出された水溶液を燃料供給部へ戻すのが一般的である。一方、カソード電極からは反応生成物の水や水蒸気とともに、カソード電極を経た窒素や未反応の酸素などが排出される。このとき、燃料電池システムでは、アノード電極の反応で水が必要であるため、カソード電極で生成した水を燃料供給部へ戻して再利用している。これにより、燃料電池スタックから排出される液体成分を循環させて利用することで、燃料電池システムの可搬性を向上させている。
しかし、液体成分を直接、燃料供給部に戻す場合、最適な燃料濃度で燃料電池システムを発電させることが困難となる。
そこで、燃料電池スタックからの排出物を直接、燃料供給部へ戻すのではなく、気体成分と液体成分とを分離した後、液体成分をタンクに貯留して、必要な量を燃料供給部へ供給する方法が一般的に行われている。そのため、タンクに貯留される液体成分の量を管理することが重要となる。
一方、燃料タンク内の燃料の貯留量を検出するために、燃料タンクに一対の電極を設け、この電極間の静電容量の変化から燃料の貯留量を検知する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
また、燃料電池のアノード電極、カソード電極からの排出溶液を回収するタンクの液量を検出する静電容量型の液量検知機能を備えた燃料電池システムが開示されている(例えば、特許文献2参照)。以下に、特許文献2に示す燃料電池システムのタンクの液量を検出する液量検知機能について、図13を参照しながら簡単に説明する。
図13(a)は、従来の燃料電池システムの液量検知機能を説明するタンク110の概略斜視図で、図13(b)は図13(a)の13B−13B線断面図、図13(c)は図13(a)の13C−13C線断面図である。
図13(a)や図13(b)に示すように、タンク110は、アノード電極(図示せず)から排出された溶液を導入する導入管132Aとカソード電極(図示せず)から排出された溶液を導入する導入管132Bおよび溶液を排出する排出管132Cを備えている。また、図13(c)に示すように、タンク110は、その対向する平坦な側面に設けられた、一対の検出電極136A、136Bからなる液量検知部136を有している。そして、一対の検出電極136A、136B間に存在する溶液の液量を、静電容量の変化により検出している。
特開2006−040836号公報 特開2007−220453号公報
しかしながら、特許文献1の燃料電池システムによれば、例えば燃料カートリッジなどの燃料タンクに存在する燃料の量を検知するものであり、カソード電極から排出されタンクに貯留される水などの液体成分の量を検出する構成ではない。しかし、特許文献1の技術をタンク内の液体成分の量を検知する応用することは可能である。
ところが、特許文献1の技術を応用しても、液体成分の量に比例する静電容量の変化で検知するため、緊急時などにおいて、例えばタンクから液体成分が溢れたり、枯渇したりしないように、液体成分の上限量および下限量の位置を高精度に検出できない。その結果、制御遅れなどにより、漏液したり、枯渇などにより燃料電池スタックのアノード電極に最適な濃度に調整して燃料を供給できなくなるなどの課題がある。
また、特許文献2の燃料電池システムにおいても、図13(c)に示すようなタンクの液量を直接検出する液量検知機能を開示しているが、液体成分の上限量および下限量の位置を高精度に検出する方法は何ら開示されておらず、特許文献1の燃料電池システムと同様の課題を有している。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、分離部のタンクに貯留される液体成分の量、特に上限量や下限量の位置を高感度に検出して高精度に制御する燃料電池システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の燃料電池システムは、アノード電極とカソード電極とアノード電極とカソード電極との間に介在する電解質膜とを積層した膜電極接合体を含む燃料電池スタックと、アノード電極に燃料を供給する第1供給部と、カソード電極に酸化剤を含むガスを供給する第2供給部と、アノード電極で発生した反応生成物および燃料の残分とカソード電極で発生した反応生成物およびカソード電極を経たガスの少なくとも一方で構成された気液混合流体から液体を分離する気液分離膜および分離された液体を保持するタンクとを有する分離部と、タンクの互いに対向する側面に、少なくとも液体の上限量および下限量の所定の位置に第1検出部と第2検出部を設け、第1検出部と第2検出部を含む領域にタンク内の液体の量を検出する一対の検出電極からなる液量検知部を設けた構成を有する。
この構成により、タンクに貯留される液体の量の所定の位置(例えば、上限量や下限量の位置)を高感度に検出して、タンクからの液体の溢れや枯渇を未然に防止できる。
また、制御精度が向上するので、タンク内に液体の上限量や下限量の設定範囲を広くできる。そのため、タンクの貯留量を増加できる。あるいは、最大貯留量が設定される場合には、タンクの小型化や薄型化がはかれる。
本発明によれば、タンクに貯留される液体の量の所定の位置を高感度に検出して、タンクからの液体の溢れや枯渇を未然に防止できる信頼性に優れた燃料電池システムを実現できる。
