JP2010084837A - 流体伝動装置 - Google Patents

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Yoshimitsu Hyodo
芳充 兵藤
Kazuyuki Noda
和幸 野田
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Abstract

【課題】簡易かつコンパクトな構成を用いて動力を伝達する。
【解決手段】リニアソレノイドバルブ60のソレノイド部70への通電の有無により、ロックアップ室42に作動油を入力すると共にコンバータ室36から作動油を出力するロックアップ解除状態(図中OFF)とコンバータ室36に作動油を入力すると共にロックアップ室42から作動油を出力するロックアップ状態(図中ON)とを切り替えると共にスプール100の位置調整により各ポートの開口面積を調節してロックアップクラッチ40の係合圧を調整することができるから、ロックアップ状態とその解除状態との切り替えを行うロックアップリレーバルブとロックアップクラッチの係合圧を調整するロックアップコントロールバルブと各バルブに駆動用の信号圧を出力するソレノイドバルブとを備える構成に比して、簡易かつコンパクトな構成でトルクを伝達することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、流体伝動装置に関し、詳しくは、流体伝動室内の作動流体により入力側の動力を出力側に伝達し、該流体伝動室内の流体圧とロックアップ室内の流体圧との差圧により入力側と出力側とを直結可能なロックアップクラッチ付きの流体伝動装置に関する。
従来、この種の流体伝動装置としては、エンジンのクランクシャフトに接続されたポンプインペラと、自動変速機のインプットシャフトに接続されたタービンランナと、ワンウェイクラッチを介してケースに取り付けられたステータとを備えてトルクコンバータとして機能するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この装置では、内部に流体伝動室とロックアップ室とを区画するロックアップピストンが配置されており、制御用の信号圧を出力するソレノイドバルブと、ソレノイドバルブからの信号圧の入力を受けて駆動され流体伝動室に油圧を供給すると共にロックアップ室の油圧を値0とするロックアップ状態とロックアップ室に油圧を供給するロックアップ解除状態とを切り替えるロックアップリレーバルブと、ソレノイドバルブからの信号圧の入力を受けて駆動されロックアップピストンの係合圧を調整するロックアップコントロールバルブとによりポンプインペラとタービンランナ間の油圧およびロックアップピストンの係合圧を管理している。
特開2003−42287号公報
上述した流体伝動装置では、ポンプインペラとタービンランナ間の油圧およびロックアップピストンの係合圧の管理にソレノイドバルブとロックアップリレーバルブとロックアップコントロールバルブとが必要となると共に各バルブ間を繋ぐ油路も必要となるため、装置の構成が複雑なものとなり設置に要するスペースも大きなものとなってしまう。このため、特に、スペース制約の厳しい車両に搭載される場合には、設置スペースの確保が問題となっていた。
本発明の流体伝動装置は、簡易かつコンパクトな構成を用いて動力を伝達することを主目的とする。
本発明の流体伝動装置は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の流体伝動装置は、
流体伝動室内の作動流体により入力側の動力を出力側に伝達し、該流体伝動室内の流体圧とロックアップ室内の流体圧との差圧により入力側と出力側とを直結可能なロックアップクラッチ付きの流体伝動装置であって、
前記流体伝動室に作動流体を入出力する流体伝動室用のポートと、前記ロックアップ室に作動流体を入出力するロックアップ室用のポートとが形成された流体伝動部と、
流体圧発生源から調圧を伴って作動流体を圧送する圧送手段と、
