以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについて重複する説明は省略する。
(第1の実施の形態)
図1は、本実施形態における遊技機1の一例を示す正面図である。遊技機1は、遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が各種入賞口に入球すると賞球を払い出すように構成されたものである。この遊技機1は、透明ガラス板2aが嵌め込まれた窓部2を有する枠部材3と、その枠部材3の窓部2の背面側に着脱自在に取り付けられる遊技盤10とを備えている。
枠部材3は窓部2の下部右側に遊技者が操作するハンドルレバー4を備えており、遊技者がこのハンドルレバー4を時計方向に回転操作すると、その操作角度に応じた打球力で遊技球が遊技盤10の盤面に所定の時間間隔で打ち出されるようになっている。また枠部材3は、窓部2の上部左右両側に設けられたスピーカ5と、窓部2の上部および下部のそれぞれ中央に設けられた枠ランプ6とを備えており、スピーカ5は楽曲や音声、効果音などを発することで各種の演出を行い、枠ランプ6は点灯点滅のパターンや発光色の違いなどで各種の演出を行うように構成されている。
図2は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。遊技盤10は、正面側に相当する遊技盤面10aにおいて外側レール11と内側レール12とで囲まれた遊技領域13を有しており、遊技者がハンドルレバー4を操作することによって打ち出される遊技球は外側レール11と内側レール12との間から遊技領域13の左上の部分に打ち出される。その遊技領域13の内側には、遊技盤10の略中央に位置するように液晶表示デバイスなどで構成された画像表示器8が設けられており、さらにその画像表示器8の周縁にはセンター役物などとも呼ばれる飾り枠体14が設けられている。画像表示器8は、演出のための各種の画像を表示するためのものであり、遊技の進行に伴い、例えば大当たり抽選の抽選結果を、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄によって報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。飾り枠体14は画像表示器8の画面枠を規定しており、この飾り枠体14には演出用の種々のランプや可動物などが配置されている。
遊技領域13における飾り枠体14の周囲には、多数の釘15、スルーゲート16、風車17、普通入賞口18、第1始動口19、電動チューリップ20、第2始動口21、第1大入賞口22、第1大入賞口22を開閉する第1役物23、アウト口24等の公知の部材が配置されている。また本実施形態では、飾り枠体14の上部に、第2大入賞口25と、第2大入賞口25を開閉する第2役物26と、第2大入賞口25への入賞を検知する第2大入賞口スイッチ28と、第2大入賞口スイッチ28の下流側に設けられた入賞検知済みの遊技球を案内する遊技球案内通路30とを備えている。また第2大入賞口25の右側には、遊技機1の遊技状態を報知するための遊技状態報知器29が設けられている。さらに、遊技領域13の外側で遊技盤面10aの右下部には、抽選結果や保留数に関する表示を行う表示器60が設けられている。
例えば、スルーゲート16は遊技領域13の左側上部に設けられている。スルーゲート16は、遊技機1において普通図柄抽選が行われる条件となるゲートであり、遊技球がこのゲートを通過すると普通図柄抽選が開始される。普通入賞口18は遊技領域13の下部の複数箇所に設けられている。普通入賞口18は、遊技球が入球した場合、所定球数の賞球を払い出すための入賞口である。
また第1始動口19は飾り枠体14の中央下方に設けられており、電動チューリップ20および第2始動口21は第1始動口19の下方に設けられている。電動チューリップ20は左右に開閉する羽根部材を備えており、電動チューリップ20が左右に開放していれば遊技球が第2始動口21に入球し易い状態となる。この電動チューリップ20は、遊技球がスルーゲート16を通過したことに伴って行われる普通図柄抽選に当選すると、左右の羽根部材が所定時間および所定回数開放するようになっている。第1始動口19および第2始動口21のそれぞれは、所定球数の賞球を払い出すための入賞口であると共に、遊技機1において大当たり抽選(特別図柄抽選)が行われる条件となる入賞口である。そのため、これら始動口19,21に遊技球が入球すると、大当たり抽選が行われ、画像表示器8において装飾図柄の変動表示が開始される。
第1大入賞口22および第1役物23は、電動チューリップ20のさらに下方に設けられている。第1役物23は、第1大入賞口22を開閉する役物であり、通常は第1大入賞口22を閉鎖した状態となっており、遊技機1における大当たり抽選(特別図柄抽選)で所定の当たりに当選すると、その大当たり遊技において第1大入賞口22の下縁に沿って配置された略水平な回動軸周りに回動して第1大入賞口22を開放するように構成されている。
また飾り枠体14の上部に設けられた第2役物26は、第2大入賞口25を開閉する役物であり、通常は第2大入賞口25を閉鎖した状態となっており、遊技機1における大当たり抽選(特別図柄抽選)で所定の当たりに当選すると、その大当たり遊技において第2大入賞口25を開放する。
図3は、第2大入賞口25および第2役物26の一構成例を示す図であり、(a)は第2役物26が第2大入賞口25を閉鎖した状態を、(b)は第2役物26が第2大入賞口25を開放した状態を示している。第2役物26は羽根状の部材によって構成されており、その下部には遊技盤面10aの背面方向に向かって延設された回動軸26aが取り付けられ、その先端にピニオン43が設けられている。また遊技盤10の背面側には第2役物26を駆動する第2役物ソレノイド41が設けられている。第2役物ソレノイド41は、鉛直下方に延びるラック42を上下動させることで、ラック42と歯合するピニオン43を回動させる。そして回動軸26aはピニオン43と一体的に回動することで、第2役物26の開閉動作を行うように構成されている。また第2大入賞口25には、遊技球を受けるトレー部材45が設けられている。このトレー部材45は遊技盤10の背面側に向かって下降傾斜しており、その最も低くなった部分に遊技球を遊技球案内通路30に導くための排出口46が形成されている。そして第2大入賞口スイッチ28はトレー部材45の下部に取り付けられており、第2大入賞口25に入球した遊技球が排出口46から遊技球案内通路30に導かれる際にその遊技球の入賞を検知する。このような第2役物26および第2大入賞口25は、飾り枠体14の上部左寄りの位置にあり、第2役物26が第2大入賞口25を開放すれば、遊技者がハンドルレバー4の操作角度を調整することにより、第2大入賞口25への入賞を狙いやすい位置に設けられている。
ここで本実施形態の遊技機1において大当たり抽選で当選する当たりの種別について説明する。本実施形態では、大当たり抽選において当選する当たりの種別として「大当たり」と「小当たり」の2つの当たりがあり、「大当たり」の場合には「長当たり」と「短当たり」のうちのいずれかの当たりが設定される。
