JP2010094179A - 飲料水保存装置、並びにその外側タンクおよび内側タンクの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】外側タンクと内側タンクの間の熱伝達効率を高くして、内側タンク内の飲料水を実用的に冷却または加熱することのできる飲料水保存装置および製造方法が要求されている。
【解決手段】この飲料水保存装置は、冷却手段または加熱手段により冷却または加熱される外側タンク9と、外側タンク9にその上面開口11から着脱自在に収容される飲料水貯留用の内側タンク10とを備えて成り、外側タンク9の内周面が低部側から上面開口に向かうほど漸次拡径する内テーパ面13として形成され、内側タンク10の外周面が外側タンク9の内テーパ面13に密に接する外テーパ面14として形成された装置であって、深絞り成型加工により外側タンク9および内側タンク10の原成型体を得、外側タンク9の原成型体の内周面を研削して内テーパ面13とし、内側タンク10の原成型体の外周面を研削して外テーパ面14としたことを特徴とする。
【選択図】図2

Description

本発明は、コーヒー等の各種の飲料水を所定温度に保って保存する飲料水保存装置、並びにその外側タンクおよび内側タンクの製造方法に関するものである。
従来、ジュースやコーヒー等の飲料水を冷やして保存し、飲みたい時に必要な量だけコップに注いで飲めるようにした飲料水保存装置が使用されてきた。この飲料水保存装置は、貯溜タンクに所望の飲料水を貯留し、冷却装置を作動させて飲料水を所定温度に冷却して保存するものである。この飲料水を飲みたい時には、貯溜タンクの下方にコップを置いて操作レバーを操作し、貯溜タンクから飲料水をコップに所望量注ぎ込むようにしている。
このような飲料水保存装置にあっては、衛生面から定期的に貯蔵タンクの中を洗浄したり掃除したりする必要がある。そのためには、飲料水保存装置全体を抱えて洗い場等まで運び、貯溜タンク等を掃除した後に再び元の場所まで抱えて運ばねばならず、大変な作業を余儀なくされたり、作動不良の懸念があった。
そこで、本発明者らは下記の特許文献1に示す飲料水保存装置を開発した。この飲料水保存装置では、冷却手段または加熱手段により所定温度に冷却または加熱される外側タンクの上面開口から、飲料水貯留用の内側タンクが着脱自在に収容されるので、内側タンクのみを外側タンクから抜き取って洗浄、掃除できるようになっている。また、外側タンクの内周面と内側タンクの外周面をいずれもテーパ面に形成することにより、内側タンクを外側タンクに収納した場合、飲料水を入れた内側タンクが冷却または加熱用の外側タンクに密着して、飲料水を熱伝導効率よく冷却または加熱できるように企図されている。
特開2003−319881号公報
ところで、接する面を単にテーパ面にしたというだけでは、テーパ面同士に高度な密着性を持たせることはできない。外側タンクの内周面および内側タンクの外周面にそれぞれテーパ面を有するものは、例えば深絞り成型処理のみによって作製することが可能であるが、このように深絞り成型処理のみによって作製したものでは、内外タンク間で十分な熱伝導が得られなかった。因みに、5段階の金型を順次用いた深絞り成型のみで作製したものであっても、内外タンク間の密着状態が不十分なために内側タンク内が十分に冷えず、冷却装置の駆動開始から例えば1時間たっても飲料水が設定温度の8℃に到達せず、実用性を満たせないという問題があった。
