JP2010084219A - 溶射皮膜形成装置及び溶射皮膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ブロック支持台が一方もしくは他方の端部まで回転したときに、ブロック支持台の貫通孔が基台の縁部より外側に位置して外部に露出するのを回避し、排気効率の低下を大型の排気装置を用いることなく抑制する。
【解決手段】V型エンジンのシリンダブロック1における第1(2)バンク7(9)のシリンダボア3a(3b)を溶射するときに、シリンダブロック1とともに回転可能なブロック支持台17のブロック支持台連通孔17c及び基台19の基台連通孔19bを通してシリンダボア3a(3b)内の空気を排気装置37によって外部に排気する。この際、ブロック支持台連通孔17cの基台19から突出する開放部25をスライドシャッタ27により閉塞する。スライドシャッタ27はブロック支持台17の回転に伴って移動する。
【選択図】図4

Description

本発明は、シリンダボア内面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置及び溶射皮膜形成方法に関する。
クランクシャフトの軸方向にシリンダボアが並ぶシリンダ列を複数備えた、例えばV型エンジンのシリンダブロックのシリンダボアに対し、溶射皮膜を形成する際には、例えば下記特許文献1に記載されたような方法が採られている。
この溶射方法は、複数のシリンダ列における溶射を行う一つのシリンダボア列のシリンダボアを上下方向が中心軸線となるように、シリンダブロックを支持するブロック支持台となる回転部を、基台となる回転受け台に対して回転さ変位させた状態で、シリンダボアの上方から溶射ガンを挿入して溶射を実施する。この際、溶射を行うシリンダボア内の空気を、回転部及び回転受け台に形成した貫通孔を通して外部から吸引して排気することで、余剰な溶射用材料を外部に排出している。
特開2007−182621号公報
ところで、上記した従来の溶射皮膜形成装置においては、溶射時での排気効率を高めるために回転部や回転受け台の貫通孔、特に回転部の貫通孔をより大きくした場合には、回転部を一方側の端部もしくは他方側の端部まで回転したときに、この回転部の貫通孔の一部が回転受け台の縁部より外側に位置して外部に開放し露出してしまうことが懸念される。
このような場合には、排気時での効率が予想通り高くならない可能性があり、それを補うために排気時での吸引力を大きくしようとすると、大型の排気装置が必要となってコスト高を招くことになる。
そこで、本発明は、ブロック支持台が一方もしくは他方の端部まで回転したときに、ブロック支持台の貫通孔が基台の縁部より外側に位置して外部に露出するのを回避し、排気効率を大型の排気装置を用いることなく高めることを目的としている。
本発明は、クランクシャフトの軸方向にシリンダボアが並ぶシリンダ列を少なくとも二つ備えたエンジンのシリンダブロックを支持するブロック支持台と、このブロック支持台をシリンダブロックとともにクランクシャフトを中心として回転支持する基台と、シリンダボアに対して溶射用材料を供給する溶射手段と、基台及びブロック支持台に形成したそれぞれの貫通孔を通し、溶射手段により溶射を行うシリンダボア内の空気を吸引して排気する排気手段と、をそれぞれ備え、ブロック支持台を基台に対して一方側もしくは他方側に回転変位させた状態でシリンダボア内面に対し溶射皮膜を形成するときに、ブロック支持台の貫通孔が基台の外側に位置して開放する開放部を塞ぐ閉塞部材を設けたことを特徴とする。
本発明によれば、ブロック支持台を基台に対して一方側もしくは他方側に回転変位させた状態で、複数のシリンダ列の配列方向一方の端部側もしくは他方の端部側のシリンダ列のシリンダボア内面に対し溶射皮膜を形成するときに、ブロック支持台の貫通孔が基台の外側に位置して開放する開放部を閉塞部材によって塞ぐようにしたので、シリンダブロックを回転支持するブロック支持台の貫通孔を大きくしても、ブロック支持台が一方もしくは他方の端部まで回転したときに、ブロック支持台の貫通孔が外部に露出するのを回避して排気効率を高めることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態を示す溶射皮膜形成装置の正面図である図2のA−A断面図である。この溶射皮膜形成装置は、自動車用V型エンジンのシリンダブロック1におけるシリンダボア3a,3bに対し、溶射手段である溶射ガン5から溶射用材料を吐出供給して溶射皮膜を形成する。なお、図2では、図1に示してある溶射ガン5および溶射ガン5を支持する各部材を省略している。