各種ポートが形成された中空のスリーブと、該スリーブに挿入される軸状部材であって軸方向の移動に伴って前記各種ポートを開閉するスプールと、該スプールを軸方向に移動させる電磁部とを備え、前記各種ポートとして、前記圧送された作動流体を入力する第1入力ポートおよび第2入力ポートと、前記流体伝動室用のポートに接続された第1出力ポートおよび前記ロックアップ室用のポートに接続された第2出力ポートと、作動流体を排出する第1排出ポートおよび第2排出ポートとを形成し、前記スプールがその移動可能範囲のうち第1の範囲内にあるときには開口面積の調節を伴って前記第1入力ポートと前記第1出力ポートとを連通し前記第1排出ポートを閉塞して前記流体伝動室に作動流体を出力すると共に開口面積の調節を伴って前記第2出力ポートと前記第2排出ポートとを連通し前記第2入力ポートを閉塞して前記ロックアップ室からの作動流体を排出し、前記スプールが前記第1の範囲とは異なる第2の範囲内にあるときには前記第2入力ポートと前記第2出力ポートとを連通し前記第2排出ポートを閉塞して前記ロックアップ室に作動流体を出力すると共に前記第1出力ポートと前記第1排出ポートとを連通し前記第1入力ポートを閉塞して前記流体伝動室からの作動流体を排出する電磁弁と
を備えることを要旨とする。
この本発明の流体伝動装置では、流体伝動部の流体伝動室に作動流体を入出力する流体伝動室用のポートとロックアップ室に作動流体を入出力するロックアップ室用のポートとを形成し、電磁弁のスリーブに流体圧発生源から調圧を伴って圧送された作動流体を入力する第1入力ポートおよび第2入力ポートと流体伝動室用のポートに接続された第1出力ポートおよびロックアップ室用のポートに接続された第2出力ポートと作動流体を排出する第1排出ポートおよび第2排出ポートとを形成し、スリーブに挿入される軸状部材のスプールがその移動可能範囲のうち第1の範囲内にあるときには開口面積の調節を伴って第1入力ポートと第1出力ポートとを連通し第1排出ポートを閉塞して流体伝動室に作動流体を出力すると共に開口面積の調節を伴って第2出力ポートと第2排出ポートとを連通し第2入力ポートを閉塞してロックアップ室からの作動流体を排出し、スプールが第1の範囲とは異なる第2の範囲内にあるときには第2入力ポートと第2出力ポートとを連通し第2排出ポートを閉塞してロックアップ室に作動流体を出力すると共に第1出力ポートと第1排出ポートとを連通し第1入力ポートを閉塞して流体伝動室からの作動流体を排出する。これにより、流体伝動室に作動流体を出力してロックアップ室から作動流体を排出するロックアップ状態とロックアップ室に作動流体を出力して流体伝動室から作動流体を排出するロックアップ解除状態とを切り替えることができ、ロックアップ状態においては各ポートの開口面積の調節を伴って調圧された作動流体を流体伝動室に入力させることができる。したがって、ロックアップ状態とロックアップ解除状態との切り替えとロックアップクラッチの係合圧の調整とを1つの電磁弁によって行うことができる。このため、ロックアップ状態とロックアップ解除状態との切り替えを行うロックアップリレーバルブとロックアップクラッチの係合圧を調整するロックアップコントロールバルブと各バルブに駆動用の信号圧を出力するソレノイドバルブとの3つのバルブを備える構成の装置に比して、部品数を少なくすると共に油路を減らして装置の構成を簡易なものとすることができる。この結果、簡易かつコンパクトな構成を用いて動力を伝達することができる。ここで、流体伝動装置は、車両に搭載されてなるものとすることもできる。
こうした本発明の流体伝動装置において、前記電磁弁は、前記電磁部に印加される電流が大きいほど前記スプールを大きく押し出すよう構成され、前記第1の範囲内では該スプールが大きく押し出されるほど前記第1入力ポートの開口面積を大きくすると共に前記第2排出ポートの開口面積を大きくするものとすることもできる。この態様の本発明の流体伝動装置において、前記電磁弁は、前記スプールが押し出される方向とは逆方向に流体圧が作用するよう作動流体を入力させる減圧用のポートが前記スリーブに形成されてなるものとすることもできる。これにより、スプールが第1の範囲内にあるときに減圧用のポートから流入された作動流体の流体圧により第1入力ポートの開口面積を小さくするよう作用させることができる。ここで、スプールが第1の範囲内にあるときには流体伝動装置はロックアップ状態にあり第1入力ポートの開口面積が大きくなるほどロックアップクラッチの係合圧が高くなるが、減圧用のポートから流入される作動流体によりロックアップクラッチの係合圧が高くなりすぎるのを防止することができる。