「長当たり」は、第1役物23が第1大入賞口22を開閉する大当たりである。この「長当たり」が設定された大当たり遊技では、第1役物23の1回当たりの開放時間が比較的長い時間(例えば30秒など)に設定され、その設定時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば第1役物23を閉鎖するラウンドが所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返される。そのため、この長当たり状態では、第1役物23の開放中に遊技球が第1大入賞口22に入球する可能性が高く、遊技者は多くの賞球を獲得し得る遊技状態となる。そして大当たりの場合に「長当たり」が設定されると、その大当たり遊技後の遊技状態として、その後の大当たり抽選での大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動する確率変動モード(確変モード)と、大当たりの当選確率が通常確率のままである通常確率モード(通常モード又は非確変モード)とのいずれか一方が付与される。
これに対し、「短当たり」は、第2役物26が第2大入賞口25を開閉する大当たりである。この「短当たり」が設定された大当たり遊技では、第2役物26の1回当たりの開放時間が比較的短い時間(例えば0.1秒など)に設定され、その設定時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば第2役物26を閉鎖するラウンドが所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返される。この短当たり状態では、第2役物26の開放時間が遊技球の入球しにくい短い時間に設定されるため、第2役物26の開放中に遊技球が第2大入賞口25に入球する可能性は低く、遊技者は多くの賞球を獲得することが困難な遊技状態となる。また遊技機1は、大当たりとして「短当たり」を設定した場合、その大当たり遊技後における遊技状態として、その後の大当たり抽選での大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動する潜伏確率変動モード(潜伏確変モード)を設定する。そのため、「短当たり」が発生した後には、遊技機1におけるその後の大当たりの当選確率が高確率状態となる。
ここで確率変動モード(確変モード)と潜伏確率変動モード(潜伏確変モード)の違いについて説明すると、確率変動モードでは遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことを報知する演出が行われる。そのため、確率変動モードの場合、遊技者は確率変動モードに移行したことを容易に把握することができる遊技状態となる。これに対し、潜伏確率変動モードでは、遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことは、通常、遊技者に対して報知されない。そのため、潜伏確変モードの場合、遊技状態そのものは通常の遊技状態と変わるところがないので、遊技者が潜伏確変モードに移行したことを明確には把握することができない遊技状態となる。
一方、「小当たり」は上述した「大当たり」とは異なり、「小当たり」の前後で大当たり抽選における大当たりの当選確率は変動しないようになっている。この「小当たり」は、第2役物26が第2大入賞口25を開閉する当たりであり、「短当たり」の場合と同様に、第2役物26の1回当たりの開放時間が比較的短い時間(例えば0.1秒など)に設定され、その設定時間が経過するか或いは開放中に所定球数(例えば9個)の入球がカウントされれば第2役物26を閉鎖するラウンドが所定ラウンド数(例えば15ラウンド)繰り返し行われる。この小当たり状態は、「短当たり」の場合と同様に、第2役物26の開放時間が遊技球の入球しにくい短い時間に設定されるので、第2役物26の開放中に遊技球が第2大入賞口25に入球する可能性は低く、遊技者は多くの賞球を獲得することが困難な遊技状態となる。そして第2役物26の開閉動作は「小当たり」の場合と「短当たり」の場合で同じ動作になるので、遊技者は第2役物26の開閉動作からいずれの当たりであるかを判別することが難しい動作態様となっている。
このように本実施形態の遊技機1は、遊技盤10に設けられた始動口19,21に遊技球が入球したことを条件として大当たり抽選を行い、当選した場合にはその当たり種別に応じて遊技盤10に設けられた第1大入賞口22又は第2大入賞口25を開閉するように構成されている。尚、本実施形態では、「長当たり」の場合に第1役物23が第1大入賞口22を開閉する大当たり遊技が第1の大当たり遊技となっており、「短当たり」又は「小当たり」の場合に第2役物26が第2大入賞口25を開閉する大当たり遊技が第2の大当たり遊技となっている。
図2に戻り、第2大入賞口スイッチ28の下流側に設けられる遊技球案内通路30は、画像表示器8の上部前方側に配置されており、「短当たり」又は「小当たり」の大当たり遊技中に第2大入賞口25に入賞した遊技球が転動していく様子を遊技者が視認可能なように構成されている。この遊技球案内通路30は、第2大入賞口スイッチ29によって入賞検知済みの遊技球を、遊技盤面10aの右方向に案内する第1通路31と、左方向に案内する第2通路32とを有している。第1通路31と第2通路32とは、第2大入賞口スイッチ28の下方で分岐しており、第1通路31の先端部には遊技球を検知するための報知用検知スイッチ34が設けられている。そのため、遊技球が第1通路31に流入すると、第1通路31の下降傾斜に従って遊技盤10の右方向に転動していき、報知用検知スイッチ34によって検知された後、遊技盤10の背面側に排出されるようになっている。尚、第2通路32には、検知スイッチは設けられておらず、第2通路32に遊技球が流入すると、第2通路32の下降傾斜に従って遊技盤10の左方向に転動していった後、遊技盤10の背面側に排出されるようになっている。そして遊技球案内通路30における第1通路31と第2通路32との分岐部には、第2大入賞口スイッチ28によって第2大入賞口25への入賞が検知された後の遊技球を第1通路31と第2通路32のいずれか一方に振り分けるための振分部材33が設けられている。
図4および図5は振分部材33の一構成例とその動作を示す図であり、図4は入賞検知済みの遊技球を第1通路31に振り分ける場合を、図5は入賞検知済みの遊技球を第2通路32に振り分ける場合をそれぞれ示している。図4(a)および図5(a)に示すように振分部材33は、遊技球案内通路30の通路内に配置される羽根状の揺動部材50を有しており、この揺動部材50が遊技盤10の背面側に設けられる振分モータ51によって揺動駆動される構成である。すなわち、揺動部材50には、振分モータ51の回転動作に伴って回動する回動軸52が接続されており、振分モータ51が駆動されるとそれに伴って揺動部材50が所定角度範囲内で揺動する。振分モータ51は正逆双方向に回動可能なモータである。回動軸52には所定位置にスリット53aが形成された回転板53が取り付けられると共に、その回転板53に対向してスリット53aを非接触で検知する検知センサ54が設けられている。そのため例えば、検知センサ54がスリット53aを検知している間(オン状態の間)、振分モータ51は一方向への回転動作を行い、検知センサ54がスリット53aを検知しなくなった場合(オフになった場合)にその方向への回転動作を停止することにより、揺動部材50の揺動角度を所定角度範囲内に抑えることができる。
