JP2010082788A - 打込み工具 - Google Patents

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Abstract

【課題】打込み工具において、打込み作業時の衝撃緩和に資する技術を提供する。
【解決手段】回転軸126と共に回転する回転部材131に設けられ回転軸方向に進退自在に突出する打込み機構用駆動部材133と、打込み機構用駆動部材133を突出させる作動領域と、突出させない休止領域との間で、回転部材131に対して相対移動可能なカム部材137と、カム部材137が作動領域に置かれた場合に、当該カム部材137によって回転部材131の回転軸方向に突出された打込み機構用駆動部材133と機械的に係合し、打込み材の打込み動作を行う打込み機構115と、を有する打込み工具であって、回転軸126と回転部材131との間、回転部材131と打込み機構用駆動部材133の間、及び打込み機構用駆動部材133と打込み機構115との間の少なくとも1つには、緩衝材155が介在されている打込み工具。
【選択図】図10

Description

本発明は、被加工材に釘等の打込み材の打込み作業を行う打込み工具に関する。
従来の打込み工具は、例えば米国特許第6,971,567明細書(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載の打込み工具は、モータによって回転駆動されるフライホイール機構と、打込み材を被加工材に打込む打込み機構とを備えている。フライホイール機構は、フライホイールと、フライホイールに進退自在に設けられた打込みピンと、当該打込みピンを突出させてドライバ機構に接続させる円板状のカムプレートとを備えている。トリガの引き操作によってモータが回転駆動されると、フライホイール及びカムプレートが所定の減速比で同方向に回転する。そして、当該回転によってフライホイールとカムプレート間に生ずる回転数の差を利用して当該カムプレートに形成された周方向の所定長さのスロープによって打込みピンをフライホイールの側面から突出させる。突出された打込みピンは、その突出端部が打込み機構と機械的に接続(係合)され、これにより打込み機構が打込み材の打込み動作を行なう構成である。
特許文献1に記載の打込み工具は、打込み作業を行なう場合、打込みピンが打込み機構と機械的に接続、すなわち衝突する構成である。このため、衝突時に発生する衝撃力が当該打込みピン、打込み機構の双方あるいは打込みピンを駆動する駆動系の部材に対し悪影響を及ぼすものであり、この点においてなお改良の余地がある。
米国特許第6,971,567明細書
本発明は、上記の問題に鑑み、打込み工具において、打込み作業時の衝撃緩和に資する技術を提供することをその目的とする。
上記課題を達成するため、本発明に係る打込み工具の好ましい形態は、モータと、回転軸と、回転部材と、打込み機構用駆動部材と、付勢部材と、カム部材と、打込み機構とを有する。回転軸は、モータによって常時に回転駆動される構成とされる。回転部材は回転軸と共に回転する。モータは、例えばモータ起動用の電気スイッチをオン操作することで通電駆動される。打込み機構用駆動部材は、回転部材に対し当該回転部材の回転軸方向に進退自在に設けられ、当該回転部材の側面から所定長さで突出される。付勢部材は、打込み機構用駆動部材を後退させる方向に付勢する。付勢部材は、バネ、ゴム等の弾性体によって構成される。カム部材は、打込み機構用駆動部材を突出させる作動領域と、突出させない休止領域との間で、回転部材に対して相対移動可能とされる。なお、「カム部材の回転部材に対する相対移動」とは、回転部材の回転軸線と交差する方向に直線状に往復移動する態様、回転軸に対し当該回転軸と同軸上で周方向に相対移動する態様のいずれも好適に包含する。打込み機構は、カム部材が作動領域に置かれた場合に、当該カム部材によって回転部材の回転軸方向に突出された打込み機構用駆動部材と機械的に係合し、打込み材の打込み動作を行う構成とされる。
本発明に係る打込み工具の好ましい形態によれば、特徴的構成として、回転軸と回転部材との間、回転部材と打込み機構用駆動部材の間、及び打込み機構用駆動部材と打込み機構との間の少なくとも1つには、緩衝材が介在されている。
上記のように構成される打込み工具によれば、打込み機構用駆動部材が設けられた回転部材をモータによって回転駆動した状態において、カム部材が回転部材に対して相対移動し、休止領域から作動領域に移行すると、当該カム部材は、後退位置に保持されて回転部材とともに当該回転部材の回転軸回りを回転する打込み機構用駆動部材を付勢部材に抗して進出、すなわち突出させる。このため、打込み機構が当該突出した打込み機構用駆動部材と機械的に係合して打込み材の打込み動作を行う。そして、打込み機構用駆動部材が打込み機構に機械的に係合したときに生ずる衝撃を緩衝材によって緩和し、これにより打込み機構用駆動部材、打込み機構あるいは打込み機構用駆動部材の駆動系の各部材に対する衝撃力の悪影響を防止し、それらの耐久性を向上することができる。
なお、本発明における打込み機構用駆動部材の「後退位置」は、打込み機構用駆動部材が打込み機構に対して係合しない位置であればよい。
本発明に係る打込み工具の更なる形態によれば、緩衝材は、回転軸と回転部材との間において周方向に所定間隔で複数配置され、当該複数の緩衝材を介して回転軸の回転力が回転部材に伝達される構成とした。本発明によれば、打込み機構用駆動部材が打込み機構に機械的に係合したときに生ずる衝撃を、回転軸と回転部材との間に介在された緩衝材が周方向に関して弾性変形することによって緩和することができる。
本発明によれば、打込み工具において、打込み作業時の衝撃緩和に資する技術が提供されることとなった。
以下、本発明の実施形態につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。本実施の形態は、打込み工具の一例として充電式釘打機を用いて説明する。図1には本実施の形態に係る釘打機100の全体構成が外観斜視図として示される。図2及び図3には釘打機100の内部構造が断面図として示される。
図1〜図3に示すように、釘打機100は、概括的に見て、釘打機100の外殻を形成する工具本体としての本体部101と、作業者が握るハンドル部103と、被加工材に打ち込まれる打込み材としての釘が装填されるマガジン105とを主体として構成される。ハンドル部103は、本体部101の側部から当該本体部101の長軸方向(図1〜図3の上下方向)と交差する側方に向って突き出る状態で一体に設けられている。ハンドル部103の突出側端部(図1〜図3の右端)には、駆動モータ123の電源となる充電式のバッテリパック110が装着されている。駆動モータ123は、本発明における「モータ」に対応する。
