JP2010071903A - 発光測定方法及び発光測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】生体分子等の分析に用いる発光を一定の発光量で安定に得ることができる発光測定方法および装置を提供する。
【解決手段】被検物質とそれに結合した発光酵素とが表面上に固定化された検査基板5に紫外線により活性化される発光基質を含んだ試薬を供給する供給工程と、前記試薬が供給された検査基板5に紫外線8を照射する照射工程と、前記紫外線により活性化された発光基質と前記被検物質とが反応して発生する発光をCCD2などで測定する測定工程とを行う。前記照射工程では、前記反応による単位時間当たりの発光が一定となるように所定の時間、紫外線8を照射する。
【選択図】図1

Description

本発明は、化学発光や生物発光を測定して被検物質を分析する発光測定方法及び発光測定装置に関する。
従来、化学発光や生物発光を利用した分析方法のなかで、酵素を用いる発光を利用して、DNA、RNA、タンパク質などの生体分子あるいは化学物質を酵素高感度に検出あるいは測定可能であることが多数報告されており、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、ウエスタンブロッティング、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ドットブロッティング、及びマイクロアレイ等の手法に応用されている。使用される酵素には、西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼ、アルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼなどがある(例えば、非特許文献1及び非特許文献2参照)。
西洋ワサビ由来ペルオキシダーゼを使用する場合、ルミノールと過酸化水素とを発光基質とすると、発光効率は1%程度と低く(例えば、非特許文献3参照)、また発光持続性も低く、発光反応の開始初期に発光極大を示した後、発光が急激に減衰する。これを改良するためにアクリジン誘導体を基質とすることが提案されていて(例えば特許文献1、特許文献2、及び非特許文献4参照)、ルミノールを用いるときに比べて発光の持続性が向上することが示されている。
アルカリホスファターゼ、β―ガラクトシダーゼについては、発光基質としてアダマンチルジオキセタン誘導体を用いる方法が提案されており(例えば、非特許文献5、非特許文献6、及び非特許文献7参照)、これによれば、ペルオキシダーゼ−ルミノールに比べて発光効率が25%まで向上し、単位時間当たりの発光量も安定に持続する。このため、サザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、ウエスタンブロッティングなど、生体分子あるいは化学物質をメンブレンに固定して、メンブレンで生成される発光をフィルムに露光することにより検出する方法が従来から実施されている。この方法は、フィルムの至適な露光条件を得るために露光を繰り返し行えるという利点を有している(例えば、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
他の発光酵素として、ホタル由来のルシフェラーゼが従来より知られている。このルシフェラーゼは、発光効率は88%と高いものの、それ自体の安定性が低かったのであるが、アミノ酸配列の一部を遺伝子操作により置換することで耐熱安定性を向上させ得ることが示された(例えば、特許文献6、非特許文献8及び非特許文献9参照)。さらに、このルシフェラーゼも、発光反応の開始初期に発光極大を示した後に発光が急激に減衰するものであったが、反応試薬溶液中に補酵素A及び高濃度の還元剤を添加することで発光持続性を向上させ得ることが示された(例えば、特許文献7、特許文献8、特許文献9及び特許文献10参照)。
米国特許第6872828号公報 米国特許第7247726号公報 米国特許第5543295号公報 米国特許第5578253号公報 米国特許第5891626号公報 米国特許第6074859号公報 米国特許第5283179号公報 米国特許第5650289号公報 特表平6−500921号公報 特開2001−224398号公報 レオング(Leong, M.M.)ら, J. Histochem. Cytochem., 34巻, 1645頁, 1986年 ベック(Beck, S.)ら, Anal. Chem., 62巻, 2258頁, 1990年 ロスウェル(Roswell, D.F.)ら, Methods Enzymol., 57巻, 409頁, 1978年 アクハバン−タフティ(Akhavan-Tafti, H.)ら, J. Org. Chem., 63巻, 930頁, 1998年 シャープ(Schaap, A.P.)ら, Tetrahedron Lett., 28巻, 935頁, 1987年 シャープ(Schaap, A.P.)ら, Tetrahedron Lett., 28巻, 1155頁, 1987年 シャープ(Schaap, A.P.)ら, Tetrahedron Lett., 28巻, 1159頁, 1987年 カジヤマ(Kajiyama, N.)ら, Biochemistry, 32巻, 13795頁, 1993年 カジヤマ(Kajiyama, N.)ら, Biosci. Biotechnol. Biochem., 58巻, 1170頁, 1994年
