JP2010088050A - 撮像装置および画像記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】撮像素子のフレームレートを適切に調整することができる撮像装置を提供すること。
【解決手段】光学系による像を繰り返し撮像する撮像素子22と、前記光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段212と、前記焦点検出手段の検出結果について合焦判定を行う合焦判定手段213と、合焦判定手段による合焦判定結果に応じて、前記撮像素子のフレームレートを変更する制御手段214と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
【選択図】 図2

Description

この発明は、撮像装置および画像記録方法に関するものである。
従来より、動画を撮影可能なデジタルカメラが知られている。このようなデジタルカメラにおいて、被写体の動きの状況に応じて、撮像素子のフレームレートを可変とする技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−195050号公報
上記従来技術は、被写体の動きが検出された場合には、撮像素子のフレームレートを高くし、被写体の動きが検出されない場合には、撮像素子のフレームレートを低くし、これにより、視聴者に違和感を与えない動画像を提供することを目的としているが、この従来技術においても、十分満足にフレームレートを変えることができなかった。
本発明が解決しようとする課題は、撮像素子のフレームレートをより適切に調整することができる撮像装置を提供することである。
本発明は、以下の解決手段によって上記課題を解決する。なお、発明の実施形態を示す図面に対応する符号を付して説明するが、この符号は発明の理解を容易にするためだけのものであって発明を限定する趣旨ではない。
請求項1に係る発明は、光学系による像を繰り返し撮像する撮像素子(22)と、前記光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段(212)と、前記焦点検出手段の検出結果について合焦判定を行う合焦判定手段(213)と、合焦判定手段による合焦判定結果に応じて、前記撮像素子のフレームレートを変更する制御手段(214)と、を備えたことを特徴とする撮像装置である。
請求項2の発明は、請求項1に記載の撮像装置において、前記撮像素子(22)は、撮像画素の配列中に、前記光学系を通る一対の光束を受光する光電変換部を持つ焦点検出画素(222)を有し、前記焦点検出手段(212)は、前記焦点検出画素の出力に基づいて前記一対の光束による一対の像のずれを演算することにより前記焦点調節状態を検出することを特徴とする撮像装置である。
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の撮像装置において、前記制御手段(214)は、前記合焦判定手段(213)によって合焦と判定された場合に、前記撮像素子(22)のフレームレートを高くすることを特徴とする撮像装置である。
請求項4の発明は、請求項1から3までの何れか1項に記載の撮像装置において、前記制御手段(214)は、前記合焦判定手段(213)によって合焦と判定される前の前記撮像素子(22)のフレームレートを、前記合焦判定手段(213)による合焦判定に必要とされるフレームレート以上とすることを特徴とする撮像装置である。
請求項5の発明は、請求項1から4までの何れか1項に記載の撮像装置において、前記撮像素子(22)で撮像された像の信号を記録する記録手段(23)を備え、前記制御手段(214)は、前記合焦判定手段(213)によって合焦と判定される前の前記撮像素子のフレームレートよりも低いレートで前記撮像素子の撮像信号を記録することを特徴とする撮像装置である。
請求項6の発明は、請求項5に記載の撮像装置において、前記制御手段(214)は、前記合焦判定手段(213)によって合焦と判定した後は、前記撮像素子(22)の前記記録用のレートを、合焦と判定される前の前記撮像素子の撮像用のフレームレートよりも高くすることを特徴とする撮像装置である。
請求項7の発明は、請求項1から6までの何れか1項に記載の撮像装置において、前記合焦判定手段(213)による合焦判定は、前記光学系の撮影倍率が所定値以上となった場合に行うことを特徴とする撮像装置である。
請求項8の発明は、請求項1から7までの何れか1項に記載の撮像装置において、前記焦点検出手段(212)により検出された前記焦点調節状態に基づいて、前記光学系の焦点調節を行う焦点調節手段(32)を有し、前記焦点調節手段は、前記合焦判定手段によって合焦と判定した後は、前記撮像素子により撮像される複数のフレームごとに前記焦点調節を行うことを特徴とする撮像装置である。
