JP2010080928A - レーザ装置 - Google Patents

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英之 岡本
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Abstract

【課題】 直接上準位を励起することにより、UV光または可視光領域のレーザを発生させることができるレーザ装置を提供することである。
【解決手段】 励起光を放出する励起光源と、所望の波長帯の光を反射する第1のミラーと第2のミラーが対向して設置され、さらに第1のミラーと第2のミラーの光路間に該励起光を導入する励起光結合手段と導入された該励起光により発光するレーザ媒質が配置されている共振器を備えるレーザ装置において、
励起光源に、励起光の波長が340〜500nmの範囲内である、チッ化ガリウム系半導体光源、レーザ媒質に、少なくともEr3+、Ho3+,Sm3+、Tm3+、Dy3+、Eu3+、Tb、またはNd3+が少なくとも1つ添加されているフッ化物ガラスまたはフッ化物結晶を用い、かつ、レーザ発振波長が励起波長よりも長いことを特徴とするレーザ装置。
【選択図】 図1

Description

本発明はUV光または可視光などの短波長のレーザを発生させる装置に関するものである。
現在、加工・通信・計測などの多くの分野でレーザが用いられるようになってきた。最近では、光技術の進展に伴い、UVや可視波長のような、より短波長なレーザが必要とされている。特に、半導体の製造、蛍光顕微鏡分野、医療・バイオ用途などの分野では、UV〜可視波長のレーザが必要不可欠になりつつある。
しかし、現存する高出力レーザのほとんどは、特に近赤外〜赤外の波長領域にあり、例えば、Ti:Sapphireレーザ(650nm〜1100nm)、Nd:YAGレーザ(1064nm)、半導体レーザ(波長808nm、915nm、960nm、970〜980nm、等)などが挙げられる。
可視波長領域で直接発光する半導体レーザは少なく、チッ化ガリウム系半導体光源による380〜500nm、赤半導体635nm、650nm帯など、限られたものしかない。これらの波長以外で、現在入手できる可視レーザのほとんどは、上記の高出力な近赤外レーザを波長変換することにより得られている(非特許文献1)。
波長変換には非線形光学結晶(BBO結晶、LBO結晶等)や分極反転素子(PPLN等)などの波長変換デバイスが用いられる。
しかし、非線形光学結晶を用いた場合、基本波と高調波の進行方向が異なる(いわゆるウォークオフ)ため、高効率な波長変換が得られない。また、分極反転素子を用いた場合にも、分極反転の周期構造の不均一や素子温度の変化などに起因した損失が必ず発生する。以上から分かるように、現存しない可視波長のレーザを波長変換により生成する場合、基本波となる近赤外レーザを新たに作製し、かつ、非線形光学結晶または分極反転素子を新たに設計し、さらには、波長変換デバイスの温度調節を正確に行う必要があり、極めて困難である。
また、可視光レーザを得る他の手段として、アップコンバージョン現象を用いる方法がある。この方法は、所望の発光波長よりも長い波長の励起光を、希土類イオンに多段階に吸収させることによって、より短波長の光を得る方法である(非特許文献2)。しかし、アップコンバージョンによる発光は、多段階の吸収過程を必要とするが故に、途中の準位から所望の準位以外へと電子状態が遷移してしまうので、その分の励起エネルギーを損失してしまう。
高効率なレーザ発振を得るための1つの手段は、レーザ発振の上準位以上を直接励起することである。最近、波長445nmのチッ化ガリウム系半導体レーザを励起光源としたPr3+添加フッ化物ファイバレーザ(レーザ発振波長635nm)が提案されている(非特許文献3)。波長445nm付近は、Pr3+イオンの吸収帯にまさに一致している上、635nm帯のレーザ発振は4準位系のレーザ発振であるため、基底準位吸収(GSA)がなく、容易にレーザ発振させることができる。しかし、その他の希土類において、半導体レーザで直接上準位を励起してレーザ発振させることが困難であり、今までに報告がない。
また、非特許文献3では、チッ化ガリウム系半導体レーザのビーム形状を整形する際に、アナモルフィックプリズム対を利用している。アナモルフィックプリズム対を用いた光学系では、プリズムにより光軸がシフトするため非点収差が発生する。特に、励起光を光導波路等に集光する場合、この非点収差が結合効率を悪化させてしまう。
