JP2010078603A - 液体の試料を分析するためのミクロ装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】液滴からの液体を混合して、液滴の三重線(triple line)からの十分な距離に潜在的に存在する成分の著しい濃縮を得るための装置を提案する。
【解決手段】本発明は、電気湿潤化することによって、液滴(F1)の界面(I)に波を形成し、液滴(F1)の界面(I)における成分のミクロ的混合と濃縮を可能にするための装置に関する。装置は、電気制御効果の下で第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成するのに適した少なくとも1つの励起電極(20;30)と、前記励起電極(20;30)に配置され、前記第1の対称軸と実質的に一致する対称軸をもった液滴(F1)とを有し、これによって前記電界は前記液滴(F1)の界面(I)において本質的に軸対称な波を生成する。
【選択図】図2
【解決手段】本発明は、電気湿潤化することによって、液滴(F1)の界面(I)に波を形成し、液滴(F1)の界面(I)における成分のミクロ的混合と濃縮を可能にするための装置に関する。装置は、電気制御効果の下で第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成するのに適した少なくとも1つの励起電極(20;30)と、前記励起電極(20;30)に配置され、前記第1の対称軸と実質的に一致する対称軸をもった液滴(F1)とを有し、これによって前記電界は前記液滴(F1)の界面(I)において本質的に軸対称な波を生成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、特に試料に潜在的に存在する成分を検出するための液体試料分析の一般的な分野に関する。
また、分析される液体試料が液滴形態にありうるという点で、分離したミクロ流体の分野に関連する。この場合、液滴と言う用語は、実質的に部分球の液滴、液溜またはキャピラリーブリッジ(capillary bridge)のことを言う。
本発明は特に、電気湿潤化を用いて液滴の界面において表面波を形成するための装置に関連する。
提案された本発明は、生物学的または化学的対象を濃縮および検出するための、流体試料の流体力学的特性評価のための、またはミクロ流体における運動伝達のための多数の適用を有する。
多数の分野において、液滴に潜在的に存在する成分を検出することが望まれる。
これは例えば、生物学的、または医療的診断を確立するためのケース、あるいは遺伝子工学または食品加工業の分野におけるケースでありうる。特に、高分子、細胞、検体、組織、病原体、挿入物質を検出または分析することが望まれうる。
これは電気核工業(electronuclear industry)の分野にも当てはまり、そこでは液体排出物に存在する放射性元素、特に、プルトニウムを含めた、最も危険な廃棄物を形成するところのアクチニドを検出できることが不可欠である。
より広くは、環境的検出は、特に対象の液体内の病原体、金属、固体粒子およびコロイドの濃度を決定するように意図される。
これらの分野の大部分において、短い時間で、可能な限り簡単で非侵襲的に、小さな体積の液体試料を分析することが望まれる。
分離した(またはデジタルな)ミクロ流体は、非常に小さな体積の液滴を処理および置換することを可能にする。それはチップ上の研究室(ラボ・オン・チップ)のような新しいミクロシステムの開発における役割の増加を果たし、そして連続的に多数の分析段階を行なうことを可能にする。
それは、特にポンプ、弁、流れを制限するのに必要とされる壁を使わないオプションによって、連続的な(チャンネル(経路)における)ミクロ流体から区別される。かくして、体腔壁の物理化学的汚染が最小化され、または排除さえされうる。
その例示は、分子生物学の分野における、核酸(DNAおよび/またはRNA)の混成、または抗原/抗体、蛋白質/配位子、蛋白質/蛋白質、酵素/基板タイプの相互作用などを分析するためのシステムを形成するバイオチップを含む。この場合、前記化学定数(chemical constants)に関連する運動学的パラメータまたは平衡定数が必要とされる。
生体分子は、当業者に知られているPCRまたはELISA技法を用いて発見されうる。これらの技法は、通常、蛍光化合物でラベリングされた探査分子の置換(grafting)を使う。次に、発光された蛍光レベルは、混成プロセスを定量化する光学手段を使って測定される。
これらの検出技法に先立ち、一般に分析されるべき液体試料の準備が行なわれる。準備は試料から液体を混合するか、または攪拌し、規定された領域、例えば液体試料の流体界面において生体分子を濃縮することから成りうる。
これらの準備動作を行ない、続いて液滴に存在する生体分子を検出するのに使われる装置の例は、出願人の出願した特許文献1(国際公開2008/068229号パンフレット)に記載されている。
この装置は、液滴の界面の歪(変形)または全体的な変位を誘起することなく電気流体力学を用いて、液滴中に循環、または渦動、流れを生成することを可能にする。次に、この渦動は、攪拌または遠心分離を用いて液滴の液体の混合物を産み出す。そしてそれは、混成運動力学を促進することを可能にする一方で、小型化の制約と矛盾のない状況を保つ。遠心力の効果の下で、それは、さらなる高感度な検出のために、液滴の界面における成分を濃縮することをも可能にする。
この渦動を生成するために、液滴は、2つの電極を覆う、互いに対面するジグザグ形状のエッジを持った誘電体層に対して与えられる。前記2つの電極間の電位差の印加は、エッジの形状と液滴の位置に起因して、液滴界面に対する傾斜した電界を生じさせる。次に、電界の接線方向の成分は界面に蓄積された電荷の変位を起こす。そしてそれは、粘性によって、液滴の中に液体の流れを誘起する。
かくしてこの装置は、液滴から液体を混合し、そして液滴界面における成分を濃縮することを可能にし、それによって精製、抽出、またはより正確な検出を可能にする。
しかしながら、従来技術による装置は多くの不利点を有する。
生み出された渦動の強度は電界のそれに依存する。しかしながら、この強度は、電極から遠ざかる際に著しく減少する。また、渦動は、実質的に電極の近くに位置している。ゆえに、液滴内で作り出された混合物は一様ではなく、成分は電極の近くおよび三重線においてより濃縮される。
しかしながら、接触線と電極表面から遠く離れたところ、例えば液滴の頂上において、著しい濃縮を得ることが望まれうる。そこ(上記液滴の頂上)では、結果的に境界条件(三重線)および壁に起因したかく乱を避け、そして従来技術によれば装置に容認されないような一層容易な次回の検出を可能にする。
さらに渦動は、その濃度、または、マイクロPIV(質点像速度測定法;Particle Image Velocimetry)などの複素速度場表示技法を用いた動化学的相互作用パラメータまたは動生物学的相互作用パラメータのような、液滴において潜在的に存在する成分についての必要とされる情報を与えるのみである。この場合、探査分子にラベリングすることを利用した検出技法(PCR、ELISAなど)を使うことが必要であり、高いコストと、長い処理時間をもたらす。
本発明の目的は、液滴からの液体を混合して、液滴の三重線(triple line)からの十分な距離に潜在的に存在する成分の著しい濃縮を得るための装置を提案することである。
この目的のために、本発明は、第一に、電気湿潤化によって液滴の液体の界面に波を形成するための装置に関連する。
本発明によれば、この装置は、電気制御効果の下で第1の対称軸の周りの振動と放射状電界とを生成するのに適した少なくとも1つの励起電極を有し、これによって、前記励起電極に配置され、前記第1の対称軸と実質的に一致する対称軸をもった液滴の存在の下で、前記電界は前記液滴の界面において波を生成し、前記生成された波は本質的に軸対称である。
本質的に軸対称の波とは、主としてまたは排他的に軸対称である波のことを意味する。