そして図4(a)に示すように羽根状の揺動部材50が左傾斜した状態のときに第2入賞口スイッチ28によって入賞が検知された遊技球が流入すると、その遊技球は、図4(b)に示すように振分部材33によって第1通路31に振り分けられる。この場合、遊技球は、第1通路31を転動していき、報知用検知スイッチ34によって検知された後に飾り枠体14の右側部分で遊技盤10の背面側に排出される。
また図5(a)に示すように羽根状の揺動部材50が右傾斜した状態のときに第2入賞口スイッチ28によって入賞が検知された遊技球が流入すると、その遊技球は、図5(b)に示すように振分部材33によって第2通路32に振り分けられる。この場合、遊技球は、第2通路32を転動していった後、飾り枠体14の左側部分で遊技盤10の背面側に排出される。
尚、振分モータ51は、第2大入賞口25に入賞した遊技球が第1通路31に振り分ける確率が所定の確率となるように予め定められた駆動パターンに基づいて振分部材33を揺動駆動するように構成されているが、これについては後に詳しく説明する。
第1通路31に設けられた報知用検知スイッチ23は、「短当たり」又は「小当たり」の大当たり遊技中に第2大入賞口25に入賞した遊技球が振分部材33によって第1通路31に振り分けられたことを検知するものである。そして遊技機1は、報知用検知スイッチ23が遊技球を検知すると、「短当たり」又は「小当たり」の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態とのいずれであるかを所定条件下で報知するように構成されている。これにより、大当たり抽選において遊技者が多くの賞球を獲得することが困難な当たりに当選した場合であっても、遊技者をその大当たり遊技に集中させることができる。すなわち、大当たり抽選において第2役物26が第2大入賞口25を開閉する第2の大当たり遊技が発生してもその大当たり遊技中は多くの賞球を獲得することが難しいため、遊技者の関心は第2の大当たり遊技後の遊技状態に集中するが、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球を入球させることができなければ、その後の遊技状態として潜伏確変モードが設定されたか否かを報知させることができないので、遊技者は、潜伏確変モードが設定されたことを期待してそれを報知させるために、第2の大当たり遊技中は第2大入賞口25に入球させることに集中するようになる。そして第2大入賞口25に入球させることができれば、その遊技球が第1通路31と第2通路32のいずれに振り分けられるかという点に関心を持ってその挙動を注目するようになる。
また遊技機1において「短当たり」又は「小当たり」の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態とのいずれであるか報知するための所定条件は、種々設定可能であるが、本実施形態では後述するように報知用検知スイッチ23が遊技球を検知したことに伴って乱数を用いた抽選を行い、その抽選に当選した場合に報知を行うように構成される。
また「短当たり」又は「小当たり」の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態とのいずれであるか報知する場合の報知態様も種々の報知態様があるが、本実施形態では例えば7セグメント表示器などで構成された遊技状態報知器29を利用して報知する。この場合、例えば潜伏確変モードであれば遊技状態報知器29に「7」を表示し、通常モードであれば「0」を表示する。またこの他にも、例えば潜伏確変モードを、「長当たり」の場合の確変モードに変更し、遊技機1において大当たりの当選確率が通常確率よりも高確率に変動したことを報知する演出表示などを行うようにしても良い。
次に図6は遊技盤面10aの右下に設けられた表示器60を拡大して示す図である。表示器60は、遊技球がスルーゲート16を通過することによって作動する普通図柄表示器61と、普通図柄抽選の保留数を表示する普通図柄保留表示器62と、遊技球が第1始動口19および第2始動口21に入球することによって作動する特別図柄表示器63と、大当たり抽選(特別図柄抽選)の保留数を表示する特別図柄保留表示器64とを備えている。
普通図柄表示器61は、遊技球がスルーゲート16を通過したことによって行われる普通図柄の抽選結果を表示するものであり、当選した場合には当選図柄(例えば○の図柄)を表示し、ハズレの場合にはハズレ図柄(例えば×の図柄)を表示する。この普通図柄表示器61は、遊技機1において普通図柄の抽選が行われると、当選図柄とハズレ図柄とを交互に点灯表示する変動表示を所定時間行った後、普通図柄の抽選結果に応じて当選図柄とハズレ図柄とのいずれか一方を点灯させる。そして普通図柄の抽選に当選した場合、普通図柄表示器61は当選図柄を表示した状態で停止し、遊技状態に応じて電動チューリップ20が所定時間および所定回数開放される。
普通図柄保留表示器62は、普通図柄の変動表示中に遊技球がスルーゲート16を通過した場合に先の変動表示が終了するまで次の変動表示が保留されるので、その保留数を表示するものである。尚、図例において普通図柄保留表示器62は、一列に配設した4つのLED表示部を備えており、最大4つの保留数を表示することができるようになっている。
特別図柄表示器63は、遊技球が第1始動口19または第2始動口21に入球したことによって行われる大当たり抽選(特別図柄抽選)の抽選結果を表示するものであり、例えば7セグメント表示器で構成される。この特別図柄表示器63は、遊技機1において大当たり抽選が行われると、所定時間変動表示を行った後、その抽選結果を種々の態様で表示する。例えば、大当たり抽選の結果、何らかの当たりに当選すれば、特別図柄表示器63は変動表示後にその当たりに対応した表示で停止し、遊技機1は大当たり遊技状態に移行する。そしてその大当たり遊技では、当たり種別に応じて、第1役物23および第2役物26のいずれか一方を開放させるラウンドが所定ラウンド数繰り返される。
特別図柄保留表示器64は、特別図柄の変動表示中に遊技球が第1始動口19および第2始動口21に入球した場合に先の変動表示が終了するまで次の変動表示が保留されるので、その保留数を表示するものである。尚、図例において特別図柄保留表示器64は、一列に配設した4つのLED表示部を備えており、最大4つの保留数を表示することができるようになっている。
上述したように本実施形態では大当たり抽選において当選した場合、その当たりの種別として、長当たりと非確変モードとが設定される場合、長当たりと確変モードとが設定される場合、短当たりと潜伏確変モードとが設定される場合および小当たりが設定される場合の4つの種類がある。そして表示器60の特別図柄表示器63にはこれらの当たり種別を区別して特別図柄の表示が行われる。このとき特別図柄の表示態様は、遊技者が一見して当たりの種別を把握することができないような表示態様となっている。
