JP2010087560A - 頭部装着型画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像光を導光する棒状導光部の破損を有効に防止でき、棒状導光部を容易に細条化できる頭部装着型画像表示装置を提供する。
【解決手段】観察者の頭部に装着された状態で、該観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、一端部が保持部12に保持され、他端部に接眼光学部14が設けられた棒状導光部13と、画像を表示する表示素子17とを有し、表示素子17に表示された画像の画像光を、棒状導光部13の一端部の端面から他端部の端面を経て接眼光学部14から出射させて、観察者の一方の眼球に入射させるようにした頭部装着型画像表示装置10において、棒状導光部13を、保持部12に弾性的に変位可能に保持する。
【選択図】図1

Description

本発明は、頭部装着型画像表示装置に関するものである。
従来の頭部装着型画像表示装置として、例えば、ヘッドセット型や眼鏡型のように、モバイルで装着可能なものが提案されている(例えば、特許文献1,2参照)。
図9は、従来提案されているヘッドセット型の頭部装着型画像表示装置の概略構成を示す図で、(a)は正面図、(b)は側面図、(c)は平面図である。この頭部装着型画像表示装置100は、左眼タイプのもので、観察者Mの左耳に保持されるヘッドセット型の頭部支持部101と、頭部支持部101に中継部102および保持部103を介して連結されて、観察者Mの左眼視野内に保持される棒状導光部104と、を有する。棒状導光部104は、保持部103側とは反対側の端部に設けられた接眼光学部105を有する。また、頭部支持部101または中継部102、あるいは保持部103には、観察すべき画像を表示する液晶表示素子や有機EL素子等の表示素子(図示せず)が内蔵され、この表示素子に表示された画像の画像光が、棒状導光部104を経て接眼光学部105から出射されるようになっている。なお、本構成は左右逆に構成することで右眼タイプとしてもよい。
図9に示した頭部装着型画像表示装置100は、接眼光学部105から出射される画像光が観察者Mの左眼瞳孔に入射するように、頭部支持部101を観察者Mの左耳に保持し、その状態で接眼光学部105を覗くことにより、図示しない表示素子に表示された画像の拡大虚像を観察できるようになっている。
図10は、従来提案されている眼鏡型の頭部装着型画像表示装置の概略構成を示す斜視図である。この頭部装着型画像表示装置110は、眼鏡一体型の右眼タイプのもので、眼鏡フレーム111に支持部112および保持部113を介して、観察者の右眼視野内で、右眼の眼鏡レンズ114の前方に近接して保持される棒状導光部115を有する。棒状導光部115は、保持部113側とは反対側の端部に設けられた接眼光学部116を有する。また、眼鏡フレーム111または支持部112、あるいは保持部113には、観察すべき画像を表示する液晶表示素子や有機EL素子等の表示素子(図示せず)が内蔵され、この表示素子に表示された画像の画像光が、棒状導光部115を経て接眼光学部116から出射されるようになっている。
図10に示した頭部装着型画像表示装置110は、観察者が眼鏡フレーム111を掛けることにより、接眼光学部116から出射される画像光が眼鏡レンズ114を通して右眼瞳孔に入射するようになっている。したがって、観察者は、眼鏡フレーム111を掛けて接眼光学部116を覗くことにより、図示しない表示素子に表示された画像の拡大虚像を観察することができる。
なお、眼鏡型の頭部装着型画像表示装置として、通常の眼鏡に着脱可能で、図10と同様の態様で使用されるものも提案されている。
特表2003−502713号公報 特開2006−3879号公報
ところで、上述したヘッドセット型や眼鏡型の頭部装着型画像表示装置は、例えば、観察者の視野内に位置する棒状導光部および接眼光学部を細くするほど、例えば、特許文献2に開示のように、観察者の視軸方向への投影断面の幅を、平均的な瞳孔径サイズを基準として4mm以下とすれば、殆どの使用環境において、観察視野内においてその存在を目立たなくすることができるので、外界を遮蔽せずに画像を観察するシースルーの効果が得られる。
しかしながら、従来の頭部装着型画像表示装置は、棒状導光部および接眼光学部がガラス材料等からなる硬質光学部材で形成され、棒状導光部の保持部は、硬質プラスチック等の剛性の部材で構成されている。このため、視野内に位置する棒状導光部および接眼光学部を細条化すると、特に、棒状導光部は、視野内に延在する長さが、例えば10mm以上と比較的長くなるため、応力により破損し易くなることが懸念される。
さらに、図10に示したような眼鏡型の頭部装着型画像表示装置110の場合は、棒状導光部115や、その先端部の接眼光学部116が眼鏡レンズ114に接触して、眼鏡レンズ114や接眼光学部116を傷つけることも懸念される。なお、眼鏡型の頭部装着型画像表示装置として、例えば、図10に示した棒状導光部115および接眼光学部116を、眼鏡レンズ114に埋め込むことも考えられる。しかし、この場合は、眼鏡レンズ114の加工が必要となって、コストアップを招くことが懸念される。しかも、埋め込んだ部分は、表示位置や表示角度の調整が困難であり、また、未使用時に画像表示装置部分だけを取り外して使用することができないため、使い勝手が悪くなることが懸念される。
