JP2010094856A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】駆動回路を複雑化することなく、3滴以上のマルチドロップを着弾位置ずれを抑えて安定吐出可能なインクジェット記録装置の提供。
【解決手段】一印刷周期内に印加される少なくとも3つの駆動パルスのうち、最初に印加される第1パルスの待機時間がAL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)の2倍よりも長く4倍よりも短く、最後に印加される最終パルスの待機時間が前記ALの偶数倍であり、前記第1パルスと前記最終パルスの間に印加される各中間パルスの待機時間が前記ALの1倍以上2倍未満であり、各駆動パルスにおける膨張パルスの電圧は互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの電圧は互いに実質的に等しいことを特徴とするインクジェット記録装置。
【選択図】図4

Description

本発明は、インクジェット記録装置に関する。
マルチドロップ駆動のインクジェット記録装置では、1印刷周期中の吐出インク滴の数を変動させることで1画素を構成するインクドットの濃淡等が調整でき、これにより印刷の多階調性を可能ならしめている。
しかしながら、吐出安定性の観点からは十分な検討が行われておらず、マルチドロップ駆動のインクジェット記録装置としては、通常は1印刷周期中に複数の駆動パルスを等間隔(時間間隔)で印加することが行われるが、単に複数の駆動パルスを短い時間間隔で印加する方法では、吐出の安定性が問題になる。そこで、吐出安定性を改良するために安定化波形を付加することが提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
特開2007−144659号公報 特開2006−256094号公報
特許文献1、2の技術は、いずれも安定化波形を付加するため、駆動回路が複雑化する等の問題がある。
また、1つの液滴射出後に次の駆動パルスを印加するまでに駆動パルスを印加しない長い休止時間を設けることにより安定に吐出できるが、結果として1印刷周期中に同じノズルから吐出された複数のインク滴は記録紙上の互いにずれた位置に着弾しやすい。そのため、印字品質は低下しやすかった。
そこで、駆動パルスの電圧値を順次に大きくすることにより、後から吐出するインク滴の吐出速度を最初に吐出するインク滴の吐出速度よりも大きくすることで、同じノズルから吐出された2つのインク滴同士を着弾前あるいは着弾後に合体させ、一つのインク滴にしてから着弾させるようにする方法が提案されている。
しかし、この方法はアナログ的に変化する電圧の回路が必要になり、駆動回路が複雑となってコストがかかり、また駆動パルスの制御も複雑となるなどの問題点がある。
特に、多階調記録の観点から、インク滴の個数が多くなると、最後の方に吐出するインク滴の吐出速度をかなり大きくしなければならず、そのような駆動信号を発生するためには、例えば、ドライバICなどの仕様を高電圧対応とする必要があり、駆動回路への負荷が大きくなる。
本発明は、上記問題点を解決して、駆動回路を複雑化することなく、3滴以上のマルチドロップを着弾位置ずれを抑えて安定吐出可能なインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
本発明の目的は、以下に示す発明によって達成される。
1.インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する記録ヘッドと、インク滴をそれぞれ吐出させるための少なくとも3つの駆動パルスを一印刷周期内に連続的に印加する駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備え、前記駆動信号を印加することによって、前記圧力発生手段を作動させて前記ノズルからインク滴を吐出させるようにしたインクジェット記録装置において、
一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスに続いて前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスと、該収縮パルスに後続する待機時間とを有し、
これらの駆動パルスのうち、最初に印加される第1パルスの待機時間がAL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)の2倍よりも長く4倍よりも短く、最後に印加される最終パルスの待機時間が前記ALの偶数倍であり、前記第1パルスと前記最終パルスの間に印加される各中間パルスの待機時間が前記ALよりも長く前記ALの2倍よりも短く、
各駆動パルスにおける膨張パルスの電圧は互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの電圧は互いに実質的に等しいことを特徴とするインクジェット記録装置。
2.前記第1パルスの待機時間が前記ALの3倍であることを特徴とする前記1に記載のインクジェット記録装置。
3.前記最終パルスの待機時間が前記ALの2倍または4倍であることを特徴とする前記1または2に記載のインクジェット記録装置。
4.前記中間パルスの待機時間が前記ALの1.5倍であることを特徴とする前記1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
5.前記インクの表面張力が31mN/m以下であることを特徴とする前記1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
6.前記インクは非水系インクであり、樹脂を含有することを特徴とする前記1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
7.前記インクは光硬化性インクであることを特徴とする前記1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
8.前記駆動パルスは矩形波からなるパルスであることを特徴とする前記1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
9.前記圧力発生手段は、電気・機械変換手段であることを特徴とする前記1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
10.前記電気・機械変換手段は、隣接する圧力室間の隔壁の少なくとも一部を形成し、且つ駆動パルスを印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする前記9に記載のインクジェット記録装置。
11.前記膨張パルスのパルス幅が前記ALの奇数倍、前記収縮パルスのパルス幅が前記ALの偶数倍であることを特徴とする前記1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
12.前記駆動パルスの周期が前記ALの4倍よりも長いことを特徴とする前記1乃至11の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
13.前記駆動パルスは、所定の基準状態から前記圧力室の容積を膨張させた後、前記基準状態に戻す膨張パルスと、該膨張パルスに続いて前記圧力室の容積を収縮させた後、前記基準状態に戻す収縮パルスと、該収縮パルスに後続し前記基準状態を保持する待機時間とを有することを特徴とする前記1乃至12の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
本発明により、駆動回路を複雑化することなく、3滴以上のマルチドロップを着弾位置ずれを抑えて安定吐出可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
以下に本発明に関する実施の形態の例を示すが、本発明の態様はこれらに限定されるものではない。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。ここでは、電気・機械変換手段が、隣接する圧力室同士の隔壁を形成し、この隔壁を駆動することにより圧力室内のインクを吐出するせん断モードタイプの記録ヘッドを用い、これに矩形波からなる駆動パルスを印加する例を挙げて説明する。
図1は、本発明に係るインクジェット記録装置の概略構成を示す図である。インクジェット記録装置1において、記録媒体Pは、搬送機構3の搬送ローラ対32に挟持され、更に、搬送モータ33によって回転駆動される搬送ローラ31により図示Y方向に搬送されるようになっている。
搬送ローラ31と搬送ローラ対32の間には、記録媒体Pの記録面PSと対向するように記録ヘッド2が設けられている。この記録ヘッド2は、記録媒体Pの幅方向に亘って掛け渡されたガイドレール4に沿って、不図示の駆動手段によって、上記記録媒体Pの搬送方向(副走査方向)と略直交する図示X−X’方向(主走査方向)に沿って往復移動可能に設けられたキャリッジ5に、ノズル面側が記録媒体Pの記録面PSと対向するように配置されて搭載されており、フレキシブルケーブル6を介して、駆動信号を生成するための回路が設けられる駆動信号生成手段100(図3参照)に電気的に接続されている。
かかる記録ヘッド2は、キャリッジ5の移動に伴って記録媒体Pの記録面PSを図示X−X’方向に移動し、この移動過程でインク滴を吐出することによって所望のインクジェット画像を記録するようになっている。
なお、図中、7はインク受け器であり、記録ヘッド2が非記録時のホームポジション等の待機位置に設けられている。記録ヘッド2がこの待機位置にある時、このインク受け器7に向けてインク滴を少量はき捨てるようにする。記録ヘッド2がこの待機位置において長期間作動停止している時は、図示しないが、記録ヘッド2のノズル面にキャップを被せることにより保護するようになっている。また、8は記録媒体Pを挟んで上記インク受け器7の反対位置に設けられたインク受け器であり、往復両方向で記録するとき、往動から復動に切り替えるときに、上記同様にはき捨てられたインク滴を受け入れる。
図2は、記録ヘッドの一態様であるせん断モードタイプの記録ヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。図3(a)〜(c)はその動作を示す図である。
図2及び図3において100は駆動信号生成手段、2は記録ヘッド、21はインクチューブ、22はノズル形成部材、23はノズル、24はカバープレート、25はインク供給口、26は基板、27は隔壁、Lは圧力室の長さ、Dは圧力室の深さ、Wは圧力室の幅である。そして、圧力室28が隔壁27、カバープレート24及び基板26によって形成されている。
図1(b)には1個のノズル23を有する圧力室28の断面図が示されているが、実際のせん断モードで動作する記録ヘッド2では、図3に示すように、カバープレート24と基板26の間に、複数の電気・機械変換手段としての隔壁27A、27B、27C、27D・・・で隔てられた圧力室28A、28B、28C・・・が多数並設されている。
圧力室28の一端(以下、これをノズル端という場合がある)はノズル形成部材22に形成されたノズル23につながり、他端(以下、これをマニホールド端という場合がある)はマニホールド77、インク供給口25を経て、インクチューブ21によって図示されていないインクタンクに接続されている。
また、圧力室28は、圧力室28の出口側(図2における左側)の深溝部28aと、該深溝部28aから圧力室28の入口側(図2における右側)に行くに従って徐々に浅くなる浅溝部28bとを有している。
各隔壁27A、27B、27C、27D・・・は、図3の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の圧電材料からなる隔壁27a、27bから構成されており、各隔壁27表面には両隔壁27の上方から基板26の底面に亘って繋がる電極29A、29B、29Cが密着形成され、各電極29A、29B、29Cは、異方導電性フィルム78とフレキシブルケーブル6を介して、駆動信号生成手段100に接続している。