なお、図1〜図3には釘打機100の下向き状態、すなわち本体部101の先端部(下端部)が被加工材に向けられた状態が示される。このため、図1〜図3において下向き方向が釘の打込み(発射)方向(長軸方向)であり、ドライバ141による釘の打撃方向となる。
本体部101の先端部(図1〜図3において下方)には、釘の射出口を構成するドライバガイド121が配置されている。マガジン105は、本体部101の先端側において、ハンドル部103と概ね並行するように配置され、釘供給側先端部がドライバガイド121に連結され、他端側がハンドル部103の突出端部側に連接されている。なお、マガジン105には、便宜上図示を省略するが、釘を供給方向(図1〜図3において左方)に押すためのプッシャプレートが備えられ、このプッシャプレートによって釘がドライバガイド121の打込み孔121a内に打込み方向と交差する方向から1本ずつ供給されるよう構成されている。打込み孔121aは、釘の打込み方向において貫通されている。なお説明の便宜上、本体部101の長軸方向の先端側(図示下側)を前、その反対側を後という。また、本体部101の長軸方向と交差する方向の、ハンドル部103側を背面、その反対側を正面という。
本体部101は、図2及び図3に示すように、概ね筒状に形成された樹脂製の本体ハウジング107と、駆動モータを収容するモータハウジング109を主体として構成される。モータハウジング109は、本体ハウジング107の先端側においてマガジン105に近接して配置されるとともに、本体ハウジング107に接合されている。駆動モータ123は、ハンドル部103に配置されたモータ駆動用の第1電子スイッチ192がオン状態に操作されることで通電駆動されるよう構成される。
ハンドル部103の構成が図2の一部を拡大した図9に示される。ハンドル部103は中空部材として構成されている。ハンドル部103内に配置された第1電子スイッチ192は、常時には内蔵の復帰バネ(便宜上図示を省略する)によってオフ状態に保持されており、ハンドル部103に回動軸195回りに回動自在に取付けられたトリガロックレバー191が作業者により回動操作(図9の二点鎖線参照)されたとき、当該ロックレバー191の先端作動部191aによって押動される連係レバー193でアクチュエータを押されてオン状態とされる。
トリガロックレバー191は、作業者による回動操作が解除された状態では、戻しバネ194の付勢力によって第1電子スイッチ192をオフ状態とする初期位置に保持される。トリガロックレバー191は、先端作動部191aと反対側にはトリガロック用のロック部191bを備えている。このロック部191bは、トリガロックレバー191が初期位置に置かれたとき、釘打ち操作用(後述する電磁ソレノイド181駆動用)のトリガ185に形成された係合部185aに対し後面側から係合し、これにより当該トリガ185の引き操作を規制(ロック)する構成とされる。すなわち、トリガ185は、トリガロックレバー191が作業者により回動操作されてロック部191bによる操作規制が解除されない限り、引き操作が禁止される構成とされる。
本体ハウジング107は、図2及び図3に示すように、正面側が開口されたドライバ141の長軸方向に長い箱型形状とされ、正面側開口部がカバープレート107Aによって塞がれている。カバープレート107Aは、ネジ107Bによって本体ハウジング107に着脱自在に止着されている。本体ハウジング107の内部には、駆動モータ123の動力を伝達する動力伝達機構111、動力伝達機構111から介して入力される動力を受けて作動するドライバ駆動機構113、ドライバ駆動機構113によって駆動され、打込み材を被加工材に打込むためのドライバ機構115、打込み動作後のドライバ機構115を動作前の待機位置に戻すドライバ戻し機構117が収容される。
動力伝達機構111の構成が図2の一部を拡大して示す図8の断面図及び釘打機100を正面側から見た図7に示される。動力伝達機構111は、駆動モータ123の出力軸123a上に設けられた駆動Vプーリ125(図7参照)と、回転軸126上に設けられた被動Vプーリ127と、両Vプーリ125,127間に掛けられたVベルト129とを主体として構成される。出力軸123aと回転軸126は、互いに平行に、かつ釘の打込み方向、すなわちドライバ141の長軸方向(本体部101の長軸方向)に対し交差状に配置されている。また、出力軸123aと回転軸126の軸線方向は、マガジン105の延在方向、ハンドル部103の突出方向に対し概ね並行する方向に設定されている。
ドライバ駆動機構113の構成が図8及び釘打機100を正面側から見た図5に示される。ドライバ駆動機構113は、釘の打込みに必要な運動エネルギーを稼ぐべく所定の質量を備える略長方形状(円盤状でも構わない)の質量体として構成されるフライホイール131と、当該フライホイール131にその回転軸方向に進退自在(移動自在)に設けられた2本の打込みピン133と、打込みピン133をフライホイール131の一方の側面から突出(進出)させるカムプレート137とを主体として構成される。フライホイール131は、本発明における「回転部材」に対応し、打込みピン133は、本発明における「打込み機構用駆動部材」に対応する。フライホイール131は、回転軸126上に固定され、被動Vプーリ127と一体に回転駆動される構成とされる。したがって、駆動モータ123が通電駆動された状態では、動力伝達機構111を介してフライホイール131が常時に回転駆動される。
2本の打込みピン133は、フライホイール133の回転中心に対称に配置されている。換言すれば、2本の打込みピン133は、フライホイール133の回転中心からの距離(半径)が等しく、かつ互いに180度の位相差とされる偏心した位置に配置されている。したがって、2本の打込みピン133は、フライホイール133が回転するとき、当該フライホイール133の回転軸線回りを回転(公転)する。2本の打込みピン133は、フライホイール131に形成された通し孔131aを貫通して延在する長軸方向長さを有し、長軸方向の一端がフライホール131の一方の側面から引込む(後退する)方向にコイルバネ135による付勢力が付与されている。コイルバネ135は、打込みピン133の他端に設けたバネ受け136とフライホイール131の他方の側面との間に介在されている。これにより、打込みピン133は、常時にはフライホール131の一方の側面から突出しない引込み位置(実際にはフライホイール131の側面と概ね面一となる後退位置)に保持される構成とされる。コイルバネ135は、本発明における「付勢部材」に対応する。以下、説明の便宜上、フライホイール131の一方の側面を正面といい、他方の側面を背面という。