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、外側タンクの内テーパ面と内側タンクの外テーパ面との密着度を高めることにより、外側タンクと内側タンクの間の熱伝達効率を高くして、内側タンク内の飲料水を実用的に冷却または加熱することのできる飲料水保存装置、並びにその外側タンクおよび内側タンクの製造方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る飲料水保存装置は、上面開口を有していて冷却手段または加熱手段により所定温度に冷却または加熱される外側タンクと、外側タンクに上面開口から着脱自在に収容される飲料水貯留用の内側タンクとを備えて成り、外側タンクの内周面が低部側から上面開口に向かうほど漸次拡径する内テーパ面として形成され、内側タンクの外周面が外側タンクの内テーパ面に密に接する外テーパ面として形成された飲料水保存装置であって、深絞り成型加工により外側タンクの原成型体および内側タンクの原成型体を得、外側タンクの原成型体の内周面を研削して上記内テーパ面とし、内側タンクの原成型体の外周面を研削して上記外テーパ面としたことを特徴とする構成にしてある。
また、本発明に係る飲料水保存装置の外側タンクおよび内側タンクの製造方法は、上面開口を有していて冷却手段または加熱手段により所定温度に冷却または加熱され、且つ、内周面が低部側から上面開口に向かうにつれて漸次拡径した内テーパ面として形成された外側タンクと、外側タンクに上面開口から着脱自在に収容され、且つ、外周面が外側タンクの内テーパ面に密に接する外テーパ面として形成された飲料水貯留用の内側タンクとを備えて成る飲料水保存装置の、上記外側タンクおよび上記内側タンクを製造する方法であって、深絞り成型加工により外側タンクの原成型体および内側タンクの原成型体を得る深絞り成型工程と、
外側タンクの原成型体の内周面を研削して上記内テーパ面とする内テーパ面形成工程と、内側タンクの原成型体の外周面を研削して上記外テーパ面とする外テーパ面形成工程とを備えていることを特徴とするものである。
そして、前記した方法において、外テーパ面研削工程により得られた内側タンクの表面に電解研磨処理を施す電解研磨工程を備えているものである。
本発明に係る飲料水保存装置によれば、深絞り成型加工により外側タンクの原成型体および内側タンクの原成型体が得られ、外側タンクの原成型体の内周面を研削して上記内テーパ面とし、内側タンクの原成型体の外周面を研削して上記外テーパ面とするので、外側タンクの内テーパ面と内側タンクの外テーパ面は極めて密に接することとなる。これにより、外側タンクから内側タンクへの熱伝導を効率よく行なうことができる。その結果、内側タンク内の飲料水を実用的な速度で冷却または加熱できる。また、本発明に係る製造方法によれば、前記のように優れた効果を奏する飲料水保存装置の外側タンクおよび内側タンクを現実的に提供することができる。
そして、内側タンクの製造方法において、外テーパ面研削工程により得られた内側タンクの表面に電解研磨処理を施す電解研磨工程を備えているものでは、内側タンクの金属内部まで僅かながら入り込んだプレスおよび研削時の油を除去できることは言うまでもなく、同時に金属表面の微視的な凹凸が除去されて平滑度が上がるという知見を得た。これにより、内側タンクの外テーパ面の光沢度が向上する。その結果、外側タンクの内テーパ面との密接度が格段に高くなり、外側タンクから内側タンクへの熱伝熱効率をよりいっそう高くできるという効果をもたらす。
本発明の最良の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。図1は本発明の一実施形態に係る飲料水保存装置の斜視図、図2は前記飲料水保存装置に内蔵される外側タンクと内側タンクの装着状態を示す縦断面図、図3は前記内側タンクを斜め下方から見上げた斜視図である。
各図において、この実施形態に係る飲料水保存装置1は例えばコーヒー(飲料水の例)を貯留し8℃程度に冷やして保存する装置であり、温調装置15その他を内蔵した本体ケーシング2と、本体ケーシング2の前下部に取り付けられたコップ載置用の前基台3と、本体ケーシング2の前上部に配置されて内部にタンク収容部6を備える前部ケーシング4と、本体ケーシング2および前部ケーシング4の上面を被って取り付けられる上カバー部5とを備えている。前基台3と前部ケーシング4との間は、コップなどを置くための設置空間8となっている。