V型エンジンのシリンダブロック1は、図1に示すように、互いにV型を形成する第1バンク7と第2バンク9とをそれぞれ備えている。第1バンク7にはシリンダボア3aが図1中で紙面に直交する方向(図示しないクランクシャフトの軸方向)に複数のシリンダボアが並ぶ一つのシリンダ列を有し、第2バンク9にはシリンダボア3bが図1中で紙面に直交する方向(クランクシャフトの軸方向)に複数のシリンダボアが並ぶ他の一つのシリンダ列を有している。
すなわち、このシリンダブロック1は、シリンダボア3a,3bの各軸線SL,SRが、クランクシャフトの軸方向から見て互いに交差している。
ここでのシリンダブロック1は、下部に形成したスカート部11のさらに下部にクランクケース13を取り付けて一体化してあり、スカート部11とクランクケース13との間に、クランクシャフトを回転支持する回転支持部となる軸受部15を設けている。なお、溶射皮膜を形成する際には、シリンダブロック1に上記したクランクシャフトを組み付けていない。
上記したシリンダブロック1は、クランクケース13を下側とした状態で、回転部となるブロック支持台17上に、固定具18を介して固定設置している。ブロック支持台17は、クランクケース13を固定設置する平面状の上面部17aと、下方に凸状となる円形曲面17bとをそれぞれ有し、回転受け台となる基台19上に配置する。基台19は、ブロック支持台17の凸状の円形曲面17bに対応する凹状の円形曲面19aを上部に備えている。
上記した凸状の円形曲面17bおよび凹状の円形曲面19aは、軸受部15でのクランクシャフトの回転中心軸線Xを中心とした円弧状に形成してあり、ブロック支持台17は、この回転中心軸線Xを中心として、図1中の矢印Bで示す方向に揺動回転し、これとともにブロック支持台17上のシリンダブロック1も同様にして揺動回転する。
図2に示すように、ブロック支持台17の左右両端部は、シリンダブロック1に対してそれぞれ左右に突出しており、この突出した部分の上面部17a上に、チルト軸21を連結している。チルト軸21は、図2中で上面部17aから上方に延びる鉛直部21aと、鉛直部21aの上端部からシリンダブロック1に対して離れるように水平方向に延びる水平部21bとをそれぞれ備えている。水平部21bの中心軸線は、前記した回転中心軸線Xに一致している。
一方、前記した基台19は、テーブル23の底面部23a上に設置固定し、底面部23aの図2中で左右両端から上方に延びる側壁部23bの上部に、前記したチルト軸21の水平部21bの端部を回転可能に連結する。
そして、上記した左右のチルト軸21のうちの一方を、図1では左側のチルト軸21の水平部21bを、側壁部23bの回転支持孔23cに回転可能に挿入するとともに外部に突出させ、この突出端部に、駆動手段となるモータMを連結する。すなわち、モータMを駆動することで、シリンダブロック1を、軸受部15における回転中心軸線Xを中心として、前記図1中の矢印Bで示す方向に、ブロック支持台17とともに揺動回転させる。
また、モータMを駆動制御する制御手段としての制御装置CをモータMに接続する。
この際シリンダブロック1は、制御装置CがモータMを駆動制御することで、図1中で右回りに回転して第1バンク7のシリンダボア3aが、図4(a)のように鉛直方向上方に開口する位置と、図1中で左回りに回転して第2バンク9のシリンダボア3bが、図4(b)のように鉛直方向上方に開口する位置とに変位する。