請求項9の発明は、光学系による像を、撮像素子(22)で繰り返し撮像し、前記撮像素子で撮像した像の信号を記録する画像記録方法において、前記撮像素子で撮像した像の信号に基づいて前記光学系の焦点調節状態を検出し、検出した前記焦点調節状態焦に基づいて合焦判定を行い、前記合焦判定の結果に基づいて、前記信号の記録の間隔を変更することを特徴とする画像記録方法である。
本発明によれば、撮像素子のフレームレートをより適切に調整することができる撮像装置を提供することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1を示す要部構成図である。本実施形態のデジタルカメラ1(以下、単にカメラ1という。)は、カメラ本体2とレンズ鏡筒3から構成され、これらカメラ本体2とレンズ鏡筒3はマウント部4により着脱可能に結合されている。
レンズ鏡筒3には、レンズ31,32,33、絞り35を含む撮影光学系が内蔵されている。
フォーカスレンズ32は、レンズ鏡筒3の光軸L1に沿って移動可能に設けられ、エンコーダ36によってその位置が検出されつつフォーカスレンズ駆動モータ37によってその位置が調節される。
このフォーカスレンズ32の光軸L1に沿う移動機構の具体的構成は特に限定されない。一例を挙げれば、レンズ鏡筒3に固定された固定筒に回転可能に回転筒を挿入し、この回転筒の内周面にヘリコイド溝(螺旋溝)を形成するとともに、フォーカスレンズ32を固定するレンズ枠の端部をヘリコイド溝に嵌合させる。そして、フォーカスレンズ駆動モータ37によって回転筒を回転させることで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32が光軸L1に沿って直進移動することになる。なお、レンズ鏡筒3にはフォーカスレンズ32以外のレンズ31,33が設けられているが、ここではフォーカスレンズ32を例に挙げて本実施形態を説明する。
上述したようにレンズ鏡筒3に対して回転筒を回転させることによりレンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32は光軸L1方向に直進移動するが、その駆動源としてのフォーカスレンズ駆動モータ37がレンズ鏡筒3に設けられている。フォーカスレンズ駆動モータ37と回転筒とは、たとえば複数の歯車からなる変速機で連結され、フォーカスレンズ駆動モータ37の駆動軸を何れか一方向へ回転駆動すると所定のギヤ比で回転筒に伝達され、そして、回転筒が何れか一方向へ回転することで、レンズ枠に固定されたフォーカスレンズ32が光軸L1の何れかの方向へ直進移動することになる。なお、フォーカスレンズ駆動モータ37の駆動軸が逆方向に回転駆動すると、変速機を構成する複数の歯車も逆方向に回転し、フォーカスレンズ32は光軸L1の逆方向へ直進移動することになる。
フォーカスレンズ32の位置はエンコーダ36によって検出される。既述したとおり、フォーカスレンズ32の光軸L1方向の位置は回転筒の回転角に相関するので、たとえばレンズ鏡筒3に対する回転筒の相対的な回転角を検出すれば求めることができる。
本例のエンコーダ36としては、回転筒の回転駆動に連結された回転円板の回転をフォトインタラプタなどの光センサで検出して、回転数に応じたパルス信号を出力するものや、固定筒と回転筒の何れか一方に設けられたフレキシブルプリント配線板の表面のエンコーダパターンに、何れか他方に設けられたブラシ接点を接触させ、回転筒の移動量(回転方向でも光軸方向の何れでもよい)に応じた接触位置の変化を検出回路で検出するものなどを用いることができる。
フォーカスレンズ32は、上述した回転筒の回転によってカメラボディ側の端部(至近端ともいう)から被写体側の端部(無限端ともいう)までの間を光軸L1方向に移動することができる。ちなみに、エンコーダ36で検出されたフォーカスレンズ32の現在位置情報は、レンズ制御部38を介して後述するカメラ制御部21へ送出され、フォーカスレンズ駆動モータ37は、この情報に基づいて演算されたフォーカスレンズ32の駆動位置が、カメラ制御部21からレンズ制御部38を介して送出される指令信号により駆動する。
絞り35は、上記撮影光学系を通過して撮像素子22に至る光束の光量を制限するとともにボケ量を調整するために、光軸L1を中心にした開口径が調節可能に構成されている。絞り35による開口径の調節は、たとえば自動露出モードにおいて演算された適切な開口径が、カメラ制御部21からレンズ制御部38を介して送出されることにより行われる。また、カメラ本体2に設けられた操作部27によるマニュアル操作により、設定された開口径がカメラ制御部21からレンズ制御部38に入力される。絞り35の開口径は図示しない絞り開口センサにより検出され、レンズ制御部38で現在の開口径が認識される。