各隔壁27は、ここでは図3の矢印で示すように分極方向が異なる2枚の隔壁27a、27bによって構成されているが、圧電材料は例えば符号27aの部分のみであってもよく、隔壁27の少なくとも一部にあればよい。
駆動信号生成手段100は、少なくとも3つの駆動パルスを連続的に印加する一連の駆動信号を一画素周期毎(一印刷周期毎)に発生する駆動信号発生回路と、各圧力室毎に前記駆動信号発生回路から供給された駆動信号の中から各画素の画像データに応じて駆動パルスを選択して各圧力室に供給する駆動パルス選択回路とからなり、各画素の画像データに応じて電気・機械変換手段としての隔壁27を駆動するための駆動パルスを供給する。各駆動パルスは、圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスに続いて圧力室の容積を収縮させる収縮パルスと、該収縮パルスに後続する待機時間とを有する。待機時間においては膨張パルス、収縮パルスのいずれもが印加されず、所定の基準状態が維持される。
画像データを受信すると、制御部(図示せず)が搬送ローラのモータ及びキャリッジモータをそれぞれ制御すると共に、駆動信号発生回路に少なくとも3つの駆動パルスを有する駆動信号を発生させる。さらに、制御部は、上記画像データに基づいて、駆動パルス選択回路に選択すべき駆動パルスの情報を出力する。そして、駆動パルス選択回路は、上記情報に基づいて、少なくとも3つの駆動パルスのうちから所定の1または2以上の駆動パルスを選択して隔壁27に供給する。これにより、記録ヘッド2のノズル23から、一画素周期内に1または2以上のインク滴が吐出可能になっている。
かかる記録ヘッド2においては、各隔壁27表面に密着形成された電極29A、29B、29Cに駆動信号生成手段100の制御により駆動パルスが印加されると、以下に例示する動作によって圧力室28内のインクをインク滴としてノズル23から吐出する。なお、図3ではノズルは省略してある。
電極29A、29B、29Cのいずれにも駆動パルスが印加されない時は、隔壁27A、27B、27Cのいずれも変形しないが、図3(a)に示す状態において、電極29A及び29Cを接地すると共に電極29Bに駆動パルスを印加すると、隔壁27B、27Cを構成する圧電材料の分極方向に直角な方向の電界が生じ、各隔壁27B、27C共に、それぞれ隔壁27a、27bの接合面にズリ変形を生じ、図3(b)に示すように隔壁27B、27Cは互いに外側に向けて変形し、圧力室28Bの容積を膨張して圧力室28B内に負の圧力が生じてインクが流れ込む。
更に、この状態を所定時間保持した後、電位を0に戻すと、隔壁27B、27Cは図3(b)に示す膨張位置から図3(a)に示す中立位置に戻り、圧力室28B内のインクに高い圧力が掛かる。次いで、図3(c)に示すように、隔壁27B、27Cを互いに逆方向に変形するように駆動パルスを印加して、圧力室28Bの容積を収縮させると、圧力室28B内に正の圧力が生じる。これにより圧力室28Bを満たしているインクの一部によるノズル内のインクメニスカスがノズルから押し出される方向に変化する。この正の圧力がインク滴をノズルから吐出する程に大きくなると、インク滴はノズルから吐出する。この状態を所定時間保持した後、電位を0に戻し、隔壁27B、27Cを収縮位置から中立位置に戻すと、残留する圧力波の一部がキャンセルされる。他の各圧力室も駆動パルスの印加によって上記と同様に動作する。
上記のようにインク滴は飛翔して画像を形成するが、階調画像や高濃度の画像を詳細に形成するために、前述のように同一画素周期内に、画像データに応じて圧力発生手段に連続して一連の駆動パルスを複数回印加し、複数のインク滴を飛翔させ、該複数のインク滴が記録紙上に着弾する前、即ち飛翔中に合体するか、あるいは、着弾した後合体(ドットとして合体すればよい)することにより着弾時点では一つの画素(ドット)を形成することもできる。このことにより、画素を埋めるドットを拡大したり、1画素に複数のインク滴を着弾させることにより、階調や高濃度の画素を形成することによって、高画質な画像を形成することができる。
前記複数のインク滴が合体して一つの画素を形成する場合、該複数の個々のインク滴をサブドロップSD、合体したものをスーパードロップと記すことにする。
複数のサブドロップSDを飛翔中あるいは、着弾位置で合体(ドットとして合体すればよい)させてスーパードロップを形成するには、基本的に最初の第1サブドロップSDが飛翔する速度より、第2サブドロップSDが飛翔する速度の方が速くないと合体することは困難である。従って、第3サブドロップSD・・・SDと順次高速にする必要がある。
しかし、膨張パルスと収縮パルスと所定の待機時間(例えば、長さ1AL)を基本単位とする駆動パルスで駆動すると、各サブドロップは個々に分離して飛翔する傾向があり、飛翔中にサブドロップの合体が難しく、スーパードロップを形成するのが不安定になるという問題がある。また、1画素を形成する複数のインク滴が互いに離れて着弾し、画素が乱れるという問題がある。
そこで、第1サブドロップSDを飛翔させるための駆動パルスPの膨張パルスの正電圧値+V1及び収縮パルスの負電圧値−V1に比べ、第2のサブドロップSDを飛翔させるための駆動パルスPの膨張パルスの電圧+V2と、収縮パルスの電圧−V2の各値を、それぞれ+V2>+V1、−V2<−V1となるように絶対値の大きい電圧値で駆動する。そうすると、第2サブドロップSDは第1サブドロップSDより高速で飛翔し、飛翔中に合体する。以下同様に、第3サブドロップSD・・・SD対し、順次大きい絶対値の電圧で駆動することによって、各サブドロップを飛翔中に合体させてスーパードロップを形成する方法も考えられる。
しかし、この方法はアナログ的に変化する電圧の回路が必要になり、駆動回路が複雑となってコストがかかり、また駆動パルスの制御も複雑となるなどの問題点がある。
また、マルチドロップ駆動においては、SD吐出毎の残留圧力波を適宜キャンセルする必要がある。残留圧力波が大きすぎると、SD間で速度がばらつき、1画素を形成する複数のSD(インク滴)が互いに離れて着弾し、画素が乱れたり、メニスカス位置の変動から安定吐出できないという問題が発生する。
なお、AL(Acoustic Length)とは、圧力室の音響的共振周期の1/2である。またパルス幅とは、電圧の立ち上がり始めから10%と立ち下がり始めから10%との間の時間と定義する。このALは、電気・機械変換手段である隔壁27に矩形波の電圧パルスを印加して吐出するインク滴の速度を測定し、矩形波の電圧値を一定にして矩形波のパルス幅を変化させたときに、インク滴の飛翔速度が最大になるパルス幅として求められる。さらにここで矩形波は、電圧の10%と90%との間の立ち上がり時間、立ち下がり時間のいずれもがALの1/2以内、好ましくは1/4以内であるような波形である。
本発明における駆動信号は、インク滴をそれぞれ吐出させるための少なくとも3つの駆動パルスを一印刷周期内に連続的に印加する駆動信号であって、一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスに続いて前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスと、該収縮パルスに後続する待機時間とを有し、これらの駆動パルスのうち、最初に印加される第1パルスの待機時間がAL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)の2倍よりも長く4倍よりも短く、最後に印加される最終パルスの待機時間が前記ALの偶数倍であり、前記第1パルスと前記最終パルスの間に印加される各中間パルスの待機時間が前記ALよりも長く前記ALの2倍よりも短く、各駆動パルスにおける膨張パルスの電圧は互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの電圧は互いに実質的に等しいことを特徴とする。
ここで実質的に等しいとは、各駆動パルスにおける膨張パルス(収縮パルス)の電圧が±0.5Vの範囲にあることをいう。また、電圧とはパルスの最大電圧を指す。
図4は、本実施形態において、インク滴を吐出するために駆動信号生成手段100から隔壁27に印加される駆動信号を示している。図4はスーパードロップUDを形成し、飛翔させる場合の駆動パルスの基本波形と対比して、本実施形態におけるスーパードロップを形成し、飛翔させる駆動パルスの波形を示した図であり、横軸に時間をとり、縦軸には駆動パルスの電圧をとってある。
本実施の形態においては、N個(Nは3以上の整数)のサブドロップSD、SD、・・・SDN−1、SDによって1個のスーパードロップUDを形成する場合に、図4に示すように、サブドロップSD、SD・・・SDN−1、SDをそれぞれ吐出するための駆動パルスP、P、・・・PN−1、Pの電圧(膨張パルスの電圧+Von、収縮パルスの電圧−Voff)は相互に等しいが、後の説明から明らかなように、安定してスーパードロップUDを形成することができる。
図4において、B、B、・・・BN−1、Bは各膨張パルスのパルス幅、S、S、・・・SN−1、Sは各収縮パルスのパルス幅、Y、Y、・・・YN−1、Yは各収縮パルスに後続する待機時間、t、t、・・・tN−1、tは各駆動パルスの周期をそれぞれ示している。
既に述べたように、駆動パルスの基本波形は圧力室の音響的共振周期の1/2をAL(時間)としたとき、幅ALの膨張パルスそれに続く幅2ALの収縮パルスとそれに続く電圧ゼロの待機期間(長さAL)からなる長さ4ALの駆動信号とし、この駆動信号をN回連続して圧力室に印加してサブドロップSD、SD・・・SDを形成している。
このような基本波形の駆動パルスによる圧力室の駆動では、第1サブドロップSDに第2サブドロップSDを確実に合体させることが困難であり、本発明の発明者は、スーパードロップを安定して形成することができるインクジェット記録装置を探求し、サブドロップの駆動パルスの待機時間をALを基本単位として種々変化させて圧力室を駆動して、サブドロップの吐出安定性を評価した。
駆動パルスにおける収縮により生じた正の圧力波は、収縮パルスの印加解除時にも十分キャンセルされずに圧力室内には残留振動が存在する。各駆動パルスに後続する待機時間の設定如何により、前の駆動パルスで引き起こした圧力室内の残留振動に合わせて次の駆動パルスを印加することができ、後から吐出するインク滴の速度を適宜に高めることができることを見出した。
SDのサブドロップを吐出する最初の第1パルスPが印加された後に、圧力室内には残留振動が存在している。最初の第1パルスPの待機時間YがALの2倍よりも長くALの4倍よりも短くなるように設定されていると、スーパードロップの安定形成とインク滴の吐出安定性との両立を図り得る。
理由としては、最初の第1パルスPの収縮時の圧力波の残留振動と2発目のSDを吐出する中間パルスPにおける膨張パルスの印加開始時の圧力波の位相が同位相となり、圧力波同士の重畳により適度に大きな圧力が生じるため、SDの吐出速度をSDよりも適度に大きくすることができるためであると考えられる。また、同様の理由から最初の駆動パルスPの待機時間YがALの3倍に設定されていることが好ましい。
待機時間YがALの2倍あるいは4倍では、最初の第1パルスPの収縮時の圧力波と2発目のSDを吐出する中間パルスPにおける膨張パルスの印加開始時の圧力波の位相が逆位相となり、圧力波同士の重畳が抑えられ、SDの吐出速度をSDよりも大きくすることができないので、スーパードロップの安定形成の要請を満足できない。
待機時間YがALの4倍より大きくなると、最初の第1パルスPの収縮時の圧力波の減衰の影響により、圧力波同士の重畳が抑えられ、SDの吐出速度をSDよりも大きくすることができないので、スーパードロップの安定形成の要請を満足できない。
ALの2倍未満では、2発目のSDのインク滴速度が大きくなりすぎてしまい、3発目以降のインク滴速度をさらに相対的に大きくすることが難しくなるためスーパードロップの安定形成の要請を満足できない。また、特に1AL以下では残留振動の影響により、吐出も不安定になりやすい。
待機時間Yを2ALよりも長く4ALよりも短くすることで最初のインク滴からの速度上昇分を小さくし、2滴目のインク滴速度を抑えている。
