JP2010095698A - 光感応性組成物 - Google Patents

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順一 池田
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Abstract

【課題】サングラスや窓ガラスのような遮光材、膜状のホログラム素子や光メモリのような書換え可能な光学的記録媒体、調光素子のような光学素子を形成するのに用いられる光感応性組成物を提供する。また、その組成物で形成され、特に基材上で膜状に形成でき、着色−消色の繰返安定性及び迅速な応答速度と、機械的強度とに優れ、ホログラムメモリ材料に必要な光、特に405nm波長付近の光に対する十分な感度を有し、生産効率がよく、均質で安定した品質で、様々な膜厚のフォトクロミック膜を調製でき、そのフォトクロミック膜を有しつつ、安全かつ簡易に製造できる光学材料を提供する。
【解決手段】光感応性組成物は、銀塩と、オルガノシロキサンと、チタン化合物とを、有効成分として含有する。光学材料は、この光感応性組成物で基材上に製膜されたフォトクロミック膜を有するものである。
【選択図】なし

Description

本発明は、光照射で着色し可逆的に消色するフォトクロミック性の光学材料を形成するのに用いられる光感応性組成物に関するものである。
紫外線・可視光線等の光照射によって着色し暗所で消色するという光可逆変色するいわゆるフォトクロミック材料が、サングラス、窓ガラスなどの遮光材として用いられている。このようなフォトクロミック材料は、光照射で構造変化して着色する可逆性発色物質が含有された光感応性組成物を、基材に塗布し成膜したり、基材に含有させたりすることによって、作製される。
フォトクロミック材料は、遮光材として利用されるだけではなく、膜状にしてホログラム素子や光メモリ等の光学的記録媒体、調光素子等の光学素子のような光学材料として応用されることが期待されている。
特に光学的記録媒体や光学素子のような光学材料に用いられる膜状のフォトクロミック材料は、情報を光で記録し、熱で消去できる書換え可能型記憶材料としての機能を必要とする。大容量の情報を高速に記録再生できる次世代光メモリが強く望まれていることから、膜状のフォトクロミック材料は、ホログラムメモリ材料の最有力候補としてとりわけ注目されている。
現在のところ、ホログラムメモリ材料の主流は、光重合と未反応モノマーの拡散を駆動力とするフォトポリマー材料である。しかしフォトポリマー材料では、十分に満足できる高速性、高信頼性、低収縮、書換え特性を実現できていない。しかもフォトクロミック材料は、ホログラムメモリ材料として用いられる場合、書換え可能であるとともに、様々な膜厚で均一な膜厚であることが要求される。
このようなフォトクロミック材料として、ハロゲン化銀を含むガラスのような無機系材料と、スピロピランのような有機系材料とが知られているが、一般に、それを基材上に低温で成膜して、均一なフォトクロミック膜を有する光学的記録媒体や光学素子のような光学材料を作製することは、困難である。また、フォトクロミック膜には、着色−消色の繰返安定性及び迅速な応答速度と、膜自体の十分な機械的強度とが、求められているが、十分ではない。
そのような膜状フォトクロミック材料として、ガラス基材上にハロゲン化銀系のフォトクロミック性被膜を形成する方法が、いくつか知られている。
例えば、非特許文献1には、アルコキシシランと可溶性銀塩とを含む溶液をガラス基体上に塗布した後、塩化水素ガス中でハロゲン化処理をする膜形成方法が開示され、非特許文献2には、末端がハロゲンで置換された炭化水素基が結合したアルコキシシランで形成した膜を、高温熱処理して熱分解させることによって、遊離ハロゲンを発生させてハロゲン化銀を生成させる膜形成方法が開示されている。また、特許文献1に、銀を含む超微粒子と、ケイ素化合物と、熱分解によりハロゲンを遊離する化合物を含む塗布液をガラス基体上に塗布して下層膜を形成し、さらにケイ素化合物と銅化合物とを含む塗布液を塗布加熱して上層膜を形成するフォトクロミックガラスの製造方法が開示され、特許文献2に、銀微粒子を担持させた酸化チタンを塗布する多色フォトクロミック材料の製造方法が開示されている。