一方、カメラ本体2には、上記撮影光学系からの光束を受光する撮像素子22が、光軸L1上であって、撮影光学系の予定焦点面に設けられている。撮像素子22は二次元CCDイメージセンサ、MOSセンサまたはCIDなどのデバイスから構成され、受光した光信号をアナログ画像信号に変換する。なお、撮像素子22の構造の詳細は後述する。
そして、撮像素子22により生成されたアナログ画像信号は、図2に示すように、AFE(Analog front end)回路28を経て、デジタル信号に変換されて、カメラ制御部21の画像処理部211に送信される。図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラ1の回路構成を示すブロック図である。
AFE(Analog front end)回路28は、撮像素子22から出力されたアナログ画像信号を受信し、アナログ画像信号に対して、ISO感度に応じて信号増幅することにより、ゲイン調整を行う。また、AFE回路28は、A/D変換器を備えており、A/D変換器によりゲイン調整後のアナログ画像信号をデジタル画像信号に変換して、カメラ制御部21の画像処理部211に送信する。
カメラ本体2には、撮像素子22で撮像される像を観察するための観察光学系が設けられている。本例の観察光学系は、液晶表示素子からなる電子ビューファインダ(EVF)25と、これを駆動する液晶駆動回路24と、接眼レンズ26とを備えてなる。液晶駆動回路24は、撮像素子22で撮像され、カメラ制御部21の画像処理部211に送出された撮影画像情報を読み込み、これに基づいて電子ビューファインダ25を駆動する。これにより、ユーザは、接眼レンズ26を通して現在の撮影画像を観察することができる。なお、光軸L2による上記観察光学系に代えて、又はこれに加えて、液晶ディスプレイをカメラ本体2の背面等に設け、この液晶ディスプレイに撮影画像を表示させることもできる。
カメラ本体2にはカメラ制御部21が設けられている。カメラ制御部21は、マウント部4に設けられた電気信号接点部41によりレンズ制御部38と電気的に接続され、このレンズ制御部38からレンズ情報を受信するとともに、レンズ制御部38へデフォーカス量や絞り開口径などの情報を送信する。
また、本例のカメラ制御部21は、図2に示すように、画像処理部211、焦点状態検出部212、合焦判定部213、およびフレームレート制御部214を備えている。
画像処理部211は、AFE回路28から送出されたデジタル画像信号に対して各種画像処理を行い、画像処理後の画像信号は、画像信号を記録するためのメモリ23、観察光学系を駆動するための液晶駆動回路24に、それぞれ送信される。メモリ23は、メモリ23は着脱可能なカード型メモリや内蔵型メモリの何れをも用いることができる。
また、図2に示すように、画像処理部211によって画像処理することにより得られた画像信号は、焦点状態検出部212にも送信され、焦点状態検出部212は、撮像素子22により得られた画像信号に基づき、光学系の焦点調節状態を検出する。なお、焦点状態検出部212は、後述するように、撮像素子22により得られた画像信号のうち、撮像素子22に形成された焦点検出画素の出力に基づいて焦点の検出を行う。
合焦判定部213は、焦点状態検出部212により検出された光学系の焦点調節状態に基づき、撮影光学系が合焦状態か否かを判定する。そして、合焦判定部213は合焦判定結果を、フレームレート制御部214に送信する。
フレームレート制御部214は、合焦判定部213による合焦判定結果に基づき、撮像素子22により画像を撮像するためのフレームレートである撮像フレームレート、および撮像素子22による撮像画像をメモリ23に記録するためのレートである記録レートを、それぞれ算出する。そして、フレームレート制御部214は、算出された撮像フレームレートを、撮像素子22に送出することにより、撮像素子22による画像信号の取得間隔を制御する。同様に、フレームレート制御部214は、算出された記録レートを、画像処理部211に送出することにより、画像処理部211からメモリ23への記録用の画像信号の送出間隔を制御する。
操作部27は、シャッターレリーズボタンやユーザがカメラ1の各種動作モードを設定するための入力スイッチであり、静止画モード/動画モードの切換などが行えるようになっている。この操作部27により設定された各種モードはカメラ制御部21へ送出され、当該カメラ制御部21によりカメラ1全体の動作が制御される。
次に、本実施形態に係る撮像素子22について説明する。
図3は、撮像素子22の撮像面における焦点検出位置を示す正面図、図4は、図3のIV部を拡大して焦点検出画素222の配列を模式的に示す正面図である。