SDのサブドロップを吐出する中間パルスPは、待機時間Yを1ALよりも長くALの2倍よりも短くなるように設定することにより、3滴目のインク滴を2滴目のインク滴速度よりもさらに速くすることとインク滴の吐出安定性の両立を図り得る。
理由としては、2発目のSDの中間パルスPの収縮時の圧力波と3発目のSDを吐出する駆動パルスPにおける膨張パルスの印加開始時の圧力波の位相が同位相となり、また、圧力波の減衰も小さいので、圧力波同士の重畳によりさらに大きな圧力が生じるため、SDの吐出速度をSDよりも大きくすることができるためであると考えられる。また、同様の理由から待機時間YがALの1.5倍に設定されていることが好ましい。
待機時間YがALの2倍では、2発目のSDの中間パルスPの収縮時の圧力波と3発目のSDを吐出する中間パルスPにおける膨張パルスの印加開始時の圧力波の位相が逆位相となり、圧力波同士の重畳が抑えられ、SDの吐出速度をSDよりも大きくすることができないので、スーパードロップの安定形成の要請を満足できない。1AL以下では、残留振動の影響により、吐出が不安定になりやすい。
SD〜SDN−1のサブドロップを吐出する他の中間パルス(P〜PN−1)は、SDも含めて待機時間Y〜YN−1をALより長くALの2倍よりも短い範囲内に設定すればよい。
SDのサブドロップを吐出する最終パルスPが印加された後に、圧力室内には残留振動が存在している。この残留振動が残っている時に次の画素に対する駆動を行ってしまうと、次の画素の1発目のインクの吐出速度が上昇してしまい、2発目以降のインク滴速度をさらに相対的に大きくすることが難しくなるため、スーパードロップの安定形成の要請を満足できない。この残留振動を抑制するため、最終パルスPの待機時間YはALの偶数倍とする。
最後の駆動パルスPの待機時間YはALの偶数倍に設定されていることにより、最終パルスPにおける収縮時の圧力波と次の画素周期の最初の第1パルスPの膨張パルス印加開始時の圧力波の位相が逆位相となり、圧力波同士の重畳が抑えられ、次のSDのサブドロップを通常の速度で吐出できる。
更に、高速駆動をするために、ALの2倍または4倍が好ましい。
各駆動パルスの膨張パルスのパルス幅が、前記ALの奇数倍に設定されていることにより、膨張パルスの印加開始時の圧力波と印加解除時(収縮パルスの印加開始時)の圧力波の位相が同位相となり、圧力波同士の重畳により大きな正圧が生じるため、より低い電圧で吐出でき、好ましい。同様な理由により、膨張パルスのパルス幅は1ALがより好ましい。
各駆動パルスの収縮パルスのパルス幅が、前記ALの偶数倍に設定されていることにより、収縮パルスの印加開始時(膨張パルスの印加解除時)の圧力波と印加解除時の圧力波の位相が逆位相となり、圧力波同士の重畳が抑えられ、より安定的に吐出できるため好ましい。同様な理由により、収縮パルスのパルス幅は2ALがより好ましい。
図4の駆動パルスでは、膨張パルスの電圧Von(V)と収縮パルスの電圧Voff(V)の比を|Von|>|Voff|とすることが好ましい。このように|Von|>|Voff|の関係とすると、圧力室内へのインクの供給を促進する効果があり、特に、高粘度インクで高周波駆動を行う場合に好ましい。同様な理由により|Von|/|Voff|=2とすることがより好ましい。
なお、この電圧Vonと電圧Voffの基準電圧は0とは限らない。この電圧Vonと電圧Voffは、それぞれ基準電圧からの差分の電圧である。なお、本実施形態では基準電圧をGNDレベルとしているため、低電圧化が可能であり、駆動電圧の低減化により、圧電材料(PZT)の劣化を抑えることができると共に、低い駆動電圧でありながら、圧力室内に大きな圧力変動を与えることが可能である。
また、この基準電圧に保持された状態を基準状態としたとき、各駆動パルスは、所定の基準状態から前記圧力室の容積を膨張させた後、前記基準状態に戻す膨張パルスと、該膨張パルスに続いて前記圧力室の容積を収縮させせた後、前記基準状態に戻す収縮パルスとを有し、各駆動パルスの待機時間においては前記基準状態が保持されることが好ましい。各駆動パルスの始点と終点の電圧(基準電圧)を等しくさせることができるので、駆動パルスを連続的に発生させる際に電圧を戻すための不要な信号を付加する必要が無くなる。
また、基準状態における圧力室は膨張状態でも収縮状態でもない基準容積の状態にあることが好ましい。
各駆動パルスは、同一波形の駆動パルスで構成することが好ましい。駆動信号生成手段の構成を簡略化できる。本実施形態においては、立ち上がり時間と立ち下がり時間がともにほぼ0に近い矩形波パルスを用いている。矩形波からなるパルスを用いることにより、駆動効率が向上するとともにパルス幅の設定が容易になる。
せん断モードタイプの記録ヘッド2では、前記のようにインク滴を吐出させる圧力室28Bの側壁27B及び27Cが変形の動作をすると、隣の圧力室28A、28Cが影響を受けるため、隣接する圧力室28A、28Cからは同時にインク滴の吐出ができない。このため、通常、複数の圧力室28のうち、互いに1本以上の圧力室28を挟んで離れている圧力室28をまとめて1つの組となすようにして、2つ以上の組に分割し、各組毎にインク吐出動作を時分割で順次行うように駆動制御される。例えば、全圧力室28を2つおきに選んで3相に分けて吐出する、いわゆる3サイクル吐出法が行われる。一つの圧力室からインク滴を吐出すると、吐出した圧力室の振動が隣接する圧力室にも伝わるので、これらの振動がある程度収まってから次の吐出が可能となる。また、別のチャネル構成として、圧力室と該圧力室の少なくとも両隣にインクを含まない、即ちインクの出射を行わない空気室(ダミーチャネル)を交互に設けて、インク滴を吐出した圧力室の影響が、その隣の圧力室に伝わらないようにする方法がある。この場合、各圧力室は同じタイミングでインク滴の吐出を行うことができる。本発明は上記いずれの方法にも適用可能であるが、特に後者の場合、マルチドロップのインク滴をより安定して吐出可能となるために好ましい。
かかる3サイクル吐出動作について図5を用いて更に説明する。図5に示す例では、記録ヘッドは圧力室がA1、B1、C1、A2、B2、C2、A3、B3、C3の9つの圧力室28で構成されているものとし、図4の駆動信号を基本として、1画素周期に3発(N=3)のインク滴を吐出する例に挙げて説明する。また、このときのA、B、Cの各組の圧力室28の電極に印加される駆動信号のタイミングチャートを図6に示す。
最初のサブドロップSDを吐出するために、パルス幅がBの膨張パルス、それに続くパルス幅がSの収縮パルス、それに続く長さY(ALの2倍より長く4倍より短い)の待機時間からなる第1パルスPを印加する。
次にサブドロップSDを吐出するために、パルス幅がBの膨張パルス、それに続くパルス幅がSの収縮パルス、それに続く長さY(ALより長くALの2倍よりも短い)の待機時間からなる中間パルスPを印加する。
最後のサブドロップSDを吐出するために、パルス幅がBの膨張パルス、それに続くパルス幅がSの収縮パルス、それに続く長さY(ALの偶数倍)の待機時間からなる最終パルスPを印加する。SD〜SDの3滴によるスーパードロップを形成する期間を画素周期とする。
図6に示す駆動パルスによりスーパードロップを形成し飛翔させた場合に、サブドロップSD〜SDの飛翔中または記録媒体上での合体を安定して行うことができる。
インク吐出時には、まずA組(A1、A2、A3)の各圧力室28の電極に前記SD〜SDを吐出する1連の駆動パルスを印加し、その両隣の圧力室の電極を接地し、A組のノズルからSD〜SDのインク滴を吐出させる。
続いてB組(B1、B2、B3)の各圧力室28、更に続いてC組(C1、C2、C3)の各圧力室28へと上記同様に動作する。
以上は、ベタ画像(フル駆動)の場合であるが、実際は、各画素の画像データに応じて、SD〜SDのうちの吐出するインク滴の数を変化させる。
N=3とした場合には、0ドロップ(0階調)、一画素周期内の最初の第1パルスにより吐出されるサブドロップSDの1ドロップ(1階調)、SDと一画素周期内の2番目の中間パルスにより吐出されるSDの2ドロップ(2階調)、SDとSDと一画素周期内の3番目(最後)の最終パルスにより吐出されるSDの3ドロップ(3階調)のそれぞれで0階調から3階調までの印字ができる。
以上の例では、N=3にしているが、Nは4以上の整数でもよい。なお、Nは、10以下が好ましく、5以下がさらに好ましい。あまり長すぎると駆動周期が長くなってしまうため好ましくない。
かかるせん断モードタイプのインクジェット記録ヘッドでは、隔壁27の変形は壁の両側に設けられる電極に掛かる電圧差で起こるので、インク吐出を行う圧力室の電極に負電圧を掛ける代わりに、図7に示すように、インク吐出を行う圧力室の電極を接地して、その両隣の圧力室の電極に正電圧を掛けるようにしても同様に動作させることができる。この後者の方法によれば、図6の駆動信号を印加した場合と全く同一の効果を奏することができる上に、正電圧のみによって回路構成が可能であるため、回路設計上有利である。
以上のように、本実施形態によれば、一印刷周期内の少なくとも3つの駆動パルスのうちの最初の第1パルスの待機時間がALの2倍よりも長く4倍よりも短く、中間パルスの待機時間がALの1倍よりも長く2倍よりも短く設定したので、複数のインク滴の吐出速度を徐々に増加させることができる。また、着弾曲がり等の小さい安定したインク滴を吐出することができ、良質な印字を得ることができる。
従って、圧力発生手段に少なくとも3つの駆動パルスを連続して印加して、各サブドロップを連続してノズルから吐出することにより、スーパードロップを形成して高濃度の画像を形成する場合に、飛翔中におけるサブドロップの合体によるスーパードロップの形成が安定して行われ、高い画質の画像を形成することが可能になる。また、各サブドロップにより記録材上で1画素を構成する場合にも、制御された画素形成が行われて高い画質の画像を形成することが可能になる。
また、各駆動パルスの電圧は実質的に等しいため、駆動回路を複雑化することなく、マルチドロップを安定吐出可能なインクジェット記録装置を提供することができる。
また、一印刷周期内の最後の最終パルスの待機時間をALの偶数倍からとしたので、最後のサブドロップSDを吐出した後の圧力室の残留振動は、次の印字周期の最初のサブドロップSDを吐出するまでの間に、十分に低減する。従って、最初のサブドロップSDの吐出時には、圧力室及びノズル内のインクは十分に静定する。そのため、最初のサブドロップSDを通常の速度で安定して吐出することができる。
以上の実施形態では、圧力発生手段(隔壁)が圧電素子により構成されるものを示した。本発明のインクジェット記録装置は、このように圧力発生手段が圧電素子により構成されるものである場合に、圧力室の容積を膨張させる制御が容易にできるために好ましい。
また、上記実施形態では、ALに比べて十分に短い立ち上がり時間及び立ち下がり時間を持った矩形波の駆動パルスを圧電素子に印加している。矩形波を用いることで、圧力波の音響的共振をより有効に利用した駆動を行うことができる。台形波を使用する方法に比べてインク滴を吐出させる効率が良く、低い電圧で駆動することができる上に、簡単なデジタル回路で駆動回路を設計できる効果がある。また、パルス幅の設定が容易になるという利点を有する。
また、上記実施形態例では、圧力発生手段として電界を印加することによりせん断モードで変形するせん断モード型の圧電素子を用いた。せん断モード型の圧電素子では、矩形波の駆動パルスをより効果的に利用することができ、電圧が下げられ、より効率的な駆動が可能となるため好ましい。但し、本発明は、必ずしも記録ヘッドの圧力室の容積を電気・機械変換手段からなる隔壁を駆動させることによってノズルよりインク滴を吐出させるものに限らない。例えば、圧力室内の容積を圧力室の外側に設けた圧電材料からなる電気・機械変換手段によって変化させることによってノズルよりインク滴を吐出させるタイプの記録ヘッドや、圧力室内にヒータを配置し、このヒータを熱源として圧力室内のインクを加熱させ、加熱時に発生する気泡のエネルギーを利用してインク滴を吐出させるタイプの記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置であってもよい。
《インク》
次いで、本発明に係るインクについて説明する。