したがって、かかる点に鑑みてなされた本発明の主たる目的は、画像光を導光する棒状導光部の破損を有効に防止でき、棒状導光部を容易に細条化できる頭部装着型画像表示装置を提供することにある。
上記目的を達成する請求項1に係る頭部装着型画像表示装置の発明は、
観察者の頭部に装着された状態で、該観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、一端部が保持部に保持され、他端部に接眼光学部が設けられた棒状導光部と、画像を表示する表示素子とを有し、前記表示素子に表示された画像の画像光を、前記棒状導光部の前記一端部の端面から前記他端部の端面を経て前記接眼光学部から出射させて、前記観察者の前記一方の眼球に入射させるようにした頭部装着型画像表示装置において、
前記棒状導光部を、前記保持部に弾性的に変位可能に保持した、ことを特徴とするものである。
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記棒状導光部は、弾性光学部材からなる、ことを特徴とするものである。
請求項3に係る発明は、請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記棒状導光部は、前記保持部に保持される前記一端部と、該一端部から連続して前記保持部から露出する一部とを含む部分が、弾性光学部材からなり、残りの部分が硬質光学部材からなる、ことを特徴とするものである。
請求項4に係る発明は、請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記棒状導光部は、前記保持部内の前記画像光の入射端面を含む一部が硬質光学部材からなり、残りの部分が弾性光学部材からなり、
前記接眼光学部は、前記棒状導光部の前記他端部の端面から出射された画像光を反射させる反射面と、該反射面で反射された画像光を前記観察者の前記一方の眼球に入射させるように出射するレンズ部とを有し、前記反射面および前記レンズ部が硬質光学部材からなり、残りの部分が弾性光学部材からなる、ことを特徴とするものである。
請求項5に係る発明は、請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記棒状導光部は、硬質光学部材と、前記保持部から露出した部分で、前記硬質光学部材により挟むように介在させた弾性光学部材とからなる、ことを特徴とするものである。
請求項6に係る発明は、請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記棒状導光部および前記接眼光学部は、それぞれ弾性光学部材からなる、ことを特徴とするものである。
請求項7に係る発明は、請求項2乃至6のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記観察者の前記一方の眼球から遠い側の前記棒状導光部の外面に、前記保持部に一端部を連結して、長さ方向に延在して細条の硬質部材を設けた、ことを特徴とするものである。
請求項8に係る発明は、請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記保持部は、少なくとも前記棒状導光部の一端部を保持する部分が弾性部材からなる、ことを特徴とするものである。
請求項9に係る発明は、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記保持部は、眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームに支持し、
前記棒状導光部は、前記眼鏡レンズの外側で、該観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、前記保持部に保持した、ことを特徴とするものである。
さらに、上記目的を達成する請求項10に係る頭部装着型画像表示装置の発明は、
眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームと、該眼鏡フレームを観察者が装着した状態で、前記眼鏡レンズの外側で、前記観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、一端部が保持部を介して前記眼鏡フレームに支持され、他端部に接眼光学部が設けられた棒状導光部と、画像を表示する表示素子とを有し、前記表示素子に表示された画像の画像光を、前記棒状導光部の前記一端部の端面から前記他端部の端面を経て前記接眼光学部から出射させて、該接眼光学部と対向する前記眼鏡レンズを経て前記観察者の前記一方の眼球に入射させるようにした頭部装着型画像表示装置において、