図7は、表示器60の特別図柄表示器63における表示態様の一例を示す図である。図7(a)は、大当たり抽選で大当たりに当選し、長当たりと非確変モード(通常モード)とが設定された場合の大当たり通常図柄を示している。この大当たり通常図柄には、複数の特別図柄63a,63b,63c,63dが予め設定されており、大当たり抽選で大当たりに当選し、長当たりと非確変モードとが設定されると、特別図柄表示器63は、変動表示後に複数の特別図柄63a,63b,63c,63dのうちのいずれか一つを表示した状態で停止する。このとき画像表示器8においては、リーチ演出などの演出表示が行われた後、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄が例えば「222」などの偶数図柄で揃った状態で停止する。そして第1役物23が第1大入賞口22を開閉する第1の大当たり遊技へと移行する。
図7(b)は、大当たり抽選で大当たりに当選し、長当たりと確変モードとが設定された場合の大当たり確変図柄Aを示している。この大当たり確変図柄Aには、複数の特別図柄63e,63f,63g,63hが予め設定されており、大当たり抽選で大当たりに当選し、長当たりと確変モードとが設定されると、特別図柄表示器63は、変動表示後に複数の特別図柄63e,63f,63g,63hのうちのいずれか一つを表示した状態で停止する。このとき画像表示器8においては、リーチ演出などの演出表示が行われた後、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄が例えば「777」などの奇数図柄で揃った状態で停止する。そして第1役物23が第1大入賞口22を開閉する第1の大当たり遊技へと移行する。
図7(c)は、大当たり抽選で大当たりに当選し、短当たりと潜伏確変モードとが設定された場合の大当たり確変図柄Bを示している。この大当たり確変図柄Bには、複数の特別図柄63i,63jが予め設定されており、大当たり抽選で大当たりに当選し、短当たりと潜伏確変モードとが設定されると、特別図柄表示器63は、変動表示後に複数の特別図柄63i,63jのうちのいずれか一つを表示した状態で停止する。このとき画像表示器8においては、リーチ演出などの演出表示が行われた後、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄が例えば「767」などの所定の図柄組合せが表示された状態で停止する。そして第2役物26が第2大入賞口25を開閉する第2の大当たり遊技へと移行する。
図7(d)は、大当たり抽選で小当たりに当選した場合の小当たり図柄を示している。この小当たり図柄には、所定の特別図柄63kが予め設定されており、大当たり抽選で小当たりに当選すると、特別図柄表示器63は、変動表示後に所定の特別図柄53kを表示した状態で停止する。このとき画像表示器8においては、リーチ演出などの演出表示が行われた後、1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄が例えば短当たりのときと同じ「767」などの所定の図柄組合せが表示された状態で停止する。そして第2役物26が第2大入賞口25を開閉する第2の大当たり遊技へと移行する。
図7(e)は、大当たり抽選でハズレになった場合のハズレ図柄を示している。このハズレ図柄には、所定の特別図柄63mが予め設定されている。大当たり抽選でハズレになると、特別図柄表示器63は、変動表示後に特別図柄63mを表示した状態で停止する。このとき画像表示器8においては1〜9などの数字を付した複数の装飾図柄が揃わない状態で停止する。
このように特別図柄表示器63の表示態様は、大当たり抽選に当選しても遊技者がその当たりの種別を容易に把握することができない表示態様となっている。それ故、遊技者は画像表示器8における停止図柄を確認することで、当たりの種別を認識しようとする。
ところが、大当たり抽選で「短当たり」又は「小当たり」に当選すると、画像表示器8における停止図柄は同じであるため、遊技者は画像表示器8の停止図柄からは「短当たり」と「小当たり」のいずれであるかを把握することができない。また第2の大当たり遊技中の第2役物26の開閉動作からもいずれの当たりであるかを把握することができない。このように遊技機1の状態から「短当たり」と「小当たり」のいずれに当選したかを明確に把握することができないので、第2の大当たり遊技に移行すると、遊技者は、その大当たり遊技中、潜伏確変モードが設定されたことを期待してそれを報知させるべく、第2大入賞口25に入球させることに集中する。
次に図8は、遊技盤10の背面側に取り付けられる遊技機1の制御機構を示すブロック図である。遊技盤10の背面側には、遊技機1の主たる動作を制御するメイン制御基板100と、メイン制御基板100から出力される信号やコマンドに基づいて各部を制御するサブ制御基板200とが設けられている。サブ制御基板200は、払出制御基板120、演出制御基板130、画像制御基板140、ランプ制御基板150等で構成されている。
メイン制御基板100は、CPU101とROM102とRAM103とを備えている。このメイン制御基板100には、第1始動口19および第2始動口21に入球したことを検知する始動口スイッチ110、電動チューリップ20を開閉させる電チューソレノイド111、遊技球がスルーゲート16を通過したことを検知するゲートスイッチ112、普通入賞口18に入球したことを検知する普通入賞口スイッチ113、第1大入賞口22に入球したことを検知する第1大入賞口スイッチ114、第1役物23を開閉させる第1役物ソレノイド115、上述した第2大入賞口スイッチ28、第2役物ソレノイド41、普通図柄表示器61、普通図柄保留表示器62、特別図柄表示器63および特別図柄保留表示器64が接続されている。
そしてメイン制御基板100は、始動口スイッチ110、普通入賞口スイッチ113、第1大入賞口スイッチ114および第2大入賞口スイッチ28のそれぞれに入球したことを検知した場合、払出制御基板120に対して払出指令信号を送出する。払出制御基板120は、CPU121とROM122とRAM123とを備え、遊技盤2の背面側に設けられた払出モータ124を制御するように構成されており、メイン制御基板100から払出指令信号を入力すると、入球した入賞口に応じて所定球数の払い出しを行う。
またメイン制御基板100は上述の大当たり抽選や普通図柄の抽選を行うように構成されている。例えば遊技球がスルーゲート16を通過した場合、電動チューリップ20を開閉するための普通図柄抽選を行い、当選すれば電チューソレノイド111を所定時間若しくは所定回数駆動させて電動チューリップ20を開放させる。また第1始動口19や第2始動口21に入球したことを検知した場合には、上述した大当たり抽選を行い、その抽選結果に応じた演出を行わせるべく、演出制御基板130に対して信号やコマンドを送出する。
演出制御基板130は、CPU131とROM132とRAM133とリアルタイムクロック(RTC)134とを備えており、画像制御基板140とランプ制御基板150のそれぞれを制御する。リアルタイムクロック(RTC)134は、電源投入の有無にかかわらず、リアルタイムの現在時刻をカウントする時計回路(計時手段)である。画像制御基板140は、CPU141とROM142とRAM143とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて画像表示器8における装飾図柄の変動表示を行うと共に、演出制御基板130から指定された図柄でその変動表示を停止させるなど、画像表示器8での表示画像を制御する。また画像制御基板140は、スピーカ5から演出用の効果音などを発生させるように構成されている。ランプ制御基板150は、CPU151とROM152とRAM153とを備えており、演出制御基板130からの指示に基づいて上述した枠ランプ6などを含む各種ランプ154を点灯させると共に、演出制御基板130からの指示に基づいて遊技状態報知器29に対して遊技状態を報知するための表示を行うように構成されている。