このようにして、三重線上に電気湿潤化によって生成された前記軸対称の波は、液滴の全界面上で一様に伝播され、そして液滴液体の実質的に一様なミクロ混合物を誘起する。
波の軸対称の性質は、三重線と励起電極から遠く離れて規定された領域における共振モードを得ることを可能にする。この時、界面に潜在的に存在する成分の前記領域で潜在的に著しい濃縮、特により大量の成分を得ることが可能である。例示として、半球形の液滴の場合、共振モードは液滴の頂上(最高点)において実質的に得られる。
さらに、界面における成分の濃縮は、前記軸対称の波が実質的に動かないか、または進行するかに応じて、液滴の三重線を含む濡れ平面から離れると、実質的に一様か、または増加しうる。
好都合に、形成された前記波は実質的に線形(直線)挙動を有する。
優先的に(好ましくは)、前記波は10−5から1の間の波長に対する振幅の比を持つ。
優先的に、前記波は10−5から10−1の間の波長に対する振幅の比を持つ。
優先的に、前記波は10−4から10−2の間の波長に対する振幅の比を持つ。
優先的に、前記波は10−3のオーダーの波長に対する振幅の比を持つ。
優先的に、前記波は10−1より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持ち、優先的に10−2より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持ち、優先的に10−3のオーダーの液滴半径に対する振幅の比を持つ。
液滴半径とは、前記励起電極上に配置された、界面において生成されるいかなる波もない場合の、前記液滴に実質的に対応する半球面の半径を意味する。あるいは相当半径と呼ばれる、前記液滴と同じ体積を持った球面の半径を意味する。
本発明の第1の実施の態様によれば、装置は、実質的に円盤形状を持った単一の励起電極を有する。
1つの代替の実施の態様によれば、装置は、実質的に環状形状を持った単一の励起電極を有する。
本発明の第2の実施の態様によれば、装置は、第1の実質的に環状の励起電極と、前記第1の励起電極によって囲まれ、実質的に円盤形状を持った対電極を形成する第2の励起電極とを有する。
1つの代替の実施の態様によれば、装置は、それぞれ実質的に互いに対面して配置された半環形状を持った対電極を形成する、第1の励起電極と第2の励起電極とを有する。
1つの代替の実施の態様によれば、装置は、それぞれ実質的に互いに対面して配置された半円盤形状を持った対電極を形成する、第1の励起電極と第2の励起電極とを有する。
励起電極は実質的に円形の内部のエッジを規定する内部エッジを有することができ、前記液滴の三重線が、優先的に前記内部エッジに実質的に面する。
励起電極は実質的に円形の外部のエッジを規定する外部エッジをも有することができ、前記液滴の三重線が、前記外部エッジに実質的に面する。
本発明の第1の実施の態様において、装置は、前記液滴の電位とは異なった電位を前記励起電極に印加するために、電圧発生器を有することができる。
本発明の第2の実施の態様において、装置は、第1の励起電極と対電極との間に電位差を印加するために、電圧発生器を有することができる。
優先的に、前記電界は、励起電極と前記液滴との間に、10Hzから150Hzの間に周波数を持った電気湿潤化電圧差を誘起する。
前記電気湿潤化電圧差は1Vから100Vの間の振幅を持ちうる。
優先的に、前記電気湿潤化電圧差は1Vから50Vの間に振幅を持つ。
好都合に、励起電極は誘電材料の層で覆われる。
好都合に、前記誘電体層は疎水性材料の層で覆われる。
好都合に、前記誘電体層は疎水性である。
装置は、前記液滴の三重線を捕捉するための手段を有しうる。
波形成装置は、前記励起電極に対向して平行配置され、前記電気制御効果の下で、前記第1の対称軸と実質的に一致する第3の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成するのに適した、少なくとも1つの第2の励起電極を追加的に有しうる。
この場合、前記液滴は、前記励起電極と前記第2の励起電極との間に形成されるキャピラリーブリッジ(capillary bridge)でありうる。
本発明は、液滴を分析するための装置であって、
・上述のいずれかの特徴に従った波を形成するための装置と、
・形成された波の幾何学的特性評価のための手段と、
・前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の幾何学的特性評価に基づいて分析するための、前記幾何学的特性評価手段に関係した分析手段と、を有することを特徴とする装置にも関係する。
・上述のいずれかの特徴に従った波を形成するための装置と、
・形成された波の幾何学的特性評価のための手段と、
・前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の幾何学的特性評価に基づいて分析するための、前記幾何学的特性評価手段に関係した分析手段と、を有することを特徴とする装置にも関係する。
1つの代替の実施の態様によれば、幾何学的特性評価手段は、形成された波の振幅を測定するための手段である。
形成された波の振幅を測定するための手段は、光吸収および/または干渉測定手段でありうる。
他の代替の実施の態様によれば、幾何学的特性評価手段は、界面のラインに沿って形成された波の傾きを測定するための手段である。
形成された波の傾きを測定するための手段は、屈折率測定手段でありうる。
幾何学的特性評価手段は、形成された波の振幅を測定するため、および、界面のラインに沿って形成された波の傾きを測定するため、の両方の手段である。
他の実施の態様によれば、液滴を分析するための装置は、
・上述のいずれかの特徴に従った波を形成するための装置と、
・形成された波の運動学的特性評価のための手段と、
・前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の運動学的特性評価に基づいて分析するための、前記運動学的特性評価手段に関係した分析手段と、を有する
・上述のいずれかの特徴に従った波を形成するための装置と、
・形成された波の運動学的特性評価のための手段と、
・前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の運動学的特性評価に基づいて分析するための、前記運動学的特性評価手段に関係した分析手段と、を有する
運動学的特性評価手段は、形成された波の法線方向速度を測定するための手段である。
液滴の流体力学的分析のために、幾何学的波特性評価または運動学的波特性評価は、液体の物理化学的特性、特にその界面の特性を決定することを可能にする。存在する成分の検出のために、波の振幅または傾きは、存在する成分についての情報を提供し、また潜在的な化学的相互作用と関係した運動学的パラメータまたは平衡定数を得ることを可能にする。
このようにして、従来技術とは異なり、液体の化学的相互作用または物理化学的特性を乱す傾向のある、いかなる光学探査置換または蛍光探査置換をも廃止することができる。
さらにこの検出技法は、従来技術よりも実行することが容易であり、一方で高精度を保証する。光学法(屈折率測定、光吸収、干渉、偏光分析法)は、幾何学的波特性評価または運動学的波特性評価を行なうのに使われうる。さらに、波の軸対称の性質は、三重線から遠く離れた界面の領域における共振現象を得ることを可能にする。優先的に前記領域における幾何学的波特性評価または運動学的波特性評価に基づく分析手段は、液体の機械的または物理化学的特性、特に界面の特性を計算するために使われる。
このようにして、混合、濃縮、および分析段階を同時に行うことができるならば、速やかでリアルタイムの診断を行なうことができる。
分析手法は非侵襲的であり、そのため、液体試料の物理化学的変性、あるいは界面における潜在的な分子の組織化の妨害の危険がない。
このようにして、液滴を分析するための装置は、液滴に含まれる生物学的または化学的対象をラベリングすることなく、液滴の化学的性質を分析することができる。