上カバー部5における前部ケーシング4の上方位置には円形の上面開口が形成されており、この上面開口から、後で詳述する外側タンク9が装入されてタンク収容部6内に取り付けられる。取り付けられた外側タンク9には、その上面開口11から飲料水貯留用の内側タンク10が着脱自在に収容される。前記した上カバー部5の上面開口は、蓋体7により開閉可能に蓋止される。
外側タンク9の外周面には、管内を冷媒が流通する伝熱管16がコイル状に巻き付けられロー付けなどで固着されている。伝熱管16の冷媒入側端部は管路17を介して温調装置15の冷媒流出側と接続されている。伝熱管16の冷媒出側端部は管路17を介して温調装置15の冷媒流入側と接続されている。この温調装置15は、冷媒圧縮機、冷媒凝縮器、冷媒膨張弁、および冷媒蒸発器を備えた汎用の冷媒回路(いずれも図示省略)を内蔵しており、この冷媒回路を作動制御して低温冷媒を伝熱管16に流すことにより外側タンク9から熱伝達を受けた内側タンク10が所定温度に冷却されるようになっている。すなわち、冷媒回路を備える温調装置15、管路17,17、および伝熱管16から成る構成が、本発明でいう冷却手段の一例である。
外側タンク9の内周面13は低部側から上面開口11に向かうほど漸次拡径する内テーパ面13として形成されている。この内テーパ面13の垂直方向に対するテーパ角αは例えば2度に設定されている。外側タンク9の底面は、前記の内テーパ面13から続く周縁の底部18と、底部18から下向きに陥没した中央部分の底部19とから成っている。底部19の中心部分すなわち外側タンク9の軸心と同軸位置には、貫通孔20が穿設されている。この貫通孔20を被う位置で底部19の下面に、ブラケット21が取り付けられている。ブラケット21の端部には、内側タンク10の底面の表面温度を検出する温度検出器28がネジ止めされている。
内側タンク10は上面開口12を有する有底筒状に形成されており、その外周面は低部側から上部側に向かうほど漸次拡径する外テーパ面14として形成されている。この外テーパ面14の垂直方向に対するテーパ角αも例えば2度に設定されている。これにより、内側タンク10の外テーパ面14が外側タンク9の内テーパ面13と密に接するようになっている。
また、図3に示すように、内側タンク10の底面は、外テーパ面14から続く周縁の底部23と、底部23から下向きに陥没した中央部分の底部24とから成っている。底部24の中心部分すなわち内側タンク10の軸心と同軸位置には、貫通孔22が穿設されている。この貫通孔22を被う位置で底部24の下面に、筒状の弁保持部25が取り付けられている。弁保持部25は、貫通孔22を通って底部24の上方位置に配備される弁27の軸部を、上下移動自在に保持するようになっている。また、弁保持部25の筒内には、弁27の軸部を下向き(すなわち弁27で貫通孔22を閉止する方向)に弾性付勢するコイルバネ(図示省略)が収容されている。弁保持部25の先端は、内側タンク10が外側タンク9に収容され所定位置に装着されたときに、外側タンク9のエルボ管26の上面開口部に嵌合するようになっている。この場合、弁保持部25の先端外周に装着されたO−リング29によってエルボ管26との間の液シールが為される。
続いて、上記した外側タンク9および内側タンク10を製造する方法を説明する。