その膜状フォトクロミック材料を調製するに際し、AgとAg0との酸化還元反応系の材料では、紫外光による還元によって光学特性の変化を誘起することはできるが、ホログラムメモリ材料に必要とされる405nm付近の光に対する十分な感度を付与することが困難であった。また、光で記録し、熱で消去する書換え可能型記憶材料としての機能を発現する光学部品を得るのに、前記のように、原料組成物に塩化水素ガスを作用させ塩化銀を生成させる方法では、そのガスの腐食性が強く、扱いが不便であって、生産性が悪い。一方、原料組成物膜を熱分解させる方法では、耐熱性の低い樹脂のような基板への適用が困難であるうえ、ハロゲン化銀結晶が成長して粗大化してフォトクロミック特性が損なわれてしまう。さらに、銀の酸化還元を利用するために銀微粒子を担持させた酸化チタンを塗布する方法では、得られる膜が半透明であり、膜と基材との密着力が弱いという問題がある。
SPIEProc.,1590,152−159(1991) J.Sol−GelSci.Tech.,1,217−231(1994)
特開2001−39739号公報 特開2004−18549号公報
本発明は前記の課題を解決するためになされたもので、サングラスや窓ガラスのような遮光材、膜状のホログラム素子や光メモリ等の書換え可能な光学的記録媒体、調光素子等の光学素子のような光学材料を形成するのに用いられる光感応性組成物を提供することを目的とする。また、その組成物で形成され、特に基材上で膜状に形成され、着色−消色の繰返安定性及び迅速な応答速度と、機械的強度とに優れ、ホログラムメモリ材料に必要な光、特に405nm波長付近の光に対する十分な感度を有し、生産効率がよく、均質で安定した品質で、様々な膜厚のフォトクロミック膜が付されており、安全かつ簡易に製造できる光学材料を提供することを目的とする。
前記の目的を達成するためになされた特許請求の範囲の請求項1に記載の光感応性組成物は、銀塩と、オルガノシロキサンと、チタン化合物とを、有効成分として含有することを特徴とする。
請求項2に記載の光感応性組成物は、請求項1に記載されたもので、前記オルガノシロキサン及び前記チタン化合物がモル分率で95:5〜50:50で合計10〜1モルと、前記銀塩及び酸化銀が合計1〜10モルとの比であることを特徴とする。
請求項3に記載の光感応性組成物は、請求項1に記載されたもので、前記オルガノシロキサンが、ビニル基、又はエポキシ基を有していることを特徴とする。
請求項4に記載の光感応性組成物は、請求項1に記載されたもので、水可溶性の前記銀塩と、オルガノアルコキシシランからなる前記オルガノシロキサンと、前記チタン化合物との共加水分解縮重合複合体を含有していることを特徴とする。
請求項5に記載の光学材料は、請求項1の光感応性組成物で基材上に製膜されたフォトクロミック膜を有することを特徴とする。
本発明の光感応性組成物は、サングラスや窓ガラスのような遮光材、膜状のホログラム素子や光メモリのような光学的記録媒体、調光素子のような光学素子で例示される光学材料を、形成することができるものである。
この組成物を用いて作製されたフォトクロミック膜を有する光学材料は、基材上に均一で膜状に精密に形成されたものであるので、着色−消色の繰返安定性及び迅速な応答速度と、機械的強度とに優れており、光で記録し熱で消去できる書換え可能な高容量の光学的記録媒体として、有用であり、安定した高品質のものを安全かつ大量に製造できるので、生産効率が良いものである。この光学材料は、そのフォトクロミック膜中の銀ナノ粒子がプラズモン共鳴により粒子のサイズや形状に応じて様々な波長の光を吸収することを利用したものであるから、特定波長の可視光を光感応性組成物に照射することによって、その照射光を選択的に透過するカラーフィルター特性が発現している。
特に、このフォトクロミック膜を有する光学材料は、実用上重要な青色光に対する感度が高く、ホログラム記録特性が優れている。そのため、大量の情報を高速に記録再生できる光メモリとしてとりわけ有用である。
本発明を適用する光感応性組成物で形成したフォトクロミック膜である5mol%AgBr−80GPSiO3/2・20TiO膜の粉末X線回折測定結果を示す図である。 本発明を適用する光感応性組成物で形成したフォトクロミック膜である5mol%AgBr−80GPSiO3/2・20TiO膜について405nm波長の光の照射前後の紫外可視吸収スペクトルを示す図である。 本発明を適用する光感応性組成物で形成したフォトクロミック膜である30%Ag15%Br−80GPSiO3/2−20TiO膜への二光束干渉露光時間と回折効率との相関を示す図である。
以下、本発明を実施するための好ましい形態について詳細に説明するが、本発明の範囲はこれらの形態に限定されるものではない。
本発明の光感応性組成物の好ましい一形態は、フォトクロミック材料有効成分として、水可溶性銀塩、オルガノシロキサン、チタン化合物とを含有するものである。好ましくは、構造中にハロゲン化銀、オルガノシロキサン、酸化チタンと、ハロゲン含有有機化合物とを含むものである。