基台19の図1中で左右方向中央部には、上下方向に貫通する貫通孔としての基台連通孔19bを形成し、この基台連通孔19bの円形曲面19a側の上部開口19cは、ブロック支持台17に形成した貫通孔としてのブロック支持台連通孔17cに連通している。ブロック支持台連通孔17cは、前記図4(a),(b)にそれぞれ示す位置にシリンダブロック1が揺動変位した状態であっても、下部開口17dの一部が基台連通孔19bの上部開口19cの全域に常に連通するように、図1中で下部側が大きく広がる形状としている。
そして、これらブロック支持台連通孔17c及び基台連通孔19bの図2中で左右方向幅は、シリンダブロック1の同方向長さより短く形成して、左右内端部がシリンダブロック1の両外端部より内側に位置している。
ここで、本実施形態では、図4(a)に示すように、ブロック支持台17が一方の端部まで回転変位した状態、もしくは、図4(b)に示すように、ブロック支持台17が他方の端部まで回転変位した状態では、ブロック支持台連通孔17cの一部が基台19の縁部より外側に位置して開放する開放部25が発生する。そして、この開放部25を塞ぐ閉塞部材としてのスライドシャッタ27を設けている。
スライドシャッタ27は、ブロック支持台17の円形曲面17bと、基台19の円形曲面19aとの間の隙間29に移動可能に配置してあり、したがってこれら円形曲面17b,19aと同様な円形曲面を備えている。図3(a)は、図1のD−D断面図で、スライドシャッタ27の幅方向(図2中で左右方向)両側における基台19の円形曲面19a上に、ガイド突起19dを円形曲面19aに沿って設けてあり、これら一対のガイド突起19d相互間にスライドシャッタ27が配置された状態でガイドされ移動する。
上記したスライドシャッタ27は、図3(b)に拡大して示すように、ブロック支持台17と基台19との間の隙間29から外部に突出した端部に、係止部としての内側突起27aを備え、この内側突起27aをブロック支持台17の縁部に形成してある切欠部17e上に係止した状態としている。
スライドシャッタ27は、上記した内側突起27aと反対側に突出する外側突起27bを有し、この外側突起27bと、基台19の上面との間に、弾性部材としての引張コイルスプリング31を介装している。すなわち、この引張コイルスプリング31により、内側突起27aを切欠部17e上に押し付けている。なお、この引張コイルスプリング31に代えてゴムを用いてもよい。
したがって、例えば図4(a)のようにブロック支持台17が一方の端部側に回転変位して他方の端部側が基台19内に入り込んだ状態では、この他方の端部側のスライドシャッタ27の内側突起27aの切欠部17eに対する係止状態が解除される。このときこの他方の端部側のスライドシャッタ27は、引張コイルスプリング31により引っ張られることで、前記内側突起27aを設けた側と反対の一方側が基台19の内部に入り込み、外側突起27bが基台19の上面近傍に位置することとなる。
また、スライドシャッタ27の隙間29内に挿入された側の端部27cは、図4(a)に示すブロック支持台17が一方の端部まで回転変位した状態、もしくは、図4(b)に示すブロック支持台17が他方の端部まで回転変位した状態では、図4(a)の左側のスライドシャッタ27及び、図4(b)の右側のスライドシャッタ27で示すように、隙間29内に位置してスライドシャッタ27が開放部25を塞いでいる。
このとき、図4(a)の右側のスライドシャッタ27及び、図4(b)の左側のスライドシャッタ27は、隙間29内に挿入された側の端部27cが、基台19の基台連通孔19bから離間した位置となり、スライドシャッタ27が基台連通孔19bを塞ぐことはない。
上記した基台連通孔19bの下部開口19eは、テーブル23内に形成した排気通路33に連通している。排気通路33は、基台連通孔19bの下部開口19eに直接連通する連通部33aと、連通部33aの下端に連通し、図1中で左右方向に延びる排気通路部33bとをそれぞれ備えている。
排気通路部33bは、図1中で右側の端部が外部に開口し、この外部開口に排気管35を接続する。排気管35にはファンなどを備える排気手段としての排気装置37を接続し、溶射皮膜形成時に、シリンダボア3a,3b内の空気を吸引して排気(換気)する。排気通路部33bの図1中で左側の端部は、開閉可能な蓋39によって閉塞している。