しかしながら、液滴を分析するための装置は、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための手段をさらに有することができる。このようにして、複数の化学的分析法の使用に起因して分析の精度は向上する。
他の実施の態様によれば、液滴を分析するための装置は、上述のいずれかの特徴に従った波形成装置と、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための手段と、を有する。
前記対象は、蛍光または放射性化合物でラベリングされうる。
本発明は、電気湿潤化によって、液滴の界面に波を形成するための方法であって、以下の段階、
・第1の対称軸を持った少なくとも1つの励起電極の上に液滴を配置し、前記液滴の対称軸が実質的に前記第1の対称軸と一致するようにする段階と、
・前記液滴の界面において本質的に軸対称な波が生成されるように、前記第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成する段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
・第1の対称軸を持った少なくとも1つの励起電極の上に液滴を配置し、前記液滴の対称軸が実質的に前記第1の対称軸と一致するようにする段階と、
・前記液滴の界面において本質的に軸対称な波が生成されるように、前記第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成する段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
前記波は10−5から1の間の波長に対する振幅の比を持ち、優先的に10−5から10−1の間の波長に対する振幅の比を持ち、優先的に10−4から10−2の間の波長に対する振幅の比を持ち、優先的に10−3のオーダーの波長に対する振幅の比を持つ。
優先的に、前記波は10−1より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持ち、優先的に10−2より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持ち、優先的に10−3のオーダーの液滴半径に対する振幅の比を持つ。
本発明は、液滴を分析するための方法であって、上述のいずれかの特徴に従った波形成方法の使用と、形成された前記波の幾何学的特性評価段階と、前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の幾何学的特性評価に基づいて分析する段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
幾何学的特性評価段階は、形成された波の振幅の測定でありうる。
優先的に、前記波の振幅の測定は、液滴の三重線から実質的に遠く離れた界面の規定された領域において行なわれる。
あるいは、幾何学的特性評価段階は、界面のラインに沿って形成された波の傾きを測定することである。
本発明は、液滴を分析するための方法であって、上述のいずれかの特徴に従った波形成方法の使用と、形成された前記波の運動学的特性評価段階と、前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の運動学的特性評価に基づいて分析する段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
運動学的特性評価段階は、形成された波の法線方向速度を測定することでありうる。
本発明は、上述のいずれかの特徴に従った液滴を分析するための方法であって、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための段階、をさらに有することを特徴とする方法にも関係する。
本発明は、液滴を分析するための方法であって、上述のいずれかの特徴に従った波形成方法の使用と、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
最終的に本発明は、上述のいずれかの特徴に従った波形成装置、または上述のいずれかの特徴に従った分析装置の使用に関係し、前記液滴は血液の液滴でありうる。
本発明の他の利点および特徴は、非限定的な以下の詳細な説明において明らかとなるであろう。
さて、本発明の実施の態様が、添付の図面を参照する非限定的な例として記載される。
本発明による装置は、電気湿潤化、とりわけ誘電体上の電気湿潤化に基づく液滴励起装置を使う。
本発明の範囲内で使われる誘電体上の電気湿潤化の原理が、オープンな(開状態の)装置の一部として、図1Aおよび図1Bを用いて示すことができる。
電気伝導性の液体の液滴F1が励起電極20上にあり、励起電極20から液滴が誘電体層12および疎水性層13によって隔離される。これは疎水性および絶縁スタックを与える。
前記層13の疎水性の特性とは、液滴F1が前記層上に、90°より大きな接触角を持つ、ということを意味する。
それは誘電体流体F2によって囲まれており、前記流体により界面Iを形成する。
励起電極20は、基板11の表面上に形成されるか、またはそれを用いて一体化される。
対電極30は、懸垂線ワイヤーの形状におけるこのケースでは、液滴F1との電気的接触を維持することを可能にする。前記対電極30は、カウル型(頭巾型またはフード型)の限定されたシステムにおける埋込みワイヤーまたは平面の電極でもありうる。しかしながら、それは同様に存在しないようにもできる。
励起電極20と対電極30は、電極間に電気湿潤化電圧Uを印加するために使われる電圧源50に接続されている。
励起電極20が励起される時、すなわち伝導性のワイヤーによって前記電極20と電圧源50との間に電気的接触が施される場合には、液滴F1、誘電体層12、および励起された電極20から成るアセンブリ(組立体)は、キャパシタの役割を果たす。
ベルジュ(Berge)による論文「Electrocapillarite et mouillage de films isolants par l'eau」, C.R. Acad. Sci., 317, series 2, 1993年, 157〜163において記載されているように、液滴F1の界面の接触角は、この場合、下記関数に従って減少する。
ここに、eは誘電体層12の厚さであり、εrは前記層の誘電率であり、σは液滴界面の表面張力である。
電気湿潤化電圧が交流であるならば、分極電圧周波数が、特に液体の電気伝導率に依存し、また通常は数十キロヘルツのオーダーのであるカットオフ周波数より実質的に小さいという点で、液体は導体のように振舞う。(例えば、Mugele およびBaretによる論文「Electrowetting: from basics to applications」, J. Phys. Condens. Matter, 17 (2005年), R705〜R774を参照されたい。)さらに、周波数は、液体のF1の水力学的応答周波数よりも実質的により大きくありうる。そしてそれは、表面張力、液滴の粘性または大きさのような、液滴の物理的パラメータに依存し、そして数百ヘルツのオーダーである。この場合、液滴F1の応答は、二乗平均平方根電圧値に依存する。というのは、接触角がU2で電圧に依存するからである。
Baviereらの論文「Dynamics of droplet transport induced by electrowetting actuation」, Microfluid Nanofluid, 4, 2008年, 287〜294によれば、静電圧力は、接触線の近くの界面Iに対する作用として現われる。その界面は、電気湿潤化によって適用される接触角が(図1Bで)観測されるように変形される。
励起電極ネットワークを用いた前記静電圧力の不均一な印加が、当業者に知られた方法で、液滴F1の変位を誘起する、ということが注目されるべきである。このように、液滴は、疎水性表面上に、次第に任意選択的に変位させられうる。これにより、液体を変位させ、また複雑な手順を実行することが可能である。
本発明の第1の好ましい実施形態による液滴の流体界面における波形成装置が、図2に縦断面図として概略的に表されている。