図4に示すように、外側タンク9は、これから個々に詳述する、型抜き工程a1、深絞り成型工程a2、トリミング工程a3、穴あけ工程a4、芯出し工程a5,内テーパ面形成工程a6、および検品工程a7を順次経て製作される。また、内側タンク10は、これから個々に詳述する、型抜き工程b1、深絞り成型工程b2、トリミング工程b3、穴あけ工程b4、芯出し工程b5、外テーパ面形成工程b6、電解研磨工程b7、および検品工程b8を順次経て製作される。外側タンク9の型抜き工程a1〜穴あけ工程a4と、内側タンク10の型抜き工程b1〜穴あけ工程b4は、抜き型や絞り金型の形状および操作条件に多少の違いがあるものの、製造装置の基本構成および操作は概ね同じである。
まず、型抜き工程a1,b1において、例えば厚さ1mmのステンレス鋼板(SUS304)製の原料板材Mが110tonクランクプレス装置(アマダ社製)によりプレス油(日本工作油社製の品番G6050)を用いて型抜きされ、外側タンク9と内側タンク10のそれぞれの成型完成品に適した板形状にされる。
続いて、前記型抜きされた円板状の原料板材Mは深絞り成型工程a2,b2に供される。この深絞り成型工程a2,b2では、原料板材Mが雄金型と雌金型により深絞り成型されて釜形状の原成型体にされる。深絞り成型工程a2,b2は、いずれも5組の金型対を順次用いて行なわれ、円板状の原料板材Mから釜形の原成型体が得られる。
図5および図6に、外側タンク9の原成型体9Aを得るための金型対の例を示す。
まず、図5に示した金型対は、深絞り成型工程のうちの最初の第1深絞り成型に使用される雄金型31aと雌金型32aである。雄金型31aでは、平面視円形状の突起部33aが基台から上向きに突出して形成されており、型上面42aと型外周面41aとの間はなだらかな曲面になっている。雌金型32aは、下面が成型空間36aとして開口した型内空間を持つ型本体34aと、型本体34aの上面板部に上下貫通して形成された貫通孔37aに上下移動自在に挿通された棒体38aと、棒体38aの下端に取り付けられた叩き板39aと、棒体38aに固設されていて棒体38aの抜け落ちを防止する止めナット40aとから主として成っている。後で詳述する第1〜第3深絞り成型の金型対でプレス成型を行なう場合、得られた中間成型体が雌型内に張り付いて外れないことがある。特に、第1深絞り成型ではほぼ全数の中間成型体が張り付く。そこで、棒体38aの頂部をプラスチックハンマー等で上から叩くことにより、叩き板39aで中間成型体に衝撃を与えて雌金型32aから取り外すようになっている。
そこで、第1深絞り成型では、図6(a)に示すように、雄金型31aと雌金型32aの間に配置された例えば厚さ1mmの原料板材Mに対し、雌金型32aが下降することにより雄金型31aの型上面42aで原料板材Mを押し上げながら、雌金型32aの型内周面35aと雄金型31aの型外周面41aとの間で、原料板材Mを挟圧する。これにより、突起部33aの表面に沿った形状の中間成型体が得られる。ここでは、150ton油圧プレス装置(井上油圧社製)に雄金型31aおよび雌金型32aを装着し、プレス油(カストロール社製の品番N0.122)を用いて成型した。
続いて、第2深絞り成型では、第1深絞り成型で得られた中間成型体が、図6(b)に示す雄金型31bと雌金型32bで深絞り成型される。雄金型31bの突起部33bは上部が下部よりも外径が小さな上下2段に形成されており、突起部33bの上側の外径は第1の雄金型31aの突起部33aよりも例えば18%程度小さく、高さは突起部33aよりも24%程度大きく設定されている。また、雌金型32bの型内周面35bの下端開口縁は、下向きに拡開する曲面に形成されている。ここでは、150ton油圧プレス(井上油圧社製)に雄金型31bおよび雌金型32bを装着し、プレス油(日本工作油社製の品番G―753) を用いて成型し中間成型体を得た。
続いて、第3深絞り成型では、第2深絞り成型で得られた中間成型体が、図6(c)に示す雄金型31cと雌金型32cを用いて深絞り成型される。雄金型31cの突起部33cも上部が下部より外径が細い上下2段に形成されており、突起部33cの上側の外径は第2の雄金型31bの突起部33bよりも例えば16%程度小さく、高さは突起部33bよりも15%程度大きく設定されている。 ここでは、第2深絞り成型の場合と同種の、油圧プレス装置およびプレス油を用いて成型し中間成型体を得た。
