ところが、上記第1の従来技術においては、大当たり状態を発生させない限りは、多くの景品球を獲得することができない。また、第2の従来技術では、遊技球が特別装置作動領域を通過しない限りは、大入賞口を開放する権利を獲得することができず、多くの景品球を獲得することができない。さらに、第3の従来技術では、Vゾーンに遊技球を入賞させない限りは、特別電動役物の連続動作が行われず、多くの景品球を獲得することができない。このように、従来では、各パチンコ機毎に、遊技者にとっての目的が1つ(大当たりを発生させること)しかない。そのため、遊技内容(表示部や、役物の動作等)や、遊技者が期待することが画一化されてしまい、遊技内容の単調化を招くおそれがあった。そして、その単調化により、興趣の低下を招くおそれがあった。特に、長時間遊技時においては、上記興趣の低下が顕著なものとなる場合があった。
また、上記のような大当たり状態が発生した場合、各機種に対応した大当たり報知等が実施される。すなわち、上記各大当たりに際しては、音声や(ランプ等を用いた)光等による報知が実施され、これにより、遊技者は、大当たり状態が発生していることを実感する。しかしながら、上記従来技術では、大当たりの態様は、各機種毎に1つの態様しかない。このため、何度も大当たり状態を経験している遊技者にとっては、結果として何度も同じ大当たり遊技を行いながら、何度も同じ大当たり報知を堪能せざるをえず、かかる点で、さらに遊技内容の単調化を招くおそれがあった。
本発明は、上述した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、興趣の飛躍的な向上を図ることのできる遊技機を提供することにある。
上記の目的を達成するために有効な手段を以下に示す。なお、必要に応じてその作用等についても説明する。
手段1.遊技者の操作に応じて変化する遊技状況において第1の条件が成立することを必要条件に、遊技盤に設けられた第1の装置において第1の所定の契機を発生させる第1の契機付与手段と、前記第1の所定の契機に際し、前記第1の装置において、特別の条件が成立することを必要条件に、前記遊技盤に設けられた第1の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させる第1の有利状態発生手段と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況において第2の条件が成立することを必要条件に、遊技盤に設けられた第2の装置において第2の所定の契機を発生させる第2の契機付与手段と、前記第2の所定の契機に際し、前記第2の装置において、特別の条件が成立することを必要条件に、前記第1の可変入賞装置又は前記遊技盤に設けられた第2の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させる第2の有利状態発生手段とを備えた遊技機であって、前記第1の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられるに際し、遊技者に対し有利な状態を報知する第1の有利状態報知手段と、前記第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられるに際し、遊技者に対し有利な状態を報知する第2の有利状態報知手段とを設けたことを特徴とする遊技機。但し、この場合、第1の可変入賞装置のみを設けて(第2の可変入賞装置を設けずに)、第2の有利状態発生手段において第1の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させるようにしてもよいし、また、第1の可変入賞装置とは別の第2の可変入賞装置を設けて、第2の有利状態発生手段において第2の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させるようにしてもよい。
上記手段によれば、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況において第1の条件が成立することを必要条件に、第1の契機付与手段によって、遊技盤に設けられた第1の装置において第1の所定の契機が発生させられる。そして、第1の所定の契機に際し、第1の装置において、特別の条件が成立することを必要条件に、第1の有利状態発生手段によって、前記遊技盤に設けられた第1の可変入賞装置が作動させられ遊技者に有利な状態が発生させられる。また、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況において第2の条件が成立することを必要条件に、第2の契機付与手段によって、遊技盤に設けられた第2の装置において第2の所定の契機が発生させられる。そして、第2の所定の契機に際し、第2の装置において、特別の条件が成立することを必要条件に、第2の有利状態発生手段によって、前記第1の可変入賞装置又は前記遊技盤に設けられた第2の可変入賞装置が作動させられ遊技者に有利な状態が発生させられる。従って、遊技者は、それぞれの所定の契機の発生を期待することができるとともに、それぞれの特別の条件が成立することを期待しながら遊技を行うことができる。さらに、上記手段によれば、前記第1の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられるに際し、第1の有利状態報知手段によって遊技者に対し有利な状態が報知される。また、前記第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられるに際し、第2の有利状態報知手段により遊技者に対し有利な状態が報知される。従って、上記作用に加えて、各報知手段による報知によって、遊技者は有利な状態の発生を実感することができ、遊技内容に厚みが増すこととなる。
手段2.手段1において、前記第1の有利状態報知手段と、第2の有利状態報知手段とは互いに共通した報知を行いうることを特徴とする遊技機。
手段3.手段1又は2において、前記第1の有利状態報知手段と、第2の有利状態報知手段とは互いに異なった報知を行いうることを特徴とする遊技機。
手段4.遊技者の操作に応じて変化する遊技状況において第1の条件が成立することを必要条件に、遊技盤に設けられた第1の装置において第1の所定の契機を発生させる第1の契機付与手段と、前記第1の所定の契機に際し、前記第1の装置において、特別の条件が成立することを必要条件に、前記遊技盤に設けられた第1の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させる第1の有利状態発生手段と、遊技者の操作に応じて変化する遊技状況において第2の条件が成立することを必要条件に、遊技盤に設けられた第2の装置において第2の所定の契機を発生させる第2の契機付与手段と、前記第2の所定の契機に際し、前記第2の装置において、特別の条件が成立することを必要条件に、前記第1の可変入賞装置又は前記遊技盤に設けられた第2の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させる第2の有利状態発生手段とを備えた遊技機であって、前記第1の契機付与手段により第1の所定の契機が発生させられるに際し、第1の所定の契機を報知する第1の所定の契機報知手段と、前記第2の契機付与手段により第2の所定の契機が発生させられるに際し、第2の所定の契機を報知する第2の所定の契機報知手段とを設けたことを特徴とする遊技機。但し、この場合も、第1の可変入賞装置のみを設けて(第2の可変入賞装置を設けずに)、第2の有利状態発生手段において第1の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させるようにしてもよいし、また、第1の可変入賞装置とは別の第2の可変入賞装置を設けて、第2の有利状態発生手段において第2の可変入賞装置を作動させ遊技者に有利な状態を発生させるようにしてもよい。
手段5.手段1〜3のいずれかにおいて、前記第1の契機付与手段により第1の所定の契機が発生させられるに際し、第1の所定の契機を報知する第1の所定の契機報知手段と、前記第2の契機付与手段により第2の所定の契機が発生させられるに際し、第2の所定の契機を報知する第2の所定の契機報知手段とを設けたことを特徴とする遊技機。
手段6.手段4又は5において、前記第1の所定の契機報知手段と、第2の所定の契機報知手段とは互いに共通した報知を行いうることを特徴とする遊技機。
手段7.手段4〜6のいずれかにおいて、前記第1の所定の契機報知手段と、第2の所定の契機報知手段とは互いに異なった報知を行いうることを特徴とする遊技機。
手段8.手段1〜7のいずれかにおいて、前記第1及び第2の有利状態発生手段にてそれぞれ同時期に遊技者に有利な状態を発生させることを禁止するようにしたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、第1及び第2の有利状態発生手段にてそれぞれ同時期に遊技者に有利な状態が発生させられることによる不具合、例えば、遊技者が混乱したり、遊技者に過度に有利になりすぎるといった事態等を回避することができる。
手段9.手段8において、前記第1又は第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられていない場合には、前記第1及び第2の契機付与手段による第1及び第2の所定の契機の発生を共に可能としたことを特徴とする遊技機。
手段10.手段9において、前記第1及び第2の契機付与手段により第1及び第2の所定の契機が共に発生させられるに際し、両契機を特殊な態様で報知する特殊契機報知手段を設けたことを特徴とする遊技機。