図12にカムプレート137が部品図として示される。カムプレート137は、フライホイール131の背面と対向するように、当該フライホイール131と被動Vプーリ127との間に配置される。カムプレート137は、本発明における「カム部材」に対応する。カムプレート137は、略矩形の平板状に形成されるとともに、フライホイール131の回転軸線と交差する前後方向、すなわちドライバ141の長軸方向(本体部101の長軸方向)に直線状に移動可能とされている。
カムプレート137のフライホイール131と対向する側面の後端側(ドライバ141と反対側)には、当該フライホイール131とともに回転する打込みピン133の回転方向に延在するスロープ状のカム面138が側面から突出状に形成されている。そして、カムプレート137が後方へ移動された場合には、カム面138が打込みピン133の回転軌跡から外れる位置に置かれ、前方へ移動された場合には、カム面138が打込みピン133の回転軌跡(公転軌跡)と対向する位置、すなわち打込みピン133の他端と係合可能(当接可能)な位置に置かれる構成とされる。カム面138が打込みピン133の回転軌跡から外れる位置が、本発明における「突出させない休止領域」に対応し、カム面138が打込みピン133の回転軌跡上に置かれる位置が、本発明における「突出させる作動領域」に対応する。
カムプレート137は、フライホイール131が1回転する間(打込みピン133が1周する間)に、後述するカム切替機構119によって休止領域としての後方位置と作動領域としての前方位置との間で1往復される構成とされる。そして、カムプレート137のカム面138の幅(カムプレート137の移動方向長さ)については、例えば、カムプレート137が休止領域から作動領域へと移動後、再び休止領域へと戻るまでの1往復動作中の大部分の範囲においてカム面138が打込みピン133の回転軌跡上に置かれるように設定されている。
カムプレート137は、常時には打込みピン133を突出させない位置、すなわち休止領域に置かれ、釘打ち要求に応じて打込みピン133を突出させる位置、すなわち作動領域へと移動される構成とされる。具体的には、カムプレート137は、ハンドル部103に配置されたトリガ185の引き操作で第2電子スイッチ184がオン状態とされ、かつドライバガイド121の先端に配置されたコンタクトアーム189がその先端189aを被加工材に押し付けられて後退動作することで第3電子スイッチ186がオン状態とされた場合に駆動するカム切替機構119によって駆動され、フライホイール131の1回転に対し、休止領域と作業領域との間を1往復するように構成されている。このことについては、後述する。
カム面138が打込みピン133の回転軌跡と対向する作動領域に置かれた場合、打込みピン133は、カムプレート137を横切って移動する際、その他端(フライホイール131の背面側の端部)がカム面138に乗り上がり、相対的に一端(フライホイール131の正面側の端部)がフライホイール131の正面から突出する。フライホイール131の正面から突出する一端が、後述するドライバ機構115と係合する係合突部134として定められる。カム面138の長さ、すなわちカムプレート137の移動方向と交差する方向の長さ(スロープ長さ)は、打込みピンの回転領域(360度)のうちの所定角度範囲、本実施の形態では、約40度前後を占めるように設定されている。したがって、打込みピン133は、360度のうちカム面138上を移動する40度の領域については、係合突部134がフライホイール131の正面から突出されるが、それ以外の領域では、突出されない。あるいはコイルバネ135によって引込み位置に戻される。
カムプレート137の中央部には、当該カムプレート137を貫通して延在する回転軸126との干渉を回避するべく、カムプレート137の移動方向に長い長円形の逃がし孔137aが形成され、また逃がし孔137aの長軸方向の両脇に同方向に延びるガイド孔137bが形成されている。これら各ガイド孔137bに対し、本体ハウジング107内の固定プレート108に取付けられたガイド部材としてのガイドピン139が各1本ずつ相対摺動自在に係合され、これによってカムプレート137の移動動作の安定化が図られている(図8及び釘打機100を正面側から見た図6参照)。なお、固定プレート108は、本体ハウジング107に対してネジ108aによって止着されている。
次にドライバ機構115につき説明する。ドライバ機構115の構成が図5、図8及び図13に示される。図13はドライバ機構115を本体ハウジング107の内側から見た図である。ドライバ機構115は、本発明における「打込み機構」に対応する。ドライバ機構115は、ドライバ141とリンクアーム143とを主体として構成される。ドライバ141は長尺状の棒状部材からなり、本体部101の長軸方向に直線状に移動し、ドライバガイド121の打込み孔121a内を前方に移動して釘を打込む作動部材として機能する。リンクアーム143は、打込みピン133の回転動作を直線運動に変換してドライバ141を駆動する運動変換部材であり、一端がドライバ141の長軸方向一端(後端)と連結ピン145によって相対回動自在に連結されるとともに、後方に向かって傾斜状に延在されており、当該延在端部にはフライホイール131の正面から突出された打込みピン133の係合突部134が係合可能な係合凹部144を有する。係合凹部144は、打込みピン133の係合突部134が当該打込みピン133の径方向への移動により挿入して係合することを許容する開口を備えた概ねC形に形成されている。
ドライバ141及びリンクアーム143は、本体ハウジング107の正面開口部を塞ぐカバープレート107Aの内面側に配置されている(図13参照)。ドライバ141は、その先端(前端)がドライバガイド121の打込み孔121a内を移動することと、ドライバ141とリンクアーム143とを連結する連結ピン145がカバープレート107Aに形成された長軸方向に延在する直線状のガイド孔107aに沿って移動することによって直線動作が規定される。またリンクアーム143の延在端部側には、延在方向と交差する方向のガイド部材としてのガイドピン147が設けられ、このガイドピン147がカバープレート107Aに形成された略半円弧状のガイド孔107bに沿って移動する(図1及び図13参照)。