また、排気通路33における連通部33a内の図1中で右側には、異物落とし板41を傾斜状態で設置し、異物落とし板41の下方の排気通路部33b内の底面には、異物受け皿43を配置する。異物受け皿43は、蓋39の開放によって外部に取り出すことができる。
なお、上記したテーブル23は、ガイドレール45に沿って図2中で左右方向に移動可能としている。
また、前記図1に示した溶射ガン5は、その上部に連結してあるガン支持具47に対して回転可能に支持され、この溶射ガン5の回転は、回転駆動モータ49によって行う。
この際、溶射ガン5のガン支持具47近傍の外周に従動プーリ51を設ける一方、回転駆動モータ49には駆動プーリ53を連結し、これら各プーリ51,53を連結ベルト55によって互いに連動連結する。すなわち、回転駆動モータ49の駆動により溶射ガン5がガン支持具47に対して回転する。
ガン支持具47には、ガン支持具47を溶射ガン5及び回転駆動モータ49とともに図1中で上下方向に移動させる昇降装置57を設けている。昇降装置57としては、例えばピニオンとラックによって構成できる。さらに、昇降装置57には、水平方向に延びる連結アーム59の先端を連結し、連結アーム59の基端は、図1中でテーブル23の側方にて鉛直方向に延びる支持ポスト61の上部に取り付けている。
なお、溶射ガン5を回転させる回転駆動モータ49とガン支持具47とは、図示しない固定具によって連結固定してあり、これらは一体となって図1中で上下方向に移動する。また、回転駆動モータ49や昇降装置57についても、前記図1に示してある制御装置Cが駆動制御して動作する。
次に作用を説明する。図1,図2に示すように、ブロック支持台17の上面部17aが水平となる状態で、シリンダブロック1を上面部17aに設置し、固定具18により固定する。この状態から制御装置CによりモータMを駆動制御してチルト軸21をその水平部21bを中心として図1中で右回りに回転させる。これにより、ブロック支持台17が、その凸状の円形曲面17bが基台19の凹状の円形曲面19aに沿って回転し、図4(a)に示すように、ブロック支持台17とともに回転するシリンダブロック1を、第1バンク7のシリンダボア3aが鉛直方向上方に開口した状態とする。
このとき、図4(a)中で右側のスライドシャッタ27は、ブロック支持台17の回転に伴って引張コイルスプリング31により引っ張られながら、基台19の内部に入り込み、外側突起27bが図4(a)のように基台19の上面近傍に位置した時点で、内側突起27aの切欠部17eに対する係止状態が解除される。
一方、図4(a)中で左側のスライドシャッタ27は、内側突起27aが切欠部17eに係止されているので、引張コイルスプリング31を伸張させつつブロック支持台17と一体となって移動する。この際、ブロック支持台連通孔17cの一部は、基台19の円形曲面19aから離れて基台19の外側に位置する開放部25が発生するが、この開放部25は、上記スライドシャッタ27によって閉塞された状態となる。
また、基台の基台連通孔19bについては、その全域がブロック支持台連通孔17cの下部開口17dの一部に連通している。
上記図4(a)の状態では、溶射ガン5が、シリンダボア3aの鉛直方向上方位置にあり、このとき、溶射ガン5の回転中心とシリンダボア3aの軸線SLとが一致した状態となる。この図4(a)の状態から、溶射ガン5を、回転駆動モータ49の駆動により回転させつつ昇降装置57の駆動により下降させて、第1バンク7のシリンダボア3a内に進入させ、そのノズル部5aから溶射用材料を吐出することで、シリンダボア3aの内面に溶射皮膜を形成する。
第1バンク7における複数(ここでは3つ)のシリンダボア3aに対して順次溶射皮膜を形成する際には、溶射ガン5を溶射皮膜形成後のシリンダボア3a内から引き抜き、図4(a)の位置まで上昇させた状態で、テーブル23を、シリンダブロック1とともに図4(a)中で紙面に直交する方向に移動させ、溶射ガン5を未溶射分のシリンダボア3aの上方位置とすることで対応する。