前記接眼光学部が対向する前記眼鏡レンズに対する前記棒状導光部の変位を吸収する弾性部材を設けた、ことを特徴とするものである。
請求項11に係る発明は、請求項10に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記弾性部材を、前記棒状導光部と前記眼鏡レンズとの間に介在させた、ことを特徴とするものである。
請求項12に係る発明は、請求項10に記載の頭部装着型画像表示装置において、
前記弾性部材を、前記接眼光学部から前記眼鏡レンズの周縁部に延在するように設けた、ことを特徴とするものである。
本発明によれば、画像光を導光する棒状導光部の変位を、弾性光学部材や弾性部材により吸収できるので、棒状導光部の破損を有効に防止でき、棒状導光部を目立たないように容易に細条化することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態において、弾性光学部材は、常温付近で高いゴム弾性を有する透明なゴムや熱可塑性エラストマー等のエラストマー、例えば、シリコーンゴム(屈折率1.404)、フッ素ゴム(屈折率1.38〜1.39)、アクリルゴム(屈折率1.465)、エチレン・プロピレンゴム(屈折率1.48)、スチレン・ブタジエンゴム(屈折率1.535)、等を用いて形成することができる。また、硬質光学部材は、ガラス材料や硬質プラスチック材料等の公知の剛性を有する材料で形成することができる。
(第1実施の形態)
図1は、本発明の第1実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置10は、ヘッドセット型の右眼タイプのもので、図9に示した頭部装着型画像表示装置100と同様に、観察者の耳に保持されるヘッドセット型の頭部支持部(図示せず)から延在する中継部11と、該中継部11に保持部12を介して一端部が保持された棒状導光部13と、棒状導光部13の他端部に設けられた接眼光学部14とを有する。接眼光学部14は、棒状導光部13の端面から出射される光を観察者の眼球側に反射させる反射面15aを有するプリズム部15と、該プリズム部15から出射される光を虚像として観察可能とするためのレンズ部16とを有する。また、保持部12には、棒状導光部13の端面に対向して、液晶表示素子や有機EL表示素子等からなる表示素子17を配置する。
本実施の形態では、棒状導光部13の全体を弾性光学部材18により形成するとともに、接眼光学部14の全体を、同様に弾性光学部材19により形成する。なお、棒状導光部13を構成する弾性光学部材18と、接眼光学部14を構成する弾性光学部材19とは、一体に形成してもよいし、別体に形成して接着してもよい。また、接眼光学部14は、プリズム部15とレンズ部16とを、弾性光学部材により一体に形成してもよいし、別体に形成して接着してもよい。
これにより、本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置10では、表示素子17に表示された画像の画像光を、弾性光学部材18からなる棒状導光部13を経て、同様に弾性光学部材19からなる接眼光学部14から出射させて、該頭部装着型画像表示装置10を装着する観察者において、拡大虚像を観察できるようにする。
本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置10によれば、棒状導光部13を弾性光学部材18で構成したので、棒状導光部13に応力が作用した際に、該棒状導光部13を弾性変形させて変位を吸収することができる。したがって、棒状導光部13の破損を有効に防止することができ、棒状導光部13をシースルーが可能な4mm以下に容易に細条化することができる。また、接眼光学部14も弾性光学部材19で構成することで、接触等による接眼光学部14の損傷を防止することができるとともに、棒状導光部13に対する応力を吸収して、棒状導光部13の破損をより有効に防止することができる。
(第2実施の形態)
図2は、本発明の第2実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置20は、図1に示した頭部装着型画像表示装置10において、棒状導光部13を、保持部12に保持される一端部と、該一端部から連続して保持部12から露出する一部とを含む部分を弾性光学部材21により形成し、残りの部分は、硬質光学部材22により形成して、両者を接着して構成する。また、接眼光学部14は、硬質光学部材23で形成して、棒状導光部13に接着する。なお、接眼光学部14のプリズム部15およびレンズ部16は、硬質光学部材23により一体に形成してもよいし、別体に形成して接着してもよい。その他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置20によれば、棒状導光部13に応力が作用した際に、弾性光学部材21を弾性変形させて変位を吸収することができる。したがって、第1実施の形態の場合と同様に、棒状導光部13の破損を有効に防止することができ、棒状導光部13をシースルーが可能な4mm以下に容易に細条化することができる。
(第3実施の形態)