この装置は、平面を形成し、また第1の基板11に集積化(一体化)された励起電極20を有する。
本発明の第1の実施形態によれば、装置は、実質的にディスクの形態で単一の励起電極20を有する(図3A)。以下に図3Bを参照して記載するように、実質的に環状形状も可能である。
正規直交座標(i,j,k)の平面(i,j)に実質的に平行な励起電極を含む平面は、電極の中間平面(median plane)と言及される。
優先的に、励起電極20は誘電材料12の層で覆われる。好都合に、前記誘電体層12は、疎水性材料13の層(図示せず)で覆われる。
波形成装置は、少なくとも部分的に励起電極20を覆うように疎水性層に接触する液滴F1を有する。
上記特定されたように、液滴と言う用語は、実質的に半球形の液滴、液溜、またはキャピラリーブリッジと言うことができる。図2に示された例において、液滴F1は実質的に半球形、さらに特には部分球形である。
ここでの説明においては、「〜を覆う」および「〜上に配置される」という動詞は、この場合、必ずしも励起電極との直接の接触を意味しない。以下で記載されるように、液滴は、例えば、疎水性層13および/または誘電体層12が前記電極20を覆う時に、直接接触することなく、励起電極20を覆うか、その上に配置されうる。
液滴界面Iと言う用語は、液滴F1の液体と周囲の流体F2の間に形成された流体のことを言う。
疎水性層に接触し、液滴界面に属する液滴の線(ライン)は三重線と言及される。優先的に、三重線は実質的な円形である。
界面は三重線との接触角を形成し、前記角度は液滴の液体において慣例の測定によるものである。液滴が疎水性層に接触する時、そしていかなる静電圧力もない時、接触角は実質的に90°より大きい。
液滴は実体部分および界面において成分を含みうる。成分という総称的用語は、潜在的に液滴に存在する何らかの種(高分子:DNA、RNA、蛋白質、細胞、組織、アクチニド、コロイド、および固体粒子など)のことを言う。生物学的および化学対象と言う用語もまた使われうる。
本発明によれば、励起電極20は第1の対称軸を持ち、液滴F1は実質的に第1の軸と一致する第2の対称軸を持つ。優先的に、第1および第2の対称軸は、実質的に中間平面と垂直である。
図2における例において、また図3Aを参照すると、励起電極20は外部エッジを形成するエッジ22を有する。外部エッジは、電極の対称軸に起因して実質的に円形である。
励起電極の平面図である図3Aに示されるように、優先的に、液滴は、少なくとも部分的に励起電極20を覆うように配置される。優先的に、三重線は実質的に外部エッジに面して置かれる。
励起電極20は、第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成するのに適している。この目的で、それは電圧発生器50に接続されうる。その電圧発生器50は、液滴F1の電位とは実質的に異なった電圧を電極20に印加する。そして、いわゆる電圧における電気湿潤化の差が、励起電極20と液滴F1の間とに生成される。
電圧発生器50によって生成される電気湿潤化電圧は、第1の直流電圧、または高周波成分V、いわゆる励起電圧変調vを有しうる。
励起変調はv(ω)と表され、液滴の水力学的応答周波数よりも実質的に小さい周波数ωを持つ。周波数ωは、10Hzから500Hzの間、優先的に10Hzから150Hzの間でありうる。振幅Avは1Vから100Vの間、優先的に1Vから50Vの間でありうる。
低周波変調v(ω)は接触角の調和的な変調を可能にする。周波数が水力学的応答周波数より小さいならば、接触角変化は変調vの振幅と周波数に実質的に従う。これは振動性の電気湿潤化であると言うことができる。
第1の成分は上記参照されたVであって、1Vから数百ボルト、例えば200Vの直流電圧でありうる。優先的に、それは数十ボルトのオーダーでありうる。それはまた、水力学的応答周波数よりも実質的に大きい周波数Ωを持った高周波数交流電圧V(Ω)、例えば500Hzから10kHzの間の、優先的に1kHzのオーダーでありうる。そして、接触角が上記与えられた関数によって、V2における電圧に依存するのに従って、この成分は、液滴によって電圧値Vの二乗平均平方根に等しい値を持った直流電圧だとして見なされる。二乗平均平方根値は、1Vから数百ボルトの間で変化し、例えば200Vである。優先的に、それは数十ボルトのオーダーである。
この成分Vは、液滴界面において規定された接触角を適用することを可能にし、それによってその一般的形状を調整することを可能にする。
他の実施形態によれば、電圧発生器50は、直流または高周波成分Vを有しない低周波の電気湿潤化電圧を生成することもできる。この場合、振幅および周波数は励起変調vに対して記述された値に対応する。
励起電極20は、Au、Al、ITO、Pt、Cu、Crなど、あるいはAl−Si合金などから選択される金属の薄層を、例えばフォトリソグラフィなどのを用いる従来からのミクロ電子工学技法を使って、堆積(蒸着)することによって製造されうる。次に電極20は、例えば湿式エッチングを用いて適切なパターンでエッチングされる。
電極20の厚さは、10nmから1μmの間、優先的に300nmでありうる。その大きさは、励起される液滴F1の大きさに依存する。それは、優先的に、液滴の大きさと釣合がとれるべきである。
誘電体層12は励起電極20を覆うことができる。それはSi3N4、SiO2、SiN、バリウムストロンチウムチタネート(BST)、またはHFO2、Al2O3、Ta2O5[29]、Ta2O5−TiO2、SrTiO3またはBal−xSrxTiO3などの他の高誘電率材料から作られうる。前記層12の厚さは100nmから3μmの間、一般的な規則として100nmから1μmの間とすることができ、優先的に300nmでありうる。SiO2誘電体層12は、熱酸化を用いて得られうる。プラズマ助長化学気相蒸着(PECVD)法が、温度の理由から低圧化学気相蒸着(LPCVD)法よりも好まれる。実際に、基板温度は、LPCVD蒸着で約750℃であるのに対して、(好ましい特性に応じて)150℃から350℃の間にのみ昇温されるだけである。
最終的に、疎水性層13は、誘電体層12上に堆積されうる。この目的で、テフロン(登録商標)が、焼き戻し(tempering)、スピンコーティング、またはスプレーを用いて堆積(蒸着)され、SiOCがプラズマを用いて堆積(蒸着)されうる。気相または液相の疎水性シラン蒸着が行なわれうる。その厚さは100nmから5μmの間であり、優先的に1μmである。前記層13は、特に濡れ角ヒステリシス効果を減らすか、または防止することを可能にする。
液滴F1は電気伝導性であって、イオン、例えばCl−、K+、Na+、Ca2+、Mg2+、Zn2+、Mn2+、およびその他で帯電された水溶液でありうる。液体はまた、水銀、ガリウム、共晶ガリウム、またはbmim PF6、bmim BF4またはtmba NTf2のようなイオン液体でありうる。
液滴F1の半径は、例えば10ミクロンから1センチメートルの間、優先的に1mmでありうる。
周囲の流体F2は、優先的に絶縁性であり、空気、鉱油またはシリコーン、FC−40またはFC−70、あるいはアルカンのようなペルフルオロ溶剤でありうる。
周囲の流体F2は、伝導性の液滴F1とは非混和性である。
本発明の第1の実施形態による装置の動作は次の通りである。
電圧発生器50が、液滴F1のそれとは実質的に異なる電圧を励起電極20に印加する。次に電気湿潤化電圧Uが励起電極20と液滴F1との間に生成される。励起電極20と液滴F1の共通の対称性に起因して、関連する電界は三重線とその平面で実質的に垂直である。
そのために、電界は実質的に接線方向の成分を持たず、例えば従来技術による装置でのような何らかの電気水力学的または電気運動学的渦動形成現象を防止する。
電圧変調vは三重線に沿って実質的に等方性の接触角を誘起する。液滴F1は、特に濡れた平面において実質的にいかなる変位をも受けない。ゆえに電界は、液滴F1と励起電極20の対称軸の周りに、振動し、放射状である。
