JP2010091655A - 光学積層体および画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】光学積層体を用いた画像表示装置20は、直線偏光を円偏光に変換するのではなく、偏光解消層23により直線偏光を無偏光に変換する。これにより偏光サングラスによる視認性が改善される。さらに、偏光解消層23を用いて変換できる波長領域は広いため、偏光サングラスを通して見た表示画面が着色することが防止できる。
【選択図】図1
Description
(1)本発明の光学積層体は、偏光膜と、偏光膜の一方の主面側に配置された偏光解消層とを備えた光学積層体であって、偏光解消層が、複数の複屈折微粒子を分散状態で含む透光性樹脂層からなることを特徴とする。
(2)本発明の光学積層体は、複屈折微粒子が極短繊維からなることを特徴とする。
(3)本発明の光学積層体は、極短繊維が、第一の複屈折領域の内部に、2個以上の第二の複屈折領域を有する、海島複合繊維からなることを特徴とする。
(4)本発明の光学積層体は、偏光解消層の表面が凹凸状であることを特徴とする。凹凸の輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)は、0.05μm〜0.4μm程度が好ましく、輪郭曲線要素の平均長さ(Sm)は、0.09μm〜0.3μm程度が好ましい。
(5)本発明の光学積層体は、透光性樹脂層がポリスチレン微粒子を含有していることを特徴とする。
(6)本発明の光学積層体は、透光性樹脂層が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする。
(7)本発明の画像表示装置は、画像表示素子と、上記の光学積層体とを備えた画像表示装置であって、光学積層体中の偏光膜が、画像表示素子に近い側にあることを特徴とする。
(8)本発明の画像表示装置は、画像表示素子が液晶セルからなることを特徴とする。
図2(a)は、本発明の光学積層体30の一実施形態を示す概略断面図である。本発明の光学積層体30は、偏光膜31と、偏光膜31の一方の側に配置された偏光解消層32とを備えた光学積層体30である。偏光解消層32は、複数の複屈折微粒子33を分散状態で含む透光性樹脂層34からなる。
本発明に用いられる偏光膜は、特に制限はなく、任意の適切なものが採用される。偏光膜は、例えば、ポリビニルアルコール系樹脂フィルムを延伸し、ヨウ素などで染色したものである。偏光膜の厚みは、通常、1μm〜50μmである。
本発明に用いられる偏光解消層は、複数の複屈折微粒子を分散状態で含む透光性樹脂層からなる。このような偏光解消層は、偏光膜を透過した偏光を、無偏光に変換することができる。このため、本発明の光学積層体を用いた画像表示装置は、偏光サングラスを通して見ても、表示画面が極端に暗くなることはなく、良好な視認性が得られる。さらに、偏光解消層は、広い波長領域の偏光を無偏光に変換することができるため、表示画面の着色を軽減することができる。偏光解消層の厚みは、特に制限はなく、好ましくは1μm〜100μmであり、さらに好ましくは2μm〜50μmである。
本発明に用いられる複屈折微粒子は、複屈折を有するものであれば、特に制限はない。本発明において「複屈折を有する」とは、最大屈折率と最小屈折率の差(複屈折率)が0.001以上であることをいう。複屈折微粒子の複屈折率は、好ましくは0.005〜0.3であり、さらに好ましくは0.01〜0.2である。複屈折微粒子の重量平均粒子径は、好ましくは1μm〜50μmであり、さらに好ましくは1μm〜20μmである。複屈折微粒子の、偏光解消層に対する混合量は、偏光解消層の総重量の、好ましくは5重量%〜70重量%であり、さらに好ましくは10重量%〜50重量%である。
本発明に用いられる透光性樹脂層は、透光性樹脂を層状に成形したものである。この透光性樹脂層は、複数の複屈折微粒子を分散状態で含む。透光性樹脂層は複屈折微粒子を分散・固定しておればよく、複屈折微粒子を埋包していてもよいし、複屈折微粒子の一部が露出していてもよい。透光性樹脂層(偏光解消層)の表面を凹凸状に成形した場合は、本発明の光学積層体に防眩性を付与することができる。表面の凹凸の輪郭曲線の算術平均高さ(Ra)は、0.05μm〜0.4μm程度が好ましく、輪郭曲線要素の平均長さ(Sm)は、0.09μm〜0.3μm程度が好ましい。
本発明の画像表示装置は、画像表示素子、偏光膜、偏光解消層を、この順に備える。偏光膜と偏光解消層は上述のとおりである。画像表示素子は、文字や画像を表示するものであれば、特に制限はなく、例えば、液晶セルや有機ELパネルである。
エチレン・ビニルアルコール共重合体(日本合成化学工業社製「ソアノールDC321B」)と、プロピレン過多のエチレン・プロピレン共重合体(日本ポリプロ社製「OX1066A」)を、270℃および230℃で、それぞれ溶融し、海島複合繊維紡糸用ノズル(繊維断面当たりの島数が37)に注入して、引き取り速度600m/分で紡糸して、直径30μmの紡糸フィラメントを得た。
・上記の複屈折微粒子30重量部
・紫外線硬化樹脂(大日本インキ社製「ユニディック17−806」)100重量部
・レベリング剤(大日本インキ社製「ディフェンサMCF323」)0.5重量部
・ポリスチレン微粒子(総研化学社製「SX350H」)14重量部
・光重合開始剤(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製「イルガキュア184」)5重量部
をトルエンを主成分とする溶媒に分散させ、コーティング剤を調製した。このとき、固形分濃度が45重量%となるようにした。