ドライバ141及びリンクアーム143は、常時には後述するドライバ戻し機構117によって待機位置に保持される。待機位置とは、ドライバ141がドライバガイド121から最も離間した後方(図1において上方)に戻され、カバープレート107Aのガイド孔107bを通じて外表面に突出されているガイドピン147が、当該カバープレート107Aの外側に取付けられたストッパピン149(図1参照)に当接される位置をいう。この待機位置では、ドライバ141の前端がドライバガイド121の打込み孔121aの後端(上端)に置かれ、リンクアーム143のC形係合凹部144が打込みピン133の係合突部134と係合可能な位置に置かれる。
待機位置に置かれたリンクアーム143のC形係合凹部144は、打込みピン133の係合突部134がカムプレート137によってフライホイール131の正面から突出された際、当該突出された係合突部134と係合可能とされる。C形係合凹部144に対する係合突部134の係合動作は、打込みピン133がカムプレート137のカム面138を通過する前に行なわれるように設定されている。そして、当該係合状態は打込みピン133がフライホイール131の回転軸線回りを概ね半回転する間にわたって維持され、これによりリンクアーム143を介してドライバ141が前方へと移動して釘の打込み動作を遂行する。
上記のC形係合凹部144に対する係合突部134の係合は、それらの係合面の摩擦によって維持される。しかしながら、釘の打込み動作時の衝撃あるいは負荷の変動によってC形係合凹部144に対して係合突部134が瞬間的に離間することが考えられ、それに起因して引込み方向にバネ付勢されている打込みピン133の係合突部134がC形係合凹部144から長軸方向に抜け出る可能性がある。
このような不具合に対応するべく、本実施の形態では、図14に示すように、打込みピン133の係合突部134が円錐形状(テーパ面134a)に形成され、C形係合凹部144が同様に円錐形状(テーパ面144a)に形成されている。これにより係合突部134のC形係合凹部144からの長軸方向への抜け出しが規制されている。すなわち、本実施の形態によれば、リンクアーム143に対する打込みピン133の係合状態を維持し、ドライバ141による釘打込み動作の確度を向上することができる。
ドライバ141の打込み動作が終了した時点で、C形係合凹部144に対する打込みピン133の係合が解除されるように定められている。すなわち、ドライバ141が打込み端へと移動された際、打込みピン133の係合突部134がC形係合凹部144の開口部分から径方向に抜け出るように構成されている。そして、打込みピン133は、係合突部134がC形係合凹部144から抜け出ると同時にコイルバネ135によって元の引込み位置に戻される。
打込み動作後のドライバ141を待機位置に戻すドライバ戻し機構117の構成が主に図1に示される。ドライバ戻し機構117は、ドライバ141を引き戻すつる巻バネ151及び当該つる巻バネ151を保持するとともに、本体ハウジング107のカバープレート107Aの外表面に配置されたバネ保持用のホイール153を主体として構成される。つる巻バネ151は、その一端151aがホイール153側に掛止され、他端151bがカバープレート107Aの外表面に突出されたガイドピン147の外側端部に掛止されている。したがって、つる巻バネ151は、打込みピン133によってドライバ141が打込み動作される際には、ガイドピン147を介して締め付け方向に変形されて弾性エネルギーを蓄え、打込みピン133のリンクアーム143に対する係合が解除され、ドライバ141による釘の打込み動作が完了すると同時に当該弾性エネルギーによってドライバ141を待機位置へ戻す。なお、カバープレート107Aの外表面に配置されたドライバ戻し機構117を含むカバープレート107Aの全体は、フロントカバー106によって覆われている。
ところで、本実施の形態によれば、打込みピン133の係合突部134は、リンクアーム143のC形係合凹部144に対して高速で係合(衝突)することになる。このため、当該係合は衝撃を伴うことになる。そこで、かかる衝撃を緩和するべく衝撃緩和機構120を備えている。衝撃緩和機構120の構成が図3の一部を拡大して示す図10の断面図に示される。
本実施の形態に係る衝撃緩和機構120は、フライホイール131と回転軸126間に介在される弾性体としてのゴムリング155を主体として構成される。ゴムリング155は、本発明における「緩衝材」に対応する。回転軸126には当該回転軸126と一体に回転するハブプレート157が固定され、このハブプレート157にフライホイール131が同軸で相対回転可能に取付けられている。そして、ハブプレート157とフライホイール131は、周方向に適宜間隔で配置された複数のゴムリング155を介して相互に接合されている。各ゴムリング155は、フライホイール131に形成された長軸方向に貫通する複数の円形のゴム取付孔131b内に各一個ずつ配置されるとともに、当該ゴムリング155のリング孔を貫通してハブプレート157にねじ込まれた取付ネジ159よって固定されている。ゴムリング155は、その内周が取付ネジ159のネジが切られていない円筒部外周面に密接され、外周がゴム取付孔131bの内周面に密接されている。
かくして、フライホイール131は、ハブプレート157に対し周方向にゴムリング155の弾性たわみ相当分だけ相対回動が許容される。このため、釘打機100による釘打ち作業時において、回転運動する打込みピン133の係合突部134が静止状態に置かれたリンクアーム143のC形係合凹部144に係合(衝突)する際に生ずる衝撃を、ゴムリング155の弾性たわみによるフライホイール131の周方向の相対回動によって緩和し、動力を伝達する部材の耐久性を向上することができる。なお、上記では、ゴムリング155を配置するためのゴム取付孔131bをフライホイール131に設定したが、これをハブプレート157側に設定してもよい。
次にカム切替機構119につき、説明する。カム切替機構119の構成が主に図7、図8及び図15〜図17に示される。カム切替機構119は、駆動側シンクロプーリ(ギア)161、被動側シンクロプーリ163(ギア)、シンクロベルト165、クランクシャフト167、クランクプレート169、クランクピン168、スプリングクラッチ171、及び電磁ソレノイド181を主体として構成される。駆動側シンクロプーリ161は、カムプレート137の背面側において回転軸126に固定され、フライホイール131と共に一体に回転駆動される。クランクシャフト167、クランクプレート169及びクランクピン168によってクランク機構が構成される。