次に、電界は接触角の変化、また任意選択的に平衡位置の周りで三重線の振動および放射状の変位を誘起する。
次に、接触角の調和的な変化は、三重線から、液滴F1の界面Iにおいて軸対称の波動ネットワークを生成する。
波は界面において一様に伝播され、かくして液滴F1の実質的に一様なミクロ混合物を生成する。
波の軸対称の性質に起因して、共振モードは液滴の頂上41、すなわち液滴から実質的に最も遠い領域において得られる。振幅は頂上41においてそれの最大であって、規定された周波数を持つ。
優先的に、波は、優先的に10nmから100μmの間の、優先的に1μmの振幅を持つ。
波長に対する振幅の比は、10−5から1の間、優先的に10−4から10−2の間、優先的に10−3のオーダーでありうる。
液滴が可溶な状態で対象成分を含むならば、液滴F1の界面Iは選択的に前記成分を捕捉するように機能化されうる。次に、本発明による装置は、その界面において小液滴の実体を用いて成分を濃縮することを可能にする。
その濃縮は、液滴F1の頂上41において重要であり、ゆえに境界条件(三重線、疎水性層の壁)に起因してかく乱を排除する。
波ネットワークの漸進的な成分は、液滴F1の界面Iにおいて吸収される成分の選択的な濃縮を可能にすることができる。それは、その分子の断面の範囲に応じて異なるように、液滴の頂上41に成分を輸送することができる。ここで再び、頂上41における濃縮は重要となる。
波によって輸送されない成分は、三重線の近くに残留するようラベリングされる。前記成分の分離、または精製の装置がこの場合使われる。電界内で液滴を放出することによる、またはキャピラリーブリッジを形成および破壊することによる特定の抽出は、分離された成分を含む2つまたは複数の液滴の形成を可能にしうる。
本発明の第1の実施形態の代案は励起電極20の形状に関する。
このようにして、図3Bに示すように、励起電極20は環状形状を持つことができ、その状況で、対称軸は液滴F1のそれと実質的に一致する。
この場合三重線は、静電圧力のない状態で、内部エッジ、または外部エッジ、または両方のエッジの間に実質的に面して置くことができる。
静電圧力下にない時に、三重線が実質的に内部エッジに面するという事実は、電気湿潤化電圧の効果の下で、液滴の広がりの容易な制御を可能にする。
さらに、静電圧力下にない時に、三重線が実質的に外部エッジに面するという事実は、同じ三重線補足ラインを使うことを可能にする。
本発明の第2の実施形態が図4に示されており、そこでは、装置が第1の励起電極20と、対電極を形成する第2の励起電極30とを有する。
優先的に、対電極30は平面で、前記基板11と一体化(集積)され、第1の電極20の中間平面(median plane)内にある。
図4は、円盤形状の対電極30を取り巻く環状の励起電極20を有する装置の概略的な縦断面図である。両方の電極20、30は、液滴の対称軸と実質的に一致する対称軸を持つ。
図5Aは前記電極の平面図である。電極間の間隔は1μmから10μmの間でありうる。
第1の対称軸の周りの振動する、放射状の電界を生成するために、電圧発生器50が電極20、30と異なる電位差を印加することができる。この電位差は、電極20、30と液滴F1との間に電気湿潤化電位の差を生成することを可能にする。
電気湿潤化電圧は、第1の実施形態でと同じ特徴を持ち、従ってそれをここで2回記載しない。界面において形成された波もまた上述と同一である。
静電圧力下にない時、液滴の三重線は、優先的に対電極30の外部エッジ、励起電極20の内部または外部エッジに実質的に面して置かれる。
環状の電極20が液滴から十分遠くに外部エッジ22を持つ場合、前記エッジ22は、三重線における電界が放射状のままであるならば、何らかの幾何学的配置、例えば多角形を持つことができる。
図5Bと図5Cは、対電極を形成する第1の励起電極20と第2の励起電極30の上面図である。
図5Bは半環形状の電極20、30を示し、図5Cは半円盤形状の電極20、30を示す。それぞれの電極は、電圧発生器50によって電極20、30の電気的励起が第1の対称軸の周りに放射状電界を生成することを可能にするように、他のものに直面して配置される。電極間の最小間隔は1μmから10μmの間でありうる。
第2の実施形態による装置の動作と形態は上述のものと同じである。
対電極を形成する第2の励起電極30を使うことの利点は、両方の電極20、30の電位から実質的に等距離の値に液滴の電位を設定することから成る。従って、電気湿潤化電圧は、液滴F1が浮遊電位を有する第1の実施形態によるものよりも良好に規定される。
誘電体層12が電気湿潤化現象に不可欠ではない、ということが注目されるべきである。実際に、誘電体層12がない場合には、液滴F1は励起電極20と電気的接触にある。電極20が励起される時、二重の電気層が電極20の表面上の液滴に形成され、厚さがデバイ長(Debye length)(数十ナノメートル)の規模のオーダーである誘電体層を形成する。印加された電気湿潤化電圧は、電気分解のような電気化学的現象を防止するように好都合に低い状態のままである。
さらに、液滴を支持している固体層の疎水性を増やすことは、三重線のずれに有利にはたらいて、粘着性の消失を制限するために有利である。この目的で、チオールが問題とする固体層に置換(移植)されうる。
他方で、三重線を捕捉することは、その変位、および関連する粘着性の消失を制限するために有利でありうる。これのために、三重線は、固体基板にエッチングされたリング形状の粗度によって捕捉されうる。この場合、波は、振動と三重線の放射状変位によってではなく、接触角の調和的な変化によって形成される。
本発明による装置が、例えば浮遊ワイヤーの形態で、液滴と直接電気的接触するよう配置された対電極が要求されないという利点を持つ、ということも注目されるべきである。このようにして、電界は、三重線への垂直を保つ。従って形成された波は軸対称であり、ゆえに対電極の存在に起因した対称軸のいかなるかく乱をも排除する。これはまた、チップ上に存在する研究室に、より簡単な製造および一体化を可能にする。さらに、例えば浮遊ワイヤーの形態の液滴に直接接触する対電極は、界面における成分の濃縮(濃度)をかく乱しうる。
図6は、本発明の第3の実施形態による装置の概略的な縦断面図である。
装置は、もはや単一の平面基板11を有しないが、第1の基板11に面して配置され、実質的に互いに平行なた第2の基板を有する。
第2の基板11−1も、第1の基板のそれ20、30と対向する、少なくとも1つの励起電極20−1、30−1を有する。疎水性層と誘電体層12−1も想定されうる。
液滴F1は、キャピラリーブリッジを形成するように2つの基板の間に挟み込まれうる。下側の励起電極20、30と上側の励起電極20−1、30−1は、電圧発生器50に、または図6に示されるように第1の電圧発生器50と同期する第2の電圧発生器50−1に接続される。
このようにして、電極の励起は、上記と同じ特徴に従って波を生成することを可能にする。共振モードは、この場合、キャピラリーブリッジの中央区域42上に形成される。
このように、成分は、その分子の断面の範囲に応じて異なるように、液体のブリッジの中央区域42に輸送されうる。装置は、この場合、キャピラリーブリッジの中央区域42の界面ラインにおいて、界面の成分の濃縮を行なうために使われる。
波によって輸送されなかった成分は、下側および上側の三重線の近くに残留する傾向にある。この場合、これらの成分を分離するまたは浄化するための装置が使われる。第1および第2の基板の互いからの相対的な距離を隔てることによって、または電気湿潤化電圧を増幅することによって、キャピラリーブリッジを壊すことによる特定の抽出が行なわれうる。
第3の実施形態による装置は、第1および第2の実施形態で記載したのと実質的に類似する動作および形態を有する。
本発明は、上述のいずれかの実施形態による液滴の界面に波を形成するための装置を有する分析装置にも関する。
液滴の分析は、表面張力、動的粘性、界面の粘性と弾性などを測定するために、流体力学的分析の目的で、行なわれうる。それは、界面の時効(劣化)のリアルタイムな検出のため、従って対象成分濃縮のためにも使われうる。