L−グルタミン酸ナトリウム(和光純薬社製)を水に溶解して10重量%溶液とし、室温に静置して再結晶させた。この結晶を濾過で分取したのち、粉砕して、重量平均粒子径が3μm〜5μmのL−グルタミン酸ナトリウムからなる複屈折微粒子を得た。
シクロオレフィン系樹脂フィルム(日本ゼオン社製「ZEONOR」)を延伸して作製した四分の一波長板(厚み35μm)と、偏光膜(実施例1で使用したものと同一のもの)を、四分の一波長板の遅相軸方向が偏光膜の吸収軸方向と45°をなすように、接着剤を介して積層し、光学積層体を作製した。
光学積層体の代わりに、市販の偏光板(日東電工社製「SEG1425DU」)を用いた。
実施例1〜2、比較例、参考例の光学積層体を、市販の携帯電話の液晶セル(NTTドコモ社製「FOMA P905i」の、視認側の光学フィルムを全て取り除いたもの)に粘着剤を介して積層し、図3に示す構造の液晶表示装置を作製した。以上の液晶表示装置の表示特性と、モデル実験による着色の度合いを表1に示す。
(*2)着色…モデル実験による標準光源からのΔxy値(測定方法の欄を参照)。
実施例1〜2、および比較例の光学積層体について、防眩性試験と耐擦傷性試験を行なった。結果を表2に示す。偏光解消層として、複屈折微粒子とポリスチレン微粒子を分散状態で含有する紫外線硬化樹脂を用いた光学積層体(実施例1、2)は、表面が凹凸形状(Ra=0.15μm、Sm=0.07μm)であるため、防眩性が良好であった。さらに、硬度の高い紫外線硬化樹脂を用いているため、耐擦傷性も良好であった。
○=眩しくない、×=蛍光灯が表示画面に映り込み、眩しい。
(*4)耐擦傷性…スチールウール試験による傷の付き難さ(測定方法の欄を参照)。○=傷がつかない。×=傷がつき、視認性を損なう。
[着色の評価]
図4のように、光学積層体60、第1の偏光膜61、および分光光度計62を配置した。光学積層体60は、第2の偏光膜63、透明フィルム64、偏光解消層65が積層されてなる。第1の偏光膜61の吸収軸と、第2の偏光膜63の吸収軸を直交させて、分光光度計62(日立ハイテクノロジーズ社製「U−4100」)にて、スペクトル測定を行なった。第1の偏光膜61には、偏光サングラスの代替として、市販の偏光板(日東電工社製「SEG1425DU」)を用いた。測定したスペクトルから、色度座標(x1、y1)を求め、標準光源(x0=0.33、y0=0.33)からの差Δxy={(x1−x0)2+(y1ーy2)2}1/2を求めた。
裏面の反射をなくすため、実施例および比較例の光学積層体を、黒色アクリル板(日東樹脂社製、厚み2mm)に、光学積層体の偏光膜側が黒色アクリル板と対向するように、粘着剤を介して積層し、サンプルを作製した。このサンプルの表面に蛍光灯の光を当てて、サンプル表面に映り込んだ光の程度を目視観察した。
光学積層体を、光学積層体の偏光膜側がガラス板と対向するように、ガラス板に固定し、サンプルを作製した。このサンプルの表面に、スチールウール#0000を荷重400gの条件下で押し当てて、100mm/秒で10往復させた。これによりサンプル表面に生じた傷の程度を目視観察した。
[輪郭曲線の算術平均高さRa、輪郭曲線要素の平均長さSmの測定方法]
微細形状測定機(小阪研究所製「サーフコーダET4000」)を用い、JIS B 0601(1994)に準じて測定した。
11 画像表示素子
12 偏光膜
12a 透過軸方向
13 四分の一波長板
14 直線偏光の意味
15 円偏光の意味
20 画像表示装置
21 画像表示素子
22 偏光膜
22a 透過軸方向
23 偏光解消層
24 直線偏光の意味
30 光学積層体
31 偏光膜
32 偏光解消層
33 複屈折微粒子
34 透光性樹脂層
40 光学積層体
41 偏光膜
42 透明フィルム
43 偏光解消層
50 画像表示装置
51 液晶セル
52 偏光膜
53 偏光解消層
54 偏光膜
55 バックライト装置
60 光学積層体
61 第1の偏光膜
62 分光光度計
63 第2の偏光膜
64 透明フィルム
65 偏光解消層
Claims (8)
- 偏光膜と、前記偏光膜の一方の主面側に配置された偏光解消層とを備えた光学積層体であって、前記偏光解消層が、複数の複屈折微粒子を分散状態で含む透光性樹脂層からなることを特徴とする光学積層体。
- 前記複屈折微粒子が極短繊維からなることを特徴とする請求項1に記載の光学積層体。
- 前記極短繊維が、第一の複屈折領域の内部に、2個以上の第二の複屈折領域を有する、海島複合繊維からなることを特徴とする請求項2に記載の光学積層体。
- 前記偏光解消層の表面が凹凸状であることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の光学積層体。
- 前記透光性樹脂層がポリスチレン微粒子を含有していることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の光学積層体。
- 前記透光性樹脂層が紫外線硬化樹脂からなることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の光学積層体。
- 画像表示素子と、請求項1から6のいずれかに記載の光学積層体とを備えた画像表示装置であって、前記光学積層体中の偏光膜が、前記画像表示素子に近い側にあることを特徴とする画像表示装置。
- 前記画像表示素子が液晶セルからなることを特徴とする請求項7に記載の画像表示装置。
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