本発明の第1の発明は、アノード電極とカソード電極とアノード電極とカソード電極との間に介在する電解質膜とを積層した膜電極接合体を含む燃料電池スタックと、アノード電極に燃料を供給する第1供給部と、カソード電極に酸化剤を含むガスを供給する第2供給部と、アノード電極で発生した反応生成物および燃料の残分とカソード電極で発生した反応生成物およびカソード電極を経たガスとの少なくとも一方で構成された気液混合流体から液体を分離する気液分離膜および分離された液体を保持するタンクとを有する分離部と、タンクの互いに対向する側面に、少なくとも液体の上限量および下限量の所定の位置に第1検出部と第2検出部を設け、第1検出部と第2検出部を含む領域にタンク内の液体の量を検出する一対の検出電極からなる液量検知部を設けた構成を有する。
この構成により、タンクに貯留される所定の位置の液体の量を高感度に検出して、タンクからの液体の溢れや枯渇を未然に防止できる。また、制御精度が向上するので、タンク内に液体の上限量や下限量の設定範囲を広くできる。その結果、タンクに許容できる貯留量が増加する。あるいは、最大貯留量が設定される場合には、タンクの小型化や薄型化がはかれる。
本発明の第2の発明は、第1の発明において、検出電極の間隔が、第1検出部と第2検出部において、小さく設定されている。これにより、凹凸部において、液量の所定の位置を高感度に検出できる。
本発明の第3の発明は、第1の発明において、第1検出部と第2検出部を波形形状で設けて、第1検出部と第2検出部において検出電極の対向面積を大きくした。これにより、間隔を狭くすることなく、タンクの容量を変えずに、液量の所定の位置を高感度に検出できる。
本発明の第4の発明は、第3の発明において、第1検出部と第2検出部において、検出電極の対向する間隔が等しい。これにより、液量の所定の位置において、高い線形性により制御性を向上できるとともに、高感度に検出できる。
本発明の第5の発明は、第3の発明において、第1検出部と第2検出部において、検出電極の対向する間隔が異なる。これにより、間隔を狭くすることなく、タンクの容量を変えずに、液量の所定の位置を高感度に検出できる。
本発明の第6の発明は、第1の発明から第5の発明のいずれかにおいて、第1検出部と第2検出部において、液体の比誘電率より大きい比誘電率を有する物質をタンクに設けた。これにより、液量の所定の位置をさらに高感度で検出できる。また、検出電極の形成が容易となる。
本発明の第7の発明は、第1の発明において、検出電極に接続され、分離部内の液体の量を検出する算出部を、さらに備えた。これにより、算出部でタンク内の所定の位置の液体の量を高感度に検出し、それに基づいてタンク内の液体の量を所定の範囲に高い精度で制御することができる。
以下、本発明の実施の形態について、直接メタノール型燃料電池(DMFC)を例に、図面を参照しながら説明する。なお、本発明は、本明細書に記載された基本的な特徴に基づく限り、以下に記載の内容に限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図2は、本発明の実施の形態1における燃料電池スタックの発電動作を説明する断面模式図である。
以下に、図1および図2を用いて、燃料電池システムの概略と燃料電池の動作について説明する。
図1に示すように、燃料電池システムは、少なくとも、燃料電池スタック1、燃料タンク4、燃料を供給する燃料ポンプからなる第1供給部5、空気を供給する空気ポンプからなる第2供給部6、算出部7Aを備えた制御部7、蓄電部8、DC/DCコンバータ9、一対の検出電極からなる液量検知部11を備えたタンク12からなる分離部10とを有する。このとき、必要に応じて、分離部10のタンク12を冷却する、例えば冷却ファンなどの冷却部13が設けられる。
また、燃料電池スタック1は、発電部を有し、発電された電力は、正極端子2と負極端子3から出力される。そして、出力された電力は、DC/DCコンバータ9に入力される。このとき、第1供給部5は燃料タンク4中のメタノール水溶液などの燃料を燃料電池スタック1のアノード電極21に供給し、第2供給部6は酸化剤である空気などのガスを燃料電池スタック1のカソード電極22に供給する。また、制御部7は燃料を供給する第1供給部5と空気などのガスを供給する第2供給部6の駆動を制御するとともに、DC/DCコンバータ9を制御して外部機器(図示せず)への出力と蓄電部8への充放電を制御する。そして、燃料タンク4と第1供給部5と制御部7は、燃料電池スタック1内のアノード電極21に燃料を供給する燃料供給部を構成する。一方、第2供給部6と制御部7は、燃料電池スタック1内のカソード電極22に酸化剤などのガスを供給する酸化剤供給部を構成する。また、分離部10は、アノード電極21およびカソード電極22から排出される気液混合流体から液体成分(主に、水)を分離してタンク12に貯留し、貯留された液体成分は燃料タンク4から供給される燃料とともに第1供給部5に供給する。
以下に、燃料電池スタック1の構造および動作について簡単に説明する。
図2に示すように、燃料電池スタック1は、起電部である膜電極接合体(MEA)24と、MEA24を挟むように配置された、アノード側エンドプレート25とカソード側エンドプレート26を有する。なお、燃料電池スタックを、MEA24を複数枚積層して構成する場合、MEA24間にセパレータを設け、セパレータを介して積層する。そして、アノード側エンドプレート25とカソード側エンドプレート26は、MEA24の積層方向の両端を挟む。
