JP2010093715A - 車両周辺監視装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】赤外線カメラによって捉えられた画像から車両の灯体と思われる熱源を第1対象物として抽出する(S41〜S43)。第1対象物の周囲の窓候補領域と、第1対象物との距離を比較して第1対象物との距離が所定範囲内の第2対象物を抽出する(S44〜S46)。そして、第2対象物の赤外線量の時間的変化を検出(S50)し、第2対象物から発生される赤外線量の時間的変化が所定の赤外線量の条件を満たすか否かを判定し(S51,S52)、赤外線量の時間的変化が所定の赤外線量の条件を満たす場合に、第1対象物と前記第2対象物とを含む物体が車両であると判定する(S53)。
【選択図】図8
Description
さらに近年、2つの赤外線カメラを用いて歩行者を対象物として抽出する車両周辺監視装置において、車両のテールライトなどの灯体と思われる高輝度物体の上部に探索領域を設定し、高輝度物体と同距離の物体が探索領域内に検索されて、且つ、探索領域の平均輝度が規定値より小さい場合に、この探索領域内の物体がウィンドシールドであると判定してこの物体が車両であると判定するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、車両のウィンドシールドは、一般にガラスで形成されていることから赤外線を反射し易く、空、雲および周囲の風景などを反射したときに輝度が低い部位が存在しない状況となる場合があり、車両を対象物から排除できない虞があるという課題がある。
請求項3に記載の発明は、前記外部環境が、空模様の状況であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、前記外部環境が、車両の走行路近傍の物体の状況であることを特徴とする。
したがって、第1対象物との距離が所定範囲内のウィンドシールドが周囲の風景などが反射して赤外線量の時間的変化の幅が大きくなった場合に物体が車両であると判定したり、快晴時の空や、雲一面の空が反射して赤外線量の時間的変化がなく一様である場合に物体が車両であると判定することができるため、車両のみを確実に排除して歩行者認識の精度向上に寄与することができる効果がある。
図1は、本発明の第1の実施の形態の車両周辺監視装置の構成を示すブロック図である。
図1において、符号1は、本実施の形態の車両周辺監視装置を制御するCPU(中央演算装置)を備えた画像処理ユニットであって、遠赤外線を検出可能な2つの赤外線カメラ2R、2Lと当該車両のヨーレートを検出するヨーレートセンサ3、更に、当該車両の走行速度(車速)を検出する車速センサ4とブレーキの操作を検出するためのブレーキセンサ5が接続される。これにより、画像処理ユニット1は、車両の周辺の赤外線画像と車両の走行状態を示す信号から、車両前方の歩行者や動物等の動く物体を検出し、衝突の可能性が高いと判断したときに警報を発する。
また、HUD7aは、自車両10のフロントウィンドウの運転者の前方視界を妨げない位置に表示画面が表示されるように設けられている。
図3は、本実施の形態の車両周辺監視装置の画像処理ユニット1における歩行者等の対象物検出・警報動作を示すフローチャートである。
まず、画像処理ユニット1は、赤外線カメラ2R、2Lの出力信号である赤外線画像を取得して(ステップS1)、A/D変換し(ステップS2)、グレースケール画像を画像メモリに格納する(ステップS3)。なお、ここでは赤外線カメラ2Rにより右画像が得られ、赤外線カメラ2Lにより左画像が得られる。また、右画像と左画像では、同一の対象物の表示画面上の水平位置がずれて表示されるので、このずれ(視差)によりその対象物までの距離を算出することができる。
図4(a)は、赤外線カメラ2Rにより得られたグレースケール画像を示し、これに2値化処理を行うことにより、図4(b)に示すような画像を得る。なお、図4(b)において、例えばP1からP4の枠で囲った物体を、表示画面上に白色として表示される対象物(以下「高輝度領域」という)とする。