本実施形態の撮像素子22は、図4に示すように、複数の撮像画素221が、撮像面の平面上に二次元的に配列され、緑色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する緑画素Gと、赤色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する赤画素Rと、青色の波長領域を透過するカラーフィルタを有する青画素Bがいわゆるベイヤー配列(Bayer Arrangement)されたものである。すなわち、隣接する4つの画素群223(稠密正方格子配列)において一方の対角線上に2つの緑画素が配列され、他方の対角線上に赤画素と青画素が1つずつ配列されている。このベイヤー配列された画素群223を単位として、当該画素群223を撮像素子22の撮像面に二次元状に繰り返し配列することで撮像素子22が構成されている。
図5Aは、撮像画素221の一つを拡大して示す正面図、図6Aは断面図である。一つの撮像画素221は、マイクロレンズ2211と、光電変換部2212と、図示しないカラーフィルタから構成され、図6Aの断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2212が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2211が形成されている。光電変換部2212は、マイクロレンズ2211により撮影光学系31の射出瞳(たとえばF1.0)を通過する撮像光束を受光する形状とされ、撮像光束IBを受光する。
なお、本実施形態のカラーフィルタはマイクロレンズ2211と光電変換部2212との間に設けられる。
図3及び図4Bに戻り、撮像素子22の撮像面の中心付近には、上述した撮像画素221に代えて焦点検出画素222が配列された焦点検出画素列22aが設けられている。図4に示すように、一つの焦点検出画素列は、複数の焦点検出画素222が横一列に配列されて構成されている。本例の焦点検出画素222は、ベイヤー配列された撮像画素221の緑画素Gと青画素Bの位置にギャップを設けることなく密に配列されている。なお、図3に示す焦点検出画素列22aの位置は図示する位置にのみ限定されず、特に限定されない。また、焦点検出画素列22aは複数配置してもよい。
図5Bは、焦点検出画素222の一つを拡大して示す正面図、図6Bはその断面図である。焦点検出画素222は、図5Bに示すように、マイクロレンズ2221と、一対の光電変換部2222,2223から構成され、図6Bの断面図に示すように、撮像素子22の半導体回路基板2213の表面に光電変換部2222,2223が造り込まれ、その表面にマイクロレンズ2221が形成されている。一対の光電変換部2222,2223は同じ大きさで、かつマイクロレンズ2221の光軸に対して左右対称に配置されている。この光電変換部2222,2223は、マイクロレンズ2221により撮影光学系31の特定の射出瞳(たとえばF2.8)を通過する一対の光束を受光する形状とされている。すなわち、図6Bに示すように、焦点検出画素222の一方の光電変換部2222は一方の光束AB1を受光する一方で、焦点検出画素222の他方の光電変換部2223は、マイクロレンズ2221の光軸に対して光束AB1と対称となる光束AB2を受光する。
なお、焦点検出画素222にはカラーフィルタは設けられておらず、その分光特性は、光電変換を行うフォトダイオードの分光特性と、図示しない赤外カットフィルタの分光特性を総合したものとなっている。相対感度は、撮像画素221の青画素B、緑画素G及び赤画素Rの各感度を加算したような分光特性とされ、また感度が現れる光波長領域は、撮像画素221の青画素B、緑画素G及び赤画素Rの感度の光波長領域を包摂した領域となっている。ただし、撮像画素221と同じカラーフィルタのうちの一つ、たとえば緑フィルタを備えるように構成することもできる。
次いで、上述した焦点検出画素222の出力に基づいて焦点を検出する、いわゆる瞳分割位相差検出方式について説明する。
図7は、図4のVII-VII線に沿う断面図であり、撮影光軸L上に配置された焦点検出画素222−1と、これに隣接する焦点検出画素222−2が、射出瞳34の測距瞳341,342から照射される光束AB1−1,AB2−1,AB2−1,AB2−2を受光することを示す。ただし、その他の焦点検出画素についても、一対の光電変換部は一対の測距瞳341,342から照射される一対の光束を受光する。
ここで、射出瞳34とは、レンズ鏡筒3の予定焦点面に配置された焦点検出画素222のマイクロレンズ2221の前方Dの位置に設定された像である。距離Dは、マイクロレンズの曲率、屈折率、マイクロレンズと光電変換部との距離などに応じて一義的に決まる値であって、この距離Dを測距瞳距離と称する。また、測距瞳341,342とは、焦点検出画素222のマイクロレンズ2221により投影された光電変換部2222,2223の像をいう。なお、同図において焦点検出画素222−1,222−2の配列方向は一対の測距瞳341,342の並び方向と一致している。