ルシフェラーゼは、上述のように補酵素A及び高濃度の還元剤の添加によって発光の持続性を向上できるようになったものの、つまり発光が急激に減衰することはなくなったものの、徐々に減衰することは避け得ない。低濃度の生体分子を検出するために測定時間を長く設定したり、一度の反応工程で繰り返し測定を行ったりする場合に、一定の発光量を安定して得ることは依然として困難である。
本発明は、上記問題に鑑み、生体分子等の分析に用いる発光を一定の発光量で安定に得ることができる発光測定方法および装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の発光測定方法は、被検物質を分析する際に、前記被検物質とこの被検物質に結合した発光酵素とが表面上に固定化された基板に、紫外線により活性化される発光基質を含んだ試薬を供給する供給工程と、前記試薬が供給された基板に紫外線を照射する照射工程と、前記紫外線により活性化された発光基質と前記発光酵素とが反応して発生する発光を測定する測定工程とを行い、前記照射工程では、前記反応による単位時間当たりの発光が一定となる所定の時間、紫外線を照射することを特徴とするもので、紫外線を照射することで発光基質を活性化して反応を開始させるので、発光を安定に持続させることができる。
前記試薬中の発光基質は、紫外線照射で解離する保護基を結合させることで不活性化されていることを特徴とする。前記発光基質がアデノシン−5´−3リン酸であり、前記保護基がパラ−ニトロフェニルエチル基であり、前記発光基質の反応を触媒する発光酵素がルシフェラーゼであることを特徴とする。前記紫外線の照射時間が少なくとも30秒であることを特徴とする。
また本発明の発光測定装置は、発光酵素と結合した被検物質が固定化されていて、その上に紫外線により活性化される発光基質を含んだ試薬が供給された基板を載置するステージと、前記ステージ上の基板に紫外線を照射する光源と、前記紫外線により活性化された発光基質と前記被検物質とが反応して発生する発光を測定する測定部とを備えたことを特徴とする。
前記試薬中の発光基質は、紫外線照射で解離する保護基を結合させることで不活性化されていることを特徴とする。
前記発光基質がアデノシン−5´−3リン酸であり、前記保護基がパラ−ニトロフェニルエチル基であり、前記発光酵素がルシフェラーゼであることを特徴とする。
本発明の発光測定方法及び発光測定装置によれば、紫外線を照射することで発光基質を活性化して反応を開始させるようにしたため、発光を安定に持続させることができ、測定時間を長くとって低濃度域の検出を行ったり、測定を繰り返す場合も、一定の発光量を安定して得ることが可能である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、発光酵素として従来より用いられているルシフェラーゼの発光反応について説明する。発光反応は次式で表される。
Figure 2010071903
ルシフェラーゼは、マグネシウムイオン(Mg2+)を酵素活性化因子とし、ルシフェリンとATP(アデノシン−5´−3リン酸)と酸素(O)とを基質としたときに、酵素活性を発揮して、オキシルシフェリン、AMP(アデノシン−5´−1リン酸)、ピロリン酸(PPi)、及び二酸化炭素(CO)を生成させ、それに伴って発光(hν)が生じる。この際にルシフェラーゼと基質とが接触すると瞬時に反応が進行するため、前述したように反応開始初期に発光極大に達し、その後に急激に発光が減衰する。この発光の急激な減衰を防止するために、反応試薬溶液に補酵素Aと高濃度のジチオスレオトールを添加することが提案されている。
ルシフェラーゼによる発光の経時的変化を図7に示す。補酵素Aとジチオスレオトールの少なくとも一方を含む3種類の反応試薬溶液I、II、IIIを用い、それぞれの発光輝度を1分毎に追跡した。反応試薬溶液I、II、IIIには、共通して、1mM-ATP、1mMルシフェリン、0.15mMエチレンジアミン四酢酸、10mM硫酸マグネシウム、1mg/mL牛血清アルブミン、25mMトリシン−水酸化ナトリウム(pH7.8)を含有させた。反応試薬溶液I(結果を○で示す)はさらに0.1mMジチオスレイトールを添加した。反応試薬溶液II(結果を△で示す)はさらに0.1mMジチオスレイトールと1mM補酵素Aとを添加した。反応試薬溶液III(結果を□で示す)はさらに1mM補酵素Aと35mMジチオスレイトールとを添加した。図7の結果によれば、発光の減衰は、補酵素Aと高濃度のジチオスレオトールを添加した反応試薬溶液IIIにおいて、これらの双方を添加していない反応試薬溶液I、IIに比べて緩和されているが、単位時間当たり一定の発光量は持続されていない。