クランクシャフト167は、回転軸126と並行に配置されるとともに、本体ハウジング107に回転自在に支持されている。被動側シンクロプーリ163は、クランクシャフト167に対しオイルレスベアリング164を介して当該オイルレスベアリング164と共に相対回転自在に取付けられている。シンクロベルト165は、一定ピッチで配列された歯を有する歯付ベルトであり、駆動側シンクロプーリ161と被動側シンクロプーリ163とに掛けられ、常に両プーリ161,163の減速比を一定に維持する。
クランクプレート169は、クランクシャフト167の一端に固定状に取付けられている。クランクプレート169には当該クランクプレート169の回転中心から所定の距離でシフトした位置にクランクピン(偏心ピン)168が設けられ、当該クランクピン168は、カムプレート137の前端側(カム面138と反対側)に形成された長孔137cに遊嵌状に係合されている(図5参照)。長孔137cは、ドライバ141の長軸方向(カムプレート137の移動方向)と交差する方向に延在されている。これにより、カムプレート137は、クランクシャフト167が回転駆動された際、クランクプレート169の回転中心回りに回転動作(公転)するクランクピン168のドライバ長軸方向成分によって前後方向に移動される構成とされる。
スプリングクラッチ171の構成が図15に示される。スプリングクラッチ171は、クラッチハブ172、クラッチスリーブ173及びコイル状の角バネ(トーションスプリング)175を主体として構成される。クラッチハブ172とクランクシャフト167は一体になっている。クラッチスリーブ273は、クラッチハブ172に対して同軸で相対回転自在に組み付けられている。角バネ175は、クラッチハブ172の外周とオイルレスベアリング164の外周とに跨って同軸で配置されるとともに、クラッチスリーブ173側の端末175aが当該クラッチスリーブ173に係止されている。
電磁ソレノイド181は、図8に示すように、ブラケット182を介して本体ハウジング107に固定状に取付けられており、直線状に駆動する可動鉄心181aに連結された棒状のストッパ183を有する。ストッパ183は、クラッチスリーブ173の長軸方向と交差する方向(径方向)に直線動作するように配置されている。そして、ストッパ183は電磁ソレノイド181の非通電時(非励磁状態)には、図16に示すように、クラッチスリーブ173に向かって突出動作して当該クラッチスリーブ173の外周に形成された突部173aに周方向から係合し、これによりスプリングクラッチ171の回転を規制するストッパ部材として機能する。一方、通電時(励磁状態)には、図17に示すように、引込んで突部173aに対する係合を解除し、スプリングクラッチ171の回転を許容する構成とされる。
このため、ストッパ183がクラッチスリーブ173の突部173aに係合したスプリングクラッチ171の回転規制状態(図16に示す状態)では、角バネ175が拡径し、角バネ175の内周とオイルレスベアリング164の外周との間に滑り(クリアランスC)が生じて被動側シンクロプーリ163とクランクシャフト167間での動力の伝達が遮断される。すなわち、被動側シンクロプーリ163及びオイルレスベアリング164が空転する。一方、ストッパ183による突部173aに対する係合が解除されたスプリングクラッチ171の回転許容状態(図17に示す状態)では、角バネ175が縮径し、その内周がクラッチハブ172の外周及びオイルレスベアリング164の外周に密着(巻付く)する。これにより、被動側シンクロプーリ163の回転がスプリングクラッチ171を介してクランクシャフト167に伝達される。
本実施の形態では、駆動側シンクロプーリ161と被動側シンクロプーリ163の回転比、換言すればフライホイール131とクランクピン168の回転比が1対1となるように設定されている。すなわち、フライホイール131の1回転に対し、カムプレート137が休止領域と作業位置との間を1往復する構成とされる。そして、フライホイール131とクランクシャフト167とをシンクロベルト165によって接続したことにより、フライホイール131とクランクシャフト167間の同期伝動が可能であるとともに、軸間距離を自由に設定することができる。
電磁ソレノイド181は、作業者によるトリガ185の引き操作によって第2電子スイッチ184(図9参照)がオン状態とされ、かつコンタクトアーム189が被加工材に押し付けられることによって第3電子スイッチ186がオン状態とされた場合に通電状態とされ、第2電子スイッチ184と第3電子スイッチ186のいずれか一方がオフ状態では、非通電状態となるように構成されている。なお、第3電子スイッチ186は、図1のA方向から見た外観図としての図4に示される。
トリガ185は、図9に示すように、ハンドル部103に作業者による引き操作可能に配置されており、引き操作が解除されると、戻しバネ185bによって引き操作前の初期位置に戻される。トリガ185が引き操作されたときには、作動レバー187を介して第2電子スイッチ184がアクチュエータを押されてオン状態とされ、トリガ185の引き操作の解除によって第2電子スイッチ184が内蔵の復帰バネ(便宜上図示を省略する)によりオフ状態とされる。なお、前述したように、トリガ185は、前述したようにトリガロックレバー191によって引き操作が規制されており、当該トリガロックレバー191による操作規制が解除された場合に引き操作が許容される。
コンタクトアーム189は、ドライバガイド121の長軸方向に移動可能に取り付けられ、付勢バネ188(図5〜図7参照)によりドライバガイド121の先端から突出する方向に付勢されている。コンタクトアーム189が突出位置に置かれたときには第3電子スイッチ186がオフ状態とされ、コンタクトアーム189がその先端189aを被加工材に押し付けられて本体ハウジング107側に移動されたときに第3電子スイッチ186がオン状態とされるように構成される。
次に上記のように構成された釘打機100の作用および使用方法につき説明する。起動前の状態では、ドライバ141はドライバ戻し機構117によって待機位置に保持されている。カムプレート137はカム面138が打込みピン133と対向しない休止領域(後方位置)に置かれる。電磁ソレノイド181が非励磁状態にあり、ストッパ183が突出してクラッチスリーブ173の突部173aに係合してスプリングクラッチ171が動力遮断状態に保持されている(図16参照)。