第4深絞り成型では、第3深絞り成型で得られた中間成型体が、図6(d)に示す雄金型31dと雌金型32dで深絞り成型される。この金型対の場合、雌金型32dが下側に固定配置され、その上方位置から雄金型31dが下降して原料の中間成型体を挟圧するようになっている。雌金型32dは有底筒状に形成されており、筒内周面35dは低部側から上面開口に向かうほど漸次拡径するテーパ面に形成されている。雌金型32dの型内周面35dの上端開口縁は、上向きに拡開するなだらかな曲面に形成されている。一方、雄金型31dは円柱状の突起部33dが基台から下向きに突出して形成されている。突起部33dの下面には、外側タンク9の底部19を成型するための段部30が下向きに突出して形成されている。突起部33dの外周面は下部側から上部側に向かうほど漸次拡径するテーパ面に形成されており、突起部33dは雌金型32dの筒内周面35dに沿って装入されるようになっている。雄金型31dの突起部33dの外径はテーパの最細径部において第3の雄金型31cの突起部33cよりも例えば10%程度小さく、高さは突起部33cよりも6%程度大きく設定されている。ここでも、第2深絞り成型の場合と同種の、油圧プレス装置およびプレス油を用いて中間成型体を得た。
第5深絞り成型では、図6(e)に示すように、第4深絞り成型で得られた中間成型体が雄金型31eと雌金型32eで深絞り成型される。この金型対の場合も、第4の雄金型31dと雌金型32dと同様の形状、構造を有している。但し、雄金型31eの突起部33eの外径はテーパの最細径部において第4の雄金型31dの突起部33dよりも例えば8%程度小さく、高さは突起部33dよりも5%程度大きく設定されている。この雄金型31eと雌金型32eにより深絞り成型が為されて、外側タンク9の原成型体9Aが得られた。
内側タンク10に関しても、外側タンク9の場合と同様、原料板材Mに対し5組の金型対を用いて5段階の深絞り成型を行なって、原成型体10Aを得た。原成型体10Aを製作する5組の金型対としては、原成型体9Aの製作に用いた5組の金型対(図6参照)とほぼ同じ構造のものを用いた。但し、各金型対における雄金型の突起部の形状と雌金型の成型空間の形状は原成型体10Aに対応した形状となっており、原成型体9Aの場合とは幾分異なっている。また、油圧プレス装置およびプレス油も各段階ごとに外側タンク9のときと同種のものを使用した。
このように、原料板材Mに5段階の深絞り成型加工(工程a2,b2)を施すことにより、外側タンク9の原成型体9Aおよび内側タンク10の原成型体10Aが得られた。深絞り成型の特性上、これら原成型体9A,10Aの肉厚は部位により差を生じているが、平均肉厚は原成型体9A,10Aのいずれも0.4mm程度であった。
上記のように深絞り成型工程a2,b2で得た直後の原成型体9Aおよび原成型体10Aは、円周鍔部の縁部が径方向に凸凹している。そこで、トリミング工程a3,b3において、直後の原成型体9Aおよび原成型体10Aの鍔状縁部が、径方向寸法を同じくするよう、打ち抜きプレス装置により打ち抜かれて円形に切断される。
次の穴あけ工程a4において、原成型体9Aは底部19のセンター位置に貫通孔20が穿孔機(図外)によって穿設される。また、原成型体10Aは穴あけ工程b4で底部24のセンター位置に貫通孔22が穿孔機(図外)によって穿設される。