手段11.手段8において、前記第1又は第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられていない場合であって、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられる場合には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とし、当該一方の所定の契機のみを報知することを特徴とする遊技機。
手段12.手段11において、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が先に発生させられた場合に、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とし、当該一方の所定の契機のみを報知することを特徴とする遊技機。
手段13.手段11において、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が先に発生させられ、その後他方が発生させられた場合に、先に発生させられた一方の所定の契機の発生をそれ以降所定期間無効とし、かつ、それ以降当該他方の所定の契機のみを報知することを特徴とする遊技機。
手段14.手段11において、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が先に発生させられ、その後他方が発生させられた場合、或いは、前記第1及び第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機が同時に発生した場合には、遊技者にとって価値の低い方の所定の契機の発生を所定期間無効とし、価値の高い方の所定の契機のみを報知することを特徴とする遊技機。
手段15.手段11において、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられた場合であって、前記第1又は第2の装置において特別の条件が成立する可能性が比較的高い場合には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とし、当該一方の所定の契機のみを報知することを特徴とする遊技機。
手段16.手段11において、前記第1及び第2の所定の契機に関し予め優先順位を決定しておき、かつ、前記第1又は第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられていない場合であって、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられる場合には、その一方の優先順位が高い場合には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とし、当該一方の所定の契機のみを報知することを特徴とする遊技機。
手段17.手段8において、前記第1又は第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられていない場合であって、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられる場合には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とするよう構成するとともに、発生に対応する第1又は第2の所定の契機のみの報知を許容するようにしことを特徴とする遊技機。
手段18.手段11〜17のいずれかにおいて、前記無効は、前記所定の契機の発生のための必要条件が不成立であるとすること、及び、遊技者に有利な状態を発生させるための必要条件が不成立であるとすることの少なくとも一方を含むことを特徴とする遊技機。
手段19.手段8において、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられたことに起因して、少なくとも前記第1又は第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられ、第1の有利状態報知手段又は第2の有利状態報知手段にて遊技者に対し有利な状態が報知されている間、他方の所定の契機の発生を無効とし、当該他方の所定の契機の報知を禁止することを特徴とする遊技機。
手段20.手段19において、前記無効は、前記所定の契機の発生のための必要条件が不成立であるとすること、及び、遊技者に有利な状態を発生させるための必要条件が不成立であるとすることの少なくとも一方を含むことを特徴とする遊技機。
手段21.手段8において、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられたことに起因して、前記第1及び第2の有利状態発生手段の一方にて遊技者に有利な状態が発生させられている場合、他方の所定の契機の発生を有効とし、かつ、該他方の所定の契機が発生させられたことに起因して、特別の条件が成立した場合には、他方の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられるよう状態を切換可能とするとともに、当該切換に伴って、第1及び第2の有利状態報知手段の一方による報知から、他方による報知へと切換可能としたことを特徴とする遊技機。
手段22.手段21において、前記状態及び報知の切換は、前記一方の有利状態発生手段での遊技者に有利な状態が終了した後に行われるようにしたことを特徴とする遊技機。
手段23.手段21において、前記状態及び報知の切換は、特別の条件が成立した場合に、速やかに行われるようにしたことを特徴とする遊技機。
手段24.手段21〜23のいずれかにおいて、前記第1及び第2の有利状態発生手段に関し予め優先順位を決定しておき、かつ、先に遊技者に有利な状態が発生させられている有利状態発生手段の方が優先順位が高いとき、前記状態及び報知の切換を禁止するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段25.手段1〜7のいずれかにおいて、前記第1及び第2の有利状態発生手段にてそれぞれ同時期に遊技者に有利な状態を発生可能としたことを特徴とする遊技機。上記手段によれば、遊技者は、それぞれの所定の契機の発生を期待することができるとともに、それぞれの特別の条件が成立することを期待しながら遊技を行うことができる。さらに、上記手段によれば、前記第1及び第2の有利状態発生手段にてそれぞれ同時期に遊技者に有利な状態が発生させられることがあるので、この場合、遊技者にとって非常に望ましい事態となり、喜びに拍車がかけられる。
手段26.手段25において、前記第1及び第2の有利状態発生手段にてそれぞれ同時期に遊技者に有利な状態が発生させられているとき、特殊な態様で遊技者に対し有利な状態が報知されるようにしたことを特徴とする遊技機。
手段27.手段8〜26のいずれかにおいて、前記第1又は第2の契機付与手段によって第1及び第2の所定の契機の一方が発生させられたことに起因して、少なくとも前記第1又は第2の有利状態発生手段にて遊技者に有利な状態が発生させられ、第1の有利状態報知手段又は第2の有利状態報知手段にて遊技者に対し有利な状態が報知されている間、他方の所定の契機の発生を許容し、当該他方の所定の契機の報知を許容することを特徴とする遊技機。
手段28.手段27において、前記許容される他方の所定の契機の報知は、遊技者に有利な状態が発生させられていない場合と同様の態様で行われることを特徴とする遊技機。
手段29.手段27において、前記許容される他方の所定の契機の報知は、遊技者に有利な状態が発生させられていない場合とは異なる態様で行われることを特徴とする遊技機。
手段30.手段28又は29において、前記許容される他方の所定の契機の報知は、遊技者に有利な状態が発生させられていない場合よりも際立たない態様で行われることを特徴とする遊技機。
手段31.手段27〜30のいずれかにおいて、前記他方の所定の契機の発生が許容され、当該他方の所定の契機が報知されている間、前記第1の有利状態報知手段又は第2の有利状態報知手段による報知を少なくとも一時的に禁止するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段32.手段1〜7のいずれかにおいて、前記第1の契機付与手段及び前記第2の契機付与手段のいずれか一方が能動化されているときには、他方を不能動化するとともに、不能動化された方の報知を禁止するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段33.手段32において、前記能動化及び不能動化間の切換を、所定時間毎に行うようにしたことを特徴とする遊技機。
手段34.手段32又は33において、前記能動化及び不能動化間の切換を、遊技者に有利な状態が発生させられる毎に行うようにしたことを特徴とする遊技機。
手段35.手段32において、任意の操作に基づいて、前記能動化及び不能動化間の切換を可能としたことを特徴とする遊技機。
手段36.手段1〜35のいずれかにおいて、前記第1の条件の成立及び第2の条件の成立の少なくとも一方は、遊技媒体が遊技盤に設けられた所定の入賞口に入賞することであることを特徴とする遊技機。
手段37.手段1〜36のいずれかにおいて、前記第1の装置及び第2の装置の少なくとも一方は、常には閉鎖手段により開口部が閉鎖され遊技媒体の内部への入賞が困難又は不可能となっている可変入賞装置であって、第1の所定の契機及び第2の所定の契機の少なくとも一方の発生に際し、開口部が開口されて遊技媒体の内部への入賞を可能とするとともに、該入賞した遊技媒体が特定の領域を通過することで、前記特別の条件が成立するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段38.手段1〜37のいずれかにおいて、前記第1の装置及び第2の装置の少なくとも一方は、遊技盤に設けられた複数の図柄を変動表示しうる可変表示装置であり、前記図柄が特定停止態様となって停止表示されることで前記特別の条件が成立するようにしたことを特徴とする遊技機。