第1バンク7における複数(ここでは3つ)のシリンダボア3aに対する溶射作業が終了したら、溶射ガン5を、図4(a)の位置まで上昇させた状態で、図1に示す制御装置CによりモータMを駆動してチルト軸21を、その水平部21bを中心として図4(a)中で左回りに回転させる。このときの回転角度は、前記図1に示してあるシリンダボア3a,3bの各軸線SL,SR相互の交差角度α分に相当する。
これにより、ブロック支持台17が、その凸状の円形曲面17bが基台19の凹状の円形曲面19aに沿って回転し、図4(b)に示すように、ブロック支持台17とともに回転するシリンダブロック1を、第2バンク9のシリンダボア3bが鉛直方向上方に開口した状態とする。
上記図4(b)の状態では、溶射ガン5が、シリンダボア3bの鉛直方向上方位置にあり、このとき、溶射ガン5の回転中心とシリンダボア3bの軸線SRとが一致した状態となる。
上記図4(b)の状態から、前記と同様にして溶射ガン5を回転させつつ下降させて、第2バンク9のシリンダボア3b内に進入させ、そのノズル部5aから溶射用材料を吐出することで、シリンダボア3bの内面に溶射皮膜を形成する。
このように、シリンダブロック1を、クランクシャフトの回転中心部となる軸受部15を中心として、シリンダボア3a,3bの各軸線SL,SR相互の交差角度α分だけ回転させることで、シリンダブロック1の取付位置の変更、すなわち段取り代え作業を行うことなく、シリンダブロック1の両バンク7,9のシリンダボア3a,3bに対し、一定方向に相当する図2中で上下方向(鉛直方向)に移動可能な同一の溶射ガン5により、溶射用材料を吐出して溶射被膜を形成することができる。
このようにしてシリンダボア3a,3bに対して溶射皮膜を形成する際には、排気装置37を作動させ、排気管35からシリンダボア3a,3b内の空気を吸引して換気を行う。換気空気は、シリンダボア3a,3bの上方外部から内部に入り込み、ブロック支持台連通孔17cおよび基台連通孔19bを経て、テーブル23内の排気通路33を通り排気管35に至る。
この際、ノズル部5aから吐出する溶射用材料の一部は、シリンダボア3a,3bに付着せずに飛散するが、この飛散した溶射用材料は、上記した換気空気によって下方に移動し、異物落とし板41に当接するなどして異物受け皿43上に落下する。異物受け皿43上に落下した溶射用材料などの異物は、蓋39を開放し、異物受け皿43を取り出して、廃棄物として適宜処分する。
ここで、本実施形態では、図4に示すように、ブロック支持台連通孔17cを大きく形成して基台連通孔33aの全域をブロック支持台連通孔17cに連通させるようにして排気効率を高めている。この際、ブロック支持台連通孔17cの図4(a)中で左側の部分が外部に開放してしまう開放部25が発生するが、この開放部25をスライドシャッタ27で覆っているので、排気装置を大型化することなく、排気(吸引)効率を高めることができる。
また、本実施形態では、スライドシャッタ27は、ブロック支持台17の回転変位に伴って、ブロック支持台連通孔17cが基台19の外側に位置して開放する開放部25を塞ぐように移動するものとしている。このため、スライドシャッタ27を移動させるための専用の駆動装置が不要であり、設備費の低減及び保守・管理の簡略化を達成できる。
この際、本実施形態では、スライドシャッタ27に、ブロック支持台17の縁部である切欠部17eに係止する内側突起27aを設けるという簡単な構造で、スライドシャッタ27を、ブロック支持台17の回転変位に伴って開放部25を閉塞する位置まで回転させることができる。
また、スライドシャッタ27が開放部25を閉塞する状態から、ブロック支持台17が反対方向に回転するときには、引張コイルスプリング31がスライドシャッタ27を引っ張るようにして隙間29内に入り込ませることができる。したがって、この場合にも単に引張コイルスプリング31を設けるという簡素な構造で、スライドシャッタ27を隙間29内に入り込ませることができる。
図5は、本発明の第2の実施形態に係わる溶射皮膜形成装置の前記図1に相当する断面図、図6は、前記図4に対応する動作説明図である。第2の実施形態は、前記図1に示した第1の実施形態で使用したスライドシャッタ27に代えて蛇腹63を使用している。