図3は、本発明の第3実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置30は、図1に示した頭部装着型画像表示装置10において、棒状導光部13を、保持部12内の画像光の入射端面を含む一部を硬質光学部材31で形成し、残りの部分を弾性光学部材32で形成して、両者を接着して構成する。また、接眼光学部14は、プリズム部15の反射面15aおよびレンズ部16を、それぞれ硬質光学部材33および34で形成し、残りを弾性光学部材35で形成する。すなわち、接眼光学部14は、弾性光学部材35に、反射面15aを構成する硬質光学部材33と、レンズ部16を構成する硬質光学部材34を接着して形成する。なお、反射部15を構成する弾性光学部材35は、棒状導光部13を構成する弾性光学部材32と一体に形成してもよいし、別体に形成して接着してもよい。その他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置30においても、棒状導光部13に応力が作用した際は、弾性光学部材32が弾性変形して変位を吸収するので、上記実施の形態の場合と同様に、棒状導光部13の破損を有効に防止することができ、棒状導光部13を容易に細条化することができる。また、本実施の形態では、棒状導光部13の画像光の入射端部を硬質光学部材31で形成するとともに、接眼光学部14の反射面15aおよびレンズ部16を、それぞれ硬質光学部材33および34で形成したので、表示装置としての光学特性をより良好に保つことが可能となる。
(第4実施の形態)
図4は、本発明の第4実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置40は、図1に示した頭部装着型画像表示装置10において、棒状導光部13を、硬質光学部材41と、保持部12から露出した部分で、硬質光学部材41により挟むように介在させた弾性光学部材42とから構成し、接眼光学部14は、全体を硬質光学部材43で形成する。なお、接眼光学部14は、棒状導光部13の出射端部を構成する硬質光学部材41と一体に形成してもよいし、別体に形成して接着してもよい。その他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置40においても、棒状導光部13に応力が作用した際は、弾性光学部材42が弾性変形して変位を吸収するので、上記実施の形態の場合と同様に、棒状導光部13の破損を有効に防止することができ、棒状導光部13を容易に細条化することができる。また、本実施の形態では、棒状導光部13の中間部のみを弾性光学部材42で形成し、棒状導光部13の他の部分や、接眼光学部14は、硬質光学部材41および43で形成したので、図3の場合よりも表示装置としての光学特性をさらに良好に保つことが可能となる。
(第5実施の形態)
図5は、本発明の第5実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置50は、図1に示した頭部装着型画像表示装置10において、弾性光学部材18からなる棒状導光部13の外面で、観察者の眼球から遠い側に、保持部12に一端部を連結して、長さ方向に延在して硬質プラスチックやワイヤ等からなる細条の硬質部材51を設けたものである。なお、細条の硬質部材51の幅は、棒状導光部13の幅以下(例えば、4mm以下)とする。その他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
このように構成すれば、第1実施の形態で説明した効果に加えて、弾性光学部材18からなる棒状導光部13の撓み等を、細条の硬質部材51により防止できるので、特に、棒状導光部13が長い場合に、撓みによる光学特性の劣化を防止する上で効果的である。
(第6実施の形態)
図6は、本発明の第6実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置60は、図1に示した頭部装着型画像表示装置10において、棒状導光部13および接眼光学部14は、それぞれ硬質光学部材61および62で形成し、保持部12は、少なくとも棒状導光部13の一端部を保持する部分、本実施の形態では保持部12の全部を、弾性部材63で形成する。ここで、弾性部材63は、光学特性を有する必要はないので、任意の弾性材料で形成することができる。その他の構成は、図1と同様であるので、説明を省略する。
本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置60によれば、棒状導光部13に応力が作用した際は、保持部12の弾性部材63が弾性変形して棒状導光部13の変位を吸収するので、上記実施の形態の場合と同様に、棒状導光部13の破損を有効に防止することができ、棒状導光部13を容易に細条化することができる。しかも、棒状導光部13および接眼光学部14は、それぞれ硬質光学部材61および62からなるので、表示装置としての光学特性を良好に保つことができる。
(第7実施の形態)