手段39.手段1〜37のいずれかにおいて、前記特別の条件は、遊技盤に設けられ、通常時には入賞が困難な特定の入賞口の入賞に基づく遊技媒体の特別領域の通過を含むことを特徴とする遊技機。
手段40.手段39において、前記特別の条件は、前記遊技媒体の特別領域の通過により特別な権利が発生させられた上で、別途の所定の入賞口へ遊技媒体が入賞することにより成立するものであることを特徴とする遊技機。
手段41.手段1〜40において、前記報知は、音声による報知を含むことを特徴とする遊技機。
手段42.手段1〜41において、前記報知は、光による報知を含むことを特徴とする遊技機。
手段43.手段1〜42において、前記報知は、表示手段による報知を含むことを特徴とする遊技機。
本発明の遊技機によれば、興趣の飛躍的な向上を図ることができる。
以下に、本発明における遊技機を、パチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)に具体化した一実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
なお、周知のように、パチンコ機1は、外枠と、該外枠の前部に設けられ外枠の一側部にて開閉可能に設けられた前面枠とを備えている。また、その前面枠の前面側にはガラス扉枠が開閉自在に設けられている。前面枠の後側(ガラス扉枠の奥、外枠の内側)には、遊技盤2が着脱可能に装着されている。この遊技盤2は内レール、外レール等を備え、これらのレールは、遊技球発射装置によって発射された遊技媒体としての遊技球5を、遊技盤2の上部に案内する。また、ガラス扉枠の下側において、前面枠には前飾枠が開閉可能に設けられ、前飾枠には、上受皿が設けられている。一方、前面枠の下部には、前記上受皿よりも下方位置にて下受皿が設けられているとともに、遊技球発射装置を構成するハンドルが設けられている。本実施の形態では、遊技盤2には、第1の装置及び第2の装置が設けられている。
まず、第1の装置に関する説明をする。図1に示すように、パチンコ機1の遊技盤2の中央下部には、図柄作動口3が設けられ、さらにその下方には、第1の可変入賞装置4が設けられている。図柄作動口3は、遊技球5の通路を備えており、その通路入口には羽根6が開閉可能に支持されている。また、第1の可変入賞装置4は大入賞口7を備えている。大入賞口7の奥には、Vゾーン及び入賞通路が設けられている。そして、大入賞口7に入賞した遊技球5は、Vゾーン又は入賞通路のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、大入賞口7の前には、シャッタ8が設けられている。このシャッタ8は、大入賞口7の側部に設けられた大入賞口用ソレノイド9により作動させられ、大入賞口7を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド9が励磁状態となることにより、シャッタ8が略水平に傾き、これにより大入賞口7が開かれる。また、ソレノイド9が非励磁状態となることにより、シャッタ8が略垂直状態となり、これにより大入賞口7は閉鎖される。
遊技盤2の中央上部には、可変表示装置としての特別図柄表示装置11が組込まれている。この特別図柄表示装置11は、セグメント表示器よりなる表示部11aを備えており、ここに複数の図柄列が表示される。図2に示すように、本実施の形態では、これらの図柄列として左図柄列、中図柄列及び右図柄列の3つの図柄列が表示されるが、それ以外の数の図柄列が表示されてもよい。
各図柄列は、それぞれ複数個の図柄によって構成されている。各図柄は、基本的にはセグメント(7セグ)表示される「0」〜「9」の数字によって構成されている。これらの図柄は、特別遊技図柄としての大当たり図柄、外れリーチ図柄及び外れ図柄のいずれかになりうる(これらについては後述する)。なお、図柄の数や種類は上記例に何ら限定されるものではなく、文字図柄や、絵図柄により構成されていてもよい。もちろん、これらの間に外れ図柄にのみなりうる図柄を配置してもよい。本実施の形態では、各図柄列においては、各図柄が順次点灯表示されることにより変動表示される(変動方法はスクロール変動等いかなるものであってもよい)。
また、特別図柄表示装置11の上部には普通図柄表示装置12が併設されている。普通図柄表示装置12は、発光ダイオード(LED)よりなる4つの保留ランプ(図示略)と、普通図柄表示部たるLEDよりなる7セグ表示部12aとを有している。
さらに、前記遊技盤2の左右両側部には一対の通過ゲート13が配設されている。同通過ゲート13を遊技球5が通過すると前記普通図柄表示装置12が作動する。本実施の形態では、普通図柄表示装置12は、「0」から「9」までの数字を可変表示して7セグ表示部にセグメント表示させ、その数字が所定値(本実施の形態では「7」)で停止した場合に、図柄作動口3の羽根6を所定秒数開放させる。この開放により、図柄作動口3への入賞が比較的容易なものとなる。普通図柄表示装置12は、遊技球5の通過ゲート13の通過回数を4回まで記憶することができ、保留ランプでその保留数を表示する。従って、4つの保留ランプが点灯している状態で遊技球5が通過ゲート13を通過しても保留球としてカウントされず、保留ランプが点灯している限り、遊技球5が通過ゲート13を通過しなくとも保留数に応じた回数だけ普通図柄表示装置12は作動するようになっている。
特別図柄表示装置11の表示部11aでは、各図柄列の図柄変動が、遊技球5の図柄作動口3への入賞に基づいて開始させられる。また、大当たり図柄、外れリーチ図柄、外れ図柄の中から1つが選択され、これが停止図柄として設定される。停止図柄とは、各図柄列が図柄変動を停止したときに有効枠に表示される図柄である。本実施の形態では、図柄変動は、左図柄列、右図柄列、中図柄列の順に停止させられるが、これはあくまでも1例にすぎず、別の順序で停止させられるようにしてもよい。
さて、大当たり図柄は、リーチ状態を経た後、遊技者に有利な特別遊技状態としての大当たり状態を発生させるための図柄である。詳しくは、全ての図柄列の変動が最終的に停止させられたとき、表示されている図柄の組合せが、予め定められた大当たりの組合せとなる場合がある。すなわち、同一種類の図柄が揃って停止表示されたときに、同一図柄の組合せ(例えば、「7」、「7」、「7」の図柄)となる場合がある。この組合せを構成する図柄が「大当たり図柄」である。大当たりの組合せが成立することを必要条件に、特別電動役物が作動し(大入賞口7が開かれ)、遊技者にとって有利な大当たり状態が発生させられる。すなわち、より多くの景品球を獲得することが可能となる。
また、リーチ状態とは、大当たり直前の状態をいう。リーチ状態には、右図柄列の図柄変動が、大当たりライン上において左図柄列の停止図柄と同一種類の図柄で停止する状態が含まれる。上記のリーチ状態には、中図柄列の図柄変動が、最終的に左・右両図柄列の停止図柄と同一種類の図柄(大当たり図柄)で停止して大当たり状態になるもの以外にも、異なる種類の図柄(これを「外れリーチ図柄」という)で停止して、大当たり状態とならないもの(以下、「外れリーチ状態」という)が含まれる。
上記リーチ状態においては、種々のリーチパターンが設定されている。リーチパターンとしては、「ノーマルリーチ」、「フラッシュリーチ」、「高速リーチ」等の種々のリーチパターンが設定されている。これらリーチパターンのうち、「ノーマルリーチ」以外のリーチパターンは、いわゆる「スーパーリーチ」と称されるものである。「スーパーリーチ」の動作が開始された場合には、一般に「ノーマルリーチ」の場合に比べて、大当たり状態が発生する期待値(大当たり期待値)が高くなるようになっている。また、「スーパーリーチ」においても、各リーチパターンによって大当たり期待値が異なったものとなっている。
遊技球5の図柄作動口3への入賞に基づいて各図柄列の図柄変動が開始させられることはすでに説明したが、この変動表示中にさらに遊技球5が図柄作動口3に入賞した場合には、通過ゲート13を通過した場合と同様、その分の変動表示は、現在行われている変動表示の終了後に行われる。つまり、変動表示が待機(保留)される。この保留される変動表示の最大回数は、パチンコ機の機種毎に決められている。本実施の形態では保留最大回数が4回に設定されているが、これに限られるものではない。
特別図柄表示装置11において、表示部11aの下方には、発光ダイオード(LED)からなる保留ランプ14が組み込まれている。当該保留ランプ14の数は、前述した保留最大回数と同じ(この場合4個)である。保留ランプ14は、変動表示の保留毎に点灯させられ、その保留に対応した変動表示の実行に伴い消灯させられる。
次に、第2の装置に関する説明をする。パチンコ機1の遊技盤2の両側下部には、一対の羽根作動口15が設けられている。また、遊技盤2の中央には、第2の可変入賞装置16が設けられている。羽根作動口15は、遊技球5の通路を備えており、第2の可変入賞装置16は大入賞口17を備えている。第2の可変入賞装置16内部における大入賞口17の内側には、Vゾーン18及び入賞通路が設けられている。そして、大入賞口17に入賞した遊技球5は、Vゾーン18又は入賞通路のいずれか一方を通って図示しない入賞球処理装置の方へと導かれる。また、通常時には、大入賞口17を塞ぐようにして一対の左右一対の大羽根19が開閉可能に支持されている。当該大羽根19は、第2の可変入賞装置16の奥側に設けられた大入賞口用ソレノイド20により作動させられ、大入賞口17を開閉する。詳しくは、当該ソレノイド20が励磁状態となることにより、大羽根19が図の実線で示すように略水平に開き、これにより大入賞口17が開かれ、遊技球5の入賞が比較的容易となる。また、ソレノイド20が非励磁状態となることにより、大羽根19が図の2点鎖線で示すように閉じ、これにより大入賞口17は閉鎖される。