また、チッ化ガリウム系半導体光源として、チッ化ガリウム(GaN)半導体の他に、アルミニウムが添加されているチッ化アルミニウムガリウム(GaAlN)半導体、インジウムが添加されているチッ化インジウムガリウム(GaInN)半導体を用いる光源が知られており、チッ化ガリウム(GaN)のバンドギャップは360nmであり、In(インジウム)を加えると発光波長は長波長側にシフトし、Al(アルミニウム)を加えると発光波長は短波長側にシフトすることが知られている(非特許文献4)。
Klaus Schneider、 Stephan Schiller、 Jurgen Mlynek、 Markus Bode, and Ingo Freitag,:‘1.1−W single−frequency 532−nm radiation by second−harmonic generation of A miniature Nd:YAG ring laser’,Optics Letters, Vol. 21 Issue 24, pp.1999−2001 (1996) Whitley,T.J., Millar,C.A., Wyatt, R., Brierley,M.C., Szebesta, D.:‘Upconversion pumped green lasing in erbium doped fluorozirconate fibre’,Electronics Letters,Volume 27, Issue 20, pp1785 − 1786 WEICHMANN, U., BAIER, J., BENGOECHEA, J., and MOENCH, H. : ‘GaN−diode pumped Pr3+:ZBLAN fiber−lasers for the visible wavelength range’, Proc. CLEO/Europe−IQEC, European Conference on., Munich, Germany, 2007 Vurgaftman,I., Meyer,J.R.‘Band parameters for nitrogen-containing semiconductors’ J. Appl. Phys. 94, 3675 (2003)
上記のように、レーザ媒質の発光波長が所望の波長帯域(UVや可視領域)にない場合、異なる波長帯の既存レーザに対して、必ず損失を伴う波長変換手段をとる必要がある。たとえ既存のレーザ波長と波長変換デバイスの組み合わせたとしても、得ることのできないレーザ波長帯も存在することは言うまでもない。
また、 アップコンバージョン現象を用いて所望の波長帯域(UVや可視領域)の発光を得る場合においても、複数の励起過程を経る間に、一部の励起エネルギーを失ってしまうので効率的ではない。
唯一、GSAが存在しないため、レーザ発振させることができるPr3+を用いたレーザにおいては、チッ化ガリウム系半導体レーザを用いた上準位を直接励起する方法が報告されているが、アナモルフィックプリズム対を利用するため非点収差が発生し、結合効率を悪化する。さらにその他の希土類において、直接上準位を励起するレーザ発振させる報告されておらず、UVおよび可視波長領域のレーザ装置は限られている。
本発明では、波長変換手段およびアップコンバージョン現象を用いずに、直接上準位を励起することにより、UV光または可視光領域のレーザを発生させることができるレーザ装置を提供することを目的としている。
そこで、本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、波長変換手段およびアップコンバージョン現象を用いずに、種々の希土類元素を用いて、UV光・可視光領域のレーザが構成できることを見出し、本発明に至ったものである。
すなわち、本発明は、励起光を放出する励起光源と、所望の波長帯の光を反射する第1のミラーと第2のミラーが対向して設置され、さらに第1のミラーと第2のミラーの光路間に該励起光を導入する励起光結合手段と導入された該励起光により発光するレーザ媒質が配置されている共振器を備えるレーザ装置において、励起光源に、励起光の波長が340〜500nmの範囲内である、チッ化ガリウム系半導体光源、レーザ媒質に、少なくともEr3+、Ho3+、Sm3+、Tm3+、Dy3+、Eu3+、Tb、またはNd3+のいずれか1種類が添加されているフッ化物ガラスまたはフッ化物結晶を用い、かつ、レーザ発振波長が励起波長よりも長いことを特徴とするレーザ装置を提供するものである。