さらに、本発明の流体伝動装置において、入力したトルクを増幅を伴って出力するトルクコンバータとして構成されてなるものとすることもできる。
次に、本発明を実施するための最良の形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としての流体伝動装置20の構成の概略を示す構成図である。実施例の流体伝動装置20は、エンジン(図示せず)とエンジンのクランクシャフトにインプットシャフトが接続されると共に車軸側にアウトプットシャフトが接続された自動変速機(図示せず)とを搭載する自動車におけるエンジンと自動変速機との間に介在してエンジントルクを自動変速機のインプットシャフトに伝達するための装置として構成されており、図1に示すように、トルクコンバータ30と、トルクコンバータ30を作動させるための油圧回路50とを備える。
トルクコンバータ30は、コンバータカバー31を介してエンジンのクランクシャフトに接続されたポンプインペラ32と、自動変速機のインプットシャフトに接続されポンプインペラ32と対向配置されたタービンランナ34と、ポンプインペラ32とタービンランナ34との間に配置され一方向のみの回転を許容するワンウェイクラッチ35aが取り付けられたステータ35とを備え、コンバータカバー31により形成されるコンバータ室36内の作動油を用いてポンプインペラ32によりエンジントルクを作動油の流れに変換すると共にこの作動油の流れをタービンランナ34が自動変速機のインプットシャフト上のトルクに変換することによりトルクの伝達を行う。ここで、トルクの伝達は、ポンプインペラ32の回転よりタービンランナ34の回転が下回るときにはワンウェイクラッチ35aによりステータ35の回転が固定されタービンランナ34を通過した作動油の流れを整流する際の反力を受けて増幅効果を伴ってトルクが伝達され、ポンプインペラ32の回転とタービンランナ34の回転とが略同等となったときには作動油の流れに合わせてステータ35が空転し増幅することなくトルクが伝達される。
また、トルクコンバータ30には、ポンプインペラ32とタービンランナ34とをロックアップする単板ロックアップクラッチ40を内蔵している。この単板ロックアップクラッチ40は、コンバータ室36に対して区画されたロックアップ室42を形成するクラッチピストン44と、このクラッチピストン44にスプライン嵌合され表面に摩擦材が貼り付けられたクラッチプレート46とにより構成されており、コンバータ室36内の油圧とロックアップ室42内の油圧との差圧によってクラッチプレート46が締結してロックアップ状態となったりクラッチプレート46の締結が解除されてロックアップ解除状態となったりする。また、トルクコンバータ30には、コンバータ室36内に作動油を入出力するためのコンバータ室用ポート37と、ロックアップ室42内に作動油を入出力するためのロックアップ室用ポート43とが形成されている。
油圧回路50は、エンジンからの動力を用いて図示しないオイルパンに配置されたストレーナ51から作動油を吸引して油路53に圧送する機械式オイルポンプ52と、図示しないリニアソレノイドバルブからの信号圧Psltの入力により駆動され機械式オイルポンプ52から圧送される油路53の油圧をライン圧PLに調圧するプライマリレギュレータバルブ54と、信号圧Psltの入力により駆動されプライマリレギュレータバルブ54の調圧に伴って油路55に排出される油圧を潤滑油路(LUBE)への供給を伴ってセカンダリ圧Psecに調圧するセカンダリレギュレータバルブ56と、セカンダリ圧Psecを調圧してトルクコンバータ30のコンバータ室用ポート37に接続された供給油路111やロックアップ室用ポート43に接続された供給油路113に出力するリニアソレノイドバルブ60と、リニアソレノイドバルブ60からの作動油が排出されるドレン油路115と供給油路111とを繋ぐ油路116に形成されたオリフィス117と、ドレン油路115に接続されたオイルクーラ119などにより構成されている。ここで、ドレン油路115に出力された作動油はオイルクーラ119を介してオイルパンに戻るようになっており、作動油がオイルパンから油路53,55、供給油路111,113、トルクコンバータ30、ドレン油路115を通る循環路を形成している。なお、ライン圧PLは、自動変速機が備えるクラッチやブレーキなどの摩擦係合要素の係合圧の制御に用いられる。