図7は、本発明の第7実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置70は、図10に示した眼鏡一体型の右眼タイプのもので、眼鏡フレーム71に支持部72および保持部73を介して、観察者の右眼視野内で、右眼の眼鏡レンズ74の前方に近接して一端部が保持された棒状導光部75と、棒状導光部75の他端部に設けられた接眼光学部76とを有する。接眼光学部76は、図1乃至図6に示した接眼光学部14と同様に、棒状導光部75の端面から出射される光を観察者の眼球側に反射させる反射面77aを有するプリズム部77と、該プリズム部77から出射される光を虚像として観察するためのレンズ部78とを有する。また、保持部73には、棒状導光部75の端面に対向して、液晶表示素子や有機EL表示素子等からなる表示素子79を配置する。
本実施の形態では、棒状導光部75と、該棒状導光部75に近接する眼鏡レンズ74との間に弾性部材85を介在させて、棒状導光部75の変位を吸収する。なお、弾性部材85の幅は、棒状導光部75の幅以下(例えば、4mm以下)として、シースルー可能とする。ここで、弾性部材85は、必ずしも光学特性を有する必要はないので、任意の弾性材料で形成することができるが、好ましくは、透明な弾性材料で形成して、目立たなくしてもよい。
本実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置70によれば、棒状導光部75に応力が作用した際は、弾性部材85が弾性変形して変位が吸収されるので、上記実施の形態の場合と同様に、棒状導光部75の破損を有効に防止でき、棒状導光部75を容易に細条化することができる。また、弾性部材85によって棒状導光部75の変位が吸収されることにより、接眼光学部76の眼鏡レンズ74への当接も防止できるので、眼鏡レンズ74や接眼光学部76の損傷も有効に防止することができる。
(第8実施の形態)
図8は、本発明の第8実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。この頭部装着型画像表示装置80は、図7に示した眼鏡一体型の頭部装着型画像表示装置70において、接眼光学部76のプリズム部77から眼鏡レンズ74の周縁部に延在して弾性部材86を設けて、該弾性部材86により棒状導光部75の変位を吸収するようにしたものである。なお、弾性部材86の幅は、棒状導光部75の幅以下(例えば、4mm以下)として、シースルー可能とする。また、弾性部材86は、必ずしも光学特性を有する必要はないので、任意の弾性材料で形成することができるが、好ましくは、透明な弾性材料で形成して、目立たなくしてもよい。
本実施の形態によれば、棒状導光部75に応力が作用した際は、弾性部材86が弾性変形して変位が吸収されるので、上記実施の形態の場合と同様に、棒状導光部75の破損を有効に防止でき、棒状導光部75を容易に細条化することができる。また、弾性部材86によって棒状導光部75の変位が吸収されることにより、接眼光学部76の眼鏡レンズ74への当接も防止できるので、眼鏡レンズ74や接眼光学部76の損傷も有効に防止することができる。
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、表示素子は、棒状導光部の保持部に限らず、任意の位置に配置して、棒状導光部に画像光を入射することができる。また、図1、図3、あるいは図5に示した構成において、接眼光学部14の全体を硬質光学部材で形成することもできる。さらに、図1乃至図6に示した構成を、図7や図8に示した眼鏡一体型の頭部装着型画像表示装置に適用することもできる。また、本発明は、ヘッドセット型や眼鏡一体型に限らず、眼鏡着脱型の頭部装着型画像表示装置にも有効に適用することができる。
本発明の第1実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第2実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第3実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第4実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第5実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第6実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第7実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 本発明の第8実施の形態に係る頭部装着型画像表示装置の要部の構成を示す概略断面図である。 従来提案されているヘッドセット型の頭部装着型画像表示装置の概略構成を示す図である。 従来提案されている眼鏡型の頭部装着型画像表示装置の概略構成を示す斜視図である。
符号の説明
10,20,30,40,50,60,70,80 頭部装着型画像表示装置
11 中継部
12 保持部
13 棒状導光部
14 接眼光学部