さらには、該共振器の光路中に、該所望の波長帯においてシングルモードとなる光導波路が少なくとも1つ挿入されていることを特徴とするレーザ装置、該レーザ媒質が光導波路のコア部を形成すること特徴とするレーザ装置、該レーザ媒質の両端に石英系ガラスからなる光導波路が接続されていることを特徴とするレーザ装置、または該励起光結合手段が、光カプラ、誘電体多層膜フィルタ、プリズム、グレーティングのいずれかであることを特徴とするレーザ装置を提供するものである。
本発明により、UV光または可視光領域のレーザ発振を高効率に得ることが可能となる。
本発明による実施形態の例を示すものである。 本発明による実施形態の例を示すものである。 本発明の第1の実施例を示す。 本発明の第1の実施例による発振スペクトルを示す。 本発明の第1の実施例による出力特性を示す。 本発明の第2の実施例を示す。
本発明における実施形態の例を、図1を用いて示す。図1の例は、励起光源101、レーザ光全反射フィルタ102、励起光反射/レーザ光透過ミラー103、集光レンズ104、希土類添加フッ化物ガラスファイバ105、レーザ光部分反射フィルタ106により構成される。励起光源101より放出される、コリメートされた励起光は、励起光反射/レーザ光透過ミラー103によって反射された後、集光レンズ104によって、希土類添加フッ化物ガラスファイバ105のコアに結合される。励起側の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面105−aはフレネル反射を抑制するために8°に斜め研磨されている。励起側と反対の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面105−bは直角に研磨されており、レーザ光部分反射フィルタ106に隙間なく密着させられている。
希土類添加フッ化物ガラスファイバ105へ結合された励起光は、希土類添加フッ化物ガラスファイバ105内を伝搬する間に吸収され、自然放出光(ASE光)を放出する。ASE光はレーザ光全反射フィルタ102およびレーザ光部分反射フィルタ106により構成されている共振器中を往復することによりレーザ光となり、一部がレーザ光部分反射フィルタ106を透過して出力される。
励起光反射/レーザ光透過ミラー103、集光レンズ104は、レーザ媒質の発光帯の波長域において反射防止コーティングされていることが望ましい。レーザ光部分反射フィルタ106の反射率は、該フィルタ106を透過して出てくるレーザ光が最大になるように定められるのが望ましい。
集光レンズ104は励起波長およびレーザ発振波長において色収差が補正されているものが望ましい。
共振器を構成する際、励起側と反対の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面105−bにレーザ光部分反射フィルタ106を密着させる代わりに、該ファイバ端面105−bにコーティング等により直接ミラーを形成しても良い。
レーザ光の取り出し方向は106に限るものではなく、レーザ光全反射フィルタ102を部分反射ミラーとし、該フィルタ102側からレーザ光を出力しても良い。
また、励起側の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面105−aを斜めに研磨して反射光の発生を抑制する代わりに、直角に研磨することによりファイバ端面でのフレネル反射を利用したミラーを形成しても良い。
また、レーザ媒質の例として希土類添加フッ化物ガラスファイバを用いているが、105の位置に配置されるレーザ媒質はファイバ形状である必要はなく、希土類添加フッ化物バルクガラス、希土類添加フッ化物バルク結晶、またはファイバ形状でない希土類添加フッ化物光導波路も使用できる。さらには、該レーザ媒質の両端または片端に石英系光導波路を接続して用いることができる。
レーザ媒質として、ファイバ形状の代わりにバルク形状のものを用いる場合の例を、図2に示す。図2は、図1の光学系において、集光レンズ104とレーザ光部分反射フィルタ106の間に、希土類添加フッ化物ガラスファイバ105の代わりに、バルク状希土類添加フッ化物レーザ媒質201およびレンズ202が挿入されている。また、レンズ202とレーザ光部分反射フィルタ106の代わりに、凹面部に部分反射コーティングが施された一対の凹面鏡を向かい合わせて用いても良い。
レーザ媒質に添加される希土類元素は、励起光源の発振波長が340nm〜500nmの範囲内のいずれかの波長である光を吸収する希土類元素であればよいが、特に、Er3+、Ho3+、Sm3+、Tm3+、Dy3+、Eu3+、Tb3+、Nd3+が好ましい。