また、MEA24は、アノード電極21、カソード電極22、アノード電極21とカソード電極22との間に介在する電解質膜23とが積層して構成されている。そして、アノード電極21はアノード側エンドプレート25の側から順に、拡散層21A、微多孔層(MPL)21B、触媒層21Cを積層して構成されている。同様に、カソード電極22は、カソード側エンドプレート26の側から順に、拡散層22A、微多孔層(MPL)22B、触媒層22Cを積層して構成されている。さらに、正極端子2はカソード電極22に、負極端子3はアノード電極21に、それぞれ電気的に接続されている。
ここで、拡散層21A、22Aは、例えばカーボンペーパー、カーボンフェルト、カーボンクロスなどからなる。MPL21B、22Bは、例えばポリテトラフルオロエチレンまたはテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体とカーボンとから構成されている。そして、触媒層21C、22Cは、白金やルテニウムなど、各電極反応に適した触媒を炭素表面に高分散させ、この触媒体をバインダーで結着させることで形成されている。また、電解質膜23は、水素イオンを透過するイオン交換膜、例えばパーフルオロスルホン酸・テトラフルオロエチレン共重合体で構成されている。アノード側エンドプレート25、カソード側エンドプレート26とセパレータは、例えばカーボン材やステンレス鋼で構成され、アノード電極21には燃料を流通させる燃料流路25A、カソード電極22には酸化剤などのガスを流通するガス流路26Aが、例えば溝形状で設けられている。
上記のように構成された燃料電池スタック1は、図1と図2に示すように、アノード電極21に燃料であるメタノールを含む水溶液が燃料ポンプからなる第1供給部5によって供給され、カソード電極22に空気ポンプなどからなる第2供給部6によって加圧された酸化剤である空気などのガスが供給される。そして、アノード電極21に供給されたメタノール水溶液とこれに由来するメタノールと水蒸気は拡散層21AにてMPL21Bの全面に拡散し、さらにMPL21Bを通過して触媒層21Cに達する。同様に、カソード電極22に供給された空気に含まれる酸素は、拡散層22AでMPL22Bの全面に拡散し、MPL22Bを通過して触媒層22Cに達する。また、触媒層21Cに達したメタノールは(1)式のように反応し、触媒層22Cに達した酸素は(2)式のように反応する。
Figure 2010097740
Figure 2010097740
その結果、電力が発生するとともに、アノード電極21側には二酸化炭素、カソード電極22側には水などの気液混合流体が、それぞれ反応生成物として生成され、図1に示す分離部10に供給される。そして、以下で、図3を用いて詳細に説明するように、分離部10の気液分離膜を介して、アノード電極21の二酸化炭素は燃料電池システムから外部へと排気されるとともに、カソード電極22で反応しない窒素などの気体や未反応の酸素も、同様に燃料電池システムの外部へと排気される。このとき、アノード電極21側ではメタノール水溶液中のメタノールの全てが反応に寄与するわけではないので、図1に示すように排出されたメタノール水溶液は、分離部10のタンク12を介して第1供給部5に還流される。同様に、アノード電極21の反応で消費される水を供給するために、カソード電極22で生成した水も、分離部10のタンク12を介して第1供給部5に還流されアノード電極21側へ供給される。
これにより、燃料電池スタック1から排出される水などの液体成分を分離部10を介して、循環させることで、燃料であるメタノール水溶液の濃度を調節することができる。その結果、外部から水を供給する必要がなくなるとともに、反応生成物の水を外部に排出する(廃棄する)必要がなくなる。したがって燃料電池システムの可搬性、携帯性や、燃料などの利用効率が向上する。
そして、分離部10を介して、水などの液体を効率的に循環させるには、分離部10のタンク12に回収される液体の量を所定の範囲内に保つとともに、液体がタンクから溢れたり、渇水状態にならないように、制御して第1供給部5に供給することが重要となる。なぜなら、液体の量、つまり液量または貯留量が過剰になると分離部10のタンク12から漏液する。また、液体の貯留量が過少になると、アノード電極に供給される燃料の濃度を調節することができなくなる。
そのため、燃料電池システムの高い信頼性を維持するには、特に、分離部10のタンク12に貯留される液体の量、特に上限量および下限量を高感度に検出するとともに、高精度に制御することが重要となる。
そこで、以下に、液体の量を検出するとともに、特に上限量および下限量を高感度に検出する分離部10の液量検知部の構造および検出感度について、図3および図4を用いて詳細に説明する。
図3(a)は本発明の実施の形態1における分離部の斜視図で、図3(b)は図3(a)の3B−3B線断面図、図3(c)は図3(a)の3C−3C線断面図である。
図3に示すように、分離部10は、少なくともタンク30と、タンク30の対向する側面に設けられた一対の検出電極からなる液量検知部36と、気液分離膜31と、導入管32A、32Bと排出管32Cとで構成されている。このとき、導入管32A、32Bはタンク30の上部に、排出管32Cはタンク30の下部にそれぞれ接続されている。そして、カソード電極で発生した反応生成物である水や水蒸気およびカソード電極を経たガスは導入管32Aから分離部10のタンク30へ流入する。一方、アノード電極で発生した反応生成物である二酸化炭素および燃料の残分である未反応メタノールを含む水は導入管32Bから分離部10のタンク30へ流入する。