穴あけ後の原成型体9Aは芯出し工程a5に供される。この芯出し工程a5では、図7に示すような芯出し装置54が使用される。この芯出し装置54は、原成型体9Aを収容可能な保持用穴57を有する有底円筒状のホルダ本体55と、ホルダ本体55の底部に穿設された貫通孔56から挿通されるボルト59と、開口部58から保持用穴57に装入された原成型体9Aを固定するためにボルト59と螺合するナット60とから構成されている。この芯出し装置54は旋盤(例えば瀧沢鉄工所社製の型式TC−3)に取り付けて使用される。前記の旋盤は、側壁を有する装置基台50と、装置基台50の側壁に回動自在に軸支されて水平軸心回りに回転駆動する回転盤51と、回転盤51に配備されてホルダ本体55の底部を掴持する複数のチャック爪52,52,・・とから構成されている。回転盤51の回転中心部には、芯出し装置54のボルト59を収容して干渉させない逃げ穴53が形成されている。この芯出し工程a5では、旋盤のチャック爪52,52,・・で芯出し装置54のホルダ本体55を仮止めし、更に回転盤51を回転駆動して原成型体9Aを回転させ、原成型体9Aの回転軸心を旋盤の回転軸芯C1と一致させるように、チャック爪52,52,・・による掴持位置を調整して芯出しを行なった。
上記のように、原成型体9Aの回転軸心が旋盤の回転軸芯C1と一致している状態で、内テーパ面形成工程a6を実施した。すなわち、原成型体9Aの内周面13Aを切削油( 日和油業社製、品番:日和エマルカット68)を用いながら中グリ切削刃(例えばSANDVIK社製、品番:S40V−PTFNR)でテーパ状に研削した。ここでは、回転盤51の回転速度を530rpmとし、刃の送り速度を回転盤51の1回転につき0.15mmとした。このようにテーパ角度αの内テーパ面13を形成して外側タンク9が得られた。このときの内テーパ面13は最奥位置の目標内径を141.12±0.025mmとしている。
一方、穴あけ後の原成型体10Aは芯出し工程b5に供される。この芯出し工程b5では、図8に示すような芯出し装置61が使用される。この芯出し装置61は、旋盤に取り付けられるホルダ本体62と、ホルダ本体62に一体に形成されて原成型体10Aが取外し可能に被着されるテーパ外周面を有する保持用突部63と、保持用突部63に被着された原成型体10Aを保持用突部63との間に保持する挟持軸64とから構成されている。挟持軸64は原成型体10Aの貫通孔22に着脱可能に嵌合する嵌合突起65が先端に形成されており、旋盤の回転軸心C2と同軸で同期回転するようになっている。この芯出し装置61も、原成型体9Aの場合に用いたものと同様構成の旋盤に取り付けて使用される。この芯出し工程b5では、旋盤のチャック爪52,52,・・で芯出し装置61のホルダ本体62を仮止めし、更に回転盤51を回転駆動して原成型体10Aを回転させ、原成型体10Aの回転軸心を旋盤の回転軸芯C2と一致させるように、チャック爪52,52,・・による掴持位置を調整して芯出しを行なった。
上記のように、原成型体10Aの回転軸心が旋盤の回転軸芯C2と一致している状態で、外テーパ面形成工程b6を実施した。すなわち、原成型体10Aの外周面14Aを切削油( 日和油業社製、品番:日和エマルカット68)を用いながら切削刃でテーパ状に研削した。これにより、テーパ角度αの外テーパ面14を形成して内側タンク10が得られた。
上記のようにして作製した外側タンク9および内側タンク10について、内テーパ面13および外テーパ面14の真円度を真円度測定機(東京精密社製、型番:ロンコム5A−03)で測定したところ、いずれも0.05(目標真円度=5/100以下)と良好であった。因みに、このような高レベルの真円度は深絞り成型のみでは得られない。また、内テーパ面13および外テーパ面14の表面粗さを測定したところ、いずれも汎用の旋盤で研削した場合の表面粗さと同程度であり、三角記号の区分が▽▽(Ra=6.3、Ry=25、Rz=25)と、比較的細かかった。