例えば、コアに添加される希土類元素が、Er3+では、発振波長が355nm〜390nm、400nm〜415nmnm、438nm〜460nm、477nm〜497nmのいずれかの範囲内にある励起光を用いることができ、Ho3+では、発振波長が340nm〜370nm、380nm〜390nm、410nm〜420nm、440nm〜495nmのいずれかの範囲内にある励起光を用いることができ、Sm3+では、発振波長が355nm〜380nm、390nm〜410nmnm、455nm〜490nmのいずれかの範囲内にある励起光を用いることができ、Tm3+では、発振波長が345nm〜365nm、455nm〜485nmの範囲内にある励起光を用いることができ、Dy3+では、発振波長が340nm〜〜405nm、440nm〜460nmのいずれかの範囲内にある励起光を用いることができ、Eu3+では、発振波長が390nm〜400nmのいずれかの範囲内にある励起光を用いることができ、Tb3+では、発振波長が340nm〜385nm、475nm〜495nmのいずれかの範囲内にある励起光を用いることができ、Nd3+では、発振波長が340nm〜360nm、425nm〜435nm、445nm〜485nm、490nm〜500nmの範囲内にある励起光を用いることができる。
また、励起光を添加されている希土類元素の励起に効率的に利用するためには、レーザ媒質のホストガラスとして低フォノンエネルギーを有する物質が好ましいことから、レーザ媒質にフッ化物ガラスまたはフッ化物結晶を用いる。フッ化物ガラスよりフォノンエネルギーが大きい石英ガラスなどを増幅部の光導波路のコア部に用いると、非輻射緩和速度が速いために、添加されている希土類元素を励起しても、非発光の過程を経て基底状態に戻る割合が多くなるため、効率が悪い。
励起光源としては、発振波長が340nm〜500nmの範囲より選ばれる1つ以上の波長を有するものであれば特に限定されない。
例えば、チッ化ガリウム系半導体光源、He−Cdレーザ、色素レーザ、Arイオンレーザ、波長変換レーザなどが利用できる。
しかし、サイズおよび消費電力を考慮すると、小型で消費電力の小さい光源である波長変換レーザまたはチッ化ガリウム系半導体光源が好ましい。また、電気/光変換効率に注目すると、波長変換レーザでは、基本波レーザを波長変換する際に損失が生じるので、直接340nm〜500nm付近の波長を発光できる、チッ化ガリウム系半導体光源がより好ましい。
特にチッ化ガリウム系半導体光源において、チッ化ガリウム系半導体レーザを用いる場合、その出射ビームは楕円形状をしているため、レーザ媒質が円形のコアを有する光ファイバなどの光導波路に対しては、円形ビームに変形するビームの整形を行うことが好ましい。例えば、シリンドリカルレンズを用いてビームを整形した励起光とすることがより望ましい。
また、光導波路のレーザ媒質を用い、且つ、該レーザ媒質の片側または両側に、石英系光ガラスからなる導波路を接続して用いる場合、該光導波路の導波路パラメータは、接続する導波路間の接続損失が0.2dB以下であるように設定されることが好ましい。導波路パラメータが大きく異なる場合には、接続部で損失が発生するだけではなく、構造の不整合に起因する反射が発生する可能性がある。さらに好ましくは、接続部分での反射を抑制するために、融着接続を用いるのが好ましい。
さらに、光導波路のレーザ媒質に石英系ガラスからなる光導波路を接続することは、下記の理由から、該レーザ媒質の励起光入射端の破損を防ぐ効果もある。励起光の形状が完全なシングルモードでない場合、励起光が光導波路に入射される際に、光の一部が光導波路のコアの外に放射されてしまう。また、励起光入射側の光導波路端面において、コア部近傍に傷や構造不整が在った場合には、電場集中により発熱する場合がある。特に、ガラス転移温度の低いフッ化物ガラス(ZBLANガラスでは約280℃)では注意が必要である。レーザ媒質の端面を保護するために、例えば図1に示される例において、励起側の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面105−aに石英系ファイバを融着接続することもできる。石英系ガラスはフッ化物ガラスに比べてガラス転移温度が高いので、発熱に対する耐性が高い。
また、共振器中を往復している所望のレーザ光がマルチモードで発振している場合、該共振器の光路中に所望の波長帯でシングルモードである光導波路を挿入することにより、シングルモード以外の成分へ損失を与え、選択的にシングルモードでレーザ発振させることもできる。