これに対し、本発明では、ルシフェラーゼの基質を不活性にするために予め保護基を結合させる。たとえば、ATPに保護基としてパラ−ニトロフェニルエチル基を結合させたもの、つまり、P−[1−(2−ニトロフェニル)エチル]ATP(Caged−ATPと呼ばれている)(化2)を使用する。Caged−ATPに紫外線を照射すると、パラ−ニトロフェニルエチル基が解離して遊離のATP(化3)が生じ、それによりルシフェラーゼの反応が開始し、発光が生じる。この際に紫外線を連続照射することとし、単位時間当たり一定の発光量の持続を確保する。
Figure 2010071903
Figure 2010071903
なお、Caged−ATPなどのCaged化合物に紫外線を照射してATPなどの化合物を遊離させることは既知である(例えば、McCray, J.A.ら,Proc. Natl. Acad. Sci. USA,77巻,7237頁,1980年、特表2004−514460、特表2004−535584)。紫外線はパルス光がミリ〜ナノ秒オーダー照射されている。かかるパルス光では、Caged化合物は十分解離した状態とならず、一定の発光量の持続は困難である。
図1は本発明の一実施形態の発光測定装置の概略構成を示す。発光測定装置の本体1は暗箱となっており、外部からの光を遮断するように設計されている。本体1には、検査基板5を載置するためのステージ4と、検査基板5からの発光を撮影するためのCCD2およびそれにピントを合わせるために装着されたレンズ群3と、検査基板5に紫外線8を照射するブラックライト7とが設置されている。
検査基板5は、図2(a)に示すように、基板に適当な固定化処理を施して、試料をスポット9としてアレイ状に多数固定化したものであり、同時多検出を実現可能である。このような検査基板5は、マイクロアレイと呼称されていて既知であり、既知の装置で作製することができる(Nature Genetics Supplement,21巻,15頁,1999年;特表平10−503841号公報;米国特許6613284号公報;米国特許6692701号公報等)。スポット9の個数は理解し易いように便宜的に示したものであり、図示したスポット数に限定されない。
この検査基板5上に、図2(b)に示すように、スポット9の形成領域を囲む堰6を仮想線で示すように密着させて載置する。このことにより、スポット9の形成領域に液滴を貯留可能なリザーバーが形成され、測定のための処理に必要な液滴をスポット9の表面上に保持することが可能となる。
以下、検査基板5を作製する手順および発光測定方法について具体的に説明する。
図3(a)に示す検査基板5は、ニトロセルロースで表面をコートした1インチ×3インチ大のガラス基板(Gentel Biosciences社製)を用い、スポット9として、濃度既知のヒトIgE(免疫グロブリンE)10を、3fmol、1fmol、0.3fmol、0.1fmolとなるように1枚の基板上に固定化してある。スポット9のスポット径は515μmとした。検査基板5上には、スポット9の形成領域を囲む堰6を密着させて載置している。堰6は内寸21×21mmである。
堰6で囲われた基板表面を、室温にて、3%スキムミルクを含有する0.45M塩化ナトリウム、0.1%Tween20、25mMトリス−塩酸(pH7.4)の溶液でブロッキング処理した。この際には、液層厚1mmになるように滴下し、30分振盪処理した。
次に、図3(b)に示すように、3.3μMのビオチン11で標識した抗ヒトIgE抗体12を各スポット9のヒトIgE10に結合させた。この際にはビオチン11/抗ヒトIgE抗体12を液層厚1mmになるように滴下し、室温で60分振盪処理した。余剰の抗ヒトIgE抗体12を除去するために、0.45M塩化ナトリウム、0.1%Tween20、25mMトリス−塩酸(pH7.4)の溶液にて1分間洗浄する処理を3回繰り返した。
次に、図3(c)に示すように、1nMのストレプトアビジン13を予め結合させた、ビオチン標識したルシフェラーゼ14(Biotinylated Luciferase(BLU-Y)(CD:60407)、キッコーマン社製)をスポット9に結合している抗ヒトIgE抗体12に結合させた。この際には、ストレプトアビジン13/ビオチン標識したルシフェラーゼ14を液層厚1mmになるように滴下し、60分間の振盪処理をした。余剰のストレプトアビジン13/ビオチン標識したルシフェラーゼ14を除去するために、0.45M塩化ナトリウム、0.1%Tween20、25mMトリス−塩酸(pH7.4)の溶液にて1分間洗浄する処理を3回繰り返した。以上により、スポット9中のヒトIgE10に、その固定化量に応じて、ビオチン標識したルシフェラーゼ14が間接的に結合した状態となり、発光測定の準備が完了する。