光感応性組成物は、これら銀塩、オルガノシロキサン、チタン化合物により形成された共加水分解縮重合複合体を含有するものであると一層好ましい。
この光感応性組成物中、オルガノシロキサンの有機官能基がビニル基又はエポキシ基であると、紫外光照射によって銀塩例えばハロゲン化銀(AgX)が一部還元されハロゲン化銀/金属銀(AgX/Ag)ナノコロイドとして析出し、光学特性を変化させることが可能となる。また、空気中100℃程度での加熱によって、この光感応性組成物中の非晶質状態の酸化チタン(TiO)成分が、金属銀(Ag)ナノコロイドを再び酸化して銀イオン(Ag)状態に戻して消色させることが可能となる。つまり、光で記録し、熱で消去する書換え可能型記憶材料としての機能が発現する。また、銀ナノ粒子はプラズモン共鳴により粒子のサイズや形状に応じて様々な波長の光を吸収するが、この特徴を利用して、特定波長の可視光をこの光感応性組成物に照射することによって、照射した光を選択的に透過するカラーフィルター特性が発現する。また、樹脂中にこれら光感応性組成物を均一分散させることで任意の膜厚の光学部品を与えることが出来る。
この共加水分解縮重合複合体は、水可溶性銀化合物とハロゲン含有有機化合物とオルガノアルコキシシランとチタン化合物との共加水分解・縮重合したもので、例えば下記化学式(1)
AgX,RSiO(4−n)/2−TiO ・・・(1)
又は下記化学式(2)
AgX,AgO−RSiO(4−n)/2−TiO ・・・(2)
(式(1)及び(2)中、Rは不飽和基及び/又はエポキシ基を含有する有機官能基、好ましくはビニル基、グリシドキシプロピル基、Xはアニオン、好ましくは塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオンのようなハロゲンイオン、nは0<n≦2の数)で表されるものであることが好ましい。
このような共加水分解縮重合複合体を形成する水可溶性銀含有化合物は、硝酸銀、酢酸銀などが挙げられる。またオルガノシロキサンは、ビニルのような不飽和基、又はグリシジルやエポキシのようなエポキシ含有基の何れかの有機官能基を有していることが好ましい。このようなオルガノアルコキシシランとして、ビニルトリエトキシシラン、γグリシドキシプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。さらに、チタン化合物としてはチタンテトラノルマルブトシキドのようなチタンテトラブトシキドなどが挙げられる。
前記式(1)及び(2)中の繰返構造単位であるRSiO(4−x)/2は、Si−O−Si結合を基本骨格構造として、三次元網目構造、又は二次元鎖状構造を有するものであり、そのSi原子にはx個の有機官能基Rが共有結合してペンダント型構造を形成したものである。また、前記式(1)及び(2)中のTi原子は、基本的に4個の酸素原子とイオン結合しており、その酸素原子はSi原子と結合して三次元〜二次元構造を形成している。一部の酸素は水素結合して、非架橋酸素として存在していると考えられる。Ag、XはそれぞれAgイオン、XイオンもしくはAg結晶、AgBr結晶として上記無機−有機ハイブリッド材料中に高分散している。
このような共加水分解縮重合複合体が前記化学式(1)及び(2)で表されるものであると、それを含有する光感応性組成物を、任意の素材からなる種々の基材、例えば樹脂製基材に塗布乾燥することによって、フォトクロミック性能を付与することができる。
共加水分解縮重合複合体は、化学式(1)又は(2)で表されるもののうちx=1であるAgX,RSiO3/2−TiO又はAgX,AgO−RSiO3/2−TiOで表される無機−有機複合体であると、なお一層好ましい。AgOは、硝酸銀など水可溶性銀含有化合物から誘導される。三臭化酢酸、三塩化酢酸、三ヨウ化酢酸を用いることによって、AgBr,AgCl,AgI結晶を膜中に析出させることが可能となる。RSiO3/2のRは、ビニル基又はエポキシ基を有するものが好ましく、ビニルトリエトキシシランやγグリシドキシプロピルトリエトキシシランのような3官能オルガノアルコキシシランから誘導される。TiOはチタンテトラブトシキドなどのチタン化合物から誘導される。
前記化学式(1)で示されるAgX,RSiO(4−n)/2−TiO又は前記化学式(2)で示されるAgX,AgO−RSiO(4−n)/2−TiOの膜組成の成分比は、[AgX(及びAgO)]/([RSiO3/2]+[TiO])=1/10〜10/1(mol/mol)、[RSiO3/2]/[TiO]=95/5〜50/50(mol/mol)であることが好ましい。得られた光感応性組成物を、樹脂に均一に分散させることで、任意の膜厚を有する光学部品を作製することができる。