また図8に示すように演出制御基板130には振分モータ51が接続されており、演出制御基板130は、所定の駆動パターンに基づいて振分モータ51を駆動することにより、遊技球案内通路30に設けられた振分部材33を揺動させるように構成されている。
さらに図8に示すように演出制御基板130には遊技球案内通路30の第1通路31に設けられた報知用検知スイッチ34が接続されており、報知用検知スイッチ34が遊技球の通過を検知すると、その信号が演出制御基板130に出力される。そして演出制御基板130は、報知用検知スイッチ34が遊技球の通過を検知すると、それに応答して第2の大当たり遊技の終了後における遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知する抽選を行う。そしてこの抽選に当選した場合には、例えばランプ制御基板150に対してコマンドを送出し、遊技状態報知器29による報知を行わせる。
図9は、メイン制御基板100における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。メイン制御基板100のCPU101は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における動作全般を統括的に制御する遊技制御部70として機能する。この遊技制御部70は、遊技の進行状況に応じて種々の処理部として機能するが、その一部について例を挙げると、図9に示すように乱数更新部71、大当たり抽選部72、遊技状態設定部73、役物制御部74、賞球処理部75および出力制御部76として機能する。一方、メイン制御基板100のRAM103は乱数格納領域103aを備えており、この乱数格納領域60には種々の乱数が格納されている。図例では、大当たり乱数RN1、大当たり図柄乱数RN2、リーチ乱数RN3および当たり乱数RN4が格納されている場合を示しているが、この他にも図柄の変動パターンを決定するための変動パターン乱数など種々の乱数が格納される。
図10は、乱数格納領域103aに格納される各乱数を説明する図である。例えば、図10(a)に示すように大当たり乱数RN1は大当たり抽選に用いられる乱数であり、0〜299の範囲内で逐次更新される乱数である。遊技機1が通常確率状態(通常モード)である場合、乱数値「3」の1つだけが大当たりを示す値に設定されており、大当たりに当選する確率は1/300となっている。これに対し、遊技機1が高確率状態(確変モードおよび潜伏確変モード)である場合、10個の乱数値が大当たりを示す値に設定されており、大当たりに当選する確率は10/300となっている。またその他の6個の乱数値が小当たりを示す値に設定されており、大当たり抽選において小当たりに当選する確率は6/300となっている。
また図10(b)に示すように大当たり図柄乱数RN2は、大当たり抽選において大当たりに当選した場合、その大当たりの種別を決定するために用いられる乱数であり、0〜9の範囲内で逐次更新される乱数である。例えば大当たり図柄乱数RN2の値が0〜3であれば、遊技機1において長当たりと非確変モード(通常モード)が設定され、特別図柄表示器63には変動表示後に図7(a)に示した特別図柄63a,63b,63c,63dのいずれかが表示される。また大当たり図柄乱数RN2の値が4〜7であれば、遊技機1において長当たりと確変モードが設定され、特別図柄表示器63には変動表示後に図7(b)に示した特別図柄63e,63f,63g,63hのいずれかが表示される。さらに大当たり図柄乱数RN2の値が8又は9であれば、遊技機1において短当たりと潜伏確変モードが設定され、特別図柄表示器63には変動表示後に図7(c)に示した特別図柄63i,63jのいずれかが表示される。
また図10(c)に示すようにリーチ乱数RN3は、演出表示としてリーチ演出を行うか否かを決定するための乱数であり、0〜249の範囲内で逐次更新される乱数である。このリーチ乱数RN3の値が0〜21であれば、大当たり抽選においてハズレとなった場合でもリーチ演出が行われる。またリーチ乱数RN3の値が22〜249であれば、リーチ演出が行われずに変動表示が停止する。尚、大当たり抽選において大当たり又は小当たりに当選した場合、リーチ演出は必ず行われるのでこのリーチ乱数RN3の値は無視される。
さらに図10(d)に示すように当たり乱数RN4は、普通図柄の抽選に用いられる乱数であり、0〜9の範囲内で逐次更新される乱数である。遊技球がスルーゲート16を通過したタイミングで取得される当たり乱数RN4の値が0〜8であれば当選となり、9であればハズレとなる。遊技制御部70は、スルーゲート16を遊技球の通過したタイミングで取得した当たり乱数RN4が上記当選値であれば、電チューソレノイド111を駆動し、遊技機1の状態に応じて電動チューリップ20を所定時間および所定回数開放する。
遊技制御部70の乱数更新部71は、乱数格納領域103aに格納されたこれらの各種乱数RN1〜RN4を適宜更新する処理部である。また大当たり抽選部72は、第1始動口19および第2始動口21に遊技球が入球したことが検知されると、そのタイミングで大当たり乱数RN1を乱数格納領域103aから読み出し、大当たり抽選を行う処理部である。遊技機1が通常確率状態である場合、大当たり抽選部72は、乱数格納領域103aから読み出した大当たり乱数RN1が例えば「3」であれば大当たりと判定する。これに対し、遊技機1が確変モード或いは潜伏確変モードである場合、大当たり抽選部72は、乱数格納領域103aから読み出した大当たり乱数RN1が例えば「3,7,37,67,97,127,157,187,217,247」のいずれかの値であれば大当たりと判定する。また大当たり抽選部72は、乱数格納領域103aから読み出した大当たり乱数RN1が例えば「0,50,100,150,200,150」のいずれかの値であれば小当たりと判定する。
遊技状態設定部73は、大当たり抽選部72における大当たり抽選において当選した場合に、その「当たり」の種類を設定する処理部である。つまり、この遊技状態設定部73は、大当たり抽選部72による大当たり抽選に当選すると、第1役物22が第1大入賞口23を開閉する当たり第1の大当たり遊技と、第2役物26が第2大入賞口25を開閉する第2の大当たり遊技とのいずれか一方を設定すると共に、第1および第2の大当たり遊技の終了後における遊技状態として通常確率状態と高確率状態とのいずれか一方を設定する。例えば、大当たり抽選において大当たりに当選した場合、遊技状態設定部73は、第1始動口19および第2始動口21に遊技球が入球したタイミングで乱数格納領域103aから読み出した大当たり図柄乱数RN2に基づいてその「大当たり」の種類を遊技機1に設定すると共に、特別図柄表示器63に表示する特別図柄を設定する。また大当たり抽選部72における大当たり抽選結果が小当たりであった場合、遊技状態設定部73は、特別図柄表示器63に表示する特別図柄として小当たりに対応した図柄を設定する。