また、タンク30の上面に設けられた気液分離膜31は、気液混合流体である、二酸化炭素や水蒸気などの気体成分と水などの液体成分を分離し、余分な気体成分を外部に気体状態で排出するとともに、液体38をタンク30内に貯留する。そして、タンク30内に貯留された液体38は、排出管32Cに設けた図示しない弁を介して、図1に示す第1供給部5の入口側へ供給される。なお、気液分離膜31は、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)やテトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)などのフッ素樹脂で作られた多孔質体のシートで構成することができる。または、これらフッ素樹脂をコートしたカーボン繊維などで作られたクロス、ペーパーや不織布状のシートを用いることができる。また、タンク30は樹脂やセラミック等の絶縁材料で構成される。
また、図3(a)および図3(c)に示すように、タンク30の対向する一対の側面には、少なくとも第1検出部33と第2検出部34の位置に、例えばタンク30の内面に突出する凹凸形状が設けられている。そして、第1検出部33と第2検出部34を含む領域に一対の検出電極36A、36Bを対向して設けて液量検知部36を構成している。このとき、第1検出部33は、タンク30内に貯留される液体の所定の上限量の位置に設けられ、第2検出部34は、液体の所定の下限量の位置に設けられる。そして、検出電極36Aと検出電極36B間の静電容量(電気容量)の変化により、タンク30内の液体38の量が、所定の範囲内に維持されているか否かを検出する。特に、第1検出部33と第2検出部34においては、以下、図4を用いて説明するように、検出電極36Aと検出電極36Bの間隔が小さい(狭い)ので、それ以外の領域で検出される静電容量の変化率よりも大きな静電容量の変化率で検出され、高い検出感度が実現される。
なお、一般に、液量検知部36において、対向する検出電極36A、36B間に存在する気体部分と液体部分の静電容量が並列で検出され、その変化から液体38の量が制御部7の算出部7Aにより算出されて検出される。また、タンク30の壁面(側面)の静電容量は、検出電極間において、液体または気体の静電容量と直列に接続されて、その一部を構成するので、検出精度を向上させるために、誘電率の小さい材料で構成することが好ましい。
そして、制御部7は液体38の液量に基づいて第2供給部6の流量などを制御し、タンク30内の液体38の液量を所定の範囲内に制御する。
以下、上記構成の液量検知部で検出される液体の量と静電容量の関係について、図4を用いて説明する。
図4は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの液量検知部で検出される液体の量と静電容量との関係を説明する模式図である。なお、図4中には、比較のために、図13で説明した従来構成の液量検知部で検出される液体の量と静電容量との関係を示す特性B(点線)も同時に示している。そして、図4は、横軸に分離部10のタンク30内の液体の量を示し、縦軸に、その液体の量に対する液量検知部で検出された静電容量を示している。
図4に示すように、本実施の形態の液量検知部で得られる特性Aは、第1検出部と第2検出部の領域において、従来の液量検知部で得られる特性Bよりも、液体の量の変化に対する静電容量の変化が大きく、高感度で検出できることがわかる。これは、第1検出部と第2検出部で、対向する検出電極の電極間隔を小さく(狭く)することにより、電極間隔に反比例して大きな静電容量を検出できることによるものである。なお、液量検知部の第1検出部と第2検出部以外の領域では、従来の液量検知部と電極面積および電極間隔が同じであれば、同じ傾きの特性(感度)で液体の量が検出される。
これにより、タンクに貯留される液体の量を、特に上限量や下限量近傍において、高感度に検出することで制御性を向上させ、オーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制してタンクからの液体の溢れや渇水を未然に防止できる。
以下に、液量検知部の一対の検出電極間の静電容量の変化から液体38の量(貯留量)を測定する方法の一例について、図5と図6を用いて簡単に説明する。
図5は、本発明の実施の形態1における燃料電池システムの制御部の算出部の構成を示すブロック回路図で、図6は図5に示すブロック回路図の主要な位置における波形図である。
図5に示すように、算出部7Aは、パルス発生部41と、抵抗器43、44と、排他的論理和ゲート45とパルス時間測定部42とから構成されている。このとき、パルス発生部41は抵抗器43、44の一方の端子に接続され、他方の端子は排他的論理和ゲート45の入力端子に接続されている。また、検出電極36Aはグランドに接続され、検出電極36Bは抵抗器44と排他的論理和ゲート45の入力端子との間に接続されている。そして、排他的論理和ゲート45の出力端子はパルス時間測定部42に接続されている。
以下、図6を参照しながら、静電容量の変化から液体の量を測定する方法について説明する。
まず、図6(a)に示すパルス信号が、パルス発生部41から抵抗器43、44の一方の端子に入力される。
つぎに、図6(b)に示すように、抵抗器43の一方の端子に入力されたパルス信号は、抵抗器43の他方の端子である点Xで、入力されたパルス信号とほぼ同じタイミングの信号が出力される。このとき、パルス信号の立ち上がりと立ち下りにおいて、抵抗器43の抵抗値と、配線などに起因する浮遊容量により、波形が若干鈍った状態で排他的論理和ゲート45に入力される。