外テーパ面形成工程b6により得られた内側タンク10は、次の電解研磨工程b7に供される。この電解研磨工程b7では、例えば、50℃に保持した30%硝酸水溶液中に内側タンク10を60秒間浸漬して不動態化処理を施したのち、80℃に保持した60%硫酸水溶液中に浸漬して、電流密度200A/dm2で、5秒間電解研磨−1秒間通電休止−8秒間電解研磨−通電停止のパターンを3回繰り返した。このように内側タンク10に電解研磨処理を施すことにより、内側タンク10の表面の光沢度が向上した。但し、かかる電解研磨処理は、前記の例に限るものでない。
内テーパ面形成工程a6により得られた外側タンク9は、エルボ管26装着用の貫通孔を有するブラケット21の端部に温度検出器28がネジ止めされ、ブラケット21が底部19の下面に溶接付けされる。温度検出器28は、その検出端が外側タンク9の小貫通孔を通して内側タンク10の底部23に接し内側タンク10の表面温度を検出するようになっている。エルボ管26は清掃できるように、ブラケット21の貫通孔に取外し可能に装着される。この場合、エルボ管26はブラケット21の貫通孔に差し込まれたのち孔周方向に45度回転させて取り付けられる。これにより、外側タンク9が完成し、検品工程a7で製品検査されて合格であれば、外側タンク9に関する一連の製造工程が完了する。
一方、電解研磨工程b7を終えて得られた内側タンク10は、弁保持部25が底部24の下面に溶接付けされ、弁27の軸部が貫通孔22を通されて弁保持部25内で上下移動自在に保持される。これにより、内側タンク10が完成し、検品工程b8で製品検査されて合格であれば、内側タンク10に関する一連の製造工程が完了する。
この実施形態の飲料水保存装置1は、上記のように、目標形状・寸法に近いものを深絞り成型により製作しておき、最終的に微妙な形状・寸法を芯出しおよび研削によって実現したので、外側タンク9の内テーパ面13と内側タンク10の外テーパ面14がほぼ同じテーパ角度αに正確に形成され、真円度はいずれも0.05と高く、表面粗さも汎用の旋盤で研削した場合と同程度の比較的細かな値を示すことができた。これにより、外側タンク9の内テーパ面13と内側タンク10の外テーパ面14は、極めて高度に密着することができる。その結果、伝熱管16からの冷熱を外側タンク9を経て内側タンク10内の飲料水に効率よく伝達することができた。かかる効果は、内側タンク10に電解研磨処理を施さない場合でも奏し得る。
因みに、この飲料水保存装置1において、コーヒー豆から抽出した82℃のコーヒーを内側タンク10に入れ、温調装置15を作動させて外側タンク9を冷却したところ、内側タンク10内のコーヒーを約35分間で設定温度の8℃まで冷やすことができた。タンクの構成材料であるステンレス鋼は元来熱伝導率が低いが、それにも拘わらず、十分な熱伝達により内側タンク10のコーヒーを冷やせたのである。
更に、この飲料水保存装置1では、内側タンク10に電解研磨処理が施されているが、この電解研磨処理は、元来、内側タンク10の金属内部まで僅かながら入り込んだプレス時および研削時の油を除去するために実施される。このとき同時に、内側タンク10の金属表面の微視的な凹凸が除去されて平滑度が上がる。それにより、内側タンク10の外テーパ面14の光沢度が向上する。その結果、外側タンク9の内テーパ面13との密接度が格段に高くなり、電解研磨処理を実施しない場合と比べて、外側タンク9から内側タンク10への熱伝熱効率をよりいっそう高くすることができる。
尚、上記の実施形態では、外側タンクの内テーパ面および内側タンクの外テーパ面のテーパ角度を2度に設定しているが、本発明はそれに限定されるものでない。すなわち、外側タンクに内側タンクが高度に密着でき、その角度により熱伝導効率を損なわないのであれば、如何なるテーパ角度とするも自由である。
また、上記では、冷却専用の冷媒回路を用いたが、前記の冷媒回路に冷媒流路切替四方弁を配備し、この冷媒流路切替四方弁による冷媒流路の切替えによって、冷却手段と加熱手段の機能を切り替えて利用することも可能である。すなわち、冷飲料を貯蔵する場合は冷却用の冷凍サイクル流路で冷媒を流して外側タンク9を所定温度に冷却し、暖飲料を貯留する場合は冷却用の冷凍サイクル流路をヒートポンプ流路に切り換えて所定温度に加熱するということもできる。