また、本発明のインクジェット記録装置は、25℃におけるインクの表面張力が31mN/m以下である場合に顕著な効果を発揮する。このような表面張力が低いインクは、インク滴の吐出後のメニスカスの定常状態への復帰速度が遅いので、マルチドロップで連続駆動を行った場合、吐出が不安定になりやすいからである。
画像記録にこのような表面張力が低いインクを用いると、画像記録後に速やかに記録媒体に吸収されるので、画像の定着性を高めることができる。
また、インクの表面張力が低すぎると、ノズル形成部材22に対する濡れ性が高くなるので、吐出側の面のノズル23付近にインクが付着し易くなり、インク吐出が影響を受けやすい。このため、インクの表面張力が10mN/m以上が好ましい。
表面張力は、表面張力計CBVP式A−3型(協和科学株式会社)を用いて測定できる。
インクジェット記録装置で用いられるインクとしては、水を主溶媒とする水性インク、室温では揮発しない不揮発性の溶媒を主とし、実質的に水を含まない油性インク、室温で揮発する溶媒を主とし、実質的に水を含まない非水系インク、室温では固体のインクを加熱溶融して印字するホットメルトインク、印字後、光により重合して硬化する光硬化性インク等、複数のインクがあり、用途に応じて使い分けられている。
前述のようなインクの表面張力が31mN/m以下であるインクとしては、油性インク、非水系インクや光硬化性インクが挙げられる。油性インクとは、炭素数15〜18の飽和炭化水素、または、炭素数15〜18の単価アルコール、もしくは、それらの誘導体を溶媒として、80質量%以上含有するインクを指す。油性インクは、耐水性の良好な画像が得られる利点がある。
《光硬化性インク》
本発明に係る光硬化性インクについて説明する。
本発明に係る光硬化性インクは、主には、光重合性化合物(以下、単に重合性化合物ともいう)、光重合開始剤群の構成化合物及び色材から構成される。本発明でいう光重合開始剤群の構成とは、単一の光重合開始剤、複数種の光重合開始剤、光重合開始剤と増感剤との組み合わせ及び光重合開始剤と増感剤と開始助剤との組み合わせをいう。
〔光重合性化合物〕
本発明に係る光硬化性インクに適用可能な光重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物とカチオン重合性化合物を挙げることができる。
(ラジカル重合性化合物)
本発明に適用可能なラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。また、単官能化合物よりも官能基を2つ以上持つ多官能化合物の方がより好ましい。更に好ましくは多官能化合物を2種以上併用して用いることが、反応性、物性などの性能を制御する上で好ましい。
ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の例としては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸及びそれらの塩、エステル、ウレタン、アミドや無水物、アクリロニトリル、スチレン、さらに種々の不飽和ポリエステル、不飽和ポリエーテル、不飽和ポリアミド、不飽和ウレタン等のラジカル重合性化合物が挙げられる。具体的には、アクリロイルモルホリン、フェノキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシー3−フェノキシプロピルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ブトキシエチルアクリレート、カルビトールアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、ベンジルアクリレート、ビス(4−アクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン、EO変性ビスフェノールAジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、グリセリンエポキシアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、オリゴエステルアクリレート、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、エポキシアクリレート等のアクリル酸誘導体、メチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、アリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、ジメチルアミノメチルメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、2,2−ビス(4−メタクリロキシポリエトキシフェニル)プロパン等のメタクリル誘導体、その他、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物の誘導体が挙げられ、さらに具体的には、山下晋三編,「架橋剤ハンドブック」、(1981年大成社);加藤清視編、「UV・EB硬化ハンドブック(原料編)」(1985年、高分子刊行会);ラドテック研究会編、「UV・EB硬化技術の応用と市場」、79頁、(1989年、シーエムシー);滝山栄一郎著、「ポリエステル樹脂ハンドブック」、(1988年、日刊工業新聞社)等に記載の市販品もしくは業界で公知のラジカル重合性ないし架橋性のモノマー、オリゴマー及びポリマーを用いることができる。上記ラジカル重合性化合物の添加量は好ましくは1〜97質量%であり、より好ましくは30〜95質量%である。
(カチオン重合性化合物)
本発明に適用可能なカチオン重合性化合物としては、例えば、カチオン重合により高分子化することができるエポキシ化合物、オキセタン化合物、ビニルエーテル化合物等を挙げることができる。
本発明で用いることのできるエポキシ化合物としては、例えば、特開2001−220526号、特開2002−188025号、特開2002−317139号、特開2003−55449号、特開2003−73481号公報等に記載の公知のあらゆるエポキシ化合物を用いることができ、少なくとも1個のシクロヘキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することによって得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物としては、例えば、特開2001−220526号、同2001−310937号に紹介されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、エチレングリコールモノビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、ヒドロキシエチルモノビニルエーテル、ヒドロキシノニルモノビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
上記重合性化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
また、インク色材による遮光効果による感度低下を防ぐ手段として、開始剤寿命の長いカチオン重合性モノマーと開始剤を組み合わせ、ラジカル・カチオンのハイブリッド型硬化インクとすることも可能である。
〔光重合開始剤群の構成〕
本発明にかかる光重合開始剤群を構成する添加剤としては、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、開始助剤、増感剤等が包含される。これらの光重合開始剤群のインク中への添加量はインク全体の1〜10質量部が必要となる。
本発明にかかる光重合開始剤群は公知の様々な化合物を使用することができるが、上記重合性化合物に溶解するものから選択する。
(光重合開始剤)
〈ラジカル重合開始剤〉
ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、同61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び同61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、同44−6413号、同44−6413号及び同47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、同37−13109号、同38−18015号、同45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307ページ(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、同126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174ページ(1986年)に記載の金属アレン錯体、特開平4−213861号及び同4−255347号の各公報に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277ページ(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01〜10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
〈カチオン重合開始剤〉
本発明に係る光硬化性インクにおいては、カチオン重合性化合物と共に、光重合開始剤としてカチオン重合開始剤を含有することが好ましい。
カチオン重合開始剤としては、具体的には光酸発生剤等を挙げることができ、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウム等の芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例を以下に示す。
Figure 2010094856
第2に、スルホン酸を発生するスルホン化物を挙げることができ、その具体的な化合物を以下に例示する。
Figure 2010094856
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、以下にその具体的な化合物を例示する。
Figure 2010094856
第4に、鉄アレン錯体を挙げることができる。
Figure 2010094856
(増感剤)
本発明に係る光硬化性インクにおいては、300nmよりも長波長に紫外線スペクトル吸収を有する増感剤を用いることが好ましく、例えば、置換基として水酸基、置換されていてもよいアラルキルオキシ基またはアルコキシ基を少なくとも1つ有する多環芳香族化合物、カルバゾール誘導体、チオキサントン誘導体等を挙げることができる。
本発明で用いることのできる多環芳香族化合物としては、ナフタレン誘導体、アントラセン誘導体、クリセン誘導体、フェナントレン誘導体が好ましい。置換基であるアルコキシ基としては、炭素数1〜18のものが好ましく、特に炭素数1〜8のものが好ましい。アラルキルオキシ基としては、炭素数7〜10のものが好ましく、特に炭素数7〜8のベンジルオキシ基、フェネチルオキシ基が好ましい。