一方、図6(c)に示すように、抵抗器44の他方の端子である点Yには検出電極36Aと検出電極36B間の静電容量Cによって、抵抗器44に入力されたパルス信号の立ち上がりと立ち下がりにおいて、抵抗器の抵抗値Rと静電容量Cの時定数により大きく鈍った状態で排他的論理和ゲート45に入力される。
つぎに、図6(d)に示すように、排他的論理和ゲート45の出力である点Zの出力には入力パルス1つに対して、立ち上がりと立ち下がりの両方のタイミングで検出電極間の静電容量に比例した幅のパルス信号が出力される。そして、このパルス信号の幅をパルス時間測定部42で計測して検出電極間の静電容量を推定する。さらに、推定した静電容量とタンク内の液体の量との関係式を予め記憶している算出部7Aは、関係式からタンク内の液体の量を算出する。
なお、点Yの出力は、点Xの出力と同様に、検出電極が接続されていなければ入力容量(浮遊容量)と抵抗器43の抵抗値との時定数により同様に鈍る。そこで、静電容量を正確に推定するために、抵抗器43、44の抵抗値をできるだけそろえて、入力容量に起因する誤差を抑制することが好ましい。
本実施の形態によれば、電極間隔が小さくなる第1検出部と第2検出部を、一対の検出電極36A、36Bの一部に設けることにより、貯留される液体の上限量および下限量を、高感度で検出できる。その結果、制御遅れなどによる液体の量のオーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制し、液体の溢れや渇水を未然に防止し信頼性に優れた燃料電池システムを実現できる。つまり、液体の量の変化(増減量)が小さくても、大きな静電容量で検出できるため、高感度とともに、高精度な制御を実現できる。
また、本実施の形態によれば、第1検出部と第2検出部を凹凸形状で設けることにより、検出電極の面積を拡大できる。その結果、分離部のタンク内に貯留される液体を効率的に放熱して温度を下げ、液体の蒸散量(蒸発量)による液量の過剰な減少を抑制できる。そのため、検出電極36A、36Bは熱伝導率の観点から、銅またはその合金、アルミニウムまたはその合金で形成することが好ましい。これらの金属の板や箔をタンク30に結合させて用いることができる。あるいは蒸着等の方法で薄膜として形成してもよい。
なお、本実施の形態では、第1検出部と第2検出部の2箇所に電極間隔の小さい領域を設けた例で説明したが、高い検出精度が必要な任意の箇所に複数、電極間隔の小さい領域を設けてもよい。
また、本実施の形態では、図3(c)に示すように、第1検出部と第2検出部の断面形状が矩形形状である場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、図7(a)から図7(d)に示すように、断面形状が直角三角形などの三角形状、台形形状や半円形状などでもよく、電極間隔が小さく(狭く)なる形状であれば形状は任意である。これらにより、上記と同様の効果が得られる。
(実施の形態2)
以下に、本発明の実施の形態2における燃料電池システムについて、図面を用いて説明する。なお、分離部以外は、図1を用いて説明した実施の形態1の燃料電池システムと同様であるので、説明を省略する。
図8(a)は本発明の実施の形態2における分離部50の斜視図で、図8(b)は図8(a)の8B−8B線断面図、図8(c)は図8(a)の8C−8C線断面図である。
図8(a)および図8(c)に示すように、分離部50のタンク51の対向する一対の側面の少なくとも第1検出部53と第2検出部54の位置に設けた、例えばタンク51の内面に突出する凹凸形状の領域に、少なくとも液体の比誘電率よりも高い比誘電率を有する材料55を充填して設け、第1検出部53と第2検出部54を構成した点で異なる。また、タンクの対向する側面で、第1検出部53と第2検出部54を含む領域に平坦な一対の検出電極56A、56Bを設けて液量検知部56を構成した点で、実施の形態1の液量検知部36と異なる。なお、その他の構成や材料などは同様であり、説明を省略する。
すなわち、図8(a)および図8(c)に示すように、タンク51の対向する一対の側面には、少なくとも第1検出部53と第2検出部54の位置に、例えばタンク51の内面に突出する凹凸形状が設けられ、その凹凸形状の凹部または凸部に高い比誘電率を有する材料55が充填されている。そして、第1検出部53と第2検出部54を含む領域に平坦な(平面状)一対の検出電極56A、56Bが対向して設けられて液量検知部56が構成される。このとき、第1検出部53および第2検出部54は、実施の形態1と同様に、タンク51内に貯留される液体の所定の上限量および下限量の位置に対応して設けられる。
ここで、材料55としては、タンク51に貯留される液体成分(主に、水)の比誘電率(例えば、80)より高い比誘電率を有する、例えばチタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)などの誘電体セラミックや、それらを樹脂と混合した混合物などを用いることができる。