リニアソレノイドバルブ60は、セカンダリ圧Psecから最適なトルクコンバータの作動圧を生成してトルクコンバータ30をダイレクトに制御可能なダイレクト制御用の調圧バルブとして機能すると共にトルクコンバータ30への作動油の供給油路を切り替える切替バルブとしても機能するよう構成されており、ソレノイド部(電磁部)70と、このソレノイド部70により駆動されセカンダリ圧Psecを入力すると共に入力したセカンダリ圧Psecを調圧して出力する調圧バルブ部80とを備える。
ソレノイド部70は、底付き円筒部材としてのケース71と、ケース71の内周側に配置され図示しない絶縁性のボビンに巻回されてなるコイル72と、ケース71の開口端部にフランジ外周部が固定されると共にコイル72の内周面に沿って軸方向に延伸された第1のコア73と、ケース71の底部に形成された凹部の内周面と接触すると共にコイル72の内周面に沿って第1のコア73と所定間隔を隔てた位置まで軸方向に延伸された第2のコア74と、第2のコア74に挿入され第1のコア73の内周面および第2のコア74の内周面を軸方向に摺動可能なプランジャ75と、第1のコア73に挿入されプランジャ75の先端に当接されると共に軸方向に摺動可能なシャフト76とを備える。また、ソレノイド部70は、コイル72からの端子がケース71の外周部に形成されたコネクタ部77に配策されている。このコネクタ部77を介してコイル72への通電が行われると、ケース71、第2のコア74、プランジャ75、第1のコア73、ケース71の順にコイル72の周囲を周回するよう磁束が流れる磁気回路が形成され、これにより第1のコア73とプランジャ75との間に吸引力が作用してプランジャ75が吸引される。プランジャ75の先端には、シャフト76が当接されているから、プランジャ75の吸引に伴ってシャフト76は図中下方に押し出される。
調圧バルブ部80は、バルブボディに組み込まれ一端がソレノイド部70に取り付けられた略円筒状のスリーブ82と、スリーブ82の内部空間に挿入され図中上端がソレノイド部70のシャフト76の先端に当接されたスプール100と、スプール100をソレノイド部70側へ付勢するスプリング84と、スプリング84を受けるスプリング受け85と、スリーブ82の他端にネジ止めされスプリング受け85を位置決めするストッパとしてのエンドプレート86とを備える。このエンドプレート86は、そのネジ位置を調整することにより、スプリング受け85を介してスプリング84の付勢力を微調整することができる。
スリーブ82は、作動油を入力する第1入力ポート92と、作動油を入力する第2入力ポート93と、作動油が入力する減圧用ポート94と、第1入力ポート92よりやや図中上方で供給油路111に接続され作動油を出力する第1出力ポート95と、作動油を排出する第1排出ポート96と、作動油を排出する第2排出ポート97と、第2入力ポート93よりやや図中下方で供給油路113に接続され作動油を出力する第2出力ポート98と、作動油を排出する排出孔99が形成されている。
スプリング受け85は、円柱状の部材であり、その軸中心に孔85aが形成されると共に孔85aの底から径方向に貫通してスリーブ82の減圧用ポート94と連通する貫通孔85bが形成され、孔85aにその一部がスプリング受け85から図中上方に突出したシャフト88が挿入されている。このシャフト88は、スプリング受け85から突出した一端側でスプール100の図中下端に当接すると共に孔85a内に挿入された他端側で減圧用ポート94から貫通孔85bを介して孔85aに入力された作動油の油圧を受ける。このため、シャフト88は作動油の油圧によりスプリング受け85の孔85a内を摺動しながら図中上方へ押し出され、スプール100を図中上方へ押し出すことができる。なお、スプリング受け85の孔85aとシャフト88の摺動に伴って漏れ出た作動油は、スリーブ82に形成された排出孔99から排出される。