本発明に用いることのできるこれらの増感剤を例示すると、カルバゾール、N−エチルカルバゾール、N−ビニルカルバゾール、N−フェニルカルバゾール等のカルバゾール誘導体、1−ナフトール、2−ナフトール、1−メトキシナフタレン、1−ステアリルオキシナフタレン、2−メトキシナフタレン、2−ドデシルオキシナフタレン、4−メトキシ−1−ナフトール、グリシジル−1−ナフチルエーテル、2−(2−ナフトキシ)エチルビニルエーテル、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジメトキシナフタレン、1,1′−チオビス(2−ナフトール)、1,1′−ビ−2−ナフトール、1,5−ナフチルジグリシジルエーテル、2,7−ジ(2−ビニルオキシエチル)ナフチルエーテル、4−メトキシ−1−ナフトール、ESN−175(新日鉄化学社製のエポキシ樹脂)またはそのシリーズ、ナフトール誘導体とホルマリンとの縮合体等のナフタレン誘導体、9,10−ジメトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジメトキシアントラセン、9−メトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジエトキシアントラセン、9−エトキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジプロポキシアントラセン、9−イソプロポキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジベンジルオキシアントラセン、9−ベンジルオキシ−10−メチルアントラセン、9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−エチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2−tブチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、2,3−ジメチル−9,10−ジ−α−メチルベンジルオキシアントラセン、9−(α−メチルベンジルオキシ)−10−メチルアントラセン、9,10−ジ(2−ヒドロキシエトキシ)アントラセン、2−エチル−9,10−ジ(2−カルボキシエトキシ)アントラセン等のアントラセン誘導体、1,4−ジメトキシクリセン、1,4−ジエトキシクリセン、1,4−ジプロポキシクリセン、1,4−ジベンジルオキシクリセン、1,4−ジ−α−メチルベンジルオキシクリセン等のクリセン誘導体、9−ヒドロキシフェナントレン、9,10−ジメトキシフェナントレン、9,10−ジエトキシフェナントレン等のフェナントレン誘導体等を挙げることができる。これら誘導体の中でも、特に、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有していてもよい9,10−ジアルコキシアントラセン誘導体が好ましく、アルコキシ基としてはメトキシ基、エトキシ基が好ましい。
また、チオキサントン誘導体としては、例えば、チオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン2−クロロチオキサントン等を挙げることができる。
(開始助剤)
開始助剤とは、光照射により、電子供与、電子吸引、熱の発生等により開始剤にエネルギーを供与して、開始剤のラジカルまたは酸の発生効率を向上させる増感色素として作用する物質であり、開始剤と組み合わせて適用される。
開始助剤としては、例えば、キサンテン、チオキサントン色素、ケトクマリン、チオキサンテン色素、シアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が適用できる。
また、開始助剤としては、上述の化合物の他、「高分子添加剤の開発技術」(シーエムシー出版、大勝靖一監修)等の文献で増感色素として作用することが周知になっている物質を適用することとしてもよい。なお、開始助剤は光重合開始剤の一部をなす構成要素とみなすこともできる。
これらの光開始剤に加え、光重合(硬化)反応を促進するため促進助剤を添加することもできる。これらの例として、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
ラジカル重合性組成物に適用されるラジカル重合開始剤と開始助剤との組み合わせの例としては、ラジカル重合開始剤である過酸エステルと開始助剤であるキサンテン、チオキサントン色素、ケトクマリン、チオピリリウム塩との組み合わせ、ラジカル重合開始剤であるジフェニルヨードニウム塩等のオニウム塩と開始助剤であるチオキサンテン色素との組み合わせ等が周知となっている。
また、ラジカル重合開始剤としてチタノセン類を適用する場合には、チタノセン類をレーザ又はLEDに対応して可視光線から近赤外線まで波長増感させる開始助剤として、例えばシアニン、フタロシアニン、メロシアニン、ポルフィリン、スピロ化合物、フェロセン、フルオレン、フルギド、イミダゾール、ペリレン、フェナジン、フェノチアジン、ポリエン、アゾ化合物、ジフェニルメタン、トリフェニルメタン、ポリメチンアクリジン、クマリン、ケトクマリン、キナクリドン、インジゴ、スチリル、ピリリウム化合物、ピロメテン化合物、ピラゾロトリアゾール化合物、ベンゾチアゾール化合物、バルビツール酸誘導体、チオバルビツール酸誘導体等が適用できる。
チタノセンと組み合わせて用いる開始助剤としては、更に欧州特許568,993号、米国特許4,508,811号、同5,227,227号、特開2001−125255号、特開平11−271969号等に記載の化合物も適用可能である。このようなチタノセン類のラジカル重合開始剤と開始助剤との組み合わせの具体例としては、特開2001−125255号、特開平11−271969号に記載のある組み合わせが挙げられる。
〔色材〕
本発明に係る光硬化性インクに用いる色材は、顔料あるいは染料を用いることができる。画像の耐候性の観点から、顔料を用いることが好ましい。
本発明で好ましく用いることのできる顔料を、以下に列挙する。
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,81,83,87,93,95,97,98,109,114,120,128,129,138,150,151,154,180,185、
C.I.Pigment Red 5,7,12,22,38,48:1,48:2,48:4,49:1,53:1,57:1,63:1,101,112,122,123,144,146,168,184,185,202、
C.I.Pigment Violet 19,23、
C.I.Pigment Blue 1,2,3,15:1,15:2,15:3,15:4,18,22,27,29,60、
C.I.Pigment Green 7,36、
C.I.Pigment White 6,18,21、
C.I.Pigment Black 7。
上記顔料の分散には、例えば、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。また、顔料の分散を行う際に、分散剤を添加することも可能である。分散剤としては、高分子分散剤を用いることが好ましく、高分子分散剤としてはAvecia社のSolsperseシリーズや、味の素ファインテクノ社のPBシリーズが挙げられる。また、分散助剤として、各種顔料に応じたシナージストを用いることも可能である。これらの分散剤および分散助剤は、顔料100質量部に対し、1〜50質量部添加することが好ましい。分散媒体は、溶剤または重合性化合物を用いて行うが、本発明に用いる光硬化型インクでは、インク着弾直後に反応・硬化させるため、無溶剤であることが好ましい。溶剤が硬化画像に残ってしまうと、耐溶剤性の劣化、残留する溶剤のVOCの問題が生じる。よって、分散媒体は溶剤では無く重合性化合物、その中でも最も粘度の低いモノマーを選択することが分散適性上好ましい。
顔料の分散は、顔料粒子の平均粒径を0.08〜0.2μmとすることが好ましく、最大粒径は0.3〜10μm、好ましくは0.3〜3μmとなるよう、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜設定する。この粒径管理によって、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、インクの保存安定性、インク透明性および硬化感度を維持することができる。
本発明に係るインクにおいては、色材濃度としては、インク全体の1質量%乃至30質量%であることが好ましい。白以外のインクにおいては1質量%乃至10質量%が更に好ましい。
〔その他の添加剤〕
本発明に係るインクには、保存性を高める観点から、重合禁止剤を200〜20000ppm添加することができる。本発明に係るインクは40〜80℃の範囲で加熱、低粘度化して射出することが好ましいので、熱重合によるヘッド詰まりを防ぐためにも重合禁止剤を入れることが好ましい。
この他に、必要に応じて界面活性剤、レベリング添加剤、マット剤、膜物性を調整するためのポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、ゴム系樹脂、ワックス類を添加することができる。
25℃における粘度は、着弾後の液滴の定着のしやすさから25mPa・s以上500mPa・s以下が好ましく、吐出時の駆動の電圧、安定性から吐出時の粘度は8mPa・s以上20mPa・s以下が好ましい。インクの表面張力は31mN/m以下が着弾後の後退が少なく線の輪郭の描画性が良く好ましい。
記録媒体との接触角は、液寄りによる着弾後の後退が少なく線の輪郭の描画性が良く、かつ記録媒体での定着しやすさから、前述のように10〜30°が好ましい。
光として、主には、紫外線を用いて硬化するインクにより画像記録を行うが、インクは必ずしもこれには限定されず、例えば、可視光線、赤外線等の電磁波といった紫外線以外の光を照射することにより硬化するインクであってもよい。この場合、インクには、紫外線以外の光で重合して硬化する重合性化合物と、紫外線以外の光で重合性化合物同士の重合反応を開始させる光開始剤とが適用される。また、紫外線以外の光で硬化する光硬化性のインクを用いる場合は、紫外線光源に代えて、その光を照射する光源を適用する。
画像記録に光硬化性インクを用いると、画像記録後に光を照射すれば光硬化性インクは重合して硬化するので、長期間にわたって画像を消えずに維持することができ、インクジェット記録装置による画像の品質を高めることができる。さらに、光硬化性インクを画像記録に用いれば、記録媒体がインク吸収性のよい記録媒体(例えば、紙など)でなくとも、インク吸収性のない記録媒体、あるいはインク吸収性の低い記録媒体であっても画像記録を行うことができる。
《非水系インク》
長期の耐候性が求められる屋外掲示物や曲面を有する物体への密着性が求められる印字物等には、記録媒体としてポリ塩化ビニルやポリエチレンなどのプラスチック製の記録媒体が用いられ、特に広い用途で軟質ポリ塩化ビニル製の記録媒体が使用されている。軟質ポリ塩化ビニルに印刷する方法は多数あるが、版作製の必要がなく、仕上がりまでの時間が短く、少量多品種の生産に適する方法として、インクジェット記録方法がある。
軟質ポリ塩化ビニルに対してインクジェット記録を行う際、用いるインクとしては、軟質ポリ塩化ビニルに対する溶解能を有するシクロヘキサノン、N−メチルピロリドン等を含有し、主溶剤としてグリコールアセテート類を含有する非水系インクを用いる。これらのインクは、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン等の溶剤が、軟質ポリ塩化ビニルに対する溶解能が高く、インク中の顔料が軟質ポリ塩化ビニル中に入り込むため、良好な耐擦過性、光沢性が得られる。
本発明に係る非水系インク(以下、単にインクともいう)は非水系溶媒を含有することができるが、一般式(1)及び(2)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物からなる溶媒(A)を含有することが好ましい。
Figure 2010094856
Figure 2010094856
一般式(1)において、R、Rはそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OXはオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
また、一般式(2)において、R、Rはそれぞれメチル基またはエチル基を表し、OXはオキシエチレン基またはオキシプロピレン基を表す。
本発明に係る一般式(1)、(2)で表される具体的な化合物としては、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、プロピレングリコールジアセテート等が挙げられる。
これらの中でも、溶媒(A)の成分として、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジアセテート及びプロピレングリコールジアセテートから選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリ塩化ビニルに印字した時のインクの速乾性、及びインクの長期保存安定性をより向上させることができる。その中でも、特に好ましい溶媒(A)としては、ジエチレングリコールジエチルエーテルとエチレングリコールジアセテートを少なくとも1:1〜10:1の比で含有するものである。