かかる状態で、作業者がハンドル部103を把持してトリガロックレバー191を手前に回動操作(図9の二点鎖線参照)すると、当該トリガロックレバー191の先端作動部191aに押動される連係レバー193を介して第1電子スイッチ192がオン状態とされ、駆動モータ123が通電駆動される。駆動モータ123の回転出力は、駆動Vプーリ125、Vベルト129、被動Vプーリ127及び回転軸126を経てフライホイール131に伝達される。したがって、フライホイール131が回転駆動され、釘打ちに必要とされる運動エネルギーを蓄える。そして、フライホイール131に装着された打込みピン133が当該フライホイール131の回転軸線回りを回転する。このとき、カムプレート137のカム面138が当該打込みピン133の回転軌跡と対向しない休止領域にあるため、打込みピン133はフライホイール131に対して引込んだ位置のままで回転を継続する(カムプレート137の側面から離間している)。この状態が図8に示される。
一方、回転軸126の回転運動は、駆動シンクロプーリ161からシンクロベルト165を経て被動シンクロプーリ163に伝達されるが、このとき、スプリングクラッチ171が動力遮断状態にあるため、被動シンクロプーリ163及びオイルレスベアリング164が空転する。なお、駆動モータ123を駆動するべくトリガロックレバー191が回動操作されたとき、当該トリガロックレバー191のロック部191bがトリガ185の係合部185aから離間され、トリガ185のロックが解除される。
この状態で、トリガ185を引き操作すると、作動レバー187を介して第2電子スイッチ184がオン状態とされる。また、コンタクトアーム189の先端198aを被加工材に押し付けると、当該コンタクトアーム189が被加工材に押されて本体ハウジング107側に向って後退動作され、これにより第3電子スイッチ186がオン状態とされる。このように、第2電子スイッチ184及び第3電子スイッチ186がオン状態とされると、電磁ソレノイド181が通電される。
電磁ソレノイド181が通電され、可動鉄心181aと共にストッパ183が引込まれてクラッチスリーブ173の突部173aから外れる(図17参照)。すると、角バネ175が縮径し、その内周がオイルレスベアリング164の外周及びクラッチハブ172の外周に巻き付く。このため、被動側シンクロプーリ163の回転がスプリングクラッチ171を介してクランクシャフト167及びクランクプレート169に伝達される。すると、クランクプレート169に取付けられたクランクピン168が当該クランクプレート169の軸線回りに回転動作(公転)し、当該クランクピン168と長孔137cを介して係合するカムプレート137が前方へと移動される。これにより、カムプレート137のカム面138が、それまでの休止領域から打込みピン133の回転軌跡と対向する作動領域へと切替わる。このときの状態が図18に示される。また図19は図18のC−C線断面図である。
このようにカムプレート137が作動領域へ切替えられると、フライホイール131に取付けられた2本の打込みピン133のうち、先行する1本の打込みピン133がカム面138上に乗り上がり、コイルバネ135に抗してフライホイール131の正面から突出される(図18及び図19参照)。当該突出された打込みピン133は、その突出端部である係合突部134が、待機位置のリンクアーム143のC形係合凹部144に対し開口を通じて径方向から係合される(図20参照)。当該係合状態は、打込みピン133がカム面138を通過した後においても、係合突部134とC形係合凹部144の相互のテーパ面134a,144aによってコイルバネ135の付勢力に打ち勝って維持される。
打込みピン133と係合されたリンクアーム143は、当該打込みピン133の回転動作によって前方へと移動(移動途中が図5に示される)され、これに伴いドライバ141が直線状に前進し、その先端で釘を打撃して被加工材に打ち込む(図21参照)。このとき、つり巻バネ151がリンクアーム143と共に移動するガイドピン147を介して締め付け方向に変形されて弾性エネルギーを蓄える。
ドライバ141による釘の打込み動作が完了した時点で、打込みピン133の係合突部134がリンクアーム143のC形係合凹部144の開口部分から径方向に抜け出る。かくして、打込みピン133との係合が解除されたリンクアーム143は、つり巻バネ151によってドライバ141と共に待機位置に戻される。リンクアーム143は、待機位置への復帰途中で、先行する1本の打込みピン133に対して180度の位相差で配置されている他の1本の打込みピン133とすれ違うことになる。しかし当該他の1本の打込みピン133は、カム面138によってフライホイール131の正面から突出されたとしても、カム面138を通過した後、コイルバネ135により引込み位置に戻される。このため、復帰途中のリンクアーム143のC形係合凹部144に当該他の1本の打込みピン133が係合することがなく、二度打ちは防止される。
このように、本実施の形態によれば、カムプレート137が休止領域から作動領域へと移動後、再び休止領域へと移動される1回の往復動作を行なう場合において、フライホイール131が1回転されると、2本の打込みピン133がそれぞれ当該フライホイール131の回転軸回りを1周(1公転)し、そして2本の打込みピン133のうちのいずれか一方がドライバ機構115におけるリンクアーム143に係合して当該ドライバ機構115を駆動するが、他方の打込みピン133はリンクアーム143に対して係合されない構成としている。すなわち、ドライバ駆動機構113は、打込みピン133がドライバ機構115のリンクアーム143に対して係合する機会を2回有しつつも、そのうちの一回の係合機会のみが有効とされ(係合され)、他の一回の係合機会が取り消し(無効)とされるように構成されている。
換言すれば、フライホイール131の回転角度位置につき、打込みピン133がリンクアーム143と係合する位置(180度の位相差で2箇所)を第1の角度位置として規定し、打込み要求が入力(トリガ185の引き操作及びコンタクトアーム189の被加工材に対する押し付け動作により第2電子スイッチ184及び第3電子スイッチ186が共にオン動作)されたときの位置を第2の角度位置として規定した場合、フライホイール131が第2の角度位置にあるとき、カムプレート137のカム面138が休止領域に置かれ、フライホイール131が第2の角度位置から第1の角度位置へ変化するまでの間にカムプレート131のカム面138が休止領域から作動領域へと移動し、フライホイール131が第1の角度位置に到達したときに、カムプレート137のカム面138が未だ作動領域に置かれるように構成される。