再び図1を参照する。検査基板5を発光測定装置のステージ4に載置し、堰6で囲われた検査基板5の表面に発光反応試薬溶液を液層厚1mmになるように滴下した。発光反応試薬溶液の組成は、2mM Caged−ATP、2mMルシフェリン、1mM補酵素A、0.15mMエチレンジアミン四酢酸、10mM硫酸マグネシウム、35mMジチオスレイトール、1mg/mL牛血清アルブミン、25mMトリシン−水酸化ナトリウム(pH7.8)とした。この発光反応試薬溶液の組成は、図7にて説明した反応試薬溶液IIIと比べて、2mM Caged−ATP、2mMルシフェリンが異なっている。その他は同じである。
次に、検査基板5にブラックライト7(東芝ライテック社製、極大波長352nm、紫外線放射強度66μW/cm)より紫外線8を一定時間照射してルシフェラーゼの発光反応を開始させ、紫外線8の照射を停止した後に1分毎にCCD2(ビットラン社製、140万画素)を露光した。発光輝度を追跡した結果を図4及び図5に示す。
図4は、紫外線の照射時間を変え、検査基板5に3fmolにてIgEを固定化したスポット9から生じた発光の輝度の経時変化を追跡したグラフである。図4(a)は1分毎の発光輝度値を示し、図4(b)は同発光輝度値の積算値を示している。図中、○は15秒間、△は30秒間、□は60秒間、紫外線を照射した結果を表している。
15秒間の紫外線照射では、図4(a)に示す通り、反応開始4分後に極大の発光を示し、それから次第に発光が減衰していった。このため、図4(b)に示す積算の発光輝度値は、反応初期の15分程度までは反応時間に比例して増加しているが、15分を経過した後は反応時間との比例関係から乖離している。
30秒間の紫外線照射では、図4(a)に示す通り、発光輝度値は反応初期には15秒照射の場合と比べて低いが、反応開始7分後から一定値が持続した。このため、図4(b)に示す積算の発光輝度値は、反応時間に比例して増加している。
60秒間の紫外線照射では、図4(a)に示す通り、発光輝度値は15秒あるいは30秒照射の場合と比べて有意に高く、反応開始5分後からほぼ一定値となった。このため、図4(b)に示す積算の発光輝度値は、反応時間に比例して増加し、15秒照射の場合と比較しても有意に高い。
図5は、紫外線の照射時間を変え、検査基板5に3fmol、1fmol、0.3fmol、0.1fmolにてIgEを固定化した各スポット9から生じた発光の輝度の経時変化を追跡したグラフである。図5(a)は紫外線を15秒、図5(b)は同30秒、図5(c)は同60秒、照射した結果である。なお、図中○は3fmol、●は1fmol、△は0.3fmol、黒△は0.1fmolの基板5に固定化し、形成したスポット9のIgE量をそれぞれ示している。
紫外線照射時間に対する各IgE量での発光輝度値を比較した場合、3fmol及び1fmolのスポットにおいて、60秒まで紫外線を連続的に照射することで、優位に発光輝度値が増加することが示されている。一方、0.3fmol、0.1fmolのスポットでは、紫外線照射時間に依存することなく経時的にも量的にもほぼ一定の発光量である。
なお、図4及び図5には図示していないが、紫外線を照射しない場合、つまり反応試薬溶液を滴下したのみの場合は、ルシフェラーゼからの発光は観察されなかった。
これらの結果は、検査基板5上において、高濃度に被検物質が存在するスポット9でルシフェラーゼ量が高くなり、紫外線照射時間に依存して発光が増大すること、またその場合に、少なくとも30秒間の紫外線照射で一定の発光量を持続的に生成できることを示している。
したがって、紫外線照射時間が長くなるに従い、Caged−ATPからATPへ変換される際の遷移状態の中間体の量が増加し、その中間体からのATPの生成量が増大することとなり、ルシフェラーゼ量が高い場合に発光量が増大することが考えられる。
発光は単位時間当たり一定量で起きているので、図6に示すように、Caged−ATP中間体は、そのオルトフェニルメチル基に紫外線のエネルギー(図中*印)が蓄積されていると考えられる。つまりCaged−ATPの一部が、そのオルトフェニルメチル基に紫外線のエネルギーが蓄積したCaged−ATP中間体に遷移し、その後にオルトフェニルメチル基が解離してATPに変換され、この際に放出される紫外線のエネルギーが再びCaged−ATPに蓄積され、新たなCaged−ATP中間体が生じる、という図示した反応スキームが進行していると思われる。