そして、高い比誘電率を有する材料55で第1検出部および第2検出部の凹凸形状を充填して埋めた部分の静電容量と、液体成分や気体成分の部分の静電容量が、直列に接続され、一対の検出電極で検出される。これにより、タンクの対向する側面に平面状に設けた電極間隔が一定の検出電極の構成においても、第1検出部および第2検出部により、大きな静電容量を検出できる。これは、液体成分よりも高い比誘電率からなる部分の静電容量が、検出電極間の静電容量においてほとんど寄与せず、実効的に液体成分や気体成分の部分の静電容量を検出できることによるものである。そのため、第1検出部と第2検出部の凹凸形状を、液体成分よりも、小さい比誘電率の材料で充填すると、小さい比誘電率の部分の静電容量が主に検出電極で検出され、液体成分や気体成分の部分の静電容量が検出されないことになるので、好ましくない。
上記構成の液量検知部56の検出電極56Aと検出電極56B間の静電容量(電気容量)の変化により、タンク51の液体38の量が、所定の範囲内に維持されているか否かを検出できる。特に、第1検出部53と第2検出部54に高い比誘電率の材料55を介在させることにより、検出電極56Aと検出電極56Bの間隔が小さく(狭く)することなく、それ以外の領域で検出される静電容量の変化率よりも大きな静電容量の変化率で検出して、高い検出感度を有する液量検知部を実現できる。
なお、上記液量検知部の一対の検出電極間の静電容量の変化から液体の量(貯留量)を測定する方法は、実施の形態1の図5および図6を用いて説明した方法と同様であるので、説明を省略する。
また、本実施の形態を、図7で説明した構造の液量検知部に適用しても、同様の効果が得られることはいうまでもない。
(実施の形態3)
以下に、本発明の実施の形態3における燃料電池システムについて、図面を用いて説明する。なお、分離部以外は、図1を用いて説明した実施の形態1の燃料電池システムと同様であるので、説明を省略する。
図9(a)は本発明の実施の形態3における分離部60の斜視図で、図9(b)は図9(a)の9B−9B線断面図、図9(c)は図9(a)の9C−9C線断面図である。
図9(a)および図9(c)に示すように、分離部60のタンク61の対向する一対の側面は、少なくとも第1検出部63と第2検出部64を、例えば波形形状で、対向する間隔が等しい凹凸形状で加工され、第1検出部63と第2検出部64を含む領域に一対の検出電極66A、66Bを設けて液量検知部66を構成した点で、実施の形態1の液量検知部36と異なる。なお、その他の構成や材料などは同様であり、説明を省略する。
すなわち、図9(a)および図9(c)に示すように、タンク61の対向する一対の側面には、少なくとも第1検出部63と第2検出部64の位置に、例えば対向する間隔が等しい波形形状からなる凹凸形状が設けられ、第1検出部63と第2検出部64を含む領域に一対の検出電極66A、66Bが対向して設けられて液量検知部66を構成している。このとき、第1検出部63および第2検出部64は、実施の形態1と同様に、タンク61内に貯留される液体の所定の上限量および下限量の位置に設けられる。
つまり、第1検出部63および第2検出部64において、検出電極を波形形状とすることにより、対向する電極面積を拡大して検出感度を高めることができる。
そして、制御部7は液体38の液量に基づいて、第2供給部6で供給する空気などの流量を制御し、タンク61内の液体38の液量を所定の範囲内に制御する。
以下、上記構成の液量検知部で検出される液体の量と静電容量の関係について、図10を用いて説明する。
図10は、本発明の実施の形態3における燃料電池システムの液量検知部の液体の量と静電容量との関係を説明する模式図である。なお、図10中には、比較のために、図13で説明した従来構成の液量検知部で検出される液体の量と静電容量との関係を示す特性B(点線)も同時に示している。
図10に示すように、本実施の形態の液量検知部66で得られる特性Cは、第1検出部と第2検出部の領域において、従来の液量検知部で得られる特性Bよりも、液体の量の変化に対する静電容量の変化が大きく、高感度に検出できることがわかる。これは、第1検出部と第2検出部で、対向する検出電極の電極面積を拡大(広く)することにより、電極面積に比例して大きな静電容量を検出できることによるものである。
また、波形形状の検出電極にも関わらず、検出電極の間隔が一定であるために、従来の液量検知部と同様に、液体の量と静電容量の関係が高い線形性を有している。これにより、制御部での複雑な制御を回避して、制御部の構成を簡略化できるとともに、高精度の制御を実現できる。なお、液量検知部の第1検出部と第2検出部以外の領域では、従来の液量検知部と電極面積および電極間隔が同じであれば、同じ傾きの特性(感度)で液体の量が検出される。
これにより、タンクに貯留される液体の量を、特に上限量や下限量近傍において、高感度に検出することで制御性を向上させ、オーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制してタンクからの液体の溢れや渇水を未然に防止できる。
本実施の形態によれば、第1検出部および第2検出部において、波形形状で対向する一対の検出電極66A、66Bを構成することにより、特に第1検出部および第2検出部で電極面積を拡大し、液体の上限量および下限量を高感度で検出できる。その結果、制御遅れなどによる液体の量のオーバーシュートやアンダーシュートの発生を抑制し、液体の溢れや渇水を未然に防止し信頼性に優れた燃料電池システムを実現できる。つまり、液体の量の変化(増減量)が小さくても、大きな静電容量で検出できるため、高感度とともに高精度の制御を実現できる。