スプール100は、スリーブ82の内部に挿入される軸状部材として形成されており、スリーブ82の内壁を摺動可能な円柱状の三つのランド102,104,106と、ランド102,104の間を連結しランド102,104の外径よりも小さな外径に形成され第1入力ポート92と第1出力ポート95とを連通可能な連通部103と、ランド104,106の間を連結しランド104,106の外径よりも小さな外径に形成され第2入力ポート93と第2出力ポート98とを連通可能な連通部105とを備える。スプール100は、軸方向の移動に伴って、ランド102により第1入力ポート92を閉塞したり、ランド104により第1排出ポート96や第2排出ポート97を閉塞したり、ランド106により第2入力ポート93を閉塞したりする。
こうして構成された流体伝動装置20の動作について説明する。まず、リニアソレノイドバルブ60のソレノイド部70のコイル72に通電されていない場合を考える。このとき、スプール100は、スプリング84の付勢力によりソレノイド部70側に押し付けられ、リニアソレノイドバルブ60は図1中の左半分に示す状態(OFF)となる。このため、第1入力ポート92を閉塞して第1出力ポート95と第1排出ポート96とを連通すると共に第2排出ポート97を閉塞して第2入力ポート93と第2出力ポート98とを連通する。これにより、第2入力ポート93から流入した作動油が第2出力ポート98から供給油路113を経てロックアップ室用ポート43からロックアップ室42に入力され、コンバータ室用ポート37から出力されたコンバータ室36内の作動油が供給油路111を経て第1出力ポート95と第1排出ポート96とを介してドレン油路115へ排出される。したがって、トルクコンバータ30は、クラッチプレート46の締結が解除されたロックアップ解除状態となり、コンバータ室36内の作動油によりトルクの伝達を行う。
次に、ソレノイド部70のコイル72に通電された場合を考える。コイル72への通電によってシャフト76に作用する吸引力によりスプリング84の付勢に抗してスプール100が図中下方に移動し、スプリング84の付勢力と吸引力とが丁度釣り合う位置でスプール100が停止する。付勢力に比して吸引力が小さいうちは、スプール100は上述した第2入力ポート93と第2出力ポート98とを連通すると共に第1出力ポート95と第1排出ポート96とを連通する範囲内を移動し、下方に移動するほど第2入力ポート93の開口面積を小さくすると共に第1排出ポート96の開口面積を小さくして第2入力ポート93を閉塞すると共に第1排出ポート96を閉塞する。
スプール100の下方への移動により、第2入力ポート93を閉塞すると共に第1排出ポート96を閉塞すると、第1入力ポート92と第1出力ポート95とを連通すると共に第2出力ポート98と第2排出ポート97とを連通する状態となる。これにより、第1入力ポート92から流入した作動油が第1出力ポート95から供給油路111を経てコンバータ室36に入力され、ロックアップ室42内の作動油が供給油路113を経て第2出力ポート98と第2排出ポート97とを介して排出される。したがって、トルクコンバータ30は、コンバータ室36内の油圧とロックアップ室42内の油圧との差圧によりクラッチプレート46が締結されるロックアップ状態となってトルクの伝達を行う。このとき、スプール100が下方に移動するにつれ第1入力ポート92の開口面積を大きくしてコンバータ室36に入力する作動油の量を多くすると共に第2排出ポート97の開口面積を大きくしてロックアップ室42から出力する作動油の量を多くする。ここで、ロックアップクラッチ40の係合圧は、コンバータ室36内の油圧とロックアップ室42内の油圧との差圧によって変化しスプール100が下方に移動するほどその差圧が大きくなるため、スプール100の移動量を調整することによりロックアップクラッチ40の係合圧を調整することができる。