以上のように本発明においては、紫外線により活性化される発光基質、特にCaged化合物と総称される保護基を有する物質を発光基質として用い、紫外線を一定時間連続して照射することで保護基を解離させて活性状態とするので、この活性状態(遷移状態)の発光基質が時間当たり一定量生成されることとなり、ルシフェラーゼによる発光を長時間、一定に持続させることが可能となる。
そして、ルシフェラーゼによる発光を長時間、一定に持続させることが可能であることにより、生体分子あるいは化学物質を測定する際に、アルカリホスファターゼ及びβ―ガラクトシダーゼでの発光測定および検出と同様に、検出(あるいは露光)時間を長くとって低濃度の生体分子等を検出すること、あるいは、検出(あるいは露光)を繰り返す場合も同等の発光量を得ること、が可能となる。紫外線照射条件は連続照射であるため、パルス光を発生させるときのような高電圧を要求せず、測定装置自体も小型化することが可能となる。
なお、紫外線照射により解離する保護基としてパラ−ニトロフェニル)エチル基を例示したが、これに限らず、1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル基、4,5−ジメトキシ−2−ニトロベンゾイル基、(3´,5´−ジメトキシルフェニル)−2−オキソ−2−フェニル基、α−カルボキシ−2−ニトロベンゾイル基、5−カルボメトキシ−2−ニトロベンゾイル基、[(5−カルボメトキシ−2−ニトロベンゾイル)オキシ]カルボニル基等も使用可能である。
また、IgEを抗体を利用して測定するマイクロアレイ分析を例示したが、マイクロアレイに限らず、周知のサザンハイブリダイゼーション、ノーザンハイブリダイゼーション、ウエスタンブロッティング、酵素結合免疫測定法(ELISA)、ドットブロッティング等による検出、測定の用途に適用できる。
本発明の発光測定方法及び発光測定装置は、ルシフェラーゼなどの発光の減衰を抑えること、つまり単位時間当たり一定の発光量を持続的に生成させることが可能となり、前記発光を利用した生体分子や化学物質等の測定及び検出用途に有用である。
本発明の一実施形態の発光測定装置の概念図 本発明の一実施形態の発光測定方法の対象である検査基板の概念図 図2の検査基板の作製手順および発光測定方法を説明する概念図 図3の発光測定方法により得られる発光輝度の経時変化を示すグラフ 図3の発光測定方法により得られる発光輝度の経時変化を示す他のグラフ 図3の発光測定方法における発光基質の活性化スキームを示す図 従来の発光測定方法により得られる発光輝度の経時変化を示すグラフ
符号の説明
1 発光測定装置
2 CCD
3 レンズ群
4 ステージ
5 基板
6 堰
7 ブラックライト
8 赤外線
9 スポット
10 免疫グロブリンE
11 ビオチン
12 抗免疫グロブリンE抗体
13 ストレプトアビジン
14 ルシフェラーゼ

Claims (7)

  1. 被検物質を分析するための発光測定方法であって、前記被検物質とこの被検物質に結合した発光酵素とが表面上に固定化された基板に、紫外線により活性化される発光基質を含んだ試薬を供給する供給工程と、前記試薬が供給された基板に紫外線を照射する照射工程と、前記紫外線により活性化された発光基質と前記発光酵素とが反応して発生する発光を測定する測定工程とを有しており、前記照射工程では、前記反応による単位時間当たりの発光が一定となる所定の時間、紫外線を照射することを特徴とする発光測定方法。
  2. 前記試薬中の発光基質は、紫外線照射で解離する保護基を結合させることで不活性化されていることを特徴とする請求項1に記載の発光測定方法。
  3. 前記発光基質がアデノシン−5´−3リン酸であり、前記保護基がパラ−ニトロフェニルエチル基であり、前記発光基質の反応を触媒する発光酵素がルシフェラーゼであることを特徴とする請求項2に記載の発光測定方法。
  4. 前記紫外線の照射時間が少なくとも30秒であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の発光測定方法。
  5. 被検物質を分析するための発光測定装置であって、発光酵素と結合した被検物質が固定化されていて、その上に紫外線により活性化される発光基質を含んだ試薬が供給された基板を載置するステージと、前記ステージ上の基板に紫外線を照射する光源と、前記紫外線により活性化された発光基質と前記被検物質とが反応して発生する発光を測定する測定部とを備えたことを特徴とする発光測定装置。
  6. 前記試薬中の発光基質は、紫外線照射で解離する保護基を結合させることで不活性化されていることを特徴とする請求項5に記載の発光測定装置。
  7. 前記発光基質がアデノシン−5´−3リン酸であり、前記保護基がパラ−ニトロフェニルエチル基であり、前記発光酵素がルシフェラーゼであることを特徴とする請求項6に記載の発光測定装置。
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