インク中の溶媒(A)の含有量は、50質量%以上、90質量%以下であることが好ましく、このような溶媒構成にすることにより、ポリ塩化ビニル印字時の速乾性、出射安定性が良好となるのに加え、インクの臭気をより少ないものとするとともに、インクの長期保存安定性に寄与する。
〔その他の溶媒〕
本発明に係る非水性インクにおいては、本発明に係る溶媒(A)の他に、本発明の目的効果を損なわない範囲で、従来公知の溶媒を含有しても良く、そのような溶媒としては、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルキレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジブチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル等のアルキレングリコールジアルキルエーテル類が挙げられる。
さらに、本発明のインクでは、塩ビ記録媒体との密着性を高める目的で塩ビ溶解性を持たせるための有機溶剤を添加しても良いが、長期保存安定性をより良好に奏するために、以下に示すような化合物を含有することが好ましい。
その一つの溶媒としては、下記一般式(3)または(4)で表される化合物群から選ばれる1種類以上の化合物からなる溶媒(B)を挙げることができる。
Figure 2010094856
Figure 2010094856
一般式(3)において、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセチル基、アセトニル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にRとRは同じであっても異なっていても良く、またRとRが互いに結合して環を形成していても良い。
一般式(4)において、R、Rはそれぞれ炭素数1〜6の置換基を表し、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基のような直鎖または分岐のアルキル基や、ヒドロキシエチル基、アセチル基、アセトニル基のようなヘテロ原子が置換したアルキル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの環状、または芳香族の置換基等が挙げられ、更にRとRは同じであっても異なっていても良く、またRとRが互いに結合して環を形成していても良い。
本発明に係る一般式(3)、(4)で表される化合物としては、例えば、ジメチルスルホキシド、ジエチルスルホキシド、メチルエチルスルホキシド、ジフェニルスルホキシド、テトラエチレンスルホキシド、ジメチルスルホン、メチルエチルスルホン、メチル−イソプロピルスルホン、メチル−ヒドロキシエチルスルホン、スルホラン等が挙げられる。
インク中の溶媒(B)の含有量は、1.5質量%以上、30質量%以下であることが好ましく、より好ましくは3質量%以上、20質量%以下であり、特に好ましくは5質量%以上、15質量%以下である。溶媒(B)の含有量が1.5質量%以上であれば、インクのポリ塩化ビニルに対する溶解能が十分となり、ポリ塩化ビニルに対する耐擦過性やアルコール拭き取り耐性を得ることができる。また、3質量%以上であれば、ポリ塩化ビニルに対する耐擦過性やアルコール拭き取り耐性が良好であり、30質量%以下であれば、長期の使用によりインクジェットヘッドの異常を引き起こすことなく、安定した出射を行うことができる。
また、その一つの溶媒としては、下記一般式(5)または(6)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2010094856
〔式中、Rは炭素数3〜11のアルキレン基、Rは水素原子またはメチル基を表す。〕
一般式(6)
CON(R
〔式中、R、Rは、それぞれ独立に水素原子または炭素数1〜4のアルキル基を表す。〕
上記一般式(5)で表される溶媒の具体例としては、β−ラクタム、2−ピロリドン、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム、N−メチル−2−ピロリドン等が挙げられる。
また、上記一般式(6)で表される溶媒の具体例としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド等が挙げられる。
その他に、ポリ塩化ビニル樹脂の可溶溶媒としては、1,2−ジクロロエタン、ニトロエタン、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸ブチル、ジオキサン、シクロヘキサン、シクロヘキサノン、ピリジン、モルホリン、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。
また、その他の併用可能な溶媒として、ラクトン系溶媒を挙げることができる。
ラクトン系溶媒は、エステル結合による環状構造を持つ化合物であり、5員環構造のγ−ラクトンや6員環構造のδ−ラクトン、7員環構造のε−ラクトン等があり、例えば、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、γ−ヘキサラクトン、γ−ヘプタラクトン、γ−オクタラクトン、γ−ノナラクトン、γ−デカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、δ−ヘキサラクトン、δ−ヘプタラクトン、δ−オクタラクトン、δ−ノナラクトン、δ−デカラクトン、δ−ウンデカラクトン、ε−カプロラクタムである。ラクトン系溶剤は、好ましい態様としては5員環構造のγ−ラクトンであり、さらに好ましい態様においては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンである。
更に、その他の併用可能な溶媒として、下記に示す溶媒を挙げることができる。
Figure 2010094856
次いで、本発明に係るインクのその他の構成要素について説明する。
〔顔料〕
本発明に係る非水系インクにおいては、色材として顔料を使用する。色材として顔料を用いることにより、ポリ塩化ビニル等のプラスチック製の記録媒体に記録した記録物の耐候性を高めることができる。
本発明において使用できる顔料としては、従来公知のものを特に制限なく使用でき、例えば、前述の光硬化性インクに適用可能な顔料と同様な種類をあげることができる。
〔顔料分散剤〕
本発明に係るインクにおいては、顔料分散剤としては、界面活性剤、高分子分散剤等が用いることができる。高分子分散剤としては、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系樹脂、水酸基含有カルボン酸エステル、長鎖ポリアミノアマイドと高分子量酸エステルの塩、高分子量ポリカルボン酸の塩、長鎖ポリアミノアマイドと極性酸エステルの塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリアリルアミンと遊離のカルボン酸を有するポリエステルの縮合物または造塩物、変性ポリウレタン、変性ポリアクリレート、ポリエーテルエステル型アニオン系活性剤、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ステアリルアミンアセテート、顔料誘導体等を挙げることができる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、Anti−Terra−U(BYK Chemie社製)、Disperbyk(BYK Chemie社製)、Efka(Efka CHEMICALS社製)、フローレン(共栄社化学社製)、ディスパロン(楠本化成社製)、デモール(花王社製)、ホモゲノール、エマルゲン(以上、花王社製)、ソルスパーズ(アビシア社製)、ニッコール(日光ケミカル社製)、アジスパー(味の素ファインテック)等が挙げられる。
本発明のインクにおける分散剤の含有量は、顔料に対して10質量%〜200質量%の範囲で添加することが好ましい。10質量%以上とすることで顔料分散の安定性が高められ、200質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなる。
〔樹脂〕
本発明に係る非水系インクでは、ポリ塩化ビニル等のプラスチック製の記録媒体に記録した際の定着性を向上させるために、様々な樹脂(以下、単に樹脂ともいう)が添加される。
マルチドロップで高速駆動を行う際には、メニスカスの振動を早期に減衰させる必要がある。特に樹脂を含有させた非水系インクでは、このようなメニスカスの振動を早期に減衰させることが難しく、安定出射が難しい。本発明のインクジェット記録装置によれば、各駆動パルスの待機期間を最適化してメニスカスの残留振動を適量に設定できすることにより、前の吐出の残留振動を利用して後続のインク滴の速度増加を図ることと、この残留振動により吐出が不安定化することという相反する問題を解決し得て、樹脂を含有させた非水系インクを使用しても、安定にスーパードロップが形成できるインクジェット記録装置を提供することができる。
添加する樹脂としては、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合樹脂等が挙げられる。
具体的には、ジョンクリル(ジョンソンポリマー社製)、エスレックP(積水化学社製)等のアクリル系樹脂、エリーテル(ユニチカ社製)、バイロン(東洋紡社製)等のポリエステル系樹脂、バイロンUR(東洋紡社製)、NT−ハイラミック(大日精化社製)、クリスボン(大日本インキ化学工業社製)、ニッポラン(日本ポリウレタン社製)等のポリウレタン樹脂、SOLBIN(日信化学工業社製)、ビニブラン(日信化学工業社製)、サランラテックス(旭化成ケミカルズ社製)、スミエリート(住友化学社製)、セキスイPVC(積水化学社製)、UCAR(ダウケミカル社製)等の塩化ビニル系樹脂が挙げられる。
樹脂は、印字後に記録媒体に対して顔料などの色材を接着するバインダーの作用をするが、樹脂は分子量が大きいほど接着性、耐久性が良くなる。また、分子量が小さいほどインクの粘度が低くなるが、粘度が低い方が印字時のインクの出射に必要なエネルギーが低くなり、インクジェットヘッドに負荷がかからず、安定に出射しやすくなる。したがって数平均分子量で10000以上であると印字後の定着性が十分に発揮され、30000以下であればインクの出射に負荷がかからず好ましい。
特に好ましい樹脂は、数平均分子量が10000〜30000の範囲であり、組成としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合物及び塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキルアクリレート共重合物から選ばれる少なくとも1種の樹脂であり、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物と塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物を混合して用いても良く、更にはこれら塩化ビニル−酢酸ビニル共重合物や塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合物などと、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを混合して用いても良い。
本発明に係るインクにこれらの樹脂を添加することにより、出射安定性と耐擦過性やアルコール拭き取り耐性をバランスよく向上させることができる。
本発明でいうアルコール拭き取り耐性とは、エタノールまたはエタノール・水混合溶媒で画像表面を拭き取った際に画像剥離等の乱れに対する耐性であり、屋外用途のポスター等で、画像表面の汚れをアルコールで拭き取ることに対するユーザーニーズである。
本発明に係る樹脂の合成法としては、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合法など、特に制約はなく適用することができるが、その中でも、溶液重合法が好ましい。