赤外線画像から2値化された画像データを取得したら、2値化した画像データをランレングスデータに変換する処理を行う(ステップS5)。ランレングスデータにより表されるラインは、2値化により白となった領域を画素レベルで示したもので、いずれもy方向には1画素の幅を有しており、またx方向にはそれぞれランレングスデータを構成する画素の長さを有している。
対象物の抽出が完了したら、次に、抽出した対象物の重心G、面積S及び外接四角形の縦横比ASPECTを算出する(ステップS8)。
更に、縦横比ASPECTは、対象物の外接四角形の縦方向の長さDyと横方向の長さDxとの比Dy/Dxとして算出する。
なお、ランレングスデータは画素数(座標数)(=run[i])で示されているので、実際の長さは「−1」する必要がある(=run[i]−1)。また、重心Gの位置は、外接四角形の重心位置で代用してもよい。
また、このようにして認識された各対象物の(重心の)位置座標は、時系列位置データとしてメモリに格納され、後の演算処理に使用される。
次に、車速センサ4により検出される車速VCAR及びヨーレートセンサ3より検出されるヨーレートYRを読み込み、ヨーレートYRを時間積分することより、自車両10の回頭角θrを算出する(ステップS10)。
まず、基準画像(右画像)の2値化画像によって追跡される対象物の中の1つを選択することにより、右画像から探索画像R1(ここでは、外接四角形で囲まれる領域全体を探索画像とする)を抽出する(ステップS11)。
また同一対象物についての過去の位置データがあるときは、その位置データに基づいて探索領域R2より狭い領域R2aを探索領域として設定する。
次に、ステップS10における回頭角θrの算出と、ステップS13における対象物との距離算出が完了したら、画像内の座標(x,y)及び距離zを実空間座標(X,Y,Z)に変換する(ステップS14)。
ここで、実空間座標(X,Y,Z)は、図2に示すように、赤外線カメラ2R、2Lの取り付け位置の中点の位置(自車両10に固定された位置)を原点Oとして、図示のように定め、画像内の座標は、画像の中心を原点として水平方向をx、垂直方向をyと定めている。
なお、以下の説明では、回頭角補正後の座標を(X,Y,Z)と表示する。
次いで、最新の位置座標P(0)=(X(0),Y(0),Z(0))と、(N−1)サンプル前(時間ΔT前)の位置座標P(Nー1)=(X(N−1),Y(N−1),Z(N−1))を近似直線LMV上の位置に補正し、補正後の位置座標Pv(0)=(Xv(0),Yv(0),Zv(0))及びPv(N−1)=(Xv(N−1),Yv(N−1),Zv(N−1))を求める。
このようにモニタ期間ΔT内の複数(N個)のデータから対象物の自車両10に対する相対移動軌跡を近似する近似直線を算出して相対移動ベクトルを求めることにより、位置検出誤差の影響を軽減して対象物との衝突の可能性をより正確に予測することが可能となる。
ステップS17において、自車両10と検出した対象物との衝突の可能性がないと判定された場合(ステップS17のNO)、ステップS1へ戻り、上述の処理を繰り返す。
また、ステップS17において、自車両10と検出した対象物との衝突の可能性があると判定された場合(ステップS17のYES)、ステップS18の警報出力判定処理へ進む。
もし、自車両10の運転者がブレーキ操作を行っている場合には、それによって発生する加速度Gs(減速方向を正とする)を算出し、この加速度Gsが所定閾値GTHより大きいときは、ブレーキ操作により衝突が回避されると判定して警報出力判定処理を終了し(ステップS18のNO)、ステップS1へ戻り、上述の処理を繰り返す。
これにより、適切なブレーキ操作が行われているときは、警報を発しないようにして、運転者に余計な煩わしさを与えないようにすることができる。