そして、外側タンクの伝熱管に、冷媒の替わりに冷水または高温湯を流して、冷却手段または加熱手段とすることも可能である。あるいは、伝熱管に替えて、電熱線を外側タンクの外面に巻き付け、この電熱線に印加される電力を制御することにより、加熱手段としてもよい。
また、上記では、飲料水として冷たいコーヒーを例示したが、それ以外に、暖かいコーヒー、紅茶、ジュース、天然水その他に本発明を適用できるのは言うまでもない。
本発明の一実施形態に係る飲料水保存装置の斜視図である。 前記飲料水保存装置に内蔵される外側タンクと内側タンクの装着状態を示す縦断面図である。 前記内側タンクを斜め下方から見上げた斜視図である。 (a)は外側タンクの製造工程を示す工程図、(b)は内側タンクの製造工程を示す工程図である。 深絞り成型工程における1番目の成型に用いる金型対を示す一部断面を含む側面図である。 深絞り成型工程における1番目(a)から5番目(e)までの成型に用いる各金型対を示す概略側断面図である。 外側タンクの芯出し装置を示す分解側面図である。 内側タンクの芯出し装置を示す分解側面図である。 仕上がった外側タンクを示す図であり、(a)は側断面図、(b)は底面図である。 仕上がった内側タンクを示す図であり、(a)は側断面図、(b)は底面図である。
符号の説明
1 飲料水保存装置
9 外側タンク
9A 原成型体
10 内側タンク
10A 原成型体
11 上面開口
13 内テーパ面
13A 内周面
14 外テーパ面
14A 外周面
15 温調装置
16 伝熱管
17 管路
α テーパ角
a2,b2 深絞り成型工程
a6 内テーパ面形成工程
b6 外テーパ面形成工程
b7 電解研磨工程
M 原料板材

Claims (3)

  1. 上面開口を有していて冷却手段または加熱手段により所定温度に冷却または加熱される外側タンクと、外側タンクに上面開口から着脱自在に収容される飲料水貯留用の内側タンクとを備えて成り、外側タンクの内周面が低部側から上面開口に向かうほど漸次拡径する内テーパ面として形成され、内側タンクの外周面が外側タンクの内テーパ面に密に接する外テーパ面として形成された飲料水保存装置であって、深絞り成型加工により外側タンクの原成型体および内側タンクの原成型体を得、外側タンクの原成型体の内周面を研削して上記内テーパ面とし、内側タンクの原成型体の外周面を研削して上記外テーパ面としたことを特徴とする飲料水保存装置。
  2. 上面開口を有していて冷却手段または加熱手段により所定温度に冷却または加熱され、且つ、内周面が低部側から上面開口に向かうにつれて漸次拡径した内テーパ面として形成された外側タンクと、外側タンクに上面開口から着脱自在に収容され、且つ、外周面が外側タンクの内テーパ面に密に接する外テーパ面として形成された飲料水貯留用の内側タンクとを備えて成る飲料水保存装置の、上記外側タンクおよび上記内側タンクを製造する方法であって、
    深絞り成型加工により外側タンクの原成型体および内側タンクの原成型体を得る深絞り成型工程と、
    外側タンクの原成型体の内周面を研削して上記内テーパ面とする内テーパ面形成工程と、
    内側タンクの原成型体の外周面を研削して上記外テーパ面とする外テーパ面形成工程とを備えていることを特徴とする飲料水保存装置の外側タンクおよび内側タンクの製造方法。
  3. 外テーパ面研削工程により得られた内側タンクの表面に電解研磨処理を施す電解研磨工程を備えている請求項2に記載の飲料水保存装置の外側タンクおよび内側タンクの製造方法。
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