本実施の形態によれば、上記のような構成とすることによって、ドライバ機構115による二度打ちが防止され、確実に1度だけ打込み材を打込むことができる。
なお、通電後の電磁ソレノイド181は、クラッチスリーブ173が1回転する前に通電が遮断される。このため、ストッパ183がクラッチスリーブ173に向かって突出され、その先端がクラッチスリーブ173の外面(カム面)に当接される。そして、クラッチスリーブ173が1回転した時点で突部173aに係合し、クラッチスリーブ173の回転を規制する。すなわち、スプリングクラッチ171が動力を遮断する状態に切り替えられる。これにより、カムプレート137は休止領域と作動領域間を1往復した後は、電磁ソレノイド181が再度通電されるまで休止領域に待機する。
釘打ちを連続して行なう場合には、例えばトリガ185を引き操作位置に保持したままで、コンタクトアーム189を被加工材から一旦離間させて打込み場所を変えた後、被加工材に再度押し付けると、第2電子スイッチ184及び第3電子スイッチ186が共にオン状態とされるため、電磁ソレノイド181が通電される。あるいはトリガ185の引き操作を解除後、コンタクトアーム189を押し付け状態のままで被加工材上を滑らせて打込み場所を変えた後、トリガ185を再度引き操作した場合にも、第2電子スイッチ184及び第3電子スイッチ186が共にオン状態とされるため、電磁ソレノイド181が通電される。これにより、カムプレート137が休止領域と作動領域間で切替動作されるため、上記と同様のドライバ141による釘打ちを行うことができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、フライホイール131を回転駆動したままの状態で、ドライバ141による釘の打込み動作を連続して行なうことができる。このため、釘打ちを行う際、その都度モータを通電駆動してフライホイールを回転駆動する方式であって、フライホール133が運動エネルギーを確保する回転数に達してから釘打ち動作に移行する構成の従来の釘打機に比べて、連続した釘の打込み動作を素早く行なうことが可能となる。すなわち連射が可能となり、作業効率を向上することができる。
また、本実施の形態においては、フライホイール131が1回転する間にカムプレート137が休止領域と作動領域との間を1往復するように設定されている。つまり、カムプレート137はフライホイール131が半周する間に休止領域から作動領域へ移動され、残りの半周で作動領域から休止領域へ移動される構成である。また、カム面138の長さ(スロープ長さ)は、打込みピンの回転領域(360度)のうちの180〜220度分(約40度)を占めるように設定され、またカムプレート137のカム面138の幅については、前述したように、カムプレート137が休止領域と作動領域間を1往復する間の大部分の範囲においてカム面138が打込みピン133の回転軌跡上に置かれるように設定されている。
上記の構成から、打込みピン133がカム面138上を通過できるのは、フライホイール131の1回転中(360度)で約40度分である。一方、打込みピン133は、フライホイール131に対して180度の位相差で2本配置する構成としている。このため、電磁ソレノイド181を通電してカムプレート137を切替駆動するための作業者による釘打込み操作、すなわちトリガ185の引き操作と、コンタクトアーム189の被加工材に対する押し付け動作がどのようなタイミングで行なわれたとしても、フライホイール131が1回転する間に2本の打込みピン133のいずれか一方のみをカムプレート137のカム面138によってフライホイール131の正面から突出させてリンクアーム143に係合させることが可能となる。
例えば、最悪のタイミングと考えられる、先行する一方の打込みピン133がカム面138を通過した時点でカムプレート137が作動領域に移動された場合を想定してみる。この場合、遅れている他方の打込みピン133は、先行する一方の打込みピン133がカム面138を通過した時点を起点として約140度回転した時点でカム面138に達することになる。一方、カムプレート137は、打込みピンと1対1で同期回転するクランクピン168によって駆動される構成であり、先行する一方の打込みピン133がカム面138を通過した時点でカムプレート137が作動領域に到達したと考えると、その後少なくとも40度分回転する間、カム面138が作動領域に置かれるようにカム面138の幅を設定することで、他方の打込みピン133を突出させることが可能になる。その結果、カムプレート137の1往復する間において打込みピン133とリンクアーム143との係合は一回のみとさせることができる。したがって、本実施の形態によれば、作業者の釘打込み操作に対し、確実に1度だけ打込み材を打込むことができる。
また、本実施の形態においては、動力伝達機構111をベルト駆動方式としたことにより、ドライバ141による打込み材の打込み動作中に、何らかの不具合によってフライホイール131が急停止したような場合、Vベルト129と駆動Vプーリ125間、あるいはVベルト129と被動Vプーリ127でスリップすることで、駆動モータ123のロックを回避できる。これにより駆動モータ123の損傷、あるいはバッテリの損傷を防止することができる。
また、本実施の形態では、打込みピン133の係合突部134とリンクアーム143のC形係合凹部144との相互の係合面をテーパ状に形成したことで、係合突部134とC形係合凹部144の係合状態を確保することが可能となり、ドライバ141による釘打ち動作の確度を高めることができる。
また、本実施の形態によれば、ハブプレート157とフライホイール131とを周方向に配置された複数のゴムリング155を介して接続する構成としたことにより、打込みピン133とリンクアーム143との係合時の衝撃を緩和し、これにより動力伝達に用いられる部材の耐久性を向上することができる。
なお、本実施の形態では、フライホイール131と回転軸126間に弾性体としてのゴムリング155を介在することで衝撃緩和機構120を構成するとしたが、弾性体の配置箇所については、当該部位に限られるものではない。例えば、打込みピン133とリングアーム143との間に介在する構成、あるいはフライホイール131と打込みピン133との間に介在する構成に変更することが可能である。