焦点検出画素222のマイクロレンズ2221−1,2221−2は、レンズ鏡筒3の予定焦点面近傍に配置されており、光軸L上に配置されたマイクロレンズ2221−1により、その背後に配置された一対の光電変換部2222−1,2223−1の形状が測距瞳距離Dだけ離れた射出瞳34上に投影され、その投影形状は測距瞳341,342を形成する。
同様に、光軸L上から離間して配置されたマイクロレンズ2221−2により、その背後に配置された一対の光電変換部2222−2,2223−2の形状が測距瞳距離Dだけ離れた射出瞳34上に投影され、その投影形状は測距瞳341,342を形成する。
すなわち、測距瞳距離Dにある射出瞳34上で、各焦点検出画素222の光電変換部2222,2223の投影形状(測距瞳341,342)が一致するように各画素222の投影方向が決定されている。
なお、焦点検出画素222−1の光電変換部2222−1は、一方の測距瞳341を通過しマイクロレンズ2221−1に向かう一方の焦点検出光束AB1−1により、マイクロレンズ2221−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。これに対して、光電変換部2223−1は、他方の測距瞳342を通過しマイクロレンズ2221−1に向かう他方の焦点検出光束AB2−1により、マイクロレンズ2221−1上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
同様に、焦点検出画素222−2の光電変換部2222−2は、一方の測距瞳341を通過しマイクロレンズ2221−2に向かう一方の焦点検出光束AB1−2により、マイクロレンズ2221−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。これに対して、光電変換部2223−2は、他方の測距瞳342を通過しマイクロレンズ2221−2に向かう他方の焦点検出光束AB2−2により、マイクロレンズ2221−2上に形成される像の強度に対応した信号を出力する。
以上の焦点検出画素222を、図4に示すように直線状に複数配置し、各焦点検出画素222の一対の光電変換部2222,2223の出力を、測距瞳341と測距瞳342のそれぞれに対応した出力グループにまとめることにより、測距瞳341と測距瞳342のそれぞれを通過する焦点検出光束AB1,AB2が焦点検出画素列上に形成する一対の像の強度分布に関するデータが得られる。そして、この強度分布データに対し、カメラ制御部21の焦点状態検出部212によって、相関演算処理又は位相差検出処理などの像ズレ検出演算処理を施すことにより、いわゆる瞳分割位相差検出方式による像ズレ量を検出することができる。
そして、カメラ制御部21の焦点状態検出部212に備えられたデフォーカス演算部により、得られた像ズレ量に一対の測距瞳の重心間隔に応じた変換演算を施すことにより、予定焦点面に対する現在の焦点面(予定焦点面上のマイクロレンズアレイの位置に対応した焦点検出位置における焦点面をいう。)の偏差、すなわちデフォーカス量ΔWを求めることができる。
次に、本実施形態に係るカメラ1の動作例を説明する。図8は、本実施形態に係るカメラ1の動作を示すフローチャートである。以下においては、カメラ1の設定が「動画モード」に設定されている場合における動作を説明する。
まず、ユーザによってレリーズボタンが押され、カメラ1に撮影指令がなされると、撮像素子22は撮影光学系からの光束を受光し、画像信号を取得する(ステップS1)。
次いで、ステップS2に進み、撮像素子22により取得された画像信号に基づき、撮影光学系の焦点状態の検出が行われる。具体的には、撮像素子22により取得された画像信号は、AFE回路28によりゲイン調整され、デジタル画像信号に変換された後に、カメラ制御部21の画像処理部211に送られ、画像処理が行われる。そして、画像処理後の画像信号は、画像処理部211から焦点状態検出部212に送出され、焦点状態検出部212は、画像処理部211から取得した画像信号のうち、図4、図5Bに示す焦点検出画素222に対応する画像信号を用いて、上述した方法に従って、撮影光学系の焦点状態の検出を行う。焦点状態の検出結果は、合焦判定部213に送出される。
ステップS3では、焦点状態検出部212により検出された撮影光学系の焦点状態の検出結果に基づき、焦点状態検出部212に備えられたデフォーカス演算部によりデフォーカス量ΔWを算出し、当該デフォーカス量ΔWに応じたレンズ駆動量Δdを演算し、これをレンズ制御部38に出力する。そして、レンズ制御部38は、フォーカスレンズ駆動モータ37を駆動することにより、フォーカスレンズ32の位置を調整する。