第1の実施形態による、液滴を分析するための装置は、上述のような波形成装置、形成された波の幾何学的特性評価のための手段、および、形成された波の幾何学的特性評価に基づいて、前記液滴F1の物理的および/または化学的な特性を分析するための、前記幾何学的特性評価と関係する分析手段、を有する。
第1の代案の実施形態によれば、幾何学的特性評価手段は、例えば光吸収および/または干渉を用いて、形成された波の振幅を測定するための手段である。
振幅測定は、共振モードの界面の領域で優先的に局所的である。すなわち、半球形の液滴に対する頂上41の上、およびキャピラリーブリッジの中央区域42の上である。
図7は、この場合半球形の液滴の頂上の上において振幅測定を有する分析装置の例を与える。
振幅測定は、共振モードの領域41で優先的に位置を定められる。実際に、波の共振特性は、界面において濃縮された成分の存在に特に敏感である。このようにして、界面が成分で濃縮されるのに従って、共鳴周波数のずれが観察されうる。この挙動は、界面の時効プロセスの際に、あるいは界面の最初の定常な化学的状態と界面における濃縮の後の最後の定常状態の間の比較を用いて、リアルタイムで測定されうる。
波の線形(直線)挙動、すなわち、10−5から1の間の波長に対する振幅の比を持ち、優先的に10−5から10−1の間の波長に対する振幅の比を持ち、優先的に10−4から10−2の間の波長に対する振幅の比を持ち、優先的に10−3のオーダーの波長に対する振幅の比を持つことは、分散関数を用いて共鳴周波数を界面の流体力学的特性に関連付けることを可能にする。さらに、動的表面張力は界面における成分濃縮値に依存する。
また、液滴F1の頂上41における振幅を測定することは、分析手段を用いて、共鳴周波数、従って液滴からの液体の流体力学的および物理化学的特性を得ることを可能にする。
光吸収法(図示しない)は液滴の高さを測定するためにも使われうる。この検出モードにおいて、光源は、液滴を通過する光線を送出する。この光線は電極20で反射され、反対方向に液滴を通過し、光学システムによって集められ、検出器に送られる。この光線はまた、液滴および基板を通して伝達されうる。後者(基板)は入射光波長に対し透明であり、次に検出される。検出器によって測定された信号はランベルト−ベールの法則(Beer-Lambert law)によって与えられる。そのために、それは液体の高さに逆比例する。光源はレーザーまたは発光ダイオード(LED)でありうる。検出器はフォトダイオード、カメラ、または他の何らかの光感応装置でありうる。この吸収測定法は、生物学的種の存在に強く依存する。液滴が停止状態での液滴高さをもって振動する時、高さ測定を標準化することは有利である。これは絶対的な測定よりも高感度な示差測定を可能にする。
液滴の頂上41における界面の波の振幅のリアルタイムな測定のために干渉法を使うことは、有利である。それは、チップ上の研究室の上に一体化(集積)することが容易であるという利点を提供する。その測定精度は他の光学法のよりも精確であって、ただ1つのアナログ信号が処理に必要であるのに応じて、その測定はさらに速やかに使われうる。
干渉法の原理は半球の液滴の例で図7に示される。
光源61によって出力されたレーザー光線の一部が、ファイバーネットワークで構成可能なネットワーク62によって、液滴の頂上41に導かれ、一方、他の部分が光検出器63に方向付けられる。光線は、液滴F1の界面Iに部分的に反射された後、光検出器63に再び導かれ、そこで第1の光線と干渉する。干渉縞のネットワークが出現し、そして液滴界面が移動される時に、干渉縞は変位させられる。光検出器63は強度の変化を伴ってこの干渉縞変位を運ぶ、時間に渡る(時間を通した)それの伝播は周波数変調された信号を誘起する。時間に渡る瞬間周波数の伝播は、(時間−周波数タイプの信号を処理すること、または干渉法モデルを特定することによって)液滴の頂上41の変位を運ぶ。液滴の頂上41の最小変位敷居値は、2分の1波長、すなわち赤色域のHeNeレーザー発光に対して約300nm、でありうる。それの簡単な使用に起因して、この光学法は、チップ上の研究室への容易な集積を可能にする。
光源61は優先的にコヒーレントである。本発明の一実施形態において、光源61は、小型の設計、コストおよび集積に基づく理由からレーザーダイオードである。液体の高さ測定は短い波長においてさらに明確であるが、レーザーはよりコンパクト性に乏しく、より高価である。そのために、赤色波長と近赤外波長が好まれる。
蛍光と組み合わせた測定の場合には、レーザーは液滴界面においてまたはその中に存在するフルオロフォア(蛍光色素分子)の吸収波長に応じて選択される。
光源61は、可能な限り最も一定の電力を出力するように、任意選択的に熱調整されうる。その電力はまた、連続的に監視され、測定を乱す傾向のあるいくつかのパラメータ(温度、停止状態での液滴高さ、流体の光学的屈折率など)の効果を修正するように適合させることもできる。
セパレータ62は以下の複数の要素から成ることができる。
・レーザー光線を2つのそれぞれ調節可能な振幅チャンネルに分割する、1から2のカプラ(Y、スプリッタ)
・レーザー光線を液滴に送り、そして装置の最終部分にそれを送るために界面での反射光を集光する時の、2から1のカプラ(Y、集線器(コンセントレータ))
・液滴上のレーザーから光を出力し、上面の反射光を集める合焦点装置。この装置は分離ファイバーヘッド、レンズファイバー、マイクロレンズ、またはセルフォック(Selfoc)(複数の液滴が同時に分析される場合)から成ることができる。
・同じファイバーに集光し、光線がレーザーから、また液滴の反射から直接来る、1から2のカプラ(Y、集線器(コンセントレータ))
・レーザー光線を2つのそれぞれ調節可能な振幅チャンネルに分割する、1から2のカプラ(Y、スプリッタ)
・レーザー光線を液滴に送り、そして装置の最終部分にそれを送るために界面での反射光を集光する時の、2から1のカプラ(Y、集線器(コンセントレータ))
・液滴上のレーザーから光を出力し、上面の反射光を集める合焦点装置。この装置は分離ファイバーヘッド、レンズファイバー、マイクロレンズ、またはセルフォック(Selfoc)(複数の液滴が同時に分析される場合)から成ることができる。
・同じファイバーに集光し、光線がレーザーから、また液滴の反射から直接来る、1から2のカプラ(Y、集線器(コンセントレータ))
上述のYカプラはファイバー光学カプラまたはマイクロプリズムでありうる。
次に、結果として得られた光線は光検出器63に送られる。
光検出器63は干渉を測定するために使われ、何らかのタイプの光感応性装置(フォトダイオード、カメラ、アバランシェフォトダイオード(APD)など)でありうる。装置外部(周囲光)の光干渉を制限するように、レーザー波長だけを透過するフィルターが任意選択的に光検出器63の前に置かれうる。ファイバーが存在する場合におけるファイバーと、光検出器63との間のカプリングは貼り付け、テーピングによって、あるいは光学デバイス(特に光検出器の前にフィルターを配置することが望ましい場合)を用いて実行されうる。
干渉振幅測定法は、以下の多くの利点を提供する。
・非常に容易な集積。電気湿潤化によって変位させられた液滴は、本発明に従って装置のいずれかの中心に容易に置くことができ、その垂直の対称軸がインシチュの検出目的のために光学ファイバーに整列されるように、配置される。
・干渉検出器の高い感度
・光学法の構造安定性
・キャリブレーション(較正)のない絶対的測定、および
・信号対雑音比(S/N比)を増やすために同時の(同期的)検出を使うオプション(選択肢)
・非常に容易な集積。電気湿潤化によって変位させられた液滴は、本発明に従って装置のいずれかの中心に容易に置くことができ、その垂直の対称軸がインシチュの検出目的のために光学ファイバーに整列されるように、配置される。
・干渉検出器の高い感度
・光学法の構造安定性
・キャリブレーション(較正)のない絶対的測定、および
・信号対雑音比(S/N比)を増やすために同時の(同期的)検出を使うオプション(選択肢)