また、使用する石英系ガラスからなる光導波路は、コア部が石英系ガラスであればよいが、紫外光〜可視光領域に対して吸収の少ないものが好ましい。特に、紫外〜青紫領域のレーザ発振を行う場合は、該光導波路のコア材料として、紫外〜青紫にかけて吸収を有するGeが高添加されている石英ガラスは好ましくなく、例えば、純粋石英ガラスを用いることが好ましい。
励起光結合手段である励起光反射/レーザ光透過ミラーとしては、光カプラ、誘電体多層膜フィルタ、プリズム、グレーティングなどを利用できる。プリズムを用いる場合、励起波長と所望のレーザ波長が近い場合には、励起光とレーザ光を分離することが困難となる。また、グレーティングを用いる場合には回折損失が生じる。故に、光カプラや誘電体多層膜フィルタを用いるのがより好ましい。
以下に、本発明を用いた具体的な実施例を開示する。
図3に第1の実施例を示す。図3に示される光学系は、励起光源であるチッ化ガリウム系半導体レーザ401(インジウム添加有り、中心波長:448nm:日亜化学工業製)、非球面レンズ402(NA:0.60)、シリンドリカルレンズ403(f=−25mm)、シリンドリカルレンズ404(f=50mm)、レーザ光全反射フィルタ405(HR:520nm〜560nm、AR:830nm〜870nm、1510nm〜1570nm)、励起光反射/レーザ光透過ミラー406(45°入射、HR:440nm〜455nm、AR:520nm〜560nm、830nm〜870nm、および1510nm〜1570nm)、非球面レンズ407(NA:0.30)、レーザ媒質であるEr3+添加フッ化物ガラスファイバ408(ホストガラス:ZBLANガラス、Er3+:3000ppm、NA:0.22、コア径:3.3μm、ファイバ長:65cm)、レーザ光部分反射フィルタ409(波長:543±10nmにおいて反射率:76%、その他の波長は透過)により構成される。励起光が透過する光学部品(402,403,404,407)は波長448nmにおいて反射防止コーティングされている。レーザ光が透過する光学部品406、407には波長520nm〜560nm、830nm〜870nm、および1510nm〜1570nmにおいてARコーティングされている。
励起側のEr3+添加フッ化物ガラスファイバ端面408−aはフレネル反射を抑制するために、8°研磨されている。励起側と反対のEr3+添加フッ化物ガラスファイバ端面408−bは直角に研磨され、レーザ光部分反射フィルタ409に隙間なく密着させた。レーザ光部分反射フィルタ409を透過してきた光を測定用ファイバ(コア径:62.5μm、マルチモードGI型ファイバ)に結合し、その波長スペクトルを光スペクトラムアナライザ(ANDO製:AQ−6315A)を用いて測定した。
その結果、励起光120mW以上投入したとき、波長543nm帯でレーザ発振を確認した。Er3+添加フッ化物ガラスファイバ408に励起光176mWを結合させたとき、レーザ共振器から出力されたレーザ光の波長スペクトルを図4に示す。
また、透過光のうち波長543±10nmに含まれる光パワーをバンドパスフィルタ(透過波長543±10nm)および、パワーメータヘッド(Anritsu製:MA9411A)を用いて測定した。図5にファイバに投入した励起パワーと得られたレーザ出力の関係を示す。最大200mWの励起光をファイバに投入すると、最大12mWのレーザ出力を得た。
図6に第2の実施例を示す。図6に示される光学系は、励起光源であるチッ化ガリウム系半導体レーザ701および705(インジウム添加有り、中心波長:448nm)、非球面レンズ702および706(NA:0.60)、シリンドリカルレンズ703および707(f=−25mm)、シリンドリカルレンズ704および708(f=50mm)、偏光ビームスプリッタ709、非球面レンズ710(NA:0.30)、WDMカプラ711(ファイバ:Nufern製純粋石英コアファイバS460HP、合波波長:543nmおよび448nm)、レーザ媒質であるEr3+添加フッ化物ガラスファイバ713(ホストガラス:ZBLANガラス、Er3+:3000ppm、NA:0.22、コア径:3.3μm、ファイバ長:65cm)、レーザ光部分反射膜(誘電体多層膜)が端面に蒸着されたフェルール714(波長:543±10nmにおいて反射率:86%、その他の波長は透過)、レーザ光全反射膜(誘電体多層膜)が端面に蒸着されたフェルール715(波長:543±10nmにおいて反射率:99.5%以上、その他の波長は透過)により構成される。