図5は、本実施の形態の警報判定処理動作を示すフローチャートである。
警報判定処理は、以下に示す衝突判定処理、接近判定領域内か否かの判定処理、進入衝突判定処理、歩行者判定処理、及び人工構造物判定処理により、自車両10と検出した対象物との衝突の可能性を判定する処理である。以下、図6に示すように、自車両10の進行方向に対してほぼ90°の方向から、速度Vpで進行してくる対象物20がいる場合を例に取って説明する。
なお、進入判定領域AR2、AR3も所定高さHを有する。
また、ステップS34において、対象物は歩行者の可能性があると判定された場合(ステップS34のYES)、更に判定の信頼性を上げるために、対象物が人工構造物であるか否かを判定する人工構造物判定処理を行う(ステップS35)。人工構造物判定処理は、グレースケール画像上で、例えば車両のような対象物を人工構造物と判定し、警報の対象から除外する処理である。なお、人工構造物判定処理については、詳細を後述する。
図8において、まず、画像処理ユニット1は、図3に示したフローチャートのステップS8において算出された2値化対象物の重心G(xc、yc)、面積S、更に対象物の外接四角形の縦横比ASPECT、及びステップS13において算出された自車両10と対象物との距離zに加えて、2値化対象物の外接四角形の高さhbと幅wb、及び外接四角形重心座標(xb、yb)の値を利用して、実空間での2値化対象物の形状の特徴を示す2値化対象物形状特徴量を算出する(ステップS41)。なお、求める2値化対象物形状特徴量は、カメラの基線長D[m]、カメラ焦点距離f[m]、画素ピッチp[m/pixel]、及び左右映像の相関演算によって算出される視差Δd[pixel]を用いて算出する。
z=(f×D)/(Δd×p) ・・・(1)
と表されるので、実空間における2値化対象物の幅ΔWbや高さΔHbは、
ΔWb=wb×z×p/fΔHb=hb×z×p/f ・・・(2)
2値化対象物の上端位置座標(Xt,Yt,Zt)は、
Xt=xb×z×p/fYt
=yb×z×p/f−ΔHb/2Zt
=z ・・・(3)で算出することができる。
|Zt[X]−Zt[Y]|<TH1 ・・・(4)
条件2:(5)式を満たして上端高さ位置の差分が規定値TH2より小さく、同一高さに存在するとみなせる2値化対象物。
|Yt[X]−Yt[Y]|<TH2 ・・・(5)
条件3:(6)式を満たして左右のエッジ間(左側に位置する2値化対象物の左エッジと右側に位置する2値化対象物の右エッジとの間)の最大幅が、規定の車両の幅TH3[m]より大きくTH4[m]より小さい2値化対象物。
TH3<|(Xt[X]+ΔWb[X]/2)−(Xt[Y]−ΔWb[Y]/2)|<TH4 ・・・(6)
但し、Zt[X]、Zt[Y]は、それぞれOBJ[X]、OBJ[Y]の距離を示し、Yt[X]、Yt[Y]は、それぞれOBJ[X]、OBJ[Y]の上端高さ位置を示す。また、(6)式はOBJ(X)がOBJ(Y)の右側に存在する場合を示す。
ここで、例えば(4)〜(6)式に示す条件を満たして対称な位置に存在する2値化対象物OBJ[1]とOBJ[2]とが車両のライト(ヘッドライトやテールライト等の車両灯体)であれば、上方にはウィンドシールドが存在するため、探索領域MASK[i]に捉えられた物体の距離は、ライトと略同一距離とみなせる(近傍の距離を示す)。また、上述の2値化対象物が歩行者であれば、頭部の上端は空間であるため、探索領域MASK[i]に物体が捉えられず距離は不定となる。
|MASK[i]_Z−Zt[X]|<TH5 ・・・(7)
但し、規定値TH5は、ヘッドライトやテールライトとウィンドシールドまでの距離、及び視差精度を考慮した値とする。
なお、図9においては、正方形の探索領域MASK[i]を水平方向に沿って上下2列に配列して設定する場合を示しているが、この構成に限られるものではなく、探索領域MASK[i]が設定される領域や形状についてはウィンドシールドを十分に含むものであればよい。