また、本実施の形態によれば、第1検出部と第2検出部を波形形状で設けることにより、検出電極の面積を拡大できる。これにより、分離部のタンク内に貯留される液体を効率的に放熱して温度を下げ、液体の蒸散量(蒸発量)による液量の過剰な減少を抑制できる。なお、放熱効果を高めるために、液体成分が貯留される時間が長い、特に第2検出部の波形形状の凹凸の数を多くして電極面積を拡大してもよい。
以下に、本発明の実施の形態3における分離部の別の例について、図11を用いて説明する。
図11(a)は本発明の実施の形態3における分離部の別の例の斜視図で、図11(b)は図11(a)の11B−11B線断面図、図11(c)は図11(a)の11C−11C線断面図である。
図11(a)および図11(c)に示すように、分離部70のタンク71の対向する側面に波形形状で設けた第1検出部73と第2検出部74において、対向する波形形状の間隔が異なるように設けた点で、上記液量検知部66と異なる。
すなわち、図11(c)に示すように、タンク71の対向する一対の側面に設けた第1検出部73と第2検出部74は、例えば波形形状で、対向する間隔が異なるように凹凸形状に加工され、第1検出部73と第2検出部74を含む領域に一対の検出電極76A、76Bを設けて液量検知部76が構成されている。そして、上記と同様に、検出電極76Aと検出電極76B間の静電容量(電気容量)の変化により、タンク71の液体38の量が、所定の範囲内に維持されているか否かを検出できる。特に、第1検出部63および第2検出部64において、電極面積を拡大して、大きな静電容量で検出することにより、液体の量を高感度で検出できる。
以下、第1検出部63および第2検出部64において、対向する検出電極間の間隔が異なる液量検知部で検出される液体の量と静電容量の関係について、図12を用いて説明する。
図12は、本発明の実施の形態3における燃料電池システムの液量検知部の別の例で検出される液体の量と静電容量の関係を説明する模式図である。なお、図12中には、比較のために、図13で説明した従来構成の液量検知部で検出される液体の量と静電容量の関係を示す特性B(点線)も同時に示している。そして、図12は、横軸に分離部70のタンク71内の液体の量を示し、縦軸に、その液量に対する静電容量の変化を示している。
図12に示すように、本実施の形態の液量検知部76で得られる特性Dは、図4の特性Aと同様に、第1検出部と第2検出部の領域において、従来の液量検知部で得られる特性Bよりも、液体の量の変化に対する静電容量の変化が大きく、高感度に検出できることがわかる。
このとき、本実施の形態では、第1検出部と第2検出部の領域において、波形形状の検出電極の間隔が対向する位置により異なるため、対向する波形の間隔の変化に同期して、液体の量に対して検出される静電容量が変化している。つまり、検出電極の間隔が狭くなるにしたがって、大きな静電容量が得られ、検出電極の間隔が広くなるにしたがって、小さい静電容量が得られている。その結果、第1検出部と第2検出部の領域において、液体の量に対する静電容量の変化の傾きが異なって検出される。
本実施の形態によれば、第1検出部および第2検出部において、液体の量と静電容量とが線形な関係で検出されないが、対向する検出電極76A、76Bの電極面積を拡大して、大きな静電容量で検出することにより、液体の量を高感度に検出できる。また、特に第1検出部および第2検出部で、少なくとも所定の位置の検出電極の間隔が狭くなる位置では、さらに検出感度を向上できる。
なお、上記実施の形態では、第1検出部および第2検出部のタンクの高さ方向において、波形形状からなる凹凸形状の検出電極の対向する凹部の底部(または凸部の頂部)の位置が一致する(0°)場合と、180°位相が異なる場合を例に説明したが、これに限られない。例えば、検出電極の対向する凹部の底部(または凸部の頂部)間の位相が、0°から180°の範囲で、任意に配置してもよく、高感度で液体の量を検出できる。
なお、上記各実施の形態では、基本的に燃料電池システムが平坦な場所に設置された場合にタンクの液量を検出し制御することを例に説明したが、これに限られない。例えば、傾斜センサなどを燃料電池システムに組み込み、傾斜センサによりタンクの傾き量を検出して、その傾き量で液量を補正して、同様の処理をしてもよい。これにより、例えば携帯機器など使用場所などの制約を大幅に緩和でき、利用範囲が拡大するとともに、制御精度をさらに向上できる。
また、上記各実施の形態では、液量検知部として、タンクの対向する側面の全面に検出電極を設けた例で説明したが、これに限られない。例えば、2分割などの複数に分割した検出電極を形成して、複数の対向する検出電極間の静電容量の測定値から、液量の検出とともに、前後や左右の傾き量の検知部として用いてもよい。具体的には、例えば図3(a)において、液量検知部36の検出電極を左右に分割すれば、タンクが図面中の左右方向に傾いた場合、左右の液量検知部の静電容量に差が生じる。この差により、左右の傾き量を検知できる。また、検出電極を上下に分割すれば、前後の傾き量を検出できる。さらに、検出電極を左右および上下に分割すれば、左右および前後の傾き量を検出できる。同様に、タンクの異なる側面に別の複数分割した検出電極を形成してもよい。
また、上記各実施の形態では、DMFCを例に説明したがこれに限られず、セルスタックと同様の発電素子を用いる燃料電池であれば本発明の構成の適用が可能である。例えば、水素を燃料とする、いわゆる高分子固体電解質燃料電池やメタノール改質型の燃料電池などにも適用できる。