次いで、ステップS4では、合焦判定部213が、撮影光学系の焦点状態の検出結果に基づいて合焦判定を行う。合焦判定は、たとえば、ステップS3において算出されたデフォーカス量ΔWが所定値以下であるか否かに基づいて行われる。合焦判定の結果、合焦状態にあると判定された場合には、合焦状態にある旨の信号をフレームレート制御部214に送出し、ステップS6に進む。一方、合焦判定の結果、合焦状態にないと判定された場合には、非合焦状態にある旨の信号をフレームレート制御部214に送出し、ステップS5に進む。
ステップS5では、合焦判定部213から送出された非合焦状態にある旨の信号に基づき、フレームレート制御部214が、撮像素子22により画像を撮像するためのフレームレートである撮像フレームレート、および撮像素子22による撮像画像をメモリ23に記録するためのレートである記録レートを、非合焦時のレートに設定する。具体的には、撮像フレームレートおよび記録レートを合焦時のそれと比較して遅いレート、すなわち、低レートに設定する。そして、フレームレート制御部214は、撮像フレームレートを撮像素子22に送信することで、撮像素子22による画像信号の取得間隔を制御する。加えて、フレームレート制御部214は、記録レートを画像処理部211に送信することで、画像処理部211からメモリ23に送信される画像信号の間隔を制御する。
ここで、図9に、本実施形態の一場面例におけるカメラ1の撮影時間に対する撮像用の画像信号および記録用の画像信号の変化を示す図である。図9は、時間tに撮影を開始し、その後、時間tにおいて、撮影光学系が合焦したと判定された場面を想定した場面例であり、図中、上側に撮像素子22により取得される画像信号を、下側にメモリ23に記録される画像信号を示している。このような場面例の具体例としては、被写体としての自動車が走行している状態を撮影するに際して、図10Aに示すように、時間t〜tにおいては、被写体は非合焦であったが、その後、図10Bに示すように、時間tにおいて、被写体が合焦した場合などが挙げられる。
そして、ステップS5においては、図9に示すように、合焦前(すなわち、時間tより前)における、撮像素子22により画像を撮像するための撮像フレームレートをTsとし、一方で、撮像素子22による撮像画像をメモリ23に記録するための記録レートをTs’に設定する。
次いで、ステップS1に戻り、撮像素子22は、ステップS5において設定された撮像フレームレートTsに基づき、画像信号を再び取得する。たとえば、図9に示す場合に、時間tにおいて、非合焦と判定され、撮像フレームレートがTsに設定された場合には、時間tの後における画像信号の取得は、撮像フレームレートであるTs時間経過後の時間tにおいて行われる。一方で、メモリ23への画像信号の記録は、記録レートであるTs’時間経過後の時間tにおいて行われる。すなわち、時間tにおいて撮像素子22により取得された画像信号に対応する画像信号はメモリ23に記録されないこととなる。そして、図9に示す例では、合焦前(すなわち、時間tより前)においては、撮像素子22は、撮像フレームレートTsに基づき、時間t、t、t、t、t、t、tにおいて画像信号を取得する。その一方で、メモリ23には、記録レートTs’に基づき、時間t、t、t、tにおける画像信号のみを記録する。
なお、非合焦時における撮像フレームレートTsは、後述する合焦時における撮像フレームレートTfよりも遅い(低フレームレート)ものとすれば良いが、好ましくは、焦点状態検出部212による焦点検出精度が十分に確保できるフレームレート、具体的には、合焦判定部213による合焦判定が可能となるために必要とされるフレームレート以上とすれば良い。また、非合焦時における記録レートTs’は、本例では、撮像フレームレートTsの半分の速さとしたが、記録レートTs’は、撮像フレームレートTs以下とすれば良く、特に限定されない。あるいは、非合焦時には、画像信号をメモリ23に全く保存しない態様としてもよい。
一方、ステップS4において、合焦判定部213により合焦と判定された場合には、ステップS6に進む。ステップS6においては、合焦判定部213から送出された合焦状態にある旨の信号に基づき、フレームレート制御部214が、撮像フレームレートおよび記録レートを合焦時のレートに設定する。具体的には、撮像フレームレートおよび記録レートを非合焦時のそれと比較して速いレート、すなわち、高レートに設定する。特に、本例においては、高精度な画像を取得するために必要となるレートに設定することが好ましい。そして、フレームレート制御部214は、撮像フレームレートを撮像素子22に送信することで、撮像素子22の画像信号の取得間隔を制御する。加えて、フレームレート制御部214は、記録レートを画像処理部211に送信することで、画像処理部211からメモリ23に送信される画像信号の間隔を制御する。
すなわち、ステップS6においては、図9に示すように、合焦後(すなわち、時間tより後)における、撮像素子22により画像を撮像するための撮像フレームレートをTfとし、また、撮像素子22による撮像画像をメモリ23に記録するための記録レートも同様にTfに設定する。そして、ステップS1に戻り、撮像素子22は、ステップS6において設定された撮像フレームレートTfに基づき、画像信号を再び取得する。