Max_Var−Min_Var<TH6 ・・・(8)
そして、一般に、周囲の風景の赤外線が走行中の車両10のウィンドシールドで反射される場合、ウィンドシールドの輝度分散の時間的変化幅Wが大きくなる傾向があるため、閾値TH6は、周囲の風景の反射による輝度分散の時間的変化幅Wであると分かる程度の比較的大きい輝度分散に設定される。
TH7>Var[t] ・・・(9)
また、2値化対象物から削除したい車両の形状に合わせて、探索領域の大きさや位置を任意に調整できるようにしても良い。
更に、図9に示すOBJ[4]、OBJ[5]の位置に、連続走行時間の少ないタイヤ等の平均輝度値の低い物体を探索するようにしても良い。
ここで、ウィンドシールドへの映りこみとは、何らかの物体がウィンドシールドのガラスに部分的に比較的短時間映り込む状況であり、このような状況においては、時間的な輝度分散の変化が大きくなる。そして、この状況が起こりやすい外部環境としては、走行路近傍の物体として比較的車両近傍に背の高い物体として、例えば、電柱、建物および樹木などの物体が、それぞれ十分に離間して存在している状況や、空模様がまだらで雲が一様ではない状況などがある。そして、上記の時間的変化が大きい場合としては、例えば、車両が林の中の走行路を駆け抜ける場合などがある。
次いで、車両の外部環境を検出する(ステップS60)。ここで、外部環境の検出は、車両の外界を撮像するカメラにより検出したり、路車間通信などによる天気情報を取得することで検出するようにしても良い。
輝度分散演算領域内Bにウィンドシールドが存在する場合に、ウィンドシールドへの映りこみ可能性が高い外部環境か否かを判定する(ステップS61)。
映り込み可能性が高い外部環境である場合(ステップS60でYES)は、輝度分散演算領域内Bの輝度分散の時間的変化を検出する(ステップS50)。なお、上述したステップS60〜S61の処理が車両の窓への映り込みが起こりやすい外部環境であるか判定する判定手段に相当する。
なお、ステップS50の時間的変化の検出をする際の判定時間ついては、第2対象物であるウィンドシールドと走行路近傍の物体あるいは空模様との距離などの相関に基づいて変更するようにしても良い。
2R,2L 赤外線カメラ
3 ヨーレートセンサ
4 車速センサ
5 ブレーキセンサ
6 スピーカ
7 画像表示装置
10 自車両
S41〜S43 特徴部抽出手段
S44〜S46 第2対象物抽出手段
S50 赤外線量変化検出手段
S51,S52 赤外線量判定手段
S53 車両判定手段
S60〜S61 判定手段
Claims (4)
- 赤外線カメラによって捉えられた画像から車両の特徴部と思われる熱源を第1対象物として抽出する特徴部抽出手段と、
該第1対象物の周囲の領域と、前記第1対象物との距離を比較して前記第1対象物との距離が所定範囲内の第2対象物を抽出する第2対象物抽出手段とを備え、
前記第1対象物と前記第2対象物から発生される赤外線量とを比較することで、車両判別を行う車両周辺監視装置であって、
前記第2対象物の赤外線量の時間的変化を検出する赤外線量変化検出手段と、
該赤外線量変化検出手段により、前記第2対象物から発生される赤外線量の時間的変化が所定の赤外線量の条件を満たすか否かを判定する赤外線量判定手段と、前記第1対象物と前記第2対象物とを含む物体が車両であると判定する車両判定手段とを設けたことを特徴とする車両周辺監視装置。 - 車両の窓への映り込みが起こりやすい外部環境であるか判定する判定手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両周辺監視装置。
- 前記外部環境は、空模様の状況であることを特徴とする請求項2に記載の車両周辺監視装置。
- 前記外部環境は、車両の走行路近傍の物体の状況であることを特徴とする請求項2に記載の車両周辺監視装置。
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