本発明の燃料電池システムによれば、高い信頼性と、小型で携帯性が特に要望される電子機器の電源として有用である。
本発明の実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1における燃料電池スタックの発電動作を説明する断面模式図 (a)本発明の実施の形態1における分離部の斜視図、(b)図3(a)の3B−3B線断面図、(c)図3(a)の3C−3C線断面図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの液量検知部で検出される液体の量と静電容量との関係を説明する模式図 本発明の実施の形態1における燃料電池システムの制御部の算出部の構成を示すブロック回路図 図5に示すブロック回路図の主要な位置における波形図 (a)〜(d)本発明の実施の形態1における分離部の第1検出部および第2検出部の別の例の形状を説明する断面図 (a)本発明の実施の形態2における分離部の斜視図、(b)図8(a)の8B−8B線断面図、(c)図8(a)の8C−8C線断面図 (a)本発明の実施の形態3における分離部の斜視図、(b)図9(a)の9B−9B線断面図、(c)図9(a)の9C−9C線断面図 本発明の実施の形態3における燃料電池システムの液量検知部の液体の量と静電容量との関係を説明する模式図 (a)本発明の実施の形態3における分離部の別の例の斜視図、(b)図11(a)の11B−11B線断面図、(c)図11(a)の11C−11C線断面図 本発明の実施の形態3における燃料電池システムの液量検知部の別の例で検出される液体の量と静電容量の関係を説明する模式図 (a)従来の燃料電池システムの液量検知機能を説明するタンクの概略斜視図、(b)図13(a)の13B−13B線断面図、(c)図13(a)の13C−13C線断面図
符号の説明
1 燃料電池スタック
2 正極端子
3 負極端子
4 燃料タンク
5 第1供給部
6 第2供給部
7 制御部
7A 算出部
8 蓄電部
9 DC/DCコンバータ
10,50,60,70 分離部
11,36,56,66,76,136 液量検知部
12,30,51,61,71,110 タンク
13 冷却部
21 アノード電極
21A,22A 拡散層
21B,22B 微多孔層(MPL)
21C,22C 触媒層
22 カソード電極
23 電解質膜
24 膜電極接合体(MEA)
25 アノード側エンドプレート
25A 燃料流路
26 カソード側エンドプレート
26A ガス流路
31 気液分離膜
32A,32B,132A,132B 導入管
32C,132C 排出管
33,53,63,73 第1検出部
34,54,64,74 第2検出部
36A,36B,56A,56B,66A,66B,76A,76B,136A,136B 検出電極
38 液体
41 パルス発生部
42 パルス時間測定部
43,44 抵抗器
45 排他的論理和ゲート
55 材料

Claims (7)

  1. アノード電極とカソード電極と前記アノード電極と前記カソード電極との間に介在する電解質膜とを積層した膜電極接合体を含む燃料電池スタックと、
    前記アノード電極に燃料を供給する第1供給部と、
    前記カソード電極に酸化剤を含むガスを供給する第2供給部と、
    前記アノード電極で発生した反応生成物および前記燃料の残分と前記カソード電極で発生した反応生成物および前記カソード電極を経た前記ガスの少なくとも一方で構成された気液混合流体から液体を分離する気液分離膜および分離された前記液体を保持するタンクとを有する分離部と、
    前記タンクの互いに対向する側面に、少なくとも前記液体の上限量および下限量の所定の位置に第1検出部および第2検出部を設け、前記第1検出部と前記第2検出部を含む領域に前記タンク内の前記液体の量を検出する一対の検出電極からなる液量検知部を設けたことを特徴とする燃料電池システム。
  2. 前記検出電極の間隔が、前記第1検出部と前記第2検出部において、小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  3. 前記第1検出部と前記第2検出部を波形形状で設けて、前記第1検出部と前記第2検出部において前記検出電極の対向面積を大きくしたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
  4. 前記第1検出部と前記第2検出部において、前記検出電極の対向する間隔が等しいことを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  5. 前記第1検出部と前記第2検出部において、前記検出電極の対向する間隔が異なることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池システム。
  6. 前記第1検出部と前記第2検出部において、前記液体の比誘電率より大きい比誘電率を有する物質を前記タンクに設けたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の燃料電池システム。
  7. 前記検出電極に接続され、前記分離部内の前記液体の量を検出する算出部を、さらに備えたことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
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