役物制御部74は、大当たり抽選部72における大当たり抽選で当選した場合、その大当たり遊技において第1役物ソレノイド115および第2役物ソレノイド28のいずれか一方を駆動し、第1大入賞口22又は第2大入賞口25を開放する制御部である。すなわち、当たりの種別が「長当たり」であって遊技状態設定部73により第1の大当たり遊技が設定された場合には、その大当たり遊技において第1役物ソレノイド115を駆動し、第1役物23が第1大入賞口22を開放する動作を所定ラウンド数繰り返し実行する。また当たりの種別が「短当たり」又は「小当たり」であって遊技状態設定部73により第2の大当たり遊技が設定された場合には、その大当たり遊技において第2役物ソレノイド28を駆動し、第2役物26が第2大入賞口25を開放する動作を所定ラウンド数繰り返し実行する。
賞球処理部75は、各種入賞口への入賞が検知された場合に、その入賞数を計数し、その計数値に基づいて払出制御基板120に出力するための賞球コマンドを設定する処理部である。この賞球処理部75には、第1大入賞口スイッチ114および第2大入賞口スイッチ28によって入賞が検知された信号も入力するので、第1又は第2の大当たり遊技中に第1大入賞口22又は第2大入賞口25に遊技球が入球すると、それに対応した賞球コマンドも設定される。
出力処理部76は、払出制御基板120および演出制御基板130に対して各種コマンドなどを出力する処理部である。例えば、出力処理部76は賞球処理部75によって設定された賞球コマンドを払出制御基板120に対して出力する。また出力処理部76は、遊技状態設定部73によって設定される遊技機1の遊技状態を通知するように構成されている。したがって、演出制御基板120は、出力処理部76から通知される遊技状態により、大当たり遊技後における遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを識別することができるようになる。
次に図11は、演出制御基板130における主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板130のCPU131は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における演出動作を制御するための種々の処理部として機能するが、図11にはその一部について示している。図11に示すように、演出制御基板130のCPU131は、振分モータ駆動部81、乱数更新部83、報知抽選部84および報知処理部85として機能する。一方、演出制御基板130のRAM133には、振分モータ51を駆動するための複数の駆動パターンPT1,PT2,…が予め格納されると共に、遊技状態の報知を行うか否かを抽選する際に用いられる報知抽選乱数RN5が格納されている。
振分モータ駆動部81は、遊技球案内通路30に設けられた振分部材33を揺動させる振分モータ51を駆動制御するものであり、RAM133に格納されている複数の駆動パターンPT1,PT2,…のうちから一の駆動パターンを選択して読み出し、その駆動パターンに基づいて振分モータ51を駆動する。この振分モータ駆動部81は、リアルタイムクロック(RTC)134から出力される現在時刻に基づいて複数の駆動パターンPT1,PT2,…のうちから一の駆動パターンを選択し、その選択した駆動パターンに基づいて振分モータ51を制御する。
ここでRAM133に格納されている複数の駆動パターンPT1,PT2,…は、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に入賞した遊技球が第1通路31に振り分けられる確率がそれぞれ異なるように予め定められたパターンである。図12は、2つの駆動パターンPT1,PT2の一例を示す図である。図12に示すように駆動パターンPT1,PT2は、それぞれ一定周期T(例えばT=5秒)で揺動部材33を揺動駆動するパターンとなっている。そして駆動パターンPT1は、図12(a)に示すように、一定周期Tにおいて揺動部材33が左傾斜する時間TLが4秒に設定され、右傾斜する時間TRが1秒に設定される場合を例示している。したがって、振分モータ駆動部81が駆動パターンPT1に基づいて振分モータ51を駆動すると、遊技球案内通路30に設けられた揺動部材33が左傾斜する状態(図4参照)が約4秒となり、右傾斜する状態(図5参照)が約1秒となる揺動動作が繰り返し行われることになる。この場合、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球が入賞すると、その遊技球は約80%の確率で第1通路31に振り分けられる。また駆動パターンPT2は、図12(b)に示すように、一定周期Tにおいて揺動部材33が左傾斜する時間TLが2.5秒に設定され、右傾斜する時間TRが2.5秒に設定される場合を例示している。したがって、振分モータ駆動部81が駆動パターンPT2に基づいて振分モータ51を駆動すると、遊技球案内通路30に設けられた揺動部材33が左傾斜する状態(図4参照)が約2.5秒となり、右傾斜する状態(図5参照)が約2.5秒となる揺動動作が繰り返し行われることになる。この場合、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球が入賞すると、その遊技球は約50%の確率で第1通路31に振り分けられる。
そして振分モータ駆動部81は、リアルタイムクロック(RTC)134が出力する現在時刻に応じて振分モータ51を駆動するための駆動パターンを変化させる。例えば、午前8時から午前12時までの4時間は駆動パターンPT1を選択し、午前12時から午後9時までの9時間は駆動パターンPT2を選択し、午後9時から翌午前8時までの11時間は再び駆動パターンTP1を選択する。これによると、午前8時から午前12時までに遊技機1において第2の大当たり遊技が発生すると、その大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球を入球させることができれば、その遊技球は約80%の確率で第1通路31に導かれる。そして午前12時以降午後9時になるまでに第2の大当たり遊技が発生すると、その大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球を入球させることができれば、その遊技球は約50%の確率で第1通路31に導かれる。さらに午後9時以降に第2の大当たり遊技が発生すると、その大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球を入球させることができれば、その遊技球は約80%の確率で第1通路31に導かれる。このように本実施形態では、遊技機1において第2の大当たり遊技が発生する時間帯に応じて、第2大入賞口25に入賞した遊技球が第1通路31に振り分けられる確率を変化させるので、第2の大当たり遊技が単調になることを防止することができる。