なお、第2の可変入賞装置16内に、図示しない停留装置を設け、後述する大当たり時に該停留装置を作動せしめて、前記Vゾーン18への入賞確率を高めることができるような構成となっていてもよい。
第2の可変入賞装置16においては、上述した大羽根19の1回又は2回の開閉動作が、前記遊技球5の羽根作動口15への入賞に基づいて開始させられる。そして、この大羽根19の開閉動作中に、大入賞口17から遊技球5が該第2の可変入賞装置16内に入賞し、かつ、Vゾーン18を通過することを必要条件に、特別電動役物が作動し(大入賞口17の所定回数の開閉が行われ)、遊技者にとって有利な大当たり状態が発生させられる。すなわち、この場合にもより多くの景品球を獲得することが可能となる。
なお、このほかにも、パチンコ機1の複数箇所には、遊技効果を高めるための他の各種ランプや電飾部材が取付けられている。これらの電飾部材等は、遊技の進行に応じて点灯状態(消灯、点灯、点滅等)が変えられる。さらに、パチンコ機1には、遊技の進行に応じて効果音を発生する図示しないスピーカ(音声発生手段)が設けられている。これらのランプ、電飾部材、或いは特別図柄制御装置11等によって、遊技者に、遊技球5の入賞、大当たり状態の発生等を主として視覚的に報知することができるようになっている。また、前記スピーカによって、遊技者に、遊技球5の入賞、大当たり状態の発生等を主として聴覚的に報知することができるようになっている。なお、遊技盤2には普通入賞口21等も設けられている。
遊技者の操作に応じて変化するパチンコ機1の遊技状態を検出するべく、本実施の形態では、遊技盤2には、図柄作動口用スイッチ22、第1のVゾーン用スイッチ23、第1のカウントスイッチ24、スルースイッチ25、第2のVゾーン用スイッチ26、第2のカウントスイッチ27、羽根作動口用スイッチ28等がそれぞれ取付けられている。図柄作動口用スイッチ22は、遊技球5の図柄作動口3への入賞を検出する。また、第1のVゾーン用スイッチ23は、第1の可変入賞装置4の大入賞口7のうちのVゾーンへの遊技球5の入賞を検出し、第1のカウントスイッチ24は、遊技球5の大入賞口7への入賞を検出する。スルースイッチ25は、遊技球5の通過ゲート13の通過を検出する。さらに、第2のVゾーン用スイッチ26は、第2の可変入賞装置16における遊技球5のVゾーン18の通過を検出し、第2のカウントスイッチ27は、第2の可変入賞装置16における遊技球5の入賞通路の通過を検出する。また、羽根作動口用スイッチ28は、遊技球5の羽根作動口15への入賞を検出する。
本実施の形態では、各スイッチ22〜28の検出結果に基づきソレノイド9,20、特別図柄表示装置11、各保留ランプ14、普通図柄表示装置12(7セグ表示部及び保留ランプ)、羽根6等をそれぞれ駆動制御するために制御装置29が設けられている。制御装置29は、読み出し専用メモリ(ROM)、中央処理装置(CPU)、ランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。ROMは所定の制御プログラムや初期データを予め記憶しており、CPUは、上述した第1の装置及び第2の装置に対応したアドレスを備えているとともに、ROMの制御プログラム等に従って各種演算処理を実行する。RAMは、CPUによる演算結果を、バッファ、エリア等に一時的に記憶する。
また、本実施の形態においては、CPU(制御装置24)による制御の1つとして、第1の装置に関し、遊技モードを切り換えるためのモード切換制御がある。本実施の形態においては、2つのモードが用意されている。すなわち、例えば300分の1程度の比較的低確率で大当たり遊技状態を発生させる通常モードと、その約5倍である60分の1程度の高確率で大当たり遊技状態を発生させる確率変動(確変)モードとがある。
なお、一般的に、確変モードの概念としては、(1)7セグ表示部12aに「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、図柄作動口3の羽根6を開放させる機会を増やすこと、(2)7セグ表示部12aにおける数字の変動時間を短くすること、(3)羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置11の表示部11aの図柄の変動時間を短くすること、(5)大当たり期待値が通常モードに比べて高くなること等が挙げられるが、本実施の形態における確変モードにおいては、これら(1)〜(5)のうち、(5)のみ、すなわち、大当たり期待値が単に高められることのみが実行される。
本実施の形態では、パチンコ機1の電源投入時においては、通常モードに設定される。また、その後は、大当たり遊技状態となった際に、確変モード又は通常モードのいずれかが選択されて、次回の大当たり遊技状態が発生するまでの間、当該選択されたモードが実行される。換言すれば、本実施の形態では、大当たり遊技状態となったときの図柄(大当たり図柄)が奇数(「1」、「3」、「5」、「7」、「9」)の場合に確変モードが実行され、大当たり遊技状態となったときの図柄(大当たり図柄)が偶数(「2」、「4」、「6」、「8」、「0」)の場合に、通常モードが実行される。
次に、前記のように構成されたパチンコ機1の動作について説明する。まず、第1の装置の動作について説明する。図2から図9のフローチャートは、第1の装置に関し、制御装置29によって実行される各種ルーチンを示している。これらのルーチンの処理は、カウンタ群及び入賞判定フラグFE等に基づいて実行される。カウンタ群は、ラウンドカウンタCR、保留カウンタCH、入賞カウンタCE、内部乱数カウンタCI、外れリーチ乱数カウンタCO、大当たり図柄乱数カウンタCB、左・中・右の各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDR、リーチ種別決定カウンタCV等よりなっている。
なお、ラウンドカウンタCRは、大当たり時のラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCEは大入賞口7への遊技球5の入賞個数をカウントするためのものである。また、保留カウンタCHは変動表示の保留回数をカウントするためのものであり、「0」,「1」,「2」,「3」,「4」の値を順にとる。
内部乱数カウンタCIは、特別図柄表示装置11(第1の装置)での大当たり状態を決定するためのものである。また、外れリーチ乱数カウンタCOは外れリーチ状態時の表示(外れリーチの演出)を行うか否かを決定するためのものである。さらに、大当たり図柄乱数カウンタCBは、大当たり図柄を決定するためのものである。これらのカウンタCI,CO,CBはそれぞれ所定時間(例えば「2ms」)毎に値を所定範囲内で更新する。各値は、所定の条件に従って乱数として読み出される。また、各カウンタCI,CO,CBは、各値がそれぞれ特定の値になった場合に、初期値に戻すようになっている。
左・中・右の各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRは、停止図柄等をランダムに決定するためのものである。左図柄乱数カウンタCDLは、所定時間(例えば「2ms」)毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期値に戻す。中図柄乱数カウンタCDCは、左図柄乱数カウンタCDLが一巡する毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期値に戻す。右図柄乱数カウンタCDRは、中図柄乱数カウンタCDCが一巡する毎に値を所定範囲内で更新し、特定の値になると初期値に戻す。
また、リーチ種別決定カウンタCVは、上述した複数種類のリーチパターンのうちの1つを選択するために用いられるものであり、例えば左図柄乱数カウンタCDLが一巡する毎に値(乱数値)を更新し、特定の値になると初期値に戻す。ただし、各リーチパターンには重み付けがなされており、各リーチパターンの選択される確率は個々に異なったものとなっている。また、本実施の形態においては、大当たりとなる場合(大当たり時)と、外れとなる場合(外れリーチ時)とで各リーチパターンの選択される確率は個々に異なったものとなっている。
さらに、これらのカウンタ群は、通常モード用と確変モード用とでそれぞれ用意されている。つまり、これらの各カウンタ群は、通常モード用カウンタテーブルと確変モード用カウンタテーブルとにおいてそれぞれ用意されている。そして、通常モード時においては通常モード用カウンタテーブルのカウンタ群の更新、振り分け等が適宜行われ、確変モード時においては確変モード用カウンタテーブルのカウンタ群の更新、振り分け等が適宜行われる。もちろん、上記のように別々に用意する必要はなく(共通のカウンタ群を用いてもよく)、例えば確変モード時においては、内部乱数カウンタCIの大当たり値を単に増大させることとしてもよい。
なお、入賞判定フラグFEは、Vゾーンへの入賞の有無を判定するために用いられるものである。同フラグFEは、入賞なしの場合に「0」に設定され、入賞ありの場合に「1」に設定される。
さて、図2のフローチャートは、上述した各カウンタCI,CO,CB,CDL,CDC,CDR,CVの更新後に、図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値(乱数)の組合せを分別し(振分け)、その振分けられた値を対応する図柄乱数バッファに格納するための「乱数振分けルーチン」を示している。このルーチンは、パチンコ機1の電源投入後、所定時間(2ms)毎に実行される。このルーチンが開始されると、制御装置29はまずステップS1において、内部乱数カウンタCI、外れリーチ乱数カウンタCO、大当たり図柄乱数カウンタCBにそれぞれ「1」を加算する(更新する)。
また、ステップS2において、左図柄乱数カウンタCDLに「1」を加算する。中・右図柄乱数カウンタCDC,CDRに関しては、それぞれ左・中図柄乱数カウンタCDL,CDCの値に応じて更新処理を行う。詳しくは、左図柄乱数カウンタCDLが初期値に戻されるタイミングであれば中図柄乱数カウンタCDCに「1」を加算し、それ以外のタイミングであれば同カウンタCDCの値を維持する。また、中図柄乱数カウンタCDCが初期値に戻されるタイミングであれば右図柄乱数カウンタCDRに「1」を加算し、それ以外のタイミングであれば同カウンタCDRの値を維持する。さらに、ステップS3において、制御装置29は、リーチ種別決定カウンタCVを更新する。
次に、ステップS4において、図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せが、予め定められた「外れ図柄の組合せ」であるか否かを判断する。そして、この条件が満たされていると、ステップS5において各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値を、対応する外れ図柄乱数バッファに格納する。ここで、対応する外れ図柄乱数バッファとは、具体的には左図柄乱数カウンタCDLに関しては左外れ図柄乱数バッファを指し、中図柄乱数カウンタCDCに関しては中外れ図柄乱数バッファを指し、右図柄乱数カウンタCDRに関しては右外れ図柄乱数バッファを指すものとする(後述するステップS7に関しても同様)。そして、制御装置29は、ステップS5の処理を実行した後、その後の処理を一旦終了する。
一方、前記ステップS4の条件が満たされていない場合には、ステップS6において、図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せが、予め定められた「外れリーチ図柄の組合せ」であるか否かを判断する。そして、この条件が満たされていると、ステップS7において各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値を、対応する外れリーチ図柄乱数バッファに格納し、その後の処理を一旦終了する。
なお、ステップS6の条件が満たされていない場合には、前記ステップS5,7のいずれの処理をも行うことなく、「乱数振分けルーチン」を終了する。この場合とは、各図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せが、外れ図柄、外れリーチ図柄のいずれの組合せでもない場合、すなわち、大当たり図柄の組合せの場合である。
このように、「乱数振分けルーチン」では、所定時間毎に3つの図柄乱数カウンタCDL,CDC,CDRの値の組合せがチェックされる。そして、外れ図柄の組合せの場合には、外れ図柄乱数バッファに乱数が格納され、外れリーチ図柄の場合には、外れリーチ図柄乱数バッファに乱数が格納される。また、大当たり図柄の組合せの場合には、乱数はどの図柄乱数バッファにも格納されない。
次に、図3のフローチャートに示す「格納処理ルーチン」について説明する。このルーチンの主な機能は、遊技球5が図柄作動口3に入賞する毎に、乱数カウンタCI,CO,CDL,CDC,CDRの値を図柄乱数エリアに格納することである。
当該「格納処理ルーチン」が開始されると、制御装置29は、ステップS10において、図柄作動口用スイッチ22の検出結果に基づき、遊技球5が図柄作動口3に入賞したか否かを判定する。そして、この判定条件が満たされていない場合には、その後の処理を一旦終了し、満たされている場合には、ステップS11において、保留カウンタCHの値が最大保留回数(この場合「4」)よりも小さいか否かを判定する。
保留カウンタCHの値が最大保留回数よりも小さい場合には、ステップS12において、保留カウンタCHに「1」を加算する。また、続くステップS13において、制御装置29は対応する保留ランプ14の1つを点灯させ、ステップS14へ移行する。一方、前記ステップS11の判定条件が満たされていない場合には、前述したステップS12以降の処理を行うことなくその後の処理を一旦終了する。従って、図柄変動表示は、4回までしか保留されず、それ以上の入賞があっても保留は記憶されない。
ステップS14において、制御装置29は、内部乱数カウンタCIの値を内部乱数エリアに格納する。また、次のステップS15において、外れリーチ乱数カウンタCOの値を、外れリーチ乱数エリアに格納する。さらに、ステップS16において、制御装置29は、左・中・右の各外れ図柄乱数バッファの値(CDL,CDC,CDR)を、対応する左・中・右の各外れ図柄乱数エリアに格納し、その後の処理を一旦終了する。
このように、「格納処理ルーチン」においては、乱数カウンタCI,CO,CDL,CDC,CDRの値が各図柄乱数エリアに格納される。
次に、図4乃至図6のフローチャートに示す「第1の特別電動役物制御ルーチン」について説明する。このルーチンは、前述した「乱数振分けルーチン」、「格納処理ルーチン」等の演算結果を用いて第1の可変入賞装置4や、特別図柄表示装置11等を制御するためのものであり、パチンコ機1の電源投入後、所定時間毎に実行される。
この「第1の特別電動役物制御ルーチン」が開始されると、制御装置29はまずステップS20において、第2の大当たりフラグXOA2が「1」に設定されているか否かを判定する。ここで、第2の大当たりフラグXOA2というのは、第2の装置における大当たり状態の発生中に「1」に設定されるものであって、それ以外の場合には「0」に設定されるものである。そして、該ステップS20において肯定判定された場合には、現在、第2の装置における大当たり状態が発生中であるものとして、第1の装置の作動を無効化させる。すなわち、ステップS21において、制御装置29は、図柄作動口3への入賞を無効化する。また、これとともに、図柄作動口3への入賞報知を無効化する。つまり、図柄作動口3に遊技球5が入賞したとしても、これに基づいて図柄変動が行われることがなく、しかも、音声、ランプの光等を用いた変動報知等が行われない。さらに、続くステップS22において、各種データをクリヤし、表示部11aの表示を消去する。従って、これ以降、少なくとも第2の装置での大当たり状態が終了しない限りは、第1の装置での作動が行われることはない。そして、制御装置29は、その後の処理を一旦終了する。
これに対し、ステップS20で否定判定された場合には、第2の装置において大当たり状態が発生していないものとして、ステップS23へ移行する。
ステップS23において、制御装置29は、保留カウンタCHの値が「0」でないか否かを判定する。そして、否定判定された場合、つまり、保留カウンタCHの値が「0」の場合には、その後の処理を一旦終了する。これに対し、前記判定条件が満たされている(CH=1,2,3,4)場合には、ステップS30において、「i」を「0」に設定し、次のステップS40において保留カウンタCHが「i」と同一でないか否かを判定する。
そして、この判定条件が満たされている場合(CH≠i)には、ステップS50において、内部乱数エリア(i+1)、外れリーチ乱数エリア(i+1)、左中右の外れ図柄乱数エリア(i+1)の各データを、1つ前のエリア(i)にそれぞれシフトする。次いで、ステップS60において、制御装置29は、「i」に「1」を加算し、ステップS40へ戻る。
一方、ステップS40の判定条件が満たされない場合(CH=i)には、ステップS70(図5参照)へ移行し、保留ランプ14のうち前記保留カウンタCHに対応するものを消灯させる。また、次のステップS80において保留カウンタCHから「1」を減算する。
次に、制御装置29は、ステップS90において、図柄の変動開始処理を実行する。詳しくは、図7の「変動開始処理ルーチン」に示すように、ステップS901において、内部乱数カウンタCIの値が大当たり値であるか否かを判定する。そして、内部乱数カウンタCIの値が大当たり値の場合には、ステップS902において、大当たり値に対応する(大当たり図柄乱数カウンタCBに基づく)大当たり図柄を最終停止図柄としてメモリに記憶する。その後、ステップS905へ移行する。
一方、ステップS901における判定条件が満たされていないと、ステップS903において、外れリーチ乱数カウンタCOの値が予め定められた外れリーチ値と同じであるか否かを判定する。そして、外れリーチ乱数カウンタCOの値が外れリーチ値と同一である場合には、ステップS904において、外れリーチ値に対応する図柄(外れリーチ図柄)を最終停止図柄としてメモリに記憶し、ステップS905へ移行する。
また、ステップS903の判定条件が満たされていない場合には、ステップS906において、ステップS16での外れ図柄を最終停止図柄としてメモリに記憶し、ステップS907へ移行する。
さて、ステップS902又はステップS904から移行して、ステップS905においては、リーチパターンを取得する。すなわち、上述した「ノーマルリーチ」、「フラッシュリーチ」、「高速リーチ」等の種々のリーチパターンのうちのいずれかをリーチ種別決定カウンタCVに基づいて決定する。
そして、ステップS905又はステップS906から移行して、ステップS907においては、特別図柄表示装置11の図柄変動を開始させる。併せて、図柄変動に基づく音声、光等による報知をも実行する。そして、制御装置29は、「変動開始処理ルーチン」を終了する。
さて、上記のように、ステップS90(「変動開始処理ルーチン」)の処理を実行した後、制御装置29は、図5のステップS110において、左右両図柄列(中図柄列以外)における図柄を、停止図柄に差替える。また、差替え後の図柄が左右両図柄列にて表示されるよう図柄変動を停止させる。
次に、ステップS120において、制御装置29は、リーチ動作処理を行う。詳しくは、今回、いわゆるリーチ演出を実行するか否かを判定し、肯定判定された場合には、今回取得したリーチパターンに応じたリーチ演出を行う。たとえばリーチパターンがノーマルリーチの場合には、ノーマルリーチ動作処理(中図柄列が単純に切換表示される)を行う。また、「フラッシュリーチ」の場合には、フラッシュリーチ動作(図柄をフラッシュさせながら変動表示させる)処理を行い、リーチパターンが「高速リーチ」の場合には、高速リーチ動作(図柄を非常に高速で変動表示させる)処理を行う。もちろん、キャラクタを登場させ、該キャラクタ等に各種演出を行わせることとしてもよい。一方、リーチ演出を実行しないと判定された場合には、何らの処理をも行うことなく、次のステップS125へ移行する。
上記のように、ステップS120(「リーチ動作処理ルーチン」)の処理を実行した後、制御装置29は、ステップS130において、中図柄列での図柄変動を停止させ、結果として全図柄を確定停止させる。なお、この確定停止に際し、いわゆる再抽選処理を実行することとしてもよい。詳しくは、再抽選処理を実行する条件が成立している場合には、全図柄列の図柄を同時に再変動させる。そして、所定条件が成立した後、全図柄列の図柄を揃った状態で停止させる。一方、再抽選処理を実行する条件が成立していない場合には、何らの処理をも実行しない。
さて、制御装置29は、次に、ステップS140において、図柄の組合せが大当たりの組合せであるか否かを判定する。なお、この際には、停止図柄の差替えが正しく行われたか否かの確認も行われる。そして、この判定条件が満たされていない場合には、「特別電動役物制御ルーチン」を終了する。また、図柄の組合せが大当たりの組合せである場合には、ステップS145において、再度第2の大当たりフラグXOA2が「1」に設定されているか否かを判定する。そして、該ステップS145において肯定判定された場合には、先に第2の装置において大当たり状態が発生したものとして、当該第2の装置での大当たりを優先するべく、ステップS146へ移行する。
ステップS146において、制御装置29は、上記同様、図柄作動口3への入賞を無効化するとともに、図柄作動口3への入賞に基づく報知等を無効化する。また、続くステップS147において、各種データをクリヤし、表示部11aの表示を消去する。従って、これ以降、少なくとも第2の装置での大当たり状態が終了しない限りは、第1の装置での作動が行われることはない。そして、制御装置29は、その後の処理を一旦終了する。
これに対し、ステップS145で否定判定された場合には、未だ第2の装置において大当たり状態が発生していないものとして、ステップS148へ移行する。ステップS148において、制御装置29は、これから第1の装置において大当たり状態を発生させるべく、第1の大当たりフラグXOA1を「1」に設定し、次のステップS150へ移行する。
そして、制御装置29は、ステップS150において、ラウンドカウンタCRを「0」にクリヤする。なお、このとき、制御装置29によって大当たり報知がなされる。より詳しくは、特別図柄表示装置11において、大当たり表示が行われるとともに、ランプ、音声等を用いた大当たり報知(大当たり演出)が実行される。従って、これからの大当たり状態発生中において、前記ランプ、音声等の演出とも相まって、遊技者は大当たり遊技を十分に堪能しうることとなる。さらに、これとともに、ステップS150においてはモード判定処理が実行される。より詳しくは、今回の大当たり状態における大当たり図柄が奇数の場合には、大当たり終了後次回の遊技において確変モードとするべく遊技モードフラグが「1」に設定され、大当たり図柄が偶数の場合には、大当たり終了後次回の遊技において通常モードとするべく遊技モードフラグが「0」に設定される等の処理が行われる。もちろん、大当たり図柄とは無関係に、通常モード又は確変モードを選択することとしてもよい。
さて、次に、制御装置29は、ステップS160(図6参照)において、入賞カウンタCEを「0」にクリヤするとともに、入賞判定フラグFEを「0」に設定する。また、続くステップS170においては、ラウンドカウンタCRを「1」ずつインクリメントする。
さらに、ステップS180において、制御装置29は、大入賞口用ソレノイド9を励磁させる。すると、シャッタ8が倒れて略水平状態となり、大入賞口7が開放される。この開放により、遊技球5のVゾーン及び入賞通路への入賞が可能となる。
次に、ステップS190において、制御装置29は、入賞カウンタCEの値が予め定められた所定値CEmaxよりも小さいか否かを判定する。そして、この判定条件が満たされている場合には、ステップS200において、未だ大入賞口7の閉鎖予定時期が未だ到来していないか否かを判定する。この閉鎖予定時期が未だ到来していない場合には、処理をステップS190へ戻す。その結果、大入賞口4の開放開始後に所定値CEmax個よりも多くの遊技球5が入賞するか、閉鎖予定時期が到来するかしない限りは、大入賞口7が開放され続ける。これに対し、ステップS190又はステップS200のいずれか一方が満たされていないと、ステップS210において、制御装置29は、大入賞口用ソレノイド9を消磁する。すると、シャッタ8が起こされて略垂直状態となり、大入賞口7が閉鎖される。
続いて、ステップS220において、制御装置29は、ラウンドカウンタCRの値が予め定められた所定値CRmaxよりも小さいか否かを判定する。そして、ラウンドカウンタCRの値が所定値CRmax未満の場合には、続くステップS230において入賞判定フラグFEが「1」であるか否かを判定する。入賞判定フラグFEが「1」の場合には、処理をステップS160へと戻す。従って、第1の装置において一旦大当たり遊技状態が発生すると、遊技球5がVゾーンに入賞することによる継続条件が、所定値CRmax回数満たされるまでは、大入賞口7が開閉のサイクルを繰り返す。例えば所定値CEmaxが「10」に設定され、大入賞口7の開放時間が「約29.5秒」に設定され、所定値CRmaxが「16」に設定されている場合には、大入賞口7の開放後、(1)遊技球5が大入賞口7へ10個入賞すること、(2)約29.5秒が経過すること、のいずれか一方の条件が満たされた時点で大入賞口7が閉鎖される。この大入賞口7の開閉のサイクルが遊技球5のVゾーンへの入賞を条件に最大で16回(16ラウンド)繰り返されることとなる。
そして、ステップS220又はステップS230の判定条件のいずれか一方が満たされていない場合には、大当たり状態が終了したものとして、ステップS240において、その旨を遊技者に報知するとともに、次回の遊技モードを前記遊技モードフラグに基づいて報知する処理を実行する。また、続くステップS250において、制御装置29は、これ以降第2の装置の作動を許容するべく(第2の装置に関する各種報知をも許容するべく)、第1の大当たりフラグXOA1を「0」に設定し、本ルーチンを終了する。
次に、第2の装置の動作について説明する。図8、図9のフローチャートは、第2の装置に関し、制御装置29によって実行される「第2の特別電動役物制御ルーチン」を示している。これらのルーチンの処理は、カウンタ群及び入賞判定フラグFE2等に基づいて実行される。カウンタ群は、ラウンドカウンタCR2、入賞カウンタCE2等よりなっている。なお、ラウンドカウンタCR2は、第2の可変入賞装置16での大当たり中のラウンド回数をカウントするためのものであり、入賞カウンタCE2は大当たり中の大入賞口17への遊技球5の入賞個数をカウントするためのものである。また、入賞判定フラグFE2は、第2の可変入賞装置16のVゾーン18への入賞の有無を判定するために用いられるものである。同フラグFE2は、Vゾーン18への入賞なしの場合に「0」に設定され、入賞があった場合に「1」に設定される。
さて、このルーチンは、パチンコ機1の電源投入後、所定時間毎に実行される。この「第2の特別電動役物制御ルーチン」が開始されると、制御装置29はまずステップS3001において、第1の大当たりフラグXOA1が「1」に設定されているか否かを判定する。ここで、第1の大当たりフラグXOA1というのは、上述したように、第1の装置における大当たり状態の発生中に「1」に設定されるものであって、それ以外の場合には「0」に設定されるものである。そして、該ステップS3001において肯定判定された場合には、ステップS3002において、羽根作動口15への入賞を無効化するとともに、現在第2の可変入賞装置16内に入賞している遊技球5のVゾーン18への入賞を無効化する(たとえ遊技球5がVゾーン18を通過したとしてもそれに基づく大当たり状態を発生させない)。また、これとともに、羽根作動口15への入賞等に基づく報知を無効化する。つまり、これ以後羽根作動口15への入賞があったとしてもランプ、音声等による報知を行わない。そして、制御装置29は、その後の処理を一旦終了する。これに対し、ステップS3001で否定判定された場合には、第1の装置において大当たり状態が発生していないものとして、ステップS3003へ移行する。
ステップS3003において、制御装置29は、羽根作動口用スイッチ28の検出結果に基づき、遊技球5が羽根作動口15に入賞したか否かを判定する。そして、遊技球5が羽根作動口15に入賞していない場合には、何らの処理をも行うことなくその後の処理を一旦終了する。また、遊技球5が羽根作動口15に入賞した場合には、ステップS3004において、大羽根19の開閉動作を1回(又は2回)行う。また、このとき、開閉に連動したランプ、音声等を用いた報知を行う。この開閉に際し、遊技球5は、大入賞口17に一時的に入賞可能となる。
また、次のステップS3005において、制御装置29は、大入賞口17に入賞した遊技球5がVゾーン18を通過したか否かを判定する。そして、未だ通過していない場合には、ステップS3006において、大羽根19の開閉動作終了後、所定時間経過したか否かを判定する。未だ所定時間経過していない場合には、前記ステップS3005へ処理を戻す。一方、所定時間を経過した場合には、大羽根19の開閉動作を行ったにもかかわらず、遊技球5がVゾーン18を通過しなかったものとして、その後の処理を一旦終了する。なお、Vゾーン18の近傍に別途検出スイッチを設けておき、ステップS3005で肯定判定されることなく該検出スイッチにより検出された遊技球5の数と、第2のカウントスイッチ27により検出された遊技球5の数とが一致したとき、Vゾーン18の通過がなかったものとして、その後の処理を一旦終了することとしてもよい。この場合において、所定時間経過しても、前記検出スイッチにより検出された遊技球5の数と、第2のカウントスイッチ27により検出された遊技球5の数とが一致しないような場合には、球詰まり等が発生したものとしてエラー報知を実行することとしてもよい。
さて、前記ステップS3005において大入賞口17に入賞した遊技球5がVゾーン18を通過したと判定された場合には、ステップS3007において、再度、第1の大当たりフラグXOA1が「1」に設定されているか否かを判定する。そして、第1の大当たりフラグXOA1が「1」に設定されている場合には、第1の装置において先に大当たり状態が発生したものとして、ステップS3008へ移行する。ステップS3008において、制御装置29は、羽根作動口15への入賞を無効化するとともに羽根作動口15への入賞等に基づく報知を無効化する。つまり、これ以後羽根作動口15への入賞があったとしてもランプ、音声等による報知を行わない。また、続くステップS3009において、前記遊技球5のVゾーン18への入賞を無効化する(Vゾーン18通過に基づく大当たり状態を発生させない)。また、これとともに、遊技球5のVゾーン18への入賞に基づく大当たり報知を無効化する。そして、制御装置29は、その後の処理を一旦終了する。これに対し、ステップS3007で否定判定された場合には、第1の装置において大当たり状態が発生していないものとして、ステップS3010へ移行する。
ステップ3010において、制御装置29は、第2の装置において大当たり状態を発生させるべく、第2の大当たりフラグXOA2を「1」に設定する。従って、これ以降、第2の装置での大当たり状態が終了するまで、第1の装置において大当たり状態が発生することがない。
次に、図9のステップS3011において、制御装置29は、ラウンドカウンタCR2の値を「0」にクリヤする。また、続くステップS3012において、制御装置29は、入賞カウンタCE2の値を「0」にリセットするとともに、入賞判定フラグFE2を「0」にリセットする。さらに、続くステップS3013において、制御装置29は、ラウンドカウンタCR2の値を「1」ずつインクリメントする。
次に、制御装置29は、ステップS3014において、前記ラウンドカウンタCR2の値が予め定められた所定値CR2max以下であるか否かを判定する。そして、肯定判定された場合(ラウンドカウンタCR2の値が所定値CR2max以下の場合)には、制御装置29は、ステップS3015において、大入賞口用ソレノイド20を駆動制御して、大羽根19を連続的に開閉動作させる。また、これとともに、ランプ、音声等を用いた大当たり報知を実行する。これにより、大羽根19が連続的に開閉している間、遊技者は複数の遊技球5を大入賞口17に入賞させることが可能となる。また、当該大当たり中において、前記ランプ、音声等の演出とも相まって、遊技者は大当たり遊技を十分に堪能しうる。但し、本実施の形態では、大羽根19の連続開閉中におけるランプでの報知態様は、前記第1の装置における大当たり中のランプでの報知態様と異なっている(例えばランプの点滅の仕方が異なっていたり、点滅等されるランプの種類が異なっていたりする)。また、大羽根19の連続開閉中における音声での報知態様も、前記第1の装置における大当たり中の音声での報知態様と異なっている(例えば、大当たり中にスピーカから流れてくるメロディが全く異なったものとなっている)。
また、続くステップS3016において、制御装置29は、入賞判定フラグFE2が「1」に切換えられたか否かを判定する。そして、入賞判定フラグFE2が「1」に切換えられた場合には、基本的に次のラウンドへ移行させるべく、ステップS3012に処理を戻す。これに対し、入賞判定フラグFE2が依然として「0」のままである場合には、ステップS3017へ移行する。ステップS3017において、制御装置29は、入賞カウンタCE2の値が予め定められた所定値CEmax未満であるか否かを判定する。そして、入賞カウンタCE2の値が所定値CEmax未満の場合には、ステップS3018において、大羽根19の開閉回数が所定回数(例えば18回)未満であるか否かを判定する。大羽根19の開閉回数が所定回数未満の場合には、前記大羽根19の連続開閉を繰り返すべく、処理をステップS3016へ戻す。一方、ステップS3017又はステップS3018で否定判定された場合(Vゾーン18に入賞することなく入賞カウンタCE2の値が所定値CEmax以上となった場合又はVゾーン18に入賞することなく大羽根19の開閉回数が所定回数に達した場合)には、第2の装置での大当たり状態を終了させるべくステップS3019へ移行する。
ステップS3019において、制御装置29は、前記大羽根19の連続開閉を終了させて大入賞口17を閉鎖させるとともに、それまでの大当たり報知を終了させる。また、続くステップS3020において、第2の大当たりフラグXOA2を「0」に設定し、その後の処理を一旦終了する。従って、これ以降、第1の装置における作動(及び作動に基づく報知)が有効化されることとなる。
一方、前記ステップS3012で否定判定された場合(ラウンドカウンタCR2の値が所定値CR2maxを超えた場合)にも、第2の装置における大当たり状態を終了させるべく、ステップS3019へ移行する。従って、第2の装置において一旦大当たり遊技状態が発生すると、遊技球5がVゾーン18に入賞することによる継続条件が、所定値CR2max回数満たされるまでは、大入賞口7が開閉のサイクルを繰り返す。例えば所定値CEmaxが「10」に設定され、大羽根19の連続開閉回数が「18回」に設定され、所定値CRmaxが「15」に設定されている場合には、大当たり状態の発生後、(1)遊技球5が大入賞口17へ10個入賞すること、(2)18回の大羽根19の連続開閉が行われること、のいずれか一方の条件が満たされた時点、或いは、遊技球5がVゾーン18に入賞した時点で大入賞口17が一旦閉鎖される。この大入賞口17の開閉のサイクル(1ラウンド)が遊技球5のVゾーン18への入賞を条件に最大で15回(15ラウンド)繰り返されることとなるのである。なお、所定値CRmaxは、大当たり状態発生毎に、「5回」「7回」「10回」といった具合に適宜抽選されることとなっていてもよい。
以上詳述したように、本実施の形態では、1つの遊技盤2に第1の装置及び第2の装置をそれぞれ設けることとした。従って、遊技者は、図柄作動口3への入賞に基づく特別図柄表示装置11の図柄の変動、及び、羽根作動口15への入賞に基づく大羽根19の開閉を期待することができるとともに、大当たり図柄が停止表示されること、及び、Vゾーン18に入賞することといったそれぞれの特別の条件が成立することを期待しながら遊技を行うことができる。このため、1つのパチンコ機1でもって複数の遊技を堪能することができ、今までにはない興趣の向上を図ることができる。
また、本実施の形態では、第1の装置及び第2の装置にて、それぞれ同時期に大当たり状態が発生させられることが禁止される。従って、同時期に大当たり状態が発生させられることによる不具合、例えば、遊技者が混乱したり、遊技者に過度に有利になりすぎるといった事態等を回避することができる。
さらに、本実施の形態では、第1の装置での大当たりに際し、大当たり報知が実行されるととともに、第2の装置での大当たりに際しても大当たり報知が実行される。このため、これらの大当たり報知によって、遊技者は大当たり状態の発生を喜びながら実感することができ、遊技内容に厚みが増すこととなる。
特に、第2の装置での大当たり中のランプでの報知態様と、前記第1の装置における大当たり中のランプでの報知態様とは、互いに異なっている(例えばランプの点滅の仕方が異なっていたり、点滅等されるランプの種類が異なっていたりする)。また、第2の装置での大当たり中の(大羽根19の連続開閉中における)音声での報知態様も、前記第1の装置における大当たり中の音声での報知態様と異なっている(例えば、大当たり中にスピーカから流れてくるメロディが全く異なったものとなっている)。さらには、第1の装置での大当たり状態発生中は、特別図柄表示装置11においても報知が行われるのに対し、前記第2の装置における大当たり中においては特別図柄表示装置11を用いた報知は行われない。これらのことから、遊技者は、1つのパチンコ機1でもってあたかも複数の遊技を堪能することをより一層実感することができ、より一層の興趣の向上を図ることができる。
併せて、いずれか一方の装置で大当たり状態が発生しない限りは、両装置における所定の契機の発生(図柄作動口3への入賞に基づく特別図柄表示装置11の図柄の変動、及び、羽根作動口15への入賞に基づく大羽根19の開閉)が共に可能となる。従って、上記1つのパチンコ機1でもって複数の遊技を堪能することができるという感覚をより確実に味わうことができる。また、この場合、それぞれの所定の契機の発生が互いに異なった態様で報知される。このため、上記作用効果がより確実に奏されることとなる。
さらに、本実施の形態では、第1及び第2の装置の一方で大当たり状態が発生している間、他方の装置における所定の契機の発生を無効化することとした。このため、上述した作用効果がより確実に奏されることに加えて、大当たり状態発生中は、当該大当たり状態発生中の装置の方に集中して遊技を行うことができ、さらなる興趣の向上を図ることができる。
また、第1及び第2の装置の一方で大当たり状態が発生している間、他方の装置における所定の契機の発生のみならず、所定の契機の報知をも無効化することとした。このため、大当たりとは関係のない方の装置に関する報知が行われてしまうことによる遊技者にとっての紛らわしさが解消されることとなり、誤解の発生を抑制することができる。
さらに、所定期間内に大当たり図柄が停止表示されることと、Vゾーン18に入賞することとが共に起こった場合には、先に条件が成立した一方の装置のみにて大当たり状態が発生し、大当たり報知が実行されるため、上記作用効果がさらに確実に奏されることとなる。
尚、上記実施の形態の記載内容に限定されず、例えば次のように実施してもよい。
(a)上記実施の形態では特に言及しなかったが、第1の装置及び第2の装置ともに大当たり状態が発生していない場合であって、所定の契機の一方が発生させられる場合には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とするようにしてもよい。このような構成とすることで、せっかく図柄が揃ったのに(或いは揃いかけていたのに)、遊技球5がVゾーン18を先に通過したことによって、第1の装置での大当たり状態の発生が無効とされてしまったり、逆に、せっかくVゾーン18を通過したのに(或いは通過しかけていたのに)、図柄が先に揃ったことによって、第2の装置での大当たり状態の発生が無効とされてしまったりするといった事態が回避され、遊技者にとっての失望感を未然に抑制することができる。この場合、当該他方の所定の契機の発生による報知をも所定期間無効とするのが望ましい。
(b)上記(a)の場合において、(1)一方の契機が先に発生させられた場合に、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とすることとしてもよいし、(2)一方が先に発生させられ、その後他方が発生させられた場合に、先に発生させられた一方の所定の契機の発生をそれ以降所定期間無効とすることとしてもよいし、(3)一方が先に発生させられ、その後他方が発生させられた場合、或いは、所定の契機が同時に発生した場合に、遊技者にとって価値の低い方の所定の契機の発生を所定期間無効とすることとしてもよいし、(4)一方が発生させられた場合であって、当該装置において特別の条件が成立する可能性が比較的高い場合(例えばリーチ状態、スーパーリーチ状態発生中、或いは、大入賞口17に入賞したような場合)には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とすることとしてもよい。さらには、(5)所定の契機の発生に関し予め優先順位を決定しておき、かつ、いずれも大当たり状態が発生させられていない場合であって、所定の契機の一方が発生させられる場合には、その一方の優先順位が高い場合には、他方の所定の契機の発生を所定期間無効とすることとしてもよい。また、これら(1)〜(5)の場合、所定期間無効とされる所定の契機の発生による報知をも無効とするのが望ましい。
(c)上記(b)において、前記無効は、前記所定の契機の発生のための必要条件(例えば図柄作動口3への入賞、羽根作動口15への入賞等)が不成立であるとすることとしてもよいし、大当たり状態を発生させるための必要条件(例えば図柄が揃うこと、Vゾーン18に入賞すること等)が不成立であるとすることとしてもよい。
(d)上記実施の形態では、所定期間内に大当たり図柄が停止表示されることと、Vゾーン18に入賞することとが共に起こった場合には、先に条件が成立した一方の装置のみにて大当たり状態を発生させ、大当たり報知を行うこととした。これに対し、(1)特別の条件が後に成立した方の装置のみにて大当たり状態を発生させ、大当たり報知を行うようにしてもよいし、(2)特別の条件が先に成立しそうであることを遊技者が察知する可能性の高い方の装置のみにて大当たり状態を発生させ、大当たり報知を行うようにしてもよいし、(3)所定の契機が先に発生させられた方の装置のみにて大当たり状態を発生させ、大当たり報知を行うようにしてもよいし、(4)所定の契機が後に発生させられた方の装置のみにて大当たり状態を発生させ、大当たり報知を行うようにしてもよい。
(e)上記実施の形態では、第1及び第2の装置の一方で大当たり状態が発生している間、他方の装置における所定の契機の発生及びその契機の報知を無効化することとした。これに対し、一方の装置にて大当たり状態が発生させられている場合、他方の所定の契機の発生及び契機の報知を有効とし、かつ、該他方の所定の契機が発生させられたことに起因して、特別の条件が成立した場合には、他方の装置にて大当たり状態が発生させられ、大当たり報知が行われるよう状態を切換可能としてもよい。この場合、前記状態の切換は、(1)前記一方の装置での大当たり状態が終了した後に行われるようにしてもよいし、(2)特別の条件が成立した場合に、速やかに行われるようにしてもよい。また、予め優先順位を決定しておき、かつ、先に大当たり状態が発生させられている装置の方が優先順位が高いとき、前記切換を禁止するようにしてもよい。
(f)上記実施の形態では、第1の装置及び第2の装置にて、それぞれ同時期に大当たり状態が発生させられることが禁止されることとした。これに対し、それぞれ同時期に大当たり状態を発生可能としてもよい。かかる構成によれば、遊技者は、それぞれの所定の契機の発生を期待することができるとともに、それぞれの特別の条件が成立することを期待しながら遊技を行うことができる。さらに、それぞれ同時期に大当たり状態が発生させられることがあるので、この場合、遊技者にとって非常に望ましい事態となり、喜びに拍車がかけられる。また、かかる場合に、互いに共通した報知を行いうることとしてもよいし、互いに異なった報知を行いうることとしてもよい。また、双方での大当たり状態が発生した場合、各々が別時期に大当たり状態となった場合とは異なった特殊な態様で報知を行うこととしてもよい。さらに、この場合、各装置における所定の契機の発生に際しての報知は、互いに共通した報知を行いうることとしてもよいし、互いに異なった報知を行いうることとしてもよい。
(g)また、単純に、いずれか一方の装置が能動化されているときには、他方の装置を不能動化するようにしてもよい。例えば、第1の装置における図柄作動口3への入賞が能動化されているときには、羽根作動口15への入賞を不能動化することとしてもよく、また、その逆としてもよい。
(h)上記(g)の場合において、前記能動化及び不能動化間の切換を、所定時間毎に行うようにしてもよいし、大当たり状態が発生させられる毎に行うようにしてもよい。また、遊技者の任意の操作(例えばボタン等のスイッチング手段の押圧等のスイッチング操作等)に基づいて、前記能動化及び不能動化間の切換を可能としてもよい。
(i)上記実施の形態では、第1の装置を、遊技盤2に設けられた図柄作動口3に入賞することによって図柄が変動表示され、図柄が所定の停止態様となることを必要条件に大入賞口7が開放されるものとした。また、第2の装置を、常には大羽根19により大入賞口17が閉鎖され、遊技球5の内部への入賞が困難又は不可能となっている第2の可変入賞装置16を備え、羽根作動口15への入賞に基づき、大入賞口17が開口されて内部への入賞を可能とするとともに、該入賞した遊技球5がVゾーン18を通過することを必要条件に大羽根19が連続開閉されるものとした。これに対し、上記第1の装置を2つ以上備えたパチンコ機としてもよいし、上記第2の装置を2つ以上備えたパチンコ機としてもよい。さらに、遊技盤2に設けられ、通常時には入賞が困難な特定の入賞口の入賞に基づく遊技球5の特別領域の通過により特別な権利が発生させられた上で、別途の所定の入賞口へ遊技球5が入賞することにより大当たり状態が発生させられるものを第1及び第2の装置の少なくとも一方として用いてもよい。
(j)上記実施の形態において、第1の装置で大当たり状態が発生した後、通常モード又は確変モードが付与されるようになっていたが、かかる遊技モードの切換を行わないような構成としてもよい。また、いわゆる時間短縮モードを獲得できるような構成としてもよい。
なお、確変モードの概念として、(1)例えば別途設けられた7セグ表示部12aに「7」が表示される確率を通常時に比べて高め、図柄作動口3直上部に設けられた羽根6の開放機会を増やすこと、(2)7セグ表示部12aにおける数字の変動時間を短くすること、(3)前記羽根6の開放時間を長くすること(及び/又は入賞個数を多くすること)、(4)特別図柄表示装置11の表示部11aの図柄の変動時間を短くすること、(5)大当たり期待値が通常モードに比べて高くなることのうち、(5)のみ、すなわち、大当たり確率が単に高められることのみを確率変動モードの概念としてとらえてもよいし、(5)を含む(1)〜(4)のうちの少なくとも1つを満たすことを、確変モードとしてとらえてもよい。すなわち、(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(4))と(5)を組み合わせたものを確率変動モードとしてとらえてもよい。また、時間短縮モードの概念としては、(1)〜(4)の任意の組合せ(例えば(1)と(2)、(1)と(3)、(1)と(4)、(2)と(3)、(2)と(4)、(3)と(4)、(1)と(2)と(3)、(1)と(2)と(4)、(1)と(3)と(4)、(2)と(3)と(4)、(1)と(2)と(3)と(4))を時間短縮モードとしてとらえることができる。
(k)第1の装置及び第2の装置に関して、大入賞口を共通化してもよい。例えば、上記実施の形態における大入賞口7及びシャッタ8等を省略して、図10に示すように、第2の可変入賞装置16の大入賞口17を第1及び第2の装置における大入賞口としてもよい。この場合、特別図柄表示装置11で図柄が揃った場合に、大羽根19が連続開閉(又は開放状態維持)されることにより大当たり状態が発生させられる。この場合、特別図柄表示装置11で図柄が揃った場合と、Vゾーン19を通過した場合とで、大当たり報知態様を共通なものとしてもよいし、互いに異なったものとしてもよい。