励起光が透過する光学部品(702,703,704,706,707、708、709、710)は波長448nmにおいて反射防止コーティングされている。Er3+添加フッ化物ガラスファイバ713とWDMカプラ711のポートである石英ファイバ711−cは融着接続(融着点712)されている。フレネル反射の発生を抑制するため、WDMカプラ711のポートである石英ファイバ711−aの端面は8°に斜め研磨されている。
また、WDMカプラ711のポート(711−a、711−b、711−c)間の挿入損失は、波長448nmに対しポート711−a〜711−c間において0.3dBであり、波長543nmに対しポート711−b〜711−c間において0.05dBである。
尚、本実施例では、2個のチッ化ガリウム系半導体レーザを用いているが、いずれか一方のチッ化ガリウム系半導体レーザを用いても良い。
レーザ光部分反射膜が端面に蒸着されたフェルール714を透過するレーザ光を光スペクトラムアナライザ(ANDO製:AQ−6315A)によりモニタしながら、励起パワーを増加させたとき、130mW以上の励起パワーにおいて、波長543nmでレーザ発振を確認した。また、レーザ光部分反射膜が端面に蒸着されたフェルール714を透過したレーザ光の光パワーをパワーメータヘッド(Anritsu製:MA9411A)を用いて測定した。Er3+添加フッ化物ガラスファイバ713に励起光200mWを入射させたとき、該フェルール714から得られた543nmレーザの出力は8mWであった。尚、WDMカプラ711のポートである石英ファイバ711−bはシングルモードファイバであるため、該フェルール714から得られるビーム形状はシングルモード(LP01)である。
本発明は、医療・生物分野で使用される光源、工業用検査光源、ディスプレイ用光源、プロジェクション用光源、光ジャイロ用光源などとして利用できる。
101:励起光源
102、405:レーザ光全反射フィルタ
103、406:励起光反射/レーザ光透過ミラー
104:集光レンズ
105:希土類添加フッ化物ガラスファイバ
105−a:励起側の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面
105−b:励起側と反対の希土類添加フッ化物ガラスファイバ端面
106、409:レーザ光部分反射フィルタ
201:バルク状希土類添加フッ化物レーザ媒質
202:レンズ
401、701、705:チッ化ガリウム系半導体レーザ
402、407、702、706、710:非球面レンズ
403、404、703、704、707、708:シリンドリカルレンズ
408、713:Er3+添加フッ化物ガラスファイバ
408−a:励起側のEr3+添加フッ化物ガラスファイバ端面
408−b:励起側と反対のEr3+添加フッ化物ガラスファイバ端面
709:偏光ビームスプリッタ
711:WDMカプラ
711−a、711−b、711−c:WDMカプラのポートである石英ファイバ(シングルモードファイバ)
712:融着点
714:レーザ光部分反射膜が端面に蒸着されたフェルール
715:レーザ光全反射膜が端面に蒸着されたフェルール

Claims (5)

  1. 励起光を放出する励起光源と、所望の波長帯の光を反射する第1のミラーと第2のミラーが対向して設置され、さらに第1のミラーと第2のミラーの光路間に該励起光を導入する励起光結合手段と導入された該励起光により発光するレーザ媒質が配置されている共振器を備えるレーザ装置において、
    励起光源に、励起光の波長が340〜500nmの範囲内である、チッ化ガリウム系半導体光源、レーザ媒質に、少なくともEr3+、Ho3+、Sm3+、Tm3+、Dy3+、Eu3+、Tb、またはNd3+のいずれか1種類が添加されているフッ化物ガラスまたはフッ化物結晶を用い、
    かつ、レーザ発振波長が励起波長よりも長いことを特徴とするレーザ装置。
  2. 該共振器の光路中に、該所望の波長帯においてシングルモードとなる光導波路が少なくとも1つ挿入されていることを特徴とする請求項1に記載のレーザ装置。
  3. 該レーザ媒質が光導波路のコア部を形成すること特徴とする請求項1または2に記載のレーザ装置。
  4. 該レーザ媒質の片端または両端に石英系ガラスからなる光導波路が接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のレーザ装置。
  5. 該励起光結合手段が、光カプラ、誘電体多層膜フィルタ、プリズム、グレーティングのいずれかであることを特徴とする、請求項1乃至4のいずれか1項に記載のレーザ装置。
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