また、本実施形態における基台19は、図1に示した第1の実施形態における基台19に対して上下方向高さを低くし、かつ図5に示すように、ブロック支持台17が水平状態のときに、ブロック支持台連通孔17cの左右両端部17c1が基台19によって閉塞されていない。そして、このブロック支持台連通孔17cの左右両端部17c1を、上記した蛇腹63によって閉塞している。
蛇腹63は、上端63aをブロック支持台17の上端縁部の上部蛇腹取付用突起65に取り付け、下端63bをブロック支持台17近傍の基台19上に取り付けている。すなわち、この蛇腹63は、ブロック支持台連通孔17cを覆うようにブロック支持台17の凸状の円形曲面17bに沿って配置していることになる。
本実施形態においても、図5の状態から、第1バンク7のシリンダボア3aもしくは第2バンク9のシリンダボア3bに対して溶射皮膜を形成する際には、ブロック支持台17が、チルト軸21の水平部21bを中心として回転し、図6(a)もしくは図6(b)の状態となる。
これら図6(a)もしくは図6(b)の状態では、ブロック支持台17のブロック支持台連通孔17cの一方の端部17c1が基台19内に入り込んでその円形曲面19aに閉塞された状態となるが、他方側の端部17c1は基台19からさらに大きく突出(露出)して開放部25を形成することになる。
この際、本実施形態では、この開放部25を形成する側の蛇腹63が、図6(a)の左側及び図6(b)に右側に示すように伸長して上記大きく露出したブロック支持台連通孔17cの開放部25を覆って塞ぐことになる。ブロック支持台連通孔17cの基台19によって閉塞されている側に対応する蛇腹63については、図6(a)の右側及び図6(b)に左側に示すように収縮した状態となる。
ここで、本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図6のように溶射皮膜を形成する際に排気装置37を作動させ、このときブロック支持台連通孔17cを大きく形成して基台連通孔19bの全域をブロック支持台連通孔17cに連通させるようにして排気効率を高めている。この際、ブロック支持台連通孔17cの図6(a)中で左側の部分もしくは図6(b)中で右側の部分が、基台19の外部に開放する開放部25が発生するが、この開放部25を蛇腹63により覆っているので、排気装置を大型化することなく、排気(吸引)効率を高めることができる。
また、第2の実施形態では、蛇腹63は、ブロック支持台17の縁部と基台19とを互いに連結してこれら相互間で伸縮可能とし、ブロック支持台17の回転変位に追随している。これにより、単に蛇腹63を設けるという簡単な構造で、閉塞部材である蛇腹63が、ブロック支持台17の回転変位に伴って、ブロック支持台連通孔17cが基台19の外側に位置して開放する開放部25を塞ぐように、伸縮によって移動することになる。
なお、上記した第2の実施形態における蛇腹63に代えて、ゴムを用いてもよく、また工作機械における摺動面や可動部分を切粉や切削剤から保護するためのテレスコピックカバーや、ロールカーテン(ロールスクリーン)のような巻取り式のカバーを用いてもよい。要するに、溶射皮膜を形成する際に、基台19の外側に位置して基台19から外部に露出するブロック支持台連通孔17cの開放部25を閉塞する閉塞部材を設ける構成であればよい。
図2のA−A断面図である。 本発明の第1の実施形態を示す溶射皮膜形成装置の正面図である。 (a)は図1のD−D断面図、(b)は図1の要部の拡大した断面図である。 (a)は、第1バンクのシリンダボアに対して溶射皮膜を形成する状態を示す動作説明図、(b)は、第2バンクのシリンダボアに対して溶射皮膜を形成する状態を示す動作説明図である。 本発明の第2の実施形態に係わる溶射皮膜形成装置の図1に相当する断面図である。 第2の実施形態の図4に対応する動作説明図である。
符号の説明
1 シリンダブロック
3a,3b シリンダボア
5 溶射ガン(溶射手段)
17 ブロック支持台
17c ブロック支持台連通孔(貫通孔)
17b ブロック支持台の凸状の円形曲面
17e ブロック支持台の切欠部(縁部)