溶液重合法とは、ビニル基をもつモノマーのラジカル重合を行う際に用いられる方法の一つで、生成するポリマーが可溶な溶媒にモノマー及び開始剤を溶解させて、加熱して重合を行う方法である。
溶液重合法により合成された樹脂は、比較的高分子量であっても溶解性が高く、インク中により多くの樹脂を含有させることができるため、耐擦過性を向上させることができる。
本発明に係るインクにおける樹脂の含有量は、1〜10質量%であることが好ましい。含有量を1質量%以上とすることで、ポリ塩化ビニルに記録した時の画像耐候性が高められ、10質量%以下とすることでインクジェットヘッドからのインク吐出性が安定しやすくなり、より好ましい含有量の範囲は3〜7質量%の範囲である。
〔その他の添加剤〕
本発明に係る非水系インクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防ばい剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
本発明に係る非水系インクを用いたインクジェット記録方法においては、例えば、インクを装填したプリンタ等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを吐出し記録媒体に付着させることで、インクジェット記録画像が得られる。記録媒体に付着させたインクを素早く確実に乾燥させるため、記録媒体の表面温度を高めて画像形成する方法が好ましい。
表面温度は、記録媒体の耐久性や、用いるインクの乾燥性に応じて調節するが、好ましくは40〜100℃である。特に、記録媒体としてポリ塩化ビニルを用いる場合、表面温度を高めることにより、記録媒体表面に対するインクの濡れ性が向上するため、表面温度を高めて記録することはより好ましい。
ポリ塩化ビニル製の記録媒体の銘柄によっても濡れ性やインク乾燥性に違いが生じることがあるので、各媒体の特性に応じて表面温度を調節しても良い。
記録媒体の表面温度を高めて記録を行う場合、インクジェット記録装置にヒーターを搭載させることが好ましく、記録媒体の搬送前、もしくは搬送時に加熱を行うことにより、インクジェット記録装置単体で記録媒体の表面温度を調節することが可能である。
〔記録媒体〕
本発明のインクジェット記録装置においては、紙、樹脂、金属、ガラス等の各種記録媒体を適用することができる。
本発明に係る非水系インクを用いて、記録媒体に画像を記録する際、記録媒体として、ポリ塩化ビニル、可塑剤を含有しない樹脂基材及び非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体から選ばれる少なくとも1種の記録媒体を用いることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法で用いる記録媒体の一つであるポリ塩化ビニルの具体例としては、SOL−371G、SOL−373M、SOL−4701(以上、ビッグテクノス株式会社製)、光沢塩ビ(株式会社システムグラフィ社製)、KSM−VS、KSM−VST、KSM−VT(以上、株式会社きもと製)、J−CAL−HGX、J−CAL−YHG、J−CAL−WWWG(以上、株式会社共ショウ大阪製)、BUS MARK V400 F vinyl、LITEcal V−600F vinyl(以上、Flexcon社製)、FR2(Hanwha社製)LLBAU13713、LLSP20133(以上、桜井株式会社製)、P−370B、P−400M(以上、カンボウプラス株式会社製)、S02P、S12P、S13P、S14P、S22P、S24P、S34P、S27P(以上、Grafityp社製)、P−223RW、P−224RW、P−249ZW、P−284ZC(以上、リンテック株式会社製)、LKG−19、LPA−70、LPE−248、LPM−45、LTG−11、LTG−21(以上、株式会社新星社製)、MPI3023(株式会社トーヨーコーポレーション社製)、ナポレオングロス 光沢塩ビ(株式会社二樹エレクトロニクス社製)、JV−610、Y−114(以上、アイケーシー株式会社製)、NIJ−CAPVC、NIJ−SPVCGT(以上、ニチエ株式会社製)、3101/H12/P4、3104/H12/P4、3104/H12/P4S、9800/H12/P4、3100/H12/R2、3101/H12/R2、3104/H12/R2、1445/H14/P3、1438/One Way Vision(以上、Inetrcoat社製)、JT5129PM、JT5728P、JT5822P、JT5829P、JT5829R、JT5829PM、JT5829RM、JT5929PM(以上、Mactac社製)、MPI1005、MPI1900、MPI2000、MPI2001、MPI2002、MPI3000、MPI3021、MPI3500、MPI3501(以上、Avery社製)、AM−101G、AM−501G(以上、銀一株式会社製)、FR2(ハンファ・ジャパン株式会社製)、AY−15P、AY−60P、AY−80P、DBSP137GGH、DBSP137GGL(以上、株式会社インサイト社製)、SJT−V200F、SJT−V400F−1(以上、平岡織染株式会社製)、SPS−98、SPSM−98、SPSH−98、SVGL−137、SVGS−137、MD3−200、MD3−301M、MD5−100、MD5−101M、MD5−105(以上、Metamark社製)、640M、641G、641M、3105M、3105SG、3162G、3164G、3164M、3164XG、3164XM、3165G、3165SG、3165M、3169M、3451SG、3551G、3551M、3631、3641M、3651G、3651M、3651SG、3951G、3641M(以上、Orafol社製)、SVTL−HQ130(株式会社ラミーコーポレーション製)、SP300 GWF、SPCLEARAD vinyl(以上、Catalina社製)、RM−SJR(菱洋商事株式会社製)、Hi Lucky、New Lucky PVC(以上、LG社製)、SIY−110、SIY−310、SIY−320(以上、積水化学工業株式会社製)、PRINT MI Frontlit、PRINT XL Light weight banner(以上、Endutex社製)、RIJET 100、RIJET 145、RIJET165(以上、Ritrama社製)、NM−SG、NM−SM(日栄化工株式会社製)、LTO3GS(株式会社ルキオ社製)、イージープリント80、パフォーマンスプリント80(以上、ジェットグラフ株式会社製)、DSE 550、DSB 550、DSE 800G、DSE 802/137、V250WG、V300WG、V350WG(以上、Hexis社製)、Digital White 6005PE、6010PE(以上、Multifix社製)等が挙げられる。
また、可塑剤を含有しない樹脂基材または非吸収性の無機基材を構成要素とする記録媒体としては、下記の各種基材を構成要素として、1種類の基材単独で、または複数の種類の基材を組み合わせて、使用をすることができる。本発明に用いられる可塑剤を含有しない樹脂基材としては、例えば、ABS樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアセタール(POM)樹脂、ポリアミド(PA)樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、可塑剤を含有しない硬質ポリ塩化ビニル(PVC)樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂は可塑剤を含有していないことが特徴であるが、その他の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性について特に制限はない。
本発明に用いられる記録媒体として好ましくは、ABS樹脂、PET樹脂、PC樹脂、POM樹脂、PA樹脂、PI樹脂、可塑剤を含有しない硬質PVC樹脂、アクリル樹脂、PE樹脂、PP樹脂である。さらに好ましくはABS樹脂、PET樹脂、PC樹脂、PA樹脂、可塑剤を含有しない硬質PVC樹脂、アクリル樹脂である。
また、本発明に用いられる非吸収性の無機基材としては、例えば、ガラス板、鉄やアルミニウムなどの金属板、セラミック板等が挙げられる。これらの無機基材は表面にインク吸収性の層を有していないことが特徴である。これらの非吸収性の無機基材はその他の厚み、形状、色、軟化温度、硬さ等の諸特性について特に制限はない。
以下、本発明の効果を実施例に基づいて例証するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
<インク>
なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
<光硬化性インクのインク1の作製>
〔分散液1の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
PB822(味の素ファインテクノ社製分散剤) 8部
テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA、二官能) 72部
室温まで冷却した後、これにPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液1を調製した。
〔インク1の調製〕
上記調整した分散液1を14部、重合性化合物(ラジカル重合性)としてRAを24.9部とTEGDAを29.0部とA−400を25.0部、変性シリコーンオイルとしてSDX−1843を0.1部、光重合開始剤群として光重合開始剤であるI−907を5.0部と増感剤であるIPTXを2.0部を混合して、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、光硬化性インクのインク1を得た。
<光硬化性インクのインク2の作製>
〔分散液2の調製〕
下記の各化合物をステンレスビーカーに入れ、65℃のホットプレート上で加熱しながら1時間加熱撹拌溶解した。
PB821(味の素ファインテクノ社製分散剤) 9部
OXT221(東亞合成社製オキセタン化合物) 71部
室温まで冷却した後、これにPigment Blue 15:4(山陽色素社製Cyanine Blue 4044)を20部加えて、直径0.3mmのジルコニアビーズ200gと共にガラス瓶に入れ密栓し、ペイントシェーカーにて4時間分散処理した後、ジルコニアビーズを除去し、分散液2を調製した。
〔インク2の調製〕
上記調整した分散液2を14部、重合性化合物(カチオン重合性)として2021Pを20.0部とOXT221を43.9部とOXT212を15.0部、変性シリコーンオイルとしてSDX−1843を0.1部、光重合開始剤群として光重合開始剤であるUVI6992を5.0部と増感剤であるCPTXを2.0部を混合して、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、光硬化性インクのインク2を得た。
また、略称で記載の化合物の詳細は、以下の通りである。
〈ラジカル重合性化合物〉
RA:ラウリルアクリレート
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
A−400:NKエステル 新中村化学工業製
〈カチオン重合性化合物〉
2021P:セロキザイド2021P(脂環式エポキシ化合物、二官能、ダイセル化学工業社製)
OXT212:単官能オキセタン化合物、東亞合成社製
OXT221:二官能オキセタン化合物、東亞合成社製
〈変性シリコーンオイル〉
SDX−1843:変性シリコーンオイルSDX−1843、旭電化工業社製
〈光重合開始剤〉
I−907:イルガキュア907 チバ・ジャパン社製
UVI6992:トリアリールスルホニウム塩、UVI6992、ダウケミカル社製
〈増感剤〉
IPTX:イソプロピルチオキサントン
CPTX:1−クロロ−4−プロポキシチオキサントン
AHC:3−アセチル−7−ヒドロキシクマリン
<非水系のインク3の作製>