ここで、図9においては、合焦時であるtの直後においては、撮像フレームレートおよび記録レートをTfではなく、Tfよりも大きなレートであるTdとしている。この理由としては、合焦時であるtの直後においては、撮像素子22による撮像画像の取得から、合焦判定部213による合焦判定までに要する時間が、記録レートであるTfよりも大きいことによる。そのため、図9に示す例においては、合焦時である時間t以後であって、合焦判定がなされた時間tから、撮像素子22は、撮像フレームレートTfに基づいて、また、メモリ23には、記録レートTfに基づいて、時間t、t10、t11、t12、t13、t14において画像信号の取得/記録を行う。
また、本実施形態では、図9に示す例において、合焦と判定された場合においては、ステップS1に戻って、撮像素子22により画像信号の取得し、その後、焦点検出、フォーカスレンズの駆動、および合焦判定を行う際には、撮像フレームレートであるTf時間経過後ではなく、Tfの2倍の時間の経過後に行う。すなわち、たとえば、図9に示す例において、合焦判定の結果、時間tにおいて合焦と判定された場合には、ステップS1に戻り、撮像素子22により時間tおよび時間t10における画像信号を取得した後(すなわち、Tf時間経過後ではなく、Tfの2倍の時間の経過後)に、ステップS2に進み、焦点状態検出部212は、時間tではなく、時間t10において取得した画像信号に基づいて、焦点状態の検出を行う。本例においては、撮像フレームレートTfは、焦点検出、フォーカスレンズの駆動、および合焦判定に要する時間であるTd(tとtの間の時間)よりも短いため、Tf時間経過後に、再度、焦点検出、フォーカスレンズの駆動、および合焦判定を行おうとすると、これらを適切に行うことができない場合がある。そのため、本例では、Tfの2倍の時間の経過後に、ステップS1からステップS2に進み、焦点検出等を行うこととしている。なお、合焦時において、ステップS1に戻った後に、焦点検出、フォーカスレンズの駆動、および合焦判定を行う際においては、必ずしも、Tfの2倍の時間の経過後に限定されず、撮像フレームレートTfの大きさに応じて適宜選択すればよく、たとえば、Tfの3倍あるいは4倍以上の時間の経過後としてもよい。
また、再度の合焦判定の結果、合焦と判定された場合には、撮像フレームレートおよび記録レートをともにTfのままとして(ステップS6)、撮影を継続する。その一方で、非合焦と判定された場合には、再び、合焦と判定されるまで、撮像フレームレートをTs、記録レートをTs’に戻して、撮影を継続する。
本実施形態においては、非合焦時における撮像フレームレートTsを、合焦時における撮像フレームレートTfおよび記録レートTfよりも遅く設定することに加え、非合焦時における記録レートTs'を、非合焦時における撮像フレームレートTsよりもさらに遅く設定するため、ユーザにとって必要性の低い画像データのメモリ23中における記憶領域の占有を有効に防止することができる。そして、その一方で、合焦後には、撮像フレームレートTfおよび記録レートTfを、高レートに設定し、これにより単位時間当たりの取得画像情報の駒数を増やすことができ、ユーザにとって必要性の高い画像データを高精度に取得することができる。
そのため、たとえば、図10A、図10Bに示すように、モータスポーツの写真において、自動車等の被写体が高速で接近してくる状況を撮影する場合において、合焦時には、撮像フレームレートおよび記録レートを高く設定することで、高精度な撮影を行うことができる。そして、その一方で、非合焦時には、撮像フレームレートおよび記録レートを低く設定することで、メモリ23中における記憶領域を十分に確保することが可能となる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
たとえば、上述した実施形態では、撮像素子22による画像信号の取得が開始された場合に、合焦判定部213による合焦判定を行う構成としたが、撮像素子22による画像信号の取得が開始されたことに加え、撮像素子22により撮影される撮影光学系の撮影倍率が所定値以上となった場合に、合焦判定を開始する構成としてもよい。なお、この場合において、撮影光学系の撮影倍率が所定値未満の場合には、撮像フレームレートおよび記録レートは、非合焦時のレートと同様とすれば良い。
また、上述した実施形態では、撮影光学系の焦点状態の検出を図4、図5Bに示す撮像素子22に備えられた焦点検出画素222を用いて行う例を示したが、たとえば、撮像素子22を用いたコントラスト検出方式によって行ってもよいし、あるいは、これらを組み合わせて用いてもよい。さらには、カメラ1を焦点検出用センサを有する焦点検出装置を備える構成とし、撮影光学系のうち一部をミラー等で分岐し、焦点検出装置に導くことにより、焦点検出を行う方法を採用してもよい。