次に乱数更新部83は、RAM133に格納されている報知抽選乱数RN5を逐次更新する処理部である。また報知抽選部84は、第1通路31に設けられた報知用検知スイッチ34が遊技球の通過を検知した場合、それに伴ってRAM133から報知抽選乱数RN5を読み出し、遊技機1の遊技状態として通常確率状態と高確率状態のいずれが設定されたかについて報知するか否かの抽選を行う。この報知抽選部84は、報知用検知スイッチ34が遊技球を検知したことによって抽選を行うと、例えば画像表示器8に対して報知抽選用の図柄の変動表示を行わせ、所定時間経過後にその変動表示を停止させて抽選結果を表示させるように構成しても良い。この場合、抽選結果が当選であれば、画像表示器8に対して遊技状態報知器29を注目させるような演出表示を行い、ハズレであれば特別な演出表示は行わないようにしても良い。そしてこのような報知抽選部84は、リアルタイムクロック(RTC)134から出力される現在時刻に基づいて抽選に当選する確率を変化させるように構成されている。
図13は、報知抽選乱数RN5の一例を示す図である。報知抽選乱数RN5は、図13に示すように例えば0〜9の範囲内で逐次更新される乱数である。報知抽選部84は、報知用検知スイッチ34が遊技球の通過を検知したタイミングでこの報知抽選乱数RN5を読み出して抽選を行う。例えば、午前8時から午前12時までの4時間は、読み出した報知抽選乱数RN5の値が「0〜7」であれば当選となり、午前12時から午後9時までの9時間は、読み出した報知抽選乱数RN5の値が「0〜4」であれば当選となり、午後9時から翌午前8時までは、読み出した報知抽選乱数RN5の値が「0〜7」であれば当選となる。つまり、本実施形態では、午前8時から午前12時までに報知抽選部84による抽選が行われると80%の確率で当選し、午前12時から午後9時までに抽選が行われると当選確率は50%になる。そして午後9時以降に抽選が行われると、当選確率は再び80%となるように設定されている。このように遊技機1において第2の大当たり遊技が発生する時間帯に応じて、報知抽選部84による抽選時の当選確率を変化させることにより、第2の大当たり遊技が単調になることを防止することができる。
そして報知処理部85は、報知抽選部84による抽選で当選した場合に、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知する処理部である。例えば、大当たり抽選において「短当たり」となり、潜伏確変モードが設定されている場合、報知処理部85は、遊技状態報知器29に「7」を表示させるためのコマンドを設定し、ランプ制御基板150に対して出力する。また大当たり抽選において「小当たり」に当選し、その小当たりの前の遊技状態が通常モードであった場合、報知処理部85は、遊技状態報知器29に「0」を表示させるためのコマンドを設定し、ランプ制御基板150に対して出力する。その結果、ランプ制御基板150は、遊技状態報知器29に対して第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかの報知を行う。
このように本実施形態の遊技機1は、第2の大当たり遊技において第2大入賞口25に遊技球が入球すると、入賞を検知した後の遊技球を利用して第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを所定条件下で報知するように構成されている。そのため、第2の大当たり遊技後の遊技状態に関心が高い遊技者は、通常確率状態と高確率状態のいずれが設定されているかを報知させようとして第2の大当たり遊技中は第2役物26が開放する第2大入賞口25に遊技球を入球させることに集中するようになる。
そして本実施形態では上述したように演出制御基板130が現在時刻をカウントして出力するリアルタイムクロック134を備えており、振分モータ駆動部81が振分モータ51を駆動する際の駆動パターンをその現在時刻に応じて変化させるように構成されている。また報知抽選部84は、その現在時刻に応じて抽選時における報知当選確率を変化させるように構成されている。そのため、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知する条件を現在時刻(時間帯)に応じて変化させることができ、遊技が単調になることを防止している。
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。上述した第1の実施の形態では、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球が入球した場合、入賞検知済みの遊技球が遊技球案内通路30において第1通路31に振り分けられると、報知用検知スイッチ34がそれを検知し、遊技機1の内部において第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれに設定されているかを報知するための抽選を行う構成について例示した。これに対し、本実施形態では、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれに設定されているかを報知するための抽選を行う手段として役物を利用する形態について説明する。
図14は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。本実施形態の遊技盤10が第1の実施の形態と異なる点は、遊技球案内通路30に設けられた第1通路31の先端部に、第1通路31を第1の排出口36と第2の排出口37の二方向に分岐させる分岐部35が設けられ、この分岐部35に遊技球を第1および第2の排出口36,37のいずれか一方に振り分ける振分部材38が設けられている点である。振分部材38は、上述した振分部材33とは別の駆動源によって駆動されており、振分部材33とは独立した振分動作を行うように構成されている。ここで振分部材38の詳細な駆動機能は、上述した振分部材33(図4および図5参照)と同様である。そして本実施形態において報知用検知スイッチ34は、振分部材38によって第1の排出口36に振り分けられた遊技球を検知するように構成されている。尚、遊技盤10のその他の構成は第1の実施の形態と同様である。
図15は、本実施形態において演出制御基板130の主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板130のCPU131は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における演出動作を制御するための種々の処理部として機能するが、図15にはその一部について示している。図15に示すように、本実施形態における演出制御基板130のCPU131は、振分モータ駆動部81、振分モータ駆動部86および報知処理部85として機能する。一方、演出制御基板130のRAM133には、振分部材33の駆動源である振分モータ51を駆動するための複数の駆動パターンPT1,PT2,…が予め格納されると共に、振分部材38の駆動源である振分モータ38aを駆動するための複数の駆動パターンPT3,PT4,…が予め格納されている。
振分モータ駆動部81は、第1の実施の形態で説明したように、遊技球案内通路30に流入する遊技球を第1通路31と第2通路32のいずれか一方に振り分けるための振分部材33を駆動するための駆動部であり、リアルタイムクロック(RTC)134から出力される現在時刻に応じてRAM133に格納されている複数の駆動パターンPT1,PT2,…のうちから一の駆動パターンを選択して読み出し、その駆動パターンに基づいて振分モータ51を駆動する。