19 基台
19a 基台の凹状の円形曲面
19b 基台連通孔(貫通孔)
25 開放部
27 スライドシャッタ(閉塞部材)
27a 内側突起(係止部)
29 隙間
31 引張コイルスプリング(弾性部材)
37 排気装置(排気手段)
63 蛇腹(閉塞部材)

Claims (6)

  1. クランクシャフトの軸方向にシリンダボアが並ぶシリンダ列を、少なくとも二つ備えたエンジンのシリンダブロックに対し、溶射用材料を供給して前記シリンダボア内面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成装置において、前記シリンダブロックを支持するブロック支持台と、このブロック支持台を前記シリンダブロックとともに前記クランクシャフトを中心として回転支持する基台と、前記シリンダボアに対し前記ブロック支持台と反対側に位置して前記溶射用材料を供給する溶射手段と、前記基台に対し前記ブロック支持台と反対側に位置し、前記基台及び前記ブロック支持台に形成したそれぞれの貫通孔を通し、前記溶射手段により溶射を行うシリンダボア内の空気を吸引して排気する排気手段と、をそれぞれ備え、前記ブロック支持台を前記基台に対して一方側もしくは他方側に回転変位させた状態で、前記複数のシリンダ列の配列方向一方の端部側もしくは他方の端部側のシリンダ列のシリンダボア内面に対し溶射皮膜を形成するときに、前記ブロック支持台の貫通孔が前記基台の外側に位置して開放する開放部を塞ぐ閉塞部材を設けたことを特徴とする溶射皮膜形成装置。
  2. 前記閉塞部材は、前記ブロック支持台の回転変位に伴って、該ブロック支持台の貫通孔が前記基台の外側に位置して開放する開放部を塞ぐように移動することを特徴とする請求項1に記載の溶射皮膜形成装置。
  3. 前記ブロック支持台は、前記基台に対向する凸状の円形曲面を有し、前記基台は、前記ブロック支持台の凸状の円形曲面に対応する凹状の円形曲面を備え、前記各円形曲面は、前記ブロック支持台の回転中心が中心となる曲面形状であり、前記閉塞部材は、一方側を、前記各円形曲面相互間に形成した隙間に移動可能に挿入し、他方側に、前記ブロック支持台の縁部に対して係脱可能となる係止部を設け、この係止部は、前記ブロック支持台が、その貫通孔が前記基台の外側に位置して開放する状態となるよう回転するときに、前記ブロック支持台の縁部が係止して前記ブロック支持台とともに移動することを特徴とする請求項2に記載の溶射皮膜形成装置。
  4. 前記閉塞部材の係止部付近と前記基台との間に、前記ブロック支持台が、その貫通孔が前記基台の外側に位置して開放する状態から反対方向に回転するときに、前記閉塞部材を前記隙間内に入り込ませるように移動させる弾性部材を設けたことを特徴とする請求項3に記載の溶射皮膜形成装置。
  5. 前記閉塞部材は、前記ブロック支持台の縁部と前記基台とを互いに連結してこれら相互間で伸縮可能とし、前記ブロック支持台の回転変位に追随することを特徴とする請求項2に記載の溶射皮膜形成装置。
  6. クランクシャフトの軸方向にシリンダボアが並ぶシリンダ列を、少なくとも二つ備えたエンジンのシリンダブロックに対し、溶射用材料を供給して前記シリンダボア内面に溶射皮膜を形成する溶射皮膜形成方法において、前記シリンダブロックを支持するブロック支持台を、基台に対し前記シリンダブロックとともに前記クランクシャフトを中心として一方側もしくは他方側に回転変位させた状態で、前記複数のシリンダ列の配列方向一方の端部側もしくは他方の端部側のシリンダ列のシリンダボア内面に、前記シリンダボアに対し前記ブロック支持台と反対側から前記溶射用材料を供給して溶射する際に、前記基台に対し前記ブロック支持台と反対側から、前記基台及び前記ブロック支持台に形成したそれぞれの貫通孔を通し、前記溶射を行うシリンダボア内の空気を吸引し、この空気を吸引しながら溶射を行う際に、前記ブロック支持台の貫通孔が前記基台の外側に位置して開放する開放部を閉塞部材により塞ぐことを特徴とする溶射皮膜形成方法。
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