15 プリズム部
15a 反射面
16 レンズ部
17 表示素子
18,19,21,32,35,42 弾性光学部材
22,23,31,33,34,41,43,61,62 硬質光学部材
51 硬質部材
63 弾性部材
71 眼鏡フレーム
72 支持部
73 保持部
74 眼鏡レンズ
75 棒状導光部
76 接眼光学部
77 プリズム部
77a 反射面
78 レンズ部
79 表示素子
85,86 弾性部材

Claims (12)

  1. 観察者の頭部に装着された状態で、該観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、一端部が保持部に保持され、他端部に接眼光学部が設けられた棒状導光部と、画像を表示する表示素子とを有し、前記表示素子に表示された画像の画像光を、前記棒状導光部の前記一端部の端面から前記他端部の端面を経て前記接眼光学部から出射させて、前記観察者の前記一方の眼球に入射させるようにした頭部装着型画像表示装置において、
    前記棒状導光部を、前記保持部に弾性的に変位可能に保持した、ことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  2. 前記棒状導光部は、弾性光学部材からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置。
  3. 前記棒状導光部は、前記保持部に保持される前記一端部と、該一端部から連続して前記保持部から露出する一部とを含む部分が、弾性光学部材からなり、残りの部分が硬質光学部材からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置。
  4. 前記棒状導光部は、前記保持部内の前記画像光の入射端面を含む一部が硬質光学部材からなり、残りの部分が弾性光学部材からなり、
    前記接眼光学部は、前記棒状導光部の前記他端部の端面から出射された画像光を反射させる反射面と、該反射面で反射された画像光を前記観察者の前記一方の眼球に入射させるように出射するレンズ部とを有し、前記反射面および前記レンズ部が硬質光学部材からなり、残りの部分が弾性光学部材からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置。
  5. 前記棒状導光部は、硬質光学部材と、前記保持部から露出した部分で、前記硬質光学部材により挟むように介在させた弾性光学部材とからなる、ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置。
  6. 前記棒状導光部および前記接眼光学部は、それぞれ弾性光学部材からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置。
  7. 前記観察者の前記一方の眼球から遠い側の前記棒状導光部の外面に、前記保持部に一端部を連結して、長さ方向に延在して細条の硬質部材を設けた、ことを特徴とする請求項2乃至6のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置。
  8. 前記保持部は、少なくとも前記棒状導光部の一端部を保持する部分が弾性部材からなる、ことを特徴とする請求項1に記載の頭部装着型画像表示装置。
  9. 前記保持部は、眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームに支持し、
    前記棒状導光部は、前記眼鏡レンズの外側で、該観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、前記保持部に保持した、ことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の頭部装着型画像表示装置。
  10. 眼鏡レンズを保持する眼鏡フレームと、該眼鏡フレームを観察者が装着した状態で、前記眼鏡レンズの外側で、前記観察者の一方の眼球の視野内に延在するように、一端部が保持部を介して前記眼鏡フレームに支持され、他端部に接眼光学部が設けられた棒状導光部と、画像を表示する表示素子とを有し、前記表示素子に表示された画像の画像光を、前記棒状導光部の前記一端部の端面から前記他端部の端面を経て前記接眼光学部から出射させて、該接眼光学部と対向する前記眼鏡レンズを経て前記観察者の前記一方の眼球に入射させるようにした頭部装着型画像表示装置において、
    前記接眼光学部が対向する前記眼鏡レンズに対する前記棒状導光部の変位を吸収する弾性部材を設けた、ことを特徴とする頭部装着型画像表示装置。
  11. 前記弾性部材を、前記棒状導光部と前記眼鏡レンズとの間に介在させた、ことを特徴とする請求項10に記載の頭部装着型画像表示装置。
  12. 前記弾性部材を、前記接眼光学部から前記眼鏡レンズの周縁部に延在するように設けた、ことを特徴とする請求項10に記載の頭部装着型画像表示装置。
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