吸引力が付勢力を完全に上回ると、スプール100はシャフト88の先端がスプリング受け85の孔85aの底面に当接する位置で停止し、リニアソレノイドバルブ60は図1中の右半分に示す状態(ON)となる。この状態で通電が遮断されると、スプリング84の付勢力により再び図1中の左半分に示す状態となる。なお、スプール100の移動範囲のうち、第1入力ポート92を開口して第2入力ポート93を閉塞する移動範囲が本発明の第1の範囲に相当し、第1入力ポート92を閉塞して第2入力ポート93を開口する移動範囲が本発明の第2の範囲に相当する。ここで、油圧回路50には、ドレン油路115と供給油路111との間をオリフィス117を介して繋ぐ油路116が形成されているため、供給油路111を経てコンバータ室36に供給される作動油の油圧が高くなりすぎたときにはオリフィス117を介して作動油をドレン油路115へ排出してロックアップクラッチ40の係合圧が高くなりすぎるのを防止することができる。また、リニアソレノイドバルブ60に減圧用ポート94が形成されているため、セカンダリ圧Psecが高くなりすぎたときには減圧用ポート94から入力された作動油の油圧によりシャフト88を介してスプール100を電磁部70側へ移動させて第1入力ポート92の開口面積を小さくするので、これによってもロックアップクラッチ40の係合圧が高くなりすぎるのを防止することができる。
以上説明した実施例の流体伝動装置20によれば、リニアソレノイドバルブ60のソレノイド部70への通電により、ロックアップ室42に作動油を入力すると共にコンバータ室36から作動油を出力するロックアップ解除状態とコンバータ室36に作動油を入力すると共にロックアップ室42から作動油を出力するロックアップ状態とを切り替えると共にスプール100の位置調整により第1入力ポート92と第2排出ポート97の開口面積を調節してロックアップクラッチ40の係合圧を調整することができるから、コンバータ室36およびロックアップ室42への作動油の供給を切り替えてロックアップ状態とロックアップ解除状態との切り替えを行うロックアップリレーバルブとロックアップクラッチ40の係合圧を調整するロックアップコントロールバルブと各バルブに駆動用の信号圧を出力するソレノイドバルブとを備える構成の装置に比して、部品数を少なくすると共に油路を減らして簡易かつコンパクトな構成でトルクを伝達することができる。
実施例では、本発明の流体伝動装置をトルクコンバータ30に適用して説明するものとしたが、図2の流体伝動装置120に示すように、ステータを備えずにポンプインペラ132とタービンランナ134とを備え、入力したトルクを増幅せずに出力する流体継手(フルードカップリング)130に適用するものとしてもよい。なお、図2において、油圧回路50は図1と同様に構成されており、その一部の図示を省略した。
実施例では、リニアソレノイドバルブ60にセカンダリ圧Psecが入力されるものとしたが、これに限られず、適宜調圧された作動油が入力されるものとすればよく、例えばライン圧PLが入力されるものとしてもよい。
実施例では、本発明の流体伝動装置をエンジンと自動変速機とを備える自動車に搭載するものとして説明したが、自動車以外の車両に搭載するものとしてもよいし、据え置き型の機器に搭載するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、トルクコンバータ30や流体継手130が「流体伝動部」に相当し、機械式オイルポンプ52やプライマリレギュレータバルブ54,セカンダリレギュレータバルブ56が「圧送手段」に相当し、リニアソレノイドバルブ60が「電磁弁」に相当する。なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための最良の形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車産業に利用可能である。
本発明の一実施例としての流体伝動装置20の構成の概略を示す構成図である。 変形例の流体伝動装置120の構成の概略を示す構成図である。