振分モータ駆動部86は、第1通路31の分岐部35に設けられた振分部材38を駆動するための駆動部であり、振分部材38を揺動させる振分モータ38aを駆動するように構成されている。この振分モータ駆動部86は、振分モータ駆動部81と同様に、リアルタイムクロック(RTC)134から出力される現在時刻に応じてRAM133に格納されている複数の駆動パターンPT3,PT4,…のうちから一の駆動パターンを選択して読み出し、その駆動パターンに基づいて振分モータ38aを駆動する。ここで振分モータ駆動部86が読み出し可能な複数の駆動パターンPT3,PT4,…は、振分モータ駆動部81が読み出し可能な複数の駆動パターンPT1,PT2,…とは異なるパターンとしておくことが好ましい。例えば複数の駆動パターンPT3,PT4,…のそれぞれが複数の駆動パターンPT1,PT2,…のそれぞれと同期しないパターンに設定しておくことにより、振分部材33の動作から振分部材38の動作を予測することが難しくなり、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に遊技球が入球すると、遊技者は最後まで遊技球の動きに注目するようになる。
そして本実施形態における報知処理部85は、報知用検知スイッチ34が振分部材38によって遊技球が第1の排出口36に振り分けられたことを検知した場合に、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知するように構成される。
このように本実施形態では第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に入球すると、その遊技球の入賞が検知された後、その遊技球が振分部材33によって第1通路31に振り分けられ、さらに第1通路31の分岐部35に設けられた振分部材38によって第1の排出口36に振り分けられた場合に、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかが報知されるようになっている。一方、第2の大当たり遊技中に第2大入賞口25に入球した遊技球が、振分部材33によって第2通路32に振り分けられた場合や、第1通路31の分岐部35において振分部材38により第2の排出口37に振り分けられた場合には、第2の大当たり遊技後の遊技状態は報知されない。
したがって、本実施形態の遊技機1においても、第2の大当たり遊技が発生すると、第2の大当たり遊技後の遊技状態に関心が高い遊技者は、通常確率状態と高確率状態のいずれが設定されているかを報知させようとして第2の大当たり遊技中は第2役物26が開放する第2大入賞口25に遊技球を入球させることに集中するようになる。
そして本実施形態では、振分モータ駆動部81が振分モータ51を駆動する際の駆動パターンをリアルタイムクロック(RTC)134からの現在時刻に応じて変化させると共に、振分モータ駆動部86が振分モータ38aを駆動する際の駆動パターンもリアルタイムクロック134からの現在時刻に応じて変化させるように構成されている。そのため、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知する条件を現在時刻(時間帯)に応じて変化させることができ、遊技が単調になることを防止することができる。
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。本実施形態では、第2の実施の形態をさら改良した一形態について説明する。
図16は、本実施形態における遊技盤10の一例を示す正面図である。本実施形態の遊技盤10が第2の実施の形態と異なる点は、第1通路31の分岐部35に揺動する振分部材38が設けられていない点である。つまり、本実施形態の遊技盤10は、第1通路31に流入した遊技球は第1通路31を転動していき、分岐部35において遊技球が自然落下することにより、第1の排出口36と第2の排出口37いずれか一方に振り分けられる構成となっている。したがって、本実施形態の場合には、第2の実施の形態のように振分部材38を駆動するための駆動源は必要ない。
図17は、本実施形態において演出制御基板130の主たる機能構成を模式的に示したブロック図である。演出制御基板130のCPU131は、所定のプログラムを実行することにより、遊技機1における演出動作を制御するための種々の処理部として機能するが、図17にはその一部について示している。図17に示すように、本実施形態における演出制御基板130のCPU131は、振分モータ駆動部81および報知処理部85として機能する。一方、演出制御基板130のRAM133には、振分部材33の駆動源である振分モータ51を駆動するための複数の駆動パターンPT1,PT2,…が予め格納されている。
このような構成により、振分部材33は遊技球を第1通路31と第2通路32のいずれか一方に振り分ける。そして遊技球が第1通路31に振り分けられた場合、第1通路31の分岐部35において第1の排出口36と第2の排出口37いずれか一方に自然に振り分けられることになる。そして第1の排出口36に振り分けられた場合には、報知用検知スイッチ34によって検知される。そして報知処理部85は、報知用検知スイッチ34が遊技球の通過を検知した場合に、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知する。
したがって、本実施形態の遊技機1においても、第2の大当たり遊技が発生すると、第2の大当たり遊技後の遊技状態に関心が高い遊技者は、通常確率状態と高確率状態のいずれが設定されているかを報知させようとして第2の大当たり遊技中は第2役物26が開放する第2大入賞口25に遊技球を入球させることに集中するようになる。
そして本実施形態でも、振分モータ駆動部81は、振分モータ51を駆動する際、リアルタイムクロック(RTC)134から出力される現在時刻に応じてRAM133に格納されている複数の駆動パターンPT1,PT2,…のうちから一の駆動パターンを選択し、その選択した一の駆動パターンに基づいて駆動制御を行うように構成されている。そのため、本実施形態でも、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態と高確率状態のいずれであるかを報知する条件を現在時刻(時間帯)に応じて変化させることができ、遊技が単調になることを防止することができる。
(変形例)
以上、本発明に関する幾つかの実施形態について説明したが、本発明は上述した内容に限定されるものではなく、本発明には種々の変形例が適用可能である。例えば、上述した実施形態では、第2の大当たり遊技中に遊技球が第2大入賞口25に入球した場合、その遊技球が振分部材33によって第1通路31に振り分けられると、所定条件下で、第2の大当たり遊技後の遊技状態が通常確率状態であるか或いは高確率状態であるかを報知するように構成しているが、この場合の所定条件として、例えば遊技球が第1通路31に振り分けられれば必ず報知する態様としても良い。
また上述した実施形態では、第2大入賞口25および第2役物26が遊技盤10の左上部に設けられる場合を例示している。これは、第2大入賞口25が開放する第2の大当たり遊技では、第2大入賞口25の開放時間が短くなるため、遊技者が第2大入賞口25への入賞を狙いやすくして、遊技者の集中力を高めるためである。しかし、本発明では、第2大入賞口25および第2役物26の設置位置は必ずしも遊技盤10の左上部に限定されるものではなく、画像表示器8の側方や下方に設置しても構わない。