図1は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラを示す要部構成図である。 図2は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの回路構成を示すブロック図である。 図3は、撮像素子の撮像面における焦点検出位置を示す正面図である。 図4は、図3のIV部を拡大して焦点検出画素の配列を模式的に示す正面図である。 図5Aは、撮像画素の一つを拡大して示す正面図である。 図5Bは、焦点検出画素の一つを拡大して示す正面図である。 図6Aは、撮像画素の一つを拡大して示す断面図である。 図6Bは、焦点検出画素の一つを拡大して示す断面図である。 図7は、図4のVII-VII線に沿う断面図である。 図8は、本発明の実施形態に係るデジタルカメラの動作を示すフローチャートである。 図9は、本発明の実施形態の一場面例におけるカメラ1の撮影時間に対する撮像用の画像信号および記録用の画像信号の変化を示す図である。 図10Aは、本発明の実施形態における撮像画像の一例を示す図である。 図10Bは、本発明の実施形態における撮像画像の一例を示す図である。
符号の説明
1…デジタルカメラ
2…カメラ本体
21…カメラ制御部
211…画像処理部
212…焦点状態検出部
213…合焦判定部
214…フレームレート制御部
22…撮像素子
221…撮像画素
222…焦点検出画素
3…レンズ鏡筒
32…フォーカスレンズ
38…レンズ制御部

Claims (9)

  1. 光学系による像を繰り返し撮像する撮像素子と、
    前記光学系の焦点調節状態を検出する焦点検出手段と、
    前記焦点検出手段の検出結果について合焦判定を行う合焦判定手段と、
    合焦判定手段による合焦判定結果に応じて、前記撮像素子のフレームレートを変更する制御手段と、を備えたことを特徴とする撮像装置。
  2. 請求項1に記載の撮像装置において、
    前記撮像素子は、撮像画素の配列中に、前記光学系を通る一対の光束を受光する光電変換部を持つ焦点検出画素を有し、
    前記焦点検出手段は、前記焦点検出画素の出力に基づいて前記一対の光束による一対の像のずれを演算することにより前記焦点調節状態を検出することを特徴とする撮像装置。
  3. 請求項1または2に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記合焦判定手段によって合焦と判定された場合に、前記撮像素子のフレームレートを高くすることを特徴とする撮像装置。
  4. 請求項1から3までの何れか1項に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記合焦判定手段によって合焦と判定される前の前記撮像素子のフレームレートを、前記合焦判定手段による合焦判定に必要とされるフレームレート以上とすることを特徴とする撮像装置。
  5. 請求項1から4までの何れか1項に記載の撮像装置において、
    前記撮像素子で撮像された像の信号を記録する記録手段を備え、
    前記制御手段は、前記合焦判定手段によって合焦と判定される前の前記撮像素子のフレームレートよりも低いレートで前記撮像素子の撮像信号を記録することを特徴とする撮像装置。
  6. 請求項5に記載の撮像装置において、
    前記制御手段は、前記合焦判定手段によって合焦と判定した後は、前記撮像素子の前記記録用のレートを、合焦と判定される前の前記撮像素子の撮像用のフレームレートよりも高くすることを特徴とする撮像装置。
  7. 請求項1から6までの何れか1項に記載の撮像装置において、
    前記合焦判定手段による合焦判定は、前記光学系の撮影倍率が所定値以上となった場合に行うことを特徴とする撮像装置。
  8. 請求項1から7までの何れか1項に記載の撮像装置において、
    前記焦点検出手段により検出された前記焦点調節状態に基づいて、前記光学系の焦点調節を行う焦点調節手段を有し、
    前記焦点調節手段は、前記合焦判定手段によって合焦と判定した後は、前記撮像素子により撮像される複数のフレームごとに前記焦点調節を行うことを特徴とする撮像装置。
  9. 光学系による像を、撮像素子で繰り返し撮像し、
    前記撮像素子で撮像した像の信号を記録する画像記録方法において、
    前記撮像素子で撮像した像の信号に基づいて前記光学系の焦点調節状態を検出し、検出した前記焦点調節状態焦に基づいて合焦判定を行い、
    前記合焦判定の結果に基づいて、前記信号の記録の間隔を変更することを特徴とする画像記録方法。
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