光感応性組成物は、主たる構成成分である銀塩とオルガノシロキサンと酸化チタンの他に、必要に応じて、塗膜面のフォトクロミック性能を改良するために、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、非イオン系界面活性剤などのレベリング剤が添加されていてもよく、密着性等を向上させるために、帯電防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、分散染料、油用染料、蛍光染料、顔料、フォトクロミック化合物、ヒンダードアミン・ヒンダードフェノール系等の耐光・耐熱安定剤、耐候性剤、酸化剤、前記オルガノシロキサン以外の有機ケイ素化合物、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂のようなポリエステル樹脂、環状オレフィン系樹脂が添加されていてもよく、液を安定させるためにpH調製剤が添加されていてもよい。
この光感応性組成物を基材に塗布し乾燥させると、ホログラム記録に適したハロゲン化銀含有オルガノシルセスキオキサン−チタニア系ハイブリッド膜を有するフォトクロミック材料が得られる。
以下、本発明の光感応性組成物を調製し、それを用いて形成したフォトクロミック膜であるAgBr−RSiO3/2−TiO系ゲル膜を有する光学材料を作製した実施例について、説明する。
(実施例1)
(光感応性組成物の調製及び光学材料の作製)
エタノール(EtOH;和光純薬工業株式会社製)の3.00gと、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(GPSi(OMe);信越シリコーン株式会社製)の7.09gとを、混合して5分間攪拌した。さらにその混合物へ、3.0重量%硝酸水溶液の3.5gに硝酸銀(和光純薬工業株式会社製)の0.32gとブロモ酢酸(東京化成工業株式会社製)の0.26gとを溶かした溶液を、滴下して、共加水分解・重縮合を行った。その混合物へ、エタノール(和光純薬工業株式会社製)の3.00gにチタンテトラブトキシド(Ti(O−nBu);和光純薬工業株式会社製)の2.55g及びアセト酢酸エチル(EtAcAc;和光純薬工業株式会社製)の0.97gを加えたエタノール溶液を、加えて、1時間室温で攪拌し、光感応性組成物溶液としてゾルを得た。溶液組成はモル比で、[GPSi(OMe)+Ti(O−nBu)]:HO(硝酸水溶液):EtOH=1:5:5とした。またTi(O−nBu):EtAcAc=1:1とし、AgBrのモル比は[GPSi(OMt)+Ti(O−nBu)]:AgBr=20:1とした。28%アンモニア水(特級、和光純薬工業株式会社製)、過酸化水素水(1級、和光純薬工業株式会社製)と純水とを体積比で1:1:5で混合した洗浄液を用いて超音波洗浄及びRCA洗浄した無アルカリガラス又はシリコン基板上に、得られたゾルを、ディップコーティング処理して、成膜し、5mol%AgBr−80GPSiO3/2・20TiO膜を有する光学材料を作製した。ゾル中に硝酸銀とブロモ酢酸を加えることで、室温で膜中に臭化銀の分散した膜を作製することができた。
(光学材料のAgBr−RSiO3/2−TiO系ゲル膜の評価)
光学材料上の5mol%AgBr−80GPSiO3/2・20TiO膜に、スポットUV装置SP7−250(ウシオ電機株式会社製;商品名)を用いて紫外光を10分間照射した。照度は紫外線積算光量計UIT−150(ウシオ電機株式会社製;商品名)により測定した結果、365nmの波長で約50mW/cmであった。また単色青色光照射の際にはバンドパスフィルター(405nm,半値全幅10nm;エドモンドオプティクスジャパン社製)を介して青色のみの光を10分間照射した。照度は405nmの波長で約10mW/cmであった。
(X線回折測定)
バルクの試料を作製し、粉砕して、X線回折測定装置X’Pert(フィリップス社製)を用いて、粉末X線回折測定を行った。測定条件はスキャンスピード0.5°/分である。その結果を図1に示す。図1から明らかな通り、ハロゲン化銀結晶のピークが認められた。Scherrerの式に従った計算によれば、その粒径は約59nmであった。
(紫外線照射前後での紫外吸収スペクトル測定)
膜の特性評価として無アルカリガラス基板に片面コーティングした試料の紫外光照射前後の紫外−可視吸光度スペクトル測定を行った。測定には紫外可視分光光度計V−560(日本分光株式会社製;商品名)を用いた。その結果を図2に示す。図2から明らかな通り、405nmの光照射により、吸光度が増加することがわかった。
また100℃で熱処理することで退色することがわかった。
(青色光の照射による吸収測定)