符号の説明
20,120 流体伝動装置、30 トルクコンバータ、31 コンバータケース、32 ポンプインペラ、34 タービンランナ、35 ステータ、35a ワンウェイクラッチ、36 コンバータ室、37 コンバータ室用ポート、40 単板ロックアップクラッチ、42 ロックアップ室、43 ロックアップ室用ポート、44 クラッチピストン、46 クラッチプレート、50 油圧回路、51 ストレーナ、52 機械式オイルポンプ、53 油路、54 プライマリレギュレータバルブ、55 油路、56 セカンダリレギュレータバルブ、60 リニアソレノイドバルブ、70 ソレノイド部、71 ケース、72 コイル、73 第1のコア、74 第2のコア、75 プランジャ、76 シャフト、77 コネクタ部、80 調圧バルブ部、82 スリーブ、84 スプリング、85 スプリング受け、85a 孔、85b 貫通孔、86 エンドプレート、88 シャフト、92 第1入力ポート、93 第2入力ポート、94 減圧用ポート、95 第1出力ポート、96 第1排出ポート、97 第2排出ポート、98 第2出力ポート、99 排出孔、100 スプール、102,104,106 ランド、103,105 連通部、111,113 供給油路、115 ドレン油路、116 油路、117 オリフィス、119 オイルクーラ、130 流体継手、132 ポンプインペラ、134 タービンランナ。

Claims (5)

  1. 流体伝動室内の作動流体により入力側の動力を出力側に伝達し、該流体伝動室内の流体圧とロックアップ室内の流体圧との差圧により入力側と出力側とを直結可能なロックアップクラッチ付きの流体伝動装置であって、
    前記流体伝動室に作動流体を入出力する流体伝動室用のポートと、前記ロックアップ室に作動流体を入出力するロックアップ室用のポートとが形成された流体伝動部と、
    流体圧発生源から調圧を伴って作動流体を圧送する圧送手段と、
    各種ポートが形成された中空のスリーブと、該スリーブに挿入される軸状部材であって軸方向の移動に伴って前記各種ポートを開閉するスプールと、該スプールを軸方向に移動させる電磁部とを備え、前記各種ポートとして、前記圧送された作動流体を入力する第1入力ポートおよび第2入力ポートと、前記流体伝動室用のポートに接続された第1出力ポートおよび前記ロックアップ室用のポートに接続された第2出力ポートと、作動流体を排出する第1排出ポートおよび第2排出ポートとを形成し、前記スプールがその移動可能範囲のうち第1の範囲内にあるときには開口面積の調節を伴って前記第1入力ポートと前記第1出力ポートとを連通し前記第1排出ポートを閉塞して前記流体伝動室に作動流体を出力すると共に開口面積の調節を伴って前記第2出力ポートと前記第2排出ポートとを連通し前記第2入力ポートを閉塞して前記ロックアップ室からの作動流体を排出し、前記スプールが前記第1の範囲とは異なる第2の範囲内にあるときには前記第2入力ポートと前記第2出力ポートとを連通し前記第2排出ポートを閉塞して前記ロックアップ室に作動流体を出力すると共に前記第1出力ポートと前記第1排出ポートとを連通し前記第1入力ポートを閉塞して前記流体伝動室からの作動流体を排出する電磁弁と
    を備える流体伝動装置。
  2. 前記電磁弁は、前記電磁部に印加される電流が大きいほど前記スプールを大きく押し出すよう構成され、前記第1の範囲内では該スプールが大きく押し出されるほど前記第1入力ポートの開口面積を大きくすると共に前記第2排出ポートの開口面積を大きくする請求項1記載の流体伝動装置。
  3. 前記電磁弁は、前記スプールが押し出される方向とは逆方向に流体圧が作用するよう作動流体を入力させる減圧用のポートが前記スリーブに形成されてなる請求項2記載の流体伝動装置。
  4. 入力したトルクを増幅を伴って出力するトルクコンバータとして構成されてなる請求項1ないし3いずれか1項に記載の流体伝動装置。
  5. 車両に搭載されてなる請求項1ないし4いずれか1項に記載の流体伝動装置。
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