振幅を測定するための手段60は、例えばプリント回路(図示しない)上に配置された分析手段70に接続され、それは、振幅から共鳴周波数を抽出するために測定された振幅を分析し、かくして液滴のミクロ流体力学的特性または物理化学的特性を推論することを可能にする。
明らかに、測定および分析手段は、キャピラリーブリッジを形成する液滴に使われうる。この場合、測定は、共振モード界面の領域のキャピラリーブリッジの中央区域の点において優先的になされる。
第2の代案の実施形態によれば、幾何学的特性評価手段は、例えば屈折率測定を用いて、界面のラインに沿って形成される波の傾きを測定するための手段である。
知られた屈折率測定の方法(図示せず)は、静的モードまたは動的モードにおいて界面のラインに沿った傾き測定を可能にする。この方法を、界面の長いライン、例えば液滴の中心および頂上を通過する平面内のライン、あるいはキャピラリーブリッジのケースでは、前記キャピラリーブリッジの中央区域を通過する平面内のライン、に沿って適用することが好ましい。
振幅測定については、傾き測定は、分析手段を使って、液滴の流体力学的および/または物理化学的特性を得ることを可能にする。
明らかに、幾何学的特性評価手段は、形成された波の振幅を測定するための手段、および上述のような界面のラインに沿って形成された波の傾きを測定するための手段の両方を有することができる。
第2の実施形態によれば、液滴を分析するための装置は、上述の実施形態のいずれかに従う波形成装置、形成された波の運動学的特性評価手段、および、前記運動学的特性評価手段に接続され、形成された波の運動学的特性評価に基づいて、前記液滴F1の物理的および/または化学的特性分析するための分析手段を有する。
運動学的特性評価手段は、形成された波の法線方向速度を測定するための手段でありうる。そしてそれは、上述のような、干渉を用いて振幅を測定するためのものに類似しうる。実際に、Davoustらによる刊行物「Detection of waves at an interface by way of an optical fibre」, Progr. Colloid Polym. Sci. (2000年), 115, 249〜254は、これらの測定手段が、必要とされる点における振幅と法線方向速度の両方を得ることを可能にすることを明示する。
このように液滴の化学的性質は、生物学的または化学的対象にラベリングすることなく分析されうる。
それは、前記液滴の界面において、蛍光性または放射性化合物でラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための手段を、さらに有することができる。
濃度を測定するためのこれらの手段は、例えばフォトン放射のような放射を測定するための検出器を有することができる。このケース(フォトン放射)では、光検出器は
撮像装置、アバランシェフォトダイオード、共焦点顕微鏡でありうる。
撮像装置、アバランシェフォトダイオード、共焦点顕微鏡でありうる。
あるいは、液滴を分析するための装置は、形成された波を特徴付けるための手段を有しなくてもよいが、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための手段を有しうる。波形成は液滴を混合することを、あるいは液滴の頂上またはキャピラリーブリッジの中央区域のような界面の規定された領域における生物学的または化学的対象の選択的な濃縮を任意選択的に行なうことも可能にする。
最終的に、血液の液滴の表面上の波を形成するために、上述のような波形成装置を使うことが可能である。
さらに、上述のような、前記液体が血液であるような液滴を分析するための装置は、凝固時間を見積もるために好都合に使われうる。
凝固時間を測定することは、血小板障害または血友病患者に対してのみならず、とりわけ抗凝集剤で治療される移植患者に対して関連性がある。
この処置の正確な用量(投薬量または計量)は、分析研究室で巨視的設備を用いて通常行なわれる規則的な測定を必要とする。
本発明による分析装置の使用は、かなりの時間と費用を節約することを可能にするであろう。
凝固(二次的な止血)は、凝固因子の複雑なカスケード反応(cascade)の後に重合反応によって活性化される。
この重合は、フィブリノーゲン、血漿に含まれる蛋白質を、凝血塊を作る重合されたフィブリンに換えることから成る。
このプロセスのための従来の時間スケールは、数分のオーダーである。
重合反応は、数オーダーの大きさの液滴における動的粘性によって増加を誘起する。
その表面上での発振は液滴の界面特性と体積特性の両方に依存する。
このように、光学法、例えばこれらの発振の振幅を用いる連続的な測定は、凝固時間に特に近い時間減衰比の上の情報を提供することができる。
このようにして、血液の液滴を分析するための装置は、特に速やかかつ高価でない方法で、凝固時間を得ることを可能にする。
本発明はまた、以下の段階を有する、電気湿潤化によって液滴の界面において波を形成するための方法にも関係する。
・第1の対称軸を持った少なくとも1つの励起電極20の上に液滴F1を配置し、前記液滴F1の対称軸が実質的に前記第1の対称軸と一致するようにする段階
・前記液滴F1の界面Iにおいて本質的に軸対称な波が生成されるように、前記第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成する段階
・第1の対称軸を持った少なくとも1つの励起電極20の上に液滴F1を配置し、前記液滴F1の対称軸が実質的に前記第1の対称軸と一致するようにする段階
・前記液滴F1の界面Iにおいて本質的に軸対称な波が生成されるように、前記第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成する段階
前記波は、優先的に、10−5から1の間の波長に対する振幅の比を持ち、また好都合には、10−3に等しい波長に対する振幅の比を持つ。
優先的に、前記波は10−1より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持ち、優先的に10−2より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持ち、優先的に10−3のオーダーの液滴半径に対する振幅の比を持つ。
本発明は、液滴を分析するための方法であって、上述のいずれかの特徴に従った波形成方法の使用と、形成された前記波の幾何学的特性評価段階と、前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の幾何学的特性評価に基づいて分析する段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
分析装置について、幾何学的特性評価段階は、形成された波の振幅の測定、または、界面のラインに沿って形成された波の傾きを測定することでありうる。
優先的に、前記波の振幅の測定は、液滴の三重線から実質的に遠く離れた界面の規定された領域、例えば半球形の液滴の頂上、またはキャピラリーブリッジの中央区域、において行なわれる。
上記傾きは、半球形の液滴の頂上および中心を通過する平面内、あるいはキャピラリーブリッジの中央区域を含む平面内、に含まれるラインに沿って測定されうる。
本発明は、液滴を分析するための方法であって、上述のいずれかの特徴に従った波形成方法の使用と、形成された前記波の運動学的特性評価段階と、前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の運動学的特性評価に基づいて分析する段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
運動学的特性評価段階は、上述のような、形成された波の法線方向速度を測定することでありうる。
液滴を分析するための方法は、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための段階、をさらに有しうる。