以下に記載の顔料分散剤、樹脂は、減圧蒸留にて低沸点溶媒を留去し、固形分が20質量%となるように分散で用いる有機溶媒で希釈して使用した。以下、顔料分散剤、樹脂の使用量は固形分換算値を表す。
〔顔料分散体3の調製〕
C.I.ピグメントブルー15:3(以下、PB15:3と略記する)を10部、顔料分散剤であるソルスパーズ24000(ルーブリゾール社製)を5部、溶媒(B)としてスルホラン(S−10)を10部、溶媒(A)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを60部とエチレングリコールジアセテートを15部混合し、直径0.5mmのジルコニアビーズを体積率で60%充填した横型ビーズミル(アシザワ社製 システムゼータミニ)を用いて分散し、その後ジルコニアビーズを除去して顔料分散体3を得た。
〔樹脂溶液の調製〕
溶媒(B)としてジメチルスルホキシドを10部、溶媒(A)としてジエチレングリコールジエチルエーテルを65部とエチレングリコールジアセテートを15部、樹脂として、溶液重合法により合成された塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合物(商品名VYHD、数平均分子量22000、ダウケミカルズ社製)を10部、それぞれ混合、溶解して樹脂溶液を調製した。
〔インク3の調製〕
上記樹脂溶液の50部を攪拌しながら、顔料分散体3の50部を混合し、次いで、0.8μmのフィルターによりろ過して、非水系のインク3を得た。
<光硬化性インクのインク4の作製>
上記インク2の作製において、変性シリコーンオイル(SDX−1843)を0.1部添加する代わりにOXT221を44.0部とした以外は同様にして、光硬化性インクのインク4を作製した。
各インクの表面張力は、表面張力計CBVP式A−3型(協和科学株式会社)を用いて測定できる。
《画像形成と評価》
(画像番号1〜32)
図2に示すせん断モードタイプの記録ヘッド(ノズルピッチ:180dpi、ノズル数:256、ノズル径:23μm、AL:2.4μs、インク滴量:4pl)を2つ用意し、各ヘッドのノズル列が、相互に1/2ピッチずらされ、千鳥状に配置するように貼り合わせた。これにより、各ヘッドのそれぞれが180dpiのヘッドであるので、ノズルのピッチを互いに1/2ずらせることで、360dpiの記録ヘッドとして使用することが可能となり、ノズル数を増やし、高密度の記録ヘッドとすることができる。
この2列ヘッド(ノズルピッチ:360dpi、ノズル数:512)を備えた図1に記載の構成からなるインクジェット記録装置に、上記調製した各インクを装填し、表1に記載の各種記録媒体へ、下記の条件で吐出した。
この2列ヘッド(ノズルピッチ:360dpi、ノズル数:512)の各列の圧力室を図6に示したSD〜SDのサブドロップをそれぞれ吐出させる3つの駆動パルスP〜Pを1画素周期内に連続的に印加する駆動信号を基本として、3群に分け、3サイクル駆動を行った。
各駆動パルスは、各膨張パルスの電圧Vonを16V、各収縮パルスの電圧Voffを8Vとし、VonとVoffの比(|Von|/|Voff|)は2/1とした。
また、各膨張パルスのパルス幅(B、B,B)を1AL、各収縮パルスのパルス幅(S,S,S)を2ALとした。
各駆動パルスの待機時間(Y,Y,Y)を表1に示すように変化させた。
尚、光硬化性インクを吐出する際はインクタンクからヘッド部分まで断熱して50℃の加温を行った。また、記録ヘッド2の両側(キャリッジ上)に光照射手段である、照度(光量):100mW/cmのLED(日亜化学社製(特注品)、ピーク波長:365nm)を設置し、インク着弾後0.1秒後に紫外線が照射されてインクを硬化した。
記録媒体は、上質紙、PVC(ポリ塩化ビニル)製の記録媒体であるJT5929PM(Mactac社製)を使用した。なお、印字中は、記録媒体を裏面から加温して、画像記録時の記録媒体の表面温度が45℃になるようにヒーター温度を設定した。記録媒体の表面温度は、非接触温度計(IT−530N形(株)堀場製作所社製)を用いて測定した。
〔画像の評価〕
上記方法に従って、作成した各画像を、下記の方法に従って評価を行った。いずれも△以上の性能を許容レベルとした。
(画素形状の評価)
形成した画像について、1画素に打ち込まれた3滴のインク滴による1ドットの形状をルーペで拡大観察し、下記の評価基準に則りドット形状の評価を行った。
○:1画素を形成する3つのSD(インク滴)がほぼ同一位置に着弾し、ドット形状の乱れがほぼない
△:1画素を形成する3つのSD(インク滴)が互いに若干離れて着弾し、ドット形状もやや乱れているが、許容の範囲である
×:1画素を形成する3つのSD(インク滴)が互いに離れて着弾し、画素が乱れ、ドット形状が悪く、実用上問題となるレベル。
(出射安定性の評価)
20℃、30%RHの環境下で、クリーニングをせずに1時間連続して吐出を続けた後の状態を目視観察し、下記に示す基準に従って吐出安定性を評価した。
○:全ノズルから正常に出射
△:1〜3ノズルに目詰まりや吐出曲がりが見られるが、ノズル面からの吸引クリーニングにより回復し、実用上許容できる範囲にある
×:4ノズル以上に目詰まりや吐出曲がりが発生し、吸引クリーニングにより回復不可能な目詰まりや吐出曲がりが1ノズル発生。
(定着性の評価)
記録した画像表面を乾いた木綿で50回擦り、擦った前後での画像濃度差を求めた。この結果を基に、下記基準に従って定着性を評価した。
○:擦った前後での画像濃度差が変わらない
△:擦った前後での画像濃度差が−10%以内の劣化
×:擦った前後での画像濃度差が−10%を超える劣化
以上により得られた各結果を、表1に示す。
Figure 2010094856
表1より、本発明のインクジェット記録装置は、比較例のインクジェット記録装置に比べて、SD〜SDの各インク滴により形成した1ドットの画素形状に優れ、出射安定性も良好であることが確認できた。
また、インクの表面張力を31mN/m以下にすると定着性も向上することがわかる。
(実施例2)
(画像番号33〜52)
実施例1の方法に従って、SD〜SDのサブドロップをそれぞれ吐出させる3つの駆動パルスP〜Pを1画素周期内に連続的に印加する駆動信号に代えて、同様の方法により、SD〜SDのサブドロップをそれぞれ吐出させる4つの駆動パルスP〜Pを1画素周期内に連続的に印加する駆動信号を用いて画像形成と評価を行った。
各駆動パルスは、各膨張パルスの電圧Vonを16V、各収縮パルスの電圧Voffを8Vとし、VonとVoffの比(|Von|/|Voff|)は2/1とした。
また、各膨張パルスのパルス幅(B、B、B、B)を1AL、各収縮パルスのパルス幅(S、S、S、S)を2ALとした。
各駆動パルスの待機時間(Y、Y、Y、Y)を表2に示すように変化させた。
以上により得られた各結果を、表2に示す。
Figure 2010094856
表2より、本発明のインクジェット記録装置は、比較例のインクジェット記録装置に比べて、SD〜SDの各インク滴により形成した1ドットの画素形状に優れ、出射安定性も良好であることが確認できた。
また、インクの表面張力を31mN/m以下にすると定着性も向上することがわかる。
インクジェット記録装置の概略構成を示す図である。 液滴吐出ヘッドの一態様であるせん断モード(シェアモード)タイプのインクジェット記録ヘッドの概略構成を示す図であり、(a)は一部断面で示す斜視図、(b)はインク供給部を備えた状態の断面図である。 (a)〜(c)は記録ヘッドの動作を示す図である。 本発明に係る実施形態のインクジェット記録装置を実現するための駆動信号を示す図である。 (a)〜(c)は記録ヘッドの時分割動作の説明図である。 A、B、Cの各組の圧力室の電極に印加される駆動信号のタイミングチャートである。 正電圧のみを用いた場合の駆動信号のタイミングチャートである。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッド
21 インクチューブ
22 ノズル形成部材
23 ノズル
24 カバープレート
25 インク供給口
26 基板
27 隔壁
28 圧力室
3 搬送機構
31 搬送ローラ
32 搬送ローラ対
33 搬送モータ
4 ガイドレール
5 キャリッジ
6 フレキシブルケーブル
7、8 インク受け器
100 駆動信号生成手段
P 記録媒体
PS 記録面

Claims (13)

  1. インク滴を吐出するノズルと、前記ノズルに連通する圧力室と、前記圧力室の容積を変化させる圧力発生手段を有する記録ヘッドと、インク滴をそれぞれ吐出させるための少なくとも3つの駆動パルスを一印刷周期内に連続的に印加する駆動信号を生成する駆動信号生成手段とを備え、前記駆動信号を印加することによって、前記圧力発生手段を作動させて前記ノズルからインク滴を吐出させるようにしたインクジェット記録装置において、
    一印刷周期内の各駆動パルスは、前記圧力室の容積を膨張させる膨張パルスと、該膨張パルスに続いて前記圧力室の容積を収縮させる収縮パルスと、該収縮パルスに後続する待機時間とを有し、
    これらの駆動パルスのうち、最初に印加される第1パルスの待機時間がAL(ALは圧力室の音響的共振周期の1/2)の2倍よりも長く4倍よりも短く、最後に印加される最終パルスの待機時間が前記ALの偶数倍であり、前記第1パルスと前記最終パルスの間に印加される各中間パルスの待機時間が前記ALよりも長く前記ALの2倍よりも短く、
    各駆動パルスにおける膨張パルスの電圧は互いに実質的に等しく、かつ、収縮パルスの電圧は互いに実質的に等しいことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1パルスの待機時間が前記ALの3倍であることを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記最終パルスの待機時間が前記ALの2倍または4倍であることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記中間パルスの待機時間が前記ALの1.5倍であることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記インクの表面張力が31mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記インクは非水系インクであり、樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記インクは光硬化性インクであることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記駆動パルスは矩形波からなるパルスであることを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記圧力発生手段は、電気・機械変換手段であることを特徴とする請求項1乃至8の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記電気・機械変換手段は、隣接する圧力室間の隔壁の少なくとも一部を形成し、且つ駆動パルスを印加することによりせん断モードで変形する圧電材料により構成されることを特徴とする請求項9に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記膨張パルスのパルス幅が前記ALの奇数倍、前記収縮パルスのパルス幅が前記ALの偶数倍であることを特徴とする請求項1乃至10の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記駆動パルスの周期が前記ALの4倍よりも長いことを特徴とする請求項1乃至11の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記駆動パルスは、所定の基準状態から前記圧力室の容積を膨張させた後、前記基準状態に戻す膨張パルスと、該膨張パルスに続いて前記圧力室の容積を収縮させた後、前記基準状態に戻す収縮パルスと、該収縮パルスに後続し前記基準状態を保持する待機時間とを有することを特徴とする請求項1乃至12の何れか1項に記載のインクジェット記録装置。
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