また、本実施の形態は、カムプレート137を、常時には休止領域に置くとともに、打込み要求に応じて作動領域にスライドさせて切り替えるカム切替機構119を備えた構成の釘打機100の場合を例にして説明したが、このようなカムプレート137のスライド方式に限定されない。例えば、米国特許第6,971,567明細書に記載された構成の釘打機、すなわちモータが回転駆動されると、フライホイール及びカムプレートが所定の減速比で同方向に回転し、そして、当該回転によってフライホイールとカムホイール間に生ずる回転数の差、すなわち相対回転を利用して当該カムホイールに形成された周方向の所定長さのスロープによって打込みピンを突出させる構成の釘打機に適用することが可能である。
また、本実施の形態は、打込み工具として釘打機を例にして説明したが、釘打機以外のタッカー、ステープラーと呼ばれる打込み工具に適用してもよい。
本実施の形態に係る釘打機100の全体構成を示す外観斜視図であり、本体ハウジング107の正面を覆うフロントカバー106が二点鎖線で示される。 釘打機100の内部構造を示す縦断面図である。 図2とは断面箇所を変えて釘打機100の内部構造を示す縦断面図である。 図1のA方向から見た外観図である。 フロントカバー106及びカバープレート107Aを省略した状態の釘打機100を示す正面図である。 図5においてフライホイール131を更に省略した状態の釘打機100を示す正面図である。 図6においてカムプレート137を更に省略した状態の釘打機100を示す正面図である。 図2の一部を拡大して示す断面図であり、本体ハウジング107内に配置された動力伝達機構111、ドライバ駆動機構113、ドライバ機構115等が示される。 図2の一部を拡大して示す断面図であり、ハンドル部103に配置されたトリガ185、トリガロックレバー191等が示される。 図3の一部を拡大して示す断面図であり、衝撃吸収機構120が主体に示される。 図2のB−B線断面図である。 カムプレートを示す斜視図である。 ドライバ機構115を本体ハウジング107の内側から見た図である。 打込みピン133とリンクアーム143の係合部に関する形状の説明図である。 カム切替機構119及びスプリングクラッチ171を示す断面図である。 電磁ソレノイド181によるスプリングクラッチ171の動作説明図であり、動力の遮断状態を示す。 電磁ソレノイド181によるスプリングクラッチ171の動作説明図であり、動力の伝達状態を示す。 ドライバ141による釘打ち動作を説明する図であり、カムプレート137が作動領域に切り替えられ、かつ打込みピン133がカムプレート137のカム面(スロープ)によってフライホイール131の正面から突出された状態を示す。 図18のC−C線断面図である。 フライホイール131の正面から突出された打込みピン133(二点鎖線で示す)がドライバ機構115に係合する直前の状態を示す説明図である。 打込みピン133によるドライバ機構115の駆動状態(釘打ち動作)を示す説明図である。
符号の説明
100 釘打機(打込み工具)
101 本体部
103 ハンドル部
105 マガジン
106 フロントカバー
107 本体ハウジング
107A カバープレート
107a ガイド孔
107b ガイド孔
107B ネジ
108 固定プレート
108a ネジ
109 モータハウジング
110 バッテリパック
111 動力伝達機構
113 ドライバ駆動機構
115 ドライバ機構(打込み機構)
117 ドライバ戻し機構
119 カム切替機構
120 衝撃緩和機構
121 ドライバガイド
121a 打込み孔
123 駆動モータ(モータ)
123a 出力軸
125 駆動Vプーリ(駆動プーリ)
126 回転軸
127 被動Vプーリ(被動プーリ)
129 Vベルト(ベルト)
131 フライホイール(回転部材)
131a 通し孔
131b ゴム取付孔
133 打込みピン(打込み機構用駆動部材、ピン)
134 係合突部(係合凹部と係合する領域)
134a テーパ面
135 コイルバネ(付勢部材)
136 バネ受け
137 カムプレート(カム部材)
137a 逃がし孔
137b ガイド孔
137c 長孔
138 カム面(スロープ)
139 ガイドピン
141 ドライバ
143 リンクアーム
144 C形係合凹部(係合凹部)
144a テーパ面
145 連結ピン
147 ガイドピン
149 ストッパピン
151 つる巻バネ
151a 一端
151b 他端
153 ホイール
155 ゴムリング(緩衝材)
157 ハブプレート
159 取付ネジ
161 駆動側シンクロプーリ
163 被動側シンクロプーリ
164 オイルレスベアリング
165 シンクロベルト
167 クランクシャフト
168 クランクピン
169 クランクプレート
171 スプリングクラッチ
172 クラッチハブ
173 クラッチスリーブ
173a 突部
175 角バネ
175a 端末
181 電磁ソレノイド
181a 可動鉄心
182 ブラケット
183 ストッパ
184 第2電子スイッチ
185 トリガ
185a 係合部
185b 戻しバネ
186 第3電子スイッチ
187 作動レバー
188 付勢バネ
189 コンタクトアーム
189a 先端
191 トリガロックレバー
191a 先端作動部
191b ロック部
192 第1電子スイッチ
193 連係レバー
194 戻しバネ
195 回動軸

Claims (2)

  1. モータと、
    前記モータによって回転駆動される回転軸と、
    前記回転軸と共に回転する回転部材と、
    前記回転部材に設けられて、当該回転部材の回転軸方向に進退自在に突出する打込み機構用駆動部材と、
    前記打込み機構用駆動部材を後退させる方向に付勢する付勢部材と、
    前記打込み機構用駆動部材を突出させる作動領域と、突出させない休止領域との間で、前記回転部材に対して相対移動可能なカム部材と、
    前記カム部材が作動領域に置かれた場合に、当該カム部材によって前記回転部材の回転軸方向に突出された前記打込み機構用駆動部材と機械的に係合し、打込み材の打込み動作を行う打込み機構と、
    を有する打込み工具であって、
    前記回転軸と前記回転部材との間、前記回転部材と前記打込み機構用駆動部材との間、及び前記打込み機構用駆動部材と前記打込み機構との間の少なくとも1つには、緩衝材が介在されていることを特徴とする打込み工具。
  2. 請求項1に記載の打込み工具であって、
    前記緩衝材は、前記回転軸と前記回転部材との間において周方向に所定間隔で複数配置され、当該複数の緩衝材を介して回転軸の回転力が回転部材に伝達される構成としたことを特徴とする打込み工具。
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