GPSi(OMe)を用いて形成されたものであって光学材料上の前記AgBr−80GPSiO3/2・20TiO膜は、青色光(405nm,15mW/cm)の照射により銀ナノ粒子の表面プラズモン共鳴に起因する420nm付近の吸収増加が認められた。
(ホログラム特性評価)
さらに前記と同様にして形成したものであって青色光に感度を有する30%Ag15%Br−80GPSiO3/2・20TiO膜について、青色光干渉露光装置を用いて、ホログラム特性の評価を行った。光源には青色レーザ(405nm)を用い、青色光の参照光と信号光の合成強度3.14mW/cm、スポット径Φ4mmとしてホログラムの書き込みを行った。ホログラム形成は青色レーザの二光束干渉露光で行い、同時に赤色レーザ(633nm)で読出しを行うことにより評価を行った。干渉露光開始後まもなく回折光が出現し、ホログラムからのデータの読み出しが可能であった。また図3に示すように、赤色光の回折効率は時間経過と共に向上した。これらより青色光の干渉露光によって、AgBr分散無機−有機ハイブリッド膜にホログラムが形成できることが分かった。
(比較例1)
3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン7.85gにエタノール2.82gが加えられている溶液に、硝酸銀0.06gが溶解されている硝酸(8.6重量%)水溶液3.7gを、加えて、室温で撹拌しながら30分間加水分解し、ゾルにした。アセト酢酸エチル0.91gで安定化させたチタンテトラノルマルブトキシド2.4gにエタノール2.82gが添加されている溶液を、得られたゾルに加え、室温で、さらに2時間加水分解を行った。得られたゾルを無アルカリガラス基板にディップコーティングしてAgの1mol%を含む80GPSiO3/2・20TiO膜を作製し、1時間90℃で乾燥し、光感応性組成物としてAgO−GPSiO3/2−TiO系組成物を得た。
このAgO−GPSiO3/2−TiO系組成物をガラス板に塗布し、乾燥させて成膜し、無機−有機ハイブリッド膜を有するフォトクロミック材料を得た。その膜に、単色青色光照射の際にはバンドパスフィルター(405nm,半値全幅10nm;エドモンドオプティクスジャパン社製)を介して青色のみの光を10分間照射した。照度は405nmの波長で約10mW/cmであった。照射前後での吸光度変化は認められなかった。
(比較例2)
実施例1のGPSi(OMe)に代えて、テトラエトキシシラン(TEOS)、メチルトリエトキシシラン(MTES)、又はビニルトリエトキシシラン(VTES)を、夫々出発原料に用いたこと以外は、実施例1と同様にして、成膜を有する光学材料を作製した。得られた膜に単色光照射と熱処理(HT)を行い、吸光度測定、X線回折測定などを行った。さらに、二光束干渉露光によるホログラム形成を行った。その結果、TEOS、MTES、又はVTESを用いた成膜を有する光学材料は、青色光を照射しても吸光度に変化はなかった。このことから、実施例1の結果と対比すると、実施例1の膜中のエポキシ基等の有機官能基がAgBr/Agの光還元に大きく関与していることが示唆された。
本発明の光感応性組成物を用いて形成されるフォトクロミック材料は、サングラスや窓ガラスのような遮光材、ホログラム素子、光メモリ、調光素子、表示素子のような光学材料として有用である。

Claims (5)

  1. 銀塩と、オルガノシロキサンと、チタン化合物とを、有効成分として含有することを特徴とする光感応性組成物。
  2. 前記オルガノシロキサン及び前記チタン化合物がモル分率で95:5〜50:50で合計10〜1モルと、前記銀塩及び酸化銀が合計1〜10モルとの比であることを特徴とする請求項1に記載の光感応性組成物。
  3. 前記オルガノシロキサンが、ビニル基、又はエポキシ基を有していることを特徴とする請求項1に記載の光感応性組成物。
  4. 水可溶性の前記銀塩と、オルガノアルコキシシランからなる前記オルガノシロキサンと、前記チタン化合物との共加水分解縮重合複合体を含有していることを特徴とする請求項1に記載の光感応性組成物。
  5. 請求項1の光感応性組成物で基材上に製膜されたフォトクロミック膜を有することを特徴とする光学材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2012028139A3 (de) * 2010-09-02 2012-08-16 Fachhochschule Kiel Poröse schichten und deren herstellung mittels nitratsalzen

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