本発明は、液滴を分析するための方法であって、上述のいずれかの特徴に従った波形成方法の使用と、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための段階と、を有することを特徴とする方法にも関係する。
11 基板
11−1 (第2の)基板
12 誘電体層
12−1 誘電体層
13 疎水性層
20 励起電極
20−1 励起電極
21 内部エッジ
22 外部エッジ
30 対電極
30−1 励起電極
31 内部エッジ
32 外部エッジ
41 頂上
42 中央区域
50 電圧発生器(電圧源)
60 振幅を測定するための手段
61 光源
62 セパレータ
62 ネットワーク
63 光検出器
70 分析手段
F1 液滴
F2 誘電体流体
I 界面
11−1 (第2の)基板
12 誘電体層
12−1 誘電体層
13 疎水性層
20 励起電極
20−1 励起電極
21 内部エッジ
22 外部エッジ
30 対電極
30−1 励起電極
31 内部エッジ
32 外部エッジ
41 頂上
42 中央区域
50 電圧発生器(電圧源)
60 振幅を測定するための手段
61 光源
62 セパレータ
62 ネットワーク
63 光検出器
70 分析手段
F1 液滴
F2 誘電体流体
I 界面
Claims (22)
- 電気湿潤化によって、液滴(F1)の界面(I)に波を形成するための装置であって、
電気制御効果の下で第1の対称軸の周りの振動と放射状電界とを生成するのに適した少なくとも1つの励起電極(20;30)を有し、これによって、前記励起電極(20;30)に配置され、前記第1の対称軸と実質的に一致する対称軸をもった液滴(F1)の存在の下で、前記電界は前記液滴(F1)の界面(I)において波を生成し、前記生成された波は本質的に軸対称であることを特徴とする装置。 - 前記波は、10−5から10−1の間の波長に対する振幅の比、および/または10−1より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持つことを特徴とする請求項1に記載の波を形成するための装置。
- 実質的に円盤形状を持った単一の励起電極(20)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の波を形成するための装置。
- 実質的に環状形状を持った単一の励起電極(20)を有することを特徴とする請求項1または2に記載の波を形成するための装置。
- 第1の環状の励起電極(20)と、前記第1の励起電極(20)によって囲まれ、実質的に円盤形状を持った対電極を形成する第2の励起電極(30)とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の波を形成するための装置。
- それぞれ実質的に互いに対面して配置された半環形状を持った対電極を形成する、第1の励起電極(20)と第2の励起電極(30)とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の波を形成するための装置。
- それぞれ実質的に互いに対面して配置された半円盤形状を持った対電極を形成する、第1の励起電極(20)と第2の励起電極(30)とを有することを特徴とする請求項1または2に記載の波を形成するための装置。
- 励起電極(20;30)は実質的に円形の内部のエッジを規定する内部エッジ(21;31)を有し、前記液滴の三重線が、優先的に前記内部エッジに実質的に面することを特徴とする請求項1から2、または4から6のいずれか1項に記載の波を形成するための装置。
- 励起電極(20;30)は実質的に円形の外部のエッジを規定する外部エッジ(22;32)を有し、前記液滴の三重線が、前記外部エッジに実質的に面することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の波を形成するための装置。
- 前記電界は、励起電極(20)と前記液滴(F1)との間に、10Hzから150Hzの間の周波数を持った電気湿潤化電圧差を誘起することを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の波を形成するための装置。
- 前記電気湿潤化電圧差は1Vから100Vの間の振幅を持つことを特徴とする請求項10に記載の波を形成するための装置。
- 前記液滴(F1)の三重線を捕捉するための手段を有することを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の波を形成するための装置。
- 前記励起電極(20)に対向して平行配置され、前記電気制御効果の下で、前記第1の対称軸と実質的に一致する第3の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成するのに適した、少なくとも1つの第2の励起電極(20−1)を追加的に有することを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の波を形成するための装置。
- 前記液滴(F1)は、前記励起電極(20)と前記第2の励起電極(20−1)との間に形成されるキャピラリーブリッジであることを特徴とする請求項13に記載の波を形成するための装置。
- 液滴を分析するための装置であって、
・請求項1から14のいずれか1項に記載の波を形成するための装置と、
・形成された波の幾何学的または運動学的特性評価のための手段と、
・前記液滴(F1)の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の特性評価に基づいて分析するための、前記特性評価手段に関係した分析手段(70)と、を有することを特徴とする装置。 - 幾何学的特性評価手段は、形成された波の振幅を測定するための手段(60)、および/または、界面のラインに沿って形成された波の傾きを測定するための手段であることを特徴とする請求項15に記載の波を形成するための装置。
- 運動学的特性評価手段は、形成された波の法線方向速度を測定するための手段であることを特徴とする請求項16に記載の波を形成するための装置。
- 液滴を分析するための装置であって、
・請求項1から14のいずれか1項に記載の波を形成するための装置と、
・前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための手段と、を有することを特徴とする装置。 - 電気湿潤化によって、液滴の界面に波を形成するための方法であって、以下の段階、
・第1の対称軸を持った少なくとも1つの励起電極(20)の上に液滴(F1)を配置し、前記液滴(F1)の対称軸が実質的に前記第1の対称軸と一致するようにする段階と、
・前記液滴(F1)の界面(I)において本質的に軸対称な波が生成されるように、前記第1の対称軸の周りに、振動する、放射状の電界を生成する段階と、を有することを特徴とする方法。 - 前記波は、10−5から10−1の間の波長に対する振幅の比、および/または10−1より小さいかそれに等しい液滴半径に対する振幅の比を持つことを特徴とする請求項19に記載の波を形成するための方法。
- 液滴を分析するための方法であって、請求項19または20に記載の波を形成するための方法を使用する段階と、形成された前記波の幾何学的または運動学的特性評価段階と、それに引き続いて、前記液滴の物理的および/または化学的な特性を、形成された波の特性評価に基づいて分析するための段階と、を有することを特徴とする方法。
- 液滴を分析するための方法であって、請求項19または20に記載の波を形成するための方法を使用する段階と、前記液滴の界面において、ラベリングされた生物学的または化学的対象の濃度を測定するための段階と、を有することを特徴とする方法。
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- 2009-09-24 JP JP2009219312A patent/JP2010078603A/ja active Pending
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