JP2010071984A - 検知装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】検出された赤外線の変動量に応じた電気信号を出力する赤外線センサ101a、101bを備えたツインミラー型赤外線センサ101、特徴量に基づいて作成された複数の確率モデルが記憶されるモデル記憶部106、ツインミラー型赤外線センサ101によって出力された電気信号の周波数にかかる情報を特徴量として抽出する特徴量抽出部103、抽出された特徴量とモデル記憶部106記憶されている確率モデルとの尤度に基づいて特徴量に対応する確率モデルを検出し、検知エリアに入った被検知体を認識する認識処理部104により、検知装置を構成する。
【選択図】 図1
Description
上記した不具合を解消するため、人体だけを検知することが可能な種々の受動型赤外線センサが提案されている。人体だけを検知する受動型赤外線の一つに、光学系と受光素子とを組合わせて構成されるユニットを2組備え、2組のユニットを検知エアリアにおいて上下に配置し、赤外線の変動が検知エリア内の所定の範囲以上の規模で生じたか否か判断するものがある。
図6に示した検知装置は、壁面20における成人のほぼ腰に相当する高さ位置に取り付けられる。壁面20に取り付けられるハウジング21には、受光素子1と光学系3とからなる第1センサユニット5と、受光素子2と光学系4とからなる第2センサユニット6が、上下に位置して収納されている。
ここで、検知距離Lは、壁面20から、略、第2センサユニット6により設定した第2の検知エリアA2の中心線Cと地面Gとが交わる位置までの距離である。検知距離L、第1の検知エリアA1の高さ、第1及び第2の検知エリアA1、A2の幅(図の紙面に直交する方向の寸法)から、警戒区域Zが定められる。
一方、犬や猫などの小動物Mが警戒区域Z内に入り込んだ場合、小動物Mから放射される赤外線エネルギは、下方の第2センサユニット6のレンズ4を介して受光素子2に入射するが、受光方向をほぼ水平に向けて配置された上方の第1センサユニット5には殆ど入光されない。したがって、下方の受光素子2から出力される電気信号のみが所定レベルを超えるから、この場合も人体検知信号aが誤出力することがない。
また、図8に示すように、小動物等がセンサの近傍を通過した場合、上側と下側の検知エリアを同時にまたぐことがあり、両方のセンサユニットに入光する赤外線が十分な量となり、人体ではないにも関わらずに検知されて誤報を発生することがある。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、人体だけを正確に検知し、外乱や他の赤外線を放射する物体(被検知体)によって誤報を発することがない高精度の検知装置を提供することを目的とする。
本発明の請求項4に記載の検知装置は、請求項1から3のいずれか1項に記載の発明において、前記特徴量抽出手段(特徴量抽出部103:図1)が、前記熱放射線検知手段(ツインミラー型赤外線センサ101:図1)から出力された信号を、所定の時間ごとに区分して複数のフレームを生成し、各フレームに含まれる複数の周波数に対する各周波数の成分比を表す第1特徴量を抽出することを特徴とする。
請求項7に記載の検知装置は、請求項1から5のいずれか1項に記載の発明において、前記特徴量抽出手段(特徴量抽出部103:図1)が、前記熱放射線検知手段(ツインミラー型赤外線センサ101:図1)から出力された信号を、所定の時間ごとに区分して複数のフレームを生成し、少なくとも2つの前記赤外線センサによってそれぞれ検出された2つの電気信号の相関を前記フレームごとに表す第3特徴量を抽出することを特徴とする。
赤外線センサによって検知することができる。また、赤外線センサによって出力された電気信号の周波数にかかる情報を特徴量として抽出するから、電気信号の周波数にかかる相違を検出することができる。また、特徴量に対応する確率モデルを予め記憶しておき、記憶されている特徴量に確率モデルに対照することができる。さらに、確率モデルのうち、この特徴量が抽出される確率が最も高い確率モデルを検出し、検出された確率モデルに合致する被検知体を検知エリアに入った被検知体であると認識することができる。
請求項3に記載の検知装置によれば、検知装置において確率モデルを記憶しておくことができる。このため、検知装置が置かれた環境や位置等に即した確率モデルを予め作成し、作成された確率モデルを使って被検知体を検知することができる。
したがって、被検知体による赤外線の変化量が小さい場合であっても検知エリアに被検知体が入ったことを検知することができる。
請求項7に記載の検知装置によれば、少なくとも2つの赤外線センサによってそれぞれ検出された2つの電気信号の相関をフレームごとに表す第3特徴量を抽出することができる。このため、2つの赤外線センサのうち、被検知体が両方に同時に検知される大きさを有するか否かを判断することができる。したがって、被検知体の大凡の大きさにより、被検知体が人であるか否かを判断することができる。
・全体構成
図1は、本発明の一実施形態の検知装置を説明するための図である。本実施形態の検知装置は、ツインミラー型赤外線センサ101と、2つのA/D変換器102a、102bと、特徴量抽出部103と、モデル記憶部106と、認識処理部104と、を備えている。なお、図中のモデル生成部105は、モデル記憶部106に記憶される確率モデルを記憶する生成する構成である。本実施形態では、モデル生成部105は検知装置の外部にあって、予め確率モデルを作成し、作成された確率モデルがモデル記憶部106に保存されるものとする。
モデル記憶部106は、特徴量抽出部103によって抽出された特徴量データに基づいて生成されたモデルを記憶する記憶装置である。認識処理部104は、モデル記憶部106に記憶されたモデルの内容と、特徴量抽出部103で抽出された特徴量データとに基づいて、ツインミラー型赤外線センサ101が被検知体を検知可能な範囲(検知エリア)内に存在する被検知体の属性情報を認識する構成である。
本実施形態では、特徴量抽出部103によって抽出された特徴量を蓄積しておき、モデル生成部105によって予め作成されたモデルをモデル記憶部106に記憶させておくものとする。
・特徴量抽出部
図2は、特徴量抽出部103によってなされる特徴量の抽出を説明するための図である。図2中に示したセンサ出力Aは、前記したように、図1に示したA/D変換器102aから出力されたセンサ出力である。また、センサ出力Bは、図1に示したA/D変換器102bから出力されたセンサ出力である。センサ出力A、センサ出力Bは、各々短い区間(所定の時間内にA/D変換器から出力されたセンサ出力)に区切られており、区間の1つ1つを、以降フレームと記す。
第1特徴量データとは、各フレームの信号をFFT(Fast Fourier Transform:高速フーリエ変換)により周波数領域の信号であるスペクトルに変換し、さらに、変換後のスペクトルを各周波数成分の比率に変換し、ダイナミックレンジを確保するために対数をとったものである。
また、第2特徴量データとは、各フレームの信号をFFTにより周波数領域の信号であるスペクトルに変換し、周波数成分ごとに、あるフレーム(第1フレーム)と、このフレームの直前または直後(本実施形態では直前のフレームとする)に出力されたフレーム(第2フレーム)とのスペクトルの比をとり、この比の対数をとったものをいう。
第2特徴量データは、センサ出力A及びセンサ出力Bで独立に算出される。センサ出力Aから算出された第2特徴量データfA2-1、fA2-2、fA2-3、fA2-4は、センサ出力Bから算出された第2特徴量データfB2-1、fB2-2、fB2-3、fB2-4のうち、それぞれ出力のタイミングが同じものと連結される。連結後の第1特徴量データを図中にf2-1、f2-2、f2-3、f2-4と記す。
第3特徴量データの絶対値は、ツインミラー型赤外線センサ101の2つのセンサのうち、両方のセンサの検知エリアに被検知体が同時に入った場合に大きくなる。一方、2つのセンサのうち、一方のセンサの検知エリアにのみ被検知体が入った場合に小さくなる。したがって、第3特徴量データによれば、被検知体が、2つのセンサの検知エリアに同時に入る大きさを持つものであるか否かを判断することができる。判断結果は、被検知体が人間であるか小動物等であるかを判断する指針になる。
さらに、相関係数である第3特徴量データは、センサ出力A、センサ出力Bの振幅とは無関係に、両者の差異を±1の範囲で表すことができる。このような第3特徴量データと、センサ出力の振幅に依存しない第1特徴量データ及び第2特徴量データとを用いることにより、本実施形態は、従来よりもセンサ出力の振幅(強度)の変化が小さい場合にも被検知体を検知することが可能になる。
第3特徴量f3-1、f3-2、f3-3、f3-4は、図示したように、第1特徴量データf1-1、f1-2、f1-3、f1-4及び第2特徴量データf2-1、f2-2、f2-3、f2-4と共に時系列に連結される。
次に、モデル生成部105について説明する。本実施形態では、モデル生成部105を検知装置の外部に設けられるものとする。モデル生成部105は、他の検知装置で取得された特徴量や、過去自装置で取得された特徴量等を蓄積したデータに基づいて、予め確率モデルを作成する。このような本実施形態によれば、検知装置の出荷時に予め確率モデルをモデル記憶部106に保存しておくことができる。このため、検知装置は、出荷直後から多数の特徴量に基づいて作成された確率モデルを使用して被検知体を判定することが可能になる。
認識処理部104は、特徴量抽出部103で生成された第1特徴量データ、第2特徴量データ及び第3特徴量データと、モデル記憶部106に記憶されているHMMとに基づき、被検知体の属性を認識する。
本実施の形態では、認識処理部104が、公知の最尤系列推定(MLSE:Maximum Likelihood Sequence Estimation)を用い、モデル記憶部106に記憶されているHMMから、特徴量抽出部103で算出された第1特徴量データ、第2特徴量データ、第3特徴量データが生成される可能性が最も高いHMMを検出する。
以上述べた実施形態は、熱放射線検知手段として、ツインミラー型赤外線センサ101を使用している。しかし、本発明の実施形態は、熱放射線検知手段としてツインミラー型赤外線センサ101を用いる構成に限定されるものではない。すなわち、本実施形態は、互いに異なる検知エリアにおける赤外線を検出できる赤外線センサを少なくとも2つ備えた構成であれば、どのようなものであっても熱放射線検知手段として使用することが可能である。また、赤外線センサとしては、赤外線の変動量に応じた電気信号を出力することができるものであればよい。
図3(a)に示したように、変形例の赤外線センサは、1つのケース300内に、4つの焦電素子301a、301b、301c、301dを備えている。そして、4つの焦電素子のうち、焦電素子301a、301bから電気信号であるセンサ出力1を出力させ、焦電素子301b、301cからセンサ出力2を出力させる。
このためには、図3(b)に示したように、焦電素子301aと焦電素子301bとを直列に接続させ、焦電素子301cと焦電素子301dとを直列に接続させる。そして、焦電素子301bと焦電素子301cとの間をグラウンドに接続させる。そして、焦電素子301a、焦電素子301dから各々センサ出力を取り出すようにすればよい。
さらに、複数の焦電素子を備えた焦電センサは既存の構成である。ただし、既存の焦電センサでは、複数の焦電素子を全て直列に接続して1つのセンサ出力を得ている。本実施形態では、既存の焦電センサにおける焦電素子の電気的な接続を変更し、熱放射線検知手段として流用することも可能である。
次に、以上述べた本実施形態の効果を確認するための実験例1、実験例2について説明する。
[実験例1]
実験例1は、市販のツインミラー型侵入検知センサに本発明を適用した検知装置(以下、本発明の侵入検知センサと記す)を用い、被検知体が人であるか否かを判断したものである。
図4は、実験例1の結果を説明するための図である。図4に示したグラフの横軸は被検知体となった被験者の身長の範囲(身長カテゴリ)、縦軸は各身長カテゴリに対応する識別率である。識別率とは、被検知体が検知エリア内に入った回数のうち、被検知体が人体であると正しく判断された回数の確率をいう。また、図中に示した従来技術は本発明が適用されていない状態の市販のツインミラー型侵入検知センサ(以下、市販侵入検知センサという)である。本発明とは、上記した本発明の侵入検知センサである。本発明の侵入検知センサ、市販の侵入検知センサでは、被検知体が人であると判断された場合に警報を発するものとする。このため、前記した識別率は、被検知体が検知エリアに入った回数のうち、警報が発生された回数の確率をいう。
身長100cm未満 7名
身長100cm以上115cm未満 7名
身長115cm以上130cm未満 7名
身長130cm以上145cm未満 7名
身長145cm以上160cm未満 7名
身長160cm以上175cm未満 7名
身長175cm以上 7名
計49名
また、実験例1では、人以外の温かい被検知体を被験者と同様のコースを移動させ、データを取得している。取得されたデータ数は1800サンプルである。
なお、被検知体が人体である場合にも、人体以外である場合にも、本発明の侵入検知センサは、床から高さ2.5mの位置に設置されている。
図5は、実験例2を説明するための図である。実験例2は、人体以外の被検知体の識別率について実験したものである。実験例2では、侵入検知センサの設置高さを変えている。図5の横軸は侵入検知センサの設置高さを示し、縦軸は各設置高さに対応する識別率を示している。識別率とは、被検知体が検知エリア内に入った回数のうち、被検知体が人体でないと正しく判断された確率をいう。本発明の侵入検知センサ及び市販の侵入センサは、被検知体が人体であると判断された場合にのみ警報を発する。このため、図5の縦軸に示した識別率は、被検知体が検知エリアに入った回数のうち、警報が発生しなかった回数の確率をいう。
以上の条件で出力されたセンサ出力は、第1特徴量データ、前記第2特徴量データ、第3特徴量データに変換される。また、実験例2では、実験例1で生成した被検知体が人体である確率モデルを9個、人体以外の被検知体の確率モデルを7個保存しておく。つまり、実験例2で使用される確率モデルは、侵入検知センサの設置高さが2.5mである場合に得られる特徴量に基づいて作成されたもののみである。
以上の結果から、本発明は、従来の検知装置である市販の侵入センサよりも被検知体が人体であるか否かを正確に判断することができ検知装置を提供できるものといえる。
101a,101b 赤外線センサ
102a,102b 変換器
103 特徴量抽出部
104 認識処理部
105 モデル生成部
106 モデル記憶部
300 ケース
301a、301b、301c、301d 焦電素子
Claims (7)
- 互いに異なる検知エリアにおける赤外線を検出し、それぞれが検出された赤外線の変動量に応じた電気信号を出力する赤外線センサを、少なくとも2つ備えた熱放射線検知手段と、
赤外線の変動量に応じた電気信号の周波数にかかる情報を示す特徴量に基づいて作成された確率モデルを複数記憶するモデル記憶手段と、
前記熱放射線検知手段によって出力された電気信号の周波数にかかる情報を特徴量として抽出する特徴量抽出手段と、
前記特徴量抽出手段によって抽出された特徴量と、前記モデル記憶手段によって記憶されている確率モデルとの尤度に基づいて、前記複数の確率モデルの中から特徴量に対応する確率モデルを検出する確率モデル検出手段と、
前記確率モデル検出手段によって検出された確率モデルに基づいて、前記検知エリアに入った被検知体を認識する被検知体認識手段と、
を備えることを特徴とする検知装置。 - 前記熱放射線検知手段は、前記赤外線センサとして赤外線の検出素子を1つの筐体内に複数備え、前記筐体から同時に複数の前記電気信号を出力することを特徴とする請求項1に記載の検知装置。
- 前記モデル記憶手段は、予め作成された前記確率モデルを記憶することを特徴とする請求項1または2に記載の検知装置。
- 前記特徴量抽出手段は、
前記熱放射線検知手段から出力された信号を、所定の時間ごとに区分して複数のフレームを生成し、各フレームに含まれる複数の周波数に対する各周波数の成分比を表す第1特徴量を抽出することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の検知装置。 - 前記特徴量抽出手段は、
前記熱放射線検知手段から出力された信号を、所定の時間ごとに区分して複数のフレームを生成し、前記複数のフレームのうちの一のフレームである第1フレームと、時間において、前記第1フレームの直前または直後に位置する第2フレームとの各周波数の成分比を表す第2特徴量を抽出することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の検知装置。 - 前記第1特徴量、前記第2特徴量の少なくとも一方において、前記成分比が対数によって表されることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の検知装置。
- 前記特徴量抽出手段は、
前記熱放射線検知手段から出力された信号を、所定の時間ごとに区分して複数のフレームを生成し、少なくとも2つの前記赤外線センサによってそれぞれ検出された2つの電気信号の相関を前記フレームごとに表す第3特徴量を抽出することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の検知装置。
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