以下、本発明の実施例を図に基づいて詳説する。図1(a)は、本発明に係る撮像装置1正面図であり、図1(b)は、本発明に係る撮像装置1の背面図である。撮像装置1は、正面板と背面板を有する薄肉方形状のカメラ筐体を有し、正面には複数の可動レンズ及び複数の固定レンズを有するレンズ群2が組み込まれたレンズ鏡筒及びフラッシュ3が配置され、背面には液晶表示板などを用いた液晶画面4、メニューキーや各種機能を設定する設定キー等の操作キー6、方向キー7等が配設され、更に、撮像装置1の上面には、図示しないが、電源キーや撮影キー、撮像モードと再生モードを切替える切替えキー、ズームキー等が適宜配設されているものである。又、この撮像装置1は、振動や衝撃が加わった場合にレンズを駆動するモータを励磁してモータの位置ずれを防止する位置ずれ抑制機能を備えているものである。
そして、撮像装置1の回路構成について図2のブロック図を用いて述べる。撮像装置1は、光学ズーム機能とオートフォーカス機能とを備え、これらを実現するためのレンズブロック11を有しているものである。
このレンズブロック11には、光軸方向に移動可能に配置されたズームレンズ及びフォーカスレンズからなる複数の可動レンズと複数の固定レンズを備えたレンズ群2と、このレンズ群2におけるズーム用位置検出センサ12及びフォーカス用位置検出センサ13と、ズームレンズを移動するズームモータ14及びフォーカスレンズを移動するフォーカスモータ15と、図示しない絞りを開閉する絞り用アクチュエータ16と、メカニカルシャッターを開閉するシャッター用アクチュエータ17とが設けられている。又、各モータ及びアクチュエータ14〜17は、モータドライバ・ブロック20に設けられたズーム(ZOOM)ドライバ21、フォーカス(Focus)ドライバ22、絞り(Iris)ドライバ23、シャッター(Shutter)ドライバ24によって駆動されるものである。
又、位置検出センサ12,13及びモータドライバ・ブロック20の各ドライバ21〜24は、レンズコントロールブロック58からの制御信号によって動作し、センサ出力及びモータ回転数等の情報をレンズコントロールブロック58を介して制御部(CPU/ASIC(Application Specific Integrated Circuit))50に出力するものである。
更に、撮像装置1は、主としてレンズ群2の光軸後方に配置されたCCDベース(CCD BASE)31上の撮像素子であるCCD32と、CDS(Correlated Double Sampling)/ADCブロック33と、TG(Timing Generator;タイミングジェネレータ)34からなるCCD撮像系ブロック30を有しているものである。
このCCDベース31は、手振れ補正機能がオン状態のとき、制御部50に制御されてCCD可動範囲内でレンズの光軸に対し垂直に縦横方向にシフトするものである。
又、撮像素子であるCCD32は、撮像装置1が記録モードに設定されているとき、レンズ群2によって結像された被写体の光学像を光電変換すると共に、TG34により走査駆動されて一定周期毎に光電変換出力を1画面分出力するものである。尚、撮像素子としてCCD32を用いているが、CMOS等の他の撮像素子を用いることも可能である。
更に、CDS/ADCブロック33は、CCD32から出力されたデータを、RGBの色成分毎に適宜ゲイン調整されたアナログの出力信号に対する相関二重サンプリングによるノイズ除去及びデジタル信号への変換を行ない、カラープロセス回路41へ出力するものである。
そして、音声系ブロック(音声CODEC)35は、音声を入力してアナログ音声信号に変換するマイクロフォン(MIC)36、アナログ音声信号をデジタル音声信号に変換してフィルタ38を介して制御部50に送出するA/D変換器(ADC)37等からなる音声入力系と、制御部50からフィルタ38を介して受け取ったデジタル音声信号をアナログ音声信号に変換するD/A変換器(DAC)39、及びアナログ音声信号を変換して音声を再生し増幅して外部に出力するスピーカ(Speaker)40等からなる音声出力系とを備えている。
又、マイクロフォン36、A/D変換器37を介して制御部50に送出された音声信号はワークメモリ60に取り込まれ、記録時に、音声圧縮処理を施された後、圧縮された動画像ファイルと共に動画ファイル(動画データ+音声データ)として画像記録部80に着脱自在に装着される記録媒体(例えば、SDカード)に記録保存される。
更に、カラープロセス回路41は、入力した撮像信号に対し画素補間処理を行うカラープロセス処理を施し、デジタル値の輝度信号(Y)及び色差信号(Cb、Cr)を生成して、本発明の制御手段であって撮像装置1全体を制御する制御部50へ出力するものである。
又、JPEG/MPEG部45は、静止画撮影モードにおいては、記録時にワークメモリ60に取り込まれている静止画像データをADCT(Adaptive Discrete Cosine Transform:適応離散コサイン変換)、エントロピ符号化方式であるハフマン符号化等の処理によりJPEGデータ圧縮をする。そして、JPEGデータ圧縮により得た符号データを1画像のデータファイルとして画像記録部80のSDカードに記録保存するものである。
更に、動画撮影モードでは、記録時にワークメモリ60に取り込まれている一連の動画像データをMPEG(Moving Picture Experts Group)方式等によりデータ圧縮する。そしてMPEG等のデータ圧縮により得た符号データを動画像のデータファイルとして画像記録部80のSDカードに記録保存するものである。
又、JPEG/MPEG部45は複数の圧縮率に対応しており、圧縮率に対応させて記憶するモードとしては、圧縮率の低い高解像度に対応するモードと圧縮率の高い低解像度モードがある。
更に、JPEG/MPEG部45は高画素数から低画素数にも対応しているものである。例えば、QXGA(Quad eXtended Graphics Array(2048×1536))、UXGA(Ultra eXtended Graphics Array(1600×1200))、SXGA+(SXGA Plus(1400×1050))、SXGA(Super eXtended Graphics Array(1280×1024))、XGA(eXtended Graphics Array(1024×786))、SVGA(Super Video Graphics Array(800×600))、VGA(Video Graphics Array(640×480))、QVGA(Quarter VGA(320×240))、等と呼ばれる画素サイズがある。
制御部50は、実際にはRAMやフラッシュメモリ等の内部メモリや各種の演算処理回路、データの入出力インターフェイス等を備えたマイクロプロセッサーであり、制御部50に送られたデジタル信号(画像信号)をDRAM等のワークメモリ60に一時保存すると共に画像表示部70に出力し、ワークメモリ60に一時保存されている1フレーム分の輝度及び色差信号の圧縮処理及び画像記録部80の記録媒体への全圧縮データの書込み処理を実行するものである。
又、制御部50は、各種のレンズ動作プログラムやキー回路95からの操作信号等に基づき、レンズコントロールブロック58に対して、モータドライバ・ブロック20の各種ドライバ21〜24に送る駆動信号を生成させ、それによりズームレンズやフォーカスレンズの位置制御、絞りの開度、メカニカルシャッターの開閉動作を制御する。その際、制御部50には、レンズコントロールブロック58を介して、ズーム位置用及びフォーカス位置用の位置検出センサ12,13によって検出したズームレンズやフォーカスレンズのレンズの位置情報が逐次入力されるものである。
更に、制御部50は、手振れ補正機能がオンの場合に姿勢センサ65からの姿勢検出信号を処理し、CCDベース31をX方向、Y方向に移動させるためCCDシフトドライバ55に送る駆動信号を生成し、それにより、CCD用アクチュエータ18によるCCDベース31(つまり、CCD32)の移動(シフト)動作を制御する。又、その際、CCD32が一部切出駆動されることによりCCD32から出力される手振れ補正時使用範囲内の画像信号が適切に処理されるようにCDS/ADCブロック33及びカラープロセス回路41を制御するものである。
そして、姿勢センサ65は、手振れ補正機能や位置ずれ抑制機能を実行するために、撮像装置1の振動や衝撃等を検出して振動衝撃検出信号を制御部50に出力するものであり、振動衝撃検出手段として機能するものである。又、位置ずれ抑制機能は、姿勢センサ65からの振動衝撃検出信号を受けた制御部50がこの振動衝撃検出信号のレベルを判定し、且つ振動衝撃検出信号のレベルが所定値以上のものであった場合にレンズコントロールブロック58に制御信号を出力して、レンズコントロールブロック58にモータ駆動手段及びモータ励磁手段とされるズームドライバ21及びフォーカスドライバ22に対してモータへの励磁電力の印加或いは励磁電力のアップを指示する制御信号を出力させ、各ドライバ21,22がその指示に基づいてズームモータ14及びフォーカスモータ15に励磁電力を印加して励磁する、或いは印加中の励磁電力をアップすることによりモータの耐圧力を強化し、位置ずれや脱調等が生じることを抑制するものである。尚、振動衝撃検出手段である姿勢センサ65としては、ジャイロセンサ等の加速度センサを用いることができる。
画像表示部70は、ビデオエンコーダ、VRAMコントローラ、VRAM、液晶モニタ及びその駆動回路を含み、送られたデジタル信号に基づくビデオ信号をビデオエンコーダによって生成し、それに基づく表示画像、すなわちCCD32により撮像された被写体のスルー画像やメニューデータ等を液晶画面4等に表示するものである。
又、画像表示部70はモニタ表示部(電子ファインダ)として機能するもので、ビデオエンコーダからのビデオ信号に基づいた表示を行うことで、その時点でVRAMコントローラから取込んでいる画像情報に基づく画像をリアルタイムに表示することになる。
画像記録部80は、具体的にはカードインターフェイス、及びそれを介して制御部50に接続され、且つ、カメラ本体に着脱自在に装着される不揮発性の各種メモリカード(例えば、SDカード)から構成される。画像記録部80に記録された画像データは、再生モードにおいて制御部50に読み出され、JPEG/MPEG部45によって伸張された後、画像表示部70へ送られ、液晶画面4等に表示される。又、静止画撮影モードにおいて画像表示部70にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されているいわゆるスルー画像の表示状態で、撮影キーを操作するとトリガ信号を発生するものである。
制御部50は、このトリガ信号に応じてスルー画像撮像処理を停止して静止画撮影処理を開始し、この静止画撮像処理によりCCD32から取込まれた1画面分の輝度及び色差信号のワークメモリ60へのDMA転送の終了後、スルー画像撮像処理を再開すると共にワークメモリ60に記憶されている1画面分の輝度及び色差信号をJPEG/MPEG部45によりJPEG圧縮して画像記録部80のSDカードに記録保存する。ここで、スルー画像撮像処理は、CCD32を画素加算駆動させたり、CDS/ADCブロック33やカラープロセス回路41において画素間引処理を行うことにより画像信号の解像度(画素数)を落とし、撮像処理を高速で行なえるようにするものである。又、静止画撮影処理は、CCD32を全画素駆動させたり、露光時間をスルー画像撮像処理時よりも長くすることにより画像信号の画質を上げるようにするものである。
又、動画撮影モードにおいて画像表示部70にその時点での画像がモニタ画像としてリアルタイムに表示されているいわゆるスルー画像の表示状態で、撮影キーを操作するとトリガ信号を発生する。制御部50はこのトリガ信号に応じてスルー画像撮像処理及びスルー画像表示処理を継続させつつ、CCD32から取込まれ、ワークメモリ60に順次記憶される1画面分の輝度及び色差信号をJPEG/MPEG部45によりMPEG圧縮して画像記録部80のSDカードに記録保存する。なお、再び、撮影キーが操作された場合やSDカードがフルになった場合には、圧縮処理及び記録処理を停止してスルー画像の表示状態に復帰する。
サブマイコン90は、キー回路95に設けられている各種キーの操作に応じた信号を制御部50に送るサブCPU/ASIC(図示せず)により構成されている。なお、サブマイコン90は必要に応じモードダイアルの状態を示す状態信号(以下、キー情報)を制御部50に送る。又、サブマイコン90は電源回路96のオン/オフ制御等を行う。更に、電源回路96には電力となる電池97が接続されているものである。
又、キー回路95としては、電源キーや撮影キー、撮像モードと再生モードを切替える切替えキー、ズームキー、操作キー6、方向キー7が設けられている。そして、これらのキーが操作されるとキーの種類および操作状態に応じた信号がサブマイコン90に出力されるものである。
そして、本実施例の撮像装置1の位置ずれ抑制機能は、ズームモータ14及びフォーカスモータ15を駆動するモータ駆動手段としてのズームドライバ21及びフォーカスドライバ22と、撮像装置1に掛かる振動や衝撃を検出する振動衝撃検出手段としての姿勢センサ65と、振動衝撃検出手段が所定値以上の振動や衝撃を検出した場合に各モータ14,15に印加する励磁電力をアップして(脱磁状態からの励磁を含む)、各モータ14,15に位置ずれや脱調等が生じることを抑制する位置ずれ抑制手段と、モータ駆動手段及び位置ずれ抑制手段を制御する制御手段としての制御部50と、によって構成されるものであり、位置ずれ抑制手段は、各モータ14,15に励磁電力を印加するモータ励磁手段を有し、ズームドライバ21及びフォーカスドライバ22がモータ励磁手段としても機能するものである。尚、所定値以上の振動や衝撃とは、ズームモータ14及びフォーカスモータ15に位置ずれや脱調が生じる値を予め測定しておき、この測定した値に近似した値を所定値とするものである。
この位置ずれ抑制機能は、各モータ14,15の停止時に振動衝撃検出手段としての姿勢センサ65が所定値以上の振動や衝撃を検出すると、制御手段とする制御部50がモータ励磁手段を制御して各モータ14,15にモータ励磁電力を印加させ、各モータ14,15の耐圧力を強化するものである。
次に、この位置ずれ抑制機能の制御フローについて図3のフローチャートを用いて述べる。各モータ14,15の使用準備が完了すると(ステップS101)、制御手段(制御部50)は、ズームキー等のKEY回路からモータ駆動の命令が有るか否かの駆動命令判定処理を実行し(ステップS103)、モータ駆動の命令がある場合にはレンズコントロールブロック58を介してモータ駆動手段(モータドライバ21,22)を制御して、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15を駆動させるモータ駆動処理を実行し(ステップS105)、その後、再び駆動命令判定処理を実行する。尚、この駆動命令判定処理(ステップS103)におけるモータ駆動の命令がある場合とは、ズームキーを操作している状態やシャッターキーを半押ししている状態等のことをいう。
又、駆動命令判定処理(ステップS103)において駆動命令が無かった場合、制御手段は、モータ停止命令が有るか否かの停止命令判定処理(ステップS107)を実行し、停止命令があった場合、各モータ14,15を減速させる等の処理と合わせて所定の回転位置で停止させた後脱磁をするモータ脱磁処理を実行し(ステップS109)、その後、再び駆動命令判定処理(ステップS103)を実行する。尚、停止命令判定処理(ステップS107)における停止命令とは、ズームキーの操作を止めた時、合焦時、撮影モードが中止されてレンズがホームポジションに戻った時等に出力されるものである。
更に、駆動命令が無く、且つ、停止命令判定処理(ステップS107)において停止命令が無い場合、制御手段は、振動衝撃検出手段(姿勢センサ65)により所定値以上の振動や衝撃が検出されたか否かを判別する振動衝撃検出処理を実行し(ステップS111)、振動衝撃検出処理(ステップS111)において所定値以上の振動や衝撃を検出した場合、モータ励磁手段を制御して各モータ14,15に停止時位相の励磁電力を印加するモータ励磁処理を実行し(ステップS113)、振動衝撃検出処理(ステップS111)において所定値以上の振動や衝撃が検出されなかった場合は、再び駆動命令判定処理(ステップS103)を実行するものである。
本実施例によれば、位置ずれ抑制手段を備えることにより、撮像装置1に強い振動や衝撃があった場合でも、ズームモータ14及びフォーカスモータ15に位置ずれや脱調等が生じる確率を低くすることができ、振動や衝撃に強いため商品寿命が長い撮像装置1を提供することができる。
又、各モータ14,15の停止時に所定値以上の振動や衝撃があった場合、各モータ14,15に励磁電力を印加して各モータ14,15を励磁する、位置ずれ抑制機能を備えることにより、モータの耐圧力が最も弱いモータ脱磁時に強い振動や衝撃が掛かっても、位置ずれ等が生じることを抑制できるものである。又、振動や衝撃を検出しない状態では各モータ14,15を脱磁しているため、電力消費を抑えることができるものである。
尚、本実施例においては、姿勢センサ65を手振れ補正機能と位置ずれ抑制機能とで兼用しているが、個々に異なるセンサを配置することもできる。又、モータ停止時にはモータ脱磁状態としているが、常に弱励磁状態としておく構成とすることもできる。
次に、本発明の変形例の撮像装置1に関して述べる。尚、撮像装置1の機能ブロック構成は図2に示したものと同一であるため説明を省略する。本変形例における撮像装置1の位置ずれ抑制機能は、モータ駆動手段と、振動衝撃検出手段と、位置ずれ抑制手段と、制御手段と、によって構成されるものであり、位置ずれ抑制手段は、振動衝撃検出手段が検出した振動や衝撃のレベルを確認する振動衝撃レベル確認手段と、振動衝撃レベル確認手段が確認した振動や衝撃のレベルに対応した励磁電力の電力レベルを設定する励磁電力設定手段と、励磁電力設定手段が設定した電力レベルの励磁電力を各モータ14,15に印加するモータ励磁手段と、を有するものである。
この変形例における位置ずれ抑制機能の制御フローについて図4のフローチャートを用いて述べる。各モータ14,15の使用準備が完了すると(ステップS151)、制御部50は、駆動命令判定処理を実行し(ステップS153)、モータ駆動の命令がある場合にはモータ駆動処理を実行して(ステップS155)駆動命令判定処理(ステップS153)を再び実行する。又、駆動命令判定処理(ステップS153)において駆動命令が無かった場合、制御部50は、停止命令判定処理を実行し(ステップS157)、停止命令があった場合、モータを停止させて脱磁処理を実行し(ステップS159)、再び駆動命令判定処理(ステップS153)を実行する。
更に、駆動命令が無く、且つ、停止命令判定処理(ステップS157)において停止命令が無い場合、制御部50は、振動衝撃検出処理を実行し(ステップS161)、所定値以上の振動や衝撃を検出した場合、振動衝撃レベル確認手段を制御して振動や衝撃のレベルを確認する振動衝撃レベル確認処理を実行し(ステップS163)、励磁電力設定手段を制御してこの確認した振動や衝撃のレベルに対応させたパルス幅の停止時位相を有する励磁電力を設定する励磁電力設定処理を実行し(ステップS165)、モータ励磁手段を制御してこの設定した電力レベルの励磁電力を各モータ14,15に印加するモータ励磁処理を実行する(ステップS167)ものである。
尚、振動衝撃レベルに対応した励磁電力を設定する励磁電力設定処理は、振動衝撃レベルの閾値を予め複数設定しておくと共に、設定しておいた振動衝撃レベルの閾値に対応する停止時位相パルスにおける所定のパルス幅による励磁電力も設定しておき、検出した振動衝撃レベルと予め設定していた振動衝撃レベルの閾値を比較して、各モータ14,15に出力する励磁電力を設定するものである。
このように本変形例における位置ずれ抑制機能は、各モータ14,15の停止時に姿勢センサ65が所定値以上の振動や衝撃を検出すると、制御手段が振動衝撃レベル確認手段を制御して振動や衝撃のレベルを確認し、この振動や衝撃のレベルに対応した励磁電力の電力レベルを励磁電力設定手段を制御して設定し、この設定した電力レベルの励磁電力を各モータ14,15に印加することにより各モータ14,15の耐圧力を強化するものである。
本変形例の撮像装置1によれば、各モータ14,15の停止時に撮像装置1に所定値以上の振動や衝撃が掛かった場合、振動や衝撃のレベルを確認し、この振動や衝撃のレベルに対応した各モータ14,15に印加する励磁電力を設定する構成とすることにより、各モータ14,15に脱調や位置ずれ等が生じることを抑制できると共に、必要以上の励磁電力を印加することによる無駄な電力消費も抑えることができるものである。
更に、別の変形例の撮像装置1に関して述べる。尚、撮像装置1の機能ブロック構成は図2に示したものと同一であるため説明を省略する。本変形例における撮像装置1の位置ずれ抑制機能は、モータ駆動手段と、振動衝撃検出手段と、位置ずれ抑制手段と、制御手段と、によって構成されるものであり、位置ずれ抑制手段は、振動衝撃レベル確認手段と、励磁電力設定手段と、駆動電力増強手段と、を有するものである。
この変形例における位置ずれ抑制機能の制御フローについて図5のフローチャートを用いて述べる。各モータ14,15の使用準備が完了すると(ステップS201)、制御部50は、駆動命令判定処理を実行し(ステップS203)、モータ駆動の命令がある場合、モータ駆動処理を実行すると共に(ステップS205)振動衝撃検出処理を実行し(ステップS207)、所定値以上の振動や衝撃を検出した場合には振動衝撃レベル確認処理を実行し(ステップS209)、励磁電力設定手段を制御して確認した振動や衝撃のレベルに対応した各モータ14,15の駆動電力よりも強い電力レベルの励磁電力を設定する励磁電力設定処理を実行し(ステップS210)、駆動電力増強手段を制御して設定した電力レベルに応じてズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に増強した駆動電力を印加させる駆動電力増強処理を実行するものである(ステップS211)。尚、この電力増大処理は、各モータ14,15に印加されている駆動電圧のパルス幅を広くする、或いは、駆動電圧を高くすることによって各モータ14,15が駆動した状態のまま耐圧力を強化増強するものである。
又、駆動命令判定処理(ステップS203)において駆動命令が無かった場合、制御部50は、停止命令判定処理を実行し(ステップS213)、停止命令があった場合には各モータ14,15を停止させて脱磁処理を実行し(ステップS215)、再び駆動命令判定処理(ステップS203)を実行する。更に、停止命令判定処理(ステップS213)において停止命令が無い場合にも駆動命令判定処理(ステップS203)を実行するものである。
このように、本変形例における位置ずれ抑制機能は、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時に振動衝撃検出手段が所定値以上の振動や衝撃を検出すると、制御手段が振動衝撃レベル確認手段を制御して振動や衝撃のレベルを確認し、励磁電力設定手段を制御してこの確認した振動や衝撃のレベルに対応した駆動電力よりも強い電力レベルの励磁電力を設定し、駆動電力増強手段を制御して設定した電力レベルに応じてズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に増強した駆動電力を印加させることにより、耐圧力を強化増強するものである。
本変形例の撮像装置1によれば、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時に所定値以上の振動や衝撃があった場合、振動や衝撃のレベルに対応した増強した電力レベルの駆動電力を各モータ14,15に印加することにより、各モータ14,15の耐圧力を強化でき、脱調等が生じることを抑制できるものである。又、振動や衝撃のレベルに合わせて励磁電力を設定しているため、無駄な電力消費を抑えることもできるものである。
尚、振動衝撃レベル確認処理(ステップS209)と励磁電力設定処理(ステップS210)を省略するようにして、振動衝撃レベル確認手段及び励磁電力設定手段を無くし、所定値以上の振動や衝撃を検出したときは、予め定められた所定値だけ駆動電力を増強するようにすることもある。この場合においても、つまり、位置ずれ抑制手段が駆動電力増強手段のみを備えている場合においても各モータ14,15の耐圧力を強化でき、脱調等が生じることを抑制できると共に、構成が簡単であるため、安価に位置ずれ抑制機能を実現できるものである。
又、更に別の変形例の撮像装置1に関して述べる。尚、撮像装置1の機能ブロック構成は図2に示したものと同一であるため説明を省略する。本変形例における撮像装置1の位置ずれ抑制機能は、モータ駆動手段と、振動衝撃検出手段と、位置ずれ抑制手段と、制御手段と、によって構成されるものであり、位置ずれ抑制手段は、各モータの駆動速度を設定する駆動速度設定手段を有するものである。
この変形例に係る位置ずれ抑制機能の制御フローについて図6のフローチャートを用いて述べる。各モータ14,15の使用準備が完了すると(ステップS251)、制御部50は、駆動命令判定処理を実行し(ステップS253)、モータ駆動の命令がある場合、モータ駆動処理を実行すると共に(ステップS255)、振動衝撃検出処理を実行し(ステップS257)、所定値以上の振動や衝撃を検出した場合には、駆動速度設定手段を制御してズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に印加する駆動電圧のパルス周期を変化させ設定された低速に駆動速度を低減させる駆動速度低減処理を実行する(ステップS261)。
又、駆動命令判定処理(ステップS253)において、駆動命令が無かった場合、制御部50は、停止命令判定処理を実行し(ステップS263)、停止命令があった場合にはモータを停止させて脱磁処理を実行し(ステップS265)、駆動命令判定処理(ステップS253)を再び実行する。更に、停止命令判定処理(ステップS263)において停止命令が無い場合には、再び駆動命令判定処理(ステップS253)を実行するものである。
このように、本変形例における位置ずれ抑制機能は、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時に姿勢センサ65が所定値以上の振動や衝撃を検出すると、制御手段が駆動速度設定手段を制御してズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動速度を低減させた低速に切替えることにより、耐圧力を強化するものである。
本変形例の撮像装置1によれば、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時に所定値以上の振動や衝撃があった場合、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動速度を低速に切替えることにより、低速で駆動している場合の方が高速で駆動している場合よりも脱調等が生じる確率が低いため、各モータ14,15に脱調等が生じることを抑制できるものである。
更に、他の変形例に係る撮像装置1について述べる。尚、撮像装置1の機能ブロック構成は図2に示したものと同一であるため説明を省略する。本変形例における撮像装置1の位置ずれ抑制機能は、モータ駆動手段と、振動衝撃検出手段と、位置ずれ抑制手段と、制御手段と、によって構成されるものであり、位置ずれ抑制手段は、振動衝撃レベル確認手段と、励磁電力設定手段と、駆動電力増強手段と、駆動速度設定手段と、を有するものである。
この変形例の位置ずれ抑制機能の制御フローについて図7のフローチャートを用いて述べる。各モータ14,15の使用準備が完了すると(ステップS301)、制御部50は、駆動命令判定処理を実行し(ステップS303)、モータ駆動の命令がある場合、モータ駆動処理を実行すると共に(ステップS305)、振動衝撃検出処理を実行する(ステップS307)。
そして、振動衝撃検出処理(ステップS307)において所定値以上の振動や衝撃を検出した場合、制御部50は、振動衝撃レベル確認処理を実行し(ステップS309)、励磁電力設定手段を制御して確認した振動や衝撃のレベルに対応した各モータ14,15の駆動電力よりも強い電力レベルの励磁電力を設定する励磁電力設定処理を実行し(ステップS310)、駆動電力増強手段を制御して設定した電力レベルに応じてズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に増強した駆動電力を印加させる駆動電力増強処理を実行すると共に(ステップS311)、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動速度を低速に切替える駆動速度低減処理を実行するものである(ステップS313)。
又、駆動命令判定処理(ステップS303)において、駆動命令が無かった場合、制御部50は、停止命令判定処理(ステップS315)を実行し、停止命令があった場合にはモータを停止させて脱磁処理を実行し(ステップS317)、再び駆動命令判定処理(ステップS303)を実行する。更に、停止命令判定処理(ステップS315)において、停止命令が無い場合には、再び駆動命令判定処理(ステップS303)を実行するものである。
このように、本変形例における位置ずれ抑制機能は、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時に姿勢センサ65が所定値以上の振動や衝撃を検出すると、制御手段が振動衝撃レベル確認手段を制御して振動や衝撃のレベルを確認し、この振動や衝撃のレベルに対応させて励磁電力の電力レベルを段階的に増大させるように励磁電力設定手段を制御して設定し、駆動電力増強手段を制御して設定した電力レベルに応じてズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に増強した駆動電力を印加させると共に、駆動速度設定手段を制御してズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動速度を低速に切替えて低減させることにより、耐圧力を強化増強するものである。
本変形例の撮像装置1によれば、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時に所定値以上の振動や衝撃があった場合、振動や衝撃のレベルに合わせて段階的に駆動電力を強化すると共に駆動速度を低減させることにより、耐圧力がより強化され、各モータ14,15に脱調等が生じる確率を更に低減でき、又、振動や衝撃のレベルに合わせてモータ駆動電力を強化しているため、無駄な電力を印加することが無く電力消費を抑えることもできるものである。
尚、振動レベル確認処理(ステップS309)や励磁電力設定処理(ステップS310)を省略し、所定値以上の振動や衝撃を検出したときは、一定とされた所定の値だけ電力を増強させて駆動速度を低減させることもある。
又、更に異なる変形例の撮像装置1について述べる。尚、撮像装置1の機能ブロック構成は図2に示したものと同一であるため説明を省略する。本変形例における撮像装置1の位置ずれ抑制機能は、モータ駆動手段と、振動衝撃検出手段と、位置ずれ抑制手段と、制御手段と、によって構成されるものであり、位置ずれ抑制手段は、振動衝撃レベル確認手段と、励磁電力設定手段と、励磁電力設定手段と、駆動速度設定手段と、モータ励磁手段と、を有するものである。
この変形例における位置ずれ抑制機能の制御フローについて図8のフローチャートを用いて述べる。各モータ14,15の使用準備が完了すると(ステップS351)、制御部50は、駆動命令判定処理を実行し(ステップS353)、モータ駆動の命令がある場合にはモータ駆動処理を実行すると共に(ステップS355)、振動衝撃検出処理を実行する(ステップS357)。
そして、振動衝撃検出処理(ステップS357)において所定値以上の振動や衝撃を検出した場合、制御部50は、振動衝撃レベル確認処理を実行し(ステップS359)、励磁電力設定手段を制御して確認した振動や衝撃のレベルに対応した駆動電力よりも強い励磁電力を設定する励磁電力設定処理を実行し(ステップS360)、駆動電力増強手段を制御して設定した電力レベルに応じてズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に増強した駆動電力を印加する駆動電力増強処理を実行すると共に(ステップS361)、駆動速度設定手段を制御して各モータ14,15の駆動速度を低減させる駆動速度低減処理を実行する(ステップS363)。
又、駆動命令判定処理(ステップS353)において駆動命令が無かった場合、制御部50は、停止命令判定処理を実行し(ステップS365)、停止命令があった場合、モータを停止させて脱磁処理を実行し(ステップS367)、再び駆動命令判定処理(ステップS353)を実行する。
更に、駆動命令が無く、且つ、停止命令判定処理(ステップS365)において停止命令が無い場合も、制御部50は、振動衝撃検出処理を実行し(ステップS369)、所定値以上の振動や衝撃を検出した場合、振動衝撃レベル確認処理を実行し(ステップS371)、励磁電力設定手段を制御してこの確認した振動や衝撃のレベルに対応した励磁電力の電力レベルを設定する励磁電力設定処理を実行し(ステップS373)、モータ励磁手段を制御して設定した電力レベルの停止時位相とした励磁電力をズームモータ14やフォーカスモータ15に印加するモータ励磁処理を実行する(ステップS375)ものである。
このように、本変形例における位置ずれ抑制機能は、ズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動時及び停止時の両状態において振動や衝撃を検出するものであり、駆動時に所定値以上の振動や衝撃を検出した場合には、制御手段が振動衝撃レベル確認手段を制御して振動や衝撃のレベルを確認し、この振動や衝撃のレベルに各モータ14,15が耐えうる駆動電力の電力レベルを励磁電力設定手段を制御して設定し、駆動電力増強手段を制御して設定した電力レベルに応じてズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15に増強した駆動電力を印加すると共に、駆動速度設定手段を制御してズームモータ14及び/又はフォーカスモータ15の駆動速度を低減させることにより耐圧力を強化するものである。
又、各モータ14,15の停止時に所定値以上の振動や衝撃を検出した場合、制御手段が振動衝撃レベル確認手段を制御して振動や衝撃のレベルを確認し、この振動や衝撃のレベルに各モータ14,15が耐えうる励磁電力の電力レベルを電力設定手段を制御して設定し、この設定した電力レベルの励磁電力を各モータ14,15に印加することにより耐圧力を強化するものである。
本変形例によれば、ズームモータ14やフォーカスモータ15の駆動時及び停止時のいずれの場合においても振動や衝撃を検出し、振動や衝撃があった場合には位置ずれ抑制手段によって位置ずれを抑制することにより、駆動時にはズームモータ14やフォーカスモータ15に脱調等が生じることを抑制できると共に、停止時にはズームモータ14やフォーカスモータ15に位置ずれ等が生じることを抑制でき、よって、振動や衝撃に対する耐圧力の高い撮像装置1を提供できる。
尚、本変形例においても、モータ駆動中や停止中に振動や衝撃を検出した場合、振動衝撃レベル確認処理を実行せずに、所定値以上の振動や衝撃であれば所定の電力増強を行う構成として振動衝撃レベル